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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009670
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】テレスコピックカバー
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
B23Q11/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113128
(22)【出願日】2021-07-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】591136458
【氏名又は名称】株式会社ジャバラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】小川 祥
(72)【発明者】
【氏名】金田 充明
(72)【発明者】
【氏名】新山 一雅
(57)【要約】
【課題】左右一対の引張バネを用いてつつ、移動ストロークを維持しながらカバー本体の左右幅をよりコンパクト化することが可能なテレスコピックカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】複数のカバー部材1a~1cを入れ子状に組み合わせて前後方向Xに伸縮可能に構成されたテレスコピックカバーであって、カバー部材1は、カバー本体2と、カバー本体2において、テレスコピックカバーの前後方向Xの一端部に形成された端壁部4とを備え、隣接する端壁部4,4のうちの一方の端壁部4に、左右一対の回動アーム8,8が取り付けられ、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体2の端壁部4,4間に、左右一対の回動アーム8,8が配されるとともに、左右一対の第1引張バネ6,6が配され、第1引張バネ6,6は、左右方向中央側端部が回動アーム8の先端部に接続され、外側端部が他方の端壁部4に接続された構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカバー部材を入れ子状に組み合わせて前後方向に伸縮可能に構成されたテレスコピックカバーであって、前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体において、テレスコピックカバーの前後方向の一端部に形成された端壁部とを備え、隣接する前記端壁部のうちの一方の端壁部に、水平方向に回動可能な左右一対の回動アームが取り付けられ、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、前記左右一対の回動アームがアーム先端側を左右方向中央側に向けた初期姿勢で配されるとともに、左右一対の第1引張バネが配され、前記左右一対の第1引張バネは、左右方向中央側の端部がそれぞれ左右方向同じ側に配された前記回動アームの先端部に接続され、左右方向外側の端部が他方の端壁部に接続されたテレスコピックカバー。
【請求項2】
前記回動アームの先端側が前後方向に回動したときに、前記回動アームを初期姿勢に戻す復元力を供する弾性部材が設けられた請求項1に記載のテレスコピックカバー。
【請求項3】
前記回動アームは、先端部に前記第1引張バネが接続されるアーム部と、前記アーム部の中間に設けられた軸部とを備え、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、前記弾性部材として左右一対の第2引張バネが配され、前記左右一対の第2引張バネは、左右方向中央側の端部がそれぞれ左右方向同じ側に配された前記アーム部の後端部に接続され、左右方向外側の端部が前記一方の端壁部に接続された請求項2に記載のテレスコピックカバー。
【請求項4】
前記回動アームは、前記アーム部先端から前記軸部までの距離をXとし、前記アーム部後端から前記軸部までの距離をYとしたときに、X>Yの関係を満たす請求項3に記載のテレスコピックカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の移動に伴って伸縮することにより工作機械の摺動面等を金属粉、塵埃等から保護するテレスコピックカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械の摺動面や主軸、内部装置を切粉や塵埃等から保護するためにテレスコピックカバーが用いられている。テレスコピックカバーは、順次大きさの異なる複数のカバー部材を入れ子状に組合せて構成される。テレスコピックカバーの伸長時及び収縮時には、隣接するカバー部材が衝突することで、騒音が発生したり、カバー部材の破損等の問題が生じていた。特に、近年の工作機械の高速化に伴い、上記問題が顕著化していた。
【0003】
このような問題を解決するため、出願人は先の出願(特許文献1)において、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、左右一対の引張バネが配され、前記一対の引張バネは、左右方向中央側の端部が隣接する端壁部のうちの一方の端壁部に接続され、左右方向外側の端部が他方の端壁部又は接続された構成のテレスコピックカバーを提案した。これにより、構造が簡易でかつ装置が大型化することなく、カバー部材の衝突音及び破損の発生を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6798742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記構成のテレスコピックカバーにおいては、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、左右一対の引張バネを配置している。したがって、テレスコカバー伸縮時におけるカバー本体の前後方向への移動ストローク(以下、「移動ストローク」と略する。)を大きくしようとすると、引張バネを長くする必要があり、引いてはカバー本体の左右幅を大きくする必要があった。
【0006】
これは、いいかえれば、移動ストロークを大きくするためには、それに合わせてカバー本体の左右幅も大きくすることが必要とされる。ところが、テレスコカバーの設置場所によっては、カバー本体の左右幅を大きくとれない場合があり、移動ストロークを維持しつつ、カバー本体の左右幅をよりコンパクト化することが求められていた。
【0007】
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、左右一対の引張バネを用いてカバー部材の衝突音及び破損の発生を抑制するとともに、移動ストロークを維持しながらカバー本体の左右幅をよりコンパクト化することが可能なテレスコピックカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様として、複数のカバー部材を入れ子状に組み合わせて前後方向に伸縮可能に構成されたテレスコピックカバーであって、前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体において、テレスコピックカバーの前後方向の一端部に形成された端壁部とを備え、隣接する前記端壁部のうちの一方の端壁部に、水平方向に回動可能な左右一対の回動アームが取り付けられ、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、前記左右一対の回動アームがアーム先端側を左右方向中央側に向けた初期姿勢で配されるとともに、左右一対の第1引張バネが配され、前記左右一対の第1引張バネは、左右方向中央側の端部がそれぞれ左右方向同じ側に配された前記回動アームの先端部に接続され、左右方向外側の端部が他方の端壁部に接続されたテレスコピックカバーが提供される。
【0009】
前記回動アームの先端側が前後方向に回動したときに、前記回動アームを初期姿勢に戻す復元力を供する弾性部材が設けられた構成としてもよい。
【0010】
前記回動アームは、先端部に前記第1引張バネが接続されるアーム部と、前記アーム部の中間に設けられた軸部とを備え、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に、前記弾性部材として左右一対の第2引張バネが配され、前記左右一対の第2引張バネは、左右方向中央側の端部がそれぞれ左右方向同じ側に配された前記アーム部の後端部に接続され、左右方向外側の端部が前記一方の端壁部に接続された構成としてもよい。
【0011】
前記回動アームは、前記アーム部の先端から前記軸部までの距離をXとし、前記アーム部の後端から前記軸部までの距離をYとしたときに、X>Yの関係を満たす構成としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、回動アームを接続した第1引張バネを折り畳むようにして、テレスコピックカバー収縮状態で隣接するカバー本体の端壁部間に配置したため、テレスコピックカバー伸長時において回動アームが前後方向に回動する分移動ストロークを大きくすることが可能となる。したがって、左右一対の引張バネを用いてカバー部材の衝突音及び破損の発生を抑制するとともに、移動ストロークを維持しながらカバー本体の左右幅をよりコンパクト化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のテレスコピックカバーの伸長状態を示す平面図
図2図1のテレスコピックカバーが半ば収縮した状態を示す平面図
図3図1のテレスコピックカバーが収縮した状態を示す平面図
図4図2のA-A断面一部拡大図
図5図4の背面図
図6図5のユニットを示す拡大図
図7】本実施形態のテレスコピックカバーの変形例を示す背面図
図8】本実施形態のテレスコピックカバーの別の変形例を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は本実施形態におけるテレスコピックカバーが伸長した状態を示す平面図であり、図2はテレスコピックカバーが半ば伸長した状態を示す平面図であり、図3図2のA-A断面図であり、図4はテレスコピックカバーが収縮した状態を示す平面図である。なお、図1図2および図4は、各カバー部材の天板部を取り除いた状態を示している。図5図4の背面図である。
【0015】
図示のごとく、本実施形態のテレスコピックカバーは、順次大きさの異なる複数のカバー部材1a~1c(以下、カバー部材全般に関して記述する場合は、「カバー部材1」として記載する。)を組み合わせて入れ子状に組み合わせて前後方向Xに伸縮可能に構成される。図中、X1は前方向をX2は後方向を示す。
【0016】
カバー部材1は、カバー本体2と、カバー本体2においてテレスコピックカバーの前後方向Xの一端部に形成された端壁部4とを備える。本実施形態では、最も大きいカバー部材1aが前側に配されており、カバー部材1の前端部に端壁部4が形成される。カバー本体2は、天板部2aと天板部2aの左右方向Yの両端部から下方に延びる側壁部2b,2bとを有する。
【0017】
本実施形態では最も小さいカバー部材1cが図示しない工作機械本体に固定され、最も大きいカバー部材1aが図示しない工作機械の移動部に接続される。そして、カバー部材1a~1cが工作機械の移動部とともに図示しない工作機械の摺動面や主軸を覆うように前後方向Xに往復動する。これにより、テレスコピックカバーの伸縮をスムーズに行うことができる。
【0018】
隣接する端壁部4,4の一方にはストッパー5が設けられ、テレスコピックカバー収縮時に、ストッパー5が他方の端壁部4に当接し、隣接するカバー本体1,1の端壁部4,4間に一定のスペースSが形成される。スペースS内に一対の第1引張バネ6,6が左右対称位置に配される。第1引張バネ6としては、テレスコピックカバーの伸縮範囲で弾性変形するものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、コイルバネや紐状ないし帯状のゴム状弾性体を使用することができる。ただ、耐久性の点からコイルバネを使用するのが好ましい。以下、本実施形態では、第1引張バネ6としてコイルバネを使用した態様について説明する。
【0019】
左右一対の第1引張バネ6,6は、左右方向Y中央側に位置する端部(以下、中央側端部と略する)6aが隣接する端壁部4,4のうちの一方の端壁部4に接続され、左右方向Y外側に位置する端部(以下、外側端部と略する)6bが他方の端壁部4に接続される。本実施形態では、隣接する端壁部4,4のうち、後側(X2側)の端壁部4に中央側端部6a,6aが接続され、前側(X1側)の端壁部4に外側端部6b,6bが接続される。他方(前側)の端壁部4には左右対称位置に一対の第1支持部7,7が後方に向けて突出形成され、第1支持部7,7に外側端部6bがそれぞれ接続される。
【0020】
第1引張バネ6の中央側端部6aは、回動アーム8を介して一方(後側)の端壁部4に接続される。回動アーム8は、一方(後側)の端壁部4から前方に突出形成された左右一対の第2支持部9,9まわりに水平方向に回動可能に設けられる。回動アーム8は、テレスコピックカバー収縮状態において、スペースS内に回動アーム8の先端側を左右方向Y中央側に向けた初期姿勢で収容される。そして、回動アーム8の先端側が前後方向Xに回動したときに、回動アームを初期姿勢に戻す復元力を供する弾性部材を備える。
【0021】
本実施形態では、回動アーム8は、先端部に第1引張バネ6が接続されるアーム部11と、アーム部11の中間に設けられた軸部12とを備える。軸部12は、第2支持部9に取り付けられる。テレスコピックカバー収縮状態において、スペースS内に、弾性部材として左右対称位置に一対の第2引張バネ13,13が配される。
【0022】
左右一対の第2引張バネ13,13は、左右方向中央側の端部がそれぞれ左右方向同じ側に配された回動アーム8,8の後端部に接続され、左右方向外側の端部が一方(後側)の端壁部4から前方に突出形成された第3支持部14に接続される。第3支持部14は、端壁部4の左右に一対形成され、それぞれ左右同じ側に配された第2引張バネ13の左右方向外側の端部が接続される。
【0023】
第2引張バネ13としては、回動アーム8の回動する範囲で弾性変形するものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、コイルバネや紐状ないし帯状のゴム状弾性体を使用することができる。ただ、耐久性の点からコイルバネを使用するのが好ましい。以下、本実施形態では、第2引張バネとしてコイルバネを使用している。
【0024】
上記構成によれば、テレスコピックカバーが伸長する際には、隣接するカバー部材1,1のうち前側(X1側)のカバー部材1の移動に応じて第1引張バネ6,6が伸長する。その際に第1引張バネ6,6に生じる引張力によって回動アーム8,8が回動する。回動アーム8,8が回動するに従い、弾性部材である第2引張バネ13,13が伸長し、回動アーム8,8を初期姿勢に戻す復元力が作用する。
【0025】
すなわち、第1引張バネ6の引張力と第2引張バネ13の復元力がつり合う位置まで回動アーム8が回動する。テレスコカバー収縮時には、第1引張バネ6及び第2引張バネ13が収縮することで、各カバー部材1aおよび1bはX2方向に移動しつつ、回動アーム8が回動して初期姿勢に戻り、テレスコピックカバーは収縮状態に復帰する。上述のごとく、本発明においては、第1引張バネ6の長さが短くても回動アーム8の回動により移動ストロークを大きくすることが可能となる。いいかえれば、移動ストロークに対するカバー部材の左右方向Yの幅を小さくすることができる。
【0026】
また、回動アーム8はカバー部材1の左右のふらつき(がたつき)を抑える機能も有している。すなわち、左右の第1引張バネ6,6のバネ荷重にばらつきがあって、回動アーム8にかかる左右の引張力にばらつきがある場合には、回動アーム8が軸部12まわりに回動する回動度合いがそのばらつきに応じて変動し、それにより左右の引張力のばらつきを吸収することができる。これにより、カバー部材1の左右のふらつき(がたつき)を抑え、各カバー部材1a~1cをスムーズに移動させることが可能となる。
【0027】
回動アーム8は、アーム部11先端から軸部12までの距離をXとし、アーム部11後端から軸部12までの距離をYとしたときに、X>Yの関係を満たすようにするのが好ましい。回動アーム8がX>Yの関係を満たす場合、第1引張バネ6及び第2引張バネ13として同じ材質で同じ形状(線径、コイル径、ピッチ等)のバネを使用すると、第1引張バネ6の長さ>第2引張バネ13の長さとなる。これにより、スペースS内における第2引張バネ13の省スペース化を図ることができる。
【0028】
図6は、図5における第1引張バネ6、回動アーム8及び第2引張バネ13からなるユニット15を示す拡大図である。図示のごとく、回動アーム8の先端部には上方に突出する第1係止部16が形成され、回動アーム8の後端部には下方に突出する第2係止部17が形成される。そして、第1係止部16には第1引張バネ6が接続され、第2係止部17には第2引張バネ13が接続される。これにより、第1引張バネ6と第2引張バネ13はスペースS内において互いに干渉することなく、上側の空間と下側の空間とに分けて収容することが可能となる。
【0029】
本発明のテレスコピックカバーにおいては、上記ユニット15が左右それぞれ独立して設けられる。したがって、図7に示すように、ユニット15,15をカバー部材1の左右方向外側に寄せて配置し、中央部分のスペースを大きくとることができる。これにより、モーター等の被収容物Bとの接触を回避しつつカバー部材の高さをよりコンパクト化することが可能となる。
【0030】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。たとえば、本実施形態ではテレスコピックカバーは、大きさの異なる3つのカバー部材1a,1b及び1cから構成しているが、4つ以上のカバー部材から構成してもよいことは勿論である。
【0031】
また、端壁部4は連続する板状形状とされているが、端壁部4としては、第1引張バネ6、第2引張バネ13及び回動アーム8を収容可能でストッパー5を支持可能であれば特に形状は限定されず、不連続に形成したり、図7に示すように左右方向Yに端壁部4の高さ(天板部2aから端壁部4下端までの高さ)を変化させて形成することも可能である。
【0032】
本実施形態では、回動アーム8は、軸部12の前後方向にアーム部11が延設され、アーム後端部に弾性部材として第2引張バネ13が接続された態様について説明したが、これに限らず、たとえば、軸部12を基端部として前方にのみアーム部11を形成するようにしてもよい。この場合、アーム部11と端壁部4との間に弾性部材としてねじりコイルバネを介装し、回動アームの回動度合いに応じてねじりコイルバネに復元力が生じるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、カバー部材1cが工作機械本体に固定され、カバー部材1aが工作機械の移動部に接続されているが、これに限らず、カバー部材1aが工作機械本体に固定され、カバー部材1cが工作機械の移動部に接続されていてもよい。カバー部材1cが前側に配される場合は、カバー部材1の後端部に端壁部4が形成される。この場合も、隣接する端壁部4,4のうち、後側(X2側)の端壁部4に中央側端部6a,6aを接続し、前側(X1側)の端壁部4に外側端部6b,6bを接続することにより、テレスコピックカバーをスムーズに伸縮させることが可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、カバー部材1は門型で天板部が平面状に形成されているが、これに限らずアーチ型、山形、片側傾斜型等の種々の形状とすることが可能である。たとえば、図8は山形形状のカバー部材からなるテレスコピックカバーの背面図を示す。図示のごとく、左右のユニット15,15が独立して端壁部4に取り付けられるため、端壁部4をカバー部材の天板部の形状に合わせて傾斜して形成し、その端壁部4の形状に合わせて左右のユニット15,15を配置することが可能となる。これにより、カバー部材1内の空間を被収容物Bの収容スペースとして有効に利用することができる。
【0035】
本実施形態及び上記変形例に開示されている構成要件は互いに組合せ可能であり、組合せることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 カバー部材
2 カバー本体
2a 天板部
2b 側壁部
4 端壁部
5 ストッパー
6 第1引張バネ
6a 第1引張バネ中央側端部
6b 第1引張バネ外側端部
7 第1支持部
8 回動アーム
9 第2支持部
11 アーム部
12 軸部
13 第2引張バネ
14 第3支持部
15 ユニット
16 第1係止部
17 第2係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8