(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096989
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】鉄道車両用電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230630BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213097
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 清太郎
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA21
5H770BA03
5H770CA02
5H770DA03
5H770DA32
5H770DA33
5H770JA10X
5H770PA03
5H770PA21
5H770PA29
5H770PA42
5H770QA06
5H770QA08
5H770QA14
5H770QA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンバータ部及びインバータ部の各相の半導体モジュールを効率的に冷却する電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置16は、各相が進行方向に交差する方向に隣接し、冷却部に固定されるコンバータ部56及びインバータ部58と、複数のヒートパイプ60とを有する。コンバータ部及びインバータ部の各相は、夫々第1の半導体モジュール82と、それよりも発熱量が小さい第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86と、を備える。第1の半導体モジュールは、進行方向に進行するとき、第2、第3の半導体モジュールに対して入風側又は排風側に設けられる。ヒートパイプは、コンバータ部及びインバータ部の各相に設けられ、一端62の作動液の蒸発部は、冷却フィン74と第1の半導体モジュールとの間に配置され、他端64の作動液の凝縮部は、冷却フィンと第2の半導体モジュール又は第3の半導体モジュールとの間に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の一方及び他方の進行方向への移動により冷却される冷却フィンを有する冷却部と、
U相及びV相が前記進行方向に交差する方向に隣接し、前記冷却部に固定され、交流から直流に変換するときに発熱するコンバータ部と、
前記コンバータ部に対して前記進行方向に交差する方向に隣接し、U相、V相、及び、W相が前記進行方向に交差する方向に隣接し、前記冷却部に固定され、直流から交流に変換するときに発熱するインバータ部と、
前記冷却フィンと前記コンバータ部との間、及び、前記冷却フィンと前記インバータ部との間にそれぞれ設けられる複数のヒートパイプと
を有し、
前記コンバータ部の各相、及び、前記インバータ部の各相は、それぞれ、
電力変換時に熱が発生する第1の半導体モジュールと、
電力変換時に熱が発生し、前記第1の半導体モジュールよりも発熱量が小さい第2の半導体モジュールと、
電力変換時に熱が発生し、前記第1の半導体モジュールよりも発熱量が小さい第3の半導体モジュールと
を備え、
前記第1の半導体モジュールは、前記進行方向に進行するとき前記第2の半導体モジュール及び前記第3の半導体モジュールに対して入風側又は排風側に設けられ、
前記ヒートパイプは、前記コンバータ部の各相、及び、前記インバータ部の各相にそれぞれ設けられ、
前記ヒートパイプの一端の作動液の蒸発部は、前記冷却フィンと前記第1の半導体モジュールとの間に配置され、
前記ヒートパイプの他端の前記作動液の凝縮部は、前記冷却フィンと前記第2の半導体モジュール又は前記第3の半導体モジュールとの間に配置される、
鉄道車両用電力変換装置。
【請求項2】
前記ヒートパイプは、前記コンバータ部及び前記インバータ部の各相の前記第1の半導体モジュール、前記第2の半導体モジュール、及び、前記第3の半導体モジュールの組の直下にそれぞれまたがって配置される、請求項1に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【請求項3】
前記コンバータ部、前記インバータ部、及び、前記冷却部が配置される筐体を備え、
前記筐体には、端子台が設けられ、
前記コンバータ部及び前記インバータ部の各相の前記第1の半導体モジュール、前記第2の半導体モジュール、及び、前記第3の半導体モジュールには、それぞれAC端子が設けられ、
前記端子台、前記コンバータ部の前記AC端子、及び、前記インバータ部の前記AC端子は、前記第1の半導体モジュールに対して入風側又は排風側の同一方向に設けられる、請求項1又は請求項2に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【請求項4】
前記第1の半導体モジュールは、電力変換により発熱する複数のスイッチング素子を収容するモジュールである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、鉄道車両用電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3レベル回路方式の電力変換装置は、交流を直流に変換するコンバータ部と、直流を交流に変換するインバータ部と、冷却部とを備える。コンバータ部及びインバータ部は、電力変換時に発熱する半導体モジュールを備える。そして、鉄道車両の電力変換装置は、コンバータ部及びインバータ部の半導体モジュールの発熱を冷却部で受熱するとともに、走行風により冷却部を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6858244号公報
【特許文献2】特許第6735721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、コンバータ部及びインバータ部の各相の半導体モジュールを効率的に冷却可能な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、鉄道車両用電力変換装置は、冷却部と、コンバータ部と、インバータ部と、複数のヒートパイプとを有する。冷却部は、鉄道車両の一方及び他方の進行方向への移動により冷却される冷却フィンを有する。コンバータ部は、U相及びV相が前記進行方向に交差する方向に隣接し、前記冷却部に固定される。コンバータ部は、交流から直流に変換するときに発熱する。インバータ部は、前記コンバータ部に対して前記進行方向に交差する方向に隣接し、U相、V相、及び、W相が前記進行方向に交差する方向に隣接し、前記冷却部に固定される。インバータ部は、直流から交流に変換するときに発熱する。複数のヒートパイプは、前記冷却フィンと前記コンバータ部との間、及び、前記冷却フィンと前記インバータ部との間にそれぞれ設けられる。前記コンバータ部の各相、及び、前記インバータ部の各相は、それぞれ、電力変換時に熱が発生する第1の半導体モジュールと、電力変換時に熱が発生し、前記第1の半導体モジュールよりも発熱量が小さい第2の半導体モジュールと、電力変換時に熱が発生し、前記第1の半導体モジュールよりも発熱量が小さい第3の半導体モジュールとを備える。前記第1の半導体モジュールは、前記進行方向に進行するとき前記第2の半導体モジュール及び前記第3の半導体モジュールに対して入風側又は排風側に設けられる。前記ヒートパイプは、前記コンバータ部の各相、及び、前記インバータ部の各相に設けられる。前記ヒートパイプの一端の作動液の蒸発部は、前記冷却フィンと前記第1の半導体モジュールとの間に配置される。前記ヒートパイプの他端の前記作動液の凝縮部は、前記冷却フィンと前記第2の半導体モジュール又は前記第3の半導体モジュールとの間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】レールに載せられた実施形態に係る鉄道車両の一部を示す概略的な側面図。
【
図3】第1実施形態に係る3レベル電力変換装置の回路図。
【
図4】第1実施形態に係る電力変換装置のコンバータ部及びインバータ部の各相の3レベル回路図。
【
図7】第3実施形態の第1変形例に係る電力変換装置の概略図。
【
図8】第3実施形態の第2変形例に係る電力変換装置の概略図。
【
図9】第4実施形態に係る3レベル電力変換装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら鉄道車両10の好ましい実施形態について説明する。
【0008】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る鉄道車両10について、
図1乃至
図4を用いて説明する。なお、各図において、説明の便宜上、各構成の縮尺を適宜変更するとともに、一部省略又は簡略化して説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る鉄道車両10の一部を模式的に示す側面図である。
図1に示す鉄道車両10は、レール100等を敷いた専用通路(軌道)上を走行する。鉄道車両10は、台車12と、車体14と、電力変換装置(鉄道車両用電力変換装置)16とを備える。
【0010】
図1中には、XYZ直交座標系を設定する。本実施形態においては、
図1中のX方向は鉄道車両10の前後方向を、Y方向は鉄道車両10の幅方向を、Z方向は重力方向を示す。
図1中の紙面左方を+X方向、紙面奥側を+Y方向、紙面上方を+Z方向とする。また、鉄道車両10の前後方向は、鉄道車両10の走行想定方向(第1の方向(+X方向)、及び、第1の方向と反対側の第2の方向(-X方向))である。
【0011】
台車12は、例えば、台車枠22と、複数の車軸24と、複数の車輪26と、電動機(モータ)28と、台車バネ30とを備える。台車12は、例えば、車体14の床下における走行想定方向に離間して複数設けられる。
【0012】
台車バネ30は、例えば、空気バネである。台車枠22は、台車バネ30を介して車体14の床下に接続される。
【0013】
車軸24は、鉄道車両10の幅方向に延びる。複数の車軸24は、台車枠22に回転可能に支持される。例えば、車軸24は、台車枠22の走行想定方向に沿う両端部に一対設けられる。
【0014】
車輪26は、車軸24の幅方向の両端部に取り付けられ、レール100上に載せられる。本実施形態において、車輪26は、一つの台車12に例えば4つ設けられる。
【0015】
電動機28は、例えば台車枠22に支持される。電動機28は、車軸24を回転させる。例えば、電動機28は、一対の車軸24のそれぞれを回転可能に、一対設けられる。具体例として、電動機28は、3相交流電力により回転する回転軸と、回転軸の回転を車軸24に伝達する伝達機構とを有する。
【0016】
車体14は、走行想定方向(前後方向)に長い。車体14は、前後方向に長い略直方体形状に形成される。なお、車体14の形状は、この形状に限定されず、適宜設定可能である。
【0017】
車体14には、天井に重力方向で上方に向けて設けられたパンタグラフ14aが設けられる。パンタグラフ14aは、レール100上に一定の距離を開けて設定された架線101に接触可能に構成される。
【0018】
図1に示すように、電力変換装置16は、例えば走行想定方向に沿う台車12間に配置される。電力変換装置16は、鉄道車両10の車体14の床下に取り付けられる筐体52を有する。電力変換装置16の後述する各種機器は、筐体52に設けられる。
【0019】
図2中の左上図は、鉄道車両10に用いられる電力変換装置16を車体14側から見た模式図であり、
図2中の右図は、走行想定方向の第2の方向(-X方向)側から第1の方向(+X方向)側を見た図であり、
図2中の左下図は、幅方向の一方(-Y方向)側から他方(+Y方向)側を見た図である。
図3は、電力変換装置16のコンバータ部56及びインバータ部58の各相の回路図である。
図4は、電力変換装置16のコンバータ部56、フィルタコンデンサ57、及び、インバータ部58の回路図である。
【0020】
図2に示すように、電力変換装置16は、冷却部54と、コンバータ部56と、インバータ部58と、複数のヒートパイプ60とを有する。
【0021】
筐体52は、各種機器として、冷却部54、コンバータ部56、インバータ部58、及び、複数のヒートパイプ60を収容する。
【0022】
なお、筐体52は、少なくとも走行想定方向(X方向)に開放され、空気が冷却部54に沿って流れる。筐体52は、幅方向(Y方向)に開放されていてもよい。また、筐体52の下面は、冷却フィン74を露出するように開放されていてもよい。
【0023】
冷却部54は、例えばアルミニウム等の熱伝導率が高い材料により形成される。具体例として、冷却部54は、受熱ブロック72と、受熱ブロック72に例えば一体化された複数の冷却フィン74とを備える。
【0024】
受熱ブロック72は、例えば筐体52の内部に配置される。受熱ブロック72の一部は、例えば筐体52の外部に配置されていてもよい。
【0025】
受熱ブロック72は、種々の形状が許容されるが、例えば矩形方体状に構成される。受熱ブロック72の上面には、コンバータ部56及びインバータ部58が設けられる。コンバータ部56及びインバータ部58は、鉄道車両10の幅方向に並べられている。なお、本実施形態では、便宜的に、受熱ブロック72の第1の方向(+X方向)側の端を第1端72a、第2の方向(-X方向)側の端を第2端72b、幅方向の一方の側(+Y方向側)の端を第3端72c、幅方向の他方の側(-Y方向側)の端を第4端72dとする。
【0026】
車体14の床下に電力変換装置16が設けられた状態において、複数の冷却フィン74は、受熱ブロック72から重力方向で下方(+Z方向)に向かって延びる。複数の冷却フィン74は、受風部を構成する。複数の冷却フィン74は、筐体52の内部に配置されていてもよく、筐体52の外部に配置されていてもよい。
【0027】
冷却フィン74は、一方向(X方向)に長い矩形の薄板状に形成される。車体14の床下に電力変換装置16が設けられた状態において、冷却フィン74は、鉄道車両10の幅方向(Y方向)を厚さ方向とし、走行想定方向(X方向)を長手方向となる姿勢で受熱ブロック72に配置される。また、複数の冷却フィン74は、冷却フィン74の厚さ方向に所定の間隔を開けて配置される。ここで、所定の間隔は、例えば等間隔である。
【0028】
なお、冷却フィン74の最も+X方向の一方端74aは、第1の半導体モジュール82の最も+X方向側の位置よりも、+X方向側に配置されることが好適である。一方端74aは、受熱ブロック72の第1端72aよりも+X方向側に配置されていてもよく、-X方向側に配置されていてもよい。また、冷却フィン74の最も-X方向の他方端74bは、第2の半導体モジュール84の最も-X方向側の位置よりも、-X方向側に配置されることが好適である。他方端74bは、受熱ブロック72の第2端72bよりも+X方向側に配置されていてもよく、-X方向側に配置されていてもよい。
【0029】
複数の冷却フィン74は、幅方向に隣り合う冷却フィン74の間の隙間に走行方向に沿う走行風F1又はF2が流れる複数の流通路を構成する。複数の冷却フィン74は、鉄道車両10の走行に伴い、主として走行想定方向に沿って流れる走行風F1又はF2を受け、走行風F1又はF2と熱交換を行う。
【0030】
電力変換装置16は、例えば、車体14の上側に取り付けられるパンタグラフ14aを介して架線101から供給される交流電力をコンバータ部56を用いて交流電力から直流電力に変換し、インバータ部58を用いて直流電力から3相交流電力に変換し、電力を各電動機28に伝達する。
【0031】
コンバータ部56は、U相及びV相で構成され、インバータ部58は、U相、V相、及び、W相で構成される。コンバータ部56のU相及びV相は、幅方向に並べられ、かつ、隣接する。インバータ部58のU相、V相、及び、W相は、幅方向に並べられ、かつ、隣接する。
【0032】
本実施形態では、コンバータ部56及びインバータ部58は、例えばそれぞれ3レベル回路方式である。
図3には、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の3レベル回路図を示す。コンバータ部56及びインバータ部58の各相はスイッチング素子やダイオード等の半導体が収納される3つの半導体モジュール82,84,86で構成されている。
【0033】
なお、本実施形態において、コンバータ部56の各相とは、コンバータ部56のU相及びV相をいう。インバータ部58の各相とは、インバータ部58のU相、V相、及び、W相をいう。
【0034】
第1の半導体モジュール82は、上アーム及び下アームが絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を代表とするスイッチング素子と逆並列ダイオードの対を1つのパッケージとする、いわゆる2in1モジュールである。第1の半導体モジュール82は、直列に接続された2つのスイッチング素子(第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3)を収納する。第1の半導体モジュール82は、いわゆる4in1モジュールであってもよい。
【0035】
第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86は、上アーム又は下アームにスイッチング素子と逆並列ダイオードの対を、下アーム又は上アームにクランプダイオードを備えたチョッパモジュールである。第2の半導体モジュール84は、第1スイッチング素子Q1と第1クランプダイオードD5を1つのパッケージとして収納する。第3の半導体モジュール86は、第4スイッチング素子Q4と第2クランプダイオードD6を1つのパッケージとして収納する。
【0036】
図2に示すように、コンバータ部56およびインバータ部58の各相を構成する半導体モジュール82,84,86は、冷却部54の受熱ブロック72上に、冷却フィン74とは反対側に設けられる。
【0037】
本実施形態では、冷却フィン74の長手方向に沿う方向、すなわち、冷却フィン74間を冷却風F1又はF2が通る方向(鉄道車両10の走行想定方向)と同方向にコンバータ部56およびインバータ部58の各相が配置される。そして、コンバータ部56およびインバータ部58の各相には、半導体モジュール82,84,86が設置されている。
【0038】
本実施形態では、鉄道車両10の走行想定方向に沿って、冷却風F1の入風側または冷却風F2の排風側、すなわち、受熱ブロック72の第1端72a側に、第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3を収納する第1の半導体モジュール82が配置される。第1の半導体モジュール82は、走行想定方向(進行方向)に進行するとき第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86に対して冷却風F1の入風側又は冷却風F2の排風側に設けられる。本実施形態では、鉄道車両10の第1の方向に沿って、冷却風F1の入風側(受熱ブロック72の第1端72a側)に第1の半導体モジュール82があるとき、冷却風F1の入風側から排風側(受熱ブロック72の第2端72b側)に向かって順に、第3の半導体モジュール86、第2の半導体モジュール84が配置されている。このため、本実施形態では、鉄道車両10が第1の方向とは反対側の第2の方向に沿って、冷却風F2の入風側(受熱ブロック72の第2端72b側)から排風側(受熱ブロック72の第1端72a側)に向かって順に、第2の半導体モジュール84、第3の半導体モジュール86、第1の半導体モジュール82が配置されている。
【0039】
図2中、コンバータ部56のU相の第1の半導体モジュールに符号82CUを付し、コンバータ部56のV相の第1の半導体モジュールに符号82CVを付す。同様に、コンバータ部56のU相の第2の半導体モジュールに符号84CUを付し、コンバータ部56のV相の第2の半導体モジュールに符号84CVを付す。コンバータ部56のU相の第3の半導体モジュールに符号86CUを付し、コンバータ部56のV相の第3の半導体モジュールに符号86CVを付す。なお、コンバータ部56について、以後の説明では、第1の半導体モジュールを主として符号82を付して説明し、第2の半導体モジュールを主として符号84を付して説明し、第3の半導体モジュールを主として符号86を付して説明する。
【0040】
図2中、インバータ部58のU相の第1の半導体モジュールに符号82IUを付し、インバータ部58のV相の第1の半導体モジュールに符号82IVを付し、インバータ部58のW相の第1の半導体モジュールに符号82IWを付す。同様に、インバータ部58のU相の第2の半導体モジュールに符号84IUを付し、インバータ部58のV相の第2の半導体モジュールに符号84IVを付し、インバータ部58のW相の第2の半導体モジュールに符号84IWを付す。インバータ部58のU相の第3の半導体モジュールに符号86IUを付し、インバータ部58のV相の第3の半導体モジュールに符号86IVを付し、インバータ部58のW相の第3の半導体モジュールに符号86IWを付す。なお、インバータ部58について、以後の説明では、第1の半導体モジュールを主として符号82を付して説明し、第2の半導体モジュールを主として符号84を付して説明し、第3の半導体モジュールを主として符号86を付して説明する。
【0041】
そして、本実施形態に係る3レベル回路方式のコンバータ部56及びインバータ部58は、
図4に示すように構成される。
【0042】
図4に示すように、コンバータ部56及びインバータ部58の間には、コンバータ部56から出力され、インバータ部58に供給される直流電力を安定させ、平滑化する平滑用のフィルタコンデンサ57が設置される。なお、
図2中は、フィルタコンデンサ57の図示を省略する。
【0043】
このような電力変換装置16は、図示しない制御部等とともに電力変換ユニットを構成する。制御部は、電力変換装置16のコンバータ部56との間、及び、インバータ部58との間でスイッチング信号を送受信する。
【0044】
スイッチング素子と逆並列ダイオードは、例えばシリコン半導体で形成されるが、スイッチング素子と逆並列ダイオードは、シリコン半導体に限らず、適宜の半導体で形成され得る。
例えば
図3に示すスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4は、例えば金属酸化膜半導体電解効果トランジスタ(MOSFET)により構成されてもよい。
スイッチング素子と逆並列ダイオード、クランプダイオードのうちの少なくとも1つは、ワイドバンドギャップ半導体から構成されてもよい。
【0045】
本実施形態では、
図2に示すように、冷却風F1又はF2が通る方向と同方向、且つ、各相の半導体モジュール82,84,86の直下の受熱ブロック72には、それぞれヒートパイプ60が配置される。ヒートパイプ60は、外観が例えば平板状で冷却フィン74と反対側の受熱ブロック72の上面に配置されてもよく、外観が例えば平板状又は円柱状で、受熱ブロック72内に例えば圧入されるなど、埋設されていてもよい。
【0046】
なお、
図2中、コンバータ部56のU相の第1の半導体モジュール82CU、第3の半導体モジュール86CU、及び、第2の半導体モジュール84CUの直下のヒートパイプに符号60CUを付す。コンバータ部56のV相の第1の半導体モジュール82CV、第3の半導体モジュール86CV、及び、第2の半導体モジュール84CVの直下のヒートパイプに符号60CVを付す。なお、コンバータ部56について、以後の説明では、ヒートパイプを主として符号60を付して説明する。
【0047】
同様に、インバータ部58のU相の第1の半導体モジュール82IU、第3の半導体モジュール86IU、及び、第2の半導体モジュール84IUの直下のヒートパイプに符号60IUを付す。インバータ部58のV相の第1の半導体モジュール82IV、第3の半導体モジュール86IV、及び、第2の半導体モジュール84IVの直下のヒートパイプに符号60IVを付す。インバータ部58のW相の第1の半導体モジュール82IW、第3の半導体モジュール86IW、及び、第2の半導体モジュール84IWの直下のヒートパイプに符号60IWを付す。なお、インバータ部58について、以後の説明では、ヒートパイプを主として符号60を付して説明する。
【0048】
ヒートパイプ60は、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組の直下にそれぞれまたがって配置されることが好適である。各ヒートパイプ60の一端62は、第1端72aと第2端72bとの間で、第1端72a側に配置され、他端64は、第1端72aと第2端72bとの間で、第2端72b側に配置される。
【0049】
ヒートパイプ60は、熱伝達に用いられる。ヒートパイプ60の外殻は例えば銅合金で形成される。ヒートパイプ60の作動液の一例は水である。各ヒートパイプ60の一端62は、内部に封入された作動液(冷媒)の蒸発部で、他端64は、作動液の凝縮部である。ヒートパイプ60の一端62は、各相の第1の半導体モジュール82と冷却フィン74との間で、受熱ブロック72に配置される。ヒートパイプ60の他端64は、各相の第2の半導体モジュール84と冷却フィン74との間で、受熱ブロック72に配置される。
【0050】
なお、本実施形態では、各ヒートパイプ60は、適宜の温度範囲内など、ヒートパイプ60の一端62の蒸発部の作動液(冷媒)がドライアウトしない条件で使用されるものとする。
【0051】
次に、このように構成された鉄道車両10の電力変換装置16の作用効果について説明する。ここでは、鉄道車両10が走行想定方向で第1の方向(+X方向)に向かって走行する例、及び、第1の方向とは反対側の第2の方向(-X方向)に向かって走行する例について説明する。
【0052】
鉄道車両10をレール100上で第1の方向又は第2の方向に走行させる場合、電力変換装置16のコンバータ部56は、架線101からパンタグラフ14aを介して入力された交流電力を直流電力に変換し、フィルタコンデンサ57を通してインバータ部58に出力する。インバータ部58は、コンバータ部56を出力する直流電力を交流電力に変換する。
【0053】
このとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において、電力は、例えば、第2の半導体モジュール84、第3の半導体モジュール86、第1の半導体モジュール82の順に伝達される。すなわち、電力は、第2の半導体モジュール84に入力され、第3の半導体モジュール86を介して、第1の半導体モジュール82で出力される。
【0054】
そして、電力変換装置16は、インバータ部58で変換した交流電力を各電動機28に供給する。各電動機28は、供給された交流電力により回転する。電動機28の回転力が車軸24に伝達されると、車軸24及び車輪26が回転する。これにより、鉄道車両10は、レール100に沿って、走行想定方向の第1の方向又は第2の方向に向かって走行する。すなわち、電力変換装置16は、鉄道車両10の電動機28を駆動し、鉄道車両10を所定の走行方向に移動させる電力を電動機28に出力可能である。
【0055】
電力変換装置16は、コンバータ部56で交流電流を直流電流に変換するとき、及び、インバータ部58で直流電力を交流電力に変換するときにおいて、電力変換時における電力損失に起因して熱が発生する。コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86には、熱が発生する。コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86で発生した熱は、冷却部54の受熱ブロック72を介して各冷却フィン74に伝達される。
【0056】
コンバータ部56の各相において、第1の半導体モジュール82の発熱量は、第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86の発熱量に比べて大きい。言い換えると、コンバータ部56の第2の半導体モジュール82及び第3の半導体モジュール86のそれぞれの電力変換時の発熱量は、第1の半導体モジュールよりも小さい。
【0057】
また、インバータ部58の各相において、第1の半導体モジュール82の発熱量は、第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86の発熱量に比べて大きくなり得る。言い換えると、インバータ部58の第2の半導体モジュール82及び第3の半導体モジュール86のそれぞれの電力変換時の発熱量は、第1の半導体モジュールよりも小さくなり得る。インバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82の発熱が第2の半導体モジュール84及び第3の半導体モジュール86に比べて大きくなり得る理由は、第1の半導体モジュール82が2つのスイッチング素子Q2,Q3を有するためである、と考えられる。
【0058】
なお、一般には、電力変換装置16のコンバータ部56の各相の発熱量は、インバータ部58の各相の発熱量よりも大きい。
【0059】
ここで、ヒートパイプ60の一端62を加熱すると、ヒートパイプ60内の作動液が熱を奪って蒸発する。このとき、ヒートパイプ60の一端62の蒸気圧が、他端64の蒸気圧に比べて高くなる。このため、ヒートパイプ60の一端62で蒸発した作動液は、ヒートパイプ60の他端64に移動する。蒸気となった作動液は、他端64で液体に凝縮される。作動液は、気体から液体に戻るときに熱を放熱する。このため、ヒートパイプ60の一端62に入力された熱は、他端64で出力される。そして、ヒートパイプ60の他端64で液体に戻った作動液はヒートパイプ60内のウィックによりヒートパイプ60の一端62に戻る。このように、作動液は、気体と液体との相変化を行いながらヒートパイプ60の一端62と他端64との間を循環する。このため、ヒートパイプ60は、作動液がドライアウトしない範囲で、高温部から低温部に向かって熱を移動させ続ける。なお、仮に、蒸発部の作動液がドライアウトしたとき、銅合金材により、ヒートパイプ60の一端62から他端64に熱伝達は可能である。
【0060】
本実施形態では、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82の直下にヒートパイプ60の一端62が配置され、第2の半導体モジュール84の直下にヒートパイプ60の他端64が配置されている。このため、第1の半導体モジュール82による熱は、ヒートパイプ60によりヒートパイプ60の一端62に入力され、他端64に移動して他端64で出力(放熱)される。
【0061】
このため、第1の半導体モジュール82で発する熱は、冷却部54の受熱ブロック72に伝達されるとともに、ヒートパイプ60の一端62を通して他端64に移動する。そして、ヒートパイプ60の他端64で発する熱は、冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。このため、第1の半導体モジュール82で発する熱は、第1の半導体モジュール82の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達されるとともに、ヒートパイプ60の他端64を通して、ヒートパイプ60の他端64の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。
【0062】
また、第2の半導体モジュール84で発する熱は、第2の半導体モジュール84の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。同様に、第3の半導体モジュール86で発する熱は、第3の半導体モジュール86の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。
【0063】
このため、各相の半導体モジュール82,84,86のうち、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82の熱は、ヒートパイプ60の一端62の近傍で、冷却部54の受熱ブロック72に直接伝達されるとともに、ヒートパイプ60の他端64の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。したがって、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82の熱は、受熱ブロック72のより広範な領域に熱伝達(熱伝導)される。このとき、第2の半導体モジュール84の熱は、ヒートパイプ60の他端64の近傍で冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。また、第3の半導体モジュール86の熱は、ヒートパイプ60の一端62と他端64との間の位置で、冷却部54の受熱ブロック72に伝達される。
【0064】
したがって、本実施形態に係る鉄道車両10では、受熱ブロック72への熱伝達の際に、受熱ブロック72で局所的に熱伝達量が大きくなることを防止する。本実施形態では、ヒートパイプ60の一端62で第1の半導体モジュール82からの熱の一部を他端64に伝達し、ヒートパイプ60の一端62で第1の半導体モジュール82からの熱の一部を受熱ブロック72に伝達する。また、ヒートパイプ60の他端64で第1の半導体モジュール82からの熱の一部を受熱ブロック72に伝達するとともに、第2の半導体モジュール84からの熱の一部をヒートパイプ60の他端64の近傍で受熱ブロック72に伝達する。このため、本実施形態に係る電力変換装置16では、各相の半導体モジュール82,84,86のうち、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82からの熱を分散して受熱ブロック72に伝達する。さらに、第3の第1の半導体モジュール82からの熱の一部を受熱ブロック72に伝達する。このため、本実施形態に係る電力変換装置16では、冷却部54の受熱ブロック72に熱伝達するときに、局所的に高い熱伝達を要する領域を減らす。したがって、本実施形態に係る電力変換装置16では、ヒートパイプ60と受熱ブロック72の接触面及びその周囲の領域といった広い領域に、各相の半導体モジュール82,84,86からの熱を分散して熱伝達する。すなわち、本実施形態に係る鉄道車両10の電力変換装置16では、コンバータ部56及びインバータ部58の発熱により生じる冷却部54に対する熱伝達の均一化が図られる。
【0065】
そして、筐体52は、少なくとも走行想定方向(第1の方向及び第2の方向)に開放され、空気が冷却部54に沿って流れる。このため、鉄道車両10の第1の方向への走行時に、冷却フィン74の一方端74aに走行風(冷却風)F1が当たり、冷却フィン74の他方端74bから走行風F1が抜ける。このとき、複数の冷却フィン74は、鉄道車両10の走行に伴い、第1の方向に沿って流れる走行風F1を受ける。そして、複数の冷却フィン74と走行風(大気)F1との間で熱交換が行われることで、インバータ部58及びコンバータ部56の各相の半導体モジュール82,84,86で発生する熱が複数の冷却フィン74を介して大気に放熱される。
【0066】
このため、冷却部54は、電力変換を行うときに発熱するコンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を冷却する。このため、冷却部54は、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとする。
【0067】
鉄道車両10の、第1の方向とは反対側の第2の方向への走行時に、冷却フィン74の他方端74bに走行風(冷却風)F2が当たり、冷却フィン74の一方端74aから走行風F2が抜ける。このとき、複数の冷却フィン74は、鉄道車両10の走行に伴い、第2の方向に沿って流れる走行風F2を受ける。このため、冷却部54は、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を冷却する。このため、冷却部54は、各相の半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとする。
【0068】
このように、本実施形態に係る電力変換装置16は、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の3つの半導体モジュール82,84,86を冷却部54の受熱ブロック72上に配置し、かつ、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82をヒートパイプ60の一端62側に配置した。このため、本実施形態に係る電力変換装置16は、各相において、最も発熱量が大きいと想定される第1の半導体モジュール82からの熱を、冷却部54に熱伝達するとともに、ヒートパイプ60の一端62から他端64に移動した上で冷却部54に熱伝達し、各相の3つの半導体モジュール82,84,86を冷却することができる。したがって、本実施形態に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。
【0069】
したがって、本実施形態によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0070】
本実施形態では、コンバータ部56のU相及びV相が進行方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に並べられる例について説明した。コンバータ部56のU相及びV相は、進行方向に交差する方向に隣接していればよい。
【0071】
同様に、本実施形態では、インバータ部58のU相、V相、及び、W相が進行方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に並べられる例について説明した。インバータ部58のU相、V相、及び、W相は、進行方向に交差する方向に隣接する状態に順に並べられていればよい。
【0072】
本実施形態では、コンバータ部56の各相、及び、インバータ部58の各相において、走行想定方向に沿って、第1の半導体モジュール82、第3の半導体モジュール86、第2の半導体モジュール84の順に配置する例について説明した。第2の半導体モジュール84と、第3の半導体モジュール86の順は、反対であってもよい。すなわち、コンバータ部56の各相、及び、インバータ部58の各相のいずれかにおいて、第1の半導体モジュール82と第3の半導体モジュール86との間に第2の半導体モジュール84が配置されていてもよい。このため、ヒートパイプ60の他端64の作動液の凝縮部は、冷却フィン74と第2の半導体モジュール84又は第3の半導体モジュール86との間に配置されていればよい。
【0073】
また、本実施形態では、ヒートパイプ60は、コンバータ部56の各相、及び、インバータ部58の各相において、3つの半導体モジュール82,84,86をまたがるように配置される例について説明した。ヒートパイプ60は、例えば、一端62の蒸発部が冷却フィン74と第1の半導体モジュール82との間に配置され、他端64の凝縮部が
図2における冷却フィン74と第3の半導体モジュール86との間に配置されることも好適である。この場合、冷却フィン74と第2の半導体モジュール84との間にヒートパイプ60が配置されていなくてもよい。
【0074】
図2中の電力変換装置16では、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組に対して1つのヒートパイプ60を配置する例について説明した。コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組に対して2つなど、複数のヒートパイプ60を幅方向(Y方向)に並べて配置してもよい。
【0075】
また、複数のヒートパイプ60の1つをコンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組の直下に配置し、残りを、隣接する相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組との間に配置してもよい。すなわち、例えばコンバータ部56のU相及びV相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組の直下に1つのヒートパイプ60を配置する。そして、コンバータ部56のU相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組と、V相の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、及び、第3の半導体モジュール86の組との間に1つのヒートパイプ60を配置する。この場合のヒートパイプ60は、各半導体モジュール82,84,86と受熱ブロック72との固定を阻害しない位置に配置される。そして、各相の第1の半導体モジュール82による熱は、複数のヒートパイプ60の一端62から他端64に移動させた後、冷却部54に熱伝達することができる。すなわち、ヒートパイプ60と各半導体モジュール82,84,86とが直接接触しないとき、例えば第1の半導体モジュール82からの熱を、冷却部54の受熱ブロック72を介してヒートパイプ60の一端62に熱伝達する。このように、第1の半導体モジュール82からの熱は、ヒートパイプ60の一端に直接熱伝達してもよく、冷却部54の受熱ブロック72を介してヒートパイプ60の一端62に熱伝達してもよい。いずれにしても、ヒートパイプ60の一端62に入力された熱は、一端62よりも温度が低い他端64から放熱され、冷却部54の受熱ブロック72に熱伝達される。
【0076】
本実施形態では、コンバータ部56及びインバータ部58の両方について、各相の3つの半導体モジュール82,84,86を冷却部54の受熱ブロック72上に配置し、かつ、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82をヒートパイプ60の一端62側に配置する例について説明した。例えば、コンバータ部56について、U相及びV相の3つの半導体モジュール82,84,86を冷却部54の受熱ブロック72上に配置し、かつ、最も発熱量が大きい第1の半導体モジュール82をヒートパイプ60の一端62側に配置するようにし、インバータ部58について他の冷却構造を採用してもよい。
【0077】
なお、本実施形態に係る電力変換装置16は、例えば1つのコンバータ部56に対して、複数のインバータ部58を接続し得る。また、1つのインバータ部58は、例えば、鉄道車両10の台車12の複数の電動機28を駆動し得る。
【0078】
[第2実施形態]
図5を用いて電力変換装置16の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る電力変換装置16は、第1実施形態に係る電力変換装置16の変形例であって、第1実施形態で説明した内容は、適宜に説明を省略する。
【0079】
図5には、第2実施形態に係る電力変換装置16を示す。
図5に示すように、本実施形態に係る電力変換装置16では、コンバータ部56の各相(U相及びV相)、インバータ部58の各相(U相、V相及びW相)は、複数の第1の半導体モジュール82が並列に接続され、複数の第2の半導体モジュール84が並列に接続され、複数の第3の半導体モジュール86が並列に接続されている。ここでは、説明の簡単のため、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において、それぞれn個(nは2以上の自然数)の第1の半導体モジュール82、第2の半導体モジュール84、第3の半導体モジュール86が並列に接続されているものとする。
【0080】
そして、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82は、冷却部54の受熱ブロック72上で、走行想定方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に並べられている。
図5中、コンバータ部56のU相において、2つの第1の半導体モジュール82CU1,82CU2,…が並べられ、V相において、2つの第1の半導体モジュール82CV1,82CV2,…が並べられている。また、インバータ部58のU相及びV相において、それぞれ2つの半導体モジュールが並べられているが、
図5中の図示を省略する。
図5中、インバータ部58のW相において、2つの第1の半導体モジュール82IW1,82IW2,…が並べられている。
【0081】
コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第2の半導体モジュール84は、冷却部54の受熱ブロック72上で、走行想定方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に並べられている。
図5中、コンバータ部56のU相において、2つの第2の半導体モジュール84CU1,84CU2,…が並べられ、V相において、2つの第2の半導体モジュール84CV1,84CV2,…が並べられている。また、インバータ部58のU相及びV相において、それぞれ2つの半導体モジュールが並べられているが、
図5中の図示を省略する。
図5中、インバータ部58のW相において、2つの第2の半導体モジュール84IW1,84IW2,…が並べられている。
【0082】
コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第3の半導体モジュール86は、冷却部54の受熱ブロック72上で、走行想定方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に並べられている。
図5中、コンバータ部56のU相において、2つの第3の半導体モジュール86CU1,86CU2,…が並べられ、V相において、2つの第3の半導体モジュール86CV1,86CV2,…が並べられている。また、インバータ部58のU相及びV相において、それぞれ2つの半導体モジュールが並べられているが、
図5中の図示を省略する。
図5中、インバータ部58のW相において、2つの第3の半導体モジュール86IW1,86IW2,…が並べられている。
【0083】
そして、それぞれの第1の半導体モジュール82の-X方向(受熱ブロック72の第1端72aに対して第2端72b側)に隣接して、例えば第3の半導体モジュール86が配置され、第3の半導体モジュール86の-X方向(受熱ブロック72の第1端72aに対して第2端72b側)に隣接して第2の半導体モジュール84が配置される。
【0084】
なお、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の第1の半導体モジュール82の数と同数のヒートパイプ60が準備される。コンバータ部56及びインバータ部58の各相のX方向に並べられた第1の半導体モジュール82、第3の半導体モジュール86、第2の半導体モジュール84の組と冷却フィン74との間には、それぞれ、ヒートパイプ60が配置される。
【0085】
図5中の例について説明すると、コンバータ部56のU相の第1の半導体モジュール82CU1、第3の半導体モジュール86CU1、第2の半導体モジュール84CU1と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60CU1が配置される。コンバータ部56のU相の第1の半導体モジュール82CU2、第3の半導体モジュール86CU2、第2の半導体モジュール84CU2と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60CU2が配置される。コンバータ部56のV相の第1の半導体モジュール82CV1、第3の半導体モジュール86CV1、第2の半導体モジュール84CV1と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60CV1が配置される。コンバータ部56のV相の第1の半導体モジュール82CV2、第3の半導体モジュール86CV2、第2の半導体モジュール84CV2と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60CV2が配置される。
【0086】
図5中、インバータ部58のU相及びV相のそれぞれ2つの半導体モジュール及びヒートパイプの図示を省略する。インバータ部58のW相の第1の半導体モジュール82IW1、第3の半導体モジュール86IW1、第2の半導体モジュール84IW1と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60IW1が配置される。インバータ部58のW相の第1の半導体モジュール82IW2、第3の半導体モジュール86IW2、第2の半導体モジュール84IW2と冷却フィン74との間には、ヒートパイプ60IW2が配置される。
【0087】
それぞれのヒートパイプ60の一端62は、第1の半導体モジュール82と冷却フィン74との間に配置される。ヒートパイプ60の他端64は、第2の半導体モジュール84と冷却フィン74との間に配置される。
【0088】
本実施形態に係る電力変換装置16のように、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において、複数の半導体モジュールを並列に接続することで、第1実施形態で説明した電力変換装置16に比べて、電力変換装置16に流す電流の電流密度を増加させることができる。
【0089】
本実施形態に係る電力変換装置16は、第1実施形態で説明した電力変換装置16と同様の作用効果を奏する。このため、本実施形態に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。
【0090】
したがって、本実施形態によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0091】
[第3実施形態]
図6を用いて電力変換装置16の第3実施形態について説明する。本実施形態に係る電力変換装置16は、第1実施形態及び第2実施形態に係る電力変換装置16の更なる変形例であって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した内容は、適宜に説明を省略する。
【0092】
図6には、第3実施形態に係る電力変換装置16を示す。
図6に示す電力変換装置16は、
図2の左上図に対して、端子台92a,92b、及びAC端子94C,94Iを追加した図である。
【0093】
図6に示すように、電力変換装置16は、コンバータ部56側の端子台92a及びインバータ部58側の端子台92bを有する。端子台92a,92bは、例えば
図1に示す筐体52に設けられる。端子台92a,92bは、例えば冷却部54に対して第1の方向(+X方向)側に設けられる。なお、コンバータ部56の端子台92a及びインバータ部58の端子台92bは、電気的に絶縁されていれば、一体であってもよい。
【0094】
第1実施形態の
図2の左上図における電力変換装置16において、電力の入力が右側(-X方向側)、出力が左側(+X方向側)の場合、コンバータ部56の第1の半導体モジュール82は、端子台92aに電気的に接続される、コンバータ部56側のAC端子(入力端子)94CUが設けられる。なお、
図6中には、代表して、第1の半導体モジュール82CUに接続されるAC端子94CU1と、第3の半導体モジュール86CUに接続されるAC端子94CU3を示す。また、インバータ部58の第1の半導体モジュール82には、端子台92bに電気的に接続される、インバータ部58側のAC端子(出力端子)94IWが設けられる。なお、
図6中には、代表して、第1の半導体モジュール82IWに接続されるAC端子94IW1と、第3の半導体モジュール86IWに接続されるAC端子94IW3を示す。すなわち、
図6中、コンバータ部56のV相のAC端子の図示を省略する。また、
図6中、インバータ部58のU相の出力端子、及び、V相の出力端子の図示を省略する。なお、以後の説明では、コンバータ部56の端子を主として符号94Cとして説明し、インバータ部58の端子を主として符号94Iとして説明する。
【0095】
このように、コンバータ部56側の各相のAC端子94Cの一端は、端子台92aが設けられる側に突出し、インバータ部58側の各相のAC端子94Iの一端は、端子台92bが設けられる側に突出する。
【0096】
なお、コンバータ部56のAC端子94C及びインバータ部58のAC端子94Iは、それぞれバスバーと称される導体で形成される。
【0097】
本実施形態によれば、電力変換装置16は、コンバータ部56のAC端子94C及びインバータ部58のAC端子94Iが、コンバータ部56及びインバータ部58に対して第1の方向側の同一方向に設けられる。また、電力変換装置16は、端子台92a,92bが、第1の方向側に設けられる。このため、メンテナンス等を行う作業者は、コンバータ部56の各相のAC端子94Cと、端子台92aとの接続/接続解除を容易に行うことができるとともに、インバータ部58の各相のAC端子94Iと、端子台92bとの接続/接続解除を容易に行うことができる。したがって、本実施形態に係る電力変換装置16によれば、コンバータ部56の各相のAC端子94Cと、端子台92aとの接続/接続解除、インバータ部58の各相のAC端子94Iと、端子台92bとの接続/接続解除といった作業性を向上させることができる。
【0098】
また、電力変換装置16のコンバータ部56のAC端子94C及びインバータ部58のAC端子94I、さらには、端子台92a,92bが、第1の方向側に設けられる。このため、コンバータ部56とインバータ部58との電気的接続位置を1箇所又は2箇所など、少ない数にしている。このため、電力変換装置16を比較的コンパクトに製造することができる。また、電力変換装置16のコンバータ部56のAC端子94C及びインバータ部58のAC端子94I、さらには、端子台92a,92bを第1の方向側に設けることを決め、設計コンセプトを明確にすることにより、コンバータ部56及びインバータ部58の設計を比較的容易に行うことができる。
【0099】
また、本実施形態に係る電力変換装置16は、第1実施形態で説明した電力変換装置16と同様の作用効果を奏する。このため、本実施形態に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。
【0100】
したがって、本実施形態によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0101】
[第1変形例]
第3実施形態の第1変形例に係る電力変換装置16について、
図7を用いて説明する。
【0102】
第3実施形態の第1変形例に係る
図7中の電力変換装置16のコンバータ部56及びインバータ部58の配置は、幅方向(Y方向)の配置が、
図2の左上図中の第1実施形態に係る電力変換装置16のコンバータ部56及びインバータ部58に対して反転している。すなわち、インバータ部58及びコンバータ部56の幅方向の配置は、適宜に選択可能である。なお、
図7中、ヒートパイプ60の図示を省略する。
【0103】
本変形例に係る電力変換装置16は、第1から第3実施形態で説明した電力変換装置16と同様の作用効果を奏する。このため、本変形例に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。したがって、本変形例によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0104】
[第2変形例]
第3実施形態の第2変形例に係る電力変換装置16について、
図8を用いて説明する。
【0105】
第3実施形態の第2変形例に係る
図8中の電力変換装置16のコンバータ部56及びインバータ部58の配置は、走行想定方向(X方向)の配置が、
図7中の第3実施形態の第1変形例に係る電力変換装置16のコンバータ部56及びインバータ部58に対して反転している。すなわち、インバータ部58及びコンバータ部56の走行想定方向の配置は、適宜に選択可能である。なお、
図8中、ヒートパイプ60の図示を省略する。
【0106】
本変形例に係る電力変換装置16は、第1から第3実施形態で説明した電力変換装置16と同様の作用効果を奏する。このため、本変形例に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。したがって、本変形例によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0107】
[第4実施形態]
図9を用いて電力変換装置16の第4実施形態について説明する。本実施形態に係る電力変換装置16は、変形例を含む第1から第3実施形態に係る電力変換装置16の更なる変形例であって、第1から第3実施形態で説明した内容は、適宜に説明を省略する。
【0108】
第1実施形態では、
図3に示すように、3レベル電力変換装置16を1つの2in1モジュールである第1の半導体モジュール82と、2つのチョッパモジュールである第2及び第3の半導体モジュール84,86とで構成する例について説明した。
【0109】
図9には、本実施形態に係るコンバータ部56及びインバータ部58の各相の3レベル回路図を示す。コンバータ部56及びインバータ部58の各相はスイッチング素子やダイオード等の半導体が収納される3つの半導体モジュール82,84,86で構成されている。
【0110】
例えば、
図9に示すように、第2の半導体モジュール84のクランプダイオードD5(
図3参照)をIGBT等のスイッチング素子に変更して、1つのパッケージとしての2in1モジュールで構成してもよい。また、第3の半導体モジュール86のクランプダイオードD6(
図3参照)をIGBT等のスイッチング素子に変更して、1つのパッケージとしての2in1モジュールで構成してもよい。
【0111】
本実施形態に係る電力変換装置16は、第1から第3実施形態で説明した電力変換装置16と同様の作用効果を奏する。このため、本実施形態に係る電力変換装置16によれば、電力変換を行うとき、コンバータ部56及びインバータ部58の各相において半導体モジュール82,84,86の温度上昇を抑制し、かつ、各相において半導体モジュール82,84,86の温度を均一の温度にしようとすることができる。
【0112】
したがって、本実施形態によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0113】
なお、本実施形態に係る電力変換装置16では、コンバータ部56の各相に
図9に示す3レベル回路を用い、インバータ部58に
図3に示す3レベル回路を用いてもよい。また、本実施形態に係る電力変換装置16では、コンバータ部56の各相に
図3に示す3レベル回路を用い、インバータ部58に
図9に示す3レベル回路を用いてもよい。
【0114】
以上説明したように、各変形例を含む実施形態によれば、コンバータ部56及びインバータ部58の各相の半導体モジュール82,84,86を効率的に冷却可能な電力変換装置16を提供することができる。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
10…鉄道車両、12…台車、14…車体、14a…パンタグラフ、16…電力変換装置、22…台車枠、24…車軸、26…車輪、28…電動機、30…台車バネ、52…筐体、54…冷却部、56…コンバータ部、57…フィルタコンデンサ、58…インバータ部、60…ヒートパイプ、62…一端(蒸発部)、64…他端(凝縮部)、72…受熱ブロック、74…冷却フィン、74a…一方端、74b…他方端、82,82C,82I…第1の半導体モジュール、84,84C、84I…第2の半導体モジュール、86,86C,86W…第3の半導体モジュール、92a,92b…端子台、94C,94I…AC端子、100…レール、101…架線、Q1-Q4…スイッチング素子、D5,D6…クランプダイオード。