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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096714
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】蓄電素子
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20230630BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20230630BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230630BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20230630BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20230630BHJP
【FI】
H01M50/533
H01G11/76
H01M50/55 101
H01M50/557
H01M50/538
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212647
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 真澄
【テーマコード(参考)】
5E078
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA13
5E078AB01
5E078KA02
5E078KA05
5E078KA07
5H043AA05
5H043DA09
5H043EA06
5H043EA22
5H043EA35
5H043EA36
5H043JA01E
5H043JA02E
5H043LA02E
5H043LA21E
5H043LA22E
(57)【要約】
【課題】電極体の体積占有率の向上を図ることができる蓄電素子を提供する。
【解決手段】蓄電素子10であって、集電体500は、第一方向に並び、互いに接合される第一集電体510及び第二集電体520を有し、第一集電体510は、電極体600及び電極端子200の一方に接合される第一本体部511と、第二集電体520に接合される第一接合部512とを有し、第二集電体520は、電極体600及び電極端子200の他方に接合される第二本体部521と、第一接合部512に第二方向の一方側に重ねられて接合される第二接合部522とを有し、第一本体部511は、第二方向の一方側に第一主面511aを有し、第二方向の他方側に第二主面511bを有し、第一接合部512における第二方向の一方側の第一接合面512aは、第二方向において、第一主面511aよりも第二方向の他方側に配置され、第二主面511bよりも第二方向の一方側に配置される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、電極端子と、前記電極体及び前記電極端子に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、
前記集電体は、第一方向に並んで配置され、互いに接合される第一集電体及び第二集電体を有し、
前記第一集電体は、前記電極体及び前記電極端子の一方に接合され、かつ、他方には接合されず、
前記第二集電体は、前記他方に接合され、かつ、前記一方には接合されず、
前記第一集電体は、前記一方に接合される第一本体部と、前記第二集電体に接合される第一接合部と、を有し、
前記第二集電体は、前記他方に接合される第二本体部と、前記第一接合部の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に重ねられて前記第一接合部に接合される第二接合部と、を有し、
前記第一本体部は、前記第二方向の一方側に第一主面を有し、前記第二方向の他方側に第二主面を有し、
前記第一接合部における前記第二方向の一方側の面は、前記第二方向において、前記第一主面よりも前記第二方向の他方側に配置され、かつ、前記第二主面よりも前記第二方向の一方側に配置される
蓄電素子。
【請求項2】
前記第二本体部は、前記第二方向の一方側に第三主面を有し、前記第二方向の他方側に第四主面を有し、
前記第二接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記第二方向において、前記第三主面よりも前記第二方向の他方側に配置され、かつ、前記第四主面よりも前記第二方向の一方側に配置される
請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記第一接合部は、前記第二方向において前記第一本体部よりも厚みが薄い
請求項1または2に記載の蓄電素子。
【請求項4】
前記電極端子は、前記第一本体部または前記第二本体部を貫通して前記第一本体部または前記第二本体部から前記第二方向の他方側に突出し、前記第一本体部または前記第二本体部と接合される突出部を有し、
前記第一接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記突出部の前記第二方向の他方側の端面よりも前記第二方向の一方側に配置される
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項5】
前記第一接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記第二方向において前記第二主面と同じ位置、または、前記第二主面よりも前記第二方向の一方側に配置される
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記電極体は、電極体本体部と、前記電極体本体部から突出し、前記第一集電体と接合されるタブと、を有し、
前記タブは、前記第二方向において、前記第二主面と接合される
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体と電極端子と集電体とを備える蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極体と、電極端子と、電極体及び電極端子に接合される集電体とを備える蓄電素子において、集電体を2部材で構成する場合がある。例えば、特許文献1には、負極端子(電極端子)が第1負極集電体に接続され、負極タブ(電極体)が第2負極集電体に接続され、第2負極集電体が第1負極集電体上に配置されて第1負極集電体に溶接された二次電池(蓄電素子)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-125492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の蓄電素子では、第2負極集電体が第1負極集電体上に配置されて重ねられた状態で第1負極集電体に溶接されているため、集電体における当該重ねられた部分の厚みが厚くなっている。このため、上記従来の蓄電素子では、集電体の厚みが厚くなることで電極体を配置できるスペースが制限されて、電極体の体積占有率が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、電極体の体積占有率の向上を図ることができる蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極体と、電極端子と、前記電極体及び前記電極端子に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、前記集電体は、第一方向に並んで配置され、互いに接合される第一集電体及び第二集電体を有し、前記第一集電体は、前記電極体及び前記電極端子の一方に接合され、かつ、他方には接合されず、前記第二集電体は、前記他方に接合され、かつ、前記一方には接合されず、前記第一集電体は、前記一方に接合される第一本体部と、前記第二集電体に接合される第一接合部と、を有し、前記第二集電体は、前記他方に接合される第二本体部と、前記第一接合部の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に重ねられて前記第一接合部に接合される第二接合部と、を有し、前記第一本体部は、前記第二方向の一方側に第一主面を有し、前記第二方向の他方側に第二主面を有し、前記第一接合部における前記第二方向の一方側の面は、前記第二方向において、前記第一主面よりも前記第二方向の他方側に配置され、かつ、前記第二主面よりも前記第二方向の一方側に配置される。
【0007】
本発明は、このような蓄電素子として実現できるだけでなく、集電体としても実現できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明における蓄電素子によれば、電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る電極体の構成を示す斜視図である。
図4】実施の形態に係る集電体(第一集電体及び第二集電体)の構成を示す斜視図である。
図5】実施の形態に係る集電体(第一集電体及び第二集電体)が、電極端子及び電極体に接合された状態を示す断面図である。
図6】実施の形態の変形例1に係る集電体が、電極端子及び電極体に接合された状態を示す断面図である。
図7A】実施の形態の変形例2に係る集電体が、電極端子及び電極体に接合された状態を示す断面図である。
図7B】実施の形態の変形例3に係る集電体が、電極端子及び電極体に接合された状態を示す断面図である。
図7C】実施の形態の変形例4に係る集電体が、電極端子及び電極体に接合された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極体と、電極端子と、前記電極体及び前記電極端子に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、前記集電体は、第一方向に並んで配置され、互いに接合される第一集電体及び第二集電体を有し、前記第一集電体は、前記電極体及び前記電極端子の一方に接合され、かつ、他方には接合されず、前記第二集電体は、前記他方に接合され、かつ、前記一方には接合されず、前記第一集電体は、前記一方に接合される第一本体部と、前記第二集電体に接合される第一接合部と、を有し、前記第二集電体は、前記他方に接合される第二本体部と、前記第一接合部の前記第一方向と交差する第二方向の一方側に重ねられて前記第一接合部に接合される第二接合部と、を有し、前記第一本体部は、前記第二方向の一方側に第一主面を有し、前記第二方向の他方側に第二主面を有し、前記第一接合部における前記第二方向の一方側の面は、前記第二方向において、前記第一主面よりも前記第二方向の他方側に配置され、かつ、前記第二主面よりも前記第二方向の一方側に配置される。
【0011】
これによれば、蓄電素子において、集電体は、電極体及び電極端子の一方に接合される第一集電体と他方に接合される第二集電体とを有し、第一集電体の第一接合部の第二方向の一方側に第二集電体の第二接合部が重ねられて接合される。第一接合部における第二方向の一方側の面は、第二方向において、第一集電体の第一本体部の第二方向の一方側の第一主面よりも第二方向の他方側に配置され、かつ、第一本体部の第二方向の他方側の第二主面よりも第二方向の一方側に配置される。このように、第一集電体において、第一接合部の第二方向の一方側の面を、第一本体部の第一主面よりも第二方向の他方側、かつ、第二主面よりも第二方向の一方側に配置する。第一接合部の第二方向の一方側の面を、第一主面よりも第二方向の一方側に配置すると、第一接合部の第二方向の一方側への突出量が大きくなる。第一接合部の第二方向の一方側の面を、第二主面よりも第二方向の他方側に配置すると、第一接合部の第二方向の他方側への突出量が大きくなる。このため、第一接合部の第二方向の一方側の面を、第一主面よりも第二方向の他方側、かつ、第二主面よりも第二方向の一方側に配置することで、第一接合部の第二方向への突出量を抑制できる。第一接合部は、第二方向で第二接合部と重ねられる部位であるため、第一接合部の第二方向への突出量を抑制できれば、第一集電体及び第二集電体の重なり部分(接合部分)の第二方向における厚みが厚くなるのを抑制できる。これにより、電極体を配置できるスペースをより多く確保できるため、電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0012】
前記第二本体部は、前記第二方向の一方側に第三主面を有し、前記第二方向の他方側に第四主面を有し、前記第二接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記第二方向において、前記第三主面よりも前記第二方向の他方側に配置され、かつ、前記第四主面よりも前記第二方向の一方側に配置されてもよい。
【0013】
第二集電体において、第二接合部の第二方向の他方側の面を、第二本体部の第三主面よりも第二方向の一方側に配置すると、第二接合部の第二方向の一方側への突出量が大きくなる。第二接合部の第二方向の他方側の面を、第二本体部の第四主面よりも第二方向の他方側に配置すると、第二接合部の第二方向の他方側への突出量が大きくなる。このため、第二接合部の第二方向の他方側の面を、第三主面よりも第二方向の他方側、かつ、第四主面よりも第二方向の一方側に配置することで、第二接合部の第二方向への突出量を抑制できる。第二接合部は、第二方向で第一接合部と重ねられる部位であるため、第二接合部の第二方向への突出量を抑制できれば、第一集電体及び第二集電体の重なり部分(接合部分)の第二方向における厚みが厚くなるのを抑制できる。これにより、電極体を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0014】
前記第一接合部は、前記第二方向において前記第一本体部よりも厚みが薄くてもよい。
【0015】
これによれば、第一集電体において、第一接合部を第一本体部よりも厚みを薄くすることで、第一接合部が第二方向に突出するのをさらに抑制できる。したがって、第一集電体及び第二集電体の重なり部分(接合部分)の第二方向における厚みが厚くなるのをさらに抑制でき、電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0016】
前記電極端子は、前記第一本体部または前記第二本体部を貫通して前記第一本体部または前記第二本体部から前記第二方向の他方側に突出し、前記第一本体部または前記第二本体部と接合される突出部を有し、前記第一接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記突出部の前記第二方向の他方側の端面よりも前記第二方向の一方側に配置されてもよい。
【0017】
これによれば、第一集電体の第一接合部における第二方向の他方側の面が、電極端子の突出部の端面よりも第二方向の一方側に配置されることで、第一接合部が第二方向の他方側に突出するのを抑制できる。したがって、電極体を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0018】
前記第一接合部における前記第二方向の他方側の面は、前記第二方向において前記第二主面と同じ位置、または、前記第二主面よりも前記第二方向の一方側に配置されてもよい。
【0019】
これによれば、第一集電体において、第一接合部の第二方向の他方側の面が、第二方向において第二主面と同じ位置、または、第二主面よりも第二方向の一方側に配置されることで、第一接合部が第二方向の他方側に突出するのを抑制できる。したがって、電極体を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0020】
前記電極体は、電極体本体部と、前記電極体本体部から突出し、前記第一集電体と接合されるタブと、を有し、前記タブは、前記第二方向において、前記第二主面と接合されてもよい。
【0021】
これによれば、電極体が電極体本体部とタブとを有しており、タブが第一集電体の第一本体部の第二主面と接合される。つまり、電極体がタブを有している場合に、集電体を第一集電体及び第二集電体に分割してタブを第一集電体の第一本体部の第二主面に接合することで、電極体のタブを集電体に接合しやすくなる。しかしながら、第一集電体及び第二集電体の重なり部分(接合部分)の第二方向における厚みが厚いと、電極体本体部を配置できるスペースが制限されて、電極体の体積占有率が低下するおそれがある。このため、第一集電体及び第二集電体の重なり部分(接合部分)の第二方向における厚みが厚くなるのを抑制することで、電極体本体部を配置できるスペースをより多く確保できる。これにより、さらに電極体の体積占有率の向上を図ることができる。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0023】
以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極及び負極、以下同様)の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、または、容器の短側面の対向方向を、X軸方向と定義する。容器の長側面の対向方向、または、容器若しくは電極体の厚み方向を、Y軸方向と定義する。集電体と電極体との並び方向、電極端子と電極体との並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋体との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0024】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。以下では、X軸方向を第一方向とも呼び、Z軸方向を第二方向とも呼ぶ場合がある。Z軸プラス方向を第二方向の一方側とも呼び、Z軸マイナス方向を第二方向の他方側とも呼ぶ場合がある。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。さらに、以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0025】
(実施の形態)
[1 蓄電素子10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
【0026】
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。具体的には、蓄電素子10は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電素子10は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0027】
蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子10は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子10は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。本実施の形態では、扁平な直方体形状(角形、角型)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、直方体形状には限定されず、円柱形状、長円柱形状、楕円柱形状、または、直方体以外の多角柱形状等であってもよい。
【0028】
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極及び負極)の電極端子200と、一対(正極及び負極)の上部ガスケット300と、を備えている。図2に示すように、容器100の内方には、一対(正極及び負極)の下部ガスケット400と、一対(正極及び負極)の集電体500と、電極体600と、が収容されている。容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、集電体500とで電極体600を挟み込む当て板、電極体600の側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体600等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
【0029】
容器100は、開口が形成された容器本体110と、容器本体110の当該開口を閉塞する蓋体120と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材である。容器本体110は、X軸方向両側に一対の短側面を有し、Y軸方向両側に一対の長側面を有し、Z軸マイナス方向側に底面を有している。蓋体120は、容器100の蓋部を構成するX軸方向に長い矩形状の板状部材であり、容器本体110のZ軸プラス方向に配置されている。蓋体120には、容器100の内方に電解液を注液するための注液部121、及び、容器100内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁122等が設けられている。
【0030】
このような構成により、容器100は、電極体600等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器100(容器本体110及び蓋体120)の材質は特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の溶接可能な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
【0031】
電極体600は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。電極体600は、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて形成されている。これにより、正極板の複数のタブが積層されて正極のタブ束610が形成され、負極板の複数のタブが積層されて負極のタブ束620が形成されている。つまり、電極体600は、電極体本体部601と、電極体本体部601の一部からZ軸プラス方向に突出してY軸プラス方向に延びるタブ束610及び620とを有している。本実施の形態では、電極体600は、Z軸方向から見て長円形状の巻回型電極体であるが、Z軸方向から見て、楕円形状、円形状、または、その他どのような形状でもよい。電極体600の構成の詳細な説明については、後述する。
【0032】
電極端子200は、集電体500を介して、電極体600に電気的に接続される端子部材(正極端子及び負極端子)である。電極端子200は、電極体600に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体600に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子200は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。電極端子200は、かしめ等によって、集電体500に接続(接合)され、かつ、蓋体120に取り付けられる。
【0033】
具体的には、電極端子200は、下方(Z軸マイナス方向)に延びる軸部210(リベット部)を有している。軸部210が、上部ガスケット300の貫通孔310と、蓋体120の貫通孔123と、下部ガスケット400の貫通孔410と、集電体500(第二集電体520)の貫通孔523とに挿入されて、かしめられる。これにより、電極端子200は、上部ガスケット300、下部ガスケット400及び集電体500(第二集電体520)とともに、蓋体120に固定される。電極端子200と集電体500(第二集電体520)とを接続(接合)する手法は、かしめ接合には限定されず、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等の溶接、または、ねじ接合等のかしめ以外の機械的接合等が用いられてもよい。
【0034】
集電体500は、電極体600と電極端子200とを電気的に接続する集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極の集電体500は、電極体600の正極のタブ束610と溶接等により接続(接合)されるとともに、上述の通り、正極の電極端子200とかしめ等により接合される。負極の集電体500は、電極体600の負極のタブ束620と溶接等により接続(接合)されるとともに、上述の通り、負極の電極端子200とかしめ等により接合される。本実施の形態では、集電体500は、平板状かつ矩形状の部材である。集電体500とタブ束610または620とを接続(接合)する手法は、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等、どのような溶接が用いられてもよいし、かしめ接合またはねじ接合等の機械的接合等が用いられてもよい。集電体500の材質は特に限定されないが、正極の集電体500は、電極体600の後述の正極基材と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属等の導電部材で形成されている。負極の集電体500は、電極体600の後述の負極基材と同様、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。
【0035】
具体的には、集電体500は、X軸方向(第一方向)に並んで配置され、互いに接合される第一集電体510及び第二集電体520を有している。第一集電体510及び第二集電体520は、電極体600及び電極端子200の一方及び他方に接合される部材である。つまり、集電体500は、第一集電体510及び第二集電体520の2部材に分割されて、一方の部材が電極体600に接続されて、他方の部材が電極端子200に接続される。言い換えれば、第一集電体510は、電極体600及び電極端子200の一方に接合され、かつ、他方には接合されず、第二集電体520は、電極体600及び電極端子200の当該他方に接合され、かつ、当該一方には接合されない。
【0036】
本実施の形態では、第一集電体510は、電極体600に接合され、かつ、電極端子200には接合されず、第二集電体520は、電極端子200に接合され、かつ、電極体600には接合されない。具体的には、正極の集電体500においては、第一集電体510は、電極体600のタブ束610に溶接等により接合され、第二集電体520は、正極の電極端子200にかしめ等により接合される。負極の集電体500においては、第一集電体510は、電極体600のタブ束620に溶接等により接合され、第二集電体520は、負極の電極端子200にかしめ等により接合される。集電体500(第一集電体510及び第二集電体520)の構成の詳細な説明については、後述する。
【0037】
上部ガスケット300は、容器100の蓋体120と電極端子200との間に配置され、蓋体120と電極端子200との間を絶縁する平板状の絶縁部材(ガスケット)である。下部ガスケット400は、蓋体120と集電体500との間に配置され、蓋体120と集電体500との間を絶縁する平板状の絶縁部材(ガスケット)である。上部ガスケット300及び下部ガスケット400は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁性を有する樹脂等によって形成されている。
【0038】
[2 電極体600の構成の説明]
次に、電極体600の構成について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る電極体600の構成を示す斜視図である。具体的には、図3の(a)は、図2に示した電極体600の巻回状態を一部展開した状態での構成を示し、図3の(b)は、巻回後の電極体600の構成を示している。
【0039】
図3の(a)に示すように、電極体600は、正極板640及び負極板650と、セパレータ661及び662とが交互に積層されかつ巻回されることで形成されている。つまり、電極体600は、正極板640と、セパレータ661と、負極板650と、セパレータ662とがこの順に積層され、巻回されることで形成されている。
【0040】
正極板640は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の金属箔である正極基材の表面に、正極活物質層が形成された極板(電極板)である。負極板650は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の金属箔である負極基材の表面に、負極活物質層が形成された極板(電極板)である。正極基材及び負極基材として、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al-Cd合金など、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば適宜公知の材料を用いることもできる。正極活物質層に用いられる正極活物質、及び、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質及び負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータ661及び662は、樹脂からなる微多孔性のシートである。セパレータ661及び662の素材としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければ、適宜公知の材料を使用できる。
【0041】
正極板640は、Z軸プラス方向の端部において、Z軸プラス方向に突出する複数の矩形状のタブ641を有しており、複数のタブ641は、Y軸方向に積層された状態で配置される。負極板650についても同様に、Z軸プラス方向の端部において、Z軸プラス方向に突出する複数の矩形状のタブ651を有しており、複数のタブ651は、Y軸方向に積層された状態で配置される。タブ641及び651は、活物質層が形成されず基材が露出した部分である。タブ641及び651の形状は、特に限定されない。
【0042】
図3の(b)に示すように、積層された複数のタブ641が束ねられて、Z軸プラス方向に突出した状態で延びるタブ束610が形成される。同様に、積層された複数のタブ651が束ねられて、Z軸プラス方向に突出した状態で延びるタブ束620が形成される。これらタブ束610及び620は、Y軸方向において集電体500(第一集電体510)と重ねられた状態で集電体500(第一集電体510)と接合され、その後、集電体500(第一集電体510)とともにY軸プラス方向に折り曲げられる。これにより、タブ束610及び620は、Z軸方向において集電体500(第一集電体510)と重ねられて集電体500(第一集電体510)と接合された状態となる。
【0043】
電極体本体部601は、電極体600の本体を構成する部位であり、具体的には、電極体600のうちのタブ束610及び620以外の部位である。電極体本体部601は、正極板640及び負極板650の活物質層が形成された部分とセパレータ661及び662とが巻回されて形成された長円柱形状または長円筒形状の部位である。電極体600が、極板(正極板640または負極板650)の端部に活物質層が形成されない活物質層非形成部(活物質未塗工部)が設けられ、当該活物質層非形成部からタブ(タブ641または651)が延びる構成の場合には、電極体本体部601は、当該活物質層非形成部も含む。この場合には、タブ束610(または620)は、複数のタブ641(または複数のタブ651)が積層された部位であり、当該活物質層非形成部を含まない。
【0044】
[3 集電体500の説明]
次に、集電体500(第一集電体510及び第二集電体520)の構成について、詳細に説明する。図2に示した正極の(X軸マイナス方向の)集電体500及びその周囲の構成と、負極の(X軸プラス方向の)集電体500及びその周囲の構成とは、同様の構成(Z軸を中心に180°回転させた構成)を有している。このため、以下では、正極の集電体500及びその周囲の構成について説明し、負極の集電体500及びその周囲の構成についての説明は省略する。
【0045】
図4は、本実施の形態に係る集電体500(第一集電体510及び第二集電体520)の構成を示す斜視図である。具体的には、図4の(a)は、図2に示した正極の(X軸マイナス方向の)集電体500を、第一集電体510及び第二集電体520を分離させた状態で示す斜視図である。図4の(b)は、図4の(a)の構成を、斜め下方から見た状態を示す斜視図である。図5は、本実施の形態に係る集電体500(第一集電体510及び第二集電体520)が、電極端子200及び電極体600に接合された状態を示す断面図である。具体的には、図5の(a)は、正極の(X軸マイナス方向の)集電体500、電極端子200及び電極体600等の構成を示し、図5の(b)は、図5の(a)の破線内の構成を拡大して示している。
【0046】
図4及び図5に示すように、集電体500は、X軸方向(第一方向)に並び、かつ、互いに接合される第一集電体510及び第二集電体520を有している。第一集電体510及び第二集電体520は、XY平面に平行な平板状の部材である。第一集電体510は、第一本体部511と、第一本体部511から第二集電体520に向けてX軸マイナス方向に突出する第一接合部512と、を有している。第二集電体520は、第二本体部521と、第二本体部521から第一集電体510に向けてX軸プラス方向に突出する第二接合部522と、を有している。
【0047】
第一本体部511は、XY平面に平行な平板状かつ矩形状の部位であり、電極体600及び電極端子200の一方に接合される。本実施の形態では、第一本体部511は、電極体600のタブ束610(タブ641)に接合される。第一本体部511は、Z軸プラス方向(第二方向の一方側)に第一主面511aを有し、Z軸マイナス方向(第二方向の他方側)に第二主面511bを有している。
【0048】
第一主面511aは、第一本体部511の上面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)である。第一主面511aは、下部ガスケット400のZ軸マイナス方向に配置されて、Z軸方向で下部ガスケット400と接触する。本実施の形態では、第一主面511aは、全面が下部ガスケット400と接触するが、一部が下部ガスケット400と接触しなくてもよいし、下部ガスケット400と離間して配置されてもよい。
【0049】
第二主面511bは、第一本体部511の下面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)である。第二主面511bは、電極体600のタブ束610(タブ641)のZ軸プラス方向に配置されて、Z軸方向(第二方向)において、タブ束610(タブ641)と接合される。第二主面511bにおけるタブ束610との接合位置は、Z軸方向から見て第二主面511bの中央部(中心位置)でもよいし、第二主面511bの端部でもよく、特に限定されない。
【0050】
第一接合部512は、第一本体部511のY軸方向の一端から他端に亘ってX軸マイナス方向端部からX軸マイナス方向に突出して配置される、XY平面に平行かつY軸方向に延びる長尺な平板状の部位である。第一接合部512は、第二集電体520の第二接合部522に接合される部位である。第一接合部512は、Z軸プラス方向(第二方向の一方側)に第一接合面512aを有し、Z軸マイナス方向(第二方向の他方側)に第一対向面512bを有している。
【0051】
第一接合面512aは、第一接合部512の上面に設けられたXY平面に平行かつY軸方向に延びる平面(平坦面)である。第一接合面512aは、第二集電体520の第二接合部522のZ軸マイナス方向に配置されて、Z軸方向において、第二接合部522と接合される。つまり、第一接合部512が、第二集電体520の第二接合部522のZ軸マイナス方向に配置されて、Z軸方向において、第二接合部522と接合される。第一接合部512は、第一接合面512aのY軸方向の一端部から他端部までに亘って第二接合部522と接合されてもよいし、第一接合面512aのY軸方向の中央部または端部において第二接合部522と接合されてもよいし、接合位置は特に限定されない。
【0052】
第一接合面512aは、Z軸方向(第二方向)において、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置され、かつ、第二主面511bよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。第一主面511a、第二主面511bまたは第一接合面512aが平面(平坦面)でない場合には、第一接合面512aの最もZ軸プラス方向に位置する部位が、Z軸方向において、第一主面511aの最もZ軸プラス方向に位置する部位よりもZ軸マイナス方向に配置される。さらに、この場合、第一接合面512aの最もZ軸マイナス方向に位置する部位が、第二主面511bの最もZ軸マイナス方向に位置する部位よりもZ軸プラス方向に配置される。
【0053】
このように、第一接合面512aは、Z軸方向において、第一主面511aと第二主面511bとの間(第一主面511a及び第二主面511bの位置を含まない)に配置される。言い換えれば、第一接合面512aは、第一主面511aとの距離及び第二主面511bとの距離が、第一主面511aと第二主面511bとの距離よりも小さくなる位置に配置される。本実施の形態では、第一接合面512aは、Z軸方向において、第一主面511aと第二主面511bとの中間位置(中心位置)に配置される。
【0054】
第一対向面512bは、第一接合部512の下面に設けられたXY平面に平行かつY軸方向に延びる平面(平坦面)である。つまり、第一対向面512bは、第一接合部512が有する面のうちの、第一接合面512aとZ軸方向で対向する面である。第一対向面512bは、Z軸方向(第二方向)において第二主面511bと同じ位置、または、第二主面511bよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。第二主面511bまたは第一対向面512bが平面(平坦面)でない場合には、第一対向面512bの最もZ軸マイナス方向に位置する部位が、第二主面511bの最もZ軸マイナス方向に位置する部位と同じ位置、または、第二主面511bの当該部位よりもZ軸プラス方向に配置される。本実施の形態では、第一対向面512bは、Z軸方向において第二主面511bと同じ位置に配置される。これにより、第一対向面512bは、第二主面511bとで、第一集電体510の下面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)を構成している。
【0055】
このような構成により、第一接合部512は、Z軸方向(第二方向)において第一本体部511よりも厚みが薄い。つまり、第一接合部512は、第一本体部511のZ軸マイナス方向の端部からX軸マイナス方向に突出して配置されている。言い換えれば、第一集電体510は、第一本体部511から第一接合部512へ下る階段状(段差状)の形状を有している。第一集電体510は、X軸マイナス方向かつZ軸プラス方向の角部が、第一接合部512の位置でX軸プラス方向かつZ軸マイナス方向に凹んだ形状を有している、とも言える。本実施の形態では、第一接合部512のZ軸方向における厚みは、第一本体部511のZ軸方向における厚みの半分程度である。
【0056】
第二本体部521は、XY平面に平行な平板状かつ矩形状の部位であり、電極体600及び電極端子200の他方に接合される。本実施の形態では、第二本体部521は、上述の貫通孔523を有しており、電極端子200に接合される。具体的には、図5に示すように、電極端子200の軸部210が、第二本体部521の貫通孔523をZ軸方向に貫通した状態で、軸部210のZ軸マイナス方向端部がかしめられる。これにより、軸部210のZ軸マイナス方向端部に、突出部211(かしめ部)が形成されて、電極端子200と第二集電体520(第二本体部521)とが接合される。このように、突出部211は、第二本体部521を貫通して第二本体部521からZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に突出し、第二本体部521と接合される部位(かしめ部)である。
【0057】
第二本体部521は、Z軸プラス方向(第二方向の一方側)に第三主面521aを有し、Z軸マイナス方向(第二方向の他方側)に第四主面521bを有している。つまり、第三主面521a及び第四主面521bを貫通するように、第三主面521aから第四主面521bに亘って貫通孔523が形成されている。
【0058】
第三主面521aは、第二本体部521の上面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)である。第三主面521aは、下部ガスケット400のZ軸マイナス方向に配置されて、少なくとも一部が、Z軸方向で下部ガスケット400と接触する。第三主面521aは、下部ガスケット400と離間して配置されてもよい。
【0059】
第四主面521bは、第二本体部521の下面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)である。第四主面521bは、電極端子200の軸部210の突出部211のZ軸プラス方向に配置されて、Z軸方向において突出部211と接触する。第四主面521bは、貫通孔523の周囲の面で突出部211と接触するが、突出部211の形状によっては、貫通孔523の周囲以外の面で突出部211と接触してもよい。
【0060】
第二接合部522は、第二本体部521のY軸方向の一端から他端に亘ってX軸プラス方向端部からX軸プラス方向に突出して配置される、XY平面に平行かつY軸方向に延びる長尺な平板状の部位である。第二接合部522は、第一集電体510の第一接合部512のZ軸プラス方向に配置される。具体的には、第二接合部522は、第一接合部512のZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に重ねられて、第一接合部512に接合される。第二接合部522は、Z軸プラス方向(第二方向の一方側)に第二対向面522aを有し、Z軸マイナス方向(第二方向の他方側)に第二接合面522bを有している。
【0061】
第二接合面522bは、第二接合部522の下面に設けられたXY平面に平行かつY軸方向に延びる平面(平坦面)である。第二接合面522bは、第一集電体510の第一接合部512の第一接合面512aのZ軸プラス方向に、Z軸方向において第一接合面512aと対向して配置される。上述の通り、第二接合部522が第一接合部512と接合されるため、第二接合面522bは、Z軸方向において第一接合面512aと接合される。
【0062】
第二接合面522bは、Z軸方向(第二方向)において、第三主面521aよりもZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置され、かつ、第四主面521bよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。第三主面521a、第四主面521bまたは第二接合面522bが平面(平坦面)でない場合には、第二接合面522bの最もZ軸プラス方向に位置する部位が、Z軸方向において、第三主面521aの最もZ軸プラス方向に位置する部位よりもZ軸マイナス方向に配置される。さらに、この場合、第二接合面522bの最もZ軸マイナス方向に位置する部位が、第四主面521bの最もZ軸マイナス方向に位置する部位よりもZ軸プラス方向に配置される。
【0063】
このように、第二接合面522bは、Z軸方向において、第三主面521aと第四主面521bとの間(第三主面521a及び第四主面521bの位置を含まない)に配置される。言い換えれば、第二接合面522bは、第三主面521aよりも第四主面521bに近く、かつ、第四主面521bよりも第三主面521aに近い位置に配置される。さらに言い換えれば、第二接合面522bは、第三主面521aとの距離及び第四主面521bとの距離が、第三主面521aと第四主面521bとの距離よりも小さくなる位置に配置される。本実施の形態では、第二接合面522bは、Z軸方向において、第三主面521aと第四主面521bとの中間位置(中心位置)に配置される。
【0064】
第二対向面522aは、第二接合部522の上面に設けられたXY平面に平行かつY軸方向に延びる平面(平坦面)である。つまり、第二対向面522aは、第二接合部522が有する面のうちの、第二接合面522bとZ軸方向で対向する面である。第二対向面522aは、Z軸方向(第二方向)において第三主面521aと同じ位置、または、第三主面521aよりもZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。第三主面521aまたは第二対向面522aが平面(平坦面)でない場合には、第二対向面522aの最もZ軸プラス方向に位置する部位が、第三主面521aの最もZ軸プラス方向に位置する部位と同じ位置、または、第三主面521aの当該部位よりもZ軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、第二対向面522aは、Z軸方向において第三主面521aと同じ位置に配置される。これにより、第二対向面522aは、第三主面521aとで、第二集電体520の上面に設けられたXY平面に平行な平面(平坦面)を構成している。
【0065】
このような構成により、第二接合部522は、Z軸方向(第二方向)において第二本体部521よりも厚みが薄い。つまり、第二接合部522は、第二本体部521のZ軸プラス方向の端部からX軸プラス方向に突出して配置されている。言い換えれば、第二集電体520は、X軸プラス方向かつZ軸マイナス方向の角部が、第二接合部522の位置でX軸マイナス方向かつZ軸プラス方向に凹んだ形状を有している。本実施の形態では、第二接合部522のZ軸方向における厚みは、第二本体部521のZ軸方向における厚みの半分程度である。
【0066】
本実施の形態では、第一集電体510及び第二集電体520において、第一本体部511及び第二本体部521は、Z軸方向の厚みが同じであり、第一接合部512及び第二接合部522も、Z軸方向の厚みが同じである。これにより、第一主面511aと第三主面521aとは、Z軸方向において同じ位置に配置され、第二主面511bと第四主面521bとも、Z軸方向において同じ位置に配置される。第一接合面512aは、Z軸方向において、第三主面521aよりもZ軸マイナス方向に配置され、かつ、第四主面521bよりもZ軸プラス方向に配置される。第一対向面512bは、Z軸方向において第四主面521bと同じ位置(または、第四主面521bよりもZ軸プラス方向)に配置される。第二接合面522bは、Z軸方向において、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向に配置され、かつ、第二主面511bよりもZ軸プラス方向に配置される。第二対向面522aは、Z軸方向において第一主面511aと同じ位置(または、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向)に配置される。
【0067】
電極端子200の軸部210の突出部211は、第二本体部521からZ軸マイナス方向に突出しているため、第四主面521bは、突出部211のZ軸マイナス方向の端面211a(図5の(b)参照)よりも、Z軸プラス方向に配置される。このため、第一対向面512bは、突出部211のZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端面211aよりも、Z軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置される。本実施の形態では、端面211aは、XY平面に平行な平面(平坦面)であるが、端面211aが平面(平坦面)でない場合には、第一対向面512bは、端面211aの最もZ軸マイナス方向に位置する部位よりも、Z軸プラス方向に配置される。
【0068】
蓄電素子10の製造時には、第一集電体510及び第二集電体520が分割された状態で、第一集電体510の第一本体部511に電極体600のタブ束610が溶接等で接合され、第二集電体520の第二本体部521に電極端子200がかしめ等で接合される。そして、第一集電体510の第一接合部512と第二集電体520の第二接合部522とがZ軸方向で重ねられ、第一接合部512及び第二接合部522が重ねられた位置に、Z軸マイナス方向から第一接合部512に向けてレーザ光L(図5の(b)参照)が照射される。これにより、第一接合部512及び第二接合部522がレーザ溶接されて、第一集電体510及び第二集電体520が接合される。
【0069】
このような構成により、第一集電体510は、電極端子200には接合されることなく、電極体600に接合され、第二集電体520は、電極体600には接合されることなく、電極端子200に接合されることとなる。さらに、第一接合部512及び第二接合部522は、第一本体部511及び電極体600の接合位置とは異なる位置で接合され、当該接合位置では接合されない。同様に、第一接合部512及び第二接合部522は、第二本体部521及び電極端子200の接合位置とは異なる位置で接合され、当該接合位置では接合されない。このように、第一集電体510及び第二集電体520は、電極体600及び電極端子200との接合位置では接合されない。
【0070】
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、集電体500は、電極体600及び電極端子200の一方(電極体600)に接合される第一集電体510と、他方(電極端子200)に接合される第二集電体520と、を有している。第一集電体510の第一接合部512のZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に、第二集電体520の第二接合部522が重ねられて接合される。第一接合部512におけるZ軸プラス方向の面である第一接合面512aは、Z軸方向(第二方向)において、第一集電体510の第一本体部511のZ軸プラス方向の第一主面511aよりもZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に配置される。さらに、第一接合面512aは、第一本体部511のZ軸マイナス方向の第二主面511bよりもZ軸プラス方向に配置される。このように、第一集電体510において、第一接合部512の第一接合面512aを、第一本体部511の第一主面511aよりもZ軸マイナス方向、かつ、第二主面511bよりもZ軸プラス方向に配置する。第一接合部512の第一接合面512aを、第一主面511aよりもZ軸プラス方向に配置すると、第一接合部512のZ軸プラス方向への突出量が大きくなる。第一接合部512の第一接合面512aを、第二主面511bよりもZ軸マイナス方向に配置すると、第一接合部512のZ軸マイナス方向への突出量が大きくなる。このため、第一接合部512の第一接合面512aを、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向、かつ、第二主面511bよりもZ軸プラス方向に配置することで、第一接合部512のZ軸方向への突出量を抑制できる。第一接合部512は、Z軸方向で第二接合部522と重ねられる部位であるため、第一接合部512のZ軸方向への突出量を抑制できれば、第一集電体510及び第二集電体520の重なり部分(接合部分)のZ軸方向における厚みが厚くなるのを抑制できる。これにより、電極体600を配置できるスペースをより多く確保できるため、電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0071】
第一接合部512と第二接合部522とをZ軸方向において重ねて接合することで、Z軸方向からレーザ光Lを照射して第一接合部512及び第二接合部522をレーザ溶接する場合でも、レーザ光Lが第一接合部512と第二接合部522との間から集電体500を通過して他の部材(下部ガスケット400等)に影響を与えるのを抑制できる。さらに、集電体500を、電極体600に接合される第一集電体510と、電極端子200に接合される第二集電体520とに分割することで、以下の効果が奏される。電極体600と第一集電体510との接合作業(超音波接合等)を、第一集電体510を蓋体120から分離した状態で行うことができるため、当該接合作業を容易に行うことができる。特に、当該接合作業において生じるコンタミネーションが蓋体120に付着するのを抑制できるため、コンタミネーションに起因する不具合の発生が抑制される。電極端子200と第二集電体520との接合作業においても、容易に行うことができ、容器100の蓋体120に第二集電体520を固定した状態で蓋体120を洗浄することもできる。
【0072】
第二集電体520において、第二接合部522のZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)の面である第二接合面522bを、第二本体部521の第三主面521aよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置すると、第二接合部522のZ軸プラス方向への突出量が大きくなる。第二接合部522の第二接合面522bを、第二本体部521の第四主面521bよりもZ軸マイナス方向に配置すると、第二接合部522のZ軸マイナス方向への突出量が大きくなる。このため、第二接合部522の第二接合面522bを、第三主面521aよりもZ軸マイナス方向、かつ、第四主面521bよりもZ軸プラス方向に配置することで、第二接合部522のZ軸方向(第二方向)への突出量を抑制できる。第二接合部522は、Z軸方向で第一接合部512と重ねられる部位であるため、第二接合部522のZ軸方向への突出量を抑制できれば、第一集電体510及び第二集電体520の重なり部分(接合部分)のZ軸方向における厚みが厚くなるのを抑制できる。これにより、電極体600を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0073】
第一集電体510において、第一接合部512を第一本体部511よりも厚みを薄くすることで、第一接合部512がZ軸方向(第二方向)に突出するのをさらに抑制できる。したがって、第一集電体510及び第二集電体520の重なり部分(接合部分)のZ軸方向における厚みが厚くなるのをさらに抑制でき、電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0074】
第一集電体510の第一接合部512におけるZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)の面である第一対向面512bが、電極端子200の突出部211の端面211aよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置されることで、第一接合部512がZ軸マイナス方向に突出するのを抑制できる。したがって、電極体600を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0075】
第一対向面512bが、Z軸方向(第二方向)において第二主面511bと同じ位置、または、第二主面511bよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置されることで、第一接合部512がZ軸マイナス方向に突出するのを抑制できる。したがって、電極体600を配置できるスペースをより多く確保できるため、さらに電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0076】
電極体600が電極体本体部601とタブ束610(タブ641)とを有しており、タブ束610が、第一集電体510の第一本体部511の第二主面511bと接合される。つまり、電極体600がタブ束610を有している場合に、集電体500を第一集電体510及び第二集電体520に分割してタブ束610を第二主面511bに接合することで、電極体600のタブ束610を集電体500に接合しやすくなる。しかしながら、第一集電体510及び第二集電体520の重なり部分(接合部分)のZ軸方向(第二方向)における厚みが厚いと、電極体本体部601を配置できるスペースが制限されて、電極体600の体積占有率が低下するおそれがある。このため、第一集電体510及び第二集電体520の重なり部分(接合部分)のZ軸方向における厚みが厚くなるのを抑制することで、電極体本体部601を配置できるスペースをより多く確保できる。これにより、さらに電極体600の体積占有率の向上を図ることができる。
【0077】
上記において、正極の集電体500についての効果は、負極の集電体500についても同様に適用できる。
【0078】
[5 変形例の説明]
以上、本実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0079】
(変形例1)
上記実施の形態では、第一集電体510の第一接合面512a及び第二集電体520の第二接合面522bは、XY平面に平行な平面(平坦面)であることとしたが、これには限定されない。図6は、本実施の形態の変形例1に係る集電体501が、電極端子200及び電極体600に接合された状態を示す断面図である。具体的には、図6の(a)は、図5の(a)に対応する図であり、図6の(b)は、図5の(b)に対応する図である。
【0080】
図6に示すように、変形例1における集電体501が備える第一集電体510は、上記実施の形態における第一接合面512aが設けられた第一接合部512に代えて、第一接合面513aが設けられた第一接合部513を有している。集電体501が備える第二集電体520は、上記実施の形態における第二接合面522bが設けられた第二接合部522に代えて、第二接合面524bが設けられた第二接合部524を有している。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様である。
【0081】
第一接合面513aは、X軸マイナス方向に向かうほどZ軸マイナス方向に向けて傾斜する傾斜面である。これにより、第一接合部513は、X軸マイナス方向に向かうほどZ軸方向の厚みが薄くなる先細り形状を有している。第二接合面524bは、X軸プラス方向に向かうほどZ軸プラス方向に向けて傾斜する傾斜面である。これにより、第二接合部524は、X軸プラス方向に向かうほどZ軸方向の厚みが薄くなる先細り形状を有している。第二接合面524bは、第一接合面513aと同じ角度に傾斜することで、第一接合面513aと接触し、かつ、第一接合面513aと接合される。
【0082】
このような構成により、上記実施の形態と同様に、第一接合面513aは、Z軸方向において、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向に配置され、かつ、第二主面511bよりもZ軸プラス方向に配置される。第一接合部513は、Z軸方向において第一本体部511よりも厚みが薄い。第二接合面524bは、Z軸方向において、第三主面521aよりもZ軸マイナス方向に配置され、かつ、第四主面521bよりもZ軸プラス方向に配置される。第二接合部524は、Z軸方向において第二本体部521よりも厚みが薄い。蓄電素子10の製造時には、第一接合部513及び第二接合部524が重ねられた位置に、Z軸マイナス方向から第一接合部513に向けてレーザ光Lが照射され、第一接合部513及び第二接合部524がレーザ溶接される。
【0083】
以上のように、本変形例に係る蓄電素子10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第一接合部513及び第二接合部524に傾斜面を形成すればよいため、上記実施の形態のように第一接合部512及び第二接合部522の厚みを精度良く加工する等の必要がなく、加工が容易である。
【0084】
(変形例2~4)
上記実施の形態において、第一集電体510の第一接合面512a及び第一対向面512b、並びに、第二集電体520の第二接合面522bのZ軸方向における位置は、上述した位置に限定されない。図7A図7Cは、本実施の形態の変形例2~4に係る集電体502~504が、電極端子200及び電極体600に接合された状態を示す断面図である。具体的には、図7A図7Cは、図5の(b)に対応する図である。
【0085】
図7Aに示すように、変形例2における集電体502が備える第一集電体510は、上記実施の形態における第一対向面512bが設けられた第一接合部512に代えて、第一対向面514bが設けられた第一接合部514を有している。第一接合部514は、上記実施の形態における第一接合部512よりも、Z軸方向における厚みが厚い。これにより、第一対向面514bは、Z軸方向において、第二主面511b及び第四主面521bよりもZ軸マイナス方向に配置される。第一接合部514は、第一本体部511よりも、Z軸方向における厚みが厚くてもよい。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様である。
【0086】
図7Bに示すように、変形例3における集電体503が備える第一集電体510は、上記実施の形態における第二主面511bが設けられた第一本体部511に代えて、第二主面515bが設けられた第一本体部515を有している。第一本体部515は、上記実施の形態における第一本体部511よりも、Z軸方向における厚みが厚い。これにより、第一対向面512bは、第一接合面512aと同様に、Z軸方向において、第一主面511aよりもZ軸マイナス方向に配置され、かつ、第二主面515bよりもZ軸プラス方向に配置される。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様である。
【0087】
図7Cに示すように、変形例4における集電体504が備える第一集電体510は、上記変形例3における第一本体部515のZ軸マイナス方向端部に、第一接合部512が配置される。集電体504が備える第二集電体520は、上記実施の形態における第二接合面522bが設けられた第二接合部522に代えて、第二接合面525bが設けられた第二接合部525を有している。第二接合部525は、Z軸方向における厚みが、上記実施の形態における第二接合部522より厚く、第二本体部521と同じ厚みである。これにより、第二接合面525bは、Z軸方向において第四主面521bと同じ位置に配置される。第二接合部525は、第二本体部521よりもZ軸方向における厚みが厚く、第二接合面525bは、Z軸方向において第四主面521bよりもZ軸マイナス方向に配置されてもよい。この場合、第一接合面512aは、電極端子200の突出部211の端面211aよりもZ軸マイナス方向に配置されてもよい。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様である。
【0088】
以上のように、本変形例に係る蓄電素子10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。本変形例のように、種々の厚みの第一集電体510及び第二集電体520を採用できる。
【0089】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、電極体600は、巻回軸が蓋体120に垂直となる巻回型電極体であることとしたが、平板状極板を積層したスタック型、または、極板及び/又はセパレータを蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体でもよい。電極体600は、巻回軸が蓋体120に平行となる巻回型電極体でもよい。集電体500に接合されるのは、タブ束610及び620ではなく、電極体600の電極体本体部601の全体から突出する電極体600の端部でもよい。
【0090】
上記実施の形態では、集電体500は、第一集電体510及び第二集電体520の2部材から構成されることとしたが、これには限定されない。第一集電体510が、電極体600に接合される第一本体部511を含む部材(リード等)と、第二集電体520に接合される第一接合部512を含む部材との2部材、または、3以上の部材で構成されていてもよい。この場合、第一主面511a及び第二主面511bは、当該リード等のうちの上述した第一本体部511に相当する部位の面である。第二集電体520についても同様である。電極体600が、第一集電体510に接合される、電極体本体部601とは別体の部材(リード等)を有していてもよい。電極端子200が、第二集電体520に接合される、端子本体とは別体の部材(リード等)を有していてもよい。
【0091】
上記実施の形態では、電極端子200の軸部210が第二集電体520の第二本体部521の貫通孔523を貫通してかしめられることとしたが、第二本体部521が軸部を有し、当該軸部が電極端子200の貫通孔を貫通してかしめられてもよい。この場合、第二本体部521は、当該軸部を一体的に有していてもよいし、別体の軸部を有していてもよい。
【0092】
上記実施の形態では、第一集電体510及び第二集電体520は、X軸方向に並んで配置されるが、Y軸方向、または、X軸方向及びY軸方向の間の方向に並んで配置されてもよい。
【0093】
上記実施の形態では、第一集電体510は電極体600に接合され、第二集電体520は電極端子200に接合されることとしたが、第一集電体510は電極端子200に接合され、第二集電体520は電極体600に接合されてもよい。この場合、電極端子200は、第一集電体510の第一本体部511を貫通して第一本体部511からZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)に突出し、第一本体部511と接合される突出部211を有してもよい。さらに、第一接合部512におけるZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)の面は、突出部211のZ軸マイナス方向(第二方向の他方側)の端面211aよりもZ軸プラス方向(第二方向の一方側)に配置されてもよい。
【0094】
上記実施の形態では、正極の集電体500及び負極の集電体500の双方について、上記の構成を有していることとしたが、正極の集電体500及び負極の集電体500のいずれか一方が、上記の構成を有していなくてもよい。
【0095】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0096】
本発明は、このような蓄電素子として実現できるだけでなく、集電体としても実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
10 蓄電素子
100 容器
120 蓋体
200 電極端子
210 軸部
211 突出部
211a 端面
300 上部ガスケット
400 下部ガスケット
500、501、502、503、504 集電体
510 第一集電体
511、515 第一本体部
511a 第一主面
511b、515b 第二主面
512、513、514 第一接合部
512a、513a 第一接合面
512b、514b 第一対向面
520 第二集電体
521 第二本体部
521a 第三主面
521b 第四主面
522、524、525 第二接合部
522a 第二対向面
522b、524b、525b 第二接合面
600 電極体
610、620 タブ束
641、651 タブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C