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特開2023-96438照明用電源装置、及び、照明用電源装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096438
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】照明用電源装置、及び、照明用電源装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/175 20200101AFI20230630BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230630BHJP
【FI】
H05B47/175
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212219
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 良
(72)【発明者】
【氏名】島田 浩平
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA02
3K273QA29
3K273QA37
3K273RA12
3K273RA17
3K273SA21
3K273SA35
3K273SA38
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA11
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA51
3K273TA62
3K273UA22
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】対応関係をユーザが簡単に把握することができる照明用電源を提供する。
【解決手段】複数の照明器アイコンLTと、複数の入力コネクタアイコンINと、を含み、設定モードと確認モードが切り替え可能に構成された設定管理画面PGを表示する設定管理画面表示部P1と、ユーザによる各アイコンの選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンINに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンLTに対応する照明器Lの制御に用いられるように割り当てる割り当て設定として受け付ける割り当て設定受付部P2と、ユーザにより前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、関連付けられた照明器アイコンLTの表示態様を前記設定管理画面PGにおいて変化させる対応関係表示部P3と、を備えた。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネルの照明用電源装置であって、
複数の照明器がそれぞれ個別に接続される複数のチャネルと、
前記複数の照明器の少なくとも1つを制御する指令信号が外部から入力される複数の入力コネクタと、
前記複数の照明器をそれぞれ示す複数の照明器アイコンと、複数の入力コネクタをそれぞれ示す複数の入力コネクタアイコンと、を含み、設定モードと確認モードが切り替え可能に構成された設定管理画面を表示する設定管理画面表示部と、
ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられるように割り当てる割り当て設定として受け付ける割り当て設定受付部と、
受け付けられた前記割り当て設定を記憶する割り当て記憶部と、
ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させる対応関係表示部と、を備えたことを特徴とする照明用電源装置。
【請求項2】
前記複数の入力コネクタのいずれかに入力される指令信号を前記複数の照明器以外に出力する複数の出力コネクタをさらに備え、
前記設定管理画面表示部が、前記設定管理画面において前記複数の出力コネクタをそれぞれ示す複数の出力コネクタアイコンをさらに含んで表示するように構成されており、
前記割り当て設定受付部が、ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコン又は前記複数の出力コネクタアイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられる、又は、選択された出力コネクタアイコンに対応する出力コネクタから出力されるように割り当てる前記割り当て設定として受け付けるように構成されており、
前記対応関係表示部が、ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコン、又は、関連付けられた出力コネクタアイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させるように構成された請求項1記載の照明用電源装置。
【請求項3】
前記対応関係表示部が、選択されている入力コネクタアイコンの表示態様も前記設定管理画面において変化させるように構成された請求項1又は2記載の照明用電源装置。
【請求項4】
前記設定管理画面表示部が、前記設定モードの前記設定管理画面においてユーザにより選択された入力コネクタアイコン、照明器アイコン、又は、出力コネクタアイコンの表示態様を変化させるように構成された請求項2記載の照明用電源装置。
【請求項5】
前記入力コネクタに入力される指令信号がトリガ信号である請求項1乃至4いずれか一項に記載の照明用電源装置。
【請求項6】
複数の照明器がそれぞれ個別に接続される複数のチャネルと、前記複数の照明器の少なくとも1つを制御する指令信号が外部から入力される複数の入力コネクタと、を備えたマルチチャネルの照明用電源装置に用いられるプログラムであって、
前記複数の照明器をそれぞれ示す複数の照明器アイコンと、複数の入力コネクタをそれぞれ示す複数の入力コネクタアイコンと、を含み、設定モードと確認モードが切り替え可能に構成された設定管理画面を表示する設定管理画面表示部と、
ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられるように割り当てる割り当て設定として受け付ける割り当て設定受付部と、
受け付けられた前記割り当て設定を記憶する割り当て記憶部と、
ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させる対応関係表示部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする照明用電源用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明器が接続され、各照明器に対して個別の態様で電力を供給可能なマルチチャネルの照明用電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば製品の外観検査等に用いられる検査用照明システムは、複数の照明器と、複数の照明器を異なるタイミングや周期で発光させることができるように各照明器に対して個別の態様で電力を供給可能なマルチチャネルの照明用電源装置を備えている(特許文献1参照)。
【0003】
このような照明用電源は、複数の照明器がそれぞれ接続される複数のチャネルだけでなく、いずれかの照明器にトリガ信号等の指令信号が外部から入力される複数の入力コネクタや、入力コネクタから入力された指令信号を外部に出力する複数の出力コネクタを備えているものがある。例えば出力コネクタから出力されるトリガ信号は照明器の発光タイミングとカメラのシャッタタイミングを同期させるために使用される。
【0004】
各入力コネクタ、各チャネル、各出力コネクタにはそれぞれを識別するために例えば番号が付与されているが、同じ番号が付されていたとしてもこれらの接続関係は固定されておらず、その組み合わせは任意に設定可能な場合もある。例えば1番の入力コネクタに入力されるトリガ信号を1番のチャネルではなく、2番や3番のチャネルから出力させるといったことも設定を変更すれば可能である。
【0005】
このように入力コネクタ、チャネル、出力コネクタとの対応関係の組み合わせを自由に変更できるので、例えば配線等に関する制約を少なくでき、照明器の更新作業を行いやすくなる。
【0006】
しかしながら、自由にそれぞれの対応関係を設定できてしまうがために、入力コネクタに入力されるトリガ信号がいったいどのチャネルに接続されている照明器に入力されて、かつ、出力コネクタを介してどのカメラのシャッタが切られることになるのかといったトリガ信号の割り当て設定をユーザが認識するのは難しくなっていることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許6806372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、入力コネクタに入力される指令信号を接続されている複数の照明器のいずれに出力するか等を自由に割り当てることができるとともに、その対応関係をユーザが簡単に把握することができる照明用電源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係る照明用電源装置は、マルチチャネルの照明用電源装置であって、複数の照明器がそれぞれ個別に接続される複数のチャネルと、前記複数の照明器の少なくとも1つを制御する指令信号が外部から入力される複数の入力コネクタと、前記複数の照明器をそれぞれ示す複数の照明器アイコンと、複数の入力コネクタをそれぞれ示す複数の入力コネクタアイコンと、を含み、設定モードと確認モードが切り替え可能に構成された設定管理画面を表示する設定管理画面表示部と、ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられるように割り当てる割り当て設定として受け付ける割り当て設定受付部と、受け付けられた前記割り当て設定を記憶する割り当て記憶部と、ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させる対応関係表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、前記設定モードの前記設定管理画面においてユーザは入力コネクタアイコン又は照明器アイコンを選択するだけで、任意の入力コネクタに入力される指令信号を任意の照明器の制御に対して簡単に割り当てることができる。また、前記確認モードの前記設定管理画面においてユーザが前記入力コネクタアイコンを選択すると、前記対応関係表示部が前記割り当て設定に基づいて指令信号が割り当てられることになる照明器に対応する照明器アイコンの表示態様を変化させるので、ユーザは複数の入力コネクタと複数の照明器との間の割り当て設定を容易に理解できる。
【0011】
複数の入力コネクタと複数の照明器との間の割り当て設定だけでなく、さらに照明器以外の機器に入力コネクタに入力される指令信号を割り当てた場合の割り当て設定もユーザが理解しやすくするには、前記複数の入力コネクタのいずれかに入力される指令信号を前記複数の照明器以外に出力する複数の出力コネクタをさらに備え、前記設定管理画面表示部が、前記設定管理画面において前記複数の出力コネクタをそれぞれ示す複数の出力コネクタアイコンをさらに含んで表示するように構成されており、前記割り当て設定受付部が、ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコン又は前記複数の出力コネクタアイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられる、又は、選択された出力コネクタアイコンに対応する出力コネクタから出力されるように割り当てる前記割り当て設定として受け付けるように構成されており、前記対応関係表示部が、ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコン、又は、関連付けられた出力コネクタアイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させるように構成されたものであればよい。
【0012】
割り当て設定に関連する全ての機器との対応関係をユーザがより理解しやすくするには、前記対応関係表示部が、選択されている入力コネクタアイコンの表示態様も前記設定管理画面において変化させるように構成されたものであればよい。
【0013】
ユーザが割り当て設定を行う際に、入力コネクタに対してどの照明器や出力コネクタを連動させようとしているかをわかりやすくするための具体的な態様としては、前記設定管理画面表示部が、前記設定モードの前記設定管理画面においてユーザにより選択された入力コネクタアイコン、照明器アイコン、又は、出力コネクタアイコンの表示態様を変化させるように構成されたものが挙げられる。
【0014】
前記指令信号の具体的な態様としては、前記入力コネクタに入力される指令信号がトリガ信号であるものが挙げられる。
【0015】
既存の照明用電源装置においてプログラムを更新することにより、本発明に係る照明用電源装置と同様の効果を享受できるようにするには、複数の照明器がそれぞれ個別に接続される複数のチャネルと、前記複数の照明器の少なくとも1つを制御する指令信号が外部から入力される複数の入力コネクタと、を備えたマルチチャネルの照明用電源装置に用いられるプログラムであって、前記複数の照明器をそれぞれ示す複数の照明器アイコンと、複数の入力コネクタをそれぞれ示す複数の入力コネクタアイコンと、を含み、設定モードと確認モードが切り替え可能に構成された設定管理画面を表示する設定管理画面表示部と、ユーザによる前記設定モードの前記設定管理画面上における前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つの選択と、前記複数の照明器アイコンのうちの1又は複数の選択の組み合わせを、選択された入力コネクタアイコンに対応する入力コネクタに入力される指令信号が選択された照明器アイコンに対応する照明器の制御に用いられるように割り当てる割り当て設定として受け付ける割り当て設定受付部と、受け付けられた前記割り当て設定を記憶する割り当て記憶部と、ユーザにより前記確認モードの前記設定管理画面上において前記複数の入力コネクタアイコンのうちの1つが選択された場合に、記憶されている前記割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンに関連付けられた照明器アイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させる対応関係表示部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする照明用電源用プログラムを用いれば良い。
【0016】
なお、照明用電源装置用プログラムは電子的に配信されるものであってもよいし、CD、DVD、フラッシュメモリ等のプログラム記録媒体に記録されているものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明に係る照明用電源装置によれば、入力コネクタに入力される指令信号をどの照明器の制御に対して割り当てるかを簡単に設定できるようにしながら、前記対応関係表示部が選択されている入力アイコンに対して関連付けられている照明器アイコンの表示態様を前記設定管理画面において変化させるので、連動している入力コネクタと照明器との対応関係をユーザが容易に把握できる。したがって、照明用電源としての割り当て設定の自由度を高くしながら、その使い勝手を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における照明用電源装置を備えた照明システムを示す模式図。
図2】同実施形態における照明用電源装置の構成を示す機能ブロック図。
図3】同実施形態における設定モードの設定管理画面の初期状態を示す模式図。
図4】同実施形態における設定モードの設定管理画面において各アイコンの選択過程を示す模式図。
図5】同実施形態における設定モードの設定管理画面の選択終了時の状態を示す模式図。
図6】同実施形態における確認モードの設定管理画面の初期状態を示す模式図。
図7】同実施形態における確認モードの設定管理画面において入力アイコンの選択直前の状態を示す模式図。
図8】同実施形態における確認モードの設定管理画面における割り当て設定の表示状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態における照明用電源装置100、及び、それを用いた照明システム200について各図を参照しながら説明する。
【0020】
本実施形態の照明システム200は、例えばワークWの外観検査等に用いられる検査用のものであって、例えば1つのワークWに対して4方向からそれぞれ異なる態様で光を照射し、ワークWからの反射光又は散乱光によってワークWの直上に設けられたカメラCで撮像するように構成されたものである。
【0021】
すなわち、本実施形態の照明システム200は4つの検査用の照明器L1、L2、L3、L4と、4つの照明器L1、L2、L3、L4がそれぞれ個別のチャネルに接続されて、個別の態様で電力供給可能なマルチチャネルの検査用の照明用電源装置100と、を備えたものである。
【0022】
照明器L1、L2、L3、L4は例えばLEDを具備するものであり、照明用電源装置100から供給される電力によりその明るさや発光時間、発光タイミングが制御されるものである。なお、本実施形態では各照明器L1、L2、L3、L4はそれぞれ同じタイプのものであるが、各照明器L1、L2、L3、L4が異なるタイプのものであっても構わない。また、照明器L1、L2、L3、L4の数についても4つに限られるものではなく、2以上の照明器が照明用電源装置100に対して接続されるものであってもよい。
【0023】
照明用電源装置100は、各照明器L1、L2、L3、L4が電力供給用のコードによって各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4に接続される電源本体MBと、電源本体MBに対して接続されて、各種設定を行うために用いられるコンピュータCOMと、を備えたものである。
【0024】
電源本体MBは、複数のチャネルCH1、CH2、CH3、CH4を具備し、各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4に対して設定された各制御項目のパラメータに応じた電力を各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4から個別に出力する電力供給部PSと、外部から入力される指令信号に基づいて前記電力供給部PSの各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4から出力される電力を制御する信号制御部SCと、を少なくとも備えている。本実施形態では指令信号はいずれかの照明器L1、L2、L3、L4の発光開始タイミングを制御するためのトリガ信号である。
【0025】
信号制御部SCは、トリガ信号が入力される複数の入力コネクタN1、N2、N3、N4と、入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されるトリガ信号を電力供給部PSのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4のいずれかに接続されている照明器L1、L2、L3、L4を制御するための信号として電力供給部PSに出力する信号出力部SC1と、入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されるトリガ信号を電力供給部PS以外の機器に対して並列して供給するために外部出力する複数の出力コネクタN6、N7、N8、N9と、を備えている。
【0026】
ここで、各入力コネクタN1、N2、N3、N4と各出力コネクタN6、N7、N8、N9はそれぞれを識別するためのコネクタ番号が付与されている。本実施形態ではコネクタ番号で1~4番は入力コネクタN1、N2、N3、N4を示し、コネクタ番号で6~9番は出力コネクタN6、N7、N8、N9を示す。また、デフォルトではコネクタ番号1~4の入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されたトリガ信号は、同一のチャネル番号を有するチャネルCH1、CH2、CH3,CH4に接続されている照明器L1、L2、L3、L4を制御するためのトリガ信号として信号制御部SCから電力供給部PSに出力されるように構成されている。さらにデフォルトではコネクタ番号1~4の入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されたトリガ信号は、入力コネクタN1、N2、N3、N4のコネクタ番号に5を加えたコネクタ番号の出力コネクタN6、N7、N8、N9から外部にトリガ信号として出力される。
【0027】
ところで、信号制御部SCにおける入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されたトリガ信号は、そのコネクタ番号とは異なるチャネル番号のチャネルCH1、CH2、CH3、CH4へ信号出力部SCから出力するように変更したり、デフォルトとは異なる出力チャネルN6、N7、N8、N9からトリガ信号が出力できるように変更したりできる。すなわち、信号制御部SCは、トリガ信号に関する各入力コネクタN1、N2、N3、N4、各出力コネクタN6、N7、N8、N9、各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4に接続されている各照明器との対応関係をユーザが自由に変更できるように構成されている。なお、この対応関係を変更するためのユーザの操作等については後述する。
【0028】
電力供給部PSは、例えば商用電圧をLEDからなる照明器L1、L2、L3、L4に供給するための直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を具備するものである。また、電力供給部PSは、信号制御部SCから入力される各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4へのトリガ信号に基づいて、予め設定されている態様にて各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4から電力を供給し、照明器L1、L2、L3、L4の発光態様を制御する。例えば信号制御部SCからトリガ信号があるチャネルに対して入力されると、トリガ信号が入力されてから所定期間において所定パルス数の電圧が照明器に対して供給される。
【0029】
コンピュータCOMは、マウスやキーボード等の各種入出力手段IF、メモリ、CPU、ディスプレイDP、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を備えたものであり、メモリに格納されている照明用電源用プログラムが実行されて、各種機器が協業することにより、トリガ信号生成器P1、設定管理画面表示部P2、割り当て設定受付部P3、割り当て記憶部P4、対応関係表示部P5としての機能を少なくとも発揮するように構成されている。
【0030】
トリガ信号生成器P1は、例えばユーザの設定に応じて所定のタイミングでパルスが立つトリガ信号を出力する。例えば周期的にいずれかの照明器を発光させたい場合には、所定期間ごとにパルスが立つトリガ信号が出力される。この例ではトリガ信号生成器P1はコンピュータCOMの機能を利用して実現されているが、例えばファンクションジェネレータ等を用いてトリガ信号生成器P1としての機能を実現してもよい。本実施形態ではトリガ信号生成器P1から出力されるトリガ信号はコネクタ番号が1の入力コネクタに入力されているように構成されている。デフォルトではトリガ信号生成器P1から出力されるトリガ信号は、チャネル番号が1のチャネルN1に接続されている照明器L1の制御に用いられるとともに、例えばカメラCのシャッタ制御を同期させるためのトリガ信号としてコネクタ番号が6の出力コネクタN6から並行して外部出力される。以下の説明では本実施形態の特徴をより明確に説明するために、コネクタ番号が1の入力コネクタN1に入力されるトリガ信号が、チャネル番号が3のチャネルCH3に接続されている照明器L3の制御に使用されるとともに、コネクタ番号が7の出力コネクタN7から入力コネクタN1に入力されているのと同じトリガ信号が外部に出力されるようにユーザが設定した場合を想定する。
【0031】
設定管理画面表示部P2は図3乃至図8に示すようにトリガ信号に関する入力コネクタN1、N2、N3、N4、照明器L1、L2、L3、L4、出力コネクタN6、N7、N8、N9との間の関係をユーザが自由に設定したり、その設定された対応関係を確認したりするために用いられる設定管理画面PGをディスプレイDP上に表示する。この設定管理画面PGは、設定モードと確認モードの少なくとも2つのモードに切り替え可能に構成されている。
【0032】
設定モードにおいては、ある入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されているトリガ信号をどのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4に接続されている照明器L1、L2、L3、L4の制御に用いるのか、又は、どの出力コネクタN6、N7、N8、N9から外部へ並行して出力させるかをユーザが割り当てることができる。
【0033】
確認モードでは、現在設定されている入力コネクタN1、N2、N3、N4、チャネルCH1、CH2、CH3、CH4に接続されている照明器L1、L2、L3、L4、及び、出力コネクタN6、N7、N8、N9との間のトリガ信号に関する割り当て設定をユーザが確認できる。
【0034】
図3に示す設定モードの設定管理画面PGは、複数の入力コネクタN1、N2、N3、N4にそれぞれ対応する複数の入力コネクタアイコンINと、複数の照明器L1、L2、L3、L4にそれぞれ対応する照明器アイコンLTと、複数の出力コネクタN6、N7、N8、N9に対応する出力コネクタアイコンOUTと、設定モードと確認モードをユーザが切り替えるためのラジオボタンが設置されたモード切替領域MDと、設定モードに設定されていることをユーザに通知する通知領域NTを少なくとも含む。ユーザは入出力手段IFである例えばマウスによって設定管理画面PGの各部分をクリックすることにより、トリガ信号の割り当て設定を行ったり、割り当て設定の確認を行ったりできる。
【0035】
割り当て設定受付部P3は、設定モードの設定管理画面PGに対するユーザからの所定入力を割り当て設定として受け付ける。ここで、割り当て設定は入力コネクタに入力されるトリガ信号を信号制御部SCがどのチャネルに対して出力する、又は、どの出力コネクタから出力するかを割り当てるものである。具体的にはユーザが割り当て設定を行うには、図3に示すように設定モードが選択されている状態において、図4に示すように複数の入力コネクタアイコンINのうちの1つを選択するとともに、照明器アイコンLT又は出力コネクタアイコンOUTの少なくとも1つを選択する。割り当て設定受付部P3は、ユーザによる各アイコンの選択の組み合わせを割り当て設定として受け付ける。例えば入力コネクタN1に対して入力されるトリガ信号をチャネルCH3に接続されている照明器L3の制御に用いるとともに、出力コネクタN7から並行して出力したい場合には、ユーザは図4に示すように対応するコネクタ番号として1が付与されている入力コネクタアイコンINと、照明器番号としてL3が付与されている照明器アイコンLTと、コネクタ番号として7が付与されている出力コネクタアイコンOUTをマウスによって選択する。なお、割り当て設定の操作において各アイコンの選択の順番は特に限定されない。
【0036】
設定管理画面表示部P2は、図5に示すように選択されたアイコンの表示態様を選択されるとすぐに変化させ、現在選択されているアイコンがどれであるかをユーザに対して示すように構成されている。また、入力コネクタアイコンINについては1つのみ選択可能で別の入力コネクタアイコンINが選択されると最後に選択されたものだけが選択された状態となる。一方、照明器アイコンLT及び出力コネクタアイコンOUTについては複数同時に選択することもできる。すなわち、1つの入力コネクタN1に対して入力されるトリガ信号を複数の照明器L1、L2、L3、L4に対して同時に制御に用いられるようにしたり、複数の出力コネクタN6、N7、N8、N9から同じトリガ信号が同時に外部出力されるようにしたりできる。図5に示すように各アイコンの選択が終了した後にさらに通知領域NTがクリックされると、各アイコンの選択の組み合わせに基づいて割り当て設定が確定される。
【0037】
割り当て設定受付部P3に受け付けられて確定された割り当て設定は割り当て記憶部P4に記憶される。この割り当て記憶部P4に記憶されている割り当て設定と対応させて信号制御部SCは入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されるトリガ信号を照明器L1、L2、L3、L4が接続されているチャネルCH1、CH2、CH3、CH4又は出力コネクタN6、N7、N8、N9に対してトリガ信号を出力する。
【0038】
対応関係表示部P5は、図6乃至図8に示すように設定管理画面PGが確認モードである場合において、ユーザにより複数の入力コネクタアイコンINのうちの1つが選択された場合に、割り当て記憶部P4に記憶されている割り当て設定に基づいて、選択された入力コネクタアイコンINに対応する入力コネクタN1に入力されるトリガ信号により制御される照明器L3に対応する照明器アイコンLTの表示態様、又は、トリガ信号が外部に出力される出力コネクタN7に対応する出力コネクタアイコンOUTの表示態様を設定管理画面PGにおいて変化させる。すなわち、対応関係表示部P5は、記憶されている割り当て設定を、1つの入力コネクタアイコンに対して1又は複数の照明器アイコンLT又は出力コネクタアイコンOUTが関連付けられたデータとして取り扱う。そして、対応関係表示部P5はユーザにより確認画面PGにおいて選択された入力コネクタアイコンINに関連付けられた照明器アイコンLT、又は、出力コネクタアイコンOUTの表示態様を変更するように構成されている。
【0039】
このように本実施形態の照明用電源装置100であれば、各入力コネクタN1、N2、N3、N4に入力されるトリガ信号をいずれの照明器L1、L2、L3、L4の制御に使用するかと、いずれの出力コネクタN6、N7、N8、N9から並行してトリガ信号を外部出力させるかに簡単かつ自由に設定できる。
【0040】
また、確認モードの設定管理画面PGにおいてユーザは入力コネクタアイコンINのいずれかをクリックするだけで、トリガ信号が割り当てられている照明器L1、L2、L3、L4や出力コネクタN6、N7、N8、N9に対応するアイコンの表示態様が変化するので、その対応関係についても容易に理解できる。
【0041】
したがって、ユーザが複雑な割り当て設定を行っていたり、様々な割り当て設定の変更が繰り返されたりしても、トリガ信号がどのように使用されるかについて実際に照明器L1、L2、L3、L4を発光させなくても確認でき、検査に適した照明設定をユーザは行いやすくなる。
【0042】
その他の実施形態について説明する。
【0043】
前記実施形態の照明用電源装置では入力コネクタに入力される指令信号であるトリガ信号の割り当てを照明器と出力コネクタの双方に対して行えるように構成されていたが、複数の入力コネクタのうちの1つに入力される指令信号を複数の照明器のうちのいずれの制御に用いるために割り当てるかについてのみ設定できるようにしてもよい。このような場合には設定管理画面においては出力コネクタアイコンの表記自体を省略しても構わない。
【0044】
異なる複数の入力コネクタから入力される指令信号を同一の照明器や出力コネクタに重畳させて割り当てられるようにしても構わない。例えば指令信号がトリガ信号の場合であって、従来の設定ではそれぞれ異なるタイミングで発光させていたものを1つの照明器に集約して照明を行いたい場合等にはこのような設定が許容されていれば従来のトリガ信号をそのまま利用することができる。逆に指令信号を単純に重ね合わせて照明器を制御すると故障等の原因となるのであれば、ある入力コネクタから入力されるトリガ信号の割り当て設定が既に行われている照明器アイコンや出力アイコンについては、別の入力コネクタから入力されるトリガ信号の割り当てを行っている間は選択できないように割り当て設定受付部を構成してもよい。
【0045】
指令信号の一例としてはトリガ信号を挙げているが、これに限られるものではなく、例えば点灯及び消灯の切り替えだけでなく、目標となる調光値や電流値等を含む指令信号であっても構わない。
【0046】
出力コネクタから出力される指令信号の用途としてはカメラのシャッタの開閉を発光タイミングに同期させるための同期信号としての使用例を挙げたが、これに限られるものではない。照明器の動作に連動させる必要のあるカメラ以外の機器に指令信号が外部出力されてもよいし、単に動作確認のためのモニタリング信号として外部に出力されてもよい。
【0047】
対応関係表示部による設定管理画面上の各アイコンの表示態様の変化については図示したものに限られず、様々なものであってもよい。すなわち、割り当て設定がされている各アイコンの組が他のアイコンと異なる表示になっていればよい。また、入力アイコンが選択された場合に割り当て設定に基づいて各アイコンの表示態様を変化させるものに限られず、例えば照明器アイコンや出力コネクタアイコンが選択された場合に割り当て設定されている入力コネクタアイコンの表示態様を変化させるように対応関係表示部が構成されていてもよい。
【0048】
照明用電源のチャネル数、入力コネクタ数、出力コネクタ数についてはそれぞれ4つに限られるものではなく、複数であればよいし、それぞれの数が一部又は全部異なっていたとしても構わない。
【0049】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や、各実施形態の一部同士の組み合わせ等を行っても構わない。
【符号の説明】
【0050】
200・・・検査システム
100・・・照明用電源装置
L1、L2、L3、L4・・・照明器
N1、N2、N3、N4・・・入力コネクタ
N6、N7、N8、N9・・・出力コネクタ
CH1、CH2、CH3、CH4・・・チャネル
MB・・・電源本体
P2・・・設定管理画面表示部
P3・・・割り当て設定受付部
P4・・・割り当て記憶部
P5・・・対応関係表示部
PG・・・設定管理画面
IN・・・入力コネクタアイコン
LT・・・照明器アイコン
OUT・・・出力コネクタアイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8