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特開2023-96680情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096680
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230630BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212595
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建斗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】格納容器種別識別情報を用いて配送物(例えば荷物などの積載物)を定型化して管理することで、配送物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的に格納する情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、管理サーバの制御部は、配送物を格納する格納容器の容積毎の種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を配送員端末から受信する配送依頼管理部152を備える。また、格納容器種別情報は、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準の格納空間容積を所定の数で除した格納容器容積に基づき識別可能にしたものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信する配送依頼管理部を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記格納容器種別情報は、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準の格納空間容積を所定の数で除した格納容器容積に基づき識別可能にしたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記配送依頼管理部は、ユーザの注文操作に応じて登録された注文情報のうち所定の条件下にある注文情報を抽出して配送依頼要求を生成する、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記条件は、前記注文情報に紐づく格納容器種別情報が示す格納容器の容積が、配送員に紐づく格納空間の残余空間に対応する残余換算格納容器種別情報が示す容積以下であることである、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記条件は、前記注文情報に含まれる重量情報が、配送員に紐づく格納空間の耐荷重情報以内であること、
ことを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記条件は、前記注文情報に含まれる管理温度帯情報が、配送員に紐づく格納空間の管理可能温度帯情報に適合していること、
ことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記配送依頼管理部は、前記配送依頼の完了を判定した場合に、前記注文情報に紐づく格納容器種別情報ごとに設定された報酬量に基づき配送員に報酬を付与する、
ことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記報酬量は、前記格納容器種別情報が示す容積量が多いほど多く設定されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信する配送依頼管理部を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信するステップと、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信するステップと、
を配送依頼管理部により実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信するステップと、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信するステップと、
を配送依頼管理部により実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーション上で注文された飲食品や日用品の配送物の依頼に対して、当該依頼を配送員がオンデマンドに引き受けて、配送物を注文者へ配送するサービスが増えてきている。特許文献1には、このような配送サービスに関する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2021-501945公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送サービスにおいては、配送員が複数の配送物をまとめて配送することが配送効率の向上にとっては好ましいが、配送員が所有している格納空間(例えば、直方体形状のリュックサック型のカバンなど)内の空き状況が把握できず配送において考慮されていない。
【0005】
一方、事前に宅配ボックス内の荷物及び配達荷物のサイズを把握できたとしても、実際には荷物ごとに形状にバラツキがある。そのため、宅配ボックスに格納したとしてもデッドスペースが生まれ、効率よく格納することが難しい。その結果、代理保管スペースの過度な利用を十分に抑えられるとはいえない。
【0006】
また、近年、ドローン(Drone)・無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体や無人地上車両(UGV:Unmanned Ground Vehicle)などの走行体などの自律制御可能な移動体が産業に利用され始めている。こうした中で、EC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトなどで注文した物品等の荷物を移動体により配送する荷物配送システムの実験的な運用が開始されている。このような荷物配送システムにおいては、複数の移動体が配送制御対象となることが想定されているものの、実験的な運用ということもあり、1台の移動体に積み込み可能な範囲で仮想的な配送荷物(例えば、日用品や食料など)を設定している。しかしながら、現実的にはユーザが移動体1台の積載量を意識しながら注文することはなく、欲しいタイミングで欲しい物を欲しい量注文することが通常であるので、移動体1台に収まるかどうか予見性がない。
【0007】
一方で、配送効率が高いと配送コスト(ひいては配送料)が下がるため、移動体1台に多くの荷物を積みこむことがサービス提供者にとってもユーザにとっても望ましいが、上記同様に荷物サイズのばらつきを考えると、移動体搭載部の残余空間がどのくらいか判断することは難しく、積み込み効率の高い運用が望まれる。
【0008】
そこで、本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信する配送依頼管理部を備える情報処理システム等である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示す図である。
図2図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1のユーザ端末、配送員端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図1の管理サーバの機能を示すブロック図である。
図5図2のストレージの構造を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる配送依頼に関する表示画面の一例である。
図7】本発明の実施の形態にかかる残余空間情報または格納位置情報の生成を説明する一例である。
図8図5の注文情報記憶部の構造を示すブロック図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
図10】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
図11】本明の実施の形態にかかる情報処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信する配送依頼管理部を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記格納容器種別情報は、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準の格納空間容積を所定の数で除した格納容器容積に基づき識別可能にしたものである、
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記配送依頼管理部は、ユーザの注文操作に応じて登録された注文情報のうち所定の条件下にある注文情報を抽出して配送依頼要求を生成する、
ことを特徴とする項目1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目4]
前記条件は、前記注文情報に紐づく格納容器種別情報が示す格納容器の容積が、配送員に紐づく格納空間の残余空間に対応する残余換算格納容器種別情報が示す容積以下であることである、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記条件は、前記注文情報に含まれる重量情報が、配送員に紐づく格納空間の耐荷重情報以内であること、
ことを特徴とする項目3または4のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目6]
前記条件は、前記注文情報に含まれる管理温度帯情報が、配送員に紐づく格納空間の管理可能温度帯情報に適合していること、
ことを特徴とする項目3ないし5のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目7]
前記配送依頼管理部は、前記配送依頼の完了を判定した場合に、前記注文情報に紐づく格納容器種別情報ごとに設定された報酬量に基づき配送員に報酬を付与する、
ことを特徴とする項目3ないし6のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目8]
前記報酬量は、前記格納容器種別情報が示す容積量が多いほど多く設定されている、
ことを特徴とする項目7に記載の情報処理システム。
[項目9]
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信し、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信する配送依頼管理部を備える、
ことを特徴とするサーバ。
[項目10]
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信するステップと、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信するステップと、
を配送依頼管理部により実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目11]
配送物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末へ送信するステップと、
前記配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を前記配送員端末から受信するステップと、
を配送依頼管理部により実行させることを特徴とするプログラム。
【0013】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による情報システム等についての実施の形態を説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、本実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0014】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態における情報処理システムは、管理サーバ1と、一以上のユーザ端末2と、一以上のユーザ端末2と、を有している。管理サーバ1と、ユーザ端末2と、配送員端末3は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、図示された構成は一例であり、これに限らない。
【0015】
<管理サーバ1>
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0016】
図示されるように、管理サーバ1は、一以上のユーザ端末2と一以上の配送員端末3と接続され本システムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
管理サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0018】
制御部10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0019】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0020】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0021】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワークおよびブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0022】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0023】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0024】
<ユーザ端末2、配送員端末3>
図3に示されるユーザ端末2は、配送物を注文するユーザが所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、ユーザ端末2もまた、制御部20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。各要素の主な機能は、上述した管理サーバ1と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。また、配送員端末3は、注文された配送物をユーザまで配送する配送員が所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、各要素の主な機能は、上述したユーザ端末2と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。
【0025】
<管理サーバの機能>
図4は、管理サーバ1の制御部10に実装される機能を例示したブロック図であり、図5は、ストレージ12に記憶される情報を例示したブロック図である。本実施の形態においては、管理サーバ1の制御部10は、情報送受信部100、データ管理部120、配送管理部150、を機能部として備えている。配送管理部150は、格納容器種別設定部151、配送依頼管理部152、残余空間算出部153、格納位置情報生成部154、格納位置指示情報生成部155、を含んでいる。また、ストレージ12は、ユーザ情報記憶部121、配送員情報記憶部122、店舗情報記憶部123、格納空間情報記憶部124、注文情報記憶部125の各種データベースを含む。
【0026】
ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報については、例えば、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、ユーザ名、メールアドレス、住所、電話番号等)、ユーザ識別情報、外部アプリケーションアカウント情報などであり得るが、これらに限定されるものではない。例えば、本情報処理システム上、あるいは、本情報処理システムと関連情報を送信または受信を行って相互に連携する外部システム上などで電子商取引を行う場合には、ユーザ情報には、支払情報(クレジットカード情報等)、購入履歴情報、購入希望商品情報(いわゆる、お気に入り登録商品情報やウィッシュリスト内商品情報など)、定期購買商品情報(後述)などを含むようにしてもよい。
【0027】
配送員情報記憶部122に記憶される配送員情報については、例えば、配送員の基本情報(配送員の氏名、メールアドレス、電話番号等)、配送員識別情報、格納空間識別情報、外部アプリケーションアカウント情報、希望配送エリア、身分証明書情報(免許証情報含む)、振込口座情報、配送履歴情報などであり得るが、これらに限定されるものではない。
【0028】
店舗情報記憶部123に記憶される店舗情報については、例えば、店舗の基本情報(店舗名、営業時間、住所、連絡先、電話番号、店舗URL、送料等)、商品情報(商品名、商品識別情報、商品対応格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報等)などであり得るが、これらに限定されない。
【0029】
格納空間情報記憶部124に記憶される格納空間情報については、例えば、格納空間識別情報、配送員識別情報、格納物情報、格納状態情報(残余空間情報(特に残余換算格納容器種別情報)を含む)、耐荷重情報、管理可能温度帯情報などが含まれ得て、格納物情報として、格納物種別情報、格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報、格納位置情報などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0030】
注文情報記憶部125に記憶される格納空間情報については、例えば、注文識別情報、ユーザ識別情報、配送員識別情報、注文時間情報、注文費用情報、注文内容情報、重量情報、管理可能温度帯情報、配送エリア情報、格納容器種別情報、配送ステータス情報などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0031】
情報送受信部100(以下、機能ごとに「情報送信部」、「情報受信部」と呼ぶこともある)は、少なくともネットワークを介して管理サーバ1に直接または間接的に接続される外部装置(例えば、ユーザ端末2、配送員端末3等)に対して種々の情報(要求を含む)を送信したり、外部装置から種々の情報(要求を含む)を受信したりする。
【0032】
画面情報生成部110は、ユーザ端末2や配送員端末3のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。画面情報は、例えば、ストレージ12に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストを配置することで生成されるユーザインターフェース画面情報であり得る。なお、画面情報生成部110は、各ユーザ端末2等に格納されたアプリケーション(Webブラウザ含む)により制御部20にて実行される機能部であってもよい。すなわち、管理サーバ1から画像データ等のユーザインターフェース画面を生成するために必要な情報を送信し、ユーザ端末2等のアプリケーションによって所定のレイアウト規則に基づいて当該必要な情報に基づきユーザインターフェース画面を生成してユーザ端末2に表示させることもできる。画面情報生成部110に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0033】
データ管理部120は、情報送受信部100により受信した種々の情報を各種機能部に送信したり、各種機能部から種々の情報を取得したりなどのデータ管理を実行する。データ管理部120における所定の処理は、例えば、ユーザ端末2のアプリケーション上における注文操作による商品(配送物)の注文を受け付け、新たな注文情報を追加する注文受付処理と、受け付けた注文に対する購入(決済)を実行する購入処理と、注文情報記憶部125の注文情報を参照して各購入商品に対応するサイズ情報(奥行、幅、高さ)に基づき、購入商品を格納するための格納容器種別を設定する格納容器種別設定処理と、商品を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を生成し、配送員端末へ送信する配送依頼提示処理と、配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を配送員端末から受信する配送依頼対応情報受信処理と、配送員に紐づく格納空間への格納物に対応する格納容器種別情報と当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出処理と、配送員に紐づく格納空間への格納物に対応する格納容器種別情報と当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、格納空間内における前記格納物の格納位置に関する格納位置決定処理と、生成された格納位置情報を配送員端末へ送信する情報送信部処理、格納空間情報に含まれる格納物情報や格納状態情報を更新する格納空間情報更新処理、配送員端末3のアプリケーション上における集荷完了操作や配送完了操作などの配送関連操作に基づき注文情報を更新する注文情報更新処理、配送完了情報の受信に基づき、対象となる注文に対応する配送員識別情報が示す配送員へ報酬を付与する報酬付与処理をなど、様々な処理を含むが、これらに限定されない。
【0034】
格納容器の形状は、例えば幾何学的な形状の立体容器であって、格納空間への格納や積み重ねなどを考慮すると直方体(立方体を含む)であることが望ましい。格納容器の材質は、どのような素材であってもよいが、紙、プラスチック、金属等であってもよく、特に紙製またはプラスチック製の箱型容器であることが生産容易性や重量の観点から望ましい。ここで本発明では、配送物等の格納物に対して格納容器の種別を識別可能に格納容器種別情報が設定されている。格納容器種別情報が示す格納容器種別は複数である。格納容器種別は、例えば、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除した容積に基づき互いに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除して当該所定の数以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1や、1/4、1/2、3/4、1など)を含んでいたり、所定の数(例えば、整数であってもよく、特に2のn乗(nは整数であり、0も含んでもよい)であってもよい)で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、1/2、1/4、1/8・・・など)を含んでいてもよく、これらに限定されるものでもない)であってもよい。また、格納容器の容積については、より具体的には、例えば、基準格納空間容積を4で除する場合(すなわち1/4とする場合)に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを4で除した容積の格納容器であってもよいし、格納空間の奥行、幅、高さのうち2つを2で除した容積の格納容器であってもよい。
【0035】
なお、基準格納空間容積は、所定の格納空間容積と同一の容積でなくとも、実質的に同一(略同一)な容積であってもよく、特に格納空間への容器の格納作業を鑑みて必要な余剰空間(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよいし、格納容器内に仕切りを設ける場合には仕切り(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよい(または、格納空間が基準格納空間容積と実質的に同一な容積であって、仕切り分大きくなっていてもよい)。
【0036】
ユーザの格納物を格納する格納空間及び/または基準格納空間容積の対象となる格納空間は、所定の容積を有する空間であればどのような空間を基準としてもよいが、格納物受取用の格納空間であると好ましく、より具体的には、例えばユーザが利用する設置物であって、ユーザ用の収納空間や、個宅に設置されたスマートロック付きの宅配ボックスまたは共同住宅用に共用部に配置される宅配ボックスの格納スペース(予めユーザに関連する情報が紐づいてスペースの位置が決められていてもよいし、配送員によりユーザに関連する情報を紐づけて荷物が格納された位置であってもよい)、電気的な施解錠制御を伴わない棚やロッカー、私書箱、保冷ボックスなどの格納スペースであってもよい。また、配送用の格納空間を基準としてもよく、荷物を配送するための移動体(UAVやUGVなどの移動体であって、特に自律制御される移動体など)の配送物格納部や、配送員が配送に用いる荷台(例えば、トラック荷台やバイクのリアボックス、ボックス台車、かご台車など)、配送用のバッグなどの可動物であってもよい。さらに、所定の容積を有する空間は、上述のように奥行方向、幅方向、高さ方向の長さが定まっている空間であってもよいが、パレットのように奥行方向、幅方向の長さが定まっている領域に対して、仮想的に高さ方向の長さを設定した容積を有する空間であってもよく、すなわち、奥行方向、幅方向、高さ方向の一部の長さが仮想的に設定されている容積を有する空間であってもよい。なお、これらに限定されるものでもない。また、格納対象となる格納空間と基準格納空間は同一であってもよいし、格納対象となる格納空間が基準格納空間に所定の数(特に整数)を乗じた大きさであってもよい。
【0037】
配送管理部150は、例えばユーザ端末2のアプリケーション上における注文操作に基づき、注文情報記憶部125における注文識別情報の追加を実行する注文受付処理や、受け付けた注文に対する購入(決済)処理を実行する。ユーザ端末2のアプリケーション上での商品の注文に関しては、既知の商品注文機能であってもよく、例えばユーザはアプリケーション上で、商品のカテゴリを選択するなどにより店舗や商品(例えば、飲食品や日用品など)を検索し、店舗を選択した場合には店舗内の商品をさらに選択し、商品を選択後には注文依頼や電子決済を実行するなどしてもよい。
【0038】
格納容器種別設定部151は、注文情報記憶部125の注文情報を参照して各購入商品に対応するサイズ情報(奥行、幅、高さ)に基づき、購入商品を格納するための格納容器種別情報を設定する。より具体的には、格納容器種別設定部151は、注文情報記憶部125の注文情報を参照して各購入商品に対応するサイズ情報(奥行、幅、高さ)を読み出し、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより各格納容器種別の容器に仮想的に購入商品を格納することで、適した格納容器種別情報を設定し、注文情報に含まれる格納容器種別情報を更新する。設定された格納容器種別情報は、店舗端末(不図示)または配送員端末3に表示され、店舗作業員または配送員が格納容器へ商品の格納を行ってもよい。店舗購入商品によるサイズ情報は、例えば商品が店舗で調理した飲食物である場合には、飲食物が入る食品容器のサイズ情報(奥行、幅、高さ)が商品情報に予め紐づけて店舗情報記憶部123に記憶され、商品が日用品などの市販品である場合には、市販品のサイズ情報(奥行、幅、高さ)が商品情報に予め紐づけて店舗情報記憶部123に記憶される。なお、商品に対応する商品対応格納容器種別情報を店舗情報記憶部123に記憶しておき、これをそのまま購入商品を格納するための格納容器種別情報として設定したり、これを用いて注文数が複数個となった場合の計算を行ってもよい(すなわち、商品対応格納容器種別情報が「1/4」であり、注文数が「2つ」である場合には、設定される格納容器種別情報を「1/4」を2つとしたり、まとめて「1/2」を1つとする等)。また、適した格納容器種別とは、購入商品が格納可能な最小サイズの格納容器種別であることが、その後の格納空間への格納効率の観点から好ましいが、最小に限らず、商品の個体差によるサイズ誤差や緩衝材(発泡素材のクッション材やビニール素材の空気の入ったクッション材など)も考慮して格納可能な最小サイズよりも1~2サイズ大きい格納容器種別であってもよい。
【0039】
また、格納容器種別の設定は、一の格納容器の選択に限らず、複数の格納容器の選択であってもよい。例えば、購入商品に上積厳禁の商品が含まれる場合には、確実に上積みを避けるために、上積厳禁の商品が格納される格納容器を別個に分けて上積厳禁格納容器として設定し、格納空間の上側に格納されるように判別可能としてもよい。その他、例えば、移動体の負荷を考慮して、重心に偏りがないように、または、配送を2つに分けるように、容積が同一または一番近い格納容器2つとなるように選択したり、重さが同一または一番近い格納容器2つとなるように選択したりなどしてもよいし、購入商品の容量が格納空間を超える場合などに、基準格納空間容積と略同一の格納容器と残りの購入商品が格納可能な格納容器の2つを選択したりなどしてもよい。
【0040】
配送依頼管理部152は、例えば商品を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を生成し、配送員端末3へ送信する配送依頼送信処理や、配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を配送員端末から受信する配送依頼対応情報受信処理、配送員端末3のアプリケーション上における集荷完了操作に応じた集荷完了情報や配送完了操作に応じた配送完了情報などに基づき注文情報を更新する注文情報更新処理を実行する。
【0041】
配送依頼送信処理では、例えば図6に例示されるように、ユーザの注文に応じて追加された注文情報のうち所定の条件下にある注文情報を抽出し、配送依頼として対象となる配送員識別情報に紐づく配送員の配送員端末3に対して送信する。配送員端末3のアプリケーション上に、例えば店舗名、店舗住所、受取予定時刻、届け先住所、格納容器種別などが記載される配送依頼情報領域610を表示する。そして、配送依頼情報領域610への選択操作により、配送依頼の詳細を表示させ、配送依頼の受入操作に応じて配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を配送員端末3から受信し、担当配送員として注文情報記憶部125の配送員識別情報を更新してもよい。これにより、注文商品に対応する格納容器種別情報が配送依頼情報領域610に表示されるので、配送員が所定の配送依頼に対して現在受けている配送依頼と併行して対応可能か否かを容易に自ら判定することが可能となる。
【0042】
なお、配送員端末3のアプリケーション上に抽出された配送依頼情報を提示する方法としては、例えば図6に例示されるように、複数の配送依頼情報領域610が表示して配送員に選択させる形式に限らず、所定の経過期間(または配送依頼への受入拒否操作までの期間)で1つの配送依頼情報を順に提示し、当該配送依頼に対する受入操作に応じて担当配送員として注文情報記憶部125の配送員識別情報を更新する形式としてもよい。
【0043】
配送依頼として注文情報を抽出する所定の条件としては、例えば、注文情報に紐づく格納容器種別情報が示す格納容器の容積が、後述の残余空間に対応する残余換算格納容器種別情報が示す容積以下であること、であってもよい。
【0044】
ここで残余空間について説明する。残余空間算出部153は、一以上の格納容器を格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、格納容器種別設定部151により設定された格納容器種別情報とに基づき、対象となる格納空間内の残余空間(いわゆる空きスペース)を算出する。残余空間の算出方法は、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、残余空間を算出する。残余空間の算出結果は、特に格納容器が上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合においては、残余空間も格納容器種別に換算しやすい容積値となり、残余空間を格納容器種別に換算した残余換算格納容器種別情報を求めるやすくなり得る。
【0045】
ここで、さらに格納容器が基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合における残余空間算出例について、図7を用いて簡略化して説明する。当該格納容器は、基準格納空間容積に対して高さを3で除して当該3以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1)について例示する。
【0046】
まず、格納空間識別情報「0001」に紐づく格納空間においては、配送員識別情報「H0001」が紐づけされている。ここに、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された配送物(配送物情報「N0001」)が格納される場合、配送物が未格納の格納空間に格納するため、残余空間情報は1から1/3を差し引き「2/3」と更新され、残余換算格納容器種別情報は「S033」が2つ、および、または「S066(基準格納空間容積の3分の2の容器を示す格納容器種別)」が1つを示す情報として更新される。
【0047】
同様に、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された配送物(配送物情報「N0010」)がさらに格納される場合、すでに配送物(N0001)が格納された格納空間にさらに格納するため、残余空間情報は2/3から1/3を差し引き「1/3」と更新し、残余換算格納容器種別情報は「S033」が1つを示す情報として更新される。
【0048】
このようにして残余空間の算出を行い、特に例示したように、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを所定数で除した場合には、より簡便に実行可能となる。なお、上述のとおり既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、より高度な残余空間の算出が可能である。
【0049】
こうして算出された残余空間(特に残余換算格納容器種別情報)を利用することで、配送員が有する格納容器の格納空間の格納状況(特に空き状況)が把握可能となり、特に注文商品に対応する格納容器種別情報が配送依頼情報領域610に表示されることで、配送員が所定の配送依頼に対して現在受けている配送依頼と併行して対応可能か否かを容易に判定することが可能となる。さらに、上述のとおり、配送依頼管理部152が配送依頼として注文情報を抽出する所定の条件が、注文情報に紐づく格納容器種別情報が示す格納容器の容積が、残余空間に対応する残余換算格納容器種別情報が示す容積以下であること、である場合には、配送員が現在受けている配送依頼と併行して対応可能な配送依頼のみが表示されることになり、一配送員が複数の配送依頼に対応することを支援することが可能となる。
【0050】
また、配送依頼として注文情報を抽出する所定の条件としては、例えば、注文に紐づくユーザ情報に含まれる住所情報が配送員情報に含まれる希望配送エリア情報に対応することであったり、配送員端末3の位置情報に基づき、既知の経路生成方法により配送員の位置情報が示す位置から店舗の位置までの経路生成の結果、注文情報の注文時間から算出される受取予定時刻に間に合うことであってもよい。
【0051】
また、配送依頼として注文情報を抽出する所定の条件としては、例えば、注文情報に含まれる重量情報が、配送員情報に含まれる耐荷重情報以内であること、であってもよい。特に、複数の注文に対応する場合には、各注文情報に含まれる重量情報の総和である合計重量情報と耐荷重情報が比較されてもよい。
【0052】
また、配送依頼として注文情報を抽出する所定の条件としては、例えば、注文情報に含まれる管理温度帯情報(例えば、ホット商品、冷凍食品など)が、配送員情報に含まれる管理可能温度帯情報に適合していること、であってもよい。特に、複数の注文に対応する場合には、既に格納されている格納物に関する格納物情報に含まれる管理温度帯情報に基づき管理可能温度帯情報を更新し、更新後の管理可能温度帯情報に対して、次の格納物の管理温度帯情報が適合しているかを判定してもよい。
【0053】
このようにして様々な条件で配送依頼を抽出することで、配送員の検索の手間が省かれて、容易に配送依頼の対応が可能である。特に注文商品に対応する格納容器種別情報が配送依頼の抽出条件に含まれることで、配送員が所定の配送依頼に対して現在受けている配送依頼と併行して対応可能か否かを容易に判定することが可能となる。
【0054】
図8を用いて、注文情報記憶部125に記憶される情報の例を示す。本例においては、購入商品を格納するための格納容器種別情報として、商品に対応する商品対応格納容器種別情報をそのまま用いている。
【0055】
まず、注文識別情報「0001」においては、紐づけされているユーザ識別情報が「U0031」、店舗識別情報が「T0003」、商品識別情報が「N0001」であり、商品に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」が設定されている。そして、この注文を受けた配送員の配送員識別情報「H0001」が併せて記憶されている。
【0056】
次に、注文識別情報「0002」においては、紐づけされているユーザ識別情報が「U0090」、店舗識別情報が「T0009」、商品識別情報が「N0002」であり、商品に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」が設定されている。そして、この注文を受けた配送員の配送員識別情報「H0011」が併せて記憶されている。
【0057】
次に、注文識別情報「0003」においては、紐づけされているユーザ識別情報が「U0004」、店舗識別情報が「T0021」、商品識別情報が「N0003」であり、商品に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積と略同一の容器種別を示す「S100」が設定されている。そして、この注文を受けた配送員がまだいないため配送員識別情報「N/A」のままである(すなわち、記憶している配送員識別情報がないことを示す)。
【0058】
次に、注文識別情報「0004」においては、紐づけされているユーザ識別情報が「U0052」、店舗識別情報が「T0043」、商品識別情報が「N0004」、「N0005」の2商品であり、商品に対応する格納容器種別情報として、「S025」1つ、「S050」1つが設定されている。そして、この注文を受けた配送員の配送員識別情報「H0003」が併せて記憶されている。
【0059】
最後に、注文識別情報「0005」、「0006」においては、紐づけされているユーザ識別情報がそれぞれ「U0007」、「U0012」、店舗識別情報がそれぞれ「T0080」、「T0013」、商品識別情報がそれぞれ「N0006」、「N0007」であり、商品に対応する格納容器種別情報として、それぞれ「S025」1つ、「S050」1つが設定されている。そして、この2つの注文を併行して受けた配送員の配送員識別情報「H0009」が併せてそれぞれに記憶されている。
【0060】
格納位置情報生成部154は、ユーザに紐づく格納空間への格納物に対応する格納容器種別情報と、当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、当該格納空間内における前記格納物の格納位置に関する格納位置情報を生成する。より具体的には、格納位置情報生成部154は、格納空間内のいずれの位置に格納物を格納するかを示す格納位置を決定してもよい。格納位置の決定方法は、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、格納位置を決定する。また、上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合においては、残余空間情報も格納容器種別に換算した残余換算格納容器種別情報を求めるやすくなり、格納空間内の格納可能な位置の特定が残余空間情報も参照して容易に可能となる。特に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを、上述のとおり、所定の数で除して当該所定の数より少ない数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合や、所定の数で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合には、より格納空間内の格納位置の特定が容易になる。また、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように区切られている場合には、格納空間情報記憶部124において、格納空間識別情報に紐づけて、対象となる格納空間内で間仕切り等によって分割された領域ごとに識別可能に付される分割領域識別情報及び当該分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報が記憶されており、格納位置情報生成部154は、格納対象となる分割領域識別情報を格納位置情報として決定してもよい。
【0061】
ここで、格納容器が基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合における格納位置決定例について、再度図7を用いて簡略化して説明する。
【0062】
まず、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された格納物(格納物情報「N0001」)が格納される場合、格納物が未格納の格納空間に格納するため、格納位置は「格納空間の底面上(すなわち、1段目)」と決定される(この時、縦置きか横置きかを選択するために、格納物情報に置き方情報を追加してもよい)。そして、格納空間情報の格納状態情報は「格納空間の1/3に格納されている」ことを示すように更新される。
【0063】
同様に、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された格納物(格納物情報「N0010」)をさらに格納される場合、格納空間の底面上に格納物(N0001)が格納された格納空間にさらに格納するため、格納位置は「格納物(N0001)の上(すなわち、2段目)」と決定される。そして、格納空間情報の格納状態情報は「格納空間の2/3に格納されている」ことを示すように更新される。
【0064】
このようにして、格納位置の決定を行い、特に例示したように、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを所定数で除した場合には、より簡便に実行可能となる。なお、上述のとおり既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、より高度な格納位置の決定や残余空間の算出が可能であり、その場合は格納物の格納位置の決定だけでなく、格納済みの格納物の格納位置も再決定をするようにしてもよい。
【0065】
また、上記例のように格納空間内の共通領域に対する格納ではなく、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように分割領域が区切られている場合には、格納物を格納する際に分割領域識別情報を格納位置情報として格納位置を決定してもよい。そして、当該分割領域識別情報に格納する格納物の格納物識別情報を紐づけて管理し、残余空間情報は格納物の関連付けがない分割領域識別情報であって、残余換算格納容器種別情報は格納物の関連付けがない分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報であってもよい。なお、間仕切りの位置が移動可能であって、対応格納容器種別情報を変更可能(例えば、「S033」が2つから「S066」に変更する、または、その逆など)であってもよいし、各分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報が1つ(例えば、「S066」)だけでなく、これに代えて、もしくは、加えて、複数の対応格納容器種別情報(「S033」が2つ)が対応付けられていてもよい。
【0066】
このように、格納位置情報生成部154は、ユーザに紐づく格納空間への格納物に対応する格納容器種別情報と、当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、当該格納空間内における前記格納物の格納位置に関する格納位置情報を生成することが可能となる。特に、格納容器種別情報として、上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されていることで、パズルのごとく格納空間に格納物を効率的に収納することが可能となり、格納位置の決定が容易となる。
【0067】
格納位置指示情報生成部155は、格納位置情報生成部154により生成された格納位置情報に基づき、配送員端末3を有する配送員に対して格納物の格納空間内における格納位置を視覚的に指示する格納位置指示情報を生成する。なお、格納位置指示情報生成部155は、配送員端末3等に格納されたアプリケーション(Webブラウザ含む)により制御部20にて実行される機能部であってもよい。すなわち、格納位置情報生成部154により生成された格納位置情報が情報送受信部100を介して配送員端末3へ送信され、配送員端末3の制御部20(格納位置指示情報生成部155)により格納位置指示情報を同様に生成してもよい。
【0068】
ここで、格納位置指示情報生成部155により生成される格納位置指示情報について説明する。格納位置指示情報は、例えば「1段目に格納してください」などの格納空間内における格納物の格納位置を示すテキスト情報であってもよいし、格納空間内における格納物の格納位置を示す画像情報であってもよい。
【0069】
より具体的な例として、上述の格納空間識別情報「0001」の例を利用して説明する。まず、格納物(格納物情報「N0001」)を未格納の格納空間に格納する場合には、格納位置指示領域910には格納位置指示情報として、格納空間の1段目に格納物が格納されていることを示す画像情報と「1段目に格納してください」いうテキスト情報が生成され表示されている(図9参照)。
【0070】
次に、底面上に格納物(N0001)が格納された格納空間にさらに格納物(N0010)を格納する場合、格納位置指示領域910には格納位置指示情報として、格納空間の2段目に格納物が格納されていることを示す画像情報と「2段目に格納してください」いうテキスト情報が生成され表示されている(図10参照)。この時、例えば、図10に例示されるように、画像情報において、既に格納されている格納物(N0001)と、格納位置指示の対象となっている格納物(N0010)とで、色や模様などが視覚的に異なる表示であってもよい。
【0071】
また、上記例のように格納空間内の共通領域に対する格納ではなく、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように分割領域が区切られている場合には、格納位置指示領域910には格納位置指示情報として、格納対象とする分割領域に格納物が格納されていることを示す画像情報と「(分割領域識別情報)に格納してください」というテキスト情報が生成され表示されてもよい。
【0072】
なお、上記例のように格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを所定数で除した格納容器種別を用いる場合は、格納位置指示情報としての画像情報は、図9、10に例示するように1方向のみから確認可能な格納空間を示す図などの画像情報であってもよいが、これに限らず、2方向以上から確認可能な格納空間を示す画像情報(例えば、格納空間の前側、横側、上側の3方向から見た格納空間を示す画像情報や、格納空間及び格納物が三次元モデルにより表現された画像情報など)であってもよい。
【0073】
<処理の流れ>
図11を参照しながら、本発明の情報処理システムが実行する情報処理方法の処理の流れについて説明する。図11は、図1の情報処理システムの処理の例を示すフローチャートである。
【0074】
ここで、本情報処理システムにより提供される、ユーザまたは配送員は、アプリケーション(ウェブブラウザを含む)等を利用して管理サーバ1にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、利用登録処理を行ってログインしてもよく、既にアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能としてもよい。なお、アカウントに代えて、ユーザ端末2または配送員端末3にダウンロードされたアプリケーションに関連する固有のアプリケーションIDをユーザ識別情報(ID)として当該サービスを利用可能としてもよい。このログイン認証後、アプリケーション(ウェブブラウザ含む)等を介してサービス利用が開始される。
【0075】
まず、本例では、管理サーバ1のデータ管理部120(特に配送管理部150)は、ユーザ端末2のアプリケーション上における注文操作に基づき、注文情報記憶部125における新たな注文識別情報を生成して、生成した注文情報をユーザ識別情報、店舗情報等に紐づけて登録を実行する(S101)。なお、本ステップS101における登録の際に、注文情報に紐づけて格納容器種別設定部151により設定された格納容器種別情報を記憶してもよい。
【0076】
次に、配送依頼管理部152は、登録された注文情報のうち所定の条件下にある注文情報を抽出して配送依頼要求を生成し、商品を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を少なくとも含む配送依頼要求を配送員端末3へ送信する(S102)。
【0077】
次に、配送依頼管理部152は、配送依頼要求に関する配送依頼の受け入れ可否を示す配送依頼対応情報を配送員端末から受信する(S103)。そして、対応する注文情報の配送員識別情報を更新する。
【0078】
次に、格納位置情報生成部154は、ユーザに紐づく格納空間への格納物に対応する格納容器種別情報と、当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、当該格納空間内における前記格納物の格納位置に関する格納位置情報を生成し、生成された前記格納位置情報、または、当該格納位置情報に基づき生成され、格納空間における格納位置を指示するための格納位置指示情報の少なくともいずれかを配送員端末へ送信する(S104)。すなわち、格納位置指示情報生成部155が管理サーバ1の機能部である場合には、本ステップS104において格納位置指示情報を生成し、格納位置指示情報を配送員端末3へ送信し、格納位置指示情報生成部155がユーザ端末2の機能部である場合には、本ステップS104において格納位置情報を配送員端末3へ送信してもよい。なお、必要であれば、商品情報確認領域920への操作により、商品に関する詳細情報を確認可能としてもよい。
【0079】
次に、配送依頼管理部152は、配送員端末3のアプリケーション上における集荷完了操作に応じた集荷完了情報を受信して、注文情報の配送ステータス情報を「配送中」に更新する(S105)。例えば、集荷完了送信領域930への操作により、配送員端末3から集荷完了情報を送信するようにしてもよい。
【0080】
次に、配送依頼管理部152は、配送員端末3のアプリケーション上における配送完了操作に応じた配送完了情報を受信して、注文情報の配送ステータス情報を「配送完了」に更新する(S106)。
【0081】
ここで、本ステップS106の配送完了情報の受信に基づき、データ管理部120(配送管理部150)により本注文に対応する配送員識別情報が示す配送員への報酬付与処理を実行してもよい。報酬付与処理は、例えば配送員識別情報に紐づき一注文単位に設定された報酬量(例えば、報酬金額や報酬ポイント数)に応じた報酬量を付与する報酬付与処理(例えば報酬金額を振込口座情報に支払うように設定する処理など)を行ってもよいが、特に注文に紐づく格納容器種別情報ごとに報酬量が設定されていてもよく、格納容器種別情報が示す容積量が多いほど報酬量が多く設定されていてもよい。これにより、注文単位に報酬量が設定されている場合には容積が少ない注文を複数受け入れるほうが配送員にとってメリットとなってしまい、容積が大きい注文を受け入れる配送員が少なくなってしまうことが課題としてあり得るが、注文に紐づく格納容器種別情報ごとに報酬量が設定され、例えば格納容器種別情報が示す容積が1/3の注文を2つ受け入れた際の報酬量と、格納容器種別情報が示す容積が2/3の注文を1つ受け入れた際の報酬量が同一または略同一である場合には、上記課題が生じづらくなる。なお、設定される報酬量は、格納容器種別情報に限らず、これに代えて、または、加えて、配送経路の距離や必要時間が大きいほど報酬を多く設定するようにしてもよい。
【0082】
以上のように、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【0083】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0084】
1 管理サーバ
2 ユーザ端末


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11