(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096977
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】ゲームシステム、端末装置、プログラム及びゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20230630BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20230630BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20230630BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230630BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230630BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20230630BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20230630BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/35
A63F13/52
A63F13/55
A63F13/53
A63F13/537
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213070
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】春木 豊
(57)【要約】
【課題】新たなゲーム性を提供する。
【解決手段】第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、サーバ装置とを含むゲームシステムにおいて、サーバ装置は、各端末装置と通信をして、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御し、第1プレイヤーの端末装置は、第2プレイヤーから第1ポイント値が付与されたことを表示し、仮想空間に複数のゲーム媒体を配置して、ゲーム媒体を移動させる操作を受け付け、移動した第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向に基いて、付与する第1ポイント値及び/または第2ポイント値を判定する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレイヤーが使用する第1端末装置と、第2プレイヤーが使用する第2端末装置と、前記第1端末装置及び前記第2端末装置と通信を行って、前記第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と、前記第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムにおいて、
前記第1端末装置は、
前記サーバ装置から前記仮想空間における前記ゲーム媒体の位置情報を受信する端末受信部と、
受信した前記位置情報に基いて、前記第1ゲーム媒体と、前記第2ゲーム媒体とを前記仮想空間に配置して第1画面に表示する第1表示部と、
前記ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける入力部と、
前記操作に基いて、前記第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または前記第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する決定部と、
前記第1移動方向及び/または前記第2移動方向に基いて、前記第1プレイヤーに付与する第1ポイントを判定し、前記第2移動距離に基いて、前記第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する判定部と、
前記第1ポイント及び前記第2ポイントに関するポイント情報を前記サーバ装置に送信する端末送信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末送信部から前記ポイント情報を受信するサーバ受信部と、
前記ポイント情報に基いて、前記第1プレイヤーを示す第1識別情報と前記第1ポイントとを対応付けて記憶し、前記第2プレイヤーを示す第2識別情報と前記第2ポイントとを対応付けて記憶するサーバ記憶部と、
前記サーバ記憶部に記憶する前記第2ポイントを前記第2端末装置に送信するサーバ送信部と、を備え、
前記第2端末装置は、
前記サーバ装置から前記第2ポイントを受信して、前記第1プレイヤーから前記第2ポイントが付与されたことを第2画面に表示する第2表示部を備える、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記サーバ記憶部は、更に、前記第1識別情報と、前記第1ゲーム媒体の移動目的地を示す第1目的地と、前記第1ゲーム媒体のスタート位置から前記第1目的地の方向を示す第1目的地方向とを対応付けて記憶し、前記第2識別情報と、前記第2ゲーム媒体の移動目的地を示す第2目的地と、前記第2ゲーム媒体のスタート位置から前記第2目的地の方向を示す第2目的地方向とを対応付けて記憶し、
前記端末受信部は、更に、前記サーバ装置から前記第1目的地方向と前記第2目的地方向を受信し、
前記第1表示部は、更に、前記第1ゲーム媒体と対応付けて前記第1目的地方向と、前記第2ゲーム媒体と対応付けて前記第2目的地方向とを前記仮想空間に重畳して前記第1画面に表示し、
前記判定部は、更に、前記第1移動方向が前記第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合と、前記第2移動方向が前記第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合とに、プラスとなる前記第1ポイントを付与し、前記第1移動方向が前記第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合と、前記第2移動方向が前記第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合とに、マイナスとなる前記第1ポイントを付与する判定を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各前記端末装置と通信を行って、前記第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と前記第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムの前記端末装置であって、
前記サーバ装置から、前記第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、前記仮想空間における複数の前記ゲーム媒体の位置情報とを受信する端末受信部と、
前記第1ポイントが付与されたことを画面に表示し、前記位置情報に基いて、前記仮想空間に複数の前記ゲーム媒体を配置して前記画面に表示する表示部と、
前記ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける入力部と、
前記操作に基いて、前記第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または前記第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する決定部と、
前記第1移動方向及び/または前記第2移動方向に基いて、前記第1プレイヤーに付与する前記第1ポイントを判定し、前記第2移動距離に基いて、前記第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する判定部と、
前記第1ポイント及び前記第2ポイントに関するポイント情報を前記サーバ装置に送信する端末送信部と、を備える、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各前記端末装置と通信を行って、前記第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と前記第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムにおいて、前記端末装置のゲーム処理を実行するプログラムであって、
前記ゲーム処理は、
前記サーバ装置から、前記第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、前記仮想空間における複数の前記ゲーム媒体の位置情報とを受信する受信ステップと、
前記第1ポイントが付与されたことを画面に表示する第1表示ステップと、
前記位置情報に基いて、前記仮想空間に複数の前記ゲーム媒体を配置して前記画面に表示する第2表示ステップと、
前記ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける受付ステップと、
前記操作に基いて、前記第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または前記第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する決定ステップと、
前記第1移動方向及び/または前記第2移動方向に基いて、前記第1プレイヤーに付与する前記第1ポイントを判定し、前記第2移動距離に基いて、前記第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する判定ステップと、
前記第1ポイント及び前記第2ポイントに関するポイント情報を前記サーバ装置に送信する送信ステップと、を含むプログラム。
【請求項5】
前記受信ステップにおいて、更に、前記サーバ装置から前記第1ゲーム媒体の第1スタート位置から第1目的地の方向を示す第1目的地方向と、前記第2ゲーム媒体の第2スタート位置から第2目的地の方向を示す第2目的地方向とを受信し、
前記第2表示ステップにおいて、更に、前記第1ゲーム媒体と対応付けて前記第1目的地方向と、前記第2ゲーム媒体と対応付けて前記第2目的地方向とを前記仮想空間に重畳して前記画面に表示し、
前記判定ステップにおいて、更に、前記第1移動方向が前記第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合と、前記第2移動方向が前記第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合とに、プラスとなる前記第1ポイントを判定し、前記第1移動方向が前記第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合と、前記第2移動方向が前記第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合とに、マイナスとなる前記第1ポイントを判定する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記判定ステップにおいて、更に、前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体が移動した場合、それぞれの移動方向と、前記第1目的地方向及び前記第2目的地方向とに基いて、前記第1ポイントをそれぞれ判定し、
前記判定ステップにおいて判定した各前記第1ポイントを並べて表示する第3表示ステップを更に含む請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記操作により、前記画面の所定の領域外に全ての前記ゲーム媒体が移動した場合、前記判定ステップにおいて判定した各前記第1ポイントを合算する合算ステップと、
前記第1ポイントの蓄積状況を示すポイントゲージを前記画面に表示して、合算した前記第1ポイントを、前記ポイントゲージに反映させる表示を行う第4表示ステップを更に含む、請求項4から請求項6のうちいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記操作により複数の前記ゲーム媒体が衝突した場合、衝突した前記ゲーム媒体を強調表示する第5表示ステップを更に含む、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記決定ステップは、更に、前記操作により前記第1ゲーム媒体と前記第2ゲーム媒体とが衝突した場合、衝突後の前記第1移動方向と前記第2移動方向とを決定し、
前記第1ゲーム媒体と前記第2ゲーム媒体とが衝突してから所定時間、前記第1移動方向及び/または前記第2移動方向を変更する第2操作を受け付ける第2受付ステップを更に含む、請求項4から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各前記端末装置と通信を行って、前記第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と前記第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムに用いられる前記端末装置のゲーム処理方法であって、
前記サーバ装置から、前記第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、前記仮想空間における複数の前記ゲーム媒体の位置情報とを受信し、
前記第1ポイントが付与されたことを画面に表示し、
前記位置情報に基いて、前記仮想空間に複数の前記ゲーム媒体を配置して前記画面に表示し、
前記ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付け、
前記操作に基いて、前記第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または前記第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定し、
前記第1移動方向及び/または前記第2移動方向に基いて、前記第1プレイヤーに付与する前記第1ポイントを判定し、
前記第2移動距離に基いて、前記第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定し、
前記第1ポイント及び前記第2ポイントに関するポイント情報を前記サーバ装置に送信する、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、端末装置、ゲーム処理方法及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置とサーバ装置間で通信を行い、マルチプレイゲームを実現するゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マルチプレイゲームをプレイすることについて、負担を感じるプレイヤーが少なからずいる。例えば、マルチプレイゲームでは、特定の他のプレイヤーとゲームをする場合、双方共に時間を合わせてゲームを開始する必要がある。また、チームを編成して、協力して敵キャラクター、又は他のチームと対戦する場合、時間を合わせるだけでなく、チームとしての協調プレイが求められる。もし、ゲームの開始時間に遅れたり、自分のミスでチームが負けたりすると、他のプレイヤーから非難を浴びることもある。
【0005】
一方、他のプレイヤーと全く関わらないシングルプレイゲームの場合、上述のような負担がない分、気楽であるが、所詮CPU相手の一人遊びであるため、他のプレイヤーとの関わりによって得られる喜びはない。
【0006】
そこで本発明は、1つの側面として、ゲームの開始時間を他のプレイヤーと合わせる必要がなく、且つ、ゲームをすることで他のプレイヤーにメリットを与えることができる新たなゲーム性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の一態様であるゲームシステムは、第1プレイヤーが使用する第1端末装置と、第2プレイヤーが使用する第2端末装置と、第1端末装置及び第2端末装置と通信を行って、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と、第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含む。
【0008】
第1端末装置は、端末受信部と、第1表示部と、入力部と、決定部と、判定部と、端末送信部とを備える。端末受信部は、サーバ装置から仮想空間におけるゲーム媒体の位置情報を受信する。第1表示部は、受信した位置情報に基いて、第1ゲーム媒体と、第2ゲーム媒体とを仮想空間に配置して第1画面に表示する。入力部は、ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける。決定部は、操作に基いて、第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する。判定部は、第1移動方向及び/または第2移動方向に基いて、第1プレイヤーに付与する第1ポイントを判定し、第2移動距離に基いて、第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する。端末送信部は、第1ポイント及び第2ポイントに関するポイント情報をサーバ装置に送信する。
【0009】
サーバ装置は、サーバ受信部と、サーバ記憶部と、サーバ送信部と、を備える。サーバ受信部は、端末送信部からポイント情報を受信する。ポイント情報には、第1ポイントの値と、第2識別情報とが含まれる。サーバ記憶部は、ポイント情報に基いて第1プレイヤーを示す第1識別情報と第1ポイントとを対応付けて記憶し、第2プレイヤーを示す第2識別情報と第2ポイントとを対応付けて記憶する。サーバ送信部は、サーバ記憶部に記憶する第2ポイントを第2端末装置に送信する。第2端末装置は、第2表示部を備える。第2表示部は、サーバ装置から第2ポイントを受信して、第1プレイヤーから第2ポイントが付与されたことを第2画面に表示する。
【0010】
(2)上記(1)に記載のゲームシステムにおいて、サーバ記憶部は、更に、第1識別情報と、第1ゲーム媒体の移動目的地を示す第1目的地と、第1ゲーム媒体のスタート位置から第1目的地の方向を示す第1目的地方向とを対応付けて記憶し、第2識別情報と、第2ゲーム媒体の移動目的地を示す第2目的地と、第2ゲーム媒体のスタート位置から第2目的地の方向を示す第2目的地方向とを対応付けて記憶し、端末受信部は、更に、サーバ装置から第1目的地方向と第2目的地方向を受信し、第1表示部は、更に、第1ゲーム媒体と対応付けて第1目的地方向と、第2ゲーム媒体と対応付けて第2目的地方向とを仮想空間に重畳して第1画面に表示し、判定部は、更に、第1移動方向が第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合と、第2移動方向が第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合とに、プラスとなる第1ポイントを付与し、第1移動方向が第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合と、第2移動方向が第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合とに、マイナスとなる第1ポイントを付与する判定を行う、としてもよい。
【0011】
(3)本開示の一態様である端末装置は、第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各端末装置と通信を行って、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムの端末装置である。端末装置は、端末受信部と、表示部と、入力部と、決定部と、判定部と、端末送信部とを備える。端末受信部は、サーバ装置から、第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、仮想空間における複数のゲーム媒体の位置情報とを受信する。表示部は、第1ポイントが付与されたことを画面に表示し、位置情報に基いて、仮想空間に複数のゲーム媒体を配置して画面に表示する。入力部は、ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける。決定部は、操作に基いて、第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する。判定部は、第1移動方向及び/または第2移動方向に基いて、第1プレイヤーに付与する第1ポイントを判定し、第2移動距離に基いて、第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する。端末送信部は、第1ポイント及び第2ポイントに関するポイント情報をサーバ装置に送信する。
【0012】
(4)本開示の一態様であるプログラムは、第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各端末装置と通信を行って、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムにおいて、端末装置のゲーム処理を実行するプログラムである。ゲーム処理は、サーバ装置から、第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、仮想空間における複数のゲーム媒体の位置情報とを受信する受信ステップと、第1ポイントが付与されたことを画面に表示する第1表示ステップと、位置情報に基いて、仮想空間に複数のゲーム媒体を配置して画面に表示する第2表示ステップと、ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付ける受付ステップと、操作に基いて、第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する決定ステップと、第1移動方向及び/または第2移動方向に基いて、第1プレイヤーに付与する第1ポイントを判定し、第2移動距離に基いて、第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定する判定ステップと、第1ポイント及び第2ポイントに関するポイント情報をサーバ装置に送信する送信ステップと、を含む。
【0013】
(5)上記(4)に記載のプログラムの受信ステップにおいて、更に、サーバ装置から第1ゲーム媒体の第1スタート位置から第1目的地の方向を示す第1目的地方向と、第2ゲーム媒体の第2スタート位置から第2目的地の方向を示す第2目的地方向とを受信し、第2表示ステップにおいて、更に、第1ゲーム媒体と対応付けて第1目的地方向と、第2ゲーム媒体と対応付けて第2目的地方向とを仮想空間に重畳して画面に表示し、判定ステップにおいて、更に、第1移動方向が第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合と、第2移動方向が第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれる場合とに、プラスとなる第1ポイントを判定し、第1移動方向が第1目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合と、第2移動方向が第2目的地方向を含む所定角度範囲に含まれない場合とに、マイナスとなる第1ポイントを判定する、としてもよい。
【0014】
(6)上記(5)に記載のプログラムの判定ステップにおいて、更に、第1ゲーム媒体及び第2ゲーム媒体が移動した場合、それぞれの移動方向と、第1目的地方向及び第2目的地方向とに基いて、第1ポイントをそれぞれ判定し、判定ステップにおいて判定した各第1ポイントを並べて表示する第3表示ステップを更に含む、としてもよい。
【0015】
(7)上記(4)から(6)に記載のプログラムにおいて、操作により、画面の所定の領域外に全てのゲーム媒体が移動した場合、判定ステップにおいて判定した各第1ポイントを合算する合算ステップと、第1ポイントの蓄積状況を示すポイントゲージを画面に表示して、合算した第1ポイントを、ポイントゲージに反映させる表示を行う第4表示ステップを更に含む、としてもよい。
【0016】
(8)上記(4)から(7)に記載のプログラムにおいて、操作により複数のゲーム媒体が衝突した場合、衝突したゲーム媒体を強調表示する第5表示ステップを更に含む、としてもよい。
【0017】
(9)上記(4)から(8)に記載のプログラムにおいて、決定ステップは、更に、操作により第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とが衝突した場合、衝突後の第1移動方向と第2移動方向とを決定し、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とが衝突してから所定時間、第1移動方向及び/または第2移動方向を変更する第2操作を受け付ける第2受付ステップを更に含む、としてもよい。
【0018】
(10)本開示の一態様であるゲーム処理方法は、第1プレイヤー及び第2プレイヤーがそれぞれ使用する複数の端末装置と、各端末装置と通信を行って、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体と第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体を仮想空間で移動させるゲームを制御するサーバ装置と、を含むゲームシステムに用いられる端末装置のゲーム処理方法である。ゲーム処理方法は、サーバ装置から、第2プレイヤーが付与した第1ポイントと、仮想空間における複数のゲーム媒体の位置情報とを受信し、第1ポイントが付与されたことを画面に表示し、位置情報に基いて、仮想空間に複数のゲーム媒体を配置して画面に表示し、ゲーム媒体を配置した位置から移動させる操作を受け付け、操作に基いて、第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定し、第1移動方向及び/または第2移動方向に基いて、第1プレイヤーに付与する第1ポイントを判定し、第2移動距離に基いて、第2プレイヤーに付与する第2ポイントを判定し、第1ポイント及び第2ポイントに関するポイント情報をサーバ装置に送信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るゲームは、ゲームの開始時間を他のプレイヤーと合わせる必要がなく、且つ、ゲームをすることで他のプレイヤーにメリットを与えることで、プレイヤーは負担を感じることなくゲームへの喜びを感じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ゲームシステム10の構成の一例を示す図である。
【
図2】本ゲームにおける目的地の位置を第1地
図101に示した図である。
【
図8】ゲームシステム10の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、第2地
図102に各ゲーム媒体を重畳して配置した図である。
【
図10】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、他のプレイヤーから第2ポイント値が付与されたことを示す図である。
【
図11】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、他のプレイヤーから付与された第2ポイント値がポイント値ゲージ50に反映されたことを示す図である。
【
図12】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、ポイント値を消費して第1ゲーム媒体71を移動したことを示す図である。
【
図13】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、ミニゲームが開始されたことを示す図である。
【
図14】第1端末装置1のゲーム処理におけるサブルーチンであるミニゲーム処理の一例を示す図である。
【
図15】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、第1プレイヤーによるショット操作を説明するための図である。
【
図16】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、第1プレイヤーによるショット操作によって移動した第1ゲーム媒体71の動作と、算出された第1ポイント値の付与を説明するための図である。
【
図17】第1端末装置1のミニゲーム処理におけるサブルーチンである決定処理の一例を示す図である。
【
図18】第1端末装置1のミニゲーム処理におけるサブルーチンである算出処理の一例を示す図である。
【
図19】ゲーム媒体が単体で移動する場合のポイント値算出を説明するための図である。
【
図20】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、第1プレイヤーによる他のゲーム媒体のショット操作を説明するための図である。
【
図21】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、第1プレイヤーのショット操作によって移動した第3ゲーム媒体73の動作を説明するための図である。
【
図22】移動した第3ゲーム媒体73が第2ゲーム媒体72と衝突することで、複数のゲーム媒体が移動する場合のポイント値算出を説明するための図である。
【
図23】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、衝突後の各ゲーム媒体の移動動作と、算出された第1ポイント値の付与を説明するための図である。
【
図24】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、画面100に残っていた最後のゲーム媒体の移動動作と、算出された第1ポイント値の付与を説明するための図である。
【
図25】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、各ゲーム媒体の移動によって付与された各第1ポイント値の合算と、合算した結果をポイント値ゲージ50に反映させる処理を説明するための図である。
【
図26】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、ポイント値獲得ゲームが終了したことを示す図である。
【
図27】第1端末装置1のミニゲーム処理におけるサブルーチンである衝突処理の一例を示す図である。
【
図28】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、衝突したゲーム媒体の強調表示を説明するための図である。
【
図29】第1端末装置1のタッチパネルディスプレイ19に表示する画面100の一例であり、衝突後に移動した各ゲーム媒体の移動方向に基いて算出されたポイント値の強調表示を説明するための図である。
【
図30】移動したゲーム媒体が他のゲーム媒体と衝突した場合、所定時間、衝突後の移動方向を変更できる操作受付処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態であるゲーム(以下、「本ゲーム」という。)と、本ゲームを実現するゲームシステムについて図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0022】
[本ゲームの概要]
図1に示すように、本ゲームは、本ゲームのプログラムであるゲームアプリ18をインストールした端末装置(第1端末装置1、第2端末装置2)と、ゲームアプリ18を実行した端末装置から本ゲームのプレイ結果を受信して記憶し、本ゲームの進行に関する各種情報を各端末装置に送信して本ゲームを制御するサーバ装置3と、を含むゲームシステム10で実現する。
【0023】
プレイヤーが本ゲームを起動させる操作、例えば、端末装置に備わるタッチパネルディスプレイに表示した本ゲームのアイコンを、プレイヤーがダブルタップする操作を端末装置が受け付けると、端末装置は本ゲームを起動する。また、端末装置は、プレイヤーが本ゲームを終了させる操作、例えば、本ゲームのゲーム画面を削除するスワイプ操作を行うと、本ゲームを終了する。
【0024】
本ゲームは、プレイヤー自身の分身となるキャラクター(以下、「ゲーム媒体」という)を、本ゲームの仮想空間に設定された複数の目的地に移動させることを目的とするゲームである。本ゲームの目的地は、現実世界に存在する世界遺産を目的地としている。
図2に示すように、端末装置は、端末装置の画面100に現実世界の地
図101を表示し、地図上の世界遺産が存在する位置に目的地アイコン61を配置して仮想空間を形成する。
【0025】
本ゲームでは、プレイヤーと対応付けられたゲーム媒体だけでなく、他のプレイヤーと対応付けられた他のゲーム媒体が、仮想空間に出現する。但し、本ゲームをプレイするために、本ゲームの開始時間を他のプレイヤーと合わせる必要はない。他のプレイヤーと対応付けられた他のゲーム媒体に関する関連データは、プレイヤーが本ゲームを開始したときにサーバ装置3が管理している最新のものを使用するだけなので、プレイヤー同士が同時にプレイする必要性はない。
【0026】
ゲーム媒体は、ポイント値を消費することで目的地に移動することができる。ポイント値は、ミニゲームで獲得することができる。ポイント値は、プレイヤー自身に付与されるだけでなく、ミニゲームの仮想空間に出現した他のゲーム媒体と対応付けられている他のプレイヤーに対しても付与され得る。
【0027】
換言すると、ポイント値には2種類あり、1つは、プレイヤー自身がプレイしたミニゲームによってプレイヤー自身のポイント値として獲得する第1ポイント値であり、もう1つは、他のプレイヤーに付与する、或いは付与される第2ポイント値である。
【0028】
第1ポイント値は、プラスの第1ポイント値と、マイナスの第1ポイント値がある。プラスの第1ポイント値は、第1プレイヤーが保有するポイント値に加算されるポイント値であり、マイナスのポイント値は逆に減算されるポイント値である。
【0029】
第2ポイント値は、本実施形態ではプラスのポイント値のみであるが、マイナスのポイント値を付与するように設定することも可能である。ミニゲームにおける各プレイヤーへ付与するポイント値のプラスマイナスの判定方法は後述する。
【0030】
第1ポイント値及び第2ポイント値は、端末装置からサーバ装置3にポイント情報として送信される。ポイント情報には、送信した端末装置をプレイする第1プレイヤーの識別情報と、第1ポイント値と、第2ポイント値を付与する他のプレイヤーの識別情報とが含まれる。サーバ装置3は、これを受信して第1プレイヤー情報及び他のプレイヤー情報にポイント情報を対応付けて記憶する。
【0031】
本ゲームにおいて、ゲーム媒体が目的地に到達すると、端末装置は目的地にある世界遺産の画像等を表示する。これにより、本ゲームは、プレイヤーに対して目的地に到達した達成感と、世界遺産に対する知的好奇心を満たすことができる。
【0032】
世界遺産の画像等を表示した後、端末装置は、プレイヤーに対して新たな目的地の設定を受け付ける画面を表示する。プレイヤーが端末装置を操作して新たな目的地を設定すると、端末装置は、サーバ装置3に設定された目的地を送信し、到達した目的地をスタート位置とする新たな目的地に向けてゲーム媒体を移動させるゲームを実施する。
【0033】
[ゲームシステム10の構成]
図1に示すように、ゲームシステム10は、第1端末装置1、第2端末装置2、サーバ装置3、地図サーバ装置4で構成される。第1端末装置1、第2端末装置2、サーバ装置3、地図サーバ装置4は、ネットワーク5を介して通信接続される。なお、ゲームシステム10には、第1端末装置1、第2端末装置2以外の端末装置が複数接続されることを想定しているが、
図1では省略している。
【0034】
ネットワーク5は、データ通信が可能な通信路である。ネットワーク5は、インターネットやイントラネット、無線LAN、移動通信網等で構成される。
【0035】
[第1端末装置1の構成]
第1端末装置1は、第1プレイヤーが使用する端末装置である。第1端末装置1は、マンマシーンインターフェースの機能を備えたコンピューターである。第1端末装置1は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等の形態を取り得る。
【0036】
図3に示すように、第1端末装置1は、端末通信部11、端末制御部14、端末記憶部17、タッチパネルディスプレイ19を備える。
【0037】
端末通信部11は、ネットワーク5に接続して、サーバ装置3及び地図サーバ装置4と通信する機能を有する。端末通信部11は、端末受信部12、端末送信部13を含む。
【0038】
端末受信部12は、サーバ装置3から本ゲームの各種データ、制御コマンドを受信する。地図サーバ装置4からは、本ゲームの進行において必要となったエリアの地図情報を受信する。
【0039】
端末送信部13は、本ゲームの進行において決定した各ゲーム媒体の仮想空間上の位置、獲得したポイント値等の情報をサーバ装置3に送信し、地図サーバ装置4には、本ゲームの進行において必要となったエリアの地図情報を要求する情報を送信する。地図サーバ装置4から所望のエリアの地図情報を要求して取得する方法は、公知の技術を用いる。
【0040】
例えば、https://www.openstreetmap.org/ 等のサイトに所望エリアを指定するURLを送信すると、所望エリアの地図情報を取得することができる。
【0041】
端末制御部14は、図示していないが、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)、メモリで構成される。端末制御部14は、機能部として、決定部15、判定部16、表示制御部22を有する。各機能部は、CPUが端末記憶部17に記憶するプログラムであるゲームアプリ18を実行することで実現する。
【0042】
決定部15は、ミニゲームにおける第1プレイヤーの操作に基いて、第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体の第1移動距離と第1移動方向、及び/または第2プレイヤーと対応付けられた第2ゲーム媒体の第2移動距離と第2移動方向を決定する機能を有する。
【0043】
判定部16は、決定部15が決定した第1移動方向及び/または第2移動方向に基いて、第1プレイヤーに付与する第1ポイント値を判定し、第2移動距離に基いて、第2プレイヤーに付与する第2ポイント値を判定する機能を有する。決定部15及び判定部16が行う具体的な処理については、後述する。
【0044】
表示制御部22は、画面100に表示する表示データを生成して表示制御を行う機能を有する。表示制御部22は、具体的には、仮想空間に配置したゲーム媒体の移動表示制御、複数のゲーム媒体が衝突した際の演出表示制御等を行う。
【0045】
端末記憶部17は、第1端末装置1の各機能部を制御するプログラム、各種データ、ゲームアプリ18を記憶する。ゲームアプリ18は、本ゲーム及びミニゲームのプログラムであり、ゲームを進行するプログラムの他、第1プレイヤーに関するプレイヤー情報、ゲーム媒体情報、目的地情報、地図情報等も含む。
【0046】
タッチパネルディスプレイ19は、ハードウェアとしてタッチセンサが内蔵された画面100を備える。第1プレイヤーは、自身の指等を画面100に触れて操作すると、タッチパネルディスプレイ19は、画面100に内蔵されたタッチセンサが接触位置を感知し、タップ、ダブルタップ、スワイプ、スクロール、ドラッグ等のタッチ操作を受け付ける。タッチパネルディスプレイ19は、機能部として表示部20、入力部21を有する。
【0047】
表示部20は、端末制御部14の制御に基いて、画面100に本ゲームのGUI(Graphical User Interface)を表示する機能を有する。入力部21は、表示部20が表示したGUIに対するプレイヤーのタッチ操作を受け付ける機能を有する。
【0048】
第2端末装置2は、第2プレイヤーが使用する端末装置である。第2端末装置2の構成は、第1端末装置1と同じであるため説明は省略する。なお、第2端末装置2は、第1端末装置1と同一の機器である必要はなく、例えば、第1端末装置1はスマートフォン、第2端末装置2は、携帯型ゲーム装置であってもよい。
【0049】
図示していないが、第3端末装置を第3プレイヤーが、第4端末装置を第4プレイヤーが使用しており、第3プレイヤーが第3ゲーム媒体73を、第4プレイヤーが第4ゲーム媒体74を設定している。なお、本ゲームは、多数のプレイヤーがプレイすることを想定しており、プレイヤーの数は4人に限定されない。
【0050】
[サーバ装置3の構成]
サーバ装置3は、
図4に示すように、サーバ通信部31、サーバ制御部34、サーバ記憶部35を備える。サーバ通信部31のハードウェアは通信インターフェースで構成される。サーバ通信部31は、ネットワーク5を介して第1端末装置1及び第2端末装置2と通信する機能を有する。サーバ通信部31は、サーバ受信部32、サーバ送信部33を有する。
【0051】
サーバ受信部32は、第1端末装置1及び第2端末装置2から、ログイン、第1ゲーム媒体71及び第2ゲーム媒体72の関連情報の要求、ミニゲーム後の獲得ポイント値の情報等を受信する。サーバ送信部33は、各端末装置からの要求に対応する情報を送信する。
【0052】
サーバ制御部34は、ハードウェアとしてCPU、メモリで構成され、各端末装置から送信された各種情報を、プレイヤーIDと対応付けてサーバ記憶部35に記憶し、各端末装置から送信された要求に対応する情報をサーバ記憶部35から抽出する機能を有する。
【0053】
例えば、第1端末装置1から第1ゲーム媒体71の関連情報の要求を受信すると、当該要求に含まれるプレイヤーIDに基いて、サーバ記憶部35に記憶しているプレイヤー情報36から第1ゲーム媒体71の関連情報を抽出し、サーバ送信部33により、第1端末装置1に送信させる。
【0054】
サーバ記憶部35は、サーバ装置3の各機能部を制御する制御プログラム、各種データを記憶する機能を有する。サーバ記憶部35は、プレイヤー情報36、ゲーム媒体情報37、目的地情報38を記憶する。サーバ記憶部35が記憶するこれらの情報について以下に説明する。
【0055】
[プレイヤー情報36]
図5に示すように、プレイヤー情報36は、プレイヤーの識別情報であるプレイヤーIDと、プレイヤーが設定したゲーム媒体を識別するゲーム媒体IDと、プレイヤーが本ゲームをプレイすることで取得する各種情報を対応付けた情報である。
【0056】
目的地IDは、プレイヤーが選択した目的地を識別する情報である。スタート位置IDは、前回到達した目的地がスタート位置であるため、前回の目的地を識別する情報である。なお、最初のゲーム開始時点では、任意の目的地をスタート位置として設定してもよいし、特定の位置をスタート位置として設定してもよい。更に、移動途中で目的地を変更した場合は、変更した地点を新たなスタート位置として設定してもよい。
【0057】
目的地方向は、スタート位置から目的地までを直線で結んだ方向である。後述する目的地情報38に目的地の緯度・経度の位置情報が含まれるため、目的地の位置情報とスタート位置の位置情報とから、方向とスタート位置から目的地まで距離を算出することができる。
【0058】
例えば、スタート位置(経度x1、緯度y1)、目的地(経度x2、緯度y2)とし、地球の半径r=6378.137kmとすると、
2点間距離d(km)=r・cos-1(sin(y1)sin(y2)+cos(y1)cos(y2)cos(x2-x1))
目的地方向φ=90-tan-1(sin(x2-x1)/(cos(y1)tan(y2)-sin(y1)cos(x2-x1)))
で算出することができる。
【0059】
目的地までの残距離は、現在位置から目的地までの距離である。ゲーム媒体は、スタート位置から目的地に向けてポイント値を消費して進む。例えば、スタート位置から目的地まで123kmの距離があって、ポイント値を消費してゲーム媒体が70km移動した場合、目的地までの残距離は、53kmである。
【0060】
位置情報は、ゲーム媒体の現在位置を示す情報である。ゲーム媒体の位置情報は、目的地の位置情報と、目的地までの残距離と、目的地方向φから算出することができる。
【0061】
ポイント値は、プレイヤーが保有しているポイント値である。本ゲームでは、例えば、1ポイントでゲーム媒体を目的地に向けて10km進めるものとする。
【0062】
ポイント値を付与した他のプレイヤーIDは、ミニゲームで第1プレイヤーに対して第2ポイント値を付与した他のプレイヤーのプレイヤーIDである。1プレイヤーにつき所定数の第2ポイント値、例えば、1ポイントを第1プレイヤーに付与する。
【0063】
本ゲームを実行した端末装置は、ミニゲームで獲得した第1ポイント値及び第2ポイント値に関するポイント情報をサーバ装置3に送信する。
【0064】
総移動距離は、プレイヤーが本ゲームを開始してからゲーム媒体を移動させた距離である。到達目的地数は、ゲーム媒体が到達した目的地の数である。
【0065】
[ゲーム媒体情報37]
図6に示すように、ゲーム媒体情報37は、本ゲーム及びミニゲームの仮想空間で登場するキャラクターの情報である。キャラクターは、人、動物、乗り物等を模擬したものであり、実在するもの、実在していたもの、仮想上のもの等、様々なものがキャラクターの対象となり得る。
【0066】
ゲーム媒体情報37は、それぞれのゲーム媒体を識別するゲーム媒体IDと、キャラクターの名前、性別等の属性情報、キャラクターの特徴情報、キャラクターの画像、アニメーション等を対応付けた情報である。
【0067】
[目的地情報38]
図7に示すように、目的地情報38は、ゲーム媒体が移動する目的地に関する情報である。目的地情報38は、それぞれの目的地を識別する目的地IDと、目的地名、目的地の属性区分、目的地の位置情報、目的地を表す画像、動画等を対応付けた情報である。
【0068】
本ゲームにおいて設定されている目的地は世界遺産であり、目的地の属性区分は、自然遺産、文化遺産、自然遺産と文化遺産の両方の基準を満たす複合遺産の3つがある。目的地の位置情報は、実在する世界遺産の緯度経度である。位置情報は、緯度経度で表現されているが、他の形式で表してもよい。例えば、256×256の正方形タイルで表現された世界座標で表現してもよい。
【0069】
[ゲームシステム10の動作]
図8から
図30を用いて、ゲームシステム10の動作を説明する。なお、図に示す記号「S」は、ステップを意味する。
図8に示すように、まず、第1プレイヤーが第1端末装置1を操作して、ゲームアプリ18を起動させる(S1)。
【0070】
第1端末装置1はゲームアプリ18の起動により、サーバ装置3に対して、ログインと、第1ゲーム媒体の関連情報を要求する要求情報を送信する。要求情報には、第1プレイヤーを識別するプレイヤーIDが含まれる。
【0071】
サーバ装置3は、第1端末装置1から要求情報を受信する。サーバ制御部34は、受信した要求情報に含まれるプレイヤーIDに基いて、第1ゲーム媒体関連情報をサーバ記憶部35から抽出する(S2)。
【0072】
第1ゲーム媒体関連情報は、第1プレイヤーのプレイヤーIDと対応付けられているプレイヤー情報と、第1ゲーム媒体の現在位置に近い位置情報が含まれる他のプレイヤー情報である。他のプレイヤー情報を抽出するエリア範囲は、第1ゲーム媒体の現在位置の周囲に、他のゲーム媒体の存在する数に応じて可変してもよい。
【0073】
例えば、第1ゲーム媒体の現在位置を中心とする半径100kmの範囲で探索をし、抽出された他のゲーム媒体の数が2個以下であれば、探索する範囲を半径200kmに変更して探索する、としてもよい。
【0074】
逆に、第1ゲーム媒体の現在位置を中心とする半径100kmの範囲で探索をし、抽出された他のゲーム媒体の数が10個以上あった場合は、探索する範囲を50km以下に変更する、としてもよい。
【0075】
サーバ装置3は抽出した第1ゲーム媒体71の関連情報を第1端末装置1に送信して応答する。第1端末装置1は、サーバ装置3から第1ゲーム媒体71の関連情報を受信すると、第1ゲーム媒体71の関連情報に含まれる第1ゲーム媒体及び他のゲーム媒体の位置情報に基いて、
図9に示すように、画面100に表示した第2地
図102の上に、第1ゲーム媒体71、第2ゲーム媒体72、第3ゲーム媒体73、第4ゲーム媒体74を重畳して配置する(S3)。
【0076】
表示制御部22は、
図9に示すように、各ゲーム媒体に目的地方向を示す矢印アイコン80を付加する。
【0077】
第1ゲーム媒体71のスタート位置は、第1目的地アイコン62が配置された位置である。表示制御部22は、画面100の上部にポイント値ゲージ50を表示させ、保有するポイント値を示す保有ポイント値量51をゲージ内に表示させる。
【0078】
表示制御部22は、第1ゲーム媒体関連情報に含まれる「ポイント値を付与したプレイヤーID」に基いて、他のプレイヤーから付与された第2ポイント値をアイコンで表示させる(S4)。
【0079】
図5に示すように、第1プレイヤーのプレイヤーID「P01」が対応付けられているプレイヤー情報の「ポイント値を付与した他のプレイヤーID」には、第2プレイヤー及び第4プレイヤーのプレイヤーIDが対応付けられている。
【0080】
図10に示すように、表示制御部22は、画面100に、第2プレイヤーに対応付けられている第2ゲーム媒体72と、第4プレイヤーに対応付けられている第4ゲーム媒体74とから、プラスポイントアイコン53が飛び出して、ポイントゲージ50の下方に移動する表示制御を行う。プラスポイントアイコン53は、プラスの第1ポイント値を示すアイコンである。また、画面100には、他のプレイヤーから付与された第2ポイント値により、保有ポイント量51が増加することを示すポイント値増減量52をポイントゲージ50内に表示する。
【0081】
係る表示により、第1プレイヤーは、他のプレイヤーからポイント値が付与されたことがわかり、本ゲームを通じて他のプレイヤーと関わっていることの喜びを感じることができる。
【0082】
表示制御部22は、S4の処理によって、
図11に示すようにポイントゲージ50にポイント値を加算した後、
図12に示すように、第1ゲーム媒体71を目的地である第2目的地アイコン72の方向に移動させる表示処理を行う(S5)。その際、画面100には、ポイントゲージ50に貯まっていたポイント値が消費されたことを示すポイント値増減量52を表示する。
【0083】
[ミニゲーム処理]
第1端末装置1は、S5の処理を行った後、ミニゲーム処理を開始する(S6)。その際、
図13に示すように、画面100にミニゲームが開始したことを第1プレイヤーに知らせるためのゲーム開始アイコン81を表示してもよいし、BGMを変更する、或いは効果音を出力してミニゲームの開始を第1プレイヤーに知らせてもよい。
【0084】
ミニゲームは、画面100の仮想空間上に配置した各ゲーム媒体をショット操作で移動させて、その移動態様によって決定される第1ポイント値及び第2ポイント値を獲得するゲームである。
【0085】
ショット操作とは、画面100に配置されたゲーム媒体を指でタップして、指をそのまま移動させたい方向に画面100上をスワイプし、所望の距離まで伸ばした位置で指を画面100から離す、という操作である。スワイプとは、画面100に触れた状態で指を滑らせる操作のことをいう。ゲーム媒体は、ショット操作によりスワイプした方向と距離に応じて、初速度から徐々に減速する直線移動を仮想空間上で行う。
【0086】
ミニゲームは、ショット操作により仮想空間に配置された全てのゲーム媒体が画面100の枠外に移動して画面100から消えると終了となる。
【0087】
図14に示すように、ミニゲームにおいて、第1端末装置1の入力部21は、第1プレイヤーから画面100に対して行われるショット操作を受け付ける(S11)。
【0088】
第1端末装置1は、第1プレイヤーからショット操作を受け付けると、スワイプした距離に応じた初速度で、スワイプした方向に第1ゲーム媒体71を移動させる移動表示処理を行う。
【0089】
ショット操作の一例として
図15には、第1プレイヤーは、画面100に表示された第1ゲーム媒体71を指でタップして、所望の方向に所望の距離分スワイプする操作が示されている。表示制御部22は、第1ゲーム媒体71の位置と、第1プレイヤーのスワイプによって押下されている画面100の最終位置とを結んだ操作ライン82を表示部20に表示させる。
【0090】
操作ライン82を表示することで、第1プレイヤーは、操作ライン82を長く伸ばせば伸ばすほどゲーム媒体の初速度が増加することを理解し、ゲーム媒体を所望の位置に移動させる目安として活用することができる。
【0091】
なお、第1プレイヤーは、ゲーム媒体をタップした後に、ショット操作を行いたいゲーム媒体を変更したい場合がある。この場合、第1端末装置1は、第1プレイヤーがゲーム媒体をタップしてスワイプ操作まで行ったとしても、指を画面100から離さずに、ゲーム媒体の位置付近まで戻して画面100から指を離せば、ショット操作を解除することができる。
【0092】
なお、スマートフォン等、本ゲームを表示する画面100が比較的小さい場合は、第1プレイヤーが指を画面100に押下した位置と、第1プレイヤーが押下したと思っている位置とに、多少のズレが生じることがある。このようなズレによって、第1プレイヤーの意図しないショット操作が発生することが考えられる。
【0093】
係る問題を解消するために、第1端末装置1は、入力部21が検出した第1プレイヤーのスワイプ操作の長さが所定の距離以上でない場合は、ショット操作を無効にする、としてもよい。これにより、第1プレイヤーの意図を反映した操作性を実現することができる。
【0094】
更に、第1端末装置1は、第1プレイヤーが画面100をスワイプした距離がショット操作として有効な距離の場合は、操作ライン82を緑色で表示し、ショット操作として無効となる距離の場合は、操作ライン82を赤色で表示してもよい。
【0095】
入力部21が、第1プレイヤーからショット操作を受け付けると、表示制御部22は、
図16に示すように、第1ゲーム媒体71を移動させる移動表示処理を行って画面100に表示する。その結果、第1ゲーム媒体71が画面100の枠にかかる位置まで移動する場合、表示制御部22は、第1ゲーム媒体71が画面外に移動したものとして画面100から削除する表示処理を行う。
【0096】
表示制御部22は、第1ゲーム媒体71が第1ゲーム媒体71の移動方向によって決定された第1ポイント値をポイントゲージ50に付与する表示処理を行う。
【0097】
[決定処理]
ここで、ミニゲーム処理(S6)のサブルーチンである決定処理(S12)について説明する。S11において、入力部21が第1プレイヤーからショット操作を受け付けると、決定部15は、
図17に示すように、受け付けたショット操作に基いてゲーム媒体の移動方向、移動距離を決定する(S21)。
【0098】
続いて、表示制御部22は、S21で決定した移動方向、移動距離に基いてゲーム媒体の移動表示処理を行う(S22)。なお、ショット操作に基くゲーム媒体の移動方向、移動距離の決定処理は、公知のビリヤードゲーム等で用いられるプログラムを適用することができる。
【0099】
例えば、ゲーム開発ツール「Unity」において用意されている「Collider」、「RigidBody」等のコンポーネントを用いることで、ゲーム媒体の移動方向、移動距離、移動表示処理を実現することができる。
【0100】
S22において表示制御部22がゲーム媒体の移動表示処理を行い、移動したゲーム媒体が他のゲーム媒体と衝突しない場合(S23:No)、決定部15は決定処理を終了して、S13の処理に進む。
【0101】
S22において移動表示処理を行い、移動したゲーム媒体が他のゲーム媒体と衝突する場合(S23:Yes)、決定部15は衝突後の各ゲーム媒体の移動方向、移動距離を決定する(S24)。
【0102】
S24において、決定部15が衝突後の各ゲーム媒体の移動方向、移動距離を決定した後、表示制御部22は、衝突時の表示制御等を含む衝突処理を行う(S25)。衝突処理の動作については、後述する。なお、本ゲームの進行において、S25の衝突処理をスキップすることも可能である。
【0103】
表示制御部22は、S25の処理の後、S24で決定した各ゲーム媒体の移動方向、移動距離に基いて各ゲーム媒体の移動表示処理を行う(S26)。ゲーム媒体の移動方向、移動距離の算出は、S22と同様である。第1端末装置1は、S26の処理の後、S13の処理に進む。
【0104】
[判定処理]
続いて、ミニゲーム処理(S6)のサブルーチンである判定処理(S13)について説明する。第1端末装置1の判定部16は、S12の決定処理後、
図18に示すように、移動対象のゲーム媒体が第1プレイヤーと対応付けられた第1ゲーム媒体である場合(S41:Yes)、第1ゲーム媒体の移動方向が、目的地方向を含む所定角度範囲内か否かを判定する(S42)。
【0105】
図19は、一例として、第1ゲーム媒体71に対応付けられている目的地方向80と、目的地方向80を含む所定角度の目的地方向範囲83、決定処理で決定した第1ゲーム媒体71の移動方向である第1移動方向91とを示す図である。所定角度は、任意に設定することができる。例えば、
図19では、目的地方向80に対してプラスマイナス45度を目的地方向範囲83としている。
【0106】
図19に示す第1移動方向91は、目的地方向範囲83の角度範囲に含まれる。この場合、S42の判定結果は、Yesであるため、判定部16はプラスの第1ポイント値を付与する(S43)。その後、S45の処理に進む。
【0107】
S42の判定結果がNoの場合、判定部16はマイナスの第1ポイント値を付与する(S44)。その後、S45の処理に進む。
【0108】
判定部16は、決定部15が他のゲーム媒体の移動方向及び移動距離を決定している場合(S45:Yes)、S46の処理に進む。他のゲーム媒体の移動は決定していない場合(S45:No)、S14の処理に進む。
【0109】
判定部16は、他のゲーム媒体の移動方向が、目的地方向を含む所定角度範囲内か否かを判定する(S46)。S46の判定がYesの場合、判定部16はプラスの第1ポイント値と、第2ポイント値を付与する(S47)。その後、S14の処理に進む。
【0110】
S46の判定がNoの場合、判定部16はマイナスの第1ポイント値と、第2ポイント値を付与する(S48)。その後、S14の処理に進む。
【0111】
図20は、第1プレイヤーによる他のゲーム媒体のショット操作の一例を示す図である。同図には、第1プレイヤーが使用する第1端末装置1の画面100に表示する仮想空間に配置された第3ゲーム媒体73を、第1プレイヤーがタップしてショット操作を行うことを示している。
【0112】
第1プレイヤーが、画面100をスワイプ操作すると、表示制御部22は、操作ライン82を画面100に表示する。第1プレイヤーは、操作ライン82が第2ゲーム媒体72に接触するようにスワイプ操作した指の位置を調整することができる。これにより、第1プレイヤーは、操作ライン82と、第2ゲーム媒体72の位置とを視認することで、第3ゲーム媒体73を所望の角度で第2ゲーム媒体72に衝突させることができる。
【0113】
図21は、
図20に示すショット操作により移動した第3ゲーム媒体73を示す図である。同図に示すように、第3ゲーム媒体73は、第2ゲーム媒体72と衝突している。
【0114】
図22は、第3ゲーム媒体73が第2ゲーム媒体72と衝突したことで、移動方向が変更されたそれぞれのゲーム媒体の移動方向と、それぞれのゲーム媒体に設定されている目的地方向範囲とを示す図である。
【0115】
第3ゲーム媒体73のショット操作を入力部21が受け付けると、表示制御部22は、決定部15が決定した第1移動方向91に第3ゲーム媒体73を移動表示処理する。その結果、第3ゲーム媒体73が第2ゲーム媒体72と衝突すると、決定部15は、各ゲーム媒体が衝突した接点と、各ゲーム媒体の中心点を通る法線方向を、第2ゲーム媒体72の移動方向(第2移動方向92)と決定し、接線方向を第3ゲーム媒体73の移動方向(第3移動方向93)と決定する。
【0116】
第2移動方向92は、第2ゲーム媒体72の目的地方向範囲83に含まれるため、判定部16はプラスの第1ポイント値と、第2ポイント値を付与する判定を行う。一方、第3移動方向93は、第3ゲーム媒体73の目的地方向範囲83に含まれないため、判定部16はマイナスの第1ポイント値と、第2ポイント値を付与する判定を行う。
【0117】
図23は、決定部15が決定した衝突後の各ゲーム媒体の移動方向に、表示制御部22が各ゲーム媒体を移動表示処理した画面100の一例を示す図である。
図23に示すように、表示制御部22は、画面100に、第2ゲーム媒体72からプラスポイントアイコン53を飛び出させ、第3ゲーム媒体73からマイナスポイントアイコン54を飛び出させて、それぞれポイントゲージ50の下方に移動させる表示制御を行う。マイナスポイントアイコン54は、マイナスの第1ポイント値を示すアイコンである。
【0118】
続いて
図24に示すように、第4ゲーム媒体94を画面100の枠外に移動させるショット操作を入力部21が受け付けると、表示制御部22は、画面100に、第4ゲーム媒体74からプラスポイントアイコン53を飛び出させ、ポイントゲージ50の下方に移動させる表示制御を行い、第4ゲーム媒体74は画面100の枠外まで移動したため、画面100から削除する表示制御を行う。
【0119】
係る表示により、第1プレイヤーは、ショット操作によって獲得する第1ポイント値が異なることがわかり、より多くのプラスのポイント値を獲得できるショット操作を考えてプレイすることの楽しさを感じることができる。
【0120】
図14に示すように、表示制御部22は、全てのゲーム媒体が画面100の枠外に移動した場合(S14:Yes)、ミニゲーム処理(S6)を終了する。表示制御部22は、全てのゲーム媒体が画面100の枠外に移動していない場合(S14:No)、S11の処理に戻る。
【0121】
図8に示すように、ミニゲーム処理(S6)が終了すると、表示制御部22は、ミニゲーム処理で獲得したプラスの第1ポイント値及びマイナスの第1ポイント値を合算して、ポイントゲージ50に反映させる表示制御を行う(S7)。
【0122】
図25に示すように、表示制御部22は、ポイントゲージ50の下部に並べて表示したプラスポイントアイコン53が示すプラスの第1ポイント値と、マイナスポイントアイコン54が示すマイナスの第1ポイント値を合算して、ポイントゲージ50に反映させる表示を行う。表示制御部22は、ポイントゲージ50内に合算したポイント値増減量52を表示する。
【0123】
表示制御部22は、プラス及びマイナスの第1ポイント値をポイントゲージ50に合算する表示において、プラスの第1ポイント値をポイントゲージ50に加算すると、ポイントゲージ50が増加するポイント値増減量52を表示し、マイナスの第1ポイント値をポイントゲージ50から減算すると、ポイントゲージ50が減少するポイント値増減量52を表示する。この表示処理により、第1プレイヤーは、獲得した第1ポイント値の増減状況を楽しむことができる。
【0124】
図26に示すように、表示制御部22は、第1ポイント値をポイントゲージ50に反映させる表示を行った後、ミニゲームが終了したことを示すゲーム終了アイコン84を画面100に表示させてもよい。
【0125】
第1端末装置1は、ミニゲームで第1プレイヤーが獲得した第1ポイント値及び第2ポイント値に関するポイント情報をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3は、第1端末装置から受信した第1ポイント値を第1プレイヤー情報と対応付けてサーバ記憶部35に記憶する。
【0126】
第2ポイント値については、第2ポイント値を付与する他のプレイヤーの識別情報がポイント情報に含まれるので、他のプレイヤー情報に第1プレイヤーの識別情報を対応付けてサーバ記憶部35に記憶する(S8)。
【0127】
第1端末装置1は、ミニゲーム終了後、ゲームアプリを終了させる操作を受け付けると、本ゲームを終了する(S9)。
【0128】
[衝突処理]
続いて、衝突処理(S25)について説明する。第1プレイヤーのショット操作によりゲーム媒体同士が衝突した場合、表示制御部22は、衝突したことを強調する衝突強調表示処理を行う(S51)。
【0129】
衝突強調表示処理は、例えば、
図28に示すように、衝突したゲーム媒体を通常サイズ(点線で示す大きさ)よりも大きなサイズである強調ゲーム媒体85で表示し、衝突したタイミングで、各ゲーム媒体の移動表示を一旦停止して、衝突したことを強調する処理である。
【0130】
衝突強調表示処理は、更に、
図29に示すように、衝突後の移動方向が決定した各ゲーム媒体に付与された第1ポイント値のプラスマイナスを、強調プラス/マイナスポイント値アイコン87で強調して表示してもよい。判定された第1ポイント値のプラスマイナスがどうだったのかを第1プレイヤーに確実に知らせることができる。
【0131】
S51の処理後、入力部21は、衝突してから所定時間、衝突後の移動方向を変更する操作を受け付ける(S52)。衝突後の移動方向がゲーム媒体に設定されている目的地方向範囲83に含まれない場合、判定部16は、マイナスの第1ポイント値を付与してしまうため、所定時間だけ、衝突後の移動方向を修正する機会を第1プレイヤーに与える。
【0132】
入力部21がゲーム媒体の移動方向を変更する操作を受け付けた場合(S53:Yes)、決定部15は、各ゲーム媒体の移動方向を変更する(S54)。例えば、
図30に示すように、第1プレイヤーが第3ゲーム媒体73の第3移動方向93の矢印をタップして、目的地方向範囲83に含まれる方向にスワイプ操作をすると、決定部15は、衝突した他のゲーム媒体である第2ゲーム媒体72の第2目的地方向92の矢印も方向を変更する。
【0133】
S53において、入力部21が移動方向変更操作を受付ず(S53:No)、または、S54の処理の後、所定時間が経過した場合(S55:Yes)、第1端末装置1はS26の処理に進む。
【0134】
S55において、所定時間が経過していない場合(S55:No)、第1端末装置1は、S52の処理に戻る。
【0135】
方向変更後の各ゲーム媒体の移動方向は、各ゲーム媒体の目的地方向範囲83に含まれるため、判定部16は、各ゲーム媒体についてプラスの第1ポイント値を付与する判定を行う。
【0136】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上記の実施形態の変形例を包含するものとして理解されるべきである。例えば、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したものや、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせた実施形態や、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加した実施形態も本発明に含まれる。
【0137】
上記の実施形態では、目的地は世界遺産としていたが、一般的な観光名所、著名なレストラン等、現実世界に存在する興味度が高い地点、いわゆるPOI(Point of Interest)を目的地として設定してもよいし、アニメや小説等、現実世界に存在しない想像上の世界の地点を目的地として設定してもよい。想像世界の地点を目的地とする場合は、想像世界の地図を用いて、各目的地及び各ゲーム媒体を配置してもよいし、地図を用いることなく、座標空間に各ゲーム媒体を配置してもよい。
【0138】
第1ゲーム媒体関連情報として抽出する他のプレイヤー情報は、例えば、目的地IDが同じのものを除くようにしてもよい。目的地IDが同じゲーム媒体は、目的地方向が同じになる可能性が高い。あるゲーム媒体の数が多くなると、後述するプラスのポイント値の獲得が容易になるため、ミニゲームの興趣が損なわれる可能性が高まるからである。
【0139】
他のプレイヤーに付与する第2ポイント値は、ショット操作によって他のプレイヤーと対応付けられた他のゲーム媒体が移動した距離に応じて、付与する値の大きさを変えてもよいし、第1ポイント値のように、移動方向がゲーム媒体の目的地方向範囲と合致していない場合は、マイナスのポイント値を付与するようにしてもよい。
【0140】
上記の実施形態では、プレイヤーはミニゲームでポイント値を獲得する説明をしたが、ポイントを値として付与するのではなく、プレイヤーに対してなんらかの特典を付与するものとしてもよい。本発明においてポイントは、特典の他、プレイヤーに対してなんらかのベネフィットを与える指標と定義してもよい。例えば、ゲーム媒体の移動速度を2倍にするアイテムや、ゲーム媒体を装飾することができる装飾アイテムであってもよい。
【0141】
本発明は、ゲームシステム10として実現する他、端末装置、ゲーム処理方法、コンピューターにゲーム処理を実行させるプログラム、係るプログラムを記憶した記憶媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 第1端末装置
2 第2端末装置
3 サーバ装置
4 地図サーバ装置
5 ネットワーク
10 ゲームシステム
11 端末通信部
12 端末受信部
13 端末送信部
14 端末制御部
15 決定部
16 判定部
17 端末記憶部
18 ゲームアプリ
19 タッチパネルディスプレイ
20 表示部
21 入力部
22 表示制御部
31 サーバ通信部
32 サーバ受信部
33 サーバ送信部
34 サーバ制御部
35 サーバ記憶部
36 プレイヤー情報
37 ゲーム媒体情報
38 目的地情報
50 ポイント値ゲージ
51 保有ポイント値量
52 ポイント値増減量
53 プラスポイント値アイコン
54 マイナスポイント値アイコン
61 目的地アイコン
62 第1目的地アイコン
63 第2目的地アイコン
71 第1ゲーム媒体
72 第2ゲーム媒体
73 第3ゲーム媒体
74 第4ゲーム媒体
80 矢印アイコン
81 ゲーム開始アイコン
82 操作ライン
83 目的地方向範囲
84 ゲーム終了アイコン
85 強調ゲーム媒体
87 強調プラス/マイナスポイント値アイコン
91 第1移動方向
92 第2移動方向
93 第3移動方向
100 画面
101 第1地図
102 第2地図