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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096823
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】活動量算出装置及び活動量算出方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/22 20060101AFI20230630BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20230630BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
A61B5/22 100
A63B71/06 J
A63B69/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212834
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沖野(佐野) 佑子
(72)【発明者】
【氏名】中嶌 亜希子
(57)【要約】
【課題】ユーザの動画に基づいて、ユーザの身体活動を評価するためのパラメータである活動量を算出できる活動量算出装置及び活動量算出方法を提供する。
【解決手段】活動量算出装置は、計算対象期間のユーザの撮像動画に基づいて取得された運動状態にある計算基準関節点のそれぞれについて、計算対象期間における関節点の周囲の対応身体部位の運動時筋パワーを算出し、運動時筋パワーの合計の計算対象期間の積分値を運動時消費エネルギーとして算出し、運動時消費エネルギーに基づいて、全身消費エネルギーを算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの撮像動画に基づくデータを処理する情報処理装置を含む活動量算出装置であって、
前記情報処理装置は、
計算対象期間の前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、複数の関節点の中の複数の計算基準関節点のそれぞれの角速度を算出し、
運動状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、
前記関節点の周囲の対応身体部位の推定質量に重力加速度を乗じた前記対応身体部位に作用する推定重力の回転方向の成分に、前記計算基準関節点と前記対応身体部位の重心との間の長さであるトルクアーム長を乗じることにより、トルクを算出するトルク算出と、算出した前記トルクと、前記回転方向の前記角速度とを乗じることにより、前記計算対象期間における前記関節点の周囲の前記対応身体部位の運動時筋パワーを算出する運動時筋パワー算出とを行い、
前記運動時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身運動時消費エネルギーとして算出し、
少なくとも前記全身運動時消費エネルギーに基づいて、全身消費エネルギーを算出し、
前記全身消費エネルギー及び前記全身消費エネルギーから導出されるパラメータの少なくとも一つを、前記ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量として算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
静止状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、
前記トルク算出と、算出した前記トルクと所定の係数とを乗じることにより、前記関節点の周囲の前記対応身体部位の静止時筋パワーを算出する静止時筋パワー算出とを行い、
前記静止時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身静止時消費エネルギーとして算出し、
前記全身運動時消費エネルギーと前記全身静止時消費エネルギーとを合算することにより、前記全身消費エネルギーを算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
複数の前記関節点のうちの、代表となる1又は複数の前記関節点である代表関節点の加速度に基づいて、前記計算対象期間の加速度基準の全身加速度基準消費エネルギーを更に算出し、
前記全身運動時消費エネルギーと前記全身加速度基準消費エネルギーとを合算することにより、前記全身消費エネルギーを算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
静止状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、
前記トルク算出と、算出した前記トルクと所定の係数とを乗じることにより、前記関節点の周囲の前記対応身体部位の静止時筋パワーを算出する静止時筋パワー算出とを行い、
前記静止時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身静止時消費エネルギーとして算出し、
複数の前記関節点のうちの、代表となる1又は複数の前記関節点である代表関節点の加速度に基づいて、前記計算対象期間の加速度基準の全身加速度基準消費エネルギーを更に算出し、
前記全身運動時消費エネルギーと前記全身静止時消費エネルギーと前記全身加速度基準消費エネルギーとを合算することにより、前記全身消費エネルギーを算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
前記全身消費エネルギーに、第1換算係数を乗じることにより、前記全身消費エネルギーを全身消費カロリーに変換し、
前記全身消費カロリーを、第2換算係数と前記計算対象期間に対応する時間と前記ユーザの体重とを乗じた値により除した値に対して、「1」を加算することにより、
前記全身消費エネルギーから導出されるパラメータとして、メッツを算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
複数の前記関節点のうちの、前記ユーザの体幹筋に対応する前記関節点のみを、前記計算基準関節点とする、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項7】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、前記ユーザの身長を取得し、
予め設定された基準質量に、前記ユーザの身長を予め設定された基準身長により除した値の3乗の値である比率を乗じることにより、前記対応身体部位の前記推定質量を算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、前記ユーザの身長を取得し、
予め設定された基準トルクアーム長に、前記ユーザの身長を予め設定された基準身長により除した値である比率を乗じることにより、前記トルクアーム長を算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項9】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、前記撮像動画に基づき前記ユーザの輪郭の面積を取得し、
予め設定された基準質量に、前記ユーザの輪郭の面積を予め設定された基準面積により除した値の2乗の値である比率を乗じることにより、前記対応身体部位の前記推定質量を算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項10】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
前記ユーザが器具を使用している場合、前記対応身体部位の推定質量に代えて、前記ユーザが使用している器具の質量を前記対応身体部位の推定質量に加算した質量を使用して、前記活動量を算出する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項11】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
所定のキャリブレーション測定期間において、
前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、前記活動量の算出と同様にして算出したキャリブレーション用活動量と、前記ユーザの運動を活動量計によって測定した場合の活動量計測定活動量とを取得し、
前記キャリブレーション用活動量と、前記活動量計測定活動量とに基づいて、補正値を算出し、
前記活動量に前記補正値を適用することにより、前記活動量をキャリブレーションする、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項12】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、
所定のキャリブレーション測定期間において、
前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、前記活動量の算出と同様にして算出したキャリブレーション用活動量と、前記ユーザの心拍数に基づいて測定した場合の心拍数基準活動量とを取得し、
前記キャリブレーション用活動量と、前記心拍数基準活動量とに基づいて、補正値を算出し、
前記活動量に前記補正値を適用することにより、前記活動量をキャリブレーションする、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項13】
請求項1に記載の活動量算出装置において、
前記情報処理装置は、外部の撮像装置を備えた端末装置から通信によって前記ユーザの前記撮像動画又は前記ユーザの骨格データを取得し、
前記ユーザの前記撮像動画又は前記骨格データに基づいて前記活動量を算出し、
算出した前記活動量を前記端末装置に送信する、
ように構成された、
活動量算出装置。
【請求項14】
ユーザの撮像動画に基づくデータを処理する情報処理装置を用いた活動量算出方法であって、
前記情報処理装置によって、
計算対象期間の前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、複数の関節点の中の複数の計算基準関節点のそれぞれの角速度を算出し、
運動状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、
前記関節点の周囲の対応身体部位の推定質量に重力加速度を乗じた前記対応身体部位に作用する推定重力の回転方向の成分に、前記計算基準関節点と前記対応身体部位の重心との間の長さであるトルクアーム長を乗じることにより、トルクを算出するトルク算出と、算出した前記トルクと、前記回転方向の前記角速度とを乗じることにより、前記計算対象期間における前記関節点の周囲の前記対応身体部位の運動時筋パワーを算出する運動時筋パワー算出とを行い、
前記運動時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身運動時消費エネルギーとして算出し、
少なくとも前記全身運動時消費エネルギーに基づいて、全身消費エネルギーを算出し、
前記全身消費エネルギー及び前記全身消費エネルギーから導出されるパラメータの少なくとも一つを、前記ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量として算出する、
活動量算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動量算出装置及び活動量算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体活動とは、安静にしている状態よりも多くエネルギーを消費する全ての動きのことをいい、身体活動を定量化(数値化)した身体活動量(以下、「活動量」と称呼される。)を測定する手法には、様々な方法がある。日常生活の活動量を評価(測定)するために、近年、歩数計や活動量計など、身体に装着して用いられる小型デバイスによって、活動量を測定することが行われている。活動量は、エネルギー消費量(消費エネルギー)、メッツ、エクササイズ(メッツ×運動時間)、消費カロリー等の身体活動を定量化したパラメータで表すことができる。
【0003】
一方で、このような小型デバイスを装着しなくても、活動量を算出するために、ユーザを撮像した画像を利用することが検討されている。例えば、特許文献1は、被験者(ユーザ)の3次元的な姿勢を計測する距離画像カメラで計測したデータから被験者(ユーザ)の筋活動量を推定する筋活動可視化システム(以下、「従来システム」と称呼される。)を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-86184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来システムは、各筋活動量の推定にとどまり、ユーザの活動量を測定することができない。本発明は上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、ユーザの動画に基づいて、ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出できる活動量算出装置及び活動量算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の活動量算出装置は、ユーザの撮像動画に基づくデータを処理する情報処理装置を含む活動量算出装置であって、前記情報処理装置は、計算対象期間の前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、複数の関節点の中の複数の計算基準関節点のそれぞれの角速度を算出し、運動状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、前記関節点の周囲の対応身体部位の推定質量に重力加速度を乗じた前記対応身体部位に作用する推定重力の回転方向の成分に、前記計算基準関節点と前記対応身体部位の重心との間の長さであるトルクアーム長を乗じることにより、トルクを算出するトルク算出と、算出した前記トルクと、前記回転方向の前記角速度とを乗じることにより、前記計算対象期間における前記関節点の周囲の前記対応身体部位の運動時筋パワーを算出する運動時筋パワー算出とを行い、前記運動時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身運動時消費エネルギーとして算出し、少なくとも前記全身運動時消費エネルギーに基づいて、全身消費エネルギーを算出し、前記全身消費エネルギー及び前記全身消費エネルギーから導出されるパラメータの少なくとも一つを、前記ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量として算出する、ように構成されている。
【0007】
本発明の活動量算出方法は、ユーザの撮像動画に基づくデータを処理する情報処理装置を用いた活動量算出方法であって、前記情報処理装置によって、計算対象期間の前記ユーザの撮像動画に基づいて取得された前記ユーザの骨格データに基づいて、複数の関節点の中の複数の計算基準関節点のそれぞれの角速度を算出し、運動状態にある前記計算基準関節点のそれぞれについて、前記関節点の周囲の対応身体部位の推定質量に重力加速度を乗じた前記対応身体部位に作用する推定重力の回転方向の成分に、前記計算基準関節点と前記対応身体部位の重心との間の長さであるトルクアーム長を乗じることにより、トルクを算出するトルク算出と、算出した前記トルクと、前記回転方向の前記角速度とを乗じることにより、前記計算対象期間における前記関節点の周囲の前記対応身体部位の運動時筋パワーを算出する運動時筋パワー算出とを行い、前記運動時筋パワーの合計の前記計算対象期間の積分値を全身運動時消費エネルギーとして算出し、少なくとも前記全身運動時消費エネルギーに基づいて、全身消費エネルギーを算出し、前記全身消費エネルギー及び前記全身消費エネルギーから導出されるパラメータの少なくとも一つを、前記ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量として算出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの動画に基づいて、ユーザの身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る活動量算出装置を含むシステムの概略構成例を示す概略図である。
図2図2は活動量算出装置の具体的な構成例を示すブロック図である。
図3図3はユーザ情報を説明するための図である。
図4図4は運動メニューデータを説明するための図である。
図5図5は骨格データを画像で表した図である。
図6図6は結果データを説明するための図である。
図7図7は端末装置の具体的な構成例を示すブロック図である。
図8図8は端末装置に表示されるGUI画面の一例を示す図である。
図9図9は活動量算出装置が実行する処理フローを示すフローチャートである。
図10図10は関節点にかかるトルクの算出方法及び角速度の算出方法を説明するための図である。
図11A図11Aは計算式を説明するための図である。
図11B図11Bは計算式を説明するための図である。
図12図12は計測画面の一例を示す図である。
図13図13は結果画面の一例を示す図である。
図14図14は今週分活動量提示画面の一例を示す図である。
図15図15は運動メニュー(腹筋)の開始時刻tsからある時刻t2までの期間の腰中心についての関節トルク、角速度、運動時筋パワー及び静止時筋パワーの時系列データの一例を説明するための図である。
図16図16は計算式を説明するための図である。
図17図17は本発明の第2実施形態に係る活動量算出装置が実行する処理フローを示すフローチャートである。
図18図18は本発明の第3実施形態に係る活動量算出装置が実行する処理フローを示すフローチャートである。
図19図19は計算式を説明するための図である。
図20図20は本発明の第4実施形態に係る活動量算出装置が実行する処理フローを示すフローチャートである。
図21図21は計算式を説明するための図である。
図22図22は体幹筋に対応する計算基準関節点を説明するための図である。
図23図23は活動量算出方法設定画面の一例を示す図である。
図24図24は対応身体部位の質量(推定質量)及びトルクアーム長の計算方法の一例を説明するための図である。
図25図25は対応身体部位の質量(推定質量)の計算方法の一例を説明するための図である。
図26図26は応用例としての活動量算出装置を含むシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「テーブル」、「行」、「レコード」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されてもよい。更に、以下の説明では、識別情報について説明する際、「識別番号」、「識別情報」、「名称」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能であり、更に、識別情報は、これら以外の表現を用いてもよい。
【0011】
<<第1実施形態>>
<構成>
図1は本発明の第1実施形態に係る活動量算出装置100を含むシステムの概略構成例を示す概略図である。図1に示すように、システムは、活動量算出装置100と、端末装置200とを含む。本例では、端末装置200は、例えば、撮像装置を備えたタブレット型端末装置であり、ユーザUs1に運動を教示するための画像(動画)を表示すると共に、ユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量(身体活動量)を計測するために必要な画像(運動実施動画)を取得する運動教示・計測装置として機能する。活動量算出装置100と、端末装置200とは、ネットワークNW1を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0012】
なお、活動量は、上述したように、ユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータであり、全身消費エネルギーE、メッツA(METs)、エクササイズAw、全身消費カロリーEc等である。
【0013】
全身消費エネルギーEは、ユーザUs1の身体活動によって消費されるエネルギーをジュール単位で表したパラメータ(指標)である。
【0014】
全身消費カロリーEcは、ユーザUs1の身体活動によって消費されるエネルギーをカロリー(キロカロリー)単位で表したパラメータ(指標)である。
【0015】
メッツAは、座って安静にしている状態を基準とした身体活動の強さを表すパラメータ(指標)であり、メッツ(METs)と称呼される単位によって表される。
【0016】
エクササイズAwは、メッツAと運動時間との積であり、身体活動の量を表すパラメータ(指標)であり、「メッツ・時間(hour)」で表される。
【0017】
これらは、周知の換算式により互いに換算することが可能である。全身消費カロリーEc、メッツA及びエクササイズAw等は、全身消費エネルギーEから導出することができ、便宜上、「全身消費エネルギーEから導出されるパラメータ」とも称呼される。
【0018】
図2は活動量算出装置100の具体的な構成例を示すブロック図である。図2に示すように、活動量算出装置100は、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置110と、プロセッサ120(例えば、CPU)と、メモリ130(例えば、RAM)と、入力インターフェース140と、出力インターフェース150と、通信インターフェース160と、を含む。これらは、バス170を介して接続されている。記憶装置110、プロセッサ120、メモリ130、入力インターフェース140、出力インターフェース150及び通信インターフェース160等を接続するバス170を含む装置は、便宜上、「情報処理装置」とも称呼される。情報処理装置は、複数の情報処理装置やクラウド上に構築される仮想的な情報処理装置であってもよい。
【0019】
記憶装置110は、データベース111を保持(記憶、格納)している。データベース111は、ユーザ情報112、運動メニューデータ113、骨格データ114、動作静止判定データ115、活動量データ116及び結果データ117を含む。なお、データベース111に格納されているこれらのデータの詳細は詳述する。
【0020】
プロセッサ120は、データ処理部121として動作する。データ処理部121は、ユーザ情報管理部122、運動メニュー指示部123、骨格データ抽出部124、動作静止判定部125、活動量算出部126及び結果処理部127を含む。
【0021】
ユーザ情報管理部122は、ユーザ情報登録処理を実行することによって、データベース111に格納されたユーザ情報112を更新(登録)する。ユーザ情報管理部122は、ユーザ情報112を参照する。なお、ユーザ情報登録処理の詳細は、後述する。
【0022】
運動メニュー指示部123は、データベース111に格納された運動メニューデータ113を参照し、端末装置200に運動メニュー及び運動教示動画を提供(指示)する。
【0023】
骨格データ抽出部124は、端末装置200によって撮像されたユーザUs1の運動実施動画に基づいて骨格データ114を抽出し、骨格データ114をデータベース111に格納する。
【0024】
動作静止判定部125は、骨格データ114に基づいて、ユーザUs1の各関節点(関節)が運動状態及び静止状態の何れにあるか否かを示す動作静止判定データ115をデータベース111に格納する。
【0025】
活動量算出部126は、後述する活動量算出処理を実行することによって、骨格データ114及び動作静止判定データ115に基づき、活動量データ116を算出し、活動量データ116をデータベース111に格納する。結果処理部127は、骨格データ114及び活動量データ116に基づき、結果データ117を算出し、結果データ117をデータベース111に格納する。
【0026】
プロセッサ120は、記憶装置110に格納されたプログラムをメモリ130にロードする。プロセッサ120は、メモリ130にロードされたプログラムを実行することによって、データ処理部121(ユーザ情報管理部122、運動メニュー指示部123、骨格データ抽出部124、動作静止判定部125、活動量算出部126及び結果処理部127)の各種機能を実現する。
【0027】
入力インターフェース140は、キーボード及びマウス等の操作デバイス等を接続するためのインターフェースである。
【0028】
出力インターフェース150は、表示装置(ディスプレイ)等を接続するためのインターフェースである。
【0029】
通信インターフェース160は、活動量算出装置100をネットワークNW1に接続するためのインターフェースである。
【0030】
上述したユーザ情報112、運動メニューデータ113、骨格データ114、動作静止判定データ115、活動量データ116及び結果データ117の詳細について説明する。
【0031】
ユーザ情報112は、個人の属性値、利用履歴情報、ユーザ設定情報等を有する。図3はテーブルで表されたユーザ情報112を説明するための図である。図3に示すように、ユーザ情報112は、情報(値)を格納する列(カラム)として、ユーザID112a、施設ID112b、施設内ユーザID112c、性別112d、年齢112e、身長112f、体重112g、運動習慣112h、運動意識112i、肩こり112j、腰痛112k及び履歴情報112lを含む。ユーザ情報112には、ユーザUs1に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、一つの行単位の情報(レコード)として、格納される。
【0032】
具体的に述べると、ユーザID112aには、ユーザUs1を識別するための識別番号が格納される。施設ID112bには、施設を識別するための識別情報が格納される。施設内ユーザID112cには、施設内のユーザUs1を識別するための識別番号が格納される。性別112dには、ユーザUs1の性別を示す情報(男性又は女性)が格納される。年齢112eには、ユーザUs1の年齢を示す情報が格納される。身長112fには、ユーザUs1の身長を示す情報が格納される。体重112gには、ユーザUs1の体重を示す情報が格納される、
運動習慣112hには、運動の頻度を表す情報が格納される。運動意識112iには、運動意識を表す情報が格納される。肩こり112jには、肩こりがあるかないかを示す情報が格納される。腰痛112kには、腰痛があるかないかを示す情報が格納される。履歴情報112lには、ユーザUs1の運動履歴情報が格納される。運動履歴情報は、ユーザUs1の運動履歴の識別情報、運動内容(運動メニューデータ、運動時実施時間データ、骨格データ及び活動量データ等)を含む。
【0033】
図4はテーブルで表された運動メニューデータ113を説明するための図である。図4に示すように、運動メニューデータ113は、情報(値)を格納する列(カラム)として、運動ID113a、運動名称113b及び運動教示動画113cを含む。運動メニューデータ113には、運動メニューに関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、一つの行単位の情報(レコード)として、格納される。具体的に述べると、運動ID113aには、運動メニューを識別するための識別情報が格納される。運動名称113bには、運動メニューで実行される運動の名称が格納される。運動教示動画113cには、運動教示動画が格納される。
【0034】
骨格データ114は、ユーザUs1の画像に基づいて抽出(認識)されるユーザUs1の骨格及び関節(関節点)等に関する情報である。図5はある時刻での骨格データ114を画像で表した図である。ある時刻での骨格データ114は、ユーザUs1を撮像した画像(動画)に基づいて取得(抽出)されたユーザUs1の骨格及び関節等を表す情報(例えば、線L10で表された骨格の位置情報、黒点Ptで表された各関節点Jiの位置情報、身体の輪郭を示す位置情報等)を含む。各関節点は、これらを特に区別する必要がない場合、「関節点Ji」と称呼される。各関節点Jiにかかる後述の関節トルクTiを算出するときに定義される各対応身体部位は、これらを特に区別する必要がない場合、「対応身体部位BJi」と称呼される。なお、位置情報は、例えば、所定の3次元座標空間におけるxyz座標(値)(=x、y、z)で表される。所定時間が経過する毎にある時刻の骨格データ114が取得され、時系列データとしての骨格データ114が、データベース111に格納される。
【0035】
動作静止判定データ115は、各関節点Jiが運動状態及び静止状態の何れの状態であるかを示す情報である。例えば、関節点Jiの角速度wiが「ゼロ」ではない場合、動作静止判定部125によって、その関節点Jiは、運動状態であると判定される。関節点Jiの角速度wiが「ゼロ」である場合、動作静止判定部125によって、その関節点Jiは静止状態であると判定される。なお、関節点Jiの角速度wiの絶対値が所定の閾値以上である場合、動作静止判定部125によって、その関節点Jiは運動状態であると判定され、関節点Jiの角速度wiの絶対値が所定の閾値より小さい場合、動作静止判定部125によって、その関節点Jiは静止状態であると判定されるようにしてもよい。
【0036】
活動量データ116は、後述の所定時間が経過する毎に実行される活動量算出処理において、活動量の算出に必要なデータ及び算出した活動量等を含む。具体的には、例えば、活動量データ116は、以下の情報を含む。
・骨格データに基づく各計算基準関節点JiにかかるトルクTi(「関節トルクTi」とも称呼される。)
なお、本例において、計算基準関節点Jiは、曲がる関節点Ji(関節)である右肘、右肩、左肩、左肘、肩中心、背中、腰中心、右腰、左腰、右膝及び左膝である。
・各計算基準関節点Jiの角速度wi
なお、角速度wiは時計回り回転方向を正とし、反時計周り回転方向を負として定義されている。
・各計算基準関節点Jiに対応する下記の対応身体部位BJiの質量(推定質量)
・右肘:右肘から右手の先端までの間の部位
・左肘:左肘から左手の先端までの間の部位
・右肩:右肩から右手の先端までの間の部位
・左肩:左肩から左手の先端までの間の部位
・肩中心:頭部
・背中:背中から腰中心までの間の部位
・腰中心:下半身及び上半身
・右腰:左下半身
・左腰:右下半身
・右膝:右膝から右足の先端までの部位
・左膝:左膝から左足の先端までの間の部位
・各対応身体部位BJiの重心位置
・各計算基準関節点Jiについての、計算基準関節点Jiから対応身体部位BJiの重心位置までの間のトルクアーム長Li
・各計算基準関節点Jiに対応する対応身体部位BJiの筋肉の筋パワー(運動時筋パワー)
・全身運動時消費エネルギーEm
・全身消費エネルギーE
・全身消費エネルギーEから導出されるパラメータ(メッツA、全身消費カロリーEc、エクササイズAw等)
なお、これらのパラメータの詳細は、後述する。
【0037】
図6はテーブルで表された結果データ117を説明するための図である。図6に示すように、結果データ117は、第1結果データ117a及び第2結果データ117bを含む。これらは、活動量データ116等に基づいて作成される。
【0038】
第1結果データ117aは、情報(値)を格納する列(カラム)として、運動ID117a1、運動名称117a2及び関節117a6を含む。関節117a6は、肩中心117a3、右肩117a4及び右膝117a5等を含む。
【0039】
第1結果データ117aには、運動結果に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて、一つの行単位の情報(レコード)として、格納される。具体的に述べると、運動ID117a1には、運動を識別するための識別情報が格納される。運動名称117a2には、運動(運動メニュー)の名称が格納される。関節117a6は、情報(値)を格納する列(カラム)として、肩中心117a3、右肩117a4及び右膝117a5等を含む。関節117a6に含まれる各列(カラム)には、ユーザUs1が対応する運動メニューを実施した場合の各計算基準関節点Ji毎の活動量(本例において、エクササイズAw)が格納される。なお、第1結果データ117aには、エクササイズAw以外の活動量が格納されていてもよい。
【0040】
第2結果データ117bは、情報(値)を格納する列(カラム)として、実施日時117b1、運動ID117b2、運動名称117b3、時間117b4及び活動量117b5を含む。第2結果データ117bには、運動結果に関する各列に対応する情報が互いに対応付けられて格納される。具体的述べると、実施日時117b1には、運動メニューを実施した日時が格納される。運動ID117b2には、運動を識別するための識別情報が格納される。運動名称117b3には、運動(運動メニュー)の名称が格納される。時間117b4は、対応する運動メニューの実施時間が格納される。活動量117b5には、対応する運動メニューを実施した結果、算出された活動量(本例において、エクササイズAw)が格納される。なお、第2結果データ117bには、エクササイズAw以外の活動量が格納されていてもよい。
【0041】
図7は端末装置200の具体的な構成例を示すブロック図である。図7に示すように、端末装置200は、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置210と、メモリ220(例えば、RAM)と、プロセッサ230と、カメラ240と、表示機器250と、通信インターフェース260と、を含む。これらはバス270によって接続されている。
【0042】
プロセッサ230は、運動アプリ実行部231及び計測部232として動作する。運動アプリ実行部231は、運動メニューを表示画面251に表示する運動メニュー提示、運動教示動画を再生する運動教示動画再生、運動実施動画を記録する(記憶装置210に記憶する)運動実施動画記録、骨格データ114を表す画像を表示画面251に表示する骨格データ提示及び活動量データに基づく結果データ117を表示画面251に表示する活動量データ提示等を実行する。
【0043】
計測部232は、運動動画計測部232aを含む。運動動画計測部232aは、カメラ240によって取得された(撮像された)ユーザの運動動画(運動実施動画)を取得する。更に、運動動画計測部232aは、カメラ240によって取得された運動実施動画を記憶装置210に記憶する。更に、運動動画計測部232aは、カメラ240によって取得された運動実施動画を活動量算出装置100に送信する。
【0044】
プロセッサ230は、記憶装置210に格納されたプログラム(不図示)をメモリ220にロードする。プロセッサ230は、メモリ220にロードされたプログラムを実行することによって、運動アプリ実行部231及び計測部232(運動動画計測部232a)の各種機能を実現する。
【0045】
記憶装置210は、運動アプリ実行部231が各処理を実行するときに使用するデータ211等を保持(記憶、格納)している。データ211は、運動メニューデータ、運動教示動画データ、運動実施動画データ、骨格データ及び活動量データを含む。これらは、プロセッサ230及び活動量算出装置100から送信される。カメラ240は、動画を撮像可能な撮像装置であり、カメラ240の撮像範囲内に存在するユーザUs1を撮像(撮影)する。表示機器250は、表示画面251及びタッチセンサ252を含む。表示機器250の一例は、例えば、タッチパネルである。通信インターフェース260は、端末装置200をネットワークNW1に接続するためのインターフェースである。
【0046】
<活動量算出装置100の作動>
活動量算出装置100の作動について説明する。活動量算出装置100は、ユーザ情報登録処理と、活動量算出サービス処理と、を実行する。
【0047】
(ユーザ情報登録処理)
ユーザ情報登録処理について説明する。ユーザUs1は、活動量算出サービスの提供を受けるにあたり、端末装置200を介して活動量算出装置100にユーザ情報を登録する。活動量算出装置100は、ユーザ情報を登録するときに使用されるGUI(Graphical User Interface)としてGUI画面を端末装置200の表示機器250の表示画面251に表示する。図8は端末装置200に表示されるGUI画面の一例を示す。
【0048】
端末装置200は、GUI画面として、表示機器250の表示画面251に被験者登録画面GM10を表示する。ユーザUs1は、操作装置(本例では、表示画面251及びタッチセンサ252を含むタッチパネル)を介して、被験者登録画面GM10を操作する(被験者登録画面GM10に情報を入力する。)。
【0049】
被験者登録画面GM10は、ユーザID入力欄801、施設ID入力欄802、施設内ユーザID入力欄803、性別入力欄804、年齢入力欄805、運動習慣入力欄806、運動意識入力欄807、肩こり入力欄808、腰痛入力欄809、身長入力欄810、体重入力欄811、第1プルダウンボタン812、第2プルダウンボタン813、第3プルダウンボタン814、第4プルダウンボタン815、第5プルダウンボタン816、第6プルダウンボタン817、第7プルダウンボタン818、第8プルダウンボタン819及び登録ボタンBt11を含む。
【0050】
なお、ユーザID入力欄801、施設ID入力欄802、施設内ユーザID入力欄803、性別入力欄804、年齢入力欄805、運動習慣入力欄806、運動意識入力欄807、肩こり入力欄808、腰痛入力欄809、身長入力欄810及び体重入力欄811は、これらを特に区別する必要がない場合、「入力欄」と称呼される。第1プルダウンボタン812、第2プルダウンボタン813、第3プルダウンボタン814、第4プルダウンボタン815、第5プルダウンボタン816、第6プルダウンボタン817、第7プルダウンボタン818及び第8プルダウンボタン819は、これらを特に区別する必要がない場合、「プルダウンボタン」と称呼される。プルダウンボタンが操作されると、入力欄に入力される情報の選択肢を示すプルダウンリスト(不図示)が表示される。情報の選択肢が選択されることにより、入力欄に情報が入力される。
【0051】
ユーザID入力欄801には、ユーザIDが入力される。本例では、ユーザIDとして「0001」が入力されている。施設ID入力欄802には、施設ID(識別情報(名称))が入力される。本例では、施設IDとして、「H001(XXX株式会社)」が入力されている。施設内ユーザID入力欄803には、施設内ユーザID(識別番号)が入力される。本例では、施設内ユーザIDとして、「HU0001」が入力されている。性別入力欄804には、性別が入力される。本例では、性別として、「男性」が入力されている。年齢入力欄805には、年齢が入力される。本例では、年齢として、「55」が入力されている。運動習慣入力欄806には、運動習慣(運動の頻度を示す情報)が入力される。本例では、運動習慣として、「週1回」が入力されている。運動意識入力欄807には、運動意識を表す情報が入力される。本例では、運動意識を表す情報として、「実行」が入力されている。肩こり入力欄808には、肩こりがあるか否かを示す情報が入力される。本例では、肩こりがあるか否かを示す情報として、「なし」が入力されている。腰痛入力欄809には、腰痛があるか否かを示す情報が入力される。本例では、腰痛があるか否かを示す情報として、「なし」が入力されている。身長入力欄810には、身長が入力される。本例では、身長として、「160cm」が入力されている。体重入力欄811には、体重が入力される。本例では、体重として、`「60kg」が入力されている。
【0052】
ユーザUs1によって登録ボタンBt11が操作されると、活動量算出装置100は、各入力欄に入力されたこれらの情報を互いに対応付けて、ユーザ情報112(ユーザ情報112の行単位の情報(レコード))として、記憶装置110のデータベース111に登録する(格納、記憶)する。
【0053】
(活動算出サービス処理)
活動量算出装置100が実行する活動量算出サービス処理(ユーザに提供するサービス)の概要について説明する。
【0054】
端末装置200から活動算出サービス処理の実行が要求されると、活動量算出装置100は、端末装置200の表示画面251に、GUI画面としての運動メニュー選択画面(不図示)を表示する。運動メニュー選択画面(不図示)は、運動メニューデータ113に対応する活動量算出装置100が提供可能な運動メニューの一覧(運動メニューの運動名称の一覧)を含む。
【0055】
ユーザUs1は、運動メニュー選択画面(不図示)を操作することによって、運動メニューの一覧の中から実施する運動メニューを選択する。なお、このときユーザUs1は、一つの運動メニューを選択することも可能であり、連続して実施する複数の運動メニューを選択することも可能である。
【0056】
活動量算出装置100は、運動メニューが選択されると、運動メニュー指示部123によって、運動メニューデータ113を参照することにより、選択された運動メニューに対応する、行(互いに対応付けられた行単位の運動ID、運動名称及び運動教示動画(以下、「運動メニュー情報」とも称呼される。))を取得し、運動メニュー情報を端末装置200に送信する。
【0057】
端末装置200は、運動メニュー情報及びその他必要な情報を用いて、GUI画面としての運動開始指示画面(不図示)を表示する。運動開始指示画面(不図示)は、例えば、運動メニューのスタートボタン(不図示)及び選択された運動メニューの運動名称等(不図示)を含む。
【0058】
ユーザUs1によって、運動メニューのスタートボタン(不図示)が操作されると、運動教示動画等を含む計測画面GM12(後述の図12を参照。)が表示される。なお、この計測画面GM12の詳細は後述する。更に、運動メニューのスタートボタン(不図示)が操作されると、端末装置200は、カメラ240によるユーザUs1の撮像を開始し、ユーザUs1の撮像動画(運動実施動画)を活動量算出装置100に送信する。
【0059】
活動量算出装置100は、運動実施動画に基づいて、活動量算出処理を実行する。なお、この活動量算出処理の詳細は後述する。
【0060】
選択された一つ又は複数の運動メニューが終了すると、活動量算出装置100は、活動量算出処理の計算結果を、結果データ117として記憶装置110のデータベース111に格納する。
【0061】
選択された一つ又は複数の運動メニューが終了すると、端末装置200は、運動を実施しているユーザUs1の運動実施記録(運動実施状況、運動実施日時等)を活動量算出装置100に送信する。活動量算出装置100は、運動実施記録を、結果データ117として、記憶装置110のデータベース111に格納する。
【0062】
活動量算出装置100は、端末装置200から活動量算出結果の結果画面GM13(後述の図13を参照)の表示要求があると、結果データ117が反映された結果画面GM13を端末装置200に表示させるために必要なデータを端末装置200に送信し、端末装置200の表示画面251に結果画面GM13を表示する。なお、この結果画面G13の詳細は、後述する。以上が、活動量算出装置100が実行する活動量算出サービス処理の概要である。
【0063】
(活動算出処理)
上述した活動量算出処理の詳細について説明する。図9は活動量算出装置100が実行する活動量算出処理の処理フローを示すフローチャートである。活動量算出装置100は、ステップ900から処理を開始して以下に述べるステップ901乃至ステップ906の処理を順に実行した後、ステップ995に進んで本処理フローを一旦終了する。なお、活動量算出装置100は、本処理フローを運動メニュー開始時刻tst(「開始時刻tst」とも称呼される。)から運動メニュー終了時刻tendまでの間、所定時間が経過する毎に実行する。運動メニュー開始時刻tstは、例えば、運動メニューのスタートボタン(不図示)が操作された時刻であり、運動メニュー終了時刻tendは、例えば、選択された一つ又は複数の運動メニューが終了する時刻である。
【0064】
ステップ901:活動量算出装置100は、骨格データ抽出部124によって、ユーザUs1の運動実施動画(運動中の画像)から骨格データ114を抽出する(取得する。)。
【0065】
ステップ902:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、関節点Jiのうちの複数の計算基準関節点Jiについて、現在時刻tpにおける関節トルクTi及び回転方向の角速度wiを算出する。
【0066】
図10は関節トルクTi及び角速度wiの算出方法を説明するための図である。活動量算出装置100は、関節点Jiの回転方向の角速度wiを、運動実施動画に基づいて取得した骨格データ114から算出する。活動量算出装置100は、計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの重心の位置の鉛直方向と回転方向(回転する重心の接線方向)との間の角度θiを、骨格データ114に基づいて取得する。
【0067】
活動量算出装置100は、対応身体部位BJiに作用する重力Fを、対応身体部位BJiの質量Mi(推定質量Mi)と重力加速度g[m/s]とを乗算する(図10の計算式(1)に適用する)ことにより、取得する。なお、本例では、推定質量Miは、各対応身体部位BJiに対して予め設定された所定の値が使用される。
【0068】
活動量算出装置100は、図10の計算式(2)を用いて、対応身体部位BJiに作用する重力の回転方向の成分FRiを計算する。活動量算出装置100は、図10の計算式(3)を用いて、関節点Jiにかかる関節トルクTiを計算する。なお、トルクアーム長Liは、計算基準関節点Jiから重心ci位置までの長さである。
【0069】
活動量算出装置100は、以上の計算を全ての計算基準関節点Jiについて行うことにより、ユーザUs1の各計算基準関節点Jiについて現在時刻tpにおける関節トルクTi及び回転方向の角速度wiを算出する。
【0070】
ステップ903:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、現在時刻tpにて運動状態と判定された各計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(tp)を算出して、メモリ130に記憶する。即ち、活動量算出装置100は、ステップ902にて算出した関節トルクTi及び回転方向の角速度wiを図11Aの計算式(4)に適用することにより、運動状態にある各計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(tp)を算出して、メモリ130に記憶する。
【0071】
ステップ904:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、計算式(5)及びメモリ130に格納された開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間に算出された各計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(t)に基づいて、開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間(「計算対象期間」とも称呼される。)の全身運動時消費エネルギーEmを算出する。即ち、活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、時刻tstから現在時刻tpまでの期間について、全身運動時消費エネルギーEmを計算する場合、計算対象期間の各計算基準関節点Jiについての運動時筋パワーPmi(t)の合計の積分値を、全身運動時消費エネルギーEmとして算出する。
【0072】
ステップ905:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、ステップ904にて算出された全身運動時消費エネルギーEmを、開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間の全身消費エネルギーEとして算出する。
【0073】
ステップ906:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、全身消費エネルギーEを図11Aの計算式(6)に適用することにより、全身消費カロリーEcを算出し、全身消費カロリーEc、「H(=開始時刻tstと現在時刻tpとの間の時間(時間(hour)))」及び「W(=ユーザUs1の体重(ユーザ情報112より取得))」を図11Bの計算式(7A)に適用することにより、全身消費エネルギーEからメッツA(時間当たり全身活動量A)を算出する。即ち、活動量算出装置100は、全身消費エネルギーEに、第1換算係数(0.000239)を乗じることにより、全身消費エネルギーEを全身消費カロリーEcに変換し、全身消費カロリーEcを、第2換算係数(1.05)と計算対象期間に対応する時間(H)とユーザUs1の体重(W)とを乗じた値により除した値に対して、「1」を加算することにより、全身消費エネルギーEから導出されるパラメータとして、メッツAを算出する。更に、活動量算出装置100は、メッツAとHとを図11Bの計算式(7B)に適用することにより、エクササイズAwを算出する。即ち、活動量算出装置100は、メッツAとHとを乗じることによりエクササイズAwを算出する。なお、活動量算出処理において計算されたパラメータは、結果データ117として、データベース111に格納される。
【0074】
更に、活動量算出処理において、活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、各計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの計算対象期間の運動時筋パワーPmiを積分することにより、各計算基準関節点Jiについての消費エネルギーを更に算出してもよい。更に、活動量算出装置100は、各計算基準関節点Jiについての消費エネルギーに基づき、各計算基準関節点Jiについてのメッツ、消費カロリー、エクササイズ等を算出してもよい。
【0075】
(計測画面の表示)
図12は計測画面GM12の一例を示す。上述したように、ユーザUs1によって運動開始指示画面(不図示)のスタートボタン(不図示)が操作されると、活動量算出装置100は、運動メニュー情報、骨格データ114及び活動量算出処理にて算出されたエクササイズAwを反映させた計測画面GM12を表示する。
【0076】
計測画面GM12は、運動メニュー表示部MN1と、ユーザID表示欄1201と、消費エネルギー表示欄1202と、進捗表示バー1203と、運動教示動画1204と、ユーザ骨格動画1205と、中止ボタンBt21と、次へボタンBt22とを含む。
【0077】
運動メニュー表示部MN1には、運動メニュー(運動)の名称が表示される。ユーザID表示欄1201には、ユーザUs1のユーザIDが表示される。消費エネルギー表示欄1202には、現時点の活動量が表示される。なお、活動量としては、上述した活動量算出処理にて算出されたエクササイズAwの値が表示される。運動教示動画1204は、運動メニューの見本動画(本例では、トレーナを表す絵(「トレーナアイコン」とも称呼される。)が運動メニュー(スクワット)を実行する動画)である。ユーザ骨格動画1205は、ユーザUs1の撮像動画に対応するユーザUs1を表す絵(ユーザUs1の輪郭の絵)と、ユーザUs1の骨格データ114に対応する骨格を表す太線とを含む。なお、運動教示動画1204は、運動メニューの見本を実行する人間(トレーナ)を撮像した撮像動画であってもよい。ユーザ骨格動画1205は、ユーザUs1を撮像した撮像動画であってもよい。
【0078】
(結果画面及び今週分活動量提示画面の表示)
図13は結果画面G13の一例を示す。上述したように、活動量算出装置100は、選択された1又は複数の運動メニューが終了すると、結果データ117を反映させた結果画面GM13を端末装置200の表示機器250に表示する。
【0079】
図13に示すように、結果画面GM13はユーザID表示欄1301、実施運動一覧1302、各筋肉消費エネルギー画像1303、今週分活動量提示画面表示ボタンBt31及び表示終了ボタンBt32を含む。実施運動一覧1302はユーザUs1が実施した運動メニュー(運動メニューの名称)と、その運動メニューを実施した時間と、活動量(エクササイズAw)とを含む。更に、実施運動一覧1302は、運動メニュー毎の運動実施時間と、運動実施時間の合計時間と、活動量の合計量とを含む。
【0080】
各筋肉消費エネルギー画像1303は、人間の輪郭の絵と、骨格を示す太線とを含む。骨格を示す太線は、骨格に対応する対応身体部位BJiについての活動量に応じて太さが変化するようになっている。具体的に述べると、骨格を示す太線は、骨格に対応する対応身体部位BJiの活動量が大きくなるほど、その対応身体部位BJiに対応する骨格を示す太線の太さが大きくなり、骨格に対応する対応身体部位BJiの活動量が小さくなるほど、その対応身体部位BJiに対応する骨格を示す太線の太さが小さくなる。
【0081】
今週分活動量提示画面表示ボタンBt31がユーザUs1によって操作されると、活動量算出装置100は、後述の図14の今週分活動量提示画面GM14を端末装置200の表示機器250に表示する。表示終了ボタンBt32がユーザUs1によって操作されると、活動量算出装置100は、結果画面GM13の表示を終了する。
【0082】
図14は今週分活動量提示画面GM14の一例を示す。図14に示すように、今週分活動量提示画面GM14は、今週分の活動量一覧1401、今週の活動量目標値1402、今週の残り活動量1403及び戻るボタンBt41を含む。今週分の活動量一覧1401は、今週(1週間)内に実施した運動の内容と、それぞれに対応する運動時間及び活動量の累計とを含む。なお、これらの値は結果データ117に基づく値が表示される。戻るボタンBt41は、今週分活動量提示画面GM14を結果画面GM13に切り替えるために操作されるボタンである。従って、戻るボタンBt41がユーザUs1によって操作されると、活動量算出装置100は、今週分活動量提示画面GM14を結果画面GM13に切り替えて、結果画面GM13を端末装置200の表示機器250に表示する。
【0083】
<効果>
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)に基づいて、各関節点JiにかかるトルクTi及びこれに基づく対応身体部位BJi毎の運動時筋パワーを算出する。更に、第1実施形態に係る活動量算出装置100は、対応身体部位BJi毎の運動時筋パワーに基づいて、全身運動時消費エネルギーEmを算出する。そして、第1実施形態に係る活動量算出装置100は、全身運動時消費エネルギーEm基づいて、運動時(計測対象期間)の全身消費エネルギーE、メッツA及びエクササイズAw等のユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出する。これにより、第1実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)からユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を精度よく測定(推定)できる。
【0084】
なお、従来技術として、加速度センサを腰や胸部に装着して、全身消費エネルギーを算出する活動量計の技術がある。この従来技術では、XYZの3軸方向の加速度データから、加速度ベクトルの大きさを算出する。しかし、この従来技術では、装着部位以外の腕や上半身などの動きは検出されないため、全身消費エネルギーが近似値とならざるを得ないのが課題である。また、装着部位によっても、計測値が異なってしまう。更に、加速度センサによって測定される加速度データは、ノイズが多いため、積分によって速度や距離に直すことは困難である。このため、従来技術は、加速度データのみからしか、メッツを算出できない。
【0085】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態に係る活動量算出装置100について説明する。第2実施形態に係る活動量算出装置100は、活動量算出処理において、全身運動時消費エネルギーEmに加えて、全身静止時消費エネルギーEsを算出する。更に、第2実施形態に係る活動量算出装置100は、全身運動時消費エネルギーEm及び全身静止時消費エネルギーEsを合算することにより、全身消費エネルギーEを算出する。第2実施形態に係る活動量算出装置100は、以上述べた点のみにおいて、第1実施形態に係る活動量算出装置100と相違点を有する。従って、以下ではこの相違点を中心として説明する。
【0086】
(活動量算出処理の概要)
図15は、ユーザUs1が運動メニュー(腹筋)を実行している場合の、開始時刻tsからある時刻t2までの期間の腰中心についての関節トルクTi、角速度wi、運動時筋パワーPmi及び静止時筋パワーPsiの時系列データの一例を示す。
【0087】
図15に示すように時刻tsからある時刻t2までの期間にて、ユーザUs1が背中を持ち上げる動作(運動)を行っている間、動作静止判定部125によって腰中心は運動状態にあると判定され、腰中心の回転方向の角速度wiはゼロではなく(角速度wiの絶対値がゼロより大きく)、腰中心にかかる関節トルクTi(関節トルクTiの絶対値)がゼロより大きくなっている。活動量算出装置100は、この期間において、第1実施形態と同様にして、運動時筋パワーPmi(t)を算出し、全身運動時消費エネルギーEmを算出する。
【0088】
時刻t1の直後の時点から時刻t2までの期間、ユーザUs1が背中を持ち上げた状態を維持しているとき、動作静止判定部125によって腰中心は静止状態にあると判定される。腰中心の回転方向の角速度wiはゼロになっている。従って、仮に図11Aの計算式(4)を用いて、運動時筋パワーPmi(t)が算出された場合、運動時筋パワーPmi(t)がゼロになる。しかし、ユーザUs1はこの状態を維持するために、関節点(腰中心)の対応身体部位BJiの筋肉を使用しているので、この間においても、筋パワーが発生していることが考えられる。
【0089】
そこで、第2実施形態に係る活動量算出装置100は、図16の計算式(8)を用いて、静止状態であると判定された計算基準関節点Jiの筋パワーを静止時筋パワーPsi(Psi(t))として算出する。なお、計算式(8)中のCiは、関節トルクTi(静止時トルク)から静止時筋パワーPsiに変換するための係数である。Ciは予め設定されており、例えば、予め実験等を行うことにより求められた定数値である。例えば、別の手法(例えば、活動量計又は呼気ガス分析から得られる最大酸素摂取量に基づく測定方法)で測定した静止時の消費エネルギーと、本手法で測定した静止状態にある各計算基準関節点JiにかかるトルクTiの総和との比に基づいて、Ciが求められてもよい。
【0090】
更に、活動量算出装置100は、図16の計算式(9)を用いて、静止時筋パワーPsi(t)(各計算基準関節点Jiについて算出した静止時筋パワーPsi(t))に基づいて、全身静止時消費エネルギーEsを計算する。即ち、例えば、時刻tstからある時刻までの期間について、全身静止時消費エネルギーEsを計算する場合、その期間の各計算基準関節点Jiについての静止時筋パワーPsi(t)の合計の積分値を、全身静止時消費エネルギーEsとして算出する。
【0091】
そして、活動量算出装置100は、図16の計算式(10)を用いて、全身運動時消費エネルギーEmと、全身静止時消費エネルギーEsとを合算したエネルギー(合計エネルギー)を、全身消費エネルギーEとして、算出する。活動量算出装置100は、このように全身消費エネルギーEを算出することにより、静止時の身体活動も反映された活動量を算出することができる。
【0092】
(活動量算出処理)
図17は第2実施形態に係る活動量算出装置100が実行する処理フローを示すフローチャートである。なお、活動量算出装置100は、本処理フローを運動メニュー開始時刻tstから運動メニュー終了時刻tendまでの間、所定時間が経過する毎に実行する。
【0093】
活動量算出装置100は、ステップ1700から処理を開始し、以下に述べるステップ1701乃至ステップ1708の処理を順に実行した後、ステップ1795に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0094】
ステップ1701:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ901と同様の処理を実行する。
【0095】
ステップ1702:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ902の処理と同様の処理を実行する。
【0096】
ステップ1703:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、現在時刻tpにて運動状態と判定された計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(tp)を算出して、メモリ130に記憶する。活動量算出装置100は、ステップ1702にて算出したトルクTi及び角速度wiを図11Aの計算式(4)に適用することにより、運動状態にある各計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(tp)を算出する。
【0097】
ステップ1704:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、図11Aの計算式(5)及びメモリ130に格納された開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間に算出された各計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの運動時筋パワーPmi(t)に基づいて、開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間の全身運動時消費エネルギーEmを算出する。
【0098】
ステップ1705:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、現在時刻tpにて静止状態と判定された計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの静止時筋パワーPsi(tp)を算出して、メモリ130に記憶する。即ち、活動量算出装置100は、ステップ1702にて算出したトルクTiを図16の計算式(8)に適用することにより、静止状態にある各計算基準関節点Ji(対応身体部位BJi)の各静止時筋パワーPsi(tp)を算出して、メモリ130に記憶する。
【0099】
ステップ1706:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、計算式(9)及びメモリ130に格納された開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間に算出された各計算基準関節点Jiの各対応身体部位BJiの静止時筋パワーPsi(tp)に基づいて、開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間の全身静止時消費エネルギーEsを算出する。即ち、活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、時刻tstから現在時刻tpまでの期間について、全身静止時消費エネルギーEsを計算する場合、計算対象期間の各計算基準関節点Jiについての静止時筋パワーPsi(t)の合計の積分値を、全身運動時消費エネルギーEmとして算出する。
【0100】
ステップ1707:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、図16の計算式(10)を用いて、全身運動時消費エネルギーEmと全身静止時消費エネルギーEsとの和(合計エネルギー)を、全身消費エネルギーEとして、算出する。
【0101】
ステップ1708:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、全身消費エネルギーEを図11Aの計算式(6)に適用することにより全身消費カロリーEcを算出し、全身消費カロリーEc、「H(=開始時刻と現在時刻との間の時間(時間(hour)))」及び「W(=ユーザUs1の体重)」を図11Bの計算式(7A)に適用することにより、全身消費エネルギーEからメッツA(時間当たり全身活動量A)を算出する。更に、活動量算出装置100は、メッツAとHとを図11Bの計算式(7B)に適用することにより、エクササイズAwを算出する。なお、活動量算出処理において計算されたパラメータは、結果データ117として、データベース111に格納される。更に、活動量算出処理において、活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、各計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの計算対象期間の運動時筋パワーPmiを積分することにより求めた消費エネルギーと、各計算基準関節点Jiの対応身体部位BJiの計算対象期間の静止時筋パワーPsiを積分することにより求めた消費エネルギーを合算することにより、各計算基準関節点Jiについての消費エネルギーを更に算出してもよい。更に、活動量算出装置100は、各計算基準関節点Jiについての消費エネルギーに基づき、各計算基準関節点Jiについてのメッツ、消費カロリー、エクササイズ等を算出してもよい。
【0102】
<効果>
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)に基づいて、各関節点JiにかかるトルクTi及びこれに基づく対応身体部位BJi毎の運動時筋パワー及び静止時筋パワーを算出する。更に、第2実施形態に係る活動量算出装置100は、対応身体部位BJi毎の運動時筋パワー及び静止時筋パワーに基づいて、全身運動時消費エネルギーEm及び全身静止時消費エネルギーEsを算出する。そして、第2実施形態に係る活動量算出装置100は、全身運動時消費エネルギーEm及び全身静止時消費エネルギーEsに基づいて、運動時(計測対象期間)の全身消費エネルギーE、メッツA及びエクササイズAw等のユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出する。これにより、第2実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)からユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を、より精度よく測定(推定)できる。
【0103】
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態に係る活動量算出装置100について説明する。第3実施形態に係る活動量算出装置100は、活動量算出処理において、全身運動時消費エネルギーEmに加えて、代表となる関節点Ji(「代表関節点Ji」とも称呼される。)の加速度から全身加速度基準消費エネルギーEaccを算出し、全身運動時消費エネルギーEm及び全身加速度基準消費エネルギーEaccに基づいて、全身消費エネルギーEを算出する点のみにおいて、第1実施形態に係る活動量算出装置100と相違点を有する。従って、以下ではこの相違点を中心として説明する。
【0104】
(活動量算出処理)
図18は第3実施形態に係る活動量算出装置100が実行する処理フローを示すフローチャートである。なお、活動量算出装置100は、本処理フローを運動メニュー開始時刻tstから運動メニュー終了時刻tendまでの間、所定時間が経過する毎に実行する。
【0105】
活動量算出装置100は、ステップ1800から処理を開始し、以下に述べるステップ1801乃至ステップ1807の処理を順に実行した後、ステップ1895に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0106】
ステップ1801:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ901と同様の処理を実行する。
【0107】
ステップ1802:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ902の処理と同様の処理を実行する。
【0108】
ステップ1803:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ903の処理と同様の処理を実行する。
【0109】
ステップ1804:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ904の処理と同様の処理を実行する。
【0110】
ステップ1805:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、所定の関節点(代表関節点)の加速度に基づいて、開始時刻tsから現在時刻tpまでの期間の全身加速度基準消費エネルギーEaccを算出する。本例において、代表関節点Jiは、腰中心である。より具体的に述べると、活動量算出装置100は、全身加速度基準消費エネルギーEaccを、腰中心の加速度を周知の算出アルゴリズムに適用することにより、算出する。なお、代表関節点Jiは、腰中心以外の関節点Jiであってもよく、複数の関節点Jiであってもよい。
【0111】
ステップ1806:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、図19の計算式(11)を用いて、全身運動時消費エネルギーEmと全身加速度基準消費エネルギーEaccとの和(合計エネルギー)を、全身消費エネルギーEとして、算出する。
【0112】
ステップ1807:活動量算出装置100は、全身消費エネルギーEを図11Aの計算式(6)に適用することにより全身消費カロリーEcを算出し、全身消費カロリーEc、「H(=開始時刻と現在時刻との間の時間(時間(hour)))」及び「W(=ユーザUs1の体重)」を図11Bの計算式(7A)に適用することにより、全身消費エネルギーEからメッツA(時間当たり全身活動量A)を算出する。更に、活動量算出装置100は、メッツAとHとを図11Bの計算式(7B)に適用することにより、エクササイズAwを算出する。なお、活動量算出処理において計算されたパラメータは、結果データ117として、データベース111に格納される。
【0113】
<効果>
以上説明したように、本発明の第3実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)に基づいて、各関節点JiにかかるトルクTi及びこれに基づく対応身体部位BJi毎の運動時筋パワーを算出する。更に、第3実施形態に係る活動量算出装置100は、対応身体部位BJi毎の運動時筋パワーに基づいて、全身運動時消費エネルギーEmを算出し、更に、代表関節点の加速度に基づいて、全身加速度基準消費エネルギーEaccを算出する。そして、第3実施形態に係る活動量算出装置100は、全身運動時消費エネルギーEm及び全身加速度基準消費エネルギーEaccに基づいて、運動時(計測対象期間)の全身消費エネルギーE、メッツA及びエクササイズAw等のユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出する。これにより、第3実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)からユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を、より精度よく測定(推定)できる。
【0114】
<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態に係る活動量算出装置100について説明する。第4実施形態に係る活動量算出装置100は、活動量算出処理において、全身運動時消費エネルギーEmに加えて、全身静止時消費エネルギーEsを算出し、更に、代表関節点Jiの加速度から全身加速度基準消費エネルギーEaccを算出し、全身運動時消費エネルギーEm、全身静止時消費エネルギーEs及び全身加速度基準消費エネルギーEaccに基づいて、全身消費エネルギーEを算出する点のみにおいて、第1実施形態に係る活動量算出装置100と相違点を有する。従って、以下ではこの相違点を中心として説明する。
【0115】
(活動量算出処理)
図20は第4実施形態に係る活動量算出装置100が実行する処理フローを示すフローチャートである。なお、活動量算出装置100は、本処理フローを運動メニュー開始時刻tstから運動メニュー終了時刻tendまでの間、所定時間が経過する毎に実行する。
【0116】
活動量算出装置100は、ステップ2000から処理を開始し、以下に述べるステップ2001乃至ステップ2009の処理を順に実行した後、ステップ2095に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0117】
ステップ2001:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ901と同様の処理を実行する。
【0118】
ステップ2002:活動量算出装置100は、既述の図9のステップ902の処理と同様の処理を実行する。
【0119】
ステップ2003:活動量算出装置100は、既述の図17のステップ1703の処理と同様の処理を実行する。
【0120】
ステップ2004:活動量算出装置100は、既述の図17のステップ1704の処理と同様の処理を実行する。
【0121】
ステップ2005:活動量算出装置100は、既述の図17のステップ1705の処理と同様の処理を実行する。
【0122】
ステップ2006;活動量算出装置100は、既述の図17のステップ1706の処理と同様の処理を実行する。
【0123】
ステップ2007:活動量算出装置100は、既述の図18のステップ1805の処理と同様の処理を実行する。
【0124】
ステップ2008:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、図21の計算式(12)を用いて、全身運動時消費エネルギーEmと全身静止時消費エネルギーEsと全身加速度基準消費エネルギーEaccとの和(合計エネルギー)を、全身消費エネルギーEとして、算出する。
【0125】
ステップ2009:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、全身消費エネルギーEを図11Aの計算式(6)に適用することにより全身消費カロリーEcを算出し、全身消費カロリーEc、「H(=開始時刻と現在時刻との間の時間(時間(hour)))」及び「W(=ユーザUs1の体重)」を図11Bの計算式(7A)に適用することにより、全身消費エネルギーEからメッツA(時間当たり全身活動量A)を算出する。更に、活動量算出装置100は、メッツAとHとを図11Bの計算式(7B)に適用することにより、エクササイズAwを算出する。なお、活動量算出処理において計算されたパラメータは、結果データ117として、データベース111に格納される。
【0126】
<効果>
以上説明したように、本発明の第4実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)に基づいて、各関節点JiにかかるトルクTi及びこれに基づく対応身体部位BJi毎の運動時筋パワー及び静止時筋パワーを算出する。更に、第4実施形態に係る活動量算出装置100は、対応身体部位BJi毎の運動時筋パワー及び静止時筋パワーに基づいて、全身運動時消費エネルギーEm及び全身静止時消費エネルギーEsを算出し、更に、代表関節点の加速度に基づいて、全身加速度基準消費エネルギーEaccを算出する。そして、第4実施形態に係る活動量算出装置100は、全身運動時消費エネルギーEm、全身静止時消費エネルギーEs及び全身加速度基準消費エネルギーEaccに基づいて、運動時(計測対象期間)の全身消費エネルギーE、メッツA及びエクササイズAw等のユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を算出する。これにより、第4実施形態に係る活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動実施動画(画像)からユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を、より精度よく測定(推定)できる。
【0127】
<<第1変形例>>
上記各実施形態において、活動量算出処理において、全ての計算基準関節点Jiのうちの一部の計算基準関節点Jiのみについて関節トルクTi及び角速度wiを算出することにより、全身消費エネルギーE等を算出してもよい。一部の計算基準関節点Jiとしては、例えば、図22に示す太線で示した骨格に対応する体幹筋に対応する黒点で示した計算基準関節点Ji(右肩、肩中心、左肩、背中、腰中心、右腰及び左腰)が挙げられる。この場合、第1変形例は、上記各実施形態のステップ902、ステップ1702、ステップ1802及びステップ2002のそれぞれに代えて、以下に述べるステップAを実行する。
【0128】
ステップA:活動量算出装置100は、活動量算出部126によって、ユーザUs1の各計算基準関節点Jiのうちの一部の計算基準関節点Jiについて現在時刻tpにおける関節トルクTi及び角速度wiを算出する。
【0129】
第1変形例によれば、身体の一部分(例えば、腕の一部、足の一部等)が画像として認識されない場合であっても、ユーザUs1の運動実施動画(画像)からユーザUs1の身体活動を定量化したパラメータである活動量を測定(推定)できる。
【0130】
<<第2変形例>>
活動量算出装置100の第2変形例は、活動量算出処理の算出処理方法及び活動量の単位等を、設定画面の入力情報に基づいて、変更する。図23は活動量算出方法設定画面GM24の一例を示す。活動量算出方法設定画面GM24は、運動時動作評価設定欄2301、静止時動作評価設定欄2302、体幹筋設定欄2303、代表関節点の加速度考慮設定欄2304、活動量の単位設定欄2305、第9プルダウンボタン2306、第10プルダウンボタン2307、第11プルダウンボタン2308、第12プルダウンボタン2309及び第13プルダウンボタン2310を含む。
【0131】
運動時動作評価設定欄2301、静止時動作評価設定欄2302、体幹筋設定欄2303、代表関節点の加速度考慮設定欄2304及び活動量の単位設定欄2305は、これらを特に区別する必要がない場合、これらを「設定欄」と称呼される。
【0132】
第9プルダウンボタン2306、第10プルダウンボタン2307、第11プルダウンボタン2308及び第12プルダウンボタン2309のそれぞれが操作されると、それぞれの設定欄に入力される「あり」及び「なし」を含むプルダウンリストが表示される。第13プルダウンボタン2310が操作されると、活動量の単位設定欄2305に入力される活動量の単位「METs」、「kcal」及び「J」(又は「kJ」)を含むプルダウンリストが表示される。登録ボタンBt51が操作されると、それぞれの設定欄に入力された情報に基づいて、活動量算出方法が設定される。
【0133】
具体的に述べると、例えば、運動時動作評価設定欄2301及び静止時動作評価設定欄2302のうち、運動時動作評価設定欄2301のみが「あり」の状態で、登録ボタンBt51が操作されると、図9に示した活動量算出処理によって、活動量の単位設定欄2305に設定された単位の活動量が算出される。そして、算出された活動量が、例えば、図12の計測画面GM12の消費エネルギー表示欄1202に表示される。
【0134】
運動時動作評価設定欄2301及び静止時動作評価設定欄2302のうち、運動時動作評価設定欄2301及び静止時動作評価設定欄2302の両方が「あり」の状態で登録ボタンBt51が操作されると、図17に示した活動量算出処理によって、活動量の単位設定欄2305に設定された単位の活動量が算出される。そして、算出された活動量が、例えば、図12の計測画面GM12の消費エネルギー表示欄1202に表示される。
【0135】
代表関節点の加速度考慮設定欄2304が「あり」の状態で登録ボタンBt51が操作されると、運動時動作評価設定欄2301及び静止時動作評価設定欄2302の入力情報に応じて、代表関節点の加速度に基づいて算出された加速度基準エネルギーが考慮された処理(例えば、図18及び図20の何れかに示した活動量算出処理)によって、活動量の単位設定欄2305に設定された単位の活動量が、算出される。そして、算出された活動量が、例えば、図12の計測画面GM12の消費エネルギー表示欄1202に表示される。
【0136】
<<第3変形例>>
上記各実施形態において、対応身体部位BJiの推定質量Mi及びトルクアーム長Liは、以下に述べるように、算出されてもよい。図24は、第3変形例の対応身体部位BJiの推定質量Mi及びトルクアーム長Liの算出方法を説明するための図である。標準体型の基準身長Dに対して各対応身体部位BJiの基準質量Mibが予め設定されている。同様に、標準体型の基準身長Dに対して各対応身体部位BJiの基準トルクアーム長Libが予め設定されている。
【0137】
第3変形例は、ユーザUs1の身長D’に基づいて、図24の計算式(13)を用いて、各対応身体部位BJiの推定質量Miを計算する。即ち、第3変形例は、予め設定された基準質量Mibに、ユーザUs1の身長D’を予め設定された基準身長D(本例ではD(=170cm))により除した値の3乗の値である比率を乗じることにより、対応身体部位BJiの推定質量Miを算出する。
【0138】
第3変形例は、ユーザUs1の身長D’に基づいて、図24の計算式(14)を用いて、各対応身体部位BJiのトルクアーム長Liを計算する。即ち、第3変形例は、予め設定された基準トルクアーム長Libに、ユーザUs1の身長D’を予め設定された基準身長Dにより除した値である比率を乗じることにより、トルクアーム長Liを算出する、
<<第4変形例>>
上記各実施形態において、対応身体部位BJiの推定質量Miは、以下に述べるように、算出されてもよい。図25は第4変形例の対応身体部位BJiの推定質量Miの算出方法を説明するための図である。標準体型の身体の輪郭の基準面積Sbが予め設定されている。
【0139】
第4変形例は、ユーザUs1の輪郭の面積S’に基づいて、図25の計算式(15)を用いて、各対応身体部位BJiの推定質量Miを計算する。即ち、第4変形例は、運動実施動画に基づきユーザUs1の輪郭の面積S’を取得し、予め設定された基準質量Mibに、ユーザUs1の輪郭の面積S’を予め設定された基準面積Sbにより除した値の2乗の値である比率を乗じることにより、対応身体部位の推定質量Miを算出する。
【0140】
<<第5変形例>>
ユーザUs1が器具(例えば、ダンベル)を用いて、運動する場合がある。その場合、上記各実施形態において、各対応身体部位BJiの質量Miのうち、器具の質量が作用する対応身体部位BJiの質量Miを、質量Miに器具の質量を加えた質量(Mi=Mi+器具の質量)に代えて、活動量を算出するようにしてもよい。なお、器具の質量としては、運動実施動画に基づく推定質量や予め活動量算出装置100に入力された器具の質量を使用できる。
【0141】
<<第6変形例>>
第6変形例は、キャリブレーションのためのキャリブレーション測定を実行する。キャリブレーションのため、ユーザUs1の運動についての消費エネルギーを、上述した運動実施動画(画像)に基づく方法と、周知の活動量計を用いる方法との両方で、計測する。例えば、キャリブレーション測定(あるキャリブレーション測定期間)において、活動量計を用いる方法で計測されたメッツ(活動量)の出力値がPであり、運動実施動画(画像)から算出されたメッツ(活動量)がQであると仮定する。その場合、第6変形例は、運動実施動画(画像)から算出されたメッツ(活動量)に、補正値(=P/Q)を乗算することにより、最終的なメッツ(活動量)を算出する。
【0142】
<<第7変形例>>
第7変形例は、キャリブレーションのためのキャリブレーション測定を実行する。キャリブレーションのため、ユーザUs1の運動についての消費エネルギーを、上述した運動実施動画(画像)に基づく方法と、心拍数を用いる方法との両方で、計測する。例えば、キャリブレーション測定(あるキャリブレーション測定期間)において、周知の心拍数を用いる方法で計測されたメッツ(活動量)の出力値がPであり、画像から算出されたメッツ(活動量)がQであると仮定する。その場合、第7変形例は、運動実施動画(画像)から算出されたメッツ(活動量)に、補正値(=P/Q)を乗算することにより、最終的なメッツ(活動量)を算出する。
【0143】
<<応用例>>
図26は活動量算出装置100の応用例としてのシステムを説明するための図である。図26に示すように、システムは、健康管理システム2600と、端末装置200と、活動量計としての機能を有するウェアラブルデバイス2700(例えば、スマートウォッチ)と、を含む。これらは、ネットワークNW1を介して互いに通信可能に接続されている。健康管理システム2600は、クラウド上に構成され、活動量算出装置100を含む。活動量算出装置100は、上述したように、ユーザUs1の運動に関するデータ等を取得及び算出できる。更に、活動量算出装置100は、ウェアラブルデバイス2700により収集されたユーザUs1の歩行、走行及びその他の動作に関するデータ等を取得及び算出できる。活動量算出装置100は、ユーザUs1の運動に関するデータ等に基づく活動量と、ウェアラブルデバイス2700により収集されたユーザUs1の歩行、走行及びその他の動作に関するデータ等に基づく活動量と、を記憶する。健康管理システム2600は、活動量算出装置100によって、算出及び収集したデータに基づいて、サービス(例えば、活動量算出サービス、ユーザUs1の1週間の活動量の総和を計算して提供するサービス等)をユーザUs1(端末装置200及び/又はウェアラブルデバイス2700)に提供する。
【0144】
<<他の変形例>>
本発明は上記各実施形態、各変形例及び応用例に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。更に、上記各実施形態、各変形例及び応用例は、本発明の範囲を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。例えば、上記各実施形態において、関節点Ji、計算基準関節点Ji、対応身体部位BJiは、上記に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態において、各対応身体部位BJiのトルクアーム長Liは、運動実施動画に基づいて各計算基準関節点Jiについて、算出したが、各対応身体部位BJiのトルクアーム長Liは、予め設定されたトルクアーム長Liであってもよい。例えば、上記各実施形態において、活動量算出装置100で実行される処理の一部が、端末装置200で実行されるようにしてもよい。例えば、上記各実施形態において、端末装置200側で運動実施動画に基づいて骨格データが抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0145】
100…活動量算出装置、110…記憶装置、111…データベース、112…ユーザ情報、113…運動メニューデータ、114…骨格データ、115…動作静止判定データ、116…活動量データ、117…結果データ、120…プロセッサ、121…データ処理部、122…ユーザ情報管理部、123…運動メニュー指示部、124…骨格データ抽出部、125…動作静止判定部、127…結果処理部、200…端末装置、Us1…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11A
図11B
図12
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