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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096532
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】接続構造および取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
A47G29/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212359
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】森田 健介
(72)【発明者】
【氏名】脇谷 昇
(72)【発明者】
【氏名】天野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】河村 哲嗣
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA15
3K100AA20
3K100AB10
3K100AC01
3K100AD07
3K100AE14
3K100AE20
3K100AF03
3K100AG03
3K100AH19
3K100AH30
3K100AJ10
(57)【要約】
【課題】一方向に引っ張られたときの方が他方向に引っ張られたときよりも取れやすい接続構造および取り付け構造を提供する。
【解決手段】接続構造は、第1装置と、第2装置とを有している。第1装置は、第1底面と、第1接着部と、筒状の壁面とを有している。第2装置は、第2接着部と、筒状の凸部とを有している。第1装置と第2装置とは、第1磁性要素と第2磁性要素とが磁力によって互いに引き寄せられることにより、第1接着面と第2接着面とが接着することで、磁力方向を軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接続される。凸部は、壁面と第1接着部との間に、磁力方向に垂直な方向成分を含む引っ張りに応じて傾倒可能となるクリアランスを有して位置している。第1装置において、磁力方向に垂直な方向のうち、第1方向における頂部と凸部とのクリアランスは、第1方向と異なる第2方向における頂部と凸部とのクリアランスよりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置と、第2装置とを備える接続構造であって、
前記第1装置は、
第1底面と、
前記第1底面から突出し、頂部に第1接着面を有し、且つ第1磁性要素を備える第1接着部と、
前記頂部を囲むように前記第1底面から前記第1接着面よりも高く突出する筒状の壁面と、を備え、
前記第2装置は、
第2接着面を構成し且つ第2磁性要素を備える第2接着部と、
前記第2接着部を囲む筒状の凸部と、を備え、
前記第1装置と前記第2装置とは、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素とが磁力によって互いに引き寄せられることにより、前記第1接着面と前記第2接着面とが接着することで、磁力方向を軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接続され、
前記凸部は、前記壁面と前記第1接着部との間に、前記磁力方向に垂直な方向成分を含む引っ張りに応じて傾倒可能となるクリアランスを有して位置し、
前記第1装置において、前記磁力方向に垂直な方向のうち、第1方向における前記頂部と前記凸部とのクリアランスは、前記第1方向と異なる第2方向における前記頂部と前記凸部とのクリアランスよりも大きい、接続構造。
【請求項2】
前記壁面は、円筒状であり、
前記凸部は、円環筒状であり、
前記第1接着部は、円柱の外周面の一部が欠けた形状である、請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記磁力方向に対して垂直な断面において、前記第1接着部は、半円の弧以上の長さの弧を有する、請求項2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記磁力方向に対して垂直な断面において、前記第1接着部は、直線部と、前記直線部の両端に連なる円弧状部とを備え、
前記円弧状部の中心角は、180°よりも大きい、請求項2または請求項3に記載の接続構造。
【請求項5】
前記第2装置は、第2底面を備え、
前記第2接着部は、前記第2底面から突出している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記凸部は、前記第2底面から突出し、
前記第2接着部は、前記第2接着面が前記凸部よりも低くなるように突出している、請求項5に記載の接続構造。
【請求項7】
前記凸部が傾倒するとき、前記凸部が前記第1接着部と前記壁面のうち少なくとも一方に接することで傾倒が停止され、
前記凸部の傾倒が停止されたときの傾倒角は、前記第1方向に前記凸部が傾倒したときの角度が、前記第2方向に前記凸部が傾倒したときの角度よりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項8】
前記凸部が傾倒したときであって前記凸部が前記第1接着部と前記壁面の両方に接するときの傾倒角は、前記第1方向に前記凸部が傾倒したときの角度が、前記第2方向に前記凸部が傾倒したときの角度よりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項9】
前記凸部が傾倒したときであって前記凸部が前記壁面に接するときの傾倒角は、前記第1方向に前記凸部が傾倒したときの角度が、前記第2方向に前記凸部が傾倒したときの角度よりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項10】
前記第1磁性要素は、第1磁石を備え、
前記第2磁性要素は、第2磁石を備え、
前記第1接着面または前記第1接着面と前記第1磁石との間、または、前記第2接着面または前記第2接着面と前記第2磁石との間には、磁束密度を抑制する部材が設けられている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項11】
寝具に装着される寝具装着具と、器具とを備える取り付け構造であって、
前記寝具装着具は、
前記寝具に固定される寝具固定部と、
第1磁性要素を備える第1接着部と、を備え、
前記器具は、
第2磁性要素を備える第2接着部を備え、
前記寝具装着具と前記器具は、前記第1磁性要素と前記第2磁性要素との磁力によって前記第1接着部と前記第2接着部とが接着することで、磁力方向を軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接着されており、
前記寝具装着具と前記器具は、前記第1接着部と前記第2接着部が接着しているときに前記磁力方向と垂直な方向への前記第1接着部と前記第2接着部との相対移動を規制する移動規制部を備え、
前記寝具装着具と前記器具は、前記第1接着部と前記第2接着部が接着した状態から前記第1接着部と前記第2接着部とが前記磁力方向において離れるように相対回動するときに、前記寝具固定部側を中心とする回動よりも、前記第1接着部に対して前記寝具固定部側と反対側を中心とする回動を規制する、回動規制部を備える、取り付け構造。
【請求項12】
前記器具は、前記第2接着部を囲む凸部を備え、
前記回動規制部は、前記第1接着部の周の一部を囲むように設けられた突出部分と、前記凸部の内周面とにより構成されている、請求項11に記載の取り付け構造。
【請求項13】
前記磁力方向に対して垂直な断面において、前記突出部分はC形状を有する、請求項12に記載の取り付け構造。
【請求項14】
前記器具は、前記第2接着部を囲む凸部を備え、
前記回動規制部は、前記第1接着部の外周面と、前記凸部の内周面とにより構成されている、請求項11に記載の取り付け構造。
【請求項15】
前記磁力方向に対して垂直な断面において、前記第1接着部は、半円より長い弧を有する、請求項14に記載の取り付け構造。
【請求項16】
前記磁力方向に対して垂直な断面において、前記第1接着部は、直線部と、前記直線部の両端に連なる円弧状部とを備え、
前記円弧状部の中心角は、180°よりも大きい、請求項14または請求項15に記載の取り付け構造。
【請求項17】
前記第1接着部と前記第2接着部が接着した状態から前記第1接着部と前記第2接着部とが前記磁力方向において離れるように相対回動するときに、前記寝具固定部側を中心として前記器具が回動したときに前記器具の回動が規制される角度は、前記第1接着部に対して前記寝具固定部側と反対側を中心として前記器具が回動したときに前記器具の回動が規制される角度よりも大きい、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【請求項18】
前記回動規制部は、前記第1接着部と前記第2接着部が接着した状態から前記第1接着部と前記第2接着部とが前記磁力方向において離れるように相対回動するときに、前記寝具固定部側を中心とする回動を規制せず、前記第1接着部に対して前記寝具固定部側と反対側を中心とする回動を規制する、請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続構造および取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000-189227号公報(特許文献1)は、携帯電話ホルダーを開示している。当該携帯電話ホルダーにおいては、磁石を用いて接合手段が着脱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-189227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接続構造においては、接続された装置同士が容易に取り外されないようにされつつも、ある場面では相対的に容易に取り外されることが望まれる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る接続構造は、第1装置と、第2装置と、を備えている。第1装置は、第1底面と、第1接着部と、筒状の壁面と、を備えている。第1接着部は、第1底面から突出し、頂部に第1接着面を有し、且つ第1磁性要素を備えている。筒状の壁面は、頂部を囲むように第1底面から第1接着面よりも高く突出する。第2装置は、第2接着部と、筒状の凸部と、を備えている。第2接着部は、第2接着面を構成し且つ第2磁性要素を備えている。筒状の凸部は、第2接着部を囲む。第1装置と第2装置とは、第1磁性要素と第2磁性要素とが磁力によって互いに引き寄せられることにより、第1接着面と第2接着面とが接着することで、磁力方向を軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接続される。凸部は、壁面と第1接着部との間に、磁力方向に垂直な方向成分を含む引っ張りに応じて傾倒可能となるクリアランスを有して位置している。第1装置において、磁力方向に垂直な方向のうち、第1方向における頂部と凸部とのクリアランスは、第1方向と異なる第2方向における頂部と凸部とのクリアランスよりも大きい。
【0006】
本開示に係る接続構造によれば、第1装置において、磁力方向に垂直な方向のうち、第1方向における頂部と凸部とのクリアランスは、第1方向と異なる第2方向における頂部と凸部とのクリアランスよりも大きい。そのため、凸部は、第1方向側の方が他方側よりも大きく傾く。従って、第2装置は、第1方向側に引っ張られたときの方が第2方向側に引っ張られたときよりも取れやすくなる。これにより、例えば、意図的にユーザーがある方向に第2装置を引っ張ったときには取れやすく、逆に意図せず他の方向に第2装置が引っ張られたときには簡単に取れてしまうことを抑制する、ということができる。
【0007】
上記接続構造によれば、壁面は、円筒状であってもよい。凸部は、円環筒状であってもよい。第1接着部は、円柱の外周面の一部が欠けた形状であってもよい。これにより、第2装置の第1装置に対する相対回転位置にかかわらず、第2方向側に傾いたときの傾倒角度を均一にすることができる。
【0008】
上記接続構造によれば、磁力方向Zに対して垂直な断面において、第1接着部は、半円の弧以上の長さの弧を有していてもよい。円環筒状の凸部の内側に第1接着部が収まっている状況において、仮に断面における第1接着部の弧が半円よりも小さいと、左右方向に相対的に移動できてしまうためガタが生じる。一方、第1接着部が半円より長い弧を有しているときは、半円よりも長い弧の部分に凸部の内周面がひっかかる。そのため、左右方向のガタツキを抑制することができる。
【0009】
上記接続構造によれば、磁力方向に対して垂直な断面において、第1接着部は、直線部と、直線部の両端に連なる円弧状部とを備えていてもよい。円弧状部の中心角は、180°よりも大きくてもよい。これにより、左右方向のガタツキをさらに抑制することができる。
【0010】
上記接続構造によれば、第2装置は、第2底面を備えていてもよい。第2接着部は、第2底面から突出していてもよい。仮に第2接着部が第2底面よりも奥まった位置にある場合、第1接着部と第2接着部とを接着させようとしたときに、第1接着部が第2底面に引っかかり第2接着部まで至らないおそれがある。第2接着部が第2底面から突出している場合には、第1接着面と第2接着面とをより確実に接着することができる。そのため、第1接着面と第2接着面とが意図せず離間することを抑制することができる。
【0011】
上記接続構造によれば、凸部は、第2底面から突出していてもよい。第2接着部は、第2接着面が凸部よりも低くなるように突出していてもよい。これにより、例えば、接続構造の近くにある物が、第2接着面に吸着されるといった、磁気の影響を抑制することができる。
【0012】
上記接続構造によれば、凸部が傾倒するとき、凸部が第1接着部と壁面のうち少なくとも一方に接することで傾倒が停止されてもよい。凸部の傾倒が停止されたときの傾倒角は、第1方向に凸部が傾倒したときの角度が、第2方向に凸部が傾倒したときの角度よりも大きくてもよい。
【0013】
凸部の傾倒が停止されることから、左右方向の力をさらに大きくした場合であっても、第2装置は第1装置から取れ難くなる。そのため、第2装置が意図せず第1装置から離脱することを抑制することができる。傾倒状態から第2装置が離脱するにあたっては、磁力方向の力が必要となる。第2装置を第1方向に傾倒させた方が第2方向に傾倒させる場合よりも、第2装置は大きく傾倒する。傾倒角度が大きい方が、第1接着面と第2接着面との間の距離が離れているため、磁力は相対的に弱くなる。従って、第2装置を第1方向に傾倒させた方が第2方向に傾倒させる場合よりも、第2装置を第1装置から取り外しやすい。なお、第2装置を第2方向に傾倒させる場合については、相対的に磁力は強いものの傾倒によって磁力は弱まっている。そのため、ある程度の力をかければ、第2装置を第1装置から離脱させることができる。
【0014】
上記接続構造によれば、凸部が傾倒したときであって凸部が第1接着部と壁面の両方に接するときの傾倒角は、第1方向に凸部が傾倒したときの角度が、第2方向に凸部が傾倒したときの角度よりも大きくてもよい。これにより、第2装置を第1方向に傾倒させた方が第2方向に傾倒させる場合よりも、第2装置を第1装置から取り外しやすくすることができる。
【0015】
上記接続構造によれば、凸部が傾倒したときであって凸部が壁面に接するときの傾倒角は、第1方向に凸部が傾倒したときの角度が、第2方向に凸部が傾倒したときの角度よりも大きくてもよい。これにより、第2装置を第1方向に傾倒させた方が第2方向に傾倒させる場合よりも、第2装置を第1装置から取り外しやすくすることができる。
【0016】
上記接続構造によれば、第1磁性要素は、第1磁石を備えていてもよい。第2磁性要素は、第2磁石を備えていてもよい。第1接着面または第1接着面と第1磁石との間、または、第2接着面または第2接着面と第2磁石との間には、磁束密度を抑制する部材が設けられていてもよい。
【0017】
強力な磁力を有する磁石のみを用いると、意図しない吸着が生じるおそれがある。一方、弱い磁力を有する磁石のみを用いると、吸引力(取り付けやすさ)はあるものの吸着力(取れにくさ)は弱くなり、意図しない離脱が生じるおそれがある。また磁石ではなく磁束密度を抑制するヨーク部材のみを用いるとすると、吸着力はあっても吸引力が弱くなる。そこで、ある程度強い磁力を有する磁石とヨーク部材とを用いることで、ヨーク部材により磁石の吸着力が過度に大きくなることを抑制することで意図しない脱離を抑制しつつ、磁石およびヨーク部材による吸引力により、第1装置と第2装置とをある程度近づければ、両者を勢いよく吸着させることができる。
【0018】
本開示に係る取り付け構造は、寝具に装着される寝具装着具と、器具とを備えている。寝具装着具は、寝具固定部と、第1接着部と、を備えている。寝具固定部は、寝具に固定される。第1接着部は、第1磁性要素を備えている。器具は、第2接着部を備えている。第2接着部は、第2磁性要素を備えている。寝具装着具と器具は、第1磁性要素と第2磁性要素との磁力によって第1接着部と第2接着部とが接着することで、磁力方向を軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接着されている。寝具装着具と器具は、移動規制部を備えている。移動規制部は、第1接着部と第2接着部が接着しているときに磁力方向と垂直な方向への第1接着部と第2接着部との相対移動を規制する。寝具装着具と器具は、回動規制部を備えている。回動規制部は、第1接着部と第2接着部が接着した状態から第1接着部と第2接着部とが磁力方向において離れるように相対回動するときに、寝具固定部側を中心とする回動よりも、第1接着部に対して寝具固定部側と反対側を中心とする回動を規制する。
【0019】
本開示に係る取り付け構造によれば、寝具固定部側を中心とする回動よりも、第1接着部に対して寝具固定部側と反対側を中心とする回動を規制する。そのため、睡眠時等において、第2装置が寝具から離れる方向に意図せず引っ張られて離脱してしまうことを抑制しつつ、意図的に寝具側に引っ張る力を加えた際には第2装置を容易に取り外すことができる。
【0020】
上記取り付け構造によれば、器具は、第2接着部を囲む凸部を備えていてもよい。回動規制部は、第1接着部の周を囲むように設けられた突出部分と、凸部の内周面とにより構成されていてもよい。
【0021】
上記取り付け構造によれば、磁力方向に対して垂直な断面において、突出部分は、C形状を有していてもよい。
【0022】
上記取り付け構造によれば、器具は、第2接着部を囲む凸部を備えていてもよい。回動規制部は、第1接着部の外周面と、凸部の内周面とにより構成されていてもよい。
【0023】
上記取り付け構造によれば、磁力方向に対して垂直な断面において、第1接着部は、半円より長い弧を有していてもよい。
【0024】
上記取り付け構造によれば、磁力方向に対して垂直な断面において、第1接着部は、直線部と、直線部の両端に連なる円弧状部とを備えていてもよい。円弧状部の中心角は、180°よりも大きくてもよい。
【0025】
上記取り付け構造によれば、第1接着部と第2接着部が接着した状態から第1接着部と第2接着部とが磁力方向において離れるように相対回動するときに、寝具固定部側を中心として器具が回動したときに器具の回動が規制される角度は、第1接着部に対して寝具固定部側と反対側を中心として器具が回動したときに器具の回動が規制される角度よりも大きくてもよい。これにより、第2装置を寝具固定部側に傾倒させた方が寝具固定部側と反対側に傾倒させる場合よりも、第2装置を第1装置から取り外しやすくすることができる。
【0026】
上記取り付け構造によれば、回動規制部は、第1接着部と第2接着部が接着した状態から第1接着部と第2接着部とが磁力方向において離れるように相対回動するときに、寝具固定部側を中心とする回動を規制せず、第1接着部に対して寝具固定部側と反対側を中心とする回動を規制してもよい。これにより、第2装置を寝具固定部側に傾倒させた方が寝具固定部側と反対側に傾倒させる場合よりも、第2装置を第1装置から取り外しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、一方向に引っ張られたときの方が他方向に引っ張られたときよりも取れやすい接続構造および取り付け構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係る接続構造の構成を示す分解斜視模式図である。
図2】第1実施形態に係る接続構造の構成を示す第1断面模式図である。
図3図2の領域IIIの拡大模式図である。
図4】第1実施形態に係る接続構造の構成を示す第2断面模式図である。
図5】第1実施形態に係る接続構造の第1装置の構成を示す上面模式図である。
図6】第1接着部の構成を示す断面模式図である。
図7】第2装置が第1方向に傾倒する状態を示す模式図である。
図8】第2装置が第2方向に傾倒する状態を示す模式図である。
図9】第2装置が第1方向に傾倒する状態の変形例を示す模式図である。
図10】第2実施形態に係る接続構造の第1装置の構成を示す上面模式図である。
図11】第2実施形態に係る突出部分の構成を示す断面模式図である。
図12】第2実施形態に係る接続構造の構成を示す断面模式図である。
図13図12の領域XIIIの拡大模式図である。
図14】第3実施形態に係る取り付け構造の構成を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る接続構造100の構成について説明する。
[A.接続構造]
図1は、第1実施形態に係る接続構造100の構成を示す分解斜視模式図である。図1に示されるように、第1実施形態に係る接続構造100は、第1装置1と、第2装置2とを主に有している。第1装置1は、第1接着部10と、環状壁部30と、留め具5とを主に有している。第1接着部10は、例えば円柱の外周面の一部が欠けた形状である。環状壁部30は、第1接着部10を取り囲むように設けられている。留め具5は、第1挟み部材3と、第2挟み部材4とを有している。第1接着部10と環状壁部30とは、第1挟み部材3に設けられている。第2装置2は、筒状部材40と、紐7と、紐保持部6とを主に有している。紐7は、筒状部材40に取り付けられている。紐保持部6の一部は、筒状部材40の内周面に囲まれた領域に配置されている。
【0030】
図2は、第1実施形態に係る接続構造100の構成を示す第1断面模式図である。図2に示されるように、留め具5は、支軸部材53と、バネ部材54とをさらに有している。バネ部材54は、支軸部材53の周りに巻かれている。バネ部材54の一方端部は、第1挟み部材3に取り付けられている。バネ部材54の他方端部は、第2挟み部材4に取り付けられている。留め具5は、固定部73を有している。固定部73は、第1押さえ部材71と、第2押さえ部材72とを有している。留め具5に外力が加えられていないときは、留め具5は、バネ部材54によって、第1押さえ部材71と第2押さえ部材72とが互いに近づくように付勢されている。
【0031】
図2に示されるように、第1装置1は、第1接着部10を有している。第1接着部10は、第1接着面11と、第1磁性要素51を有している。第2装置2は、第2接着部20を有している。第2接着部20は、第2接着面21と、第2磁性要素52を有している。第1装置1と第2装置2とは、第1磁性要素51と第2磁性要素52とが磁力によって互いに引き寄せられる。これにより、第1接着面11と第2接着面21とが接着する。
【0032】
本明細書において、第1磁性要素51と第2磁性要素52とが磁力によって引き付けられる方向に平行な方向は、磁力方向Zとする。第1接着部10から第2接着部20に向かう方向は、上側とする。反対に、第2接着部20から第1接着部10に向かう方向は、下側とする。磁力方向Zに対して垂直な方向は、面内方向とする。面内方向の内、第1接着部10から固定部73に向かう方向に平行な平行は、左右方向Xとする。磁力方向Zおよび左右方向Xの各々に対して垂直な方向は、前後方向Y(図4参照)とする。
【0033】
第1方向101および第2方向102の各々は、磁力方向Zに対して垂直な方向である。第1方向101および第2方向102の各々は、第1接着部10を基準とした方向である。別の観点から言えば、第1方向101および第2方向102の各々は、第1接着部10から放射状に延びる方向であってもよい。第1方向101および第2方向102の各々は、例えば左右方向Xと平行である。第2方向102は、第1方向101とは異なっている。第2方向102は、例えば第1方向101の反対方向である。第2方向102は、第1方向101と異なっていればよく、第1方向101の反対方向に限定されない。
【0034】
第1装置1と第2装置2とは、磁力方向Zを軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接続される。第2接着面21は、第1接着面11上を摺動可能である。第2装置2は、第1装置1に対して回転可能である。第2装置2の回転軸は、例えば第2接着面21に対して垂直である。第2接着面21は、円形であってもよい。第2装置2の回転軸は、例えば第2接着面21の中心を通っている。
【0035】
図3は、図2の領域IIIの拡大模式図である。図3に示されるように、環状壁部30は、第1壁面31と、第2壁面32と、第1頂面33とを有している。第1壁面31は、筒状である。第1壁面31は、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。同様に、第2壁面32は、筒状である。第2壁面32は、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。第2壁面32は、第1壁面31の外側に位置している。第2壁面32は、第1壁面31を囲んでいる。第1頂面33は、第1壁面31および第2壁面32の各々に連なっている。
【0036】
第1装置1は、第1底面91と、第1上面34とを有している。第1底面91は、第1壁面31に連なっている。第1上面34は、第2壁面32に連なっている。磁力方向Zにおいて、第1底面91は、第1上面34よりも下側に位置している。別の観点から言えば、磁力方向Zにおいて、第1上面34は、第1底面91と第1頂面33との間に位置している。磁力方向Zにおいて、第1底面91は、第1上面34よりも上側に位置していてもよい。
【0037】
図3に示されるように、第1接着部10は、第1底面91から突出している。第1接着部10は、第1外周面12と、頂部14とを有している。第1外周面12は、第1底面91に連なっている。第1外周面12は、第1底面91から上側に延びている。頂部14は、第1接着面11と第3上面16とを有している。第3上面16は、第1接着面11に連なっている。第1接着面11は、第2接着面21に接触する。第3上面16は第2接着面21に接触しない部分であってもよい。第1壁面31は、第1底面91から第1接着面11よりも高く突出する。磁力方向Zにおいて、第1頂面33は、第1接着面11よりも上側に位置している。磁力方向Zにおいて、第1接着面11は、第1底面91と第1頂面33との間に位置している。
【0038】
図2および図3に示されるように、第1挟み部材3は、第1板状部材36と、第2板状部材38とを有している。第1板状部材36および第2板状部材38の各々は、例えば樹脂製である。第1板状部材36は、第1下面35を有している。第1下面35は、第1底面91および第1上面34の各々の反対側に位置している。第1下面35には、第1凹部37が設けられている。第1凹部37は、第1接着面11の下側に設けられている。
【0039】
第1磁性要素51は、例えば磁石(第1磁石15)により構成されている。第1磁石15は、第1凹部37に配置されている。第2板状部材38は、第1板状部材36の下側に位置している。第1磁石15は、第1板状部材36と第2板状部材38とにより挟まれている。第1接着面11または第1接着面11と第1磁石15との間には、磁束密度を抑制するヨーク部材(図示せず)が設けられていてもよい。ヨーク部材は、例えば鉄である。第1接着面11は、ヨーク部材により構成されていてもよい。第1接着面11は、例えば樹脂によって構成されていてもよいし、第1磁石15によって構成されていてもよい。
【0040】
図3に示されるように、第2磁性要素52は、ヨーク部材24と、第2磁石25とを有している。ヨーク部材24は、第2接着面21に設けられていてもよいし、第2接着面21と第2磁石25との間に設けられていてもよい。磁力方向Zにおいて、第2磁石25は、第2接着面21よりも上側に位置している。磁力方向Zにおいて、第2磁石25は、ヨーク部材24と受け板9との間に設けられている。第2接着面21は、例えばヨーク部材24により構成されている。第2接着面21は、例えば樹脂によって構成されていてもよいし、磁石によって構成されていてもよい。
【0041】
第2装置2は、第2底面92を有している。第2底面92は、筒状部材40により形成されている。第2底面92は、頂部14に対向していてもよい。第2底面92は、第1底面91に対向していてもよい。第2接着部20は、第2外側面22を有している。第2外側面22は、第2接着面21に連なっている。第2外側面22は、例えば円筒状である。磁力方向Zにおいて、第2底面92は、第2接着面21の上側に位置している。第2接着部20は、第2底面92から突出していてもよい。面内方向において、第2底面92は、第2接着面21の外側に位置している。なお、第2接着部20は、第2底面92から突出していなくてもよい。
【0042】
筒状部材40は、本体部48と、凸部49とを有している。凸部49は、本体部48に連なっている。凸部49は、筒状である。凸部49は、円環筒状であってもよいし、角環筒状であってもよい。同様に、本体部48は、筒状である。本体部48は、円環筒状であってもよいし、角環筒状であってもよい。本体部48と凸部49とは、一体に形成されていてもよい。凸部49は、本体部48の下側に設けられている。凸部49は、第2底面92から突出していてもよい。
【0043】
筒状部材40は、第2内周面41と、第2外周面42と、第2下面43とを有している。第2外周面42は、第2内周面41の外側に位置している。第2内周面41および第2外周面42の各々は、第2下面43に連なっている。第2内周面41には、第2凹部46が設けられている。第2凹部46には、ヨーク部材24の一部と、コイル受け板9の一部とが挿入されていてもよい。ヨーク部材24およびコイル受け板9の各々は、凸部49に接していてもよい。
【0044】
第2内周面41は、第1内周面部44と、第2内周面部45と、第3内周面部47とを有している。第1内周面部44は、第2下面43に連なっている。第1内周面部44は、第1外周面12に対向している。図3に示されるように、第1内周面部44は、下側に向かうに従って左右方向Xの間隔が大きくなるように、磁力方向Zに対して傾斜していてもよい。磁力方向Zにおいて、第2内周面部45は、第1内周面部44の上側に位置している。第2内周面部45は、磁力方向Zに沿って延びている。第2内周面部45は、ヨーク部材24の第2外側面22に接している。
【0045】
磁力方向Zにおいて、第3内周面部47は、第2内周面部45の上側に位置している。磁力方向Zにおいて、第2凹部46は、第2内周面部45と第3内周面部47との間に位置している。第2下面43と、第2内周面41の一部と、第2外周面42の一部とは、凸部49によって構成されている。凸部49は、第2接着部20を囲んでいる。第2接着部20は、第2接着面21が凸部49よりも低くなるように突出している。磁力方向Zにおいて、第2接着面21は、凸部49の第2下面43よりも上側に位置している。
【0046】
図3に示されるように、凸部49は、第1壁面31と第1接着部10との間に、磁力方向Zに垂直な方向成分を含む引っ張りに応じて傾倒可能となるクリアランスを有して位置している。左右方向Xにおいて、凸部49と第1壁面31との間に隙間が設けられている。左右方向Xにおいて、凸部49と第1接着部10の第1外周面12との間に隙間が設けられている。
【0047】
図3に示されるように、第1方向101における第1接着部10の頂部14と凸部49とのクリアランス(第1クリアランスC1)は、第2方向102における第1接着部10の頂部14と凸部49とのクリアランス(第2クリアランスC2)よりも大きい。第1クリアランスC1は、第1方向101における、頂部14と第1外周面12との境界と、第2下面43と第2内周面41との境界との距離であってもよい。第2クリアランスC2は、第2方向102における、頂部14と第1外周面12との境界と、第2下面43と第2内周面41との境界との距離であってもよい。
【0048】
なお上記においては、凸部49と第1接着部10の第1外周面12との間に隙間が設けられている例について説明したが、本開示は上記構成に限定されない。変形例に係る接続構造においては、凸部49と第1接着部10の第1外周面12との間に隙間が設けられていなくてもよい。
【0049】
図4は、第1実施形態に係る接続構造100の構成を示す第2断面模式図である。図4に示される断面は、磁力方向Zおよび前後方向Yの各々に対して平行である。図4に示される断面は、図2に示される断面に対して垂直である。
【0050】
図4に示されるように、第2装置2は、コイルバネ8と、受け板9とを有している。コイルバネ8は、受け板9上に設けられている。コイルバネ8は、紐保持部6に形成されたコイルバネ配置穴6aに設けられている。紐保持部6は、コイルバネ8によって上側に付勢されている。受け板9は、筒状部材40の第2内周面41に囲まれた領域に配置されている。紐保持部6には、一対の第3凹部6bが設けられている。一対の第3凹部6bは、コイルバネ配置穴6aの両側に設けられている。紐7は、一対の第3凹部6bに配置される。筒状部材40の第2内周面41は、一対の第3凹部6bの各々を覆っている。
[B.第1装置]
図5は、第1実施形態に係る接続構造100の第1装置1の構成を示す上面模式図である。図5に示されるように、磁力方向Zに見て、環状壁部30の第1壁面31は、第1接着部10の頂部14を囲んでいる。第1壁面31の全周において、第1壁面31は、第1接着部10の第1外周面12から離間している。第1方向101における第1壁面31と第1外周面12とのクリアランス(第3クリアランスC3)は、第2方向102における第1壁面31と第1外周面12とのクリアランス(第4クリアランスC4)よりも大きい。
【0051】
図6は、第1接着部10の構成を示す断面模式図である。図6に示される断面は、磁力方向Zに対して垂直な断面である。図6に示されるように、第1接着部10の第1外周面12は、例えば第1円弧状部27と、第1直線部13とを有している。第1円弧状部27は、第1直線部13の両端に連なっている。磁力方向Zに対して垂直な断面において、第1接着部10の第1外周面12は、概ねD形状を有している。第1直線部13が延びる方向は、第1方向101に対して垂直であってもよい。別の観点から言えば、第1直線部13は、前後方向Yに沿って延びていてもよい。
【0052】
図6に示されるように、磁力方向Zに対して垂直な断面において、第1接着部10は、半円より長い弧を有していてもよい。具体的には、円弧状部27は、半円よりも長い弧を有している。別の観点から言えば、第1円弧状部27の中心角θ3は、180°よりも大きい。第1円弧状部27の中心角θ3の下限は、特に限定されないが、例えば200°以上であってもよいし、220°以上であってもよい。中心角θ3の上限は、特に限定されないが、例えば320°以下であってもよいし、300°以下であってもよい。
[C:傾倒状態]
図7は、第2装置2が第1方向101に傾倒する状態を示す模式図である。ユーザーが紐7を第1方向101へ引っ張ると、第2装置2が第1装置1に対して第1方向101側に傾倒する。図7に示されるように、第2装置2の凸部49が第1方向101に傾倒したとき、凸部49が第1壁面31に接する。凸部49が第1方向101側の第1壁面31に接するときの傾倒角は、第1角度θ1とする。第1角度θ1は、凸部49が第1方向101側の第1壁面31に接したときにおける第1壁面31と第2外周面42とがなす角度である。
【0053】
凸部49が第1壁面31に接したとき、凸部49は第1接着部10から離間していてもよい。凸部49が第1壁面31に接した後、ユーザーが紐7をさらに第1方向101側に引っ張ると、凸部49は、第1壁面31と凸部49との接触点を支点として第1方向101側に回動する。これにより、第2装置2は第1装置1から取り外される。
【0054】
図8は、第2装置2が第2方向102に傾倒する状態を示す模式図である。ユーザーが紐7を第2方向102へ引っ張ると、第2装置2が第1装置1に対して第2方向102側に傾倒する。図8に示されるように、第2装置2の凸部49が第2方向102に傾倒したとき、凸部49が第1壁面31に接する。凸部49が第2方向102側の第1壁面31に接するときの傾倒角は、第2角度θ2とする。第2角度θ2は、凸部49が第2方向102側の第1壁面31に接したときにおける第1壁面31と第2外周面42とがなす角度である。
【0055】
図8に示されるように、凸部49が第1壁面31に接したとき、凸部49は第1接着部10に接していてもよい。つまり、凸部49が第2方向102側に傾倒するとき、凸部49は、第1壁面31と第1接着部10の両方に接してもよい。凸部49が第1壁面31に接した後、ユーザーが紐7をさらに第2方向102側に引っ張ると、凸部49は、第1壁面31と凸部49との接触点を支点として第2方向102側に回動する。これにより、第2装置2は第1装置1から取り外される。
【0056】
図7および図8に示されるように、凸部49が傾倒したときであって凸部49が第1壁面31に接するときの傾倒角は、第1方向101に凸部49が傾倒したときの角度(第1角度θ1)が、第2方向102に凸部49が傾倒したときの角度(第2角度θ2)よりも大きくてもよい。
【0057】
図9は、第2装置2が第1方向101に傾倒する状態の変形例を示す模式図である。図9に示されるように、凸部49が第1壁面31に接したとき、凸部49は第1接着部10に接してもよい。つまり、凸部49が第1方向101側に傾倒するとき、凸部49は、第1壁面31と第1接着部10の両方に接してもよい。凸部49の第2外周面42は、第1壁面31に接する。凸部49の第1内周面部44は、第1接着部10の第1外周面12に接する。
【0058】
図8および図9に示されるように、凸部49が傾倒したときであって凸部49が第1接着部10と第1壁面31の両方に接するときの傾倒角は、第1方向101に凸部49が傾倒したときの角度(第1角度θ1)が、第2方向102に凸部49が傾倒したときの角度(第2角度θ2)よりも大きくてもよい。
【0059】
凸部49が傾倒するとき、凸部49が第1接着部10と第1壁面31のうち少なくとも一方に接することで傾倒が停止されてもよい。別の観点から言えば、凸部49は、第1接着部10に接することで凸部49の傾倒が停止されてもよいし、第1壁面31に接することで凸部49の傾倒が停止されてもよいし、第1接着部10および第1壁面31の両方に接することで凸部49の傾倒が停止されてもよい。凸部49の傾倒が停止されたときの傾倒角は、第1方向101に凸部49が傾倒したときの角度(第1角度θ1)が、第2方向102に凸部49が傾倒したときの角度(第2角度θ2)よりも大きくてもよい。凸部49の傾倒が停止される場合には、第1磁性要素51と第2磁性要素52との間の距離が離れる。そのため、第2装置2を取り外すために上方向に引っ張る場合において、取り外すために必要な力を小さくすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る接続構造100の構成について説明する。第2実施形態に係る接続構造100は、主にC形状の突出部分70を有している点において、第1実施形態に係る接続構造100と異なっており、その他の構成については、第2実施形態に係る接続構造100と同様である。以下、第1実施形態に係る接続構造100と異なる構成を中心に説明する。
【0060】
図10は、第2実施形態に係る接続構造100の第1装置1の構成を示す上面模式図である。図10に示されるように、磁力方向Zに見て、第1装置1は、実質的にC形状の突出部分70を有している。突出部分70は、第2方向102側に凸となるように湾曲している。突出部分70は、第1方向101側が開いている。図11は、第2実施形態に係る突出部分70の構成を示す断面模式図である。図11に示される断面は、磁力方向Zに対して垂直な断面である。
【0061】
図11に示されるように、突出部分70は、第2円弧状部26と、第3円弧状部17と、一対の接続部18とを有している。一対の接続部18の各々の一方端部は第2円弧状部26に連なっており、他方端部は第3円弧状部17に連なっている。第2円弧状部26は、第3円弧状部17よりも第2方向102側に位置している。第3円弧状部17の曲率半径は、第2円弧状部26の曲率半径よりも小さい。第3円弧状部17の曲率中心は、第2円弧状部26の曲率中心と一致していてもよい。第2円弧状部26および第3円弧状部17の各々の中心角は、例えば180°である。第2円弧状部26および第3円弧状部17の各々の中心角は、例えば150°以上210°以下であってもよい。
【0062】
図12は、第2実施形態に係る接続構造100の構成を示す断面模式図である。図12に示される断面は、磁力方向Zおよび左右方向Xの各々に対して平行である。図13は、図12の領域XIIIの拡大模式図である。
【0063】
図13に示されるように、磁力方向Zにおいて、第1接着面11は、第1底面91と同じ高さに位置していてもよい。磁力方向Zにおいて、第2接着面21は、筒状部材40の第2下面43よりも下側に位置していてもよい。左右方向Xにおいて、突出部分70は、第2接着部20の第2外側面22よりも第2方向102側に位置している。
【0064】
第2装置2が第2方向102へ引っ張られるとき、突出部分70は、第2方向102側の凸部49の第2内周面41に接してもよい。別の観点から言えば、凸部49が第2方向102側へ傾倒する際、凸部49の回動が、突出部分70によって規制されてもよい。反対に、凸部49が第1方向101側へ傾倒する際、凸部49の回動が、突出部分70によって規制されなくてもよい。第2装置2が第1装置1から離れるように回動するときに、第1方向101側を中心とする第2装置2の回動よりも、第2方向102側を中心とする第2装置2の回動が規制されてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る取り付け構造の構成について説明する。図14は、第3実施形態に係る取り付け構造の構成を示す断面模式図である。
【0065】
第3実施形態に係る取り付け構造100は、寝具装着具1と、器具2とを有している。第3実施形態に係る取り付け構造100は、第1実施形態および第2実施形態に係る接続構造100に対応する。寝具装着具1は、寝具61に装着される。寝具装着具1は、第1実施形態および第2実施形態に係る接続構造100の第1装置1に対応する。図14に示されるように、寝具装着具1は、寝具固定部73と、第1接着部10と、留め具5と、環状壁部30とを有している。寝具固定部73は、寝具61に固定される。寝具61は、例えば枕であるが、枕に限定されない。寝具61は、例えば掛け布団、敷き布団、毛布、ベッドまたはシーツ等であってよい。
【0066】
寝具固定部73は、第1押さえ部材71と、第2押さえ部材72とにより構成されている。第1挟み部材3の左側端部が、第1押さえ部材71を構成する。第2挟み部材4の左側端部が、第2押さえ部材72を構成する。ユーザーが第1挟み部材3の右側端部と第2挟み部材4の右側端部とをつまむと、第1挟み部材3および第2挟み部材4の各々が支軸部材53を支点として回動する。これにより、第1押さえ部材71と第2押さえ部材72との間隔が大きくなる。第1押さえ部材71と第2押さえ部材72との間には、寝具61が配置される。寝具61は、第1押さえ部材71と第2押さえ部材72とにより挟まれる。これにより、寝具固定部73は、寝具61に固定される。寝具固定部73は、例えば第1接着部10から見て第1方向101側に位置している。寝具固定部73は、磁力方向Zの延長線上には位置していない。
【0067】
器具2は、第1実施形態および第2実施形態に係る接続構造100の第2装置2に対応する。器具2は、例えばストラップである。器具2は、ストラップを有するゲーム機62であってもよい。器具2は、第2接着部20と、筒状部材40と、紐保持部6と、コイルバネ8と、受け板9と、紐7とを主に有している。寝具装着具1と器具2は、第1磁性要素51と第2磁性要素52との磁力によって第1接着部10と第2接着部20とが接着することで、磁力方向Zを軸として相対回転可能に、かつ、着脱可能に接着されている。
【0068】
図3および図13に示されるように、寝具装着具1と器具2は、移動規制部81を有している。移動規制部81は、第1接着部10と第2接着部20が接着しているときに磁力方向Zと垂直な方向への第1接着部10と第2接着部20との相対移動を規制する。移動規制部81は、例えば第1外周面12と第2内周面41とにより構成されている(図3参照)。第1外周面12は、第1直線部13と、半円の弧以上の長さの弧(第1円弧状部27)とにより構成されている(図6参照)。器具2の左右方向Xへのガタつきは、第1外周面12により抑制される。移動規制部81は、上記構成に加えて、あるいは、上記構成に代えて、環状壁部30の第1壁面31と凸部49の第2外周面42との組み合わせにより構成されていてもよい。
【0069】
図3に示されるように、寝具装着具1と器具2は、回動規制部82を有している。回動規制部82は、第1接着部10と第2接着部20が接着した状態から第1接着部10と第2接着部20とが磁力方向Zにおいて離れるように相対回動するときに、寝具固定部73側を中心とする回動よりも、第1接着部10に対して寝具固定部73側と反対側を中心とする回動を規制する。図3に示されるように、回動規制部82は、第1接着部10の第1外周面12と、凸部49の第2内周面41とにより構成されていてもよい。
【0070】
回動規制部82は、第1接着部10と第2接着部20が接着した状態から第1接着部10と第2接着部20とが磁力方向Zにおいて離れるように相対回動するときに、寝具固定部73側を中心とする回動を規制せず、第1接着部10に対して寝具固定部73側と反対側を中心とする回動を規制してもよい。図7および図8に示されるように、第2接着部20が寝具固定部73側に回動するときには、凸部49の第2内周面41は第1接着部10の第1外周面12に接触せず、且つ、第2接着部20が寝具固定部73側と反対側に回動するときには、凸部49の第2内周面41は第1接着部10の第1外周面12に接触してもよい。
【0071】
図13に示されるように、回動規制部82は、突出部分70と、凸部49の第2内周面41とにより構成されていてもよい。第2接着部20が寝具固定部73側に回動するときには、寝具固定部73側における凸部49の第2内周面41は突出部分70に接触せず、且つ、第2接着部20が寝具固定部73側と反対側に回動するときには、寝具固定部73側と反対側における凸部49の第2内周面41は突出部分70に接触してもよい(図13参照)。
【0072】
第1接着部10と第2接着部20が接着した状態から第1接着部10と第2接着部20とが磁力方向Zにおいて離れるように相対回動するときに、寝具固定部73側を中心として器具2が回動したときに器具2の回動が規制される角度は、第1接着部10に対して寝具固定部73側と反対側を中心として器具2が回動したときに器具2の回動が規制される角度よりも大きくてもよい。別の観点から言えば、寝具固定部73側に器具2が回動したときに器具2の回動が規制される角度(第1角度θ1)は、寝具固定部73側と反対側に器具2が回動したときに器具2の回動が規制される角度(第2角度θ2)よりも大きくてもよい(図8および図9参照)。
【0073】
なお、上記においては、第1装置1の一例として寝具装着具1について説明したが、第1装置1は寝具装着具1に限定されない。第1装置1は、寝具61以外の物に取り付けられてもよい。第1装置1は、例えばシャツなどの衣服に取り付けられてもよいし、机などの家具に取り付けられてもよい。
【0074】
回動規制部82は、上記のように一方側に回動したときには他方側よりも早く壁面が当接する構成に限定されない。回動規制部82は、例えば、一方側に回動したときには他方側に回動する場合よりもより力が必要となるように構成されていてもよい。回動を規制する力を調整するために、例えば緩衝材が用いられてもよい。あるいは、別の磁石を更に設けて、一方側に回動したときには他方側に回動する場合よりも吸引力が働くようにしてもよい。
【0075】
ゲーム機62は、例えば記憶部(図示せず)、プロセッサ(図示せず)およびまたはディスプレイ(図示せず)を有していている。記憶部は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。記憶部には、例えばゲームなどのアプリケーションプログラムが記憶されてもよい。プロセッサは、アプリケーションプログラムを読み込んで、情報処理を実行可能であってもよい。ディスプレイは、例えばプロセッサで実行される情報処理の結果として生成される画像を表示してもよい。
【0076】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 第1装置(寝具装着具)、2 第2装置(器具)、3 第1挟み部材、4 第2挟み部材、5 留め具、6 紐保持部、6a コイルバネ配置穴、6b 第3凹部、7 紐、8 コイルバネ、9 板、10 第1接着部、11 第1接着面、12 第1外周面、13 直線部(第1直線部)、14 頂部、15 第1磁石、16 第3上面、17 第3円弧状部、18 接続部、20 第2接着部、21 第2接着面、22 第2外側面、24 ヨーク部材(部材)、25 第2磁石、26 第2円弧状部、27 円弧状部(第1円弧状部)、30 環状壁部、31 壁面(第1壁面)、32 第2壁面、33 第1頂面、34 第1上面、35 第1下面、36 第1板状部材、37 第1凹部、38 第2板状部材、40 筒状部材、41 第2内周面、42 第2外周面、43 第2下面、44 第1内周面部、45 第2内周面部、46 第2凹部、47 第3内周面部、48 本体部、49 凸部、51 第1磁性要素、52 第2磁性要素、53 支軸部材、54 バネ部材、61 寝具、62 ゲーム機、70 突出部分、71 第1押さえ部材、72 第2押さえ部材、73 寝具固定部、81 移動規制部、82 回動規制部、91 第1底面、92 第2底面、100 接続構造(取り付け構造)、101 第1方向、102 第2方向、C1 第1クリアランス、C2 第2クリアランス、C3 第3クリアランス、C4 第4クリアランス、X 左右方向、Y 前後方向、Z 磁力方向。
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