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特開2023-96762情報処理装置、端末、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096762
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212734
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 晃弘
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478HH15
5D478KK03
5D478KK12
(57)【要約】
【課題】ユーザに好適な電子楽器の操作に係る情報を提供する。
【解決手段】情報処理装置(3)は、制御部(31)を備える。制御部(31)は、電子楽器(2)の操作情報を電子楽器(2)から受信することと、操作情報に対応する電子楽器(2)の操作関連情報を電子楽器(2)と異なる電子楽器(2)のユーザ(11)の端末(4)へ送信することとを実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信することと、前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を前記電子楽器と異なる前記電子楽器のユーザの端末へ送信することとを実行する制御部
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記電子楽器の操作手順を構成する1又は2以上のステップの夫々に対応する前記電子楽器の操作関連情報を、前記操作情報又は前記端末から受信された情報に応じて前記端末へ送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において操作する前記電子楽器の操作子と、前記操作子の操作方法とを表示する指示を含む前記操作関連情報を前記端末へ送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において操作する前記操作子の現在の状態を表示する指示を含む前記操作関連情報を前記端末へ送信する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において、前記操作子の正しい操作を示す操作情報が前記電子楽器から受信された場合に、次のステップにおいて操作する操作子及び当該操作子の操作方法を表示する指示を含む前記操作関連情報を前記端末へ送信する
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において、前記操作子の誤った操作を示す操作情報が前記電子楽器から受信された場合に、操作の誤りを示す情報を表示する指示を含む前記操作関連情報を前記端末へ送信する
請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作情報に対応する操作マニュアルを表示する指示を含む前記操作関連情報を前記端末へ送信する
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作情報を用いた情報検索の結果を前記端末へ送信する
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
電子楽器と異なる前記電子楽器のユーザの端末であって、
前記電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信する情報処理装置から、前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を受信することと、前記操作関連情報に基づく情報を表示装置に表示することを実行する制御部
を含む端末。
【請求項10】
前記制御部は、前記電子楽器の操作手順を構成する1又は2以上のステップの夫々に対応する前記電子楽器の操作関連情報に基づく情報を前記表示装置に表示する
請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記制御部は、前記操作関連情報に基づいて、前記1又は2以上のステップの夫々にお
いて操作する前記電子楽器の操作子と、前記操作子の操作方法とを前記表示装置に表示する請求項10に記載の端末。
【請求項12】
前記制御部は、前記操作関連情報に基づいて、前記1又は2以上のステップの夫々において操作する前記操作子の現在の状態を前記表示装置に表示する
請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において、前記操作子の正しい操作を示す操作情報を受信した前記情報処理装置から送信される操作関連情報に基づいて、次のステップにおいて操作する操作子及び当該操作子の操作方法を前記表示装置に表示する請求項11又は12に記載の端末。
【請求項14】
前記制御部は、前記1又は2以上のステップの夫々において、前記操作子の誤った操作を示す操作情報を受信した前記情報処理装置から送信される操作関連情報に基づいて、操作の誤りを示す情報を前記表示装置に表示する
請求項11から13のいずれか1項に記載の端末。
【請求項15】
情報処理装置が、
電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信することと、
前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を前記電子楽器と異なる前記電子楽器のユーザの端末へ送信することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項16】
電子楽器と異なる前記電子楽器のユーザの端末が、
前記電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信する情報処理装置から、前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を受信することと、
前記操作関連情報に基づく情報を表示装置に表示することと
を実行する情報処理方法。
【請求項17】
請求項15に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項16に記載の情報処理方法を端末に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、端末、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘルプモードにおいて、ファンクション画面の機能等についての説明文を表示する大型表示器を用いた電子楽器がある(例えば、特許文献1)。また、ユーザ端末とオンライン可能なサーバであって、オンラインマニュアルの閲覧要求と関連づけられたユーザ情報に基づいて、閲覧要求に応じて閲覧可能なオンラインマニュアルの項目若しくはコンテンツを制限し、又は、オンラインマニュアルの項目若しくはコンテンツの表示順序を変更するサーバがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-253779号公報
【特許文献2】特開2021-47762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電子楽器のユーザに体し、電子楽器の操作に係る情報を好適に提供することができる情報処理装置、端末、及び情報処理方法プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信することと、前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を前記電子楽器と異なる前記電子楽器のユーザの端末へ送信することとを実行する制御部を含む情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様は、電子楽器と異なる電子楽器のユーザの端末であって、前記電子楽器の操作情報を前記電子楽器から受信する情報処理装置から、前記操作情報に対応する前記電子楽器の操作関連情報を受信することと、前記操作関連情報に基づく情報を表示装置に表示することを実行する制御部を含む端末である。
【0007】
本開示は、上述した情報処理装置及び端末が行う情報処理方法、並びに、情報処理方法を上記した情報処理装置及び端末の夫々に実行させるプログラム、当該プログラムを記憶した非一時的記憶媒体を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、電子楽器の構成例を示す図である。
図3図3は、サーバの構成例を示す図である。
図4図4は、端末の構成例を示す図である。
図5図5は、電子楽器における処理例を示すフローチャートである。
図6図6は、サーバにおける処理例を示すフローチャートである。
図7図7は、端末における処理例を示すフローチャートである。
図8図8は、動作例1の説明図である。
図9図9は、動作例1の説明図である。
図10図10は、動作例1の説明図である。
図11図11は、動作例1の説明図である。
図12図12は、動作例1の説明図である。
図13図13は、動作例2の説明図である。
図14図14は、動作例3の説明図である。
図15図15A及びBは、動作例4の説明図である。
図16図16は、動作例4の説明図である。
図17図17A及びBは、動作例4の説明図である。
図18図18は、動作例4の説明図である。
図19図19は、動作例4の説明図である。
図20図20A及びBは、動作例4の説明図である。
図21図21は、動作例4の説明図である。
図22図22A及びBは、動作例4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は一例であり、実施形態の構成は、本開示の目的を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0010】
<情報処理システム>
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図1において、情報処理システムは、ネットワーク1と、ネットワーク1に夫々接続された電子楽器2、サーバ3、及び端末4とを備える。
【0011】
ネットワーク1は、インターネット等の公衆網である。ネットワーク1は、有線ネットワークでも、無線ネットワークでもよい。無線ネットワークは、例えば、セルラー網(例えば、Long Term Evolution(LTE)、第5世代移動通信システム(5G)等)、無線
LAN(WiFi含む)、BLEなどである。
【0012】
電子楽器2は、電子楽器2のユーザ11によって演奏される楽器である。電子楽器2は、鍵盤楽器(ピアノ、オルガン、シンセサイザ等)、弦楽器(ギター等)、打楽器(ドラム、パーカッション等)、吹奏楽器などである。但し、電子楽器2の種類は問わず、上記例示に制限されない。電子楽器2には、外部から入力、又は内部で生成若しくは再生された音声信号に対して所望の効果を付与する効果付与装置(エフェクタ)も含まれる。
【0013】
<電子楽器>
図2は、電子楽器2の構成例を示す。電子楽器2は、バス3に接続された、CPU10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ハードディスクドライブ(HDD)13と、入力装置14と、表示装置(ディスプレイ)15と、通信インタフェース(通信I/F)16とを含む。
【0014】
電子楽器2は、さらに、バス3に接続された、ディジタルアナログ変換器(D/A)17と、DSP(Digital Signal Processor)20と、演奏子21とを含む。D/A17にはアンプ(AMP)18が接続され、AMP18にはスピーカ19が接続されている。
【0015】
ROM11は、CPU10によって実行される様々なプログラムやプログラムの実行に際して使用されるデータを記憶している。RAM12は、プログラムの展開領域、CPU10の作業領域、データの記憶領域などとして使用される。HDD13は、プログラムやプログラムの実行に際して使用されるデータ、楽曲データなどを記憶する。ROM11及びRAM12は、主記憶装置の一例であり、HDD13は補助記憶装置の一例である。主記憶装置及び補助記憶装置は、非一時的な記憶装置又は記憶媒体の一例である。
【0016】
入力装置14は、キー、ボタン、タッチパネルなどであり、情報(指示や命令を含む)の入力に使用される。また、入力装置14は、電子楽器2から出力される音声、音量、ピッチ、音色などに係る様々なパラメータを設定するための操作子を含む。操作子は、ボタン、つまみ(ダイヤル)、スライダーなどを含む。また、操作子は、ユーザ11が電子楽器2の演奏に用いる操作子(演奏子と呼ぶ)を含む。演奏子は、例えば、鍵盤、弦、打面、ペダルなどであるが、これらに制限されない。
【0017】
表示装置15は、情報の表示に使用される。表示装置15は、例えば、セブンセグメントを用いて文字及び記号などを表示する簡易的なLCD表示器であり、後述する端末4が備えるディスプレイ45に比べて、表示サイズ、表示色、表示可能な内容が制限されている。
【0018】
通信I/F16は、ネットワーク1に接続されており、通信に係る処理を司る。D/A17は、バス3を介して入力される音声のディジタル信号をアナログ信号に変換する。AMP18は、アナログ信号を増幅する。スピーカ19は、増幅されたアナログ信号に対応する音声を放音する。
【0019】
CPU10は、電子楽器2の全体の動作を制御するプロセッサである。また、CPU10は、DSP20に対する様々な設定の制御を行う。例えば、CPU10は、入力装置14(操作子)を用いて入力された様々なパラメータを、DSP20に設定する。また、CPU10は、ユーザ11による電子楽器2の操作を支援するため、ユーザ11の電子楽器2に対する操作の内容を示す操作情報をサーバ3へ送信する。電子楽器2において、サーバ3のネットワークアドレスは既知である。
【0020】
DSP20は、プログラムの実行によって、音声信号を生成、再生又は加工可能なプロセッサである。DSP20は、プログラムの実行によって、演奏子21の操作に応じて、DSP20に予め設定された各種のパラメータに基づく音声信号を生成し、D/A17に接続することができる。また、DSP20は、図示しない外部端子から入力された音声信号に対し、設定されたパラメータに従った効果付与処理を行い、効果付与後の音声信号をD/A17に接続することもできる。また、DSP20は、HDD13に記憶、あるいはネットワーク1から受信された音声データに基づく音声信号の再生処理を行い、再生された音声信号をD/A17に接続することもできる。
【0021】
<サーバ(クラウド)>
図3は、サーバ3の構成例を示す図である。サーバ3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)又はワークステーションなどの汎用の情報処理装置(コンピュータ)、或いはサーバマシンのような専用の情報処理装置を用いて構成することができる。サーバ3は、通信機能を有し、有線又は無線によりネットワーク1と接続可能である。
【0022】
図3において、サーバ3は、バス36を介して相互に接続された、処理部又は制御部(コントローラ)としてのプロセッサ31と、記憶装置32と、通信装置33と、入力装置34と、出力装置35とを含む。サーバ3は、1台のコンピュータから構成されてもよく、2台以上のコンピュータの集合(クラウド)であってもよい。
【0023】
記憶装置32は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、プログラム及びデータの記憶領域、プログラムの展開領域、プログラムの作業領域、及び通信データのバッファ領域などとして使用される。主記憶装置はRAM(Random Access Memory)、又はRAMとROM(Read Only Memory)との組み合わせで構成される。補助記憶装置は、データ及びプログラムの記憶領域として使用される。補助記憶装置として、例えば、ハードディスク、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ、及びEEPROM(Elect
rically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性記憶媒体を適用できる。
【0024】
通信装置33は、通信処理を行う回路であり、送信部及び受信部(通信部)として動作する。例えば、通信装置33は、ネットワークインタフェースカード(NIC)である。また、通信装置33は、無線通信(LTE、5G、無線LAN(Wi-Fi)、BLEな
ど)を行う無線通信回路であってもよい。また、通信装置23は、有線の通信処理を行う回路と、無線通信回路との双方を含んでいてもよい。
【0025】
入力装置34は、キー、ボタン、ポインティングデバイス、及びタッチパネル等を含み、情報の入力に使用される。入力装置34は、マイク(音声入力装置)を含んでいてもよい。出力装置35は、例えば液晶ディスプレイ、或いは有機ELディスプレイなどであり、情報及びデータを表示する。出力装置25は、プリンタ、あるいはスピーカ(音声出力装置)を含んでいてもよい。
【0026】
プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)などである。プロセッ
サ31は、記憶装置32に記憶された各種のプログラムを実行することによって、様々な処理を行う。
【0027】
本実施形態では、記憶装置32は、仮想マシン情報3Aと、データベース(DB)などを記憶している。仮想マシン情報3Aは、電子楽器2が有する操作子の識別子、各操作子の状態(設定パラメータ:ボタンのオン/オフ、つまみやスライダーの指す値など)を示す情報などを含む。各操作子の状態を示す情報は、電子楽器2の操作情報が受信される度に更新され、電子楽器2の各操作子の現在の状態が記憶される。DB3Bは、電子楽器2のマニュアル情報、電子楽器2の操作のチュートリアル情報、電子楽器2の操作に関してネットワーク1から検索された情報(検索結果情報)などを記憶している。
【0028】
マニュアル情報は、電子楽器2の電子マニュアルのデータを含む。チュートリアル情報は、例えば、1又は2以上のステップからなる電子楽器2の操作手順を説明するための情報である。プロセッサ31は、通信装置33で受信された電子楽器2からの操作情報に対応する情報(単に関連情報ともいう)を記憶装置32から読み出し、操作関連情報を生成して端末4へ送信する処理(制御)を行う。
【0029】
サーバ3において、電子楽器2及び端末4のネットワークアドレスは既知である。例えば、サーバ3は、記憶装置32にユーザの情報(ユーザ情報)を予め記憶するデータベース(ユーザDB)を記憶している。ユーザDBは、例えば、ユーザ11の個人情報(氏名、連絡先など)と、電子楽器2のネットワークアドレスを含む電子楽器2の情報と、端末4のネットワークアドレスを含む端末4の情報とを関連づけて記憶する。プロセッサ31は、ユーザ情報を用いて、操作関連情報の送信先(端末4)を割り出すことができる。
【0030】
操作関連情報は、電子楽器2の操作情報と、端末4の動作モードを示す情報とに対応する情報を含む。例えば、端末4の動作モードがチュートリアルモードである場合、操作情報に応じて、ユーザ11が操作すべき操作子と、その操作子の操作方法を示す情報が記憶装置32に記憶されたチュートリアル情報から読み出され、操作関連情報に含められる。また、操作関連情報は、端末4に対する指示を含む。指示は、記憶装置32から読み出された情報を表示する指示などを含む。
【0031】
<端末>
図4は、端末4の構成例を示す図である。端末4は、通信機能を有し、有線又は無線によりネットワーク1と接続可能である。端末4は、固定端末であっても、携帯端末であっ
てもよい。固定端末は、例えば、上述したPCやWSを含む。携帯端末は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などを含むスマートデバイスなどである。但し、携帯端末は、スマートデバイス以外であってもよい。
【0032】
端末4は、バス46を介して相互に接続された、処理部又は制御部(コントローラ)としてのプロセッサ41と、記憶装置42と、通信装置43と、入力装置44と、ディスプレイ45とを含む。
【0033】
プロセッサ41、記憶装置42、通信装置43、及び入力装置44は、プロセッサ31、記憶装置32、通信装置33及び入力装置34と同様のものを適用することができる。ディスプレイ45は、電子楽器2の表示装置より高性能であり、テキスト、図形や写真等の、画像、動画を表示可能である。画像や動画に応じて音声を出力することもできる。
【0034】
プロセッサ41は、記憶装置42に記憶されたプロセッサの実行によって、例えば、サーバ3から受信された操作関連情報に基づく画面をディスプレイ45に表示する処理(制御)を行う。
【0035】
なお、上述したプロセッサ31、41として、複数個のCPUを適用しても、マルチコア型のCPUを適用してもよい。CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)又はGPU(Graphical Processing Unit)のようなC
PU以外のプロセッサによって行われてもよい。また、CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、専用又は汎用の集積回路(ハードウェア)によって行われてもよい。集積回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはFPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む。或いは、CPUによって行われる処理の少なくとも一部が、プロセッサと集積回路との組み合わせにより実行されてもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラ(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、又はチップセットなどと呼ばれる。
【0036】
<電子楽器の処理例>
図5は、電子楽器2における処理例を示すフローチャートである。図5の処理は、例えば、CPU10によって行われる。図5の処理のトリガ(開始条件)は適宜設定可能である。ステップS001では、CPU10は、サーバ3とハンドシェイクを行い、通信回線を確立する。
【0037】
ステップS002では、CPU10は、ユーザ11の操作を待機し、ユーザ11の入力装置14(操作子)の操作を受け付ける。
【0038】
ステップS003では、CPU10は、受け付けた操作に対応する操作情報を生成する。操作情報は、ユーザ11が操作した操作子を示す情報と、操作子の状態を示す情報とを含む。操作子を示す情報は、操作したボタン、スライダー、つまみなどを特定する情報であり、操作子の状態を示す情報は、ボタンのおンオフ、ボタンの押された時間、スライダーまたはつまみの位置によって特定されるパラメータの値などである。
【0039】
ステップS004では、CPU10は、通信I/F16を用いて、操作情報をサーバ3へ送信する。
【0040】
ステップS005では、CPU10は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、電子楽器2の電源オフや、終了操作が行われている場合、処理を終了すると判定される場合には、処理がステップS006に進み、そうでない場合には、処理がステップS002に戻る。
【0041】
ステップS006では、CPU10は、サーバ3からの切断を含む終了処理を行い、図5の処理を終了する。
【0042】
<サーバの処理例>
図6は、サーバ3における処理例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、サーバ3のプロセッサ31によって行われる。ステップS101では、プロセッサ31は、電子楽器2及び端末4とのハンドシェイクを行う。例えば、プロセッサ31は、電子楽器2と端末4との一方からの接続要求を受けて、接続要求元とのハンドシェイクを行う。このとき、プロセッサ31は、接続要求元と紐付けられている電子楽器2及び端末4の他方を記憶装置32に記憶されたユーザ情報を用いて割り出し、通信装置33を用いて電子楽器2及び端末4の他方に接続要求を送信する。このようにして、サーバ3は、電子楽器2及び端末4と通信回線を確立する。
【0043】
ステップS102は、端末4のモード設定を行う。すなわち、プロセッサ31は、端末4から、端末4の動作モード(チュートリアルモード、マニュアルモード、検索モードのいずれか)を示す情報を受け付けて、端末4の動作モードを設定する。動作モードに応じて、記憶装置32に記憶された情報の参照先(アクセスするアドレス)が変更される。
【0044】
ステップS103では、プロセッサ31は、電子楽器2から操作情報を待機する状態となり、通信装置33が受信した電子楽器2からの操作情報を取得すると、処理をステップS104に進める。
【0045】
ステップS104では、プロセッサ31は、操作情報と、動作モードに対応する情報を記憶装置32から読み出す。例えば、動作モードがチュートリアルモードであれば、プロセッサ31は、記憶装置32に記憶されたチュートリアル情報を参照し、操作情報に対応する情報を記憶装置32から読み出す。また、動作モードがマニュアルモードであれば、プロセッサ31は、記憶装置32に記憶されたマニュアル情報を参照し、操作情報に関連するマニュアルのページなどの情報を記憶装置32から読み出す。また、動作モードが検索モードであれば、プロセッサ31は、記憶装置32のDBから操作情報に関連する情報を読み出す。あるいは、プロセッサ31は、検索エンジンとして動作し、操作情報に基づくインターネット検索を行い、その結果を取得する。
【0046】
ステップS105では、プロセッサ31は、通信装置33を用いて、ステップS104で取得した情報を含む関連情報を端末4へ送信する。
【0047】
ステップS106では、プロセッサ31は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、電子楽器2又は端末4から切断要求の受信などによって、処理を終了すると判定される場合には、処理がステップS107に進み、そうでない場合には、処理がステップS103に戻る。
【0048】
ステップS107では、プロセッサ31は、電子楽器2及び端末4との切断処理を含む終了処理を行い、図6の処理を終了する。
【0049】
<端末の処理例>
図7は、端末4における処理例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、端末4のプロセッサ41によって行われる。図7に示す処理は、ユーザ11が端末4を操作して、記憶装置42にインストールされている、電子楽器2の操作支援用のアプリケーションプログラム(アプリ)を起動させることによって開始してもよい。また、端末4がサーバ3から接続要求を受信し、アプリを起動させることによって開始してもよい。また、サ
ーバ3からの接続要求を通信装置43が受信した場合に、プロセッサ41が接続要求のポップアップ表示をディスプレイ45に表示し、ユーザ11にアプリの起動を促してもよい。なお、本実施形態では、端末4に電子楽器2の操作支援用のアプリがインストールされている場合を例示する。但し、端末4は、電子楽器2の操作支援用の様々な情報を含んだウェブページのデータ(画面データ)をサーバ3から受信し、ウェブページをディスプレイ45に表示するものであってもよい。
【0050】
ステップS201では、プロセッサ41は、サーバ3とのハンドシェイクを行う。このハンドシェイクは、サーバ3からの接続要求に応じて行うものでも、サーバ3へ接続要求を送信して行うものでもよい。
【0051】
ステップS202では、プロセッサ41は、モード設定処理を行う。例えば、プロセッサ41は、入力装置44及びディスプレイ45を用いてユーザ11が端末4の動作モードを選択するためのユーザインタフェース(UI)を提供する。プロセッサ41は、通信装置43を用いて、ユーザ11がUIを用いて選択した動作モードを示す情報をサーバ3に送信する。
【0052】
ステップS203では、プロセッサ41は、サーバ3からの関連情報を待ち受ける状態となる。関連情報が受信されたと判定される場合には、処理がステップS204に進む。
【0053】
ステップS204では、プロセッサ41は、関連情報を含む画面をディスプレイ45に表示する。関連情報の表現形式は、文字、記号、図形、画像、及び動画のいずれで表現されてもよい。関連情報を示す音声が画面とともに出力されてもよい。
【0054】
ステップS205では、プロセッサ41は、ステップS405で表示した画面に応じたユーザ11の入力の受け付けが必要か否かを判定する。受け付けが必要と判定される場合には、処理がステップS206に進み、そうでない場合には、処理がステップS203に進んで次の関連情報を待ち受ける。
【0055】
ステップS206では、プロセッサ41は、ユーザ11が画面を参照し、入力装置44を用いて入力した情報を受け付ける。
【0056】
ステップS207では、プロセッサ41は、通信装置43を用いて、受け付けた情報をサーバ3へ送信する。
【0057】
ステップS208では、プロセッサ41は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、ユーザ11の終了操作などによって、処理を終了すると判定される場合には、処理がステップS209に進み、そうでない場合には、処理がステップS203に戻る。
【0058】
ステップS209では、プロセッサ41は、サーバ3との切断処理を含む終了処理を行い、図7の処理を終了する。
【0059】
<動作例1>
図8~11は、動作例1の説明図である。図8において、電子楽器2は、操作子の一例として、つまみA及びBを有している。ユーザ11は、つまみA及びBの設定を知りたい場合には、電子楽器2の電源をオンにし、端末4のアプリを起動して、電子楽器2及び端末4をサーバ3と接続する。サーバ3は、仮想マシン情報3AとDB32を有する。仮想マシン情報3Aとして、電子楽器2が有するつまみA及びBの識別子及びこれらの状態を示す情報を含む。
【0060】
ユーザ11は、アプリの起動によってディスプレイ45に表示されるマニュアルボタン(MANUAL)、チュートリアルボタン(TUTORIAL)、検索ボタン(SEARCH)の何れかを押すことで、端末4の動作モードを選択することができる。例えば、チュートリアルボタンが押されると、チュートリアルモードを示す情報が端末4からサーバ3に送信され、サーバ3のプロセッサ31がチュートリアルモードに従った処理を行う。例えば、プロセッサ31は、電子楽器2から、つまみA及びBの現在の状態を示す操作情報(つまみAの設定値が4、つまみBの設定値が4)を取得する。プロセッサ31は、操作情報で仮想マシン情報3Aを更新する。これにより、つまみAの識別子“A”と、その状態“4”とが関連づけて記憶される。また、つまみBの識別子“B”と、その状態“4”とが関連づけて記憶される。また、プロセッサ31は、DB3Bから操作情報に対応する情報を読み出し、仮想マシン情報3Aの内容に従ったつまみA及びBの画像を表示する指示を含む関連情報を端末4に送信する。
【0061】
端末4では、プロセッサ41が、関連情報を受けて、チュートリアルに係る画面として、仮想マシン情報3Aに従ってそれぞれ値が4に設定されているつまみA及びBの画像をディスプレイ45に表示する。つまみA及びBの画像データは、予め端末4に記憶されていても、関連情報に含められて端末4に提供されてもよい。
【0062】
図9において、ユーザ11が電子楽器のつまみAを操作し、設定値を4から5に変更したと仮定する。すると、電子楽器2のCPU10は、このつまみAの設定値を5に変更したことを示す操作情報を生成し、サーバ3へ送信する。
【0063】
サーバ3では、プロセッサ31が、仮想マシン情報3Aに関して、つまみAの状態(設定値)を4から5に変更(更新)し、つまみAの設定値が5に変更されたことに関連する情報を記憶装置32のDB3Bから読み出し、仮想マシン情報3Aに基づくつまみAの設定値の変更を示す情報と、記憶装置32から読み出した情報を含む関連情報をサーバ3に送信する。
【0064】
端末4では、プロセッサ41が、関連情報に基づいて、ディスプレイ45に表示されているつまみAの画像の設定値を5に変更する。また、プロセッサ41は、つまみAの設定値が5に変更されたことに関連する情報をディスプレイ45に表示する。関連する情報は、例えば、インターネット検索などによって得られたつまみAの操作に関する情報などを含む。
【0065】
図10に示すように、つまみAの設定値が5に変更されたことに関連する情報として、つまみBの設定値を6に変更することを示す情報をプロセッサ31が記憶装置32から読み出し、当該情報を含む関連情報が端末4に送信されてもよい。このとき、関連情報には、操作子を特定する情報であるつまみBを示す情報と、操作子の操作方法を示す情報であるつまみBの設定値を6に変更することを示す情報を含む。
【0066】
端末4のプロセッサ41は、関連情報が受信されると、ディスプレイ45に、つまみAの設定値が5のときにはつまみBの設定値を6にすることを示す情報を表示する。また、プロセッサ41は、設定値が6にされたつまみBの画像を表示してもよい。
【0067】
図11に示すように、電子楽器2におけるつまみAの設定値が4から6に変更され、そのような操作情報がサーバ3に送信された場合、サーバ3のプロセッサ31は、仮想マシン情報3AのつまみAの状態を“6”に更新する。また、プロセッサ31は、操作情報に対応する情報として、つまみAの設置値を6ではなく5に設定し、さらにつまみBの設定値を6に設定することを促す情報をDB32から読み出し、当該情報を含む関連情報を生成し、端末4に送信する。このように、ユーザ3が誤った操作(つまみAを4から6に変
更)をした場合に、正しい操作に誘導することができる。
【0068】
図10又は図11に示すディスプレイ45の画面(チュートリアル画面)を参照したユーザ11は、図12に示すように、チュートリアル画面に従ってつまみAの設定値を5に設定し、つまみBの設定値を6に設定する。すると、そのような操作情報が電子楽器2からサーバ3に送信される。
【0069】
サーバ3では、プロセッサ31が、仮想マシン情報3AのつまみAの状態を“5”に更新するとともに、つまみBの状態を“6”に更新する。また、プロセッサ31は、操作情報に対応する情報をDB32から読み出し、チュートリアル画面において、設定値がそれぞれ5及び6に設定されたつまみA及びBの画像を表示し、且つチュートリアルが終了した旨を表示する指示を含む関連情報を生成し、端末4に送信する。
【0070】
端末4では、プロセッサ41が、関連情報に基づいて、つまみAが5に設定され、つまみBが6に設定された画像をディスプレイ45に表示する。また、チュートリアル終了の旨がディスプレイ45に表示される。このようにして、ユーザ11は、チュートリアルモードを用いて、つまみA及びBの適正な設定を行うことができる。
【0071】
<動作例2>
図13は、動作例2の説明図である。図13に示す例では、ユーザ11が端末4の操作により、端末4の動作モードとしてマニュアルモードを選択し、サーバ3がマニュアルモード時の処理を行う状態となっている。ユーザ11が、例えば、つまみAの設定値を5に設定し、つまみBの設定値を6に設定したことを示す操作情報がサーバ3に送信されたと仮定する。
【0072】
サーバ3では、プロセッサ31は、仮想マシン情報3Aに基づくつまみA及びBの状態を示す情報と、DB32から読み出した、電子楽器2の電子マニュアル中のつまみA及びつまみBに関する説明(電子マニュアル中の該当のページなど)の情報を含む関連情報を生成し、端末4に送信する。端末4では、プロセッサ41が、関連情報に基づいて、現在のつまみA及びBの設定内容“5”及び“6”を示す画像と、電子マニュアル中のつまみA及びBに関する説明を表示する。このように、マニュアルモードでは、ユーザ11は、操作中の操作子に関するマニュアル情報を端末4のディスプレイ45にて参照することができる。
【0073】
<動作例3>
図14は、動作例3の説明図である。図14に示す例では、ユーザ11が端末4の操作により、端末4の動作モードとして検索(SEARCH)モードを選択し、サーバ3が検索処理を行う状態となっている。ユーザ11が、例えば、つまみAの設定値を5に設定し、つまみBの設定値を6に設定したことを示す操作情報がサーバ3に送信されたと仮定する。
【0074】
サーバ3では、プロセッサ31は、仮想マシン情報3Aに記憶されているつまみA及びBの状態を“5”及び“6”に更新する。また、プロセッサ31は、検索エンジンとして動作し、操作情報に関するキーワード(予め記憶されている)を記憶装置32のDB32から抽出し、そのキーワードに関連する情報をネットワーク1から検索する。そして、検索結果を示す情報を含む関連情報を端末4に送信する。
【0075】
端末4では、プロセッサ41が、関連情報に含まれる検索結果を示す情報をディスプレイ45に表示する。このように、検索モードでは、ユーザ11は、操作中の操作子に関する情報の検索結果を端末4のディスプレイ45にて参照することができる。
【0076】
<動作例4>
図15A及び15B、図16図17A及び17B、図18図19図20A及び20B、図21、並びに図22A及び22Bは、動作例4の説明図である。図15Aには、動作例4に係る電子楽器2の一例として、シンセサイザの操作盤が図示されている。シンセサイザは、ピッチ、音量、音色などを設定するための複数の操作子(ボタン、つまみ、スライダーなど)を備えている。ユーザ11が操作子を操作することによって所望の音声信号(楽音)を生成することができる。
【0077】
図15Bに示すように、端末4では、予めインストールされた電子楽器2の操作支援用のアプリの実行によって、プロセッサ41がディスプレイ45にシンセサイザの操作盤の画像を表示するようになっている。また、ディスプレイ45には、マニュアルモード、チュートリアルモードなどの動作モードをユーザ11が選択するためのボタンが表示される。
【0078】
図16に示すように、ユーザ11がチュートリアルモードを選択すべく、チュートリアルボタンを押すと、端末4のプロセッサ41は、動作モードがチュートリアルモードであることを示す情報をサーバ3に送信する。また、プロセッサ41は、ディスプレイ45に、チュートリアルメニューのウィンドウを表示する。
【0079】
ウィンドウには、レベルと、レベルに対応する操作手順のシナリオ名とが表示される。レベルは、操作手順の複雑さ(手順数)を示し、手順数が容易な順でシナリオが並べられている。但し、操作手順のシナリオの数、及び複数のシナリオの並び順は適宜設定可能である。操作手順のシナリオは、1又は2以上のステップからなり、各ステップにおいて、1又は2以上の操作子の操作が指示される。図16の例では、レベル4のシナリオ(“Sync Lead”という名の音色を作る)がユーザ11によって選択された例を示す。
【0080】
シナリオの選択結果(レベル4)を示す情報は、サーバ3に送信される。サーバ3の記憶装置32には、チュートリアルの各シナリオのステップ毎に、操作情報に対応する情報が予め記憶されている。
【0081】
シナリオの選択結果を示す情報がサーバ3で受信されると、サーバ3のプロセッサ31は、シナリオにおける最初のステップ(ステップ1)に対応する画面の表示指示を含む関連情報を端末4に送信する。関連情報を受信した端末4のプロセッサ41は、表示指示に従って、ステップ1に係る画面をディスプレイ45に表示する。図17Aに示す例では、ステップ1において、電子楽器2の操作盤の右下(図17B参照)にあるプリセットボタンとユーザボタンとの双方を押すことを示すチュートリアル画面を表示する。チュートリアル画面では、プリセットボタン及びユーザボタンが拡大表示され、さらにこれらの双方を押すことを促す文字が表示される。
【0082】
図18に示すように、ユーザ11は、ステップ1に対応するチュートリアル画面に従って、電子楽器2のプリセットボタン及びユーザボタンの双方(初期化(イニシャライズ)ボタンとして機能する)を押すことができる。
【0083】
すると、電子楽器2のCPU10は、プリセットボタン及びユーザボタンの双方が押されたことを示す操作情報を生成し、サーバ3へ送信する。サーバ3では、プロセッサ31が、電子楽器2から受信された操作情報に対応する関連情報を生成し、端末4へ送信する。関連情報は、次のステップに対応するチュートリアル画面の表示指示を含む。なお、ステップ1において、操作情報が誤った操作であるとプロセッサ41が判定した場合には、操作のやり直しを求める画面の表示指示を端末4に送信し、端末4のプロセッサ41が表示指示に従ってやり直しを求める画面をディスプレイ45に表示する。
【0084】
図18には、正しい操作情報に応じた関連情報が端末4で受信され、プロセッサ41が次のステップ(ステップ2)におけるチュートリアル画面をディスプレイ45に表示した様子が図示されている。ステップ2のチュートリアル画面では、電子楽器2の操作盤の左上にあるつまみを拡大表示し、つまみの設定値を示す文字が表示される。なお、図18に示す例において、ステップ2におけるつまみ(操作子)は、オシレータ1の波形を設定するつまみであり、つまみの操作によって波形をノコギリ波“SAW”に設定することが指示されている。
【0085】
図19に示すように、ユーザ11がつまみの指す位置を“SAW”に合わせると、この操作に対応する操作情報がサーバ3に送信される。サーバ3は、操作情報に対応する関連情報として、電子楽器2を実際に演奏して音声(演奏音)をチェックすることを促す情報をチュートリアル画面に表示する。図19に示す例では、音声をチェックすることを促す情報は文字及び画像であるがこれらの少なくとも一方であってもよい。
【0086】
ユーザ11は、音声のチェックが終わると、チュートリアル画面に表示されたNEXTボタンを押す。すると、プロセッサ41は、図20Aに示すように、シナリオを次のステップに進める旨の信号(NEXT)をサーバ3へ送信する。サーバ3では、NEXT信号を受けて、次のステップに係るチュートリアル画面の表示指示を含む関連情報を端末4へ送信する。
【0087】
図20Aには、操作手順がステップ9まで進んだ場合のチュートリアル画面の例を図示する。このチュートリアル画面では、電子楽器2の操作盤の中段左側に位置するボタン(図20B参照)が拡大表示され、このボタンを2回押すことを促す情報が表示される。二回押すことにより、オシレータ2の出力がオシレータ1の出力に同期させることができる。
【0088】
図21に示すように、ユーザ11が該当のボタンを2回押すと、当該操作を示す操作情報がサーバ3に送信される。サーバ3は、操作情報が正しい操作を示すと判定する場合、操作情報に対応する関連情報を端末4へ送信する。
【0089】
端末4では、関連情報に含まれた指示に対応するチュートリアル画面を表示する。図21の例では、チュートリアル画面には、操作盤の中段左側にある“F.ENV”と呼ばれる、オシレータ1のエンベロープを調整するつまみの操作を促す情報が表示される。このとき、つまみの操作範囲を示す情報と、つまみを操作子ながら実際の演奏音を聞いて、つまみの調整を行うことを促す情報がチュートリアル画面に表示される。調整が済むと、ユーザ11は、チュートリアル画面に表示されたNEXTボタン(図示省略)を押す。すると、NEXT信号がサーバ3に送信される。
【0090】
すると、NEXT信号を受けたサーバ3が、次のステップのチュートリアル画面の表示指示を含む関連情報を端末4へ送信する。端末4は、例えば、図22Aに示すように、ユーザボタン、バンクボタン、及びパッチボタン(図22B参照)を用いて、ここまでのステップで設定した値をユーザ11が利用可能なバンクまたはパッチに保存することを促すチュートリアル画面をディスプレイ45に表示する。
【0091】
ユーザ11は、チュートリアルに従って設定したパラメータ群をバンクまたはパッチの情報として電子楽器2のHDD13に保存(記憶)することができる。このように、ユーザ11は、チュートリアルモードにて、各ステップに対応するチュートリアル画面を参照し、当該画面の指示に従って操作子を操作することで、複雑、あるいは難解な設定を容易に設定することが可能となる。特に、チュートリアル画面は、電子楽器2の表示装置15
では表現できない態様で、表示装置15の画面より詳細な情報を表示するので、電子楽器2が表示装置を持たない場合、簡易な(性能の低い)表示装置を有する場合であっても、適正な電子楽器2の操作をユーザ11が容易に行うことが可能となる。
【0092】
ユーザ11が普段用いているスマートフォンをチュートリアル画面(後述するマニュアル画面及び検索結果画面を含む)の表示用端末として使用することで、電子楽器2が高額なディスプレイを備えることを回避できる。また、ユーザ11がチュートリアル画面を参照するために、別途のディスプレイを購入する必要がない。端末4がマニュアルモードや検索モードで動作する場合には、端末4は、サーバ3からの関連情報に応じて表示されるマニュアル画面や検索結果画面の表示用端末として使用することができる。
【0093】
<実施形態の作用効果>
実施形態において、サーバ3(情報処理装置)は、プロセッサ31(制御部)を含む。サーバ3(プロセッサ31)は、電子楽器2の操作情報を電子楽器2から受信する。また、サーバ3(プロセッサ31)は、操作情報に対応する電子楽器2の操作関連情報を、電子楽器2と異なる(電子楽器2から独立した)電子楽器2のユーザ11の端末4へ送信する。これによって、電子楽器2が表示装置を有しない場合、及び性能の低い表示装置を有する場合であっても、電子楽器2の操作に係る情報を好適にユーザ11に提供することができる。
【0094】
また、サーバ3のプロセッサ31は、電子楽器2の操作手順を構成する1又は2以上のステップの夫々に対応する電子楽器2の操作関連情報を、操作情報又は端末4から受信された情報(NEXT情報など)に応じて端末4へ送信する。これによって、各ステップに対応するチュートリアル画面の表示指示を含む操作関連情報がサーバ3から端末4へ送信されることによって、各ステップのチュートリアル画面を端末4に表示させることができる。
【0095】
また、サーバ3のプロセッサ31は、1又は2以上のステップの夫々において操作する電子楽器2の操作子(入力装置44)と、操作子の操作方法とを表示する指示を含む操作関連情報を端末へ送信可能である。これによって、ユーザ11はチュートリアル画面の参照によって、操作対象の操作子と、その操作方法を容易に把握可能となる。
【0096】
また、サーバ3のプロセッサ31は、1又は2以上のステップの夫々において操作する操作子の現在の状態を表示する指示を含む操作関連情報を前記端末へ送信可能である。これによって、端末4の画面の参照で、電子楽器2の対象の操作子の現在の状態を把握することができる。
【0097】
また、サーバ3のプロセッサ31は、1又は2以上のステップの夫々において、操作子の正しい操作を示す操作情報が電子楽器2から受信することができる。この場合、サーバ3のプロセッサ31は、次のステップにおいて操作する操作子及び当該操作子の操作方法を表示する指示を含む操作関連情報を端末4へ送信することができる。サーバ3で操作の正しいことを確認しながら、手順を進めることができる。
【0098】
また、サーバ3のプロセッサ31は、1又は2以上のステップの夫々において、操作子の誤った操作を示す操作情報が電子楽器2から受信する場合がある。この場合、プロセッサ31は、操作の誤りを示す情報を表示する指示を含む操作関連情報を端末4へ送信可能である。これによって、ユーザ11に操作の誤りを知らせることができ、再操作を促すことができる。
【0099】
また、サーバ3のプロセッサ31は、操作情報に対応する操作マニュアル(マニュアル
情報)を表示する指示を含む操作関連情報を端末4へ送信する。このように、マニュアルモードにおいて、ユーザ11は、電子楽器2の対象の操作子に関するマニュアル情報を端末4に表示させて参照することができる。
【0100】
また、サーバ3のプロセッサ31は、操作情報を用いた情報検索の結果を端末4へ送信することができる。これによって、検索モードにおいて、ユーザ11は、電子楽器の対象の操作子に関する情報をインターネット検索等によって得た結果を端末4のディスプレイ45に表示させて参照することができる。
【0101】
また、ユーザ11の端末4は、プロセッサ41(制御部)を備える。端末4は、電子楽器2の操作情報を電子楽器2から受信するサーバ3(情報処理装置)から、操作情報に対応する電子楽器2の操作関連情報を受信することができる。また、端末4は、操作関連情報に基づく情報をディスプレイ45(表示装置)に表示することができる。これによって、ユーザ11に対し、電子楽器2の操作に好適な情報を提供することができる。
【0102】
また、端末4のプロセッサ41は、電子楽器2の操作手順を構成する1又は2以上のステップの夫々に対応する電子楽器2の操作関連情報に基づく情報をディスプレイ45に表示してもよい。
【0103】
また、端末4のプロセッサ41は、操作関連情報に基づいて、1又は2以上のステップの夫々において操作する電子楽器2の操作子と、操作子の操作方法とをディスプレイ45に表示してもよい。
【0104】
また、端末4のプロセッサ41は、操作関連情報に基づいて、1又は2以上のステップの夫々において操作する操作子の現在の状態をディスプレイ45に表示してもよい。
【0105】
また、端末4のプロセッサ41は、1又は2以上のステップの夫々において、操作子の正しい操作を示す操作情報を受信したサーバ3から送信される操作関連情報に基づいて、次のステップにおいて操作する操作子及び当該操作子の操作方法をディスプレイ45に表示してもよい。
【0106】
また、端末4のプロセッサ41は、1又は2以上のステップの夫々において、操作子の誤った操作を示す操作情報を受信したサーバ3から送信される操作関連情報に基づいて、操作の誤りを示す情報をディスプレイ45に表示装置に表示してもよい。実施形態にて示した構成は、目的を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0107】
2・・・電子楽器
3・・・サーバ(情報処理装置)
4・・・端末
10・・・CPU
31,41・・・プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22