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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096598
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】電力変換器
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
H02M1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212464
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 卓也
(72)【発明者】
【氏名】岩本 藤行
(72)【発明者】
【氏名】平野 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】大平 孝
(72)【発明者】
【氏名】水谷 豊
(72)【発明者】
【氏名】小山 哲志
(72)【発明者】
【氏名】宮地 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】奥秋 直幸
(72)【発明者】
【氏名】正木 敬章
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BB08
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JA04
5H740JB01
5H740KK01
5H740MM01
(57)【要約】
【課題】MHz帯にてスイッチング素子を駆動させる際に損失を抑制しながら高速駆動できるようにした電力変換器を提供する。
【解決手段】 電力変換器10は、ゲート容量Cgd、Cgsとゲートループに存在する寄生インダクタンスLとに基づいて決定される共振周波数が100MHz以下に構成される半導体スイッチMを備える。ゲート駆動部12は、基本周波数の電圧に基本周波数の三以上の奇数次周波数の電圧を重畳したゲート電圧を出力する。ゲート駆動部12は、半導体スイッチMのゲートループの共振周波数と異なるように奇数次周波数を調整すると共に、基本周波数の電圧の位相よりも奇数次周波数の電圧の位相を所定の量ずらしてE級増幅器22、25により増幅した電圧を重畳して半導体スイッチM1に出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート容量(Cgd、Cgs)とゲートループに存在するインダクタンス(Lg)とに基づいて決定される共振周波数(f0)が100MHz以下に構成されるスイッチング素子(M)を備え、当該スイッチング素子が1MHz以上の基本周波数により駆動されることで電源出力する主電力変換部(11)と、
前記基本周波数の電圧に前記基本周波数の3以上の奇数次周波数の電圧を重畳したゲート電圧を前記スイッチング素子に出力するゲート駆動部(12)と、を備え、
前記ゲート駆動部は、前記電圧を増幅する増幅器(22、25)を備えて構成され、前記主電力変換部の前記スイッチング素子の前記ゲートループの前記共振周波数と異なるように前記奇数次周波数を調整すると共に、前記基本周波数の電圧の位相よりも前記奇数次周波数の電圧の位相を所定の量ずらして前記増幅器により増幅した電圧を重畳して前記スイッチング素子に出力する電力変換器。
【請求項2】
前記ゲート駆動部は、前記基本周波数の電圧の位相よりも前記奇数次周波数の電圧の位相を遅くした状態で前記増幅器により増幅した電圧を重畳して前記スイッチング素子に出力する請求項1記載の電力変換器。
【請求項3】
前記ゲート駆動部は、前記増幅器としてE級増幅器(22、25)を用いて正弦波の電圧を生成する請求項1又は2記載の電力変換器。
【請求項4】
前記ゲート駆動部は、前記奇数次周波数として三次周波数の正弦波電圧を前記基本周波数の正弦波電圧に重畳して出力する請求項1から3の何れか一項に記載の電力変換器。
【請求項5】
前記共振周波数と前記奇数次周波数とが少なくともf0/(2×ゲートループのQ値)以上ずれるように前記インダクタンス及び前記ゲート容量の関係性が設定されている請求項1から3の何れか一項に記載の電力変換器。
【請求項6】
前記ゲート駆動部が前記増幅器として複数のE級増幅器を用いて正弦波電圧を生成して前記ゲート電圧を出力するとき、前記複数のE級増幅器は共通の直流電源電圧を用いて動作するよう構成される請求項1から5の何れか一項に記載の電力変換器。
【請求項7】
前記ゲート駆動部は、前記基本周波数及び前記奇数次周波数の電圧を増幅する複数の前記増幅器の出力電圧を合成する合波回路(15)を備え、
前記合波回路は、前記基本周波数の電圧を増幅する増幅器(22)の出力から前記奇数次周波数の電圧を増幅する増幅器(25)の出力側を見た前記奇数次周波数におけるインピーダンスが開放状態と見做せると共に、前記奇数次周波数の電圧を増幅する増幅器(25)の出力から前記基本周波数の電圧を増幅する増幅器(22)の出力側を見た前記基本周波数におけるインピーダンスが開放状態と見做せる並列共振回路(15a、15b)を用いて各増幅器の出力を合成する請求項1から6の何れか一項に記載の電力変換器。
【請求項8】
前記ゲート駆動部が、前記増幅器として複数のE級増幅器を用いて正弦波電圧を生成する場合に、前記基本周波数及び前記奇数次周波数の信号を増幅する複数の増幅器の出力を合成する合波回路(15)を備え、
前記複数のE級増幅器の各増幅器の出力に位置して、前記合波回路から前記主電力変換部の前記スイッチング素子のゲート端子側を見たインピーダンスのリアクタンス分をゼロあるいは容量性にする整合回路(23、26)を備える請求項1から3の何れか一項に記載の電力変換器。
【請求項9】
前記ゲート駆動部は、前記基本周波数及び前記奇数次周波数の信号を増幅する複数の前記E級増幅器の出力を合成する合波回路(15)を備え、
前記合波回路から前記スイッチング素子のゲートの入力を見た負荷Q値の値を3以下として構成されている請求項3記載の電力変換器。
【請求項10】
前記ゲート駆動部は、前記基本周波数及び前記奇数次周波数の信号を増幅する複数の前記E級増幅器の出力を合成する合波回路(15)を備え、
前記複数のE級増幅器の各増幅器の出力と前記合波回路との間に位置してイミタンス変換回路(40、41)を備え、前記E級増幅器の出力電圧を前記イミタンス変換回路により定電圧源として生成する請求項3記載の電力変換器。
【請求項11】
前記奇数次周波数の信号を増幅する前記増幅器は、A、B、AB、又はC級増幅器により構成されている請求項1記載の電力変換器。
【請求項12】
前記スイッチング素子は、SiCパワー半導体スイッチ(M1)により構成されSiCパワーカード(13)に構成されている請求項1から11の何れか一項に記載の電力変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
MHz帯高周波電源は、誘導加熱、プラズマプロセス、非接触給電等に幅広く利用されており、これらの用途では高効率、大出力化のニーズが高い。これらのニーズに対して、高耐圧かつ大電流容量のSiC素子を共振型インバータに使用し、SiC素子を高速駆動することでMHz帯高周波電源を高効率、大出力化できる。
【0003】
高耐圧且つ大電流容量のSiC-MOSFETは、数nF程度以上の入力容量特性を有している。また、そのパッケージはゲートに回り込むリアクタンス成分を十数nH程度備えることが多い。SiC―MOSFETを高速駆動するため、一般的な矩形波電圧をゲートに印加すると、ゲートに回り込むリアクタンス成分及びゲート入力容量に基づいて共振現象を生じる虞があり、この場合、ゲート電圧波形にゲート耐圧を超えるピーキングを生じ、素子の信頼性を低下させる懸念がある。
【0004】
特許文献1には、オン動作遷移時間の開始直後と完了直前の駆動信号の変化率をオン速度低減部により低減し、スイッチング素子の寄生容量によるLC共振で発生するリンギングを抑制する方法も提案されている。しかし、特許文献1記載の駆動信号生成回路は、ハードスイッチングのブッシュプル回路を採用しており、MHz帯にてスイッチング素子を駆動させると大きな損失を生じる。
【0005】
他方、非特許文献1には、E級増幅器のSW素子に正弦波状のゲート電圧とその3次高調波を重畳することで急峻なオフ波形を得られることが示されている。しかし、正弦波の生成手段や基本波と高調波の位相差に関する具体的な記述はない。また、図示されている位相差を適用すると急峻なオフ波形を得られると考えられるが、導通期間後半の波高値は低下しており, 導通損が増加する問題が懸念される。
【0006】
また、ゲート電圧を正弦波状に変えれば原理的にピーキングは発生しないが、急峻なゲート電圧オフ特性を得られないため高速駆動できずスイッチング損失が増加してしまう。また導通期間中のゲート電圧も低下するため導通損が増加する問題が懸念される。ここでいう、高速駆動とはオンからオフ、オフからオンへの遷移時間を短くすることである。
【0007】
非特許文献2には、SiC―MOSFETにて許容されるゲート電圧振幅以上の振幅の正弦波を、E級アンプを用いて生成した上でダイオードにより電圧をクランプし、SiCにより許容されるゲート電圧振幅以下にするゲート駆動方法が示されている。しかし、この方法ではクランプダイオードにおいて損失を生じる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開2013/065150号(特願2013-541543号)
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】周藤他、2名、E級増幅器のゲートドライブ信号の第3高調波によるピーキング、平成22年度電気関係学会九州支部連合大会
【非特許文献2】孫他、3名、E級増幅器に基づいたSiC-MOSFET高速駆動回路の一検討、電子情報通信学会技術研究報告書:信学技報 116(133)、43-49、2016-07-14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、MHz帯にてスイッチング素子を駆動させる際に損失を抑制しながら高速駆動できるようにした電力変換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、主電力変換部は、ゲート容量とゲートループに存在するインダクタンスとに基づいて決定される共振周波数が100MHz以下に構成されるスイッチング素子を備え、当該スイッチング素子が1MHz以上の基本周波数により駆動されることで電源出力する。ゲート駆動部は、基本周波数の電圧に基本周波数の三以上の奇数次周波数の電圧を重畳したゲート電圧を出力する。ゲート駆動部は、電圧を増幅する増幅器を備えて構成され、主電力変換部のスイッチング素子のゲートループの共振周波数と異なるように奇数次周波数を調整すると共に、基本周波数の電圧の位相よりも奇数次周波数の電圧の位相を所定の量ずらして増幅器により増幅した電圧を重畳してスイッチング素子に出力する。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、基本周波数の電圧の位相よりも奇数次周波数の電圧の位相を所定の量ずらしてスイッチング素子にゲート電圧を印加するため、ゲートループに寄生するインダクタンス、ゲート容量の影響を受けて、スイッチング素子のゲートの位置において基本周波数の電圧の位相と奇数次周波数の電圧の位相が揃うように作用することになる。これにより、奇数次周波数の電圧を調整してゲート電圧をより急峻に調整できるようになる。これにより、スイッチング素子の損失を抑制しながら高速駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における電力変換器の電気的構成ブロック図
図2】ゲート駆動部の電気的構成ブロック図
図3】位相調整回路及びBPF(バンドパス・フィルタ)の電気的構成例
図4】増幅器、整合回路、及び合波回路とその周辺回路の電気的構成例
図5】技術的意義の説明図
図6】スイッチング素子のドレイン電流-ゲート電圧特性図
図7】第2実施形態における増幅器、整合回路、合波回路、及びその周辺回路の電気的構成例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電力変換器10の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。複数の実施形態間で同一の構成は同一の符号を付して、後述する実施形態では説明を省略することがある。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図6を参照しながら説明する。図1に示すように、電力変換器10は、SiCパワーカード13を用いて主として電力変換する主電力変換部11、SiCパワーカード13のゲート端子を駆動するゲート駆動部12を備え、直流電圧VDCを入力して電力変換して負荷Rに電力を出力する高周波電源である。
【0016】
主電力変換部11には、SiCパワーカード13が設けられる。SiCパワーカード13は、ボディダイオードが付加されたSiCパワー半導体スイッチM(以下、半導体スイッチMと称する)を内蔵している。半導体スイッチMは、例えばSiC-MOSFETによるスイッチング素子である。SiCパワーカード13は、半導体スイッチMの半導体パッケージの両面に放熱板をはんだ付けした構造を採用しており、半導体スイッチMが動作する際に発生する熱を効率的に冷却器に放熱できる構造となっており、大電力化と小型化を両立させている。SiCパワーカード13の半導体スイッチMには、そのゲート端子とドレイン/ソース各端子との間に寄生容量としてゲート容量Cgd、Cgsを生じる。
【0017】
また、SiCパワーカード13にはゲート端子が設けられている。SiCパワーカード13のゲート端子から当該SiCパワーカード13のパッケージ内の半導体スイッチMのゲートまでの間には、リードフレームやボンディングワイヤによる寄生インダクタンスL、ゲート寄生抵抗Rが存在する。SiCパワーカード13は、ゲート容量Cgd、Cgs及び寄生インダクタンスLに基づいて決定される共振周波数f0が100MHz以下の数十MHz程度に構成されるパワー半導体モジュールである。
【0018】
例えば、SiCパワーカード13のゲート端子に基本周波数(例えば、6.78MHz)の矩形電圧を印加すると、ゲートループにおいて大きな共振電圧のピークが発生し、半導体スイッチM1のゲートに過大な電圧ストレスが加わる。このため本形態では、ゲート駆動部12の構成を用いて基本周波数と、高調波となる奇数次周波数(例えば三次、五次周波数)の電圧を印加する。ゲート駆動部12は、1MHz以上の基本周波数によりSiCパワーカード13を駆動することで負荷Rに電源出力する。
【0019】
以下、図1を参照して主電力変換部11の回路構成例を説明する。直流電圧源100はチョークコイルLcを通じてノードN1に印加されている。ノードN1とグランドノードNgとの間には、半導体スイッチM1のドレイン・ソース間が接続されている。ノードN1とグランドノードNgとの間にはキャパシタCpが構成されている。したがって、キャパシタCpは半導体スイッチM1のドレイン・ソース間に並列接続されている。
【0020】
ノードN1と負荷Rへの出力端子T1との間には、インダクタLsとキャパシタCsとが直列接続されている。負荷Rは、出力端子T1とグランドノードNgとの間に接続されている。このように主電力変換部11が構成されている。
【0021】
他方、ゲート駆動部12は、複数の交流電圧源14a~14c及び合波回路15を備える。複数の交流電圧源14a~14cは、基本周波数の交流電圧とこの基本周波数の3以上の奇数次周波数の交流電圧を出力する電圧源をイメージとして図示化している。合波回路15は、これらの複数の交流電圧源14a~14cの出力電圧を合成し、ゲート電圧VgとしてSiCパワーカード13に印加する。
【0022】
図2にゲート駆動部12の構成を例示している。ゲート駆動部12は、矩形波発振器20と共に、基本周波数及び奇数次周波数の電圧を増幅する増幅器としてE級増幅器22、25を備え、矩形波発振器20の出力電圧を加工することにより所望のゲート電圧Vgを出力する。
【0023】
ゲート駆動部12は、基本周波数の正弦波電圧と三次周波数の正弦波電圧を重畳させた三倍波重畳ゲート駆動を行い、半導体スイッチM1のゲートソース間電圧vgsを-5V~20Vとするように出力する。このようにすることで、ゲートループを共振させることなく、すなわち、SiCパワーカード13のゲート端子に過大な電圧ストレスを与えることなく高速スイッチングを実現できる。
【0024】
矩形波発振器20は、所定の基本周波数(例えば、6.78MHz)の矩形波のパルス電圧を生成出力する。このとき例えば、矩形波のパルスに含まれる三次周波数と、SiCパワーカード13のゲートループの共振周波数f0とが互いに異なるように調整される。
【0025】
ゲート駆動部12は、基本周波数及び三次周波数の電圧を出力するため、複数のゲート電圧生成部16、17を備える。ゲート電圧生成部16は、基本周波数の交流電圧を出力するために設けられ、位相調整回路21、E級増幅器22、及び整合回路23を縦続接続して構成され、生成した基本周波数の交流電圧を合波回路15に出力する。ゲート電圧生成部16はE級増幅器22を用いて基本周波数の正弦波電圧を生成する。
【0026】
位相調整回路21は、ゲート電圧生成部16、17の出力電圧間の位相を異ならせるために設けられ、ゲート電圧生成部16が生成する基本周波数の電圧を、ゲート電圧生成部17が生成する三次周波数に対して進相させてE級増幅器22に出力する。E級増幅器22はE級動作する増幅器であり、基本周波数の電圧を増幅して整合回路23を通じて合波回路15に出力する。整合回路23は、E級増幅器22の出力インピーダンスとSiCパワーカード13の入力インピーダンスとをインピーダンスマッチングする回路を示す。
【0027】
他方、ゲート電圧生成部17は、奇数次周波数の交流電圧を出力するために設けられ、BPF24、E級増幅器25、及び整合回路26を縦続接続して構成され、生成した奇数次周波数の交流電圧を合波回路15に出力する。ゲート電圧生成部17はE級増幅器25を用いて三次周波数の正弦波の電圧を生成する。
【0028】
BPF24は、矩形波発振器20からの基本周波数(例えば、6.78MHz)の矩形波に含まれる基本周波数の三次周波数を通過すると共に、基本周波数、及び、この基本周波数の五次以上の周波数の信号を減衰させる特性を有するバンドパスフィルタを示す。E級増幅器25はE級動作する増幅器であり、基本周波数の三次周波数の電圧を増幅して整合回路26を通じて合波回路15に出力する。整合回路26は、E級増幅器25の出力インピーダンスとSiCパワーカード13の入力インピーダンスとをマッチングする回路を示す。
これらの位相調整回路21、E級増幅器22、整合回路23、BPF24、E級増幅器25、及び整合回路26は、前述の複数の交流電圧源14a~14c相当の構成を示す。合波回路15は、基本周波数及び奇数次周波数の電圧を増幅する複数のE級増幅器22、25(複数の増幅器相当)の出力電圧を合成してゲート電圧VgをSiCパワーカード13に印加する。
【0029】
このゲート駆動部12によれば、複数のゲート電圧生成部16、17を並列接続すると共に、ゲート電圧生成部16に位相調整回路21を設けているため、基本周波数の電圧の位相よりも奇数次周波数の電圧の位相を遅くした状態で合波回路15に電圧を出力できる。これにより合波回路15は、基本周波数の電圧の位相よりも奇数次周波数の電圧の位相を遅くした状態で合成、重畳してゲート電圧VgをSiCパワーカード13に出力する。この結果、ゲート駆動部12は、奇数次周波数として三次の信号電圧を基本周波数の信号電圧に重畳出力できる。
【0030】
次に、図3及び図4を参照して具体的な回路構成を説明する。図3には位相調整回路21及びBPF24の回路構成例を示しており、図4にはE級増幅器22、25及び整合回路23、26、その後段の回路構成例を示している。
【0031】
図3に例示したように、位相調整回路21は、積分器31、抵抗Ra及びRbを直列接続して構成される抵抗分圧回路32、Dフリップフロップ33、その他の周辺回路34を用いて構成されている。積分器31は、矩形波発振器20により出力される矩形波を入力し、所定の時定数に応じて電圧の位相を遅相することで電圧波形を鈍らせ、直流遮断用のコンデンサCb1を通じてDフリップフロップ33のクロック端子CLKに入力させている。
【0032】
Dフリップフロップ33は、D端子を電源Vccにプルアップして構成される。またDフリップフロップ33はクロック端子CLKに電源Vccを分圧する抵抗分圧回路32を接続して構成される。また、Dフリップフロップ33の/Q端子及び/CLR端子には周辺回路34が接続されている。周辺回路34は、抵抗Rx1、Rx2、ダイオードDa、及びコンデンサCxなどを図示形態に組み合わせて構成される。
【0033】
Dフリップフロップ33は、クロック端子CLKの入力電圧に同期して矩形波電圧をQ端子から出力することになり、積分器31により矩形波発振器20により出力される矩形波電圧を鈍した成形電圧がクロック端子CLKに入力される。また、Dフリップフロップ33は、そのクロック端子CLKの入力電圧が抵抗分圧回路32によりバイアス調整されることにより、Q端子の立上りタイミングを進み側/遅れ側の両方に調整できる。この結果、位相調整回路21は、積分器31による積分結果に基づいて位相調整した結果を出力できる。
【0034】
また、矩形波発振器20の出力は、バッファゲート35及びコンデンサCb2及び抵抗Rの直列回路を通じてBPF24に入力されている。BPF24は、コンデンサCj1~Cj5、インダクタLj1~Lj4、及び抵抗Rj3を図示形態に組み合わせたLCRフィルタ回路であり、本実施形態では基本周波数の三次周波数を通過してその他の一次及び五次以上の周波数を減衰させている。位相調整回路21が、基本波の位相を調整するために設けられているため、基本波周波数の電圧の位相と奇数次周波数の電圧の位相の関係性を変化させることができる。
【0035】
なお、BPF24の後段には直流遮断用のコンデンサCb1を介してバイアス回路B1が設けられている。バイアス回路B1は、バイアス電圧Vを可変抵抗Rにより分圧した分圧電圧をE級増幅器25のMOSトランジスタMp2(後述参照)のゲートに印加する。
【0036】
図4に示すように、E級増幅器22、25は、共通の直流電源電圧Vを用いて動作する。E級増幅器22は、チョークコイルLc1、MOSトランジスタMp1、キャパシタCp1、共振用のインダクタLs1、及びキャパシタCs1を図示形態に備える。
【0037】
直流電源電圧Vは、チョークコイルLc1を通じてノードN11に印加されている。ノードN11とグランドノードNとの間には、MOSトランジスタMp1のドレイン・ソース間が接続されている。ノードN11とグランドノードNとの間にはキャパシタCp1が構成されている。
【0038】
したがって、キャパシタCp1は、MOSトランジスタMp1のドレイン・ソース間に並列接続されている。ノードN11と整合回路23の入力ノードN12との間には、インダクタLs1とキャパシタCs1とが直列接続されている。E級増幅器22を構成する素子Cp1、Ls1、Cs1の素子値は基本周波数に合わせて設計されている。
【0039】
整合回路23は、ノードN12とグランドノードNとの間に接続されたキャパシタCm1と、ノードN12と合波回路15の入力ノードN13との間に接続されたキャパシタCmsとを備える。整合回路23は、E級増幅器22の出力と合波回路15の入力との間に構成され、E級増幅器22の出力側からSiCパワーカード13のゲート端子側を見たインピーダンスのリアクタンス分をゼロあるいは容量性にする特性を備える。これにより、E級増幅器22のE級動作あるいは疑似E級動作を実現できる。
【0040】
他方、E級増幅器25は、チョークコイルLc2、MOSトランジスタMp2、キャパシタCp2、共振用のインダクタLs2、及びキャパシタCs2を図示形態に接続して構成されるもので、その回路構成はE級増幅器22と同一構成とされている。
【0041】
直流電源電圧Vは、チョークコイルLc2を通じてノードN21に印加されている。ノードN21とグランドノードNとの間には、MOSトランジスタMp2のドレイン・ソース間が接続されている。ノードN21とグランドノードNとの間にはキャパシタCp2が構成されている。
【0042】
したがって、キャパシタCp2は、MOSトランジスタMp2のドレイン・ソース間に並列接続されている。ノードN21と整合回路26の入力ノードN22との間には、インダクタLs2とキャパシタCs2とが直列接続されている。E級増幅器25を構成する素子Cp2、Ls2、Cs2の各素子値は基本周波数の三次周波数に合わせて設計されている。
【0043】
整合回路26は、ノードN22とグランドノードNとの間に接続されたキャパシタCm2と、ノードN22と合波回路15の入力ノードN23との間に接続されたインダクタLmとを備える。整合回路26は、E級増幅器25の出力に位置して構成され、E級増幅器22の出力側からSiCパワーカード13のゲート端子側を見たインピーダンスのリアクタンス分をゼロあるいは容量性にする特性を備える。これにより、E級増幅器25のE級動作あるいは疑似E級動作を実現できる。
【0044】
合波回路15は、インダクタL及びキャパシタCによる並列共振回路15a、インダクタL及びキャパシタCによる並列共振回路15bを図示形態に備える。並列共振回路15aは、ノードN13とノードNとの間に接続されており、並列共振回路15bは、ノードN23とノードNとの間にキャパシタCを介して直列接続されている。
【0045】
合波回路15は、E級増幅器22の出力にE級増幅器25の奇数次周波数におけるインピーダンスが開放状態と見做せるように並列共振回路15a、15bの素子値が設計されている。逆に、E級増幅器25の出力にE級増幅器22の基本波周波数におけるインピーダンスが開放状態と見做せるように並列共振回路15b、15aの素子値が設計されている。
【0046】
言い換えると、並列共振回路15aは、基本周波数を通過するが奇数次周波数を遮断する特性に設計されており、並列共振回路15bは、奇数次周波数(本形態では三次周波数)を通過するが基本周波数を遮断する特性に設計されている。
【0047】
例えば、E級増幅器22の側の並列共振回路15aには、E級増幅器25の動作周波数である三次周波数にて共振条件となるように素子値を設定し、E級増幅器25の側の並列共振回路15bには、E級増幅器22の動作周波数となる基本周波数にて共振条件となるように素子値を設定する。これにより、E級増幅器22、25は相互干渉なしに動作でき、合波回路15は、各E級増幅器22、25の基本周波数及び奇数次周波数の出力を合成できる。
【0048】
また、合波回路15の後段にはバイアス回路B2が構成されている。バイアス回路B2は、バイアス電圧Vを可変抵抗Rにより分圧した分圧電圧をSiCパワーカード13のゲート端子に印加する。また、キャパシタC、Cは、合波回路15の出力とSiCパワーカード13のゲート端子との間に接続されている。キャパシタC、Cは、合波回路15及びE級増幅器22、25側へのバイアス回路B2のバイアス電圧を遮断するコンデンサである。
【0049】
次に、各素子値の設定方法を説明する。
E級増幅器22、25及び整合回路23、26の素子値の設計は、半導体スイッチMのゲートソース間電圧vgsの電圧振れ幅:25Vに対応する基本波振幅:13.26Vと三倍波振幅:4.42Vが、半導体スイッチMのゲートに印加されるようSiCパワーカード13の寄生成分を考慮して行われる。
【0050】
E級増幅器22、25は、整合回路23、26の側からSiCパワーカード13のゲート端子を見たインピーダンスの実部を負荷抵抗値と定義したとき、負荷抵抗値に依存した負荷Q値を3以下に設定することが望ましい。負荷Q値は、SiCパワーカード13の半導体設計に基づいて設計者により任意に決定できる。E級増幅器22、25の特性は、インダクタLs1、Ls2及びキャパシタCs1、Cs2による共振回路を動作させるときの出力側の負荷抵抗値、負荷Q値により一義的に決定される。E級増幅器22、25を利用することで、駆動回路自体の損失を抑制できる。
【0051】
またSiCパワーカード13の内部寄生容量は、半導体スイッチMに印加されるドレイン電圧に応じて変動する。したがって、SiCパワーカード13のゲート端子側を見た入力インピーダンスも半導体スイッチMのドレイン電圧の変化により変動する。これは、E級増幅器22、25の負荷インピーダンスが変動することを意味している。そのため、負荷抵抗値に依存した負荷Q値を3以下と設定することで、E級増幅器22、25が負荷インピーダンス変化に対してその動作の影響が少なくなる。すなわち、負荷Q値を3以下に設定することで、SiCパワーカード13の寄生容量の特性バラツキやドレイン電圧依存性に対するE級増幅器22、25の動作安定性を確保できる。
【0052】
また、ゲートループの共振周波数f0と三次周波数とは、少なくともf0/(2×ゲートループの負荷Q値)以上ずれるように、インダクタンスL、ゲート寄生抵抗R及びゲート容量Cgd、Cgsの関係性が設定されていることが望ましい。このように設定することで、ゲートループの寄生成分による共振現象を生じさせることなく、全体の動作安定性を確保できる。
【0053】
<素子値の設定方法>
E級増幅器22、25は、そのE級動作条件における直流電源電圧Vdと出力電圧Voの振幅との関係性を、数式などを用いて所定の関係に定めることができる。また、SiCパワーカード13の半導体スイッチMのゲート電圧Vgは、E級増幅器22、25の出力電圧Voとの関係において、整合回路23、26の素子値、及び、SiCパワーカード13の寄生成分の影響を受ける。整合回路23、26の回路構成、及び、SiCパワーカード13の寄生成分に基づいて、E級増幅器22、25の任意の直流電源電圧Vから半導体スイッチMのゲートに所望の電圧振幅を与えるために必要な整合回路23、26の入力インピーダンスを求めることができる。
【0054】
E級増幅器22、25の負荷抵抗Roは、整合回路23、26の入力側から見た入力インピーダンスと等しい値となる。この整合回路23、26の入力インピーダンスの虚数部をゼロにする条件を用いることで、整合回路23、26の入力インピーダンスを求めると共に負荷抵抗Roを求めることができる。この負荷抵抗Roに合わせて、整合回路23、26を構成するインダクタL、キャパシタCm1、Cms、Cm2の各素子値、E級増幅器22、25を構成するインダクタLs1、Ls2、キャパシタCs1、Cs2、Cp1、Cp2の各素子値を設定することができる。
【0055】
このようにして素子値を設定することで、共通の直流電源電圧Vを用いてE級増幅器22、25を動作させたとしても、その合成出力を半導体スイッチMのゲート耐圧以内に収まるように調整できるようになる。
【0056】
次に、上記構成の技術的意義と作用効果について説明する。
SiCパワーカード13のゲート端子から当該SiCパワーカード13のパッケージ内の半導体スイッチMのゲートまでの間には、リードフレームやボンディングワイヤによる寄生インダクタンスLが存在する。
【0057】
寄生インダクタンスLの影響を生じると、半導体スイッチMのゲート電圧は、SiCパワーカード13のゲート端子の電圧より進み位相になる。特に、基本周波数より高い奇数倍周波数にて寄生するインダクタLsによるリアクタンス分が大きくなり、半導体スイッチMのゲートへの印加電圧波形が歪む。
【0058】
このため本形態では、基本周波数の正弦波電圧の位相に比較して奇数次周波数の正弦波電圧の位相を遅らせた状態で合波回路15により重畳してSiCパワーカード13のゲート端子に電圧を印加している。SiCパワーカード13のゲート端子に印加する電圧について、図5に示すように、三次周波数の正弦波電圧の位相を基本周波数に対して位相φだけ遅らせることで、基本周波数の正弦波電圧の位相と三次周波数の正弦波電圧の位相とを概ね一致させた状態で半導体スイッチMのゲートに印加できる。
【0059】
半導体スイッチMは、図6にゲート電圧-ドレイン電流特性を示したように、ゲート電圧を高くするほど大電流を流すことができ、且つ損失も小さくできる。E級増幅器22、25を前段に用いることで、オン区間後半にゲート印加電圧を高くできる。このため、半導体スイッチMがオン期間中に流れる電流を、図5に示すようにオン区間の後半に大きくできる。
【0060】
本実施形態によれば、三次周波数の正弦波電圧を基本周波数の正弦波電圧より遅れ位相でSiCパワーカード13のゲート端子に印加することで、半導体スイッチMのゲート位置で基本周波数と奇数次周波数の正弦波電圧の位相を概ね一致させることができる。これにより、不要なピーキングを防ぎながら、ゲート電圧の立上りを急峻にでき、オン期間中の特に後半において高いゲート電圧を印加できる。ここでは、ゲート電圧の立上りについて説明したが、立下りについても同様に急峻にできる。
【0061】
本実施形態の構成によれば、SiCパワーカード13に内蔵した半導体スイッチMにおける損失を低減でき、主電力変換部11による電力変換効率を向上でき出力電圧を高くできる。半導体スイッチMのゲートに過大電圧が印加されることがなくなり、半導体スイッチMを長寿命化できる。
【0062】
この種の既存の半導体スイッチM1のパッケージは、寄生インダクタンスLが比較的大きく構成されるが、当該パッケージをMHz帯高周波電源に利用でき、特にハイブリッド車(HV)用インバータのパワーモジュールによりMHz駆動を実現できる。また低出力時の総合効率を向上できる。また、ゲート駆動部12の放熱を簡素化できる。さらに半導体スイッチMがゲート総電荷量の大きい大容量素子であっても放熱を簡素化できる。
【0063】
(第2実施形態)
第2実施形態について図7を参照しながら説明する。第1実施形態では、整合回路23、26からSiCパワーカード13のゲート端子の入力を見た負荷抵抗値に依存した負荷Q値を3以下に設定することで、E級増幅器22、25の負荷インピーダンスが変わると出力電圧が変動する課題に対処した。第2実施形態では、これに代えて又はこれに加えて、第1実施形態のE級増幅器22、25の出力が定電圧源的な特性となるようにする。本実施形態では、E級増幅器22、25の負荷インピーダンスが変わると出力電圧が変動しやすい問題に対して下記の対処を行うことが望ましい。
【0064】
図7に示すように、E級増幅器22、25の出力に位置して、それぞれイミタンス変換回路としてジャイレータ40、41を追加すると良い。ジャイレータ40は、キャパシタCh11、インダクタLh1、キャパシタCh12をπ型に構成しており、ジャイレータ41は、キャパシタCh21、インダクタLh2、キャパシタCh22をπ型に構成している。ジャイレータ40、41を構成する各素子値は、それぞれ基本周波数及び三次周波数に合わせて設定されており、その回路定数は互いに異なる。
【0065】
ジャイレータ40、41を追加することで、そのジャイレータ40の出力は、定電圧源として動作することになる。したがって、SiCパワーカード13のゲート端子を見た入力インピーダンスが変動しても、ジャイレータ40の出力電圧を安定的に保持できる。
【0066】
なお、ジャイレータ40、41の各出力側のキャパシタCh12、Ch22と、整合回路23、26の入力側のキャパシタCm1、Cm2とは共用化して構成しても良い。
【0067】
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
【0068】
前述では説明の簡略化のため、奇数次周波数は三次とした形態を説明したがこれに限られるものではない。五次又はそれ以上の奇数次を重畳したゲート電圧VgをSiCパワーカード13に出力する形態に適用しても良い。例えば五次の奇数次周波数の電圧を重畳することでも基本周波数の電圧の位相と奇数次周波数の電圧の位相が揃うように作用することになり、この場合、より急峻に調整でき、オン期間中のゲート電圧の落ち込みを少なくできる。
【0069】
前段のE級増幅器22、25は、E級動作するように構成したが、E級動作に限られない。特に、奇数次周波数の正弦波電圧を増幅する増幅器25は、A、B、AB、又はC級増幅器により構成されていても良い。
【0070】
本発明は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本発明は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本発明は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本発明の範畴や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0071】
図面中、10は電力変換器(高周波電源)、11は主電力変換部、12はゲート駆動部、Cgd、Cgsはゲート容量、Lgは寄生インダクタンス、22、25はE級増幅器(増幅器)、40、41はイミタンス変換回路を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7