(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096494
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】照明器具、照明装置及び照明器具の組立方法
(51)【国際特許分類】
F21V 21/04 20060101AFI20230630BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230630BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230630BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230630BHJP
【FI】
F21V21/04 210
F21S8/04 110
F21V19/00 510
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212306
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大屋 智嗣
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】器具本体の内部に異物が侵入することを抑制する照明器具、照明装置及び照明器具の組立方法を提供する。
【解決手段】照明器具は、造営部に取り付けられる設置具と、それぞれ設置具取付孔が形成された複数の設置具取付領域のうちの1か所において設置具取付孔を用いて設置具が取り付けられ、設置具によって造営部に取り付けられる器具本体と、器具本体に移動自在に取り付けられ、未使用の設置具取付領域に形成された設置具取付孔を塞ぐ閉塞具と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造営部に取り付けられる設置具と、
それぞれ設置具取付孔が形成された複数の設置具取付領域のうちの1か所において前記設置具取付孔を用いて前記設置具が取り付けられ、前記設置具によって前記造営部に取り付けられる器具本体と、
前記器具本体に移動自在に取り付けられ、未使用の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔を塞ぐ閉塞具と、
を備える照明器具。
【請求項2】
複数の前記設置具取付領域は、前記器具本体における長手方向に沿って形成されている
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記閉塞具は、
未使用の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔を塞ぐ板状の基部と、
前記基部の端部から立設する立設部と、を有し、
前記器具本体には、
前記立設部が挿入され、前記立設部に係合する閉塞具挿通孔が形成されている
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記基部には、前記設置具取付孔と重なって設置具固定具が挿入される基部挿通孔が形成されており、
複数の前記基部挿通孔の位置は、複数の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔毎に、オフセットされている
請求項3記載の照明器具。
【請求項5】
前記閉塞具は、
前記立設部が前記閉塞具挿通孔に係合した状態で前記器具本体に移動自在に取り付けられており、
移動することによって、未使用の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔を塞ぐ
請求項3又は4記載の照明器具。
【請求項6】
前記立設部の長さ寸法は、前記閉塞具挿通孔の長さ寸法以下である
請求項3~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記閉塞具は、
前記基部から突出し、前記閉塞具挿通孔の外縁部に当接することによって、前記基部が移動することを規制する突出部を更に有する
請求項3~6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体には、
前記基部に当接することによって、前記基部が移動することを規制する器具突出部が形成されている
請求項3~7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の照明器具と、
前記照明器具に取り付けられ、照射対象領域に光を照射する灯具と、
を備える照明装置。
【請求項10】
前記照明器具は、
前記器具本体に取り付けられ、前記灯具を引っ掛けて固定する連結バネを有し、
前記連結バネは、
前記閉塞具に当接することによって、前記閉塞具が移動することを規制する
請求項9記載の照明装置。
【請求項11】
前記照明器具は、
前記器具本体に取り付けられ、前記灯具を引っ掛けて固定する引掛具を有し、
前記引掛具は、
前記閉塞具に当接することによって、前記閉塞具が移動することを規制する
請求項9又は10記載の照明装置。
【請求項12】
造営部に取り付けられる設置具と、
それぞれ設置具取付孔が形成された複数の設置具取付領域のうちの1か所において前記設置具取付孔を用いて前記設置具が取り付けられ、前記設置具によって前記造営部に取り付けられる器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、未使用の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔を塞ぐ閉塞具と、を備え、
前記閉塞具は、
未使用の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔を塞ぐ板状の基部と、
前記基部の端部から立設する立設部と、を有し、
前記器具本体には、
前記立設部が挿入され、前記立設部に係合する閉塞具挿通孔が形成されている照明器具の組立方法であって、
前記立設部が前記閉塞具挿通孔に挿入されるステップと、
前記基部が前記器具本体に当接されるステップと、
複数の前記設置具取付領域のうちの1か所において前記設置具及び前記閉塞具が前記器具本体に取り付けられるステップと、
を備える照明器具の組立方法。
【請求項13】
前記基部には、前記設置具取付孔と重なって設置具固定具が挿入される基部挿通孔が形成されており、
複数の前記基部挿通孔の位置は、複数の前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔毎に、オフセットされており、
前記基部挿通孔と、複数の前記設置具取付領域のうち変更される前記設置具取付領域に形成された前記設置具取付孔とが一致するように前記閉塞具がオフセットされた分だけ移動されるステップを更に備える
請求項12記載の照明器具の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、造営部に取り付けられる設置具を備える照明器具、照明装置及び照明器具の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、システム天井等の造営部に取り付けられる設置具を備える照明器具が知られている。特許文献1には、天井躯体から垂下したインサートボルトに懸吊されているチャンネルにぶつからずにTバーの下側から挿入して係合される照明器具が開示されている。特許文献1の照明器具は、器具本体の上面の長手方向に取り付けられ、器具本体の上面において移動自在の取付具を備えている。取付具は、器具本体の上面に形成された長手方向に延びるスリットに移動自在に挿入され、器具本体の上面のネジが、器具本体の内側に設けられたナットに螺合することによって、取付具が固定される。ネジが緩められることによって、取付具はスリットに沿って移動し、取付具の位置を、チャンネルとぶつからないように調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、器具本体の上面に形成されたスリットが、常に空いている。このため、スリットから器具本体の内部に、例えば虫、埃及び液体等の異物が侵入するおそれがある。異物が侵入すると、器具本体に装着される点灯装置及び灯具等の汚染又は動作不良の原因になり得る。また、点灯装置及び灯具等がスリットの近傍に配置されていると、動作不良に起因して発火に至り、スリットを通して器具本体の外部の施設に延焼が拡がるおそれがある。また、特許文献1は、取付具の固定位置が定まっていないため、器具本体の固定が疎かになるおそれがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、器具本体の固定を確実にしつつ、器具本体の内部に異物が侵入することを抑制する照明器具、照明装置及び照明器具の組立方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、造営部に取り付けられる設置具と、それぞれ設置具取付孔が形成された複数の設置具取付領域のうちの1か所において設置具取付孔を用いて設置具が取り付けられ、設置具によって造営部に取り付けられる器具本体と、器具本体に移動自在に取り付けられ、未使用の設置具取付領域に形成された設置具取付孔を塞ぐ閉塞具と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、閉塞具が、未使用の設置具取付領域に形成された設置具取付孔を塞ぐ。このため、設置具取付孔は常に塞がれている。従って、設置具取付孔を通して器具本体の内部に異物が侵入することを抑制することができる。また、器具本体には、複数の設置具取付領域が形成されている。このため、設置具取付領域を、予め、器具本体の固定具合が安定する領域に設定しておくことによって、器具本体の固定を確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置を上面からみた斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置を下面からみた斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置を下面からみた分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明装置を下面からみた分解斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る器具突出部を説明する図である。
【
図7】実施の形態1に係る閉塞具を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る閉塞具の組立手順を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る閉塞具の作用を示す図である。
【
図10】実施の形態2に係る閉塞具の取り付けを示す図である。
【
図11】実施の形態2に係る第2の器具突出部を示す斜視図である。
【
図12】実施の形態3に係る閉塞具の取り付けを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る照明器具、照明装置及び照明器具の組立方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材或いは各構成部分の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を上面からみた斜視図であり、
図2は、実施の形態1に係る照明装置1を下面からみた斜視図である。
図1及び
図2に示すように、照明装置1は、照明器具2と、灯具8とを備えている。照明器具2は、システム天井等の造営部9に取り付けられる設置具50を備えるものであり、設置具50によって造営部9に取り付けられている。造営部9は、Tバーと呼ばれるものであり、断面T字状で長手方向(X方向)に沿って延びる部材である。照明装置1の設置具50は、照明装置1の施工現場におけるCTクリップ、Tハンガー(Tバー吊具)又はTバー受けチャンネルといった設備構成材の配置によって、移動による位置の調整が必要となる。
【0011】
(灯具8)
図3は、実施の形態1に係る照明装置1を下面からみた分解斜視図である。
図3に示すように、灯具8は、長手方向(X方向)に沿って延びる長尺形状をなしており、照明器具2の器具本体20の収容部45に収容されている。灯具8は、外部電源(図示せず)から供給された電力によって、照射対象領域(Z2側)に光を照射するものである。灯具8は、台座80と、発光部81と、カバー82と、電源部83と、灯具側連結具84と、灯具側係止具85と、灯具側電線86とを有している。
【0012】
台座80は、長手方向(X方向)に沿って延びる板状の部材である。発光部81は、例えば光を出射する光源であるLEDが長手方向(X方向)に並んで基板に実装されたものであり、台座80の一面に取り付けられている。なお、光源は、LEDに限らず、半導体レーザ、有機EL又は無機EL等としてもよい。カバー82は、台座80に取り付けられており、発光部81を覆うものである。カバー82は、例えば、発光部81から照射された光を拡散するものである。電源部83は、台座80の他面に取り付けられており、外部電源から供給された電力を変換して、発光部81を点灯させるものである。
【0013】
灯具側連結具84は、台座80の他面に取り付けられており、照明器具2の連結バネ70が引っ掛けられるものである。灯具側係止具85は、器具本体20に設けられた引掛具74に引っ掛けられるものである。灯具8は、灯具側連結具84に連結バネ70が引っ掛けられ、灯具側係止具85が引掛具74(
図5参照)に引っ掛けられることによって、照明器具2に取り付けられる。
【0014】
(照明器具2)
図4は、実施の形態1に係る照明装置1を下面からみた分解斜視図であり、
図5は、実施の形態1に係る照明器具2を示す分解斜視図である。
図3~
図5に示すように、照明器具2は、設置具50と、器具本体20と、連結バネ70と、引掛具74と、端子台79と、閉塞具60とを有している。なお、器具本体20の長手方向(X方向)において、連結バネ70が設けられている側を一端部とし、引掛具74が設けられている側を他端部とする。
【0015】
(設置具50)
設置具50は、2つで1組となるものであり、器具本体20の長手方向(X方向)における両端側に1つずつ取り付けられている。設置具50は、金属製の板材である板金であり、取付具51と、載置具53と、規制具54とを有している。取付具51は、器具本体20の幅方向(Y方向)に沿って延びる板状の部材である。取付具51の中央部分には、器具本体20に設置具固定具55で螺合される取付具螺子孔52が2つ形成されている。
【0016】
取付具51は、2つで1組の設置具固定具55によって器具本体20に固定されて一体化される。設置具固定具55は、例えばネジである。載置具53は、取付具51の両端部に設けられた板状の部材であり、造営部9の上面に載置されるものである。規制具54は、載置具53の近傍に設けられた爪状の部材であり、造営部9に引っ掛けられるものである。規制具54が造営部9に引っ掛けられて、載置具53が造営部9の上面に載置されることによって、設置具50が造営部9に取り付けられる。
【0017】
なお、設置具50は、3つ以上で1組となるものでもよい。また、取付具螺子孔52は1つでもよく、この場合、1つの設置具固定具55が螺合される。更に、取付具螺子孔52は3つ以上で1組でもよく、この場合、3つ以上で1組の設置具固定具55が螺合される。
【0018】
(器具本体20)
器具本体20は、長手方向(X方向)に沿って延びる長尺形状をなしており、設置具50が取り付けられるものである。器具本体20は、器具本体部21と、器具端部44とを有している。
【0019】
(器具本体部21)
器具本体部21は、長手方向(X方向)に沿って延びる部材であり、幅方向(Y方向)の長さが造営部9同士の間隔とほぼ同じである。器具本体部21は、全体として断面略台形状に形成されているが、これに限らず種々の形状に形成されてもよいし、例えば断面略長方形状に形成されてもよい。器具本体部21は、天壁部22と、側壁部40と、接続部42と、傾斜部43とを有している。
【0020】
(天壁部22)
天壁部22は、長手方向(X方向)に沿って延びる板状の部分であり、隣り合った造営部9同士の中間部に位置している。天壁部22には、設置具50が取り付けられる設置具取付領域23が形成されている(
図9参照)。設置具取付領域23は、天壁部22において複数の異なる位置に形成されており、これにより、設置具50を複数の異なる位置に取り付けることができる。本実施の形態1では、設置具取付領域23が2つ形成されている場合について例示している。天壁部22の複数の設置具取付領域23には、設置具固定具55が挿入される設置具取付孔24がそれぞれ2つずつ形成されている。設置具固定具55は、前述の如く例えばネジである。
【0021】
なお、設置具取付孔24は、設置具固定具55の数に対応して形成される。このように、設置具取付孔24は、複数の異なる設置具取付領域23に対応して形成されている。即ち、天壁部22には、1組の設置具50を固定するために用いられる設置具固定具55の数に、それぞれの設置具50が取り付け可能な複数の異なる設置具取付領域23の数を乗算した数の設置具取付孔24が形成されている。異なる設置具取付領域23に形成されている設置具取付孔24は、それぞれ長手方向(X方向)に沿っている。このように、器具本体20は、それぞれ設置具取付孔24が形成された複数の設置具取付領域23のうちの1か所において設置具取付孔24を用いて設置が取り付けられるものである。
【0022】
天壁部22には、閉塞具60が取り付けられる閉塞具取付領域25が形成されている(
図9参照)。閉塞具取付領域25は、設置具取付領域23と一部が重なるように形成されている。また、天壁部22には、連結バネ70が取り付けられる連結バネ取付領域30が形成されている。連結バネ取付領域30は、例えば2つの設置具取付領域23の間に形成されている。連結バネ取付領域30には、連結バネ70を取付固定するための連結バネ螺子孔31が形成されている。更に、天壁部22には、引掛具74が取り付けられる引掛具取付領域32が形成されている。そして、天壁部22には、端子台79が取り付けられる端子台取付領域34が形成されている。天壁部22には、電線が挿入される電線挿通孔35が形成されている。電線挿通孔35には、外部電源と電源部83とを接続する電線(図示せず)が引き込まれる。
【0023】
(器具突出部26)
図6は、実施の形態1に係る器具突出部26を説明する図である。
図6(a)は、実施の形態1に係る器具突出部26を示す斜視図あり、
図6(b)は、実施の形態1に係る器具突出部26を含む、長手方向(X方向)に沿った(幅方向(Y方向)を法線方向とした)断面図である。
図6(a)、
図6(b)に示すように、器具突出部26は、天壁部22に設けられており、閉塞具60の移動を規制するものである。器具突出部26は、天壁部22の長手方向における一端部と連結バネ取付領域30との間に形成されている。器具突出部26は、起立部27と、保持部28とを有している。起立部27は、天壁部22から照射領域側に向かって起立する部分である。
【0024】
保持部28は、起立部27における天壁部22と反対側の端部である先端から、天壁部22の長手方向(X方向)における他端側に延びる部分である。即ち、保持部28は、天壁部22の長手方向(X方向)に沿って内側に向かって延びている。器具突出部26は、切起こし加工によって形成されているが、これ以外の加工方法によって形成されてもよい。また、器具突出部26は、器具本体部21とは別体の部材を天壁部22に取り付けることによって天壁部22から突出するように設けられたものでもよい。
【0025】
(側壁部40)
側壁部40は、器具突出部26の幅方向(Y方向)の両端部から照射領域側に垂直に延びる一対の板状の部分である。器具本体部21において、天壁部22と側壁部40とに囲まれた空間は、灯具8が収容される直方体状の収容部45となっている。側壁部40の高さは、灯具8の高さとほぼ同じである。一方の側壁部40の長手方向(X方向)の一端部且つ天壁部22側には、スリット状の閉塞具挿通孔41が形成されている(
図8(a)参照)。
【0026】
(接続部42)
接続部42は、側壁部40の先端から幅方向(Y方向)の外側に向かって延びる部分である。接続部42は、側壁部40と傾斜部43とを接続するものである。接続部42は、傾斜部43とは異なる傾斜角度で傾斜してもよいし、天壁部22と平行な平面でもよいし、局面でもよい。
【0027】
(傾斜部43)
傾斜部43は、接続部42の先端から照射領域側且つ幅方向(Y方向)の外側に向かって傾斜して延びる部分である。傾斜部43には、光を反射させる反射膜等が形成されている。これにより、収容部45に収容された灯具8から照射された光の一部が、傾斜部43に当たって照射領域側に反射する。傾斜部43は、装着された灯具8の全体を収容する形状をなしている。灯具8は、器具本体20に装着された状態で全体が器具本体20に収容されている。なお、器具本体20は、装着された灯具8の一部を収容する形状をなしているものでもよい。
【0028】
(器具端部44)
器具端部44は、幅方向(Y方向)に沿って延びる部材であり、天壁部22、側壁部40、接続部42及び傾斜部43の長手方向(X方向)における両端部に設けられた一対の部材である。一対の器具端部44は、天壁部22、側壁部40、接続部42及び傾斜部43を接続し、それぞれを両側から支持している。
【0029】
(連結バネ70)
連結バネ70は、器具本体20の天壁部22における連結バネ取付領域30に設けられ、灯具側連結具84に引っ掛かって、照明器具2に灯具8を固定するものである。連結バネ70は、連結バネ固定部71と、連結部72と、連結バネ固定具73とを有している。連結バネ固定部71は、正方形状をなす板状の部分であり、器具本体20の天壁部22に連結バネ固定具73によって取り付けられている。連結部72は、金属製の板状の部材を湾曲させた板バネである。連結部72が撓むことを利用して、灯具8が器具本体20に取り付けられる。連結バネ固定具73は、例えばネジであり、連結バネ固定部71及び器具本体20の天壁部22に挿入されて螺合される。これにより、連結バネ70が器具本体20に固定される。
【0030】
(引掛具74)
引掛具74は、器具本体20の天壁部22における引掛具取付領域32に設けられ、灯具側係止具85に引っ掛かって、照明器具2に灯具8を固定するものである。引掛具74は、引掛具固定部75と、引掛部76と、引掛具固定具77とを有している。引掛具固定部75は、断面L字状をなす部分であり、器具本体20の天壁部22に引掛具固定具77によって取り付けられている。引掛部76は、断面L字状をなす部分であり、引掛具固定部75によって天壁部22の引掛具取付領域32に取り付けられている。引掛部76には、灯具側係止具85に引っ掛かる引掛孔76aが形成されている。引掛具固定具77は、例えばネジであり、引掛具固定部75及び器具本体20の天壁部22に挿入されて螺合される。これにより、引掛具74が器具本体20に固定される。
【0031】
(端子台79)
端子台79は、器具本体20の天壁部22における端子台取付領域34に設けられており、各電線が接続される台である。端子台79から延びる器具側電線78は、外部電源から延びる電線に接続される。これにより、灯具8の発光部81に、外部電源から端子台79を介して電力が供給される。
【0032】
(閉塞具60)
図7は、実施の形態1に係る閉塞具60を示す斜視図である。
図7(a)は、閉塞具60を上面からみた斜視図であり、
図7(b)は、閉塞具60を下面からみた斜視図である。閉塞具60は、器具本体20に移動自在に取り付けられ、未使用の設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24を塞ぐものである。閉塞具60は、設置具50を器具本体20に固定する設置具固定具55を用いて器具本体20に固定され、器具本体20及び設置具50と一体化される。閉塞具60は、金属製の板材である板金である。閉塞具60は、断面L字状となっている。
図7(a)及び
図7(b)に示すように、閉塞具60は、基部61と、立設部69と、突出部62とを有している。
【0033】
(基部61)
基部61は、長方形状の板状の部分であり、器具本体20の天壁部22に取り付けられ収容部45に収容されるものである。基部61は、未使用の設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24を塞ぐ。基部61の中央部分には、閉塞具60が収容部45に配置された状態で天壁部22における連結バネ取付領域30と重なるように、基部貫通孔64が形成されている。基部貫通孔64の大きさは、連結バネ取付領域30の大きさよりも大きい。閉塞具60が器具本体20に固定された状態で、連結バネ取付領域30は基部貫通孔64の内部に配置される。また、連結バネ70は、天壁部22の連結バネ取付領域30に固定された状態で、基部61に形成された基部貫通孔64を通過する。
【0034】
基部61の四隅には、基部挿通孔63が形成されている。基部挿通孔63は、設置具50を器具本体20に固定するための設置具固定具55が挿入される。なお、基部挿通孔63は、設置具固定具55の数に対応して形成される。基部挿通孔63は、天壁部22における複数の異なる設置具取付領域23に対応して形成されている。ここで、異なる設置具取付領域23に対応して形成されている基部挿通孔63同士は、それぞれ幅方向(Y方向)に沿って寸法差Sだけ離れた位置に形成されている。即ち、異なる設置具取付領域23に対応して形成されている基部挿通孔63同士は、それぞれ長手方向(X方向)に沿っておらず、ずれている。
【0035】
このように、複数の基部挿通孔63の位置は、複数の設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24毎に、オフセットされている。異なる設置具取付領域23に対応して形成されている基部挿通孔63同士の幅方向(Y方向)に沿う寸法差Sは、閉塞具60の幅方向(Y方向)に沿う可動寸法M以下である。基部61の厚さ寸法Dは、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41を通過することができる厚さである。即ち、基部61の厚さ寸法Dは、閉塞具挿通孔41の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法H2以下である(
図8(a)参照)。
【0036】
なお、天壁部22における保持部28の側の面と保持部28における天壁部22側の面との間隔寸法は、基部61の厚さ寸法D以上である。
【0037】
(立設部69)
立設部69は、基部61の端部から立設する板状の部分である。立設部69は、基部61と交差する方向に沿って延びている。立設部69は、閉塞具挿通孔41に挿入されて、閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられている状態で、収容部45における閉塞具挿通孔41が形成された側の側壁部40の外側に当たる。このとき、基部61は、器具本体20の天壁部22に当たる。閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられた状態で、器具本体20の長手方向(X方向)に沿う基部61及び立設部69の長さ寸法L1は、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41を通過することができる長さである。即ち、閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられた状態で、器具本体20の長手方向(X方向)に沿う基部61及び立設部69の長さ寸法L1は、閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿う長さ寸法H1以下である(
図8(a)参照)。
【0038】
閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられた状態で、上下方向(Z方向)に沿う立設部69の長さ寸法L2は、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41を通過することができない長さである。即ち、閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられた状態で、器具本体20の上下方向(Z方向)に沿う立設部69の長さ寸法L2は、閉塞具挿通孔41の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法H2よりも大きくなっている。立設部69の厚さ寸法Dは、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41を通過することができる厚さである。即ち、立設部69の厚さ寸法Dは、閉塞具挿通孔41の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法H2以下である(
図8(a)参照)。
【0039】
(突出部62)
突出部62は、基部61から突出し、閉塞具挿通孔41の外縁部に当接することによって、基部61が移動することを規制するものである。突出部62は、立設部69と同じ方向に沿って、立設部69と同じ向きに突出している。突出部62は、切絞り加工に形成されているが、切起こし加工によって形成されてもよい。突出部62は、基部61とは別体の部材が基部61に取り付けられることによって基部61から突出するものでもよい。突出部62の突出寸法L3は、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41を通過することができない長さである。即ち、閉塞具60が器具本体20の収容部45に取り付けられた状態で、器具本体20の上下方向(Z方向)に沿う突出部62の突出寸法L3は、閉塞具挿通孔41の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法H2よりも大きくなっている。これにより、閉塞具60の幅方向(Y方向)に沿う可動寸法Mが規定されている。
【0040】
(閉塞具60の移動、第1の移動規制部)
閉塞具60は、収容部45に配置された状態で、天壁部22上の所定の範囲内において移動することができる。閉塞具60が移動することができる範囲は、4つの移動規制部によって規制されている。第1の移動規制部は、閉塞具60の立設部69である。立設部69は、前述の如く、長手方向(X方向)の長さ寸法L1が、側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿う長さ寸法H1以下である。即ち、閉塞具60は、H1からL1を減算した分だけ長手方向(X方向)に移動することができる。
【0041】
第2の移動規制部は、閉塞具60の突出部62である。突出部62は、前述の如く、上下方向Z方向に沿う突出部62の突出寸法L3は、閉塞具挿通孔41の上下方向(Z方向)に沿う長さ寸法H2よりも大きい。このため、閉塞具60が幅方向(Y方向)に移動したときに、突出部62が側壁部40に当たる。これにより、閉塞具60は、それ以上幅方向(Y方向)に移動することができない。これにより、閉塞具60の幅方向(Y方向)に沿う可動寸法Mが規定されている。
【0042】
第3の移動規制部は、器具突出部26である。閉塞具60は、収容部45に配置された状態で、基部61における天壁部22の一端側となる端面部が、器具突出部26の起立部27に当接することによって、天壁部22の一端部側に移動することができなくなる。そして、閉塞具60は、基部61における天壁部22の一端側となる端面部が起立部27に当接した状態で、基部61の一部が保持部28と重なる。即ち、閉塞具60は、基部61における天壁部22の一端側となる端面部が起立部27に当接した状態で、基部61が天壁部22と保持部28とによって保持される。これにより、閉塞具60は、天壁部22と交差する方向(Z方向)への移動が規制される。
【0043】
第4の移動規制部は、連結バネ70である。閉塞具60は、連結バネ70が連結バネ取付領域30に取り付けられた状態で、天壁部22の長手方向(X方向)における他端部の側に移動すると連結バネ70に当たる。これにより、閉塞具60の長手方向(X方向)への移動が規制される。
【0044】
(閉塞具60の組立)
(1)
図8は、実施の形態1に係る閉塞具60の組立手順を示す図である。次に、閉塞具60の組立手順について説明する。
図8(a)は、閉塞具60の立設部69が器具本体20の閉塞具挿通孔41に挿入されることを示す図である。
図8(a)に示すように、先ず、側壁部40の閉塞具挿通孔41に対して、閉塞具60の立設部69が収容部45の内側から挿入される。
【0045】
(2)
図8(b)は、閉塞具60の基部61が天壁部22に当接することを示す図である。
図8(b)に示すように、立設部69が閉塞具挿通孔41に完全に挿入されて、収容部45の外側に配置されると、閉塞具60の基部61が天壁部22に当接する。その際、閉塞具60が、天壁部22から突出する器具突出部26に重ならないように、照明器具2の他端部の側に寄せられる。ここで、一端部の側とは、照明器具2の長手方向(X方向)における連結バネ70が設けられている側を示し、他端部の側とは、照明器具2の長手方向(X方向)における引掛具74が設けられていない側を示す。
【0046】
(3)
図8(c)は、閉塞具60が器具突出部26に当接することを示す図である。
図8(c)に示すように、基部61の一端部の側の端面部が器具突出部26の起立部27に当接するまで、閉塞具60が一端部に向かって移動される。この状態で、基部61の一部は器具突出部26の保持部28と重なる。また、天壁部22の連結バネ取付領域30及び連結バネ取付領域30に形成された連結バネ螺子孔31は、基部61に形成された基部貫通孔64の内側に配置される。
【0047】
(4)その後、連結バネ固定具73を用いて、連結バネ70が天壁部22の連結バネ取付領域30に固定される。この状態で、閉塞具60は、長手方向(X方向)に沿った移動と、天壁部22と交差する方向(Z方向)に沿った移動とが規制される。また、この状態で、閉塞具60は、閉塞具挿通孔41を通過することができない立設部69と基部61の突出部62とに許容される範囲で、幅方向(Y方向)に沿った移動が可能である。
【0048】
(5)閉塞具60が幅方向(Y方向)に沿って移動されながら、複数の設置具取付領域23のうち設置具50が取り付けられる設置具取付領域23に対応した設置具取付孔24と、基部61の基部挿通孔63とが重なるように、閉塞具60の位置が決められる。
【0049】
(6)そして、設置具固定具55を用いて、設置具50と閉塞具60とが収容部45を構成する天壁部22に取り付けられる。
【0050】
このように、閉塞具60の立設部69が器具本体20の閉塞具挿通孔41に挿入されることによって引っ掛かっている。このため、設置具50を器具本体20に取り付ける際に、閉塞具60が脱離し難い。従って、作業の効率が良い。また、閉塞具60の位置を選択して決定する際に、閉塞具60を一方向(Y方向)のみに沿って移動させればよいため、作業の効率が良い。
【0051】
(設置具取付領域23の変更手順)
(1)
図9は、実施の形態1に係る閉塞具60の作用を示す図である。次に、設置具取付領域23の変更手順について説明する。
図9(a)は、2つの設置具取付領域23のうち一方の設置具取付領域23(A1)に設置具50が取り付けられた状態を示す図である。
図9(a)に示すように、一方の設置具取付領域23に設置具50が取り付けられる場合、設置具固定具55が取り外された状態で、設置具50が一方の設置具取付領域23に合わせられる。
【0052】
(2)この状態で、閉塞具60が幅方向(Y方向)P1に沿って移動されながら、一方の設置具取付領域23に対応した設置具取付孔24と、基部61の基部挿通孔63とが重なるように、閉塞具60の位置が選択されて決定される。
【0053】
(3)そして、設置具固定具55を用いて、設置具50と閉塞具60とが収容部45を構成する天壁部22に取り付けられる。
【0054】
(1)
図9(b)は、2つの設置具取付領域23のうち他方の設置具取付領域23(A2)に設置具50が取り付けられた状態を示す図である。
図9(b)に示すように、他方の設置具取付領域23に設置具50が取り付けられる場合、設置具固定具55が取り外された状態で、設置具50が一方の設置具取付領域23に合わせられる。
【0055】
(2)この状態で、閉塞具60が、
図9(a)の方向P1とは反対の幅方向(Y方向)P2に沿って移動されながら、一方の設置具取付領域23に対応した設置具取付孔24と、基部61の基部挿通孔63とが重なるように、閉塞具60の位置が選択されて決定される。
【0056】
(3)そして、設置具固定具55を用いて、設置具50と閉塞具60とが収容部45を構成する天壁部22に取り付けられる。
【0057】
このように、基部挿通孔63と、複数の設置具取付領域23のうち変更される設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24とが一致するように閉塞具60がオフセットされた分だけ移動される。その際、閉塞具60の立設部69が器具本体20の閉塞具挿通孔41に挿入されることによって器具本体20に引っ掛かっている。このため、設置具50を器具本体20に取り付ける際に、閉塞具60が脱離し難い。従って、作業の効率が良い。
【0058】
本実施の形態1によれば、閉塞具60が、未使用の設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24を塞ぐ。このため、設置具取付孔24は常に塞がれている。従って、設置具取付孔24を通して器具本体20の内部に異物が侵入することを抑制することができる。また、器具本体20には、複数の設置具取付領域23が形成されている。このため、設置具取付領域23を、予め、器具本体20の固定具合が安定する領域に設定しておくことによって、器具本体20の固定を確実にすることができる。
【0059】
(製品品質、施工品質の効果)
閉塞具60が、器具本体20における設置具50が取り付けられる設置具取付領域23以外、即ち、設置具50が取り付けられていない設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24を塞ぐ。このため、器具本体20の内部に、虫、埃又は液体等の異物が侵入することを抑制することができる。また、器具本体20の内部に、虫、埃又は液体等の異物が侵入することを抑制することができるため、電源部83を含む灯具8が汚染したり、動作不良となったりするリスクを抑制することができる。また、閉塞具60が、器具本体20における設置具50が取り付けられる設置具取付領域23以外、即ち、設置具50が取り付けられていない設置具取付領域23に形成された設置具取付孔24を塞ぐ。このため、万が一灯具8等から発火した場合も、器具本体20の外部の施設に延焼(類焼)するリスクを抑制することができる。
【0060】
閉塞具60が設置具50と共に器具本体20に固定されるため、照明器具2の剛性が向上し、照明器具2が変形することを抑制することができる。また、器具本体20に形成される設置具取付孔24の数を減らすことができるため、照明器具2の剛性が向上し、照明器具2が変形することを抑制することができる。更に、器具本体20に形成される設置具取付孔24を異なる位置に分散して配置することができるため、照明器具2の剛性が向上し、照明器具2が変形することを抑制することができる。このように、照明器具2の変形が抑制されるため、照明器具2に装着される灯具8の装着姿勢が安定して揃い、長期の使用において灯具8の装着姿勢が維持される。
【0061】
(組立性、施工性の効果)
閉塞具60は、器具本体20に引っ掛かるため、設置具50と共に器具本体20に固定するための設置具固定具55が取り外されても、器具本体20から脱離し難い。このため、組立作業の効率化及び施工作業の効率化が図れる。また、閉塞具60を紛失するリスクを軽減することもできる。更に、閉塞具60が器具本体20から脱離し難く落下し難いため、器具本体20の撤去を含む施工作業の差異、作業者の安全を確保することができる。器具本体20は、閉塞具60の移動方向を制限するように構成されているため、閉塞具60を器具本体20に固定する際の位置合わせ(位置決め)及び固定が簡易である。
【0062】
なお、設置具50が取り付けられる領域は、天壁部22に限定されず、側壁部40でもよいし、器具本体20の収容部45以外の部分でもよい。設置具固定具55は、ネジに限定されず、器具本体20に対して設置具50が着脱自在に取り付けられるものであればよい。また、設置具50は、器具本体20に対して着脱可能に取り付けられるものに限らない。例えば、設置具50は、器具本体20に対して取り付けられたまま固定状態と固定解除状態との状態変更が可能であり、固定解除状態で器具本体20の複数の異なる設置具取付領域23の間を移動可能なものとしてもよい。
【0063】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る閉塞具60の取り付けを示す図である。本実施の形態2では、器具本体20の長手方向(X方向)における他端部において、閉塞具60の組立手順について説明する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0064】
図10(a)は、閉塞具60の立設部69が器具本体20の閉塞具挿通孔41に挿入されることを示す図である。
図10(a)に示すように、天壁部22の他端部には、閉塞具60の移動を規制する第2の器具突出部26aが設けられている。
【0065】
図11は、実施の形態2に係る第2の器具突出部26aを示す斜視図である。
図11に示すように、第2の器具突出部26aは、第2の起立部27aと、第2の保持部28aとを有している。第2の起立部27aは、天壁部22から照射領域側に向かって起立する部分である。
【0066】
第2の保持部28aは、第2の起立部27aにおける天壁部22と反対側の端部である先端から、天壁部22の長手方向(X方向)における他端側に延びる部分である。即ち、第2の保持部28aは、天壁部22の長手方向(X方向)に沿って外側に向かって延びている。第2の器具突出部26aは、切起こし加工によって形成されているが、これ以外の加工方法によって形成されてもよい。また、第2の器具突出部26aは、器具本体部21とは別体の部材を天壁部22に取り付けることによって天壁部22から突出するように設けられたものでもよい。
【0067】
(1)
図10(a)に示すように、先ず、側壁部40の閉塞具挿通孔41に対して、閉塞具60の立設部69が収容部45の内側から挿入される。
【0068】
(2)
図10(b)は、閉塞具60の基部61が天壁部22に当接することを示す図である。
図10(b)に示すように、立設部69が閉塞具挿通孔41に完全に挿入されて、収容部45の外側に配置されると、閉塞具60の基部61が天壁部22に当接する。その際、閉塞具60が、天壁部22から突出する第2の器具突出部26aに重ならないように、照明器具2の他端部の側に寄せられる。ここで、一端部の側とは、照明器具2の長手方向(X方向)における連結バネ70が設けられている側を示し、他端部の側とは、照明器具2の長手方向(X方向)における引掛具74が設けられていない側を示す。
【0069】
(3)
図10(c)は、閉塞具60が第2の器具突出部26aに当接することを示す図である。
図10(c)に示すように、基部61の一端部の側の端面部が第2の器具突出部26aの第2の起立部27aに当接するまで、閉塞具60が一端部に向かって移動される。この状態で、基部61の一部は第2の器具突出部26aの第2の保持部28aと重なる。また、この状態で、天壁部22の引掛具取付領域32及び引掛具取付領域32に形成された引掛具螺子孔33は、基部61における天壁部22の他端部の側となる端面部よりも天壁部22の他端部の側に配置される。
【0070】
(4)その後、引掛具固定具77を用いて、引掛具74が天壁部22の引掛具取付領域32に固定される。この状態で、閉塞具60は、長手方向(X方向)に沿った移動と、天壁部22と交差する方向(Z方向)に沿った移動とが規制される。また、この状態で、閉塞具60は、閉塞具挿通孔41を通過することができない立設部69と基部61の突出部62とに許容される範囲で、幅方向(Y方向)に沿った移動が可能である。
【0071】
(5)閉塞具60が幅方向(Y方向)に沿って移動されながら、複数の設置具取付領域23のうち設置具50が取り付けられる設置具取付領域23に対応した設置具取付孔24と、基部61の基部挿通孔63とが重なるように、閉塞具60の位置が決められる。
【0072】
(6)そして、設置具固定具55を用いて、設置具50と閉塞具60とが収容部45を構成する天壁部22に取り付けられる。
【0073】
このように、閉塞具60の立設部69が器具本体20の閉塞具挿通孔41に挿入されることによって引っ掛かっている。このため、設置具50を器具本体20に取り付ける際に、閉塞具60が脱離し難い。従って、作業の効率が良い。また、閉塞具60の位置を選択して決定する際に、閉塞具60を一方向(Y方向)のみに沿って移動させればよいため、作業の効率が良い。
【0074】
閉塞具60は、収容部45に配置された状態で、基部61における天壁部22の一端部の側となる端面部が第2の起立部27aに当接することによって、天壁部22の一端部の側への移動が規制される。そして、閉塞具60は、基部61における天壁部22の一端部の側となる端面部が第2の起立部27aに当接した状態で、基部61の一部が第2の保持部28aと重なる。即ち、閉塞具60は、基部61における天壁部22の一端部の側となる端面部が第2の起立部27aに当接した状態で、基部61が天壁部22と第2の保持部28aとによって保持される。これにより、閉塞具60は、天壁部22と交差する方向(Z方向)への移動が規制される。
【0075】
閉塞具60は、引掛具74が引掛具取付領域32に取り付けられた状態で、天壁部22の長手方向(X方向)の他端部の側への移動が規制される。即ち、引掛具74は、引掛具取付領域32に取り付けられた状態で、閉塞具60の第4の移動規制部となる。
【0076】
なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同じ閉塞具60が用いられているが、これに限定されず、実施の形態1と異なる閉塞具60が用いられてもよい。例えば、基部貫通孔64が形成されていないものでもよいし、灯具側係止具85と係合する構成を有するものでもよい。
【0077】
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る閉塞具60bの取り付けを示す図である。本実施の形態3は、閉塞具60bの形状及び閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法H4(図示せず)が、実施の形態1及び2と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。
【0078】
図12に示すように、閉塞具60bの基部61bは、器具本体20の側壁部40に形成された閉塞具挿通孔41に挿通可能な挿通部65と、閉塞具挿通孔41に挿通不可能な非挿通部66とを有している。挿通部65は、非挿通部66の長手方向(X方向)の両端部よりも内側にオフセットされたものであり、挿通部65の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法L4は、閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法H4(図示せず)以下である。非挿通部66の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法L5は、閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法H4より大きい。即ち、L4≦H4<L5の関係が成立している。これにより、挿通部65が閉塞具挿通孔41に挿入されたのち、非挿通部66が閉塞具挿通孔41の縁部に当接して、それ以上閉塞具60bは閉塞具挿通孔41に挿入されない。このように、非挿通部66は、閉塞具60bにおける第2の移動規制部として機能する。
【0079】
立設部69bは、挿通部65における非挿通部66の側と反対側から立設する部分である。挿通部65の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法L4は、挿通部65の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法L4と同じであり、閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)に沿った長さ寸法H4(図示せず)以下である。
【0080】
本実施の形態3によれば、基部61bにおいて挿通部65と非挿通部66との長さが異なるため、閉塞具挿通孔41に挿入される立設部69b及び挿通部65の形状を視認し易い。このため、組立作業又は施工作業の効率化が図れる。また、閉塞具60bにおける第2の移動規制部は、打ち抜き加工によって形成されるものであるため、実施の形態1のような突出部62が不要である。従って、製造費用を更に抑制することができる。更に、閉塞具挿通孔41の長手方向(X方向)の長さ寸法を実施の形態1よりも短くすることができるため、器具本体20の剛性が向上し、器具本体20が変形することを抑制することができる。器具本体20の変形が抑制されるため、器具本体20に装着される灯具8の装着姿勢が安定して揃い、長期の使用において灯具8の装着姿勢が維持される。
【0081】
実施の形態4.
本実施の形態4では、閉塞具60の取り付け位置が、実施の形態1~3と相違する。本実施の形態4では、閉塞具60は、収容部45の外側に取り付けられる。例えば、閉塞具60は、器具本体20の天壁部22と、設置具50との間に取り付けられる。
【0082】
実施の形態5.
本実施の形態5では、閉塞具60と設置具50とが一体化される点で、実施の形態1~4と相違する。本実施の形態5では、閉塞具60は、設置具50とは別体であり、設置具50に取り付けられることによって一体化されてもよい。また、設置具50の取付具51が、閉塞具60の機能を併せ持っているように一体的に成型されてもよい。
【0083】
実施の形態6.
実施の形態6として、閉塞具60又は閉塞具60の機能は、設置具50に限らず、照明装置1における他の構成と組み合わせることが可能である。
【0084】
なお、照明器具2及び照明装置1は、実施の形態1~6の構成に限定されない。実施の形態1~6の構成は一例であり、他の構成を含んでもよい。照明器具2及び照明装置1は、技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に実施する設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含む。
【符号の説明】
【0085】
1 照明装置、2 照明器具、8 灯具、9 造営部、20 器具本体、21 器具本体部、22 天壁部、23 設置具取付領域、24 設置具取付孔、25 閉塞具取付領域、26 器具突出部、26a 第2の器具突出部、27 起立部、27a 第2の起立部、28 保持部、28a 第2の保持部、30 連結バネ取付領域、31 連結バネ螺子孔、32 引掛具取付領域、33 引掛具螺子孔、34 端子台取付領域、35 電線挿通孔、40 側壁部、41 閉塞具挿通孔、42 接続部、43 傾斜部、44 器具端部、45 収容部、50 設置具、51 取付具、52 取付具螺子孔、53 載置具、54 規制具、55 設置具固定具、60,60b 閉塞具、61,61b 基部、62 突出部、63 基部挿通孔、64 基部貫通孔、65 挿通部、66 非挿通部、69,69b 立設部、70 連結バネ、71 連結バネ固定部、72 連結部、73 連結バネ固定具、74 引掛具、75 引掛具固定部、76 引掛部、76a 引掛孔、77 引掛具固定具、78 器具側電線、79 端子台、80 台座、81 発光部、82 カバー、83 電源部、84 灯具側連結具、85 灯具側係止具、86 灯具側電線。