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特開2023-96599印字システム、印字システムの制御方法、プリンタ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096599
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】印字システム、印字システムの制御方法、プリンタ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/46 20060101AFI20230630BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20230630BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230630BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B65C9/46
B41J29/42 F
B41J29/38 301
B41J29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212465
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 俊明
【テーマコード(参考)】
2C061
3E095
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ28
2C061CQ41
2C061HJ02
2C061HJ06
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
3E095AA01
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA13
3E095DA22
3E095DA63
3E095DA67
3E095DA72
3E095DA76
3E095DA82
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA22
3E095EA34
3E095FA06
(57)【要約】
【課題】プリンタを協働動作可能な貼付装置とともに使用する場合に、ユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置と、貼付装置に接続されて貼付装置と協働動作するプリンタとを有する印字システムであって、プリンタは、プリンタの状態を表すための信号を貼付装置に送信する、及び/又はプリンタの動作を実行するための信号を貼付装置から受信し、貼付装置は、プリンタの状態を表すための信号を受信して表示する、及び/又はプリンタの動作を実行するための信号の入力を受け付けてプリンタに送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置と、前記貼付装置に接続されて前記貼付装置と協働動作するプリンタとを有する印字システムであって、
前記プリンタは、前記プリンタの状態を表すための信号を前記貼付装置に送信する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号を前記貼付装置から受信し、
前記貼付装置は、前記プリンタから前記プリンタの状態を表すための信号を受信して表示する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号の入力を受け付けて前記プリンタに送信する、
印字システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印字システムであって、
前記プリンタは、
複数の入出力端子を有する入出力部と、
前記入出力部とは別の通信用インタフェースと、を備え、
前記プリンタの状態を表すための一部の信号と前記プリンタの動作を実行するための一部の信号の送受信が前記入出力部に割り当てられ、
前記プリンタの状態を表すための残りの信号と前記プリンタの動作を実行するための残りの信号の送受信が前記通信用インタフェースに割り当てられた、
印字システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印字システムであって、
複数の前記入出力端子には、
一の出力端子と前記一の出力端子から出力される信号レベルとの組み合わせに前記プリンタの状態を表すための第一コマンドが割り当てられており、
前記貼付装置は、前記第一コマンドに基づいて前記プリンタの状態を表示する、
印字システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の印字システムであって、
複数の前記入出力端子には、
一の入力端子と前記一の入力端子に入力される信号レベルとの組み合わせに前記プリンタの動作を実行するための第二コマンドが割り当てられており、
前記プリンタは、前記第二コマンドに基づいて動作を実行する、
印字システム。
【請求項5】
請求項4に記載の印字システムであって、
前記第二コマンドによって実行される前記プリンタの動作が、前記プリンタのネットワーク接続のオン又はオフ、印字前ラベルの搬送、前記プリンタに生じたエラーの解除、印字データの消去、前記プリンタに設けられたセンサの調整、ディスプレイの発光の点灯又は消灯、前記ディスプレイへの情報の表示から選ばれる少なくとも一つの動作である、
印字システム。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載の印字システムであって、
前記入出力端子は、デジタルイン/アウトコネクタである、
印字システム。
【請求項7】
ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置に接続され、前記貼付装置と協働動作するプリンタを備えた印字システムの制御方法であって、
前記プリンタにおいて、前記プリンタの状態を表すための信号を前記貼付装置に送信する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号を前記貼付装置から受信し、
前記貼付装置において、前記プリンタの状態を表示する、及び/又は前記プリンタの動作の入力を受け付ける、
印字システムの制御方法。
【請求項8】
ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置に接続され、前記貼付装置と協働動作するプリンタであって、
前記プリンタの状態を表すための信号を前記貼付装置に送信する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号を前記貼付装置から受信する、
プリンタ。
【請求項9】
ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置と、前記貼付装置に接続されて前記貼付装置と協働動作するプリンタとを有する印字システムのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記プリンタの状態を表すための信号を前記貼付装置に送信する手順、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号を前記貼付装置から受信する手順と、
前記貼付装置において、前記プリンタの状態を表示する手順、及び/又は前記プリンタの動作の入力を受け付ける手順と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字システム、印字システムの制御方法、プリンタ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタ、ラベル貼付装置、箱詰め装置等の各種の装置を協働させて、商品にラベルを貼り付けて梱包するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-68260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシステムは、それぞれ独立した装置を用いて組み上げられる。このため、装置毎に備えられた表示部や入力部等のインタフェースが、ユーザに混乱を生じさせる要因となっていた。
【0005】
また、システムにおける各装置のレイアウトによっては、各装置の表示部や入力部を、ユーザが一元的に扱えるような配置にすることが困難な場合があり、作業効率の低下に繋がっていた。
【0006】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、プリンタを協働動作可能な装置とともに使用する場合に、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、ラベルを被着体に貼り付ける貼付装置と、前記貼付装置に接続されて前記貼付装置と協働動作するプリンタとを有する印字システムであって、前記プリンタは、前記プリンタの状態を表すための信号を前記貼付装置に送信する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号を前記貼付装置から受信し、前記貼付装置は、前記プリンタから前記プリンタの状態を表すための信号を受信して表示する、及び/又は前記プリンタの動作を実行するための信号の入力を受け付けて前記プリンタに送信する、印字システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、プリンタを協働動作可能な装置とともに使用する場合に、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るプリンタが適用される印字システムの概略図である。
図2図2は、本実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図3図3は、印字ユニットカバーを取り除いたプリンタの正面図である。
図4図4は、制御ユニットの機能ブロック図である。
図5図5は、デジタルI/O部の入出力端子に対応するコマンドの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[印字システムの説明]
以下、添付図面を参照しながら、本実施形態に係る印字システム100について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る印字システム100の概略図である。
【0012】
印字システム100は、ラベルに印字を行うプリンタ1と、プリンタ1にて印字されたラベル22を被着体Aに貼り付ける貼付装置としてのラベル貼付け機101とを備える。
【0013】
また、印字システム100は、プリンタ1へラベルを供給するラベル供給機102と、被着体Aを搬送する搬送装置103とを、さらに備える。
【0014】
プリンタ1と、ラベル貼付け機101と、ラベル供給機102と、搬送装置103とは、外部コンピュータ200を介して互いに通信可能に接続されている。
【0015】
本実施形態において、プリンタ1は、長尺状の台紙21に複数のラベル22を有するラベル連続体MLを、ラベル供給機102から供給されて、ラベル22に印字を行う。プリンタ1は、ラベル貼付け機101に取り付けられて使用される。
【0016】
ラベル貼付け機101は、プリンタ1から印字後のラベル22を受け取って、搬送装置103によって搬送される被着体Aに貼り付ける動作を実行するための図示されていない各種構成と、これらの構成を制御する制御ユニット111とを備える。
【0017】
また、ラベル貼付け機101は、プリンタ1及びラベル供給機102への操作入力と表示とを行うタッチパネル付きディスプレイ112を備える。
【0018】
ラベル貼付け機101において、制御ユニット111は、図示しないインタフェースを介して、外部コンピュータ200と接続されている(図4参照)。
【0019】
ラベル供給機102は、プリンタ1にラベル連続体MLを供給する供給軸121と、ラベル連続体MLからラベル22が剥離された後の台紙21を巻き取る巻取軸122と、供給軸121から所定の繰り出し量にてラベル連続体を繰り出す制御を行う制御ユニット123とを備える。
【0020】
また、ラベル供給機102は、プリンタ1及びラベル供給機102への操作入力が行われる入力部と、エラー報知や操作に関連する情報を表示するための表示部と、を兼用したタッチパネル付きディスプレイ124を備える。
【0021】
ラベル供給機102において、制御ユニット123は、図示しないインタフェースを介して、外部コンピュータ200と接続されている(図4参照)。
【0022】
印字システム100において、上述したプリンタ1は、プリンタ1の状態を表すための信号をラベル貼付け機101に送信する、及び/又はプリンタ1の動作を実行するための信号をラベル貼付け機101から受信する。また、上述したラベル貼付け機101は、プリンタ1からプリンタ1の状態を表すための信号を受信し表示する、及び/又はプリンタ1の動作を実行するための信号の入力を受け付けてプリンタ1に送信する。
【0023】
搬送装置103は、ラベル22の貼り付け対象である被着体Aを搬送する搬送部131と、被着体Aの搬送を制御する制御ユニット132とを備える。また、搬送装置103への操作入力と表示とを行うタッチパネル付きディスプレイ133を備える。
【0024】
搬送装置103において、制御ユニット132は、図示しないインタフェースを介して、外部コンピュータ200と接続されている(図4参照)。
【0025】
[プリンタの説明]
以下、添付図面を参照しながら、本実施形態に係るプリンタ1について説明する。
【0026】
図2は、プリンタ1の斜視図である。図2に示すように、プリンタ1は、中央本体ユニット2と、印字ユニット3と、印字ユニット3を駆動する駆動ユニット31(図4参照)と、制御ユニット4と、電源ユニット5と、を備える。
【0027】
印字ユニット3は、中央本体ユニット2の一方の側面(プリンタ1の正面)側に位置する。駆動ユニット31、制御ユニット4、及び電源ユニット5は、中央本体ユニット2の他方(反対側)の側面(プリンタ1の背面)側に位置する。
【0028】
中央本体ユニット2は、所定の機械的強度を有する矩形状の盤状ユニットである。中央本体ユニット2は、プリンタ1の中央部に位置し、印字ユニット3、駆動ユニット31、制御ユニット4、及び電源ユニット5が組み付けられる。
【0029】
中央本体ユニット2における支持ケース9の上方には、電源スイッチ43、各種の操作キーを備えた操作部44、ディスプレイ45、等が設けられる。
【0030】
中央本体ユニット2には、プリンタ1をラベル貼付け機101(図1図4参照)に取り付けるための取付部15が設けられる。
【0031】
取付部15は、任意の構成を選択することができ、本実施形態では、中央本体ユニット2の周縁部に設けられている。具体的には、本実施形態の取付部15は、中央本体ユニット2の周縁部に形成した5つの取付孔(上方中央取付孔15A、上方左端取付孔15B、上方右端取付孔15C、下方左端取付孔15D(図2参照)、下方右端取付孔15E)である。
【0032】
駆動ユニット31は、例えば、複数のステッピングモータを有し、制御ユニット4によって複数のステッピングモータの回転動作(回転方向、ステップ数等)が制御される。
【0033】
電源ユニット5は、コンセントを介して外部から電力の供給を受け、制御ユニット4、駆動ユニット31、及び印字ユニット3に電力を供給する。
【0034】
図3は、印字ユニットカバー6(図2参照)を取り除いたプリンタ1の正面図である。
【0035】
図3に示すように、印字ユニット3は、ラベル連続体MLが有する複数のラベル22に印字を行う印字部16を有する。
【0036】
印字ユニット3は、ラベル連続体MLの導入口18から排出口19までの間の搬送路20において、ラベル22に所定情報を印字可能である。
【0037】
ラベル連続体MLは、図2に断面を拡大して示すように、連続紙としての帯状の台紙21と、台紙21の表面側に仮着した複数のラベル22と、を有する。台紙21の裏面側には、予め位置検出マーク(図示せず)が印刷されている。
【0038】
ラベル連続体MLは、例えば、ロールラベルであってもよいし、台紙21に所定間隔毎にミシン目が形成されたファンフォールドラベルであってもよい。
【0039】
印字部16は、搬送路20の上流側(プリンタ1の後方側)から順に、幅規制シャフト23、上下一対の補助搬送ローラ24、位置検出センサ25、2つのガイドローラ26、搬送ローラ機構70、プラテンローラ28及びサーマルヘッド29、及び剥離板30を有する。
【0040】
また、印字部16は、未使用の熱転写インクリボンRをプラテンローラ28とサーマルヘッド29との間に供給するリボン供給軸32と、使用済の熱転写インクリボンRを巻き取るリボン巻取軸33と、を有する。
【0041】
幅規制シャフト23には、第1幅規制固定壁部34と、幅規制可動リング35と、が設けられる。第1幅規制固定壁部34及び幅規制可動リング35と、プラテンローラ28の上流側に設けられた第2幅規制固定壁部36と、により、ラベル連続体MLの左右両縁部の位置が規制される。これにより、ラベル連続体MLの搬送姿勢が搬送路20に沿って適正に規制される。
【0042】
補助搬送ローラ24は、プラテンローラ28と同期して駆動され、プラテンローラ28及びサーマルヘッド29によるラベル連続体MLの正逆方向の搬送を補助する。フォワードフィード(正方向搬送)は下流側(プリンタ1の前方側)への搬送であり、バックフィード(逆方向搬送)は上流側(プリンタ1の後方側)への搬送である。
【0043】
位置検出センサ25は、台紙21の位置検出マークを検出することで、ラベル連続体ML(ラベル22)とプラテンローラ28及びサーマルヘッド29との相対位置関係を検出可能とする。
【0044】
搬送ローラ機構70は、ラベル連続体MLを正逆の両方向に搬送する搬送部として機能し、剥離板30で転向された台紙21を挟持しながらプリンタ1の後方側に送る。台紙21は、台紙ガイドローラ37を経てプリンタ1の外部に排出される。
【0045】
プラテンローラ28は、ラベル連続体MLを搬送する搬送ローラとしても機能しており、ラベル連続体ML及び熱転写インクリボンRを、押圧スプリング38による所定印字圧でサーマルヘッド29との間に挟持する。この状態でサーマルヘッド29の発熱素子を発熱させると共にプラテンローラ28を回転駆動することで、ラベル22への印字が行われる。なお、ラベル22が熱により自己発色する感熱媒体である場合は、熱転写インクリボンRは不要となる。
【0046】
熱転写インクリボンRは、リボン供給軸32から第1リボンガイドローラ39を経てプラテンローラ28とサーマルヘッド29との間に供給され、第2リボンガイドローラ40を経てリボン巻取軸33に巻き取られる。
【0047】
開閉レバー41を時計回り方向に回動操作することにより、プラテンローラ28とサーマルヘッド29との間を離間させることができる。これにより、プラテンローラ28とサーマルヘッド29との間にラベル連続体ML及び熱転写インクリボンRを装填可能となる。
【0048】
プラテンローラ28及びサーマルヘッド29は、開閉レバー41を反時計回り方向に回動操作して開閉レバー41の先端部をフレームに取り付けられたレバー係合ピン42に係合させると、図2に示す印字態勢になる。
【0049】
剥離板30は、先端部においてラベル連続体MLの台紙21のみを転向させる。これにより、台紙21からラベル22が剥離し、排出口19から排出(発行)される。台紙21から剥離したラベル22は、ラベル貼付け機101に受け渡される。ラベル貼付け機101は、プリンタ1から受け取ったラベル22を被着体Aに貼り付ける。
【0050】
制御ユニット4は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。制御ユニット4は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の処理を行う。制御ユニット4は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0051】
また、プリンタ1は、印字ユニットカバー6の開閉を検出するためのカバーセンサ81を備える。
【0052】
以下、図4を参照しながら制御ユニット4について詳しく説明する。図4は制御ユニット4の機能の一部をブロック図として表したものであり、各ブロックは必ずしも物理的な構成を意味するものではない。
【0053】
図4に示すように、制御ユニット4は、有線又は無線で、外部コンピュータ200と通信可能に接続される。
【0054】
なお、外部コンピュータ200は、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103とも通信可能に接続されている。
【0055】
制御ユニット4は、外部コンピュータ200から取得した印字データに基づいて駆動ユニット31及びサーマルヘッド29を制御することで、ラベル22への印字を行う。
【0056】
制御ユニット4は、通信部51と、データ生成部52と、搬送制御部53と、印字制御部54と、記憶部55と、を有する。本実施形態では、データ生成部52、搬送制御部53及び印字制御部54は、プロセッサ4aによって構成される。
【0057】
通信部51は、位置検出センサ25を含む各種センサ、操作部44等からの信号を受信する。
【0058】
また、通信部51は、外部コンピュータ200との間でデジタル入出力信号を送受するためのデジタルI/Oコネクタ151と、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等と通信するための通信用インタフェース152とを備える。
【0059】
プリンタ1において、通信部51は、デジタルI/Oコネクタ151又は通信用インタフェース152を用いて、プリンタ1の状態を表すための信号を、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置に送信する。
【0060】
また、通信部51は、プリンタ1の動作を実行するための信号を、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置から受け取る。
【0061】
本実施形態において、「プリンタ1の状態」には、印字ユニットカバー6の開閉状態、印字部16の状態等、プリンタ1が搭載している各種スイッチ及びセンサのオン/オフによって検出される状態が含まれる。また、プリンタ1への入力によって設定される設定値が含まれる。また、プリンタ1に発生したエラー、オフラインかオンラインか、印字データの有無、インクリボンの残量、ラベルの残量等が含まれる。
【0062】
本実施形態において、「プリンタ1の動作」には、プリンタ1のネットワーク接続のオン又はオフ、印字前のラベル22を搬送すること、プリンタ1に生じたエラーの解除、印字データの消去、プリンタ1に設けられた各種センサの調整、タッチパネル付きディスプレイの点灯又は消灯、タッチパネル付きディスプレイへの情報の表示、プリンタ1のセルフチェック動作等が含まれる。
【0063】
デジタルI/Oコネクタ151の入出力部には、複数の入出力端子(ポート)が設けられている。通常、デジタルI/Oコネクタのポート数には様々な規格があるが、プリンタ1は、一例として、25ピン又は14ピンのポートに対応する。
【0064】
プリンタ1は、「プリンタ1の状態」を表すための一部の信号と「プリンタ1の動作」を実行するための一部の信号の送受信を、デジタルI/Oコネクタ151に割り当て、「プリンタ1の状態」を表すための残りの信号と「プリンタ1の動作」を実行するための残りの信号の送受信を、通信用インタフェース152に割り当てることができる。
【0065】
本実施形態においては、プリンタ1は、デジタルI/Oコネクタ151の複数のポートに、上述した「プリンタ1の状態」を表すための一部の信号と、「プリンタ1の動作」を実行するための一部の信号を割り当てることができる。
【0066】
図5は、デジタルI/Oコネクタ151の入出力部に設けられた複数のポートのそれぞれに対応するコマンドの一例を説明する図である。図5には、25ピンの場合と14ピンの場合の各ポートに対応するコマンドが示されている。
【0067】
図5に示すように、プリンタ1の状態には、一例として、デジタルI/Oコネクタ151の入出力部に設けられた複数のポートのそれぞれと信号レベルとの組み合わせによって、「エラー発生」、「バックフィードの完了」、「インクリボンの終了を検出」等を設定することができる。
【0068】
また、プリンタ1の動作には、一例として、「同一印字内容のラベルを再発行する」、「バックフィードの開始」、「ラベルが終了に近づいたとき」、「ラベルを搬送する」、「プリンタのネットワーク接続のオン又はオフ」、「印字前ラベルの搬送」、「プリンタに生じたエラーの解除」、「印刷データの消去」、「プリンタに設けられたセンサの調整」、「ディスプレイの発光の点灯又は消灯」、「ディスプレイへの情報の表示」等を設定することができる。
【0069】
本実施形態において、デジタルI/Oコネクタ151のポートに割り当てられるプリンタ1の動作とは、ユーザからの入力によって実行される動作である。また、デジタルI/Oコネクタ151のポートに割り当てられるプリンタ1の状態とは、プリンタ1に備えられた各種センサにより検出される状態である。
【0070】
上記以外のプリンタ1の動作や状態の送受信は、通信用インタフェース152に割り当てられている。
【0071】
デジタルI/Oコネクタ151の所定番号ポートに対する入力信号及び信号レベルは、記憶部55に格納されたテーブルに基づいて、プリンタ1を動作させるためのコマンド(第二コマンドの一例)に変換される。また、プリンタ1の状態を表すためのコマンド(第一コマンドの一例)は、記憶部55に格納されたテーブルに基づいて、デジタルI/Oコネクタ151の所定番号ポートからの出力信号に変換される。
【0072】
本実施形態においては、デジタルI/Oコネクタ151の、どのポートに、どの動作のための信号が、どの信号レベルで入力されるか、あるいは、どのポートから、どの信号レベルで出力された出力信号が、どの動作のための信号を表すかは、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置とプリンタ1との間において予め共有されている。
【0073】
本実施形態において、通信用インタフェース152は、イーサネット(Ethernet)、USB(Universal Serial Bus)、RS-232C、NFC、無線LAN又は有線LAN等を用いることができる。プリンタ1に印字データを制御する外部装置が接続される場合には、通信用インタフェース152としては、印字データを制御する外部装置が使用しない種類のインタフェースが選択可能である。
【0074】
デジタルI/Oコネクタ151のポートに割り当てられたコマンド以外のコマンドは、通信用インタフェース152を介して、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置に送られる。
【0075】
データ生成部52は、記憶部55を介して外部コンピュータ200から取得した印字データを解析して制御データ及び描画データを生成する。そして、データ生成部52は、制御データ及び描画データを、制御データから順に印字制御部54に転送する。
【0076】
制御データには、印字の際に駆動ユニット31のステッピングモータに与えるパルス信号のステップ数を示す値が含まれる。
【0077】
描画データには、印字の際にライン毎にサーマルヘッド29の発熱素子に選択的に通電するための印字位置を示す値(ドット数)が含まれる。
【0078】
搬送制御部53は、印字制御部54が制御データの取得を完了すると、ラベル連続体MLをバックフィードして、ラベル連続体MLの先頭のラベル22を印字開始位置に移動させる(図3参照)。
【0079】
また、搬送制御部53は、印字の際に、ラベル連続体MLのフォワードフィードを制御する。
【0080】
また、搬送制御部53は、ラベル連続体MLの搬送をバックフィードからフォワードフィードへ切り換える、或いはフォワードフィードからバックフィードへの切り換えるための制御データをデータ生成部52から受け取って、切換待機期間を設定する。
【0081】
搬送制御部53は、データ生成部52からの制御データに基づいて、ラベル連続体MLへの印字終了後に、駆動ユニット31にラベル連続体MLの搬送を停止する停止信号を転送する。また、停止信号を転送した後に、逆方向への搬送を開始する逆転信号を転送する。
【0082】
印字制御部54は、データ生成部52から制御データ及び描画データを取得する。そして、その後に印字開始指令(印字要求)を取得すると、印字開始位置にあるラベル22に印字を行ってラベル発行位置に移動させる印字処理を実行する。
【0083】
具体的には、印字制御部54は、制御データに基づいて駆動ユニット31の複数のステッピングモータへの通電を制御すると共に描画データに基づいてサーマルヘッド29への通電を制御することで、ラベル22に印字を行ってラベル発行位置まで搬送する。
【0084】
印字開始指令は、外部コンピュータ200から制御ユニット4に供給される。つまり、本実施形態では、印字制御部54は、通信部51及びプロセッサ4aを介して外部コンピュータ200から印字開始指令を取得する。
【0085】
外部コンピュータ200は、ラベル貼付け機101が所定待機状態、且つ、プリンタ1が印字可能状態になったと判定すると、印字開始指令を制御ユニット4に送信する。
【0086】
外部コンピュータ200は、プリンタ1が印字処理を完了すると、新たな印字データを制御ユニット4に供給する。
【0087】
記憶部55は、例えば、外部コンピュータ200から取得した印字データ、プリンタ1の状態等を記憶する。ラベル貼付け機101及び外部コンピュータ200は、通信部51を介して記憶部55に情報を格納することができる。
【0088】
また、記憶部55には、上述したデジタルI/Oコネクタ151の各ポートと、ポートに割り当てられたコマンドとを対応付けたテーブルが格納されている。
【0089】
[プログラム]
本実施形態に係るプログラムは、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置に接続され、これらの外部装置と協働動作する印字システム100の外部コンピュータ200が実行可能なプログラムであって、プリンタ1の状態を表すための信号を外部装置に送信する手順、及び/又はプリンタ1の動作を実行するための信号を外部装置から受信する手順と、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置において、プリンタ1の状態を表示する手順、及び/又は、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置からプリンタ1の動作の入力を受け付ける手順とを、外部コンピュータ200に実行させるプログラムである。
【0090】
本実施形態に係るプログラムは、プリンタ1の制御ユニット4のROMや、記憶部55等に格納されており、プロセッサ4aにより実行される。
【0091】
[効果]
本実施形態に係るプリンタ1によれば、プリンタ1の状態を表すための信号及び/又はプリンタの動作を実行するための信号を、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置に送信する。また、プリンタ1の動作を実行するための信号を外部装置から入力する。
【0092】
これにより、プリンタ1の状態を、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置の表示部(タッチパネル付きディスプレイ112,124,133)に表示させることができる。また、プリンタ1の動作を外部装置の入力部(タッチパネル付きディスプレイ112,124,133)から入力することができる。
【0093】
このため、装置毎に表示部や入力部等のインタフェースが備えられた場合であっても、ユーザは、印字システム100に接続された、いずれかの装置のインタフェースを用いてプリンタ1を操作することができる。
【0094】
これにより、印字システム100における各装置のレイアウトによっては、各装置の表示部や入力部を、ユーザが一元的に扱えるような配置にすることが困難な場合でも、いずれかの装置のインタフェースを用いて各装置を操作することができるため、ユーザの混乱を招くことがなく、作業効率の低下を防止できる。
【0095】
したがって、プリンタ1を協働動作可能な装置とともに使用する場合に、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0096】
また、プリンタ1では、複数の入出力端子を有するデジタルI/Oコネクタ151が備えられており、複数のポートにプリンタ1の状態を表すための信号の出力及び出力する信号レベルと、プリンタ1の動作を実行するための信号の入力及び入力する信号のレベルとが割り当てられており、入出力ポートには、コマンドが対応付けられている。
【0097】
例えば、図5に示すように、デジタルI/Oコネクタ151が14ピンの場合には、プリンタ1側において、7番ポートへの信号レベルLowの電気信号の入力には、同一印字内容で再度ラベルを発行する処理を実行するためのコマンドが割り当てられており、この処理が実行される。
【0098】
また、デジタルI/Oコネクタ151が25ピンの場合には、プリンタ1側において、9番ポートへの信号レベルLowの電気信号の入力には、ラベルをバックフィードする処理を実行するためのコマンド代わり宛てられており、この処理が実行される。
【0099】
従来のプリンタでは、協働動作するラベル貼付け機との間の接続を確認する場合には、ラベル貼付け機に接続されているプリンタを、実際に、所望の状態にしたり、プリンタに、実際に、エラーを発生させたりする必要があった。
【0100】
例えば、マシンエラー信号の異常/正常を確認する場合であれば、ラベル貼付け機に接続されたプリンタの印字ヘッドをオープン状態にして、ラベル貼付け機においてエラー信号が検出できているかを確認していた。また、印字完了信号の確認であれば、プリンタに印字データを送信してプリンタを印字可能な状態にする必要があった。或いは、エラー検出作業のためには、エラー信号を生成し得る専用の検出装置を用いることが必要であった。
【0101】
これに対して、本実施形態に係るプリンタ1は、プリンタ1の状態を表すための信号を、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102及び搬送装置103等の外部装置に送信する。或いは、プリンタ1の動作を実行するための信号を外部装置から入力することができる。
【0102】
このため、例えば、ラベル貼付け機101にPC等の情報処理端末を接続し、情報処理端末からラベル貼付け機101の特定のポートに特定の信号レベルの信号を送れば、プリンタ1をラベル貼付け機101に接続していなくとも、ラベル貼付け機101において、プリンタ1の状態に対応する動作を実行させることができる。
【0103】
特に、プリンタ1によれば、複数の「プリンタの状態」或いは「プリンタの動作」のうち、プリンタ1のいくつかの状態を表すための信号の出力ポートと、プリンタ1のいくつかの動作を実行するための信号の入力ポートとを、デジタルI/Oコネクタ151の複数のポートに割り当てることができる。
【0104】
このため、ラベル貼付け機101側のポートに決められた信号を決められた信号レベルにて送信することにより、ラベル貼付け機101において、プリンタ1の状態に対応する動作を実行させることができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、プリンタ1が備えた表示機能を、当該機能を備えていない外部装置においても実行可能となる。
【0106】
例えば、プリンタ1が多言語表示機能等を備えており、ラベル貼付け機101には、この機能が無い場合でも、例えば、プリンタ1がポルトガル語の表示機能を備える場合には、エラーメッセージ等をラベル貼付け機101の表示部に、ポルトガル語で表示することができる。
【0107】
[その他の実施形態]
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0108】
印字システムの構成は、プリンタ1と協働可能な装置であればよく、図1に示したものに限定されない。
【0109】
本実施形態において、プリンタ1は、デジタルI/Oコネクタ151を介して、外部コンピュータ200と通信可能に接続されているが、プリンタ1は、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102又は搬送装置103等の協働動作可能な外部装置と、デジタルI/Oコネクタ151を介して、個別に接続されていてもよい。
【0110】
また、印字システム100における外部コンピュータ200の機能は、プリンタ1の制御ユニット4が備えていてもよいし、ラベル貼付け機101、ラベル供給機102又は搬送装置103等の協働動作可能な外部装置のコンピュータが備えていてもよい。
【0111】
本実施形態において、プリンタ1の各種プログラムは、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体に記憶されたものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 プリンタ
2 中央本体ユニット
3 印字ユニット
4 制御ユニット(コンピュータ)
4a プロセッサ(データ生成部、搬送制御部、印字制御部)
5 電源ユニット
6 印字ユニットカバー
9 支持ケース
15 取付部
15A 上方中央取付孔
15B 上方左端取付孔
15C 上方右端取付孔
15D 下方左端取付孔
15E 下方右端取付孔
16 印字部
18 導入口
19 排出口
20 搬送路
21 台紙
22 ラベル
23 幅規制シャフト
24 補助搬送ローラ
25 位置検出センサ
26 ガイドローラ
28 プラテンローラ
29 サーマルヘッド
30 剥離板
31 駆動ユニット
32 リボン供給軸
33 リボン巻取軸
34 第1幅規制固定壁部
35 幅規制可動リング
36 第2幅規制固定壁部
37 台紙ガイドローラ
38 押圧スプリング
39 第1リボンガイドローラ
40 第2リボンガイドローラ
41 開閉レバー
42 レバー係合ピン
43 電源スイッチ
44 操作部
45 ディスプレイ
51 通信部
52 データ生成部
53 搬送制御部
54 印字制御部
55 記憶部
70 搬送ローラ機構
81 カバーセンサ
100 印字システム
101 ラベル貼付け機
111 制御ユニット
112 タッチパネル付きディスプレイ
102 ラベル供給機
121 供給軸
122 巻取軸
123 制御ユニット
124 タッチパネル付きディスプレイ
103 搬送装置
131 搬送部
132 制御ユニット
133 タッチパネル付きディスプレイ
151 デジタルI/Oコネクタ
152 通信用インタフェース
200 外部コンピュータ
ML ラベル連続体
R 熱転写インクリボン
図1
図2
図3
図4
図5