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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009711
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230113BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113210
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500170249
【氏名又は名称】auペイメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506418529
【氏名又は名称】auじぶん銀行株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】木村 遥香
(72)【発明者】
【氏名】江藤 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】相田 英俊
(72)【発明者】
【氏名】竹越 毅
(72)【発明者】
【氏名】阿部 眞吾
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB06
(57)【要約】
【課題】金融機関の口座の利用を推進させる。
【解決手段】情報処理方法は、第1管理装置2が、ユーザが使用するユーザ端末1から、ユーザが保有する、所定の決済手段による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、ユーザが使用する所定の金融機関の第1の口座に送金する設定である第1設定を受け付けるステップと、第1管理装置2が、ユーザ端末1から、ユーザが使用する所定の金融機関又は所定の金融機関と関連する第2の口座から電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付けるステップと、第2管理装置3が、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付けていることを条件としてユーザに特典を付与するステップと、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザが保有する、所定の決済手段による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、前記ユーザが使用する所定の金融機関の第1の口座に送金する設定である第1設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末から、前記ユーザが使用する前記所定の金融機関又は前記所定の金融機関と関連する金融機関の第2の口座から前記電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けていることを条件として前記ユーザに特典を付与するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項2】
前記第1設定を受け付けるステップにおいて、前記コンピュータは、前記ユーザの前記電子マネーの口座の残高を定期的に前記第1の口座に送金する設定である前記第1設定を受け付ける、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第1設定を受け付けるステップにおいて、前記コンピュータは、前記ユーザの前記電子マネーの口座の残高の全額を定期的に前記第1の口座に送金する設定である前記第1設定を受け付ける、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記電子マネーの口座には、前記ユーザに付与され、前記電子マネーに変換可能なポイントが関連付けられており、
前記第1設定を受け付けるステップにおいて、前記コンピュータは、前記ユーザの前記電子マネーの口座に関連付けられている前記ポイントを前記電子マネーに変換して前記第1の口座に送金する設定である前記第1設定を受け付ける、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記第2設定を受け付けるステップにおいて、前記コンピュータは、前記電子マネーを使用した決済において前記電子マネーの口座の残高が不足している場合に、前記第2の口座から前記電子マネーの口座に所定金額を送金する設定である前記第2設定を受け付ける、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第2設定を受け付けるステップにおいて、前記コンピュータは、前記電子マネーを使用した決済において前記電子マネーの口座の残高が不足している場合に、前記第2の口座から前記電子マネーの口座に、不足している金額を送金する設定である前記第2設定を受け付ける、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記所定の金融機関は所定銀行であり、
前記特典を付与するステップにおいて、前記コンピュータは、前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けていることを条件として、前記ユーザに前記所定銀行の口座に適用される金利を増加させることを前記特典として付与する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記所定の決済手段は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて決済可能な決済手段であり、
前記電子マネーの口座と、前記第1の口座及び前記第2の口座とは、前記ユーザ識別情報と関連付けて記憶部に記憶されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記電子マネーを管理する事業者と、前記所定の金融機関とは異なる事業者である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記電子マネーは、前記決済手段を提供する事業者と提携している店舗において利用可能である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記特典を付与するステップにおいて、前記コンピュータは、所定時間おきに前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けたか否かを判定し、前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けている場合に、次回の判定を行うまでの期間中に適用される前記特典を前記ユーザに付与する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記特典を付与するステップにおいて、前記コンピュータは、前記電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、前記電子マネーの口座から前記第1の口座に送金された金額の総額、前記第2の口座から前記電子マネーの口座に送金した回数、前記第2の口座から前記電子マネーの口座に送金された金額の総額の少なくともいずれかに基づいて前記特典の内容を変化させる、
請求項1から11のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザが保有する、所定の決済手段による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、前記ユーザが使用する所定の金融機関の第1の口座に送金する設定である第1設定を受け付け、前記ユーザ端末から、前記ユーザが使用する前記所定の金融機関又は前記所定の金融機関と関連する金融機関の第2の口座から前記電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付ける設定部と、
前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けていることを条件として前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに特典を付与する情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリペイド式の電子マネーを用いて決済を行うことが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-157238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、電子マネーの口座は、銀行等の金融機関の口座と別に管理されていることがあり、ユーザが電子マネーの口座に資金を集約してしまうと、金融機関の口座利用機会が減少してしまう問題が生じていた。このため、金融機関にとっては、電子マネー口座の利用者に対して、金融機関の口座の利用を施す施策が求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、金融機関の口座利用を推進させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザが保有する、所定の決済手段による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、前記ユーザが使用する所定の金融機関の第1の口座に送金する設定である第1設定を受け付けるステップと、前記ユーザ端末から、前記ユーザが使用する前記所定の金融機関又は前記所定の金融機関と関連する金融機関の第2の口座から前記電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付けるステップと、前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けていることを条件として前記ユーザに特典を付与するステップと、を有する。
【0007】
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザが保有する、所定の決済手段による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、前記ユーザが使用する所定の金融機関の第1の口座に送金する設定である第1設定を受け付け、前記ユーザ端末から、前記ユーザが使用する前記所定の金融機関又は前記所定の金融機関と関連する金融機関の第2の口座から前記電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付ける設定部と、前記ユーザ端末から前記第1設定及び前記第2設定を受け付けていることを条件として前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金融機関の口座利用を推進させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】特典付与システムの概要を説明するための図である。
図2】第1管理装置の構成を示す図である。
図3】電子マネー口座情報の一例を示す図である。
図4】第2管理装置の構成を示す図である。
図5】特典付与情報の一例を示す図である。
図6】第1管理装置及び第2管理装置における特典付与に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[特典付与システムSの概要]
図1は、特典付与システムSの概要を説明するための図である。特典付与システムSは、所定の金融機関を利用するとともに、所定の決済手段を利用するユーザが、所定の金融機関の口座への入出金に関する所定の設定を行っていることを条件として、当該ユーザに特典を付与するために用いられるシステムである。
【0011】
特典付与システムSは、ユーザ端末1と、第1管理装置2と、第2管理装置3とを有する。ユーザ端末1は、ユーザが使用するコンピュータであり、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末、又はパーソナルコンピュータである。第1管理装置2は、所定の決済手段による決済を処理するコンピュータであり、例えば、サーバである。第2管理装置3は、所定の金融機関の口座を管理するコンピュータであり、例えば、サーバである。
【0012】
本実施形態において、所定の決済手段を提供する事業者は、ユーザIDと関連付けられており、決済に用いられる電子マネーを管理するものとする。また、電子マネーを管理する事業者、すなわち所定の決済手段を提供する事業者と、所定の金融機関とは異なる事業者であり、電子マネーは、所定の決済手段を提供する事業者と提携している店舗において利用可能であるものとする。
【0013】
所定の金融機関は、例えば、銀行である。なお、所定の金融機関は銀行に限らず、証券会社等の、銀行とは異なる金融機関であってもよい。また、ユーザに付与される特典は、例えば、所定の金融機関において、通常の金利よりも高い金利が適用されることである。以下の説明において、所定の金融機関が所定銀行であるものとして説明を進める。
【0014】
所定の決済手段は、ユーザを識別するためのユーザIDを用いて、ユーザIDと関連付けられている電子マネーにより決済可能な決済手段である。所定の決済手段は、例えば、バーコードや二次元バーコード等のコードを用いた決済、すなわち、コード決済である。以下の説明において、所定の決済手段をコード決済という。
【0015】
コード決済では、例えば、ユーザ端末1が表示した決済用コードを店舗に設置された店舗端末が読み取り、店舗端末が、決済用コードを示す決済用トークンと、決済情報とを第1管理装置2に送信することにより、第1管理装置2において、決済情報に基づく決済を行う。この場合、第1管理装置2では、決済用コードを示す決済用トークンと、ユーザIDとが予め関連付けられており、店舗端末から、決済用トークンと、決済情報とを受信すると、決済用トークンに関連付けられているユーザIDに対応する電子マネーの口座から、受信した決済情報が示す、商品等の購入金額を差し引き、店舗の口座に送金する処理を行う。
【0016】
なお、コード決済は、店舗側がユーザに提示した決済用コードをユーザ端末1が読み取り、ユーザ端末1が、読み取った決済用コードを示す決済用トークンと、ユーザ端末1のユーザIDとを第1管理装置2に送信する形式であってもよい。この場合、第1管理装置2は、ユーザIDと決済用トークンとを受信すると、第1管理装置2において管理されている、ユーザIDに関連付けた電子マネーの口座から、決済用トークンに対応する決済情報が示す、商品等の購入金額を差し引くとともに、決済用トークンに予め関連付けられている店舗の口座に送金する処理を行う。
【0017】
本実施形態において、第1管理装置2は、ユーザ端末1から、ユーザが保有する、コード決済による決済時に利用可能な電子マネーの口座の残高を、ユーザが使用する所定銀行の口座に送金する設定である第1設定を受け付ける。また、第1管理装置2は、ユーザ端末1から、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金する設定である第2設定を受け付ける。第1管理装置2は、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付けているか否かを示す情報を、第2管理装置3に通知する。第2管理装置3は、第1管理装置2から通知された情報に基づいて、第1設定及び第2設定を受け付けていると判定すると、ユーザに特典を付与する。
【0018】
このようにすることで、ユーザは、特典が付与されることを目的として第1設定及び第2設定を行うので、第1設定及び第2設定の適用により、所定銀行の口座の利用機会が増えることとなる。したがって、特典付与システムSは、所定銀行の口座の利用を推進させることができる。
続いて、特典付与システムSが有する第1管理装置2及び第2管理装置3の構成について説明する。
【0019】
[第1管理装置2の構成例]
図2は、第1管理装置2の構成を示す図である。第1管理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。通信部21は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含んで構成されている。
【0020】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部22は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの電子マネーの口座の残高と、ポイントの残高と、電子マネーの口座の設定情報と、所定の金融機関の口座番号を示す連携口座情報とを関連付けた電子マネー口座情報を記憶する。
【0021】
図3は、電子マネー口座情報の一例を示す図である。図3に示すように、電子マネー口座情報には、ユーザIDと、電子マネーの口座の残高と、ポイントの残高と、設定情報と、連携口座情報とが関連付けられていることが確認できる。図3に示す例で、連携口座情報は、1つであるものとしたが、これに限らない。例えば、オートスイープの送金先の口座(第1の口座)を示す連携口座情報と、オートチャージの送金元の口座(第2の口座)を示す連携口座情報とがそれぞれ別々に設けられていてもよい。この場合、オートスイープの送金先の口座と、オートチャージの送金元の口座とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、オートスイープの送金先の口座に対応する金融機関と、オートチャージの送金元の口座に対応する金融機関とは異なっていてもよい。
【0022】
ポイントは、電子マネーとは別に、ユーザが所定の店舗やサービスにおいて決済を行ったこと等を条件としてユーザに付与される金銭価値である。ポイントは、例えば、特定の店舗における商品等の購入金額の支払に使用したり、電子マネーに所定のレートで変換したりすることができる。
【0023】
設定情報には、第1設定としてのオートスイープ設定が適用されているか否かを示す情報と、第2設定としてのオートチャージ設定が適用されているか否かを示す情報とが含まれている。
【0024】
オートスイープ設定は、例えば、ユーザの電子マネーの口座の残高を定期的に所定銀行の口座に送金する設定である。オートスイープ設定が適用されている場合、第1管理装置2は、ユーザの電子マネーの口座の残高の全額を、1日における所定時刻に、当該ユーザから都度の指示や承諾を得ることなく、当該ユーザのユーザIDに関連付けられている連携口座情報が示す所定銀行の口座に送金する。なお、オートスイープ設定が適用されている場合、ユーザの電子マネーの口座の残高の全額が所定銀行の口座に送金されることとしたが、これに限らず、例えば、ユーザの電子マネーの口座の残高のうち、所定金額が所定銀行の口座に送金されることとしてもよい。
【0025】
また、オートスイープ設定が適用されている場合、所定時刻におけるユーザの電子マネーの口座の残高が所定銀行の口座に送金されることとしたが、これに限らず、例えば、第1管理装置2が、ユーザの電子マネーの口座の状態が所定条件を満たすと判断した場合に、ユーザから指示や承諾を得ることなく、所定金額を所定銀行の口座に送金してもよい。一例としては、ユーザの電子マネーの口座の残高が設定金額を超えていることを所定条件として、所定条件を満たすと判断した場合に、設定金額から超過した残高を所定銀行の口座に送金する。他の例としては、第1管理装置2が、電子マネーの口座の残高が一定期間変更されていないことを所定条件として、残高が変更されていないと判断した場合は、電子マネー口座の残高の全部または一部が所定銀行の口座に送金される。
【0026】
ユーザの電子マネーの口座に対しオートスイープが適用されている場合、電子マネー口座情報のオートスイープ設定に「利用中」が格納され、オートスイープが適用されていない場合、電子マネー口座情報のオートスイープ設定に「未利用」が格納される。
【0027】
オートチャージ設定は、例えば、電子マネーを使用した決済においてユーザの電子マネーの口座の残高が不足する又は一定金額以下となる場合に、当該ユーザから都度の指示や承諾を得ることなく、所定銀行の口座から電子マネーの口座に所定金額を送金する設定である。所定金額は、例えば、電子マネーを使用した決済において電子マネーの口座の残高が不足している場合に、不足している分を示す金額である。また所定金額をユーザが予め定めた固定金額とすることもできる。オートチャージが適用されている場合、電子マネー口座情報のオートチャージ設定に「利用中」が格納され、オートチャージが適用されていない場合、電子マネー口座情報のオートチャージ設定に「未利用」が格納される。
【0028】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、設定部231、通知部232、送金部233、決済処理部234として機能する。これらの機能の詳細については後述する。
【0029】
[第2管理装置3の構成]
図4は、第2管理装置3の構成を示す図である。第2管理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。通信部31は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0030】
記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部32は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの口座に対して特典として適用されている金利である優遇金利と、当該優遇金利の適用期間を関連付けた特典付与情報を記憶する。優遇金利は、当該優遇金利が適用されていない場合の金利に比べて高い金利であるものとする。図5は、特典付与情報の一例を示す図である。図5に示すように、特典付与情報は、ユーザのユーザIDと、優遇金利の値、当該優遇金利の適用期間とが関連付けられていることが確認できる。また、記憶部32は、図示は省略するが、特典付与情報とは別に、ユーザIDと、ユーザの口座番号と、ユーザの口座の残高とを関連付けた口座情報を記憶しているものとする。
【0031】
制御部33は、例えば、CPUである。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部331、特典付与部332及び入出金処理部333として機能する。
以下、第1管理装置2の制御部23及び第2管理装置3の制御部33が有する機能について説明する。
【0032】
[オートスイープ及びオートチャージの設定]
設定部231は、ユーザ端末1から、オートスイープの設定を受け付ける。また、設定部231は、ユーザ端末1から、オートチャージの設定を受け付ける。例えば、設定部231は、ユーザ端末1から、ユーザのユーザIDを含み、電子マネーの口座の設定要求を受け付けたことに応じて、電子マネーの口座に関する設定画面をユーザ端末1に表示させ、電子マネーの口座に関する設定を受け付ける。電子マネーの口座に関する設定には、オートスイープ設定及びオートチャージ設定が含まれている。
【0033】
設定部231は、ユーザ端末1からオートスイープの設定を受け付けたことに応じて、記憶部22に記憶されている電子マネー口座情報のオートスイープ設定に「利用中」を示す情報を格納する。また、設定部231は、ユーザ端末1からオートチャージの設定を受け付けたことに応じて、電子マネー口座情報のオートチャージ設定に「利用中」を示す情報を格納する。
【0034】
設定部231は、ユーザ端末1からオートスイープの設定又はオートチャージの設定を受け付ける場合に、連携口座情報が設定されていない場合、ユーザから、所定銀行の口座番号の設定を受け付けるようにしてもよい。この場合、設定部231は、連携したい金融機関と、ユーザ名と、当該金融機関の口座番号とを受け付ける。設定部231は、これらの情報を受け付けると、当該金融機関に対応する第2管理装置3に、ユーザ名と口座番号とを含む連携要求を送信する。第2管理装置3は、連携要求に含まれるユーザ名及び口座番号との組み合わせが存在しているか否かを判定し、判定結果を第1管理装置2に通知する。設定部231は、第2管理装置3から通知された判定結果に基づいて、連携したい金融機関において、ユーザから受け付けたユーザ名と口座番号とが関連付けられていると判定すると、連携口座情報を設定する。この場合において、設定部231は、ユーザから、免許証やパスポート等の本人を認証する情報を受け付け、本人認証を行うようにしてもよい。
【0035】
また、設定部231は、オートスイープ設定を受け付ける場合、ユーザの電子マネーの口座に関連付けられているポイントを電子マネーに変換して所定銀行の口座に送金する設定を受け付けるようにしてもよい。なお、設定部231は、ユーザから、オートスイープに対応する連携口座情報の設定と、オートチャージに対応する連携口座情報の設定とを個別に受け付けるようにしてもよい。この場合、オートスイープの送金先の口座と、オートチャージの送金元の口座とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、オートスイープの送金先の口座に対応する金融機関と、オートチャージの送金元の口座に対応する金融機関とは異なっていてもよい。
【0036】
[特典の付与]
通知部232は、所定時間おきに、ユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を、オートチャージ及びオートスイープに対して設定した所定銀行の口座に対応する、当該所定銀行が管理する第2管理装置3に通知する。例えば、通知部232は、1カ月に一度、所定の時刻(例えば、月末の所定の時刻等)に、電子マネー口座情報に含まれているユーザIDと、オートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とを第2管理装置3に通知する。
【0037】
通知部232は、オートチャージに対して設定した金融機関の口座と、オートスイープに対して設定した金融機関の口座とが異なっている場合には、第2管理装置3にユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を通知しないようにしてもよい。
【0038】
また、通知部232は、オートチャージに対して設定した金融機関と、オートスイープに対して設定した金融機関とが異なっている場合であっても、所定条件を満たしていると判定すると、例外的に、第2管理装置3にユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を通知してもよい。例えば、通知部232は、これらの金融機関が関連する金融機関(例えば提携している金融機関)であり、一方の金融機関の口座がオートスイープの送金先に設定され、他方の金融機関の口座がオートチャージの送金元に設定されていることを条件として、これらの金融機関それぞれに対応する第2管理装置3にユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を通知してもよい。また、通知部232は、オートチャージに対して設定した金融機関と、オートスイープに対して設定した金融機関とが同一であるとともに、オートチャージに対して設定した口座と、オートスイープに対して設定した口座とが異なっている場合も、当該金融機関に対応する第2管理装置3にユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を通知してもよい。
【0039】
第2管理装置3の取得部331は、第1管理装置2から、所定時間おきに、ユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を取得する。取得部331は、例えば1カ月に一度、所定の時刻に、第1管理装置2から、当該所定の時刻において電子マネー口座情報に含まれているユーザIDと、オートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とを取得する。
【0040】
特典付与部332は、ユーザ端末1からオートスイープ設定及びオートチャージ設定を受け付けていることを条件としてユーザに特典を付与する。特典付与部332は、ユーザ端末1からオートスイープ設定及びオートチャージ設定を受け付けていることを条件として、ユーザに所定銀行の口座に適用される金利を増加させること(優遇金利の適用)を、次回の判定を行うまでの期間中に適用される特典として付与する。
【0041】
具体的には、特典付与部332は、取得部331が取得したオートスイープ設定を示す情報に基づいて、ユーザからオートスイープの設定を受け付けているか否かを判定する。特典付与部332は、取得部331が取得したオートチャージ設定を示す情報に基づいて、ユーザからオートチャージの設定を受け付けているか否かを判定する。特典付与部332は、ユーザからオートスイープの設定とオートチャージの設定とを受け付けていると判定すると、ユーザに特典を付与する。
【0042】
特典付与部332は、取得部331がオートスイープ設定を示す情報及びオートチャージ設定を示す情報とともに取得したユーザIDを特定し、記憶部32に記憶されている特典付与情報において、特定したユーザIDに関連付けられているユーザの口座に対して適用される、優遇金利の値と、当該優遇金利が適用される期間とを関連付ける。新たな金利は、オートスイープの設定とオートチャージの設定とを受け付けていない場合に適用される金利よりも高い金利であるものとする。
【0043】
なお、特典付与部332は、オートチャージに対して設定した金融機関の口座と、オートスイープに対して設定した金融機関の口座とが異なっており、これらの金融機関が関連する金融機関である場合、これらの口座の少なくともいずれかに対して優遇金利が設定されるようにしてもよい。また、特典付与部332は、オートチャージに対して設定した金融機関の口座と、オートスイープに対して設定した金融機関の口座とが異なっており、これらの金融機関が同一である場合も、これらの口座の少なくともいずれかに対して優遇金利が設定されるようにしてもよい。特典付与部332が、2つの口座のいずれか一方に優遇金利を設定する場合、ユーザから優遇金利を設定する口座の選択を受け付けてもよい。このようにすることで、ユーザは、特典である優遇金利が適用される口座を自身で選択することができる。
【0044】
[オートスイープ及びオートチャージの実行]
送金部233は、ユーザからオートスイープの設定を受け付けている場合、所定時間おきに、当該ユーザの電子マネーの口座の残高の全額を、1日における所定時刻に、当該ユーザのユーザIDに関連付けられている連携口座情報が示す所定銀行の口座に送金する。また、送金部233は、ユーザから、電子マネーの口座に関連付けられているポイントを電子マネーに変換して所定銀行の口座に送金する設定を受け付けている場合、ポイントの残高を全て電子マネーに変換し、電子マネーの残高と、ポイントから変換された電子マネーの金額とを合算して、所定銀行の口座に送金する。送金部233は、ユーザIDに関連付けられている連携口座情報が示す所定銀行の口座番号と、送金額とを示す情報を第2管理装置3に送信する。第2管理装置3の入出金処理部333は、口座番号と、送金額とを示す情報を受信すると、当該情報に基づいて、当該口座番号の残高に送金額を加算する。
【0045】
決済処理部234は、コード決済による決済を行う。決済処理部234は、例えば、まず、ユーザ端末1から、ユーザIDを含み、コード決済を行うための決済用コードの発行要求を取得する。決済処理部234は、決済用コードの発行要求を取得すると、決済用コードを示す決済用トークンを生成し、生成した決済用トークンを、発行要求を送信したユーザ端末1に送信する。また、決済処理部234は、発行要求に含まれるユーザIDと、決済用トークンとを関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0046】
ユーザ端末1は、決済用トークンを受信すると、当該決済用トークンに基づいて決済用コードを自身の表示部に表示させる。店員が店舗において使用されている店舗端末において決済用コードを読み取ると、店舗端末は、ユーザが商品等の購入により支払う支払金額と店舗を識別する店舗識別情報とを含む決済情報と、読み取った決済用コードを示す決済用トークンとを第1管理装置2に送信する。
【0047】
決済処理部234は、決済情報と決済用トークンとを受信すると、決済用トークンに関連付けて記憶部22に記憶されているユーザIDと、決済情報とに基づいて決済を行う。決済処理部234は、ユーザIDに関連付けられている電子マネーの残高が、決済情報に含まれる支払金額よりも少ない場合、ユーザIDに関連付けられている連携口座情報が示す所定銀行の口座番号と、所定金額とを示す情報を含むオートチャージ要求を第2管理装置3に送信する。第2管理装置3の入出金処理部333はオートチャージ要求を受信すると、当該要求に含まれている口座番号の残高から、所定金額を差し引くとともに、第1管理装置2に、所定金額と、当該口座番号又はユーザIDを含む送金情報を第1管理装置2に送信する。決済処理部234は、第2管理装置から所定金額に対応する送金情報を取得すると、所定金額を電子マネーの残高に加算し、その後、決済情報に基づいて決済を行う。
【0048】
[特典の付与に係る動作フロー]
図6は、第1管理装置2及び第2管理装置3における特典付与に係る処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば、所定時間おきに、複数のユーザのそれぞれに対応して実行されるものとする。
【0049】
まず、第1管理装置2の通知部232は、電子マネー口座情報に含まれているユーザIDと、オートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とを第2管理装置3に通知する(S1)。第2管理装置3の取得部331は、第1管理装置2から、ユーザIDと、オートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とを取得する。
【0050】
続いて、特典付与部332は、取得部331が取得したオートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とに基づいて、ユーザからオートスイープの設定と、オートチャージの設定とを受け付けているか否か、すなわち、オートスイープ及びオートチャージが適用されているか否かを判定する判定処理を実行する(S2)。そして、特典付与部332は、S3において、判定結果が、ユーザからオートスイープの設定とオートチャージの設定とを受け付けていることを示していると、S4に処理を移し、判定結果が、ユーザからオートスイープの設定とオートチャージの設定とを受け付けていないことを示していると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0051】
S4において、特典付与部332は、ユーザに特典を付与する。具体的には、特典付与部332は、オートスイープ設定を示す情報及びオートチャージ設定を示す情報とともに取得したユーザIDを特定し、記憶部32に記憶されている特典付与情報において、特定したユーザIDに対して優遇金利を示す情報と、当該優遇金利が適用される期間とを関連付ける。
【0052】
[変形例1]
上述の実施形態では、特典付与部332は、ユーザ端末1からオートスイープ設定及びオートチャージ設定を受け付けていることを条件としてユーザに特典を付与したが、さらに、ユーザのオートスイープ及びオートチャージの利用状況に応じて、特典の内容を変化させるようにしてもよい。例えば、特典付与部332は、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金した回数、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額の少なくともいずれかに基づいて特典の内容を変化させてもよい。
【0053】
この場合、記憶部22は、ユーザIDと、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数と、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額と、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された回数と、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額とを関連付けて記憶する。
【0054】
送金部233は、オートスイープの実行時に、ユーザの電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金されたことに応じて、当該ユーザのユーザIDに関連付けられている、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額を更新する。同様に、決済処理部234は、コード決済時にオートチャージを行う場合、コード決済に用いられているユーザIDに関連付けられている、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された回数、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額を更新する。
【0055】
そして、通知部232は、第2管理装置3に、オートスイープ設定を示す情報と、オートチャージ設定を示す情報とを通知する場合に、記憶部22に記憶されている、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金した回数、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額の少なくともいずれかを示す情報を送信する。
【0056】
特典付与部332は、第1管理装置2から受信した、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金した回数、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額の少なくともいずれかを示す情報に基づいて特典の内容を変化させる。例えば、特典付与部332は、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された回数、電子マネーの口座から所定銀行の口座に送金された金額の総額、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金した回数、所定銀行の口座から電子マネーの口座に送金された金額の総額が多ければ多いほど、高い金利をユーザに付与するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが電子マネーを使用する頻度を高めることができるとともに、金融機関の口座の利用を推進させることができる。
【0057】
[変形例2]
上述の実施形態では、電子マネーの口座の残高と、所定銀行の口座を示す連携口座情報とが直接関連付けられることとしたが、これに限らない。例えば、オートスイープの送金先が所定銀行の口座であるとともに、オートチャージの送金元が最終的に所定銀行の口座であることを条件として、ユーザに特典を付与するようにしてもよい。例えば、電子マネーの口座に対応するユーザIDに対し、オートチャージの送金元として、クレジットカードのカード番号が関連付けられているとともに、当該クレジットカードに対応する引落し先が所定銀行の口座であってもよい。
【0058】
この場合、設定部231は、オートスイープの送金先の口座として、所定銀行の口座番号を受け付けるとともに、オートチャージの送金元としてクレジットカードの番号等の、所定銀行の口座と異なる送金元を示す情報とを受け付ける。設定部231は、オートチャージの最終的な送金元が所定銀行であることを示す情報として、クレジットカードの支払金額の引落し元が所定銀行であることを示す証明情報を受け付ける。そして、特典付与部332は、ユーザ端末1からオートスイープの送金先として所定銀行が設定されているとともに、第1管理装置2から証明情報を取得し、証明情報に基づくオートチャージの最終的な送金元が所定銀行であることを条件としてユーザに特典を付与するようにしてもよい。このようにすることで、所定銀行の口座が電子マネーの口座と間接的に関連付けられている場合であってもユーザに特典を付与することができる。
【0059】
[変形例3]
上述の実施形態では、第2管理装置3において、ユーザIDに対してユーザの口座情報と、特典を示す金利情報とが関連付けられていることとしたが、これに限らない。例えば、第1管理装置2と、第2管理装置3との間で、ユーザを識別するために、ユーザIDとは異なるユーザを識別する管理番号がユーザに付与されていてもよい。この場合、第1管理装置2において、ユーザIDと管理番号とを関連付けて記憶するとともに、第2管理装置3において、ユーザを識別する情報として、ユーザIDの代わりに管理番号が用いられていてもよい。
【0060】
そして、第1管理装置2の通知部232は、ユーザのオートスイープ設定の設定状況及びオートチャージの設定状況を示す情報を第2管理装置3に通知する場合に、ユーザIDに関連付けられている管理番号と、電子マネー口座情報においてユーザIDに関連付けられているオートスイープ設定を示す情報及びオートチャージ設定を示す情報とを第2管理装置3に通知してもよい。このようにすることで、第2管理装置3においてユーザIDが使用されないようにし、例えばユーザIDの漏えいによる影響が第2管理装置3に及ばないようにすることができる。
【0061】
[変形例4]
上述の実施形態では、第1管理装置2が、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付け、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付けているか否かを示す情報を第2管理装置3に通知したが、これに限らない。例えば、第1管理装置2が、第1設定及び第2設定の一方を受け付け、第2管理装置3が、残りの設定を受け付け、その後、第1管理装置2及び第2管理装置3の間で、第1設定及び第2設定を受け付けているか否かを示す情報を共有してもよいし、第2管理装置3が、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付け、ユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付けているか否かを示す情報を第1管理装置2に通知してもよい。また、第1管理装置2がユーザ端末1から第1設定及び第2設定を受け付けることとしたが、これに限らず、金融機関の窓口において、ユーザ端末1のユーザから第1設定及び第2設定を受け付け、当該第1設定及び第2設定に係る情報を、第1管理装置2及び第2管理装置3が取得してもよい。
【0062】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る特典付与システムSは、ユーザ端末から、コード決済による決済時に利用可能な電子マネーの口座残高を、ユーザが使用する所定の金融機関に送金する設定であるオートスイープ設定と、所定の金融機関の口座から電子マネーの口座に送金する設定であるオートチャージ設定とを受け付けていることを条件として、ユーザに特典を付与する。このようにすることで、ユーザは、特典が付与されることを目的としてオートスイープ設定及びオートチャージ設定を行う。このようにすることで、オートスイープ及びオートチャージが適用され、金融機関の口座の利用を推進させることができる。
【0063】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1・・・ユーザ端末、2・・・第1管理装置、21・・・通信部、22・・・記憶部、23・・・制御部、231・・・設定部、232・・・通知部、233・・・送金部、234・・・決済処理部、3・・・第2管理装置、31・・・通信部、32・・・記憶部、33・・・制御部、331・・・取得部、332・・・特典付与部、333・・・入出金処理部、S・・・特典付与システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6