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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009713
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】照明器具及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230113BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230113BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20230113BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20230113BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230113BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 103
F21V21/04 100
F21V17/00 250
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113214
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲濱▼ 佑一郎
(72)【発明者】
【氏名】長尾 拓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011JA01
3K011KA02
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】従来よりも器具本体を軽量化しつつ、振動を抑制できる照明器具及び照明システムを提供すること。
【解決手段】照明器具は、長方形状の天板部を有する器具本体と、長尺状に形成され、器具本体に取り付けられた光源部と、光源部に点灯電力を供給する電源部と、を備え、天板部には、当該天板部の長手方向に沿って複数の取付孔が設けられ、光源部は、当該光源部の長手方向が天板部の長手方向に沿うように設けられ、天板部の短手方向において、電源部は、光源部と複数の取付孔との間に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の天板部を有する器具本体と、
長尺状に形成され、前記器具本体に取り付けられた光源部と、
前記光源部に点灯電力を供給する電源部と、を備え、
前記天板部には、当該天板部の長手方向に沿って複数の取付孔が設けられ、
前記光源部は、当該光源部の長手方向が前記天板部の前記長手方向に沿うように設けられ、
前記天板部の短手方向において、前記電源部は、前記光源部と前記複数の取付孔との間に配置されている
照明器具。
【請求項2】
前記電源部は、長尺状に形成されており、前記光源部と前記複数の取付孔との間に、当該電源部の長手方向が前記天板部の前記長手方向に沿うように配置されている
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源部を囲むように前記器具本体に設けられた反射枠を備え、
前記器具本体と前記反射枠とは、前記天板部の前記長手方向における前記器具本体と前記反射枠との端部間の距離が前記天板部の前記短手方向における前記器具本体と前記反射枠との端部間の距離よりも短くなり、且つ、前記天板部の前記短手方向において前記反射枠の方が前記器具本体よりも長くなるように形成されている
請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記器具本体と、前記天板部の前記短手方向における前記反射枠の両側の部分とを接続するコの字状の補強部材を備えた
請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記器具本体は、前記天板部の前記長手方向に延びた側辺に立設された本体側部を有し、
前記光源部は、前記天板部の前記短手方向における前記取付孔と前記本体側部との間において前記取付孔よりも前記本体側部に寄った位置に配置されている
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光源部は、前記天板部の前記短手方向において前記複数の取付孔の両側に設けられ、
前記電源部は、前記複数の取付孔の両側に設けられた前記光源部それぞれに対応して設けられ、各電源部は、対応した前記光源部と前記複数の取付孔との間に配置されている
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
被取付部に設けられた被取付部開口と、請求項1~6のいずれか一項に記載の照明器具と、を備え、前記被取付部開口に前記器具本体が配置されている照明システムであって、
前記被取付部開口と前記器具本体とは、前記天板部の前記長手方向における前記器具本体と前記被取付部開口との隙間より、前記天板部の前記短手方向における前記器具本体と前記被取付部開口との隙間の方が大きくなるように形成されている
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井等に取り付けられる照明器具及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
天井等の被取付部に取り付けられる照明器具は、例えば、吊りボルト等の取付部を介して被取付部に固定される。このような照明器具において、被取付部に固定される器具本体と、器具本体に設置される光源部と、器具本体の開口周部を覆い、光源部からの光を反射する枠部と、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明器具は、下面視で長方形状を有しており、照明器具の長手方向である横方向において器具本体の中央には、取付部が挿入される取付孔が、照明器具の短手方向である縦方向に複数形成されている。被取付部に設けられた開口部に器具本体が収納されるようにして、被取付部に照明器具が設置される。また、特許文献1の照明器具は、横方向に間隔を空けて配置され2つの光源部を点灯させるための点灯装置(以下、電源部という)を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-066425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の照明器具では、器具本体において2つの光源部が設置されている位置よりも横方向の外側に、下面が枠部で覆い隠される電源部が設置される。一般に、器具本体は板金等で構成されているので、特許文献1の照明器具のように、器具本体の横方向において光源部よりも外側に電源部が設置される構成では、電源部を設ける分、器具本体の横幅が大きくなることで器具本体の重さ及び照明器具の重さが重くなってしまう。照明器具が重量化すると、作業者への負荷が大きいので施工性が悪化し、さらには、振動により揺れる力が大きくなり、例えば地震等が生じた場合に照明器具が揺れ易くなる。なお、振動により照明器具が揺れてしまうことを、器具本体と被取付部の開口部の縁とを当接させることで抑制することはできるが、この場合、器具本体の横幅は削減できないので、照明器具の重量化は回避できない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来よりも器具本体を軽量化しつつ、振動を抑制できる照明器具及び照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、長方形状の天板部を有する器具本体と、長尺状に形成され、前記器具本体に取り付けられた光源部と、前記光源部に点灯電力を供給する電源部と、を備え、前記天板部には、当該天板部の長手方向に沿って複数の取付孔が設けられ、前記光源部は、当該光源部の長手方向が前記天板部の前記長手方向に沿うように設けられ、前記天板部の短手方向において、前記電源部は、前記光源部と前記複数の取付孔との間に配置されている。
また、本開示に係る照明システムは、被取付部に設けられた被取付部開口と、上記の照明器具と、を備え、前記被取付部開口に前記器具本体が配置されている照明システムであって、前記被取付部開口と前記器具本体とは、前記天板部の前記長手方向における前記器具本体と前記被取付部開口との隙間より、前記天板部の前記短手方向における前記器具本体と前記被取付部開口との隙間の方が大きくなるように形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電源部は、光源部と複数の取付孔との間に配置されているので、天板部の短手方向において器具本体の横幅を従来よりも短くでき、器具本体を軽量化できる。また、器具本体の軽量化によって、振動により器具本体が揺れる力が小さくなる。よって、従来よりも器具本体を軽量化しつつ、振動を抑制できる照明器具及び照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具が被取付部に取り付けられる前の状態を下方から見た外観斜視図である。
図2図1の照明器具の分解斜視図である。
図3図1の照明器具が被取付部に取り付けられた状態の断面図である。
図4図2の器具本体に光源部及び電源部が組み付けられた状態を下方から見た下面図である。
図5図2の光源部を上方からみた斜視図である。
図6】実施の形態1の第1変形例に係る照明器具を下方から見た外観斜視図である。
図7】実施の形態1の第2変形例に係る照明器具を上方から見た外観斜視図である。
図8】実施の形態1の第3変形例に係る照明器具を上方から見た外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった配置及び向き等は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、器具及び部品等の配置及び向き等を限定するものではない。器具及び部品等の構成について、その材質、形状及び大きさ等は、本開示の範囲内で適宜変更することができる。以下、照明器具1が天井に設置されるものとして説明するが、照明器具1が設置される被取付部Aは、部屋の側壁であってもよい。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1が被取付部Aに取り付けられる前の状態を下方から見た外観斜視図である。図2は、図1の照明器具1の分解斜視図である。図3は、図1の照明器具1が被取付部Aに取り付けられた状態の断面図である。図4は、図2の器具本体10に光源部20及び電源部30が組み付けられた状態を下方から見た下面図である。図5は、図2の光源部20を上方からみた斜視図である。以下、図1図5に基づき、実施の形態1に係る照明器具1の概略構成について説明する。図1の矢印X方向は照明器具1の幅方向を表し、矢印Y方向は照明器具1の奥行き方向を表し、矢印Z方向は照明器具1の高さ方向を表している。また、高さ方向において矢印Z1方向は上方向を表し、矢印Z2方向は下方向を表すものと定義する。
【0011】
図1に示されるように、照明器具1は、被取付部Aに固定される器具本体10と、光を照射する長尺状の光源部20と、光源部20に点灯電力を供給して光源部20を点灯させる電源部30(図2参照)と、光源部20からの光を反射させる反射枠40と、を備えている。照明器具1は、被取付部Aに設けられた開口(以下、被取付部開口A1という)に器具本体10が埋めこまれるように取り付けられる。
【0012】
図1に示される例では、被取付部開口A1は、下面視して四角形状を有している。以下、幅方向(矢印X方向)における被取付部開口A1の長さが横幅LAxであり、奥行き方向(矢印Y方向)における被取付部開口A1の長さが縦幅LAyであるものと定義する。
【0013】
図3に示されるように、被取付部Aに設けられた吊りボルト等の取付具A2により器具本体10が固定されることで、照明器具1が被取付部Aに取り付けられる。取付具A2は、例えば、吊りボルト及びナットで構成される。被取付部Aに設けられた被取付部開口A1と、被取付部開口A1に取り付けられた照明器具1とにより、照明システム200を構成している。
【0014】
図2に示されるように、器具本体10は、一面が開口した箱形状を有している。器具本体10は、矩形状をした天板部11と、天板部11の側辺に立設された本体側部12と、を有している。図2に示される例では、器具本体10の下面が開口しており、天板部11の4つの側辺には下方へ延びた本体側部12がそれぞれ設けられ、各本体側部12が被取付部開口A1の内壁A11(図1参照)と対向する構成とされている。なお、天板部11の長手方向に延びた側辺及び短手方向に延びた側辺のうち、短手方向に延びた側辺には本体側部12を設けず、長手方向に延びた側辺にのみ本体側部12を設けてもよい。
【0015】
器具本体10は、例えば、板金等を曲げて形成されている。なお、器具本体10は、プレス又は押出などの成形方法で形成されたものでもよい。
【0016】
図4に示されるように、天板部11は、天板部11の幅方向(矢印X方向)の長さが、天板部11の奥行き方向(矢印Y方向)の長さよりも短くなるような長方形状を有している。そして、図1に示される被取付部開口A1と図4に示される器具本体10とは、天板部11の長手方向(矢印Y方向)における器具本体10と被取付部開口A1の内壁A11との隙間よりも、天板部11の短手方向(矢印X方向)における器具本体10と被取付部開口A1の内壁A11との隙間G(図3参照)の方が大きくなるように設けられている。
【0017】
器具本体10と被取付部開口A1との大小関係について、図1及び図4に基づき、より具体的に説明する。天板部11の短手方向(矢印X方向)の長さ、すなわち天板部11の横幅Lxは、被取付部開口A1の幅方向(矢印X方向)の長さ、すなわち被取付部開口A1の横幅LAxよりも短い。また、天板部11の長手方向(矢印Y方向)の長さ、すなわち天板部11の縦幅Lyは、被取付部開口A1の奥行き方向(矢印Y方向)の長さ、すなわち被取付部開口A1の縦幅LAyと同等である。
【0018】
ここで、天板部11の縦幅Lyと被取付部開口A1の縦幅LAyとが同等の長さであるとは、両者が同一の長さである場合、及び、器具本体10が被取付部開口A1に挿し込みできる程度に天板部11の縦幅Lyが被取付部開口A1の縦幅LAyよりも若干(例えば、数ミリメートル)短い場合が含まれる。
【0019】
図2に示されるように、天板部11には、吊りボルト等の取付具A2(図3参照)が挿入される取付孔111、及び、電源配線(不図示)が挿入される電源孔112が設けられている。電源配線は電源部30と接続されており、電源配線を介して外部の商用電源から電力が供給される。
【0020】
図3に示されるように、天板部11の長手方向(矢印Y方向)に沿って複数設けられた取付孔111それぞれに吊りボルト等の取付具A2が挿入され、吊りボルトに螺号されたナットにより、天板部11における取付孔111の縁部が上下に挟まれ固定される。
【0021】
図3及び図4に示される例では、天板部11の幅方向中央XOにおいて、奥行き方向(矢印Y方向)に2つの取付孔111が設けられ、2つの取付孔111を介して、取付具A2により天板部11が被取付部Aに固定されている。また、図4に示される例では、電源孔112は2つの取付孔111の間に設けられている。なお、天板部11において電源孔112を設ける位置、及び、電源孔112の数は、特にこれに限定されない。
【0022】
また、図2に示されるように、器具本体10には、光源部20を固定する光源取付部13が設けられている。光源取付部13は、下方へ延びる一対の爪を有し、逆U字形状を有している。一対の爪のそれぞれの爪先端部13aは、内側且つ上向きに折り曲げられている。光源取付部13における一対の爪の間に、光源部20が上方向へ挿し込まれ固定されている。光源取付部13は、奥行き方向(矢印Y方向)において間をあけて複数設けられ、奥行き方向(矢印Y方向)に延びた各光源部20が複数の光源取付部13で固定される構成とされる。図2に示される例では、奥行き方向(矢印Y方向)に2つの光源取付部13が設けられ、2つの光源取付部13によって、奥行き方向(矢印Y方向)に延びた1つの光源部20が固定される構成とされている。
【0023】
また、図2に示されるように、天板部11には、反射枠40を取り付けるためのネジ穴113が形成されている。図2に示される例では、天板部11において奥行き方向(矢印Y方向)に設けられた2つの光源取付部13の間に、複数のネジ穴113が設けられている。
【0024】
図5に示されるように、光源部20は、長尺状の発光基板21(図3参照)と、発光基板21が取り付けられる光源フレーム22と、発光基板21を覆うように光源フレーム22に取付られるカバー23と、を有している。また、光源部20は、光源取付部13(図2参照)と嵌合する光源固定部24を有し、光源固定部24を介して器具本体10に取り付けられている。
【0025】
図示していないが、発光基板21は、例えば複数のLED(Light Emitting Diode)等で構成された発光する光源と、光源が設置される基板とを有している。図5に示される例では、カバー23は、平面状の下面を有している。カバー23は、例えば樹脂材料で構成される。光源部20は、発光基板21からの光をカバー23で拡散して照射する。
【0026】
図2に示されるように、長尺状の光源部20は、光源部20の長手方向が天板部11の長手方向(矢印Y方向)に沿うように器具本体10に取り付けられている。光源部20の長手方向の長さは、器具本体10の奥行き方向(矢印Y方向)の長さよりも短い。なお、光源部20の長手方向の長さは、器具本体10の奥行き方向(矢印Y方向)の長さと同じ長さであってもよい。
【0027】
また、器具本体10には、光源部20が幅方向(矢印X方向)に複数設けられている。このため、天板部11には、幅方向(矢印X方向)に間をあけて上記の光源取付部13が複数設けられている。図2及び図3に示される例では、奥行き方向(矢印Y方向)に延びた光源部20が、器具本体10における幅方向中央XOの左側と右側とに配置されている。そして、幅方向中央XOよりも左側に設けられた2つの光源取付部13によって左側の光源部20が固定され、幅方向中央XOよりも右側に設けられた2つの光源取付部13によって右側の光源部20が固定されている。
【0028】
なお、光源部20の個数の2倍の光源取付部13が設けられる場合について説明したが、奥行き方向(矢印Y方向)に延びる各光源部20を固定できればよく、光源取付部13の数は特にこれに限定されない。また、光源取付部13が逆向きU字形状を有する場合について説明したが、光源取付部13の形状は特にこれに限定されない。
【0029】
図3に示されるように、光源部20は、天板部11の短手方向(矢印X方向)における取付孔111と本体側部12との間において、取付孔111よりも本体側部12に寄った位置に配置されている。
【0030】
電源部30は、不図示の電源電線を介して供給される商用電源から供給される電力を変換して光源部20に提供し、光源部20を点灯させるものである。例えば、電源部30により、商用電源から供給される交流電力が直流電力に変換される。
【0031】
図2に示されるように、電源部30は、長尺状に形成され、奥行き方向(矢印Y方向)に延びた長尺状の電源ケース31と、電源ケース31の内部に収納された電源回路基板32(図3参照)と、を有している。電源ケース31は、ネジ等により天板部11に固定されている。なお、電源部30は、器具本体10と反射枠40との間の空間において、後述する第2反射部43側に取り付けられてもよい。
【0032】
図3に示されるように、電源部30は、天板部11の短手方向すなわち照明器具1の幅方向(矢印X方向)において、光源部20と複数の取付孔111との間に配置されている。また、図2に示されるように、電源部30の長手方向が天板部11の長手方向すなわち照明器具1の奥行き方向(矢印Y方向)に沿うように、器具本体10に電源部30が取り付けられている。
【0033】
図3に示される例では、複数の取付孔111の両側に設けられた光源部20それぞれに対応して電源部30が設けられ、各電源部30は、対応した光源部20と複数の取付孔111との間に配置されている。幅方向中央XOよりも左側に設けられている光源部20を点灯させる電源部30は、幅方向中央XOよりも左側に配置され、幅方向中央XOよりも右側に設けられている光源部20を点灯させる電源部30は、幅方向中央XOよりも右側に配置されている。対応する電源部30と光源部20とは、不図示の接続線により接続されている。
【0034】
図2に示されるように、反射枠40は、光源部20を囲むように器具本体10に設けられ、光源部20からの光を反射し、照明器具1の発光効率を効率化させるものである。図1に示される例では、反射枠40は、下面視して四角形状を有している。図1に示されるように、照明器具1の幅方向(矢印X方向)における反射枠40の長さを、反射枠40の横幅L40xと定義し、照明器具1の奥行き方向(矢印Y方向)における反射枠40の長さを、反射枠40の縦幅L40yと定義する。
【0035】
図2に示されるように、反射枠40は、幅方向(矢印X方向)において光源部20の外側に配置される2つの第1反射部42と、光源部20間に配置される第2反射部43と、第1反射部42及び第2反射部43を支持する支持部41と、を有している。支持部41は、下面視して、中央が開口した四角形状を有しており、この開口41aの内側に、第1反射部42及び第2反射部43が設けられる。
【0036】
図3に示されるように、第1反射部42は、支持部41における幅方向(矢印X方向)の内側端41iから光源部20側へ向かうに従い上側へ傾斜した傾斜面421を有している。傾斜面421は、図2に示されるように、支持部41の内側端41iに沿って奥行き方向(矢印Y方向)に延びている。
【0037】
また、図2及び図3に示されるように、傾斜面421における光源部20側の端部には、天板部11側すなわち上方へ延びた反射脚部422が設けられており、反射脚部422を介して反射枠40が器具本体10に取り付けられている。図2及び図3に示される例では、反射脚部422の先端部422aは、天板部11において光源部20等が設置される下面11a側と対面するように曲げられており、先端部422aには複数の穴が設けられている。そして、反射脚部422の先端部422aの穴と天板部11のネジ穴113とに挿入されたネジ51によって、第1反射部42が天板部11に固定されている。
【0038】
図3に示されるように、第2反射部43は、幅方向(矢印X方向)に隣接した互いに傾きが異なる第1傾斜面431と第2傾斜面432とを有し、幅方向中央XOに頂部を形成するように下方に突出した構成とされている。第2傾斜面432よりも左側に設けられた第1傾斜面431は、左側の光源部20から第2傾斜面432側へ向かうに従い下側へ傾斜し、第2傾斜面432は、第1傾斜面431側から右側の光源部20へ向かうに従い上側へ傾斜している。第2反射部43は、支持部41に着脱自在に取り付けられる構成でもよい。
【0039】
図1及び図4に基づき、器具本体10と反射枠40との大小関係について説明する。器具本体10と反射枠40とは、天板部11の長手方向(矢印Y方向)において同程度の長さを有し、且つ、天板部11の短手方向(矢印X方向)において反射枠40の方が天板部11よりも長くなるように形成されている。図1及び図4に示される例では、天板部11の縦幅Lyは、反射枠40の縦幅L40yよりも若干短く、天板部11の横幅Lxは、反射枠40の横幅L40xよりも短い。器具本体10と反射枠40とは、天板部11の長手方向(矢印Y方向)における器具本体10と反射枠40との端部間の距離が天板部11の短手方向(矢印X方向)における器具本体10と反射枠40との端部間の距離よりも短くなっている。また、図1及び図4に示される例では、天板部11は、横幅Lxよりも縦幅Lyが長い縦長の長方形状を有し、反射枠40は、縦幅L40yよりも横幅L40xが長い横長の長方形状を有している。
【0040】
図3に示されるように反射枠40が器具本体10に取り付けられた状態では、幅方向(矢印X方向)において2つの光源部20の外側に2つの第1反射部42が配置され、2つの光源部20の間に第2反射部43が配置される。これにより、2つの第1反射部42と第2反射部43とによって2つの光源部20からの光が反射され、また、第2反射部43によって、天板部11の取付孔111及び電源孔112、並びに天板部11に設置されている電源部30が覆われる。また、図3に示されるように照明器具1が被取付部Aに取り付けられた状態では、器具本体10と被取付部開口A1の縁との間の隙間が、反射枠40によって覆われる。
【0041】
なお、照明器具1において光源部20の数は上記の場合に限定されない。光源部20は、例えば3つ以上設けられても良く、そのうち1つは幅方向中央XOに重なるように配置してもよい。また、光源部20の構成は上記のものに限定されない。例えば、光源部20のカバー23は、曲面形状の下面を有するものでもよい。また、光源固定部24と光源取付部13との嵌合により光源部20が器具本体10に取り付けられる構成について説明したが、光源部20を器具本体10に取り付ける構成は特にこれに限定されない。例えば、板状の弾性部材により器具本体10に光源部20が固定される構成としても良い。また、第2反射部43の数は、光源部20の数に応じて適宜変更できる。
【0042】
図6は、実施の形態1の第1変形例に係る照明器具1Aを下方から見た外観斜視図である。図6に示されるように、第1変形例に係る照明器具1Aは、幅方向(矢印X方向)に配列された3つの光源部20Aを備え、中央の光源部20Aと右側の光源部20Aとの間、及び、中央の光源部20Aと左側の光源部20Aとの間のそれぞれに、第2反射部43が設けられている。つまり、第1変形例に係る照明器具1Aにおいて、反射枠40Aは、2つの第2反射部43を有している。また、第1変形例では、光源部20Aのカバー23Aは、下側に凸の曲面形状を有している。
【0043】
第1変形例では、取付孔111は、天板部11において、例えば、中央の光源部20Aと右側の光源部20Aとの間、及び、中央の光源部20Aと左側の光源部20Aとの間のそれぞれに、複数設けることができる。また、照明器具1Aは、各光源部20Aに対応した電源部30(図4参照)を備え、電源部30は、対応する光源部20と複数の取付孔111との間に配置される。つまり、左側の光源部20を点灯する電源部30は、この光源部20の右側に配置され、右側の光源部20を点灯する電源部30は、この光源部20の左側に配置される。中央の光源部20を点灯する電源部30は、この光源部20の付近に配置されればよく、この光源部20の右側及び左側のいずれに配置されてもよい。光源部20の間に2つの電源部30が配置される場合には、2つの電源部30を奥行き方向(矢印Y方向)に配列するとよい。
【0044】
次に、図2に基づき、図1、3及び4を参照しつつ、照明器具1における振動抑制の効果について説明する。図2に示されるように、2つの取付孔111が併設された方向である奥行き方向(矢印Y方向)では、各取付孔111に取付具A2(図1参照)が挿し込まれて器具本体10が2箇所で保持されているので、照明器具1が振動により奥行き方向(矢印Y方向)に動く揺れが抑制されている。
【0045】
また、天板部11の縦幅Ly(図4参照)は、被取付部開口A1の縦幅LAy(図1参照)と同等の長さであるので、奥行き方向(矢印Y方向)において、振動による照明器具1の揺れが更に抑制される。
【0046】
一方、2つの取付孔111が併設された方向と直交する方向である幅方向(矢印X方向)では、器具本体10は幅方向中央XOの1箇所で支持されるだけであり、振動によって照明器具1が左右に揺れてしまうことが考えられる。しかし、本開示では、以下に示されるように、各部品の配置と器具本体10の軽量化とによって、照明器具1の幅方向の揺れも抑制される。
【0047】
器具本体10において、2つの取付孔111が併設された方向である奥行き方向(矢印Y方向)に光源部20の長手方向が沿うように光源部20が設置されており、且つ、電源部30は、光源部20と2つの取付孔111との間に配置されている。このような部品配置により、光源部20の長さに応じて器具本体10の幅方向(矢印X方向)の長さすなわち横幅Lxを長くする必要がなく、且つ、器具本体10の幅方向において光源部20よりも外側に電源部30を設置する場所を確保する必要がない。よって、器具本体10の横幅Lxを従来よりも短くして器具本体10を軽量化することができる。器具本体10が軽量化することによって、振動により器具本体10が揺れる力が軽減されるので、照明器具1は揺れ難くなる。
【0048】
また、照明器具1の構成部品のうち電源部30等の重量物が、器具本体10において光源部20よりも外側ではなく、光源部20よりも2つの取付孔111側に配置されているので、重量物と固定部との距離が短くなり、照明器具1が揺れ難くなる。
【0049】
そして、照明器具1の軽量化により、作業者への負荷が小さくなり、施工性が良くなる。また、対応する光源部20と電源部30とが従来よりも近くに配置されるので、光源部20と電源部30との接続線を短くでき、配線がし易いので、施工性が更に良くなる。また、器具本体10の横幅Lxが短くなったことで、照明器具1と被取付部Aとの間に隙間Gができ、通気性が向上する。そして、通気性が向上したことにより、電源部30及び光源部20等の発熱部品が空気により冷却され易くなり、熱による部品の劣化が抑制される。また、板金等で構成される器具本体10を小さくできるので、照明器具1のコストを削減できる。
【0050】
次に、第2変形例及び第3変形例について説明する。図7は、実施の形態1の第2変形例に係る照明器具1Bを上方から見た外観斜視図である。第2変形例の照明器具1Bは、被取付部開口A1(図1参照)内に収納される器具本体10の横幅Lxよりも大きい横幅L40xを有する反射枠40のがたつきを防止するために、補強部材6Bを備えている。
【0051】
補強部材6Bは、横方向(矢印X方向)に延び、端部6Baが曲げられたコの字状に形成され、例えば、板金等で構成されている。照明器具1Bにおいて、補強部材6Bは、奥行き方向(矢印Y方向)の中央に設けられる。補強部材6Bの奥行き方向(矢印Y方向)の幅L6yは、器具本体10の縦幅Lyよりも小さい。補強部材6Bは、反射枠40における横方向(矢印X方向)の端部40eと、器具本体10における横方向(矢印X方向)の端部である本体側部12とを接続している。
【0052】
補強部材6Bにおける器具本体10側の端部6Baは、器具本体10の本体側部12の外面側と対面している。補強部材6Bは、器具本体10における横方向(矢印X方向)の両側に設けられている。2つの補強部材6Bの端部6Baによって、器具本体10が幅方向(矢印X方向)に挟み込まれるように保持されている。
【0053】
図8は、実施の形態1の第3変形例に係る照明器具1Cを上方から見た外観斜視図である。第3変形例の照明器具1Cも、第2変形例の照明器具1Bと同様、反射枠40のがたつきを防止する補強部材6Cを備えている。補強部材6Cは、横方向(矢印X方向)に延びる帯状に形成され、例えば、板金等で構成されている。照明器具1Cにおいて、補強部材6Cは、奥行き方向(矢印Y方向)の中央に設けられる。補強部材6Cの奥行き方向(矢印Y方向)の幅L6yは、器具本体10の縦幅Lyよりも小さい。
【0054】
第3変形例の補強部材6Cにおける横方向(矢印X方向)両側の端部6Caは、それぞれ曲げられて下方へ突出しており、反射枠40における横方向(矢印X方向)両側の第1反射部42と対面している。また、補強部材6Cにおいて、幅方向中央XOには、器具本体10の電源孔112(図4参照)と対向する穴61が設けられ、また、穴61の両側には、補強部材6Cと天板部11とを固定するネジ(不図示)が挿入される固定穴62が設けられている。ネジを介して器具本体10に固定された補強部材6Cの両側の端部6Caにより、反射枠40の両側の第1反射部42が、幅方向(矢印X方向)に挟み込まれるように保持されている。
【0055】
第2変形例の補強部材6Bあるいは第3変形例の補強部材6Cにより、器具本体10と反射枠40における横方向(矢印X方向)の両側の部分とを接続させることで、振動に対して幅方向(矢印X方向)の揺れをより抑制することができる。また、器具本体10全体を大きくすることなく幅L6yが短い補強部材6B、6Cを追加すればよいので、重量化を抑制することができる。
【0056】
なお、各変形例は、適宜、変形及び省略することができる。例えば、第2変形例及び第3変形例では、補強部材6Bにより反射枠40が器具本体10に固定されているので、図2に示される第2反射部43の反射脚部422は省略することができる。
【0057】
以上のように、実施の形態1の器具本体10は、長方形状の天板部11を有する器具本体10と、長尺状に形成され、器具本体10に取り付けられた光源部20と、光源部20に点灯電力を供給する電源部30と、を備える。天板部11には、天板部11の長手方向(矢印Y方向)に沿って複数の取付孔111が設けられる。光源部20は、光源部20の長手方向が天板部11の長手方向(矢印Y方向)に沿うように設けられ、天板部11の短手方向(矢印X方向)において、電源部30は、光源部20と複数の取付孔111との間に配置されている。
【0058】
これにより、電源部30は、光源部20と複数の取付孔111との間に配置されているので、天板部11の短手方向(矢印X方向)において器具本体10の横幅Lxを従来よりも短くでき、器具本体10を軽量化できる。また、器具本体10の軽量化によって、振動により器具本体10が揺れる力が小さくなる。よって、従来よりも器具本体10を軽量化しつつ、振動を抑制できる照明器具1を提供することができる。
【0059】
また、電源部30は、長尺状に形成されており、光源部20と複数の取付孔111との間に、電源部30の長手方向が天板部11の長手方向(矢印Y方向)に沿うように配置されている。これにより、電源部30の長さによって器具本体10の横幅Lxを大きくせずに、長尺状の電源部30を搭載することができる。
【0060】
また、照明器具1は、光源部20を囲むように器具本体10に設けられた反射枠40を備える。そして、器具本体10と反射枠40とは、天板部11の長手方向(矢印Y方向)における器具本体10と反射枠40との端部間の距離α(図8参照)が天板部11の短手方向(矢印X方向)における器具本体10と反射枠40との端部間の距離β(図8参照)よりも短くなり、且つ、天板部11の短手方向(矢印X方向)において反射枠40の方が器具本体10よりも長くなるように形成されている。
【0061】
これにより、反射枠40を設ける場合でも、反射枠40のみの横幅L40xを器具本体10の横幅Lxよりも大きくしたので、照明器具1全体の重量化を抑制しつつ、反射枠40による発光効率の向上を図ることができる。
【0062】
また、照明器具1は、器具本体10と、天板部11の短手方向(矢印X方向)における反射枠40の両側の部分とを接続するコの字状の補強部材6B又は6Cを備えている。これにより、振動に対して天板部11の短手方向(矢印X方向)の揺れをより抑制することができる。また、器具本体10全体を大きくすることなく補強部材6B又は6Cを追加すればよいので、器具本体10及び照明器具1の重量化を抑制することができる。
【0063】
また、器具本体10は、天板部11の長手方向(矢印Y方向)に延びた側辺に立設された本体側部12を有し、光源部20は、短手方向における取付孔111と本体側部12との間において取付孔111よりも本体側部12に寄った位置に配置されている。これにより、電源部30等の他の部品を設置する場所を光源部20よりも複数の取付孔111側に設けることができる。
【0064】
また、光源部20は、天板部11の短手方向(矢印X方向)において複数の取付孔111の両側に設けられる。そして、電源部30は、複数の取付孔111の両側に設けられた光源部20それぞれに対応して設けられ、各電源部30は、対応した光源部20と複数の取付孔111との間に配置されている。
【0065】
これにより、対応する光源部20と電源部30とが従来よりも近くに配置されるので、光源部20と電源部30との接続線を短くでき、配線がし易く、施工性が良くなる。また、天板部11の短手方向(矢印X方向)において複数の取付孔111の両側に電源部30及び光源部20が設けられるので、照明器具1の横方向の両側で重さの差が小さくでき、揺れを更に抑制できる。
【0066】
また、実施の形態1に係る照明システム200は、被取付部Aに設けられた被取付部開口A1と、上記の照明器具1と、を備え、被取付部開口A1に器具本体10が配置されたものである。被取付部開口A1と器具本体10とは、天板部11の長手方向(矢印Y方向)における器具本体10と被取付部開口A1との隙間より、天板部11の短手方向(矢印X方向)における器具本体10と被取付部開口A1との隙間Gの方が大きくなるように形成される。
【0067】
これにより、天板部11の短手方向(矢印X方向)における器具本体10と被取付部開口A1との隙間Gにより、照明器具1と被取付部Aとの間の通気性が向上する。そして、通気性が向上したことにより、電源部30及び光源部20等の発熱部品が空気により冷却され易くなり、熱による部品の劣化が抑制される。
【符号の説明】
【0068】
1、1A、1B、1C 照明器具、6B、6C 補強部材、6Ba、6Ca 端部、10 器具本体、11 天板部、11a 下面、12 本体側部、13 光源取付部、13a 爪先端部、20 光源部、20A 光源部、21 発光基板、22 光源フレーム、23、23A カバー、24 光源固定部、30 電源部、31 電源ケース、32 電源回路基板、40、40A 反射枠、40e 端部、41 支持部、41a 開口、41i 内側端、42 第1反射部、43 第2反射部、51 ネジ、61 穴、62 固定穴、111 取付孔、112 電源孔、113 ネジ穴、200 照明システム、421 傾斜面、422 反射脚部、422a 先端部、431 第1傾斜面、432 第2傾斜面、A 被取付部、A1 被取付部開口、A11 内壁、A2 取付具、G 隙間、L40x、LAx、Lx 横幅、L40y、LAy、Ly 縦幅、XO 幅方向中央。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8