(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097016
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】シール部材及びシール部材の貼り付け方法
(51)【国際特許分類】
C09J 7/21 20180101AFI20230630BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
C09J7/21
G09F3/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213134
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 太路
(72)【発明者】
【氏名】森下 佳昌
(72)【発明者】
【氏名】横山 卓未
【テーマコード(参考)】
4J004
【Fターム(参考)】
4J004CA02
4J004CB02
4J004CC02
4J004CE03
4J004FA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、曲げられた状態で貼り付けられるシール部材であっても、貼り付け対象物から紙の復元力による剥がれを抑制したシール部材及びシール部材の貼り付け方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材であって、シール部材の基材は、紙の目を有し、仮想軸線と紙の目の方向が略同一であることを特徴とする。
曲げられた状態で貼り付けられるシール部材であっても、貼り付け対象物から紙の復元力による剥がれを抑制した、シール部材及びシール部材の貼り付け方法とすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材であって、
前記シール部材の基材は、紙の目を有し、
前記仮想軸線と前記紙の目の方向が略同一であることを特徴とする、シール部材。
【請求項2】
前記基材は、紙の厚みが60μm以上であり、上限値が100μm以下とすることを特徴とする、請求項1記載のシール部材。
【請求項3】
前記シール部材の粘着剤の粘着力が、J.Dow法による測定において、ボールタックがNo.8~No.10の範囲であって、1.7(N/10mm)以上~3.5(N/10mm)以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシール部材。
【請求項4】
仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材の貼り付け方法であって、
前記シール部材の基材は、紙の目を有し、
前記仮想軸線と前記紙の目の方向が略同一となるように貼り付け対象物に貼り付けることを特徴とする、シール部材の貼り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り付け対象物から一部が突出して貼り付けられるシール部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シール部材に製品名や広告宣伝を記載し、容器表面にシール部材の一部を突出させた状態で貼り付けることが行われている。このようなシール部材は、POPシールやPOPラベルとも呼ばれ、商品の販売促進のために商品に貼り付けられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、シール部材としてプラスチック樹脂製のフィルムや紙を基材として使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
貼り付け対象物の湾曲した表面に、貼り付け対象物から一部が突出した状態でシール部材を貼り付ける場合、貼り付けられたシール部材は曲げられた状態から平面状態に戻ろうとする復元力(腰または曲げ剛性とも呼ばれる)が働く。よって、その復元力によって、シール部材が剥がれないような粘着剤の種類や粘着剤部分の面積を設ける必要がある。一方、シール部材は、製品販売の現場で人によって剥がされて販売される場合もあり、製品流通の場で剥がれにくく、人によって意図的に剥がそうとした際に剥がしやすいものが求められる。
【0006】
また、近年、環境問題が注目されており、樹脂を使用の避けることが求められてきている。そこで、シール部材を紙とすることが考えられるが、紙は、プラスチック樹脂製のフィルムに比べ、腰が強く剥がれやすいという問題点が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、曲げられた状態で貼り付けられるシール部材であっても、貼り付け対象物から紙の復元力による剥がれを抑制したシール部材及びシール部材の貼り付け方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材であって、シール部材の基材として、紙の目を有する紙を使用し、仮想軸線と紙の目の方向が略同一とすることで、基材の紙の復元力が小さくなり、剥がれにくくすることができることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のシール部材及びシール部材の貼り付け方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明のシール部材は、仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材であって、シール部材の基材は、紙の目を有し、仮想軸線と紙の目の方向が略同一であることを特徴とする。
このシール部材によれば、仮想軸線と紙の目の方向が略同一の状態で貼り付けられることから、紙の目が仮想軸線と直交する場合に比べ、基材の紙の復元力が小さくなり、剥がれにくいシール部材とすることができる効果がある。
【0010】
また、本発明のシール部材の一実施態様としては、基材は、紙の厚みが60μm以上であり、上限値が100μm以下とすることを特徴とする。
このシール部材によれば、紙の目の方向と、特定の厚みを備えることから、基材の紙の復元力を小さくでき、復元力による剥がれを抑制しつつかつ剥がす際や流通過程においてシール部材が引っかかることにより基材が破れてしまうことを抑制できるシール部材とすることができる効果がある。
【0011】
また、本発明のシール部材の一実施態様としては、シール部材の粘着剤の粘着力が、J.Dow法による測定において、ボールタックがNo.8~No.10の範囲であって、1.7(N/10mm)以上~3.5(N/10mm)以下であることを特徴とする。
このシール部材によれば、紙の目の方向と、特定の粘着剤の粘着力を備えることから、基材の紙の復元力を小さくでき、復元力による剥がれを抑制しつつかつ剥がす際に粘着力が強すぎることにより基材が破れてしまうことを抑制できるシール部材とすることができる効果がある。
【0012】
仮想軸線を形成するように湾曲させて貼り付けるシール部材の貼り付け方法であって、シール部材の基材は、紙の目を有し、仮想軸線と前記紙の目の方向が略同一となるように貼り付け対象物に貼り付けることを特徴とする。
このシール部材の貼り付け方法によれば、仮想軸線と紙の目の方向が略同一の状態で貼り付けられることから、紙の目が仮想軸線と直交する場合に比べ、基材の紙の復元力が小さくなり、剥がれにくいシール部材の貼り付け方法とすることができる効果がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、曲げられた状態で貼り付けられるシール部材であっても、貼り付け対象物から紙の復元力による剥がれを抑制した、シール部材及びシール部材の貼り付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施態様に係るシール部材の使用状態を示す概略説明図であり、(A)図は、シール部材が貼り付けられた状態を示す概略図である。(B)図は、(A)図のA1-A1断面図を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施態様に係るシール部材の
図1(A)図のB1-B1断面図であり、シール部材のみを示す概略説明図である。
【
図3】本発明の実施態様に係るシール部材の基材の曲げられた状態を示す概略説明図であり、(A)図は、紙の目に方向に沿って曲げられた基材の状態を示す概略図である。(B)図は、紙の目21に直交する方向に曲げられた基材の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施態様について図面を参照しながら説明する。なお、本発明のシール部材の貼り付け方法については、以下のシール部材の構成並びに貼り付け方の説明に置き換えるものとする。また、この実施態様は、本発明を限定するものではない。
【0016】
〔本発明の実施態様〕
図2は、本発明の実施態様に係るシール部材1の構成を示す概略断面図である。本発明の実施態様のシール部材1は、基材2と粘着層3と非粘着層4を備える。シール部材1は、基材2の片面側全体に粘着層3が設けられ、さらに、その粘着層3に非粘着層4が部分的に設けられる。
シール部材1は、
図1に示すように、容器のような貼り付け対象物5の曲面に合わせて、仮想軸線6を形成(
図1の(B)図に示す仮想円61の軸線)するように湾曲させられた状態で貼り付けられる。
湾曲させられた状態で貼り付けられたシール部材1は、仮想軸線6と基材2の紙の目21とが略平行の状態で貼り付けられることで、仮想軸線6と基材2の紙の目21とが直交する状態で貼り付けられる場合と比較して、紙の目21による平面状態に戻ろうとする復元力の小さい状態とすることができ、紙の復元力による剥がれが生じにくいシール部材1とすることができる。
【0017】
(基材)
基材2は、宣伝広告等のための文字情報や図画等が描かれる部材である。
基材2は、紙の目21を有する紙であり、
図1及び
図2の矢印で示す方向が、紙の目21である。
紙の目21とは、紙の製造工程において、紙を連続的に抄く抄紙機で製造された紙の場合、紙の繊維が一定の方向の流れとなる特徴を有する紙となり、その方向のことをいう。紙の目21は縦目と横目と表現されることもあり、紙を直線的に破こうとすると、直線的に破くことができる方向が縦目(紙の目)であり、紙を直線的に破こうとしても、直線的に破くことができず曲がって破けてしまう方向が横目である。
【0018】
また、紙の目21は、紙である基材2が曲げられた状態から平面状態に戻ろうとする復元力(腰)にも違いがあり、
図3の(A)図に示すように、紙の目21に方向に沿って曲げられた場合(仮想軸線6が紙の目21と略平行)のほうが、
図3の(B)図に示すように、紙の目21に直交する方向に曲げられた場合(仮想軸線6が紙の目21と略直交)よりも、復元力が小さいことが知られている。そこで、本発明の発明者は、この紙の目による復元力の違いに着目し、復元力が小さくなるように曲げられた状態でシール部材1を貼り付け対象物5に貼り付けることで、復元力による剥がれようとする力を抑制し、シール部材1を剥がれにくくできることを見出した。
【0019】
本発明の基材2は、紙の目21を有するものであれば特に限定されない。具体的には、紙の表面に白色顔料などのコーティング加工が施されていない未塗工の上質紙や紙の表面に白色顔料などのコーティング加工がされた塗工紙であるアート紙又はグロス紙等が使用可能である。
これらの中でも、紙は湿気を吸収し、紙の目21と直交する方向に伸縮する特徴を有することから、未塗工の紙よりも塗工紙を使用するほう湿気の吸収を抑制でき、より好ましく使用できる。さらに、塗工紙の中でも湿度で反りが生じにくい観点からグロス紙が最も好ましく使用できる。
【0020】
また、基材2は、紙の目21を有する紙を単体で用いてもよいが、紙の目21を有する紙とその他の材質の積層材が積層されたものであってもよい。積層材としては、和紙のような紙の目のない紙、金属フィルムや樹脂フィルムなどが例示できる。これらの積層材を有する場合であっても、紙の目21の復元力による、貼り付け対象物5から剥がれようとする力の影響を抑制できる。
【0021】
また、基材2に使用される紙としては、厚みの下限値が60μm以上であり、上限値が100μm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、復元力による剥がれを抑制しつつかつ剥がす際に基材2が破れてしまうことを抑制できる効果がある。
厚みの下限値が60μm未満の場合、シール部材1を剥がす際や物流過程においてシール部材1が引っかかったりすることによる破れが生じやすくなる虞があり、厚みの上限値が100μmを超える場合、基材2の復元力が大きくなるため、粘着剤との調和が取りにくくなり、シール部材1を剥がす際に粘着剤が強すぎることによるシール部材1の破れが生じやすくなる虞が生じる。
【0022】
さらに下限値としては、65μm以上がより好ましく、70μm以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、紙の復元力の大きさと、シール部材1を剥がす際に基材2が破れないような強度の観点とからより好ましい。
また、さらに上限値としては、95μm以下がより好ましく、90μm以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、基材2の復元力が大きすぎることなく、粘着剤の粘着強度との調和の観点からより好ましい。
【0023】
また、シール部材1が湾曲して仮想軸線6を形成した状態で貼り付けられた際、仮想軸線6と基材2の紙の目21とが略平行になるように、シール部材1が貼り付け対象物5に貼り付けられることが好ましい。
略平行とは、仮想軸線6と基材2の紙の目21との交差する角度が、0度(平行)~45度の範囲で貼り付けられた状態を意味し、この状態であれば、紙の目21の復元力の影響を少ない状態で貼り付けられ、紙の目の復縁力による剥がれを生じにくくできることから好ましい。
なお、仮想軸線6と基材2の紙の目21との交差する角度は、より好ましくは、0度~30度、さらに好ましくは0度~15度、さらにより好ましくは0度~5度、最も好ましくは平行であることが好ましい。平行に近づくほど、紙の目21の復元力の影響を最小限にできる効果がある。
【0024】
(粘着層)
粘着層3は、貼り付け対象物5の曲面部分にシール部材を固定するための粘着部分である。粘着層3は、粘着剤が使用され、基材2の片面側の全体を覆うように塗布される。
粘着層3の一部には、後述する非粘着層4が設けられ、非粘着層4が設けられていない部分が、粘着部31に該当し、粘着部31が貼り付け対象物5に貼り付けられる部分となる。
粘着部31の形状は特に限定されない。本実施の態様では、粘着部31の形状を長方形とし、長辺と仮想軸線6とが交差する場合を例示したが、粘着部31が仮想軸線6に交差する方向に離れて複数設けられてもよい。
【0025】
粘着剤は、曲げられたシール部材1の基材2の復元力よりも強い粘着力を有しかつシール部材1が人によって剥がされる場合に、粘着剤の残りなくかつシール部材1が破れずに剥がすことができる粘着力を有するものであれば、特に限定されない。
具体的には、粘着剤の粘着力は、J.Dow法による測定において、ボールタックがNo.8~No.10の範囲であって、1.7(N/10mm)以上~3.5(N/10mm)以下(JIS Z 0237準拠)が好ましい。シール部材1の基材2の紙の復元力との観点から、復元力による剥がれを抑制しつつかつ剥がす際に基材2が粘着剤の強すぎることによる破れてしまうことを抑制できるシール部材1とすることができる効果がある。
【0026】
さらに下限値としては、2.0(N/10mm)以上がより好ましく、2.3(N/10mm)以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、基材2の復元力との観点から、より剥がれにくいシール部材1とすることができる点でより好ましい。
また、さらに上限値としては、3.2(N/10mm)以下がより好ましく、2.9(N/10mm)以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、シール部材1を剥がす際に粘着剤が強すぎることによる基材2が破れてしまうことをより抑制できる。
【0027】
なお、基材2に使用する紙の厚みの下限値が60μm以上であり、上限値が100μm以下の場合であって、上記の、粘着剤の粘着力が、J.Dow法による測定において、ボールタックがNo.8~No.10の範囲であって、1.7(N/10mm)以上~3.5(N/10mm)以下(JIS Z 0237準拠)の場合の組み合わせが特に好ましい。
【0028】
なお、下記表1に、従来使用される基材と、本発明の紙の目を有する紙(グロス紙)の厚みや曲げ剛性(曲げこわさ)の一例を例示する。
なお、透明PETは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、白PETは、ポリエチレンテレフタレートフィルムに白色の印刷用コーティングを施したものであり、銀PETは、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着が施されたものである。また、ユポ(登録商標)は、ポリプロピレンと無機充填材と主原料とした合成紙である。
【0029】
なお、下記の表1の曲げ剛性は、110×10mmにカットした試験片を100×10mmがたわむように貼付け、たわみvを測定した。その後、JAPAN TAPPI UM409に基づく計算を行った。計算式、パラメータは下記のとおりである。
等分布荷重を受ける片持梁の公式 曲げ剛性EI[mN・m2]=(wL4)/(8v)
w:荷重[N],L:曲げ長さ[m],v:たわみ程度[m],E:縦弾性係数[N/mm2],I:断面二次元モーメント[m4]
荷重計算の密度、坪量はカタログ値を使用した。
(透明PET、白PET、銀PET、ユポの場合)
荷重W=密度[kg/m3]×サンプル片[m3]×重力加速度[N/kg]
(グロス紙の場合)
荷重W=坪量[kg/m2]×サンプル片[m2]×重力加速度[N/kg]
【0030】
【0031】
なお、曲げ剛性の測定時においては、試験片がたわまされた際、試験片の短辺(10mm)と形成された仮想軸線とが略平行になるような状態となる。表1のグロス紙の紙の目平行とは、紙の目と試験片の短辺とが平行の状態(
図3の(A)図の状態)をいい、紙の目垂直とは、紙の目と試験片の短辺とが直交の状態(
図3の(B)図の状態)をいう。
【0032】
(非粘着層)
非粘着層4は、粘着層3に設けられ、シール部材1を貼り付け対象物5に貼り付ける粘着部31以外の残部に設けられる。この残部は、非粘着部41であり、非粘着部41は、粘着部31以外の部分が貼り付け対象物5に貼り付かないようにする部分(糊殺しとも呼ばれる)である。
非粘着層4の材質としては、粘着剤の粘着力を弱める又は無くすものであれば、どのようなものであってもよい。
【0033】
(シール部材の貼り付け手順について)
次に、シール部材1を貼り付け対象物5に貼り付ける場合について説明する。
まず、平面状態のシール部材1が仮想軸線6を形成するように曲げられた状態にされる。この時、仮想軸線6と基材2の紙の目21とが略平行となるように、シール部材1が曲げられた状態とされる。
この状態において、貼り付け対象物5にシール部材1が貼り付けられる。
【0034】
本発明では、シール部材1が仮想軸線6と紙の目21とが略平行となるように、貼り付け対象物5に貼り付けられることで、仮想軸線6と紙の目21とが直交する場合に比べ、基材2の紙の目の復元力を小さくできる。よって、粘着剤の粘着力を小さくしてもシール部材1の復元力による剥がれを抑制でき、さらに、シール部材1が剥がされる際に、粘着剤が貼り付け対象物に残ることなくかつ粘着剤が強すぎることによるシール部材1の破れの虞を低減できる。つまり、本発明のシール部材1は、基材2と粘着層3と非粘着層4の調和のとれた粘着剤の選択及び粘着部31の面積設計の自由度が向上する効果がある。
【0035】
仮想軸線6を中心とする仮想円61(貼り付け対象物5の表面)の曲率は、貼り付け対象物5によって異なることから、粘着剤の選択及び粘着部31の面積設計の自由度が向上する効果は有益である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のシール部材及びシール部材の貼り付け方法は、接着部と非接着部を有し、シール部材が貼り付け対象物から粘着剤の残りやシール部材の破れがないように剥がされかつ再度貼り付けられることのないPOPシールやPOPラベルと呼ばれる非粘着部を備えたシール部材に好適に使用される。
【符号の説明】
【0037】
1 シール部材、2 基材、3 粘着層、4 非粘着層、5 貼り付け対象物、6 仮想軸線、21 紙の目、31 粘着部、41 非粘着部、61 仮想円。