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特開2023-96527情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096527
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230630BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212353
(22)【出願日】2021-12-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年9月15日 株式会社ベネッセホールディングスが、IT media DX Summit vol.9にて、廣本修一郎、田中達也、荒武遼、竹本祥子が発明した「情報処理装置」について、別紙を用いて公開した。 令和3年10月18日 株式会社ベネッセホールディングスが、アイティメディア株式会社のウェブサイト(@IT)にて、廣本修一郎、田中達也、荒武遼、竹本祥子が発明した「情報処理装置」について、別紙の通り公開した。 令和3年12月2日 株式会社ベネッセホールディングスが、株式会社PR TIMESのウェブサイト(PR TIMES)にて、廣本修一郎、田中達也、荒武遼、竹本祥子が発明した「情報処理装置」について別紙の通り公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】廣本 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】荒武 遼
(72)【発明者】
【氏名】竹本 祥子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】担当者が作成する業務報告書に基づいて、担当者の業務スキルを可視化する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数のクライアント端末が、通信ネットワークを介して情報処理装置と相互に通信可能に接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置100は、事前に定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する判定部124と、判定部の判定に基づいて、スキル項目のスコアを算出するスコアリング部125と、スコアリング部が算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する出力部128と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前に定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する判定部と、
前記判定部の判定に基づいて、前記スキル項目のスコアを算出するスコアリング部と、
前記スコアリング部が算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、スキルの保有を肯定的に判断するための複数のワードに関する条件を満たす文が前記業務報告書に含まれる場合、当該スキルの保有を肯定的に判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記担当者がスキルを保有するか否か、又は前記担当者が保有するスキルレベルを判定する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記スコアリング部は、前記担当者の前記スキル項目のスコア、又は前記担当者が所属するグループの前記スキル項目のスコアを算出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、所望のスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者の一覧を出力する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部の判定に基づいて、前記担当者の育成項目を決定する分析部をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記育成項目について、前記判定部が用いた判定アルゴリズムを利用して例文を出力する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記スキル項目のスコアに重みづけを行う分析部をさらに備え、
前記重みづけは、当該スキル項目の特性に応じて決定される、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
スキル項目を定義する工程と、
前記定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する工程と、
前記判定したスキルに基づいて、前記スキル項目のスコアを算出する工程と、
前記算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する工程と
を含む方法。
【請求項10】
1又は複数のコンピュータに、
スキル項目を定義する処理と、
前記定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する処理と、
前記判定したスキルに基づいて、前記スキル項目のスコアを算出する処理と、
前記算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する処理と
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務報告書の一例である日報は、1日の業務を報告するツールとして多くの企業で利用されている。これらの日報データを蓄積して分析を行い、業務を改善する試みが行われている。
【0003】
例えば引用文献1には、外交員が入力した営業活動記録をマーケティング理論に基づく判断要素を用いて自動分析し、分析結果を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-348761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1では事前に定められたフォーマットで作成された営業活動記録が必要となる。また、分析結果として出力される項目は、訪問ユーザ数や面談数、見込数、受注数など、実績として数字に表れるものであり、実績につなげるために必要なスキルを日報から分析することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、担当者が作成する業務報告書に基づいて、担当者の業務スキルを可視化することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、事前に定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する判定部と、判定部の判定に基づいて、スキル項目のスコアを算出するスコアリング部と、スコアリング部が算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する出力部とを備える。
【0008】
この態様によれば、担当者が作成する業務報告書に基づいて、担当者の業務スキルを可視化することができる。
【0009】
上記情報処理装置において、判定部は、スキルの保有を肯定的に判断するための複数のワードに関する条件を満たす文が業務報告書に含まれる場合、当該スキルの保有を肯定的に判定してもよい。この態様によれば、スキルの保有を判断するための条件を柔軟に設定することができる。またこの態様によれば、自由なフォーマットで作成された業務報告書からスキルの保有を判断することができる。
【0010】
上記情報処理装置において、判定部は、担当者がスキルを保有するか否か、又は担当者が保有するスキルレベルを判定してもよい。この態様によれば、スキルごとに、スキルを保有するか否かを判定するか、あるいは保有するスキルレベルまで判定するかを変えることができる。スキルレベルを判定することで、より深く担当者の業務スキルを可視化することができる。
【0011】
上記情報処理装置において、スコアリング部は、担当者のスキル項目のスコア、又は担当者が所属するグループのスキル項目のスコアを算出してもよい。この態様によれば、担当者のみならず、グループの業務スキルを可視化することができる。
【0012】
上記情報処理装置において、出力部は、所望のスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者の一覧を出力してもよい。この態様によれば、担当者は、自身の苦手とするスキル項目を強みとする他の担当者を特定し、特定した担当者にアクセスしてアドバイス等を求めることができる。
【0013】
上記情報処理装置は、判定部の判定に基づいて、担当者の育成項目を決定する分析部をさらに備えてもよい。この態様によれば、客観的なデータに基づいて決定された育成項目を把握し、担当者とその上司とがコミュニケーションを取ることができる。
【0014】
上記情報処理装置において、出力部は、育成項目について、判定部が用いた判定アルゴリズムを利用して例文を出力してもよい。この態様によれば、担当者は、出力された例文を活用することで今後の業務を改善する具体策を得ることができる。
【0015】
上記情報処理装置において、スキル項目のスコアに重みづけを行う分析部をさらに備え、重みづけは、当該スキル項目の特性に応じて決定されてもよい。この態様によれば、スキル項目の特性をスコアに反映することができる。例えば時期に応じてその重要度が変動するスキル項目について、その特性をスコアに反映することで、担当者のスキルをより的確に把握することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係る方法は、スキル項目を定義する工程と、定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する工程と、判定したスキルに基づいて、スキル項目のスコアを算出する工程と、算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する工程とを含む。
【0017】
本発明の他の態様に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、スキル項目を定義する処理と、定義したスキル項目について、業務報告書から担当者のスキルを判定する処理と、判定したスキルに基づいて、スキル項目のスコアを算出する処理と、算出したスコアに基づいて、分析結果を出力する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、担当者が作成する業務報告書に基づいて、担当者の業務スキルを可視化することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る日報の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るスキル記憶部の内容を例示する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る判定結果記憶部の内容を例示する図である。
図6】本発明の一実施形態に係るスコア記憶部の内容を例示する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る分析結果の内容を例示する図である。
図8】本発明の一実施形態に係るスキル判定処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係るスキル判定処理を説明する概念図である。
図10】本発明の一実施形態に係る出力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0021】
(システム構成)
図1を用いて、本発明の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成図である。情報処理システムは、情報処理装置100と複数のクライアント端末200a、200b、…、200n(以下、クライアント端末200と呼ぶ)とを備え、各クライアント端末200は、通信ネットワークNを介して情報処理装置100と相互に通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、有線又は無線回線により構成された有線通信網及び無線通信網のいずれであってもよく、インターネットやLocal Area Network(LAN)であってよい。
【0022】
情報処理装置100は、営業日報のデータを格納し、このデータに基づいて営業スキルを可視化する装置である。情報処理装置100は、クライアント端末200から営業日報のデータを受け付け、営業日報に基づいて営業担当者又は営業担当者が所属する支社ごとに、複数のスキル項目について可視化した分析結果を出力することができる。
【0023】
スキル項目とは、業務を遂行するために担当者に求められる能力を項目化したものである。例えば、営業担当者のスキル項目には、取引先に関する情報収集力や自社商品・自社サービスに関する情報収集力、取引先との関係構築力、提案力、危機管理力等が含まれる。
【0024】
クライアント端末200は、ユーザによって使用される端末である。ここでユーザには、営業日報をクライアント端末200を介して入力する支社の担当者や、この担当者の上司、支社ごとの分析結果を用いて複数の支社の運営状況を管理するマネージャ等が含まれる。
【0025】
なお、セキュリティ面に関しては本願の要旨と直接の関係を有しないので、ここでは考慮していないが、各ユーザは、特定のデータに対する特定の処理のみが許可されるように制御されることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
また、本実施形態では、営業担当者が作成した日報に基づいて営業スキルを可視化する例について説明するが、別の実施形態では、他の任意の業務を遂行する担当者が作成した日報に基づいて担当者の業務スキルを可視化するようにしてもよい。また、本実施形態では業務報告書の一例である日報を用いた例について説明するが、別の実施形態では、週報、月報等、他の任意の業務報告書を用いることができる。
【0027】
(機能構成:情報処理装置)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。なお、図2では、単一の情報処理装置100を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、情報処理装置100を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0028】
情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備えている。
【0029】
通信部110は、情報処理装置100をネットワークに接続するように構成される。例えば、通信部110は、LANカード、アナログモデム、ISDNモデム等、及びこれらをシステムバス等の伝送路を介して処理部と接続するためのインタフェースから実現することができる。通信部110を介して、情報処理装置100はクライアント端末200及び他のサーバ(図示せず)からデータを受け付けることができる。他のサーバは、スキル分析に必要な、担当者に関するデータを格納する担当者データ、自社商品に関するデータを格納する商品データ、支社に関するデータを格納する支社データ、取引先に関する情報を格納する取引先データ等を格納する任意のサーバとすることができる。
【0030】
制御部120は、プロセッサに相当するCPUやMPU等の演算処理部121及びRAM等のメモリ122を備えている。演算処理部121(プロセッサ)は、各種入力に基づき、記憶部130に記録されたプログラムをメモリ122に展開して実行することで、演算処理部121における後述する機能及び処理を実現する。このプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶され、若しくはネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされるものであってもよい。メモリ122は、演算処理部121(プロセッサ)によるプログラム実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0031】
記憶部130は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部120における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部130は、日報記憶部131、スキル記憶部132、判定結果記憶部133及びスコア記憶部134を有していることが望ましい。
【0032】
日報記憶部131には、複数の日報が保存されている。本実施形態では、担当者は、取引先ごとに、図3に示されるような日報を作成するものとする。例えば1日に3つの取引先を訪問した場合、担当者は、各取引先に関連付けられた3つの日報を作成するものとする。日報には、少なくとも、担当者を一意に識別する担当者ID、取引先を一意に識別する取引先ID及び日付の情報が関連付けられており、本実施形態では、日報記憶部131には、担当者ID、取引先ID及び日付に関連付けて日報が保存される。別の実施形態では、担当者は、複数の取引先を含む一の日報を作成してもよい。この場合、日報内の記載がそれぞれどの取引先に関連するものかを把握できるようなフォーマットとすることが望ましい。
【0033】
スキル記憶部132には、スキル項目に関する情報が保存されている。一実施形態では、スキル記憶部132には、図4に示されるように、スキルID、スキル項目、カテゴリ、判定式、関連ワード1、関連ワード2、関連ワード3、除外ワード、レベル等が含まれることが望ましい。スキルIDは、スキル項目を一意に識別することができる情報である。カテゴリは、スキル項目を分類するためのカテゴリを示す。判定式には、対象となるスキルの保有を肯定的に判定するための、関連ワード及び除外ワードを用いた式が保存される。
【0034】
例えば、関連ワード1と関連ワード2との組み合わせによりそのスキルの保有が肯定的に判定される場合、判定式には、「関連ワード1×関連ワード2」が指定される。また、関連ワード1と関連ワード2との組み合わせのうち、除外ワードを含まないものについてそのスキルの保有が肯定的に判定される場合、判定式には、「関連ワード1×関連ワード2-除外ワード」が指定される。各関連ワードには、判定式に用いられる1又は複数のワードが保存される。除外ワードにも、判定式に用いられる1又は複数のワードが保存される。レベルには、保有するスキルレベルの高さに応じて、A、B、C等、複数のレベルのうちの1つが設定される。例えば、レベル「A」は対象となるスキルについてレベル「B」よりも相対的に高いスキルレベルを保有することを示し、レベル「C」は対象となるスキルについてレベル「B」よりも相対的に低いスキルレベルを保有することを示す。
【0035】
判定結果記憶部133には、取引先ごとに判定した担当者のスキルに関する情報が保存されている。一実施形態では、判定結果記憶部133には、図5に示されるように、担当者ID、取引先ID、判定期間、スキル1、スキル2、…、スキルnが含まれることが望ましい。担当者IDは、担当者を一意に識別することができる情報である。取引先IDは、取引先を一意に識別することができる情報である。
【0036】
判定期間は、スキル項目について判定した所定の期間を示す情報である。例えば、一実施形態では、担当者のスキルについて月次で判定するものとし、対象期間には、年月が保存される。スキル1、スキル2、…、スキルnは、後述の判定部124が日報から判定するn個のスキルに対応しており、各スキルには、担当者の対象となるスキルの保有状態に関する情報(1:保有している、0:保有を確認できない)が保存される。代替的に、各スキルには、担当者が対象となるスキルを保有するレベルの高さを示す情報(A:高、B:中、C:低)が保存されてもよい。
【0037】
スコア記憶部134には、担当者ごと又は支社ごとに算出したスコアに関する情報が保存されている。一実施形態では、判定結果記憶部133には、図6に示されるように、担当者ID/支社ID、取引先ID、判定期間、スコア1、スコア2、…、スコアn、偏差値1、偏差値2、…、偏差値n、達成率1、達成率2、・・・、達成率n、育成項目が含まれることが望ましい。担当者IDは、担当者を一意に識別することができる情報である。支社IDは、支社を一意に識別することができる情報である。取引先IDは、取引先を一意に識別することができる情報である。
【0038】
判定期間は、スキル項目について判定した所定の期間を示す情報である。例えば、一実施形態では、担当者のスキルについて月次で判定するものとし、対象期間には、年月が保存される。スコア1、スコア2、…、スコアnは、判定結果記憶部133のスキル1、スキル2、…、スキルnのスコアに対応しており、各スコアには、後述のスコアリング部125が算出したスコアが保存される。また、偏差値1、偏差値2、…、偏差値nは、スコア1、スコア2、…、スコアnの偏差値に対応しており、各偏差値には、後述の分析部126が求めた偏差値が保存される。達成率1、達成率2、…、達成率nは、所定の目標値に対する各スコアの達成率に対応しており、各達成率には、後述の分析部126が求めた達成率が保存される。育成項目は、担当者が保有するスキルレベルが低く、今後の育成が望まれるスキル項目を示す。
【0039】
さらに、図2に示すように、演算処理部121は、機能部として、受付部123、判定部124、スコアリング部125、分析部126、検索受付部127及び出力部128を備えている。
【0040】
受付部123は、日報を受け付けて日報記憶部131に登録する。本実施形態では、受付部123は、クライアント端末200から日報を受け付けて、日報記憶部131に登録する。本実施形態では、担当者は、クライアント端末200を介して取引先ごとに、図3に示されるような日報を作成して、作成した日報を情報処理装置100に送信するものとする。日報には、少なくとも、担当者を一意に識別する担当者ID、取引先を一意に識別する取引先ID及び日付の情報が関連付けられており、本実施形態では、受付部123は、担当者ID、取引先ID及び日付に関連付けて日報を登録する。
【0041】
判定部124は、スキル記憶部132に基づいて、日報からスキルを判定する。本実施形態では、判定部124は、日報に含まれる文字列を1文単位に分割し、文ごとにスキル記憶部132の判定式に基づいてスキルを判定する。判定式を満たす場合、判定部124は、判定結果記憶部133の対象のスキルに、スキル記憶部132のレベル(A:高、B:中、C:低)、又は、レベル情報が保存されていない場合にはスキルの保有を示す情報「1」を保存する。
【0042】
本実施形態では、判定部124は、判定期間中に判定式を満たす文が複数存在する場合、最良の判定結果のみを判定結果記憶部133に保存するものとする。例えば、判定部124は、担当者1の取引先X、スキル1について判定結果記憶部133に既に「A」が保存されている状態で、レベル「B」の判定式を満たすと判定した場合、判定結果記憶部133のスキル1を更新しないものとする。一方で、判定部124は、担当者1の取引先X、スキル1について判定結果記憶部133に既に「B」が保存されている状態で、レベル「A」の判定式を満たすと判定した場合、判定結果記憶部133のスキル1を「A」に更新する。
【0043】
スコアリング部125は、担当者ごとに各スキルのスコアを算出する。本実施形態では、スコアリング部125は、判定結果記憶部133を用いて、以下の式に基づいてスコアを算出する。
スコア=スキルを保有する取引先数/担当者が担当する取引先数×100
【0044】
本実施形態では、スコアリング部125は、判定結果記憶部133の対象のスキルにスキルを保有する情報(1、A、B、又はCのいずれか)が保存されている場合、スコアを保有する取引先としてカウントする。担当者が担当する取引先数は、他のサーバ等に保存された担当者データに保存された取引先数としてもよいし、担当者が判定期間内に作成した日報に含まれる取引先数としてもよい。スコアリング部125は、算出したスコアをスコア記憶部134に保存する。
【0045】
また、スコアリング部125は、支社ごとに各スキルのスコアを算出する。本実施形態では、スコアリング部125は、判定結果記憶部133を用いて、以下の式に基づいてスコアを算出する。
スコア=スキルを保有する取引先数/支社が担当する取引先数×100
【0046】
本実施形態では、スコアリング部125は、対象の支社に所属するいずれかの担当者において、判定結果記憶部133の対象のスキルにスキルを保有する情報(1、A、B、又はCのいずれか)が保存されている場合、スコアを保有する取引先としてカウントする。支社が担当する取引先数は、他のサーバ等に保存された支社データに保存された取引先数としてもよいし、支社に所属する複数の担当者が判定期間内に作成した日報に含まれる取引先数としてもよい。スコアリング部125は、算出したスコアをスコア記憶部134に保存する。
【0047】
分析部126は、担当者のスキルについて分析する。本実施形態では、分析部126は、判定結果記憶部133に保存されたスキル判定やスコア記憶部134のスコアに基づいて、担当者のスキルについて分析する。具体的には、分析部126は、スコア記憶部134に保存されたスコアに基づいて、偏差値を求めて、求めた偏差値をスコア記憶部134に保存する。
【0048】
さらに分析部126は、スコア記憶部134に保存されたスコアに基づいて達成率を求めて、求めた達成率をスコア記憶部134に保存することができる。例えば分析部126は、以下の式に基づいて達成率を求めることができる。
達成率=スコア/目標値×100
ここで、目標値は、過去のスコア等に基づいて任意の手法で決定することができる。目標値は、担当者ごとに設定してもよいし、支社ごと等、複数の担当者について共通の目標値を設定してもよい。
【0049】
一実施形態では、分析部126は、担当者の育成項目を決定して、決定した育成項目をスコア記憶部134に保存することができる。育成項目とは、担当者が保有するスキルレベルが低く、今後の育成が望まれるスキル項目を示す。例えば、分析部126は、判定期間中に偏差値が最も低いスキル項目を育成項目として決定することができる。別の実施形態では、分析部126は、判定結果記憶部133に保存されたスキル判定に基づいて、レベル「C」が最も多く保存されたスキル項目を育成項目として決定してもよい。
【0050】
また一実施形態では、分析部126は、1又は複数のスキル項目を含むカテゴリについて、スコアを求めてもよい。例えば分析部126は、各スキル項目の偏差値に基づいて、カテゴリのスコアを求めることができる。ここで、分析部126は、スキル項目の特性や重要度に応じた重みづけを各スキル項目の偏差値に乗じた値を用いてカテゴリのスコアを求めてもよい。スキル項目の特性には、例えば判定期間に応じて重要度が変化する、時期変動特性が含まれる。具体的には、図4にスキルID「6」で示されるスキル項目「取引先人事情報の把握」について、分析部126は、1月から3月の判定期間は他の月と比較して高い重みづけを用い、4月から12月の判定期間は他の月と比較して低い重みづけを用いることができる。重みづけは、過去の傾向等を分析した結果に基づいて任意の手法で決定することができる。
【0051】
検索受付部127は、ユーザからの検索指示を受け付ける。本実施形態では、検索受付部127は、所望の担当者又は支社のスキルの分析結果を出力するための検索指示、又は所望のスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者を出力するための検索指示のいずれかを受け付ける。一実施形態では、検索受付部127は、指定された複数の担当者について、スコアリング部125が算出した複数のスキル項目のスコアを並べて表示した分析結果を出力するための検索指示を受け付けてもよい。
【0052】
出力部128は、担当者ごとのスキルを可視化した分析結果を出力する。本実施形態では、出力部128は、図7に示されるようにスコアリング部125が算出したスコア及び分析部126が求めた偏差値に基づいて、分析結果を出力する。また、出力部128は、支社ごとのスキルを可視化した分析結果を出力することもできる。
【0053】
出力部128はまた、検索受付部127が受け付けた検索指示に基づいて、指定されたスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者の一覧を出力することができる。例えば、出力部128は、指定されたスキル項目のスコアが高い順で並べた担当者の一覧を出力することができる。担当者の一覧には、各担当者の氏名、支社に加えて、電話番号やメールアドレス等を含む連絡先が含まれることが望ましい。このように、特定のスキルについて高いスキルレベルを保有する担当者を確認できることにより、担当者は、自身の苦手とするスキル項目を強みとする他の担当者を特定し、特定した担当者にアクセスしてアドバイス等を求めることができる。
【0054】
さらに一実施形態では、出力部128は、検索受付部127が受け付けた検索指示に基づいて、指定された複数の担当者について、スコアリング部125が算出したスコアを並べて表示した分析結果を出力することができる。この際、出力部128は、例えば全担当者など、母集団のスキル項目ごとの平均スコアと比較してプラス5%のスコアの背景を青色にし、平均スコアと比較してマイナス5%のスコアの背景を赤色にするなど、高いスキルレベルと低いスキルレベルとを識別可能なように表示してもよい。
【0055】
さらに一実施形態では、出力部128は、所定のスキル項目を育成するために有用な情報を出力することができる。本実施形態では、出力部128は、分析部126が決定した育成項目について、スキル記憶部132に保存された関連ワードを用いた例文を出力することができる。
【0056】
(機能構成:クライアント端末)
クライアント端末200は、ネットワークNを介して情報処理装置100と通信する機能を備えた情報処理装置である。具体的には、携帯電話やスマートフォン、PC、PDA、タブレット等が挙げられるが、これに限られない。クライアント端末200は、ユーザからの操作を受け付けるキーボードやマウス、タッチパネル等の入力部210、演算処理部及びメモリを含む制御部220、クライアント端末200をネットワークに接続する通信部230、演算処理部の制御の下で処理された各種の画像を表示するディスプレイ等の表示部240等を備えている。
【0057】
制御部220は、クライアント端末200を介して作成した日報を情報処理装置100に送信する日報送信部221、及びユーザからの検索指示を情報処理装置100に送信する検索指示部222を備えている。本実施形態では、検索指示部222は、スキルの分析結果を出力する担当者又は支社を指定する検索指示を情報処理装置100に送信する。一実施形態では、検索指示部222は、スキル項目を指定して、当該スキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者を検索する検索指示を送信することもできる。
【0058】
(スキル判定処理)
図8を参照して、本発明の実施形態に係るスキル判定処理を詳細に説明する。本実施形態では、図8で説明されるスキル判定処理を行う前に、情報処理装置100の管理者の管理の下、日報記憶部131及びスキル記憶部132に各データが格納されているものとする。本実施形態では、日報記憶部131には、担当者ID、取引先ID及び日付に関連付けて日報が保存されているものとする。スキル記憶部132には、図4に示されるようなデータが格納されているものとする。なお、図8に示す処理は、例えば、管理者がクライアント端末200の入力部210を介してスキル判定処理を実行するための指示を入力することで実行される。または、夜間などのシステム負荷が少ない時間帯に開始されるバッチ処理により、スキル判定処理を実行してもよい。
【0059】
ステップS801において、情報処理装置100の判定部124は、処理対象の日報を取得する。本実施形態では、担当者のスキルについて月次で判定するものとし、2022/1/1~2022/1/31までの日報を日報記憶部131から取得するものとする。
【0060】
ステップS802において、判定部124は、取得した日報に未処理の日報があるか否か判定する。未処理の日報がないと判定される場合(S802:No)、処理は後述のステップS806に進む。一方、未処理の日報があると判定される場合(S802:Yes)、ステップS803において、判定部124は、未処理の日報を取得して、日報に含まれる文字列を1文単位に分割する。
【0061】
ステップS804において、判定部124は、分割した日報に未処理の文があるか否か判定する。未処理の文がないと判定される場合(S804:No)、処理はステップS802に戻る。一方、未処理の文があると判定される場合(S804:Yes)、ステップS805において、判定部124は、未処理の文を取得して、スキル記憶部132の判定式に基づいてスキルを判定する。
【0062】
図9に、判定部124の処理の概念図を示す。具体的には、判定部124は、処理対象の文がスキル記憶部132の複数の判定式を満たすか否か、それぞれ判定する。判定式を満たす場合、判定部124は、判定結果記憶部133の対象のスキルに、スキル記憶部132のレベル(A:高、B:中、C:低)、又は、レベル情報が保存されていない場合にはスキルの保有を示す情報「1」を保存する。なお、図4のスキルID「9」の関連ワード1に示されるように、例えば「自社商品」など、特定のワードについては、判定部124は、他のサーバ等に保存された商品データ中の商品名を参照して、判定式を満たすか否かを判定することができる。
【0063】
また本実施形態では、判定部124は、判定期間中に判定式を満たす文が複数存在する場合、最良の判定結果のみを判定結果記憶部133に保存するものとする。例えば、判定部124は、担当者1の取引先X、スキル1について判定結果記憶部133に既に「A」が保存されている状態で、レベル「B」の判定式を満たすと判定した場合、判定結果記憶部133のスキル1を更新しないものとする。一方で、判定部124は、担当者1の取引先X、スキル1について判定結果記憶部133に既に「B」が保存されている状態で、レベル「A」の判定式を満たすと判定した場合、判定結果記憶部133のスキル1を「A」に更新する。
【0064】
ステップS806において、情報処理装置100のスコアリング部125は、未処理の担当者又は支社があるか否か判定する。未処理の担当者又は支社がないと判定される場合(S806:No)、処理は後述の処理S808に進む。一方、未処理の担当者又は支社があると判定される場合(S806:Yes)、ステップS807において、スコアリング部125は、担当者又は支社の各スキルのスコアを算出する。本実施形態では、スコアリング部125は、判定結果記憶部133を用いて、以下の式に基づいて担当者のスコアを算出する。
スコア=スキルを保有する取引先数/担当者が担当する取引先数×100
【0065】
本実施形態では、スコアリング部125は、判定結果記憶部133の対象のスキルにスキルを保有する情報(1、A、B、又はCのいずれか)が保存されている場合、スコアを保有する取引先としてカウントする。担当者が担当する取引先数は、他のサーバ等に保存された担当者データに保存された取引先数としてもよいし、担当者が判定期間内に作成した日報に含まれる取引先数としてもよい。スコアリング部125は、算出したスコアをスコア記憶部134に保存する。
【0066】
また、スコアリング部125は、判定結果記憶部133を用いて、以下の式に基づいて支社のスコアを算出する。
スコア=スキルを保有する取引先数/支社が担当する取引先数×100
【0067】
本実施形態では、スコアリング部125は、対象の支社に所属するいずれかの担当者について、判定結果記憶部133の対象のスキルにスキルを保有する情報(1、A、B、又はCのいずれか)が保存されている場合、スコアを保有する取引先としてカウントする。支社が担当する取引先数は、他のサーバ等に保存された支社データに保存された取引先数としてもよいし、支社に所属する複数の担当者が判定期間内に作成した日報に含まれる取引先数としてもよい。スコアリング部125は、算出したスコアをスコア記憶部134に保存する。
【0068】
ステップS808において、情報処理装置100の分析部126は、未処理の担当者又は支社があるか否か判定する。未処理の担当者又は支社がないと判定される場合(S808:No)、処理は終了する。一方、未処理の担当者又は支社があると判定される場合(S808:Yes)、ステップS809において、分析部126は、担当者のスキルについて分析する。本実施形態では、分析部126は、スコア記憶部134に保存されたスコアに基づいて各スキル項目の偏差値を求めて、求めた偏差値をスコア記憶部134に保存する。さらに分析部126は、担当者の育成項目を決定する。本実施形態では、分析部126は、判定期間中に偏差値が最も低いスキル項目を育成項目として決定する。
【0069】
また分析部126は、カテゴリのスコアを求めて、求めたスコアを記憶部130に保存する。前述したように、分析部126は、スキル項目の特性や重要度に応じた重みづけを各スキル項目の偏差値に乗じた値を用いてカテゴリのスコアを求めることができる。本実施形態では、図4にスキルID「6」で示されるスキル項目「取引先人事情報の把握」について、分析部126は、1月から3月の判定期間は他の月と比較して高い重みづけ「1.0」を用い、4月から12月の判定期間は他の月と比較して低い重みづけ「0.1」を用いることができる。
【0070】
(出力処理)
次に、図10を参照して、本発明の実施形態に係る出力処理を詳細に説明する。本実施形態では、図10で説明される出力処理を行う前に、判定結果記憶部133及びスコア記憶部134に各データが格納されているものとする。なお、図10に示す処理は、例えば、ユーザがクライアント端末200の入力部210を介して出力処理を実行するための検索指示を入力することで実行される。
【0071】
ステップS1001において、情報処理装置100の検索受付部127は、クライアント端末200から検索指示を受け付けると、ステップS1002において、検索受付部127は検索の種類を判定する。本実施形態では、検索受付部127は、所望の担当者又は支社のスキルの分析結果を出力するための個別分析結果検索指示、又は所望のスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者の一覧を出力するためのランキング検索指示のいずれかを受け付ける。
【0072】
個別分析結果検索指示を受け付けたと判定される場合(S1002:個別分析結果検索指示)、ステップS1003において、情報処理装置100の出力部128は、検索受付部127が受け付けた検索指示に基づいて、指定された担当者又は支社のスキルを可視化した分析結果を出力する。本実施形態では、出力部128は、図7に示されるようにスコアリング部125が算出したスコア及び分析部126が求めた偏差値に基づいて、分析結果を出力する。
【0073】
一実施形態では、出力部128は、分析結果に加えて、所定のスキル項目を育成するために有用な情報を出力することができる。本実施形態では、出力部128は、分析部126が決定した育成項目について、スキル記憶部132に保存された関連ワードを用いた例文を出力することができる。
【0074】
一方、未処理の担当者又は支社があるランキング検索指示を受け付けたと判定される場合(S1002:ランキング)、ステップS1004において、分析部126は、出力部128は、検索受付部127が受け付けた検索指示に基づいて、指定されたスキル項目について高いスキルレベルを保有する担当者の一覧を出力する。本実施形態では、出力部128は、指定されたスキル項目のスコアが高い順で並べた担当者の一覧を出力する。また、担当者の一覧には、各担当者の氏名、支社に加えて、電話番号やメールアドレス等を含む連絡先が含まれる。
【0075】
以上、本実施形態によれば、情報処理装置100は、担当者が日々作成する日報に基づいて、担当者や支社の営業スキルを可視化することができる。従来から担当者が作成していたものの、その利用シーンが限られていた日報を活用することができるので、担当者に更なる作業負荷をかけることなく、担当者や支社の営業スキルを可視化することができる。分析結果により、担当者は自身のスキルについて、今後の育成が望まれる項目を把握することができる。さらに所定のスキル項目の例文を確認できることにより、担当者は自身の育成すべきスキル項目を確認するだけでなく、出力された例文を活用することで今後の業務を改善する具体策を得ることができる。また、特定のスキルについて高いスキルレベルを保有する担当者を確認できることにより、担当者は、自身の苦手とするスキル項目を強みとする他の担当者を特定し、特定した担当者にアクセスしてアドバイス等を求めることができる。分析結果を用いることで、担当者の上司は、客観的なデータに基づいて担当者とコミュニケーションを取ることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、判定部124がスキル記憶部132の判定式に基づいてスキルを判定する例について説明してきたが、別の実施形態では、判定部124は、任意の機械学習アルゴリズムによる機械学習モデルに対して、事前に適切な学習データを用いて学習を行った学習済モデルを用いてスキルを判定してもよい。
【0077】
さらに別の実施形態では、出力部128は、検索受付部127が受け付けた検索指示に基づいて、指定された複数の担当者について、スコアリング部125が算出したスコアを並べて表示した分析結果を出力してもよい。この際、出力部128は、例えば全担当者など、母集団のスキル項目ごとの平均スコアと比較してプラス5%のスコアの背景を青色にし、平均スコアと比較してマイナス5%のスコアの背景を赤色にするなど、高いスキルレベルと低いスキルレベルとを識別可能なように表示してもよい。このような構成により、マネージャは、複数のスキル項目を俯瞰しながら担当者の総合的なスキルレベルを把握することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…情報処理装置、110…通信部、120…制御部、121…演算処理部、122…メモリ、123…受付部、124…判定部、125…スコアリング部、126…分析部、127…検索受付部、128…出力部、130…記憶部、131…日報記憶部、132…スキル記憶部、133…判定結果記憶部、134…スコア記憶部、200…クライアント端末、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10