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特開2023-97143インキの除去方法、ラベルのリサイクル方法、プラスチック製品の製造方法、及びラベル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097143
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】インキの除去方法、ラベルのリサイクル方法、プラスチック製品の製造方法、及びラベル
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/06 20060101AFI20230630BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
C08J11/06
B29B17/02 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213323
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平戸 勇馬
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 彰
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AA13
4F401AA17
4F401AA22
4F401AA24
4F401AB07
4F401AC13
4F401AD02
4F401AD07
4F401BA04
4F401BA13
4F401BB12
4F401CA02
4F401CA14
4F401CA25
4F401CA32
4F401CA48
4F401CA49
4F401CA51
4F401CA52
4F401CA78
4F401CB01
4F401EA05
4F401EA07
4F401EA08
4F401EA34
4F401EA45
4F401EA46
4F401EA59
4F401EA60
4F401EA79
(57)【要約】
【課題】ラベルからインキを効率的に除去する。
【解決手段】ラベル片(71)は、(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂を含み、アルカリ可溶性を有する下地層と、(iii)インキを含むインキ層と、をこの順に有し、折り曲がった折り曲がり部を有する。下地層は、ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されている。インキの除去方法は、ラベル片(71)をアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程S8と、浸漬工程S8にてアルカリ処理されたラベル片71を洗浄することによりインキ層を脱離除去する洗浄工程S9と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂を含み、アルカリ可溶性を有する下地層と、(iii)インキを含むインキ層と、をこの順に有するラベルからのインキの除去方法であって、
前記下地層は、前記ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されており、
前記ラベルは、折り曲がった折り曲がり部を有し、
前記ラベルをアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程にてアルカリ処理された前記ラベルを洗浄することにより前記インキ層を脱離除去する洗浄工程と、を含む、インキの除去方法。
【請求項2】
(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂及びインキを含み、アルカリ可溶性を有するインキ層と、をこの順に有するラベルからのインキの除去方法であって、
前記インキ層は、前記ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されており、
前記ラベルは、折り曲がった折り曲がり部を有し、
前記ラベルをアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程にてアルカリ処理された前記ラベルを洗浄することにより前記インキ層を脱離除去する洗浄工程と、を含む、インキの除去方法。
【請求項3】
前記ベース樹脂は、カルボキシル基含有樹脂を含み、
前記硬化剤は、アジリジン系硬化剤又はイソシアネート系硬化剤を含む、請求項1又は2に記載のインキの除去方法。
【請求項4】
前記ラベル基材の厚さは、20μm以下である、請求項1から3の何れか一項に記載のインキの除去方法。
【請求項5】
前記浸漬工程において、前記ラベルは、前記インキ層が内側となるように湾曲した状態から前記インキ層が外側となるように湾曲した状態へと変化する、請求項1から4の何れか一項に記載のインキの除去方法。
【請求項6】
前記浸漬工程の前に、前記ラベルをラベル片に細断する細断工程を含み、
前記浸漬工程及び前記洗浄工程において処理される前記ラベルは、前記細断工程によって生じた前記ラベル片である、請求項1から5の何れか一項に記載のインキの除去方法。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載のインキの除去方法を用いて、前記ラベルからインキ層を除去する除去工程と、
前記除去工程によって回収されたラベル基材を用いて、樹脂フラフ又は樹脂ペレットを製造する工程と、を含む、ラベルのリサイクル方法。
【請求項8】
請求項7に記載のラベルのリサイクル方法によって製造された樹脂フラフ又は樹脂ペレットを用いてプラスチック製品を製造する、プラスチック製品の製造方法。
【請求項9】
熱収縮性を有するラベル基材と、
前記ラベル基材における一方の面に形成された、ベース樹脂を含みアルカリ可溶性を有する下地層と、
前記下地層上に形成された、インキを含むインキ層と、を有し、
前記下地層において、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤と当該成分とが反応することによって形成された架橋構造を含む、ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルからインキを除去するインキの除去方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)等のプラスチック製品が広く使用されている。一般に、PETボトル等にはプラスチックラベルが装着されている。特許文献1には、例えば、熱収縮性を有する基材フィルム上に、アルカリ可溶性を有するコート層(下地層)及びインキ層が形成されたプラスチックラベルが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、サーキュラーエコノミーの観点から、プラスチック製品を資源として再利用する方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4653913号
【特許文献2】特許第6849141号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、使用済みのプラスチック製品を別製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルの需要が高まっている。ところで、使用済みのプラスチックラベル(以下、単にラベルと称する)にはインキ等の不純物が含まれる。インキが再生樹脂に混入すると、再生樹脂の品質低下という問題を生じさせる。ラベルからインキを効率的に除去する方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、折り目が形成された部分を有するラベルからインキを効率的に除去する手段について新たな知見を得て、本発明を想到した。より詳しくは、本発明者らは、アルカリ可溶性を有するとともに適切に硬化剤が配合された層を含むラベルをアルカリ性溶液中に浸漬することによって、ラベルからのインキ除去の効率を高めることができるという知見を見出した。特に、折り目が形成された部分においてラベルの対向面が互いに離れるようにラベルに自発的な変形を生じさせると、ラベルからインキを高度に除去し易くできる。
【0007】
すなわち、本発明の一態様に係るインキの除去方法は、(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂を含み、アルカリ可溶性を有する下地層と、(iii)インキを含むインキ層と、をこの順に有するラベルからのインキの除去方法であって、前記下地層は、前記ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されており、前記ラベルは、折り曲がった折り曲がり部を有し、前記ラベルをアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程と、前記浸漬工程にてアルカリ処理された前記ラベルを洗浄することにより前記インキ層を脱離除去する洗浄工程と、を含む。
【0008】
また、本発明の一態様に係るインキの除去方法は、(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂及びインキを含み、アルカリ可溶性を有するインキ層と、をこの順に有するラベルからのインキの除去方法であって、前記インキ層は、前記ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されており、前記ラベルは、折り曲がった折り曲がり部を有し、前記ラベルをアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程と、前記浸漬工程にてアルカリ処理された前記ラベルを洗浄することにより前記インキ層を脱離除去する洗浄工程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るラベルは、熱収縮性を有するラベル基材と、前記ラベル基材における一方の面に形成された、ベース樹脂を含みアルカリ可溶性を有する下地層と、前記下地層上に形成された、インキを含むインキ層と、を有し、前記下地層において、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤と当該成分とが反応することによって形成された架橋構造を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ラベルからインキを除去し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係るラベルの構成を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の実施形態1に係るインキの除去方法及び基材の回収方法のフローの一例を示す模式図である。
図3】ラベルの変形について説明するための模式的な断面図である。
図4】本発明の実施形態2に係るラベルの構成を模式的に示す断面図である。
図5】本発明の実施形態3に係るラベルの構成を模式的に示す断面図である。
図6】実施例1に係るラベルの構成を模式的に示す断面図である。
図7】試験片のカットの仕方を示す模式的な斜視図である。
図8】実施例1~3、及び比較例1の折り曲がり部の開き度合の評価、及び脱離の度合の評価を行った結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の記載は発明の趣旨をよりよく理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、本出願における各図面に記載した構成の形状及び寸法(長さ、幅等)は、実際の形状及び寸法を必ずしも反映させたものではなく、図面の明瞭化及び簡略化のために適宜変更している。
【0013】
本実施形態では、インキの除去方法の一例として、回収された使用済みのPETボトルから分離されたラベルを対象に、当該ラベルからインキを除去する方法について説明する。なお、本発明の一実施形態におけるインキの除去方法の対象となるラベルの装着対象物はPETボトルに限定されず、その他の材質のボトルであってよく、各種の形状の容器(成形品)等であってもよい。
【0014】
また、本実施形態では熱収縮性を有するラベル(いわゆるシュリンクラベル)を対象としてインキを除去する方法について説明するが、本発明の一実施形態におけるインキの除去方法の対象となるラベルの種類は特に限定されず、巻き付けラベル、ストレッチラベル等に対して本発明を適用できる。ラベルは、消費者によって使用された後の物品から回収されたもの(ポストコンシューマ材料に相当)に限定されず、例えば、消費者にわたる前に製造工場等にて廃棄されたもの(プレコンシューマ材料に相当)であってもよい。
【0015】
(1.本発明の技術的思想)
始めに、本発明の一態様におけるインキの除去方法等についての理解を容易にするために、本発明の技術的思想について概略的に説明する。
【0016】
一般に、飲料容器等の用途にて使用されたPETボトルのリサイクルは、以下のような流れで進行する。先ず、PETボトルを回収して圧縮した後、圧縮されたPETボトルを集積する。そして、リサイクル工場にてPETボトルからラベルを分離する。ラベルが分離されたPETボトルはマテリアルリサイクル処理に供される。一方のラベルは、サーマルリサイクルに供されているのが現状である。上述のように、ラベルはインキ等の不純物を含むために、高品質な再生樹脂へと変換することが困難なためである。
【0017】
そこで本発明者らは、現状を打破すべく、ラベルの工業的なマテリアルリサイクルを目指して検討を重ねた。その結果、PETボトルから分離されたラベルについてリサイクルを行う場合、当該リサイクルは、以下のような流れで進行することが好ましいと考えた。先ず、回収したラベルを、サーマルリサイクルされるラベルと、マテリアルリサイクル可能なラベルとに分別する。マテリアルリサイクル可能なラベルを細断してラベル片とする。ラベル片に対してインキを除去する処理を行う。シュリンクラベルに対しては、細断の前に予備加熱処理が行われることがある。アルカリ可溶性を有する層を含むラベルに対しては、熱アルカリ溶液に浸漬する処理が行われることがある。
【0018】
以上のようなリサイクルの過程において、例えばラベル付きPETボトルが回収、圧縮、集積されることに伴って、当該PETボトルから分離されたラベルには折り曲がった折り曲がり部が生じることがある。そのようなラベルが細断されることにより、折り曲がり部を有するラベル片が生じることがある。ラベルの厚さは薄いため、折り曲がり部における折り目の曲率半径は非常に小さく、換言すれば、折り曲がり部において、対向する面同士の距離が比較的小さいとともに、対向する2つの面の間に位置する空間が狭い。そのため、折り曲がり部を有するラベル片は、折り曲がり部を有しないラベル片よりもインキを除去し難い。
【0019】
本明細書における「折り曲がり部」とは、ラベルが折り曲がることによって線状の折り目が付いた部分を意味する。後述する図3には、1つのラベル片に1つの折り曲がり部が存在する例を示しているが、1つのラベル片に複数の曲がり部が存在していてもよい。また、折り曲がり部を有するラベル片における折り目は、ラベル片の長軸方向に対して垂直である必要はなく、ラベル片の長軸方向に対して斜め方向に形成されていてもよい。例えば、1つのラベル片に1つの折り目が形成されている場合に、当該折り目で区切られるラベル片の2つの部分は、略全体が重なっていてもよいし、折り目の近傍のみが重なっていてもよい。また、折り目で区切られるラベル片の複数の部分の長軸方向の長さは、一致していてもよいし、異なっていてもよい。
【0020】
折り曲がり部を有するラベル片は、折り曲がり部を開くことができれば、折り曲がり部を有しないラベル片と同じようにインキを除去することができる。しかし、ラベルのリサイクルの工業的な実施を念頭におけば、折り曲がり部を開くために例えば作業員の人手を用いることは現実的でなく、機械的な処理によって折り曲がり部を開くことには多大な困難性がある。
【0021】
本発明者らは、ラベルのリサイクル効率の向上のために様々な検討を行った結果、以下のような新たな知見を得た。すなわち、ラベル基材上に形成された、アルカリ可溶性を有するとともに硬化剤と反応させた硬化層(例えば下地層又はインキ層)を有するラベルを、熱したアルカリ性溶液(以下、単に熱アルカリ溶液という)に浸漬させる。これにより、詳細な機構は未だ明らかでないが、硬化剤と反応させていない下地層を有するラベルに比べて、硬化剤と反応させた硬化層を含むラベルの方が、折り曲がり部におけるインキの除去効率が向上するという知見を得た。当該知見は、折り曲がり部を有しないラベルからインキを除去する場合には、硬化剤と反応させていない下地層を有するラベルの方がインキを除去し易いことからすると、全くの予想外のものであった。
【0022】
更には、本発明者らは、ラベルを熱アルカリ溶液に浸漬したときに、ラベルの折り曲がり部が自発的に変形するといった、特異的な挙動を示すことがあることも見出した。これは、例えば、硬化層に含まれる架橋構造により、硬化層への熱アルカリ溶液の浸透性が変化した、等によるものと推察される。
【0023】
(2.ラベルの構成)
以下、本実施形態におけるラベルの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるラベル11の構成を模式的に示す断面図である。
【0024】
図1に示すように、ラベル11は、ラベル基材(以下、単に基材という)101と、基材101に対して積層されたアルカリ可溶性の下地層102と、下地層102に対して積層されたインキ層103とを備えている。ラベル11は、シュリンクラベルであってもよく、熱収縮性を有しないラベルであってもよい。また、ラベル11は、自己伸縮性を有するストレッチラベルであってもよく、自己伸縮性を有しないラベルであってもよい。以下、ラベル11がシュリンクラベルである場合について説明する。
【0025】
ラベル11においては、図1における下側がラベル11の裏側に相当し、ラベル11は、例えば、PETボトル等の容器の表面に、ラベル11の裏側を向けた状態で当該容器の表面の一部を覆うように装着されて使用される。
【0026】
(基材)
基材101は、下地層102及びインキ層103を支持することが可能な樹脂を含む基体である。基材101に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂(PET、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等)、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アラミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、又はアクリル系樹脂等を用いることができる。基材101は、これらの樹脂の1種類を含んでいてもよく、2種類以上を含んでいてもよい。
【0027】
基材101に含まれる樹脂としては、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、PETを用いることが好ましい。PETは、ジカルボン酸成分及びジオール成分を含むポリエステル樹脂であり、例えば、ジカルボン酸成分の主成分としてテレフタル酸を含み、ジオール成分の主成分としてエチレングリコールを含んでいてよい。本明細書において、「主成分」とは50重量部を超える成分であることを意味する。例えば、ジカルボン酸成分の主成分としてテレフタル酸を含むことは、ジカルボン酸成分の合計を100重量部として、50重量部を超える量のテレフタル酸を含むことを意味する。
【0028】
また、PETは、ジカルボン酸成分として、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、又はナフタレンジカルボン酸等を含んでいてもよい。PETは、ジオール成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、又は1,4-シクロヘキサンジメタノール等を含んでいてもよい。
【0029】
基材101は、例えば、熱収縮性を有するフィルム(シュリンクフィルム)であってよく、基材101がシュリンクフィルムである場合には、ラベル11の加工性(容器への追従性)及び装飾性を向上させることができる。基材101は、また、例えば、自己伸縮性を有するストレッチフィルムであってもよい。
【0030】
基材101は、1層からなる単層フィルムであってもよく、2層以上からなる多層フィルムであってもよい。また、基材101の厚さは、例えば5μm以上100μm以下とすることができるが、特に限定されない。基材101の厚さは、10μm以上60μm以下であることがより好ましい。基材101の厚さは20μm以下であることがさらに好ましい。
【0031】
(下地層)
下地層102は、基材101とインキ層103との間に位置し、アルカリ可溶性を有するベース樹脂を含む層である。下地層102は、ベース樹脂としてカルボキシル基含有樹脂を含むことが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の一例として、例えばアクリル酸共重合体系樹脂が挙げられる。アクリル酸共重合樹脂とは、主たる繰り返し単位として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を含むとともに、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と共重合可能な共重合モノマーを含む樹脂である。
【0032】
下地層102は、アクリル酸共重合樹脂として、メタクリル酸-メチルメタクリル酸共重合体を含むことが好ましく、アクリル酸共重合樹脂におけるアクリル酸及び/又はメタクリル酸、ならびに共重合モノマーの合計割合が、60モル%以上であることが好ましい。下地層102のベース樹脂におけるアクリル酸共重合樹脂の含有量は、ベース樹脂の合計重量を100重量部として、70重量部以上95重量部以下であることが好ましい。
【0033】
下地層102は、カルボキシル基含有樹脂として、上述のアクリル酸共重合樹脂以外に、セルロース誘導体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル、酢酸nプロピル等の酢酸と低級アルコールのエステル、等を含んでもよい。下地層102のベース樹脂におけるセルロース誘導体の含有量は、ベース樹脂の合計重量を100重量部として1重量部以上20重量部以下であることが好ましい。下地層102のベース樹脂における塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量は、ベース樹脂の合計重量を100重量部として、5重量部以上20重量部以下であることが好ましい。
【0034】
下地層102は、上記ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤と当該成分とが反応することによって形成された架橋構造を含む。硬化剤としては、アジリジン系硬化剤又はイソシアネート系硬化剤が挙げられる。例えばベース樹脂がアクリル酸共重合体系樹脂を含み、硬化剤としてアジリジン系硬化剤を用いる場合、アクリル酸共重合体系樹脂のカルボキシル基と、硬化剤のアジリジン基との間で共有結合が生じ、ベース樹脂と硬化剤とが架橋される。例えばベース樹脂がアクリル酸共重合体系樹脂であり、硬化剤がイソシアネート系硬化剤である場合、求核反応により、ベース樹脂と硬化剤とが架橋される。
【0035】
上記アジリジン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3-(1-(2-メチル)アジリジニルプロピオネート)]、N,N′-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシド)、N,N′-ジフェニルメタン-4,4-ビス(1-アジリジンカルボキシド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリ-1-アジリジニルホスフィンオキシド、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサメチレンジエチレンウレア、N,N′-ジフェニルメタン-4,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。上記アジリジン系硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0036】
上記イソシアネート系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と混合して用いることもできる。上記イソシアネート系硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0037】
ここで、ラベル11の製造時において、下地層102は、例えば、以下のようにして形成される。すなわち、下地層形成用の組成物を基材101上に塗布して、乾燥固化させることにより、基材101上に下地層102が形成される。上記組成物に硬化剤を含ませることにより、形成された下地層102は架橋構造を含む。硬化剤は、化合物構造における母体となる基本構造部(典型的には炭化水素)と、架橋反応性を有する官能基と、を有する。ラベル11の下地層102について、架橋構造の存在割合を測定することは容易ではないが、例えば、以下の方法により架橋構造の存在割合を測定することが考えられる。下地層102中の上記基本構造部の含有量を測定する。当該含有量を、下地層102中の架橋構造の存在割合の指標とすることができる。また、ソックスレー注出等を用いて、下地層102のゲル化率を測定することによっても、架橋構造の存在割合を検討することができる。
【0038】
下地層102の全重量に対する硬化剤の含有量は、4重量%以上20重量%以下であることが好ましい。ラベル11は、硬化剤の含有量が4重量%以上20重量%以下である下地層102を有することにより、次のような効果を奏する。すなわち、後述するようにラベル11が折り曲がり部を有する場合、回収したラベル11がアルカリ溶液の浸漬時に変形し、インキ層103が基材101から脱離し易くなる。架橋により下地層102は強靭化し、耐薬品性が向上する。20重量%を超えて硬化剤を含む場合、インキ層103のインキと硬化剤との間で反応が生じ、品質的に安定した印刷ができない。
【0039】
下地層102の厚さは、例えば、0.1μm以上5μm以下とすることができ、0.3μm以上3μm以下とすることが好ましいが、特に限定されない。
【0040】
下地層102は、マテリアルリサイクルに供されるラベル11を識別するための識別剤をさらに含んでいてもよい。識別剤としては例えば蓄光剤、蛍光剤が挙げられる。下地層102が識別剤を含むことにより、前述したリサイクルの過程において、サーマルリサイクルに供されるラベルとマテリアルリサイクルに供されるラベル11とを分別し易くできる。
【0041】
(インキ層)
インキ層103は、下地層102の基材101とは反対側に位置し、インキを含む層である。インキ層103に含まれるインキは、例えば、顔料、樹脂、及び添加剤を含んでいてもよい。インキ層103は、デザイン印刷層であることが好ましい。デザイン印刷層は、顔料を含み、視認可能な絵柄又は文字等を表示する層である。油性のインキとしては、例えば、顔料、染料等の着色剤、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂及び有機溶剤に、添加剤を配合したものが挙げられる。水性のインキとしては、着色剤に、水溶性又は水分散性のバインダー樹脂、添加剤等を配合したものが挙げられる。添加剤としては、滑剤、ブロッキング防止剤、沈降防止剤等が挙げられる。インキ層103は、下地層102の表面の全面に設けられていてもよく、下地層102の表面の一部に設けられていてもよい。また、インキ層103は、単層であってもよく、多層であってもよい。インキ層103の厚さは、例えば0.1μm以上30μm以下程度とすることができるが、特に限定されない。
【0042】
(3.ラベルの製造方法)
実施形態のラベル11は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、基材101を準備する。基材101は、例えば、インフレーション法、押出法又はカレンダー法等の方法によってフィルムを成形することにより、必要に応じて、当該フィルムに対してさらに延伸処理を施すことにより準備することができる。
【0043】
次に、基材101の一方の表面に下地層102を形成する。下地層102は、例えば、下地層の形成用の組成物を基材101の一方の表面に塗布した後に乾燥固化することにより形成することができる。上述したように、乾燥固化時に、ベース樹脂と架橋剤との間で架橋反応が生じる。
【0044】
次に、下地層102の表面にインキ層103を形成する。インキ層103は、例えば、インキ層103を形成するための上述のインキを下地層102の表面に塗布した後に乾燥固化することにより形成することができる。インキ層103は、転写等によって形成してもよい。転写としては、印刷、印字、熱転写等が挙げられる。印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等、公知の方法が挙げられる。複数の印刷方法を組み合わせてもよい。
【0045】
(4.インキの除去方法及び基材の回収方法)
図2は、実施形態1に係るインキの除去方法及び基材の回収方法のフローの一例を示す模式図である。図2に示すように、インキの除去方法及び基材の回収方法は、PETボトルの回収工程S1、圧縮工程S2、集積工程S3、ラベル群の回収工程S4、分別工程S5、予備加熱工程S6、細断工程S7、浸漬工程S8、洗浄工程S9、及び分別回収工程S10を含む。S1~S9の工程が、インキの除去方法における各工程に相当する。以下、図2を参照して、インキの除去方法及び基材の回収方法の各工程について説明する。
【0046】
(ボトル回収工程)
図2のS1に示すように、使用済みのPETボトル(物品)10が回収ボックス12に回収される。PETボトル10の胴部には、アルカリ可溶性の下地層102、及びインキ層103を有するラベル11、又は、上述した本実施形態の構成とは異なるラベル40が装着されている。ラベル40は、後工程においてサーマルリサイクルに供される。
【0047】
(圧縮工程・集積工程)
図2のS2に示すように、回収されたPETボトル10を圧縮して、ラベル付きベール20とする。ラベル付きベール20において、ラベル11およびラベル40には、折り曲がり部が生じ得る。次いで、図2のS3に示すように、ラベル付きベール20を集積し、リサイクル工場30へ送る。
【0048】
(ラベル群の回収工程)
図2のS4に示すように、例えばリサイクル工場30において、ラベル付きベール20のPETボトル10から、ラベル11又はラベル40を取り外す。これにより、PETボトル10と、ラベル11及びラベル40を含むラベル群50とが互いに分離される。下地層102が蓄光剤を含む場合、ラベル11を比較的容易に選別できる。PETボトル10は、例えば、既存のリサイクル工程で再利用される。
【0049】
(分別工程)
次に、図2のS5に示すように、ラベル群50からラベル11を分別するとともに、ラベル群50からラベル40を分別する。分別の方法としては、例えばラベル11に、再利用可能であることを示す文字又はマークを付しておき、それらを読み取る方法が挙げられる。ラベル40は、例えばサーマルリサイクルに用いられる。
【0050】
(予備加熱工程)
次に、図2のS6に示すように、熱収縮性を有するラベル11に対して予備加熱を行う。この予備加熱は、後の浸漬工程S8において、ラベル片71が加熱によりカールする可能性を低減するために行われる。ラベル11を予備加熱する方法としては、例えば、熱風トンネル61にラベル11を通過させる方法、又は、温水槽62中の温水60にラベル11を浸漬させる方法が挙げられる。
【0051】
予備加熱工程S6における加熱温度は70℃以上95℃以下であってよく、80℃以上90℃以下がより好ましく、加熱時間は5秒以上30秒以下であってよく、10秒以上20秒以下が好ましい。予備加熱工程S6によって、基材101とインキ層103との密着性を低下させることができる。これにより、後述の浸漬工程S8にてインキ層103が基材101から脱離し易くなる。
【0052】
但し、予備加熱工程S6は必須ではなく、省略することも可能である。本実施形態におけるインキの除去方法は、熱収縮性を有するラベル11に対して好適に適用することができ、この場合、予備加熱工程S6を含むことが好ましい。また、この場合、予備加熱工程の加熱温度は、後述する浸漬工程における熱アルカリ溶液80の温度よりも5℃以上高いことが好ましい。浸漬工程における熱収縮性を有するラベル11のカーリング(巻き込み)を抑制できるためである。
【0053】
(細断工程)
図2のS7に示すように、ラベル11を破砕機70により破砕してラベル片71を作製する。ラベル11を破砕する方法は、特に限定されない。
【0054】
ここで、従来、折り曲がり部を有しないラベル片71の数を多くするために、破砕機70によってラベル11を或る程度小さく細断していた。これは、折り曲がり部を有するラベル片71は、折り曲がり部を有しないラベル片71よりもインキが除去し難いためである。
【0055】
これに対して、本実施形態のインキの除去方法では、折り曲がり部を有するラベル片71であってもインキを除去し易くできることから、ラベル片71のサイズを従来よりも大きくすることができる。
【0056】
例えば、ラベル11は、後述する浸漬工程S8にてラベル片71からインキ層103を効率的に除去することができる程度の大きさ(例えば数cm角)に細断されてよく、ラベル片71は、その表面が平面状または略平面状になるように折り曲がり部を広げた場合に、最も長い辺が20mm以上50mm以下であってよい。ここで、略平面状とは、ラベル片71の折り曲がり部を開いて、ラベル片71をなるべく広い面積となるように例えば平板上に押し広げた場合に、ラベル片71の表面に視認できる程度の折り目または皺等が存在してもよいことを意味する。また、最も長い辺とは、ラベル片を多角形とみなした場合の、外縁を形成する辺のうち、最も長い辺を意味する。第1サイズのラベル片は、厳密な多角形であるとは限らないため、ラベル片71の外縁に含まれる直線状の部分を辺とみなせばよい。また、ラベル片71に外接する円を考えた場合、この外接円の直径が20√2mm以上50√2mm以下であることが好ましい。
【0057】
なお、細断工程S7は必須ではなく、省略することも可能である。この場合、ラベル11の状態で浸漬工程S8が実施される。
【0058】
(浸漬工程)
図2のS8に示すように、ラベル片71を熱アルカリ処理に浸漬させる浸漬処理を行う。具体的には、熱アルカリ槽82には熱アルカリ溶液80が収容されている。熱アルカリ溶液80は、例えば所定の温度に維持されたアルカリ水溶液である。熱アルカリ溶液80の温度は65℃以上であることが好ましい。熱アルカリ溶液80の温度は好ましくは100℃以下であり、より好ましくは85℃以上95℃以下であり、さらに好ましくは80℃以上90℃以下である。浸漬工程S8では、ラベル片71を熱アルカリ溶液80に浸漬すればよく、具体的な方法は特に限定されない。例えば、熱アルカリ槽82中の熱アルカリ溶液80を緩く攪拌してもよい。
【0059】
浸漬工程S8では、一度に処理するラベル片71の重量を多くしてもよく、即ち、一度にアルカリ溶液に浸漬できるラベル片71の数を増加させてもよい。これにより浸漬工程S8を効率化できる。ラベル片71のサイズ(最も長い辺)が20mm未満である場合、(1)浸漬工程S8において、インキ層103が脱離し難くなる。(2)折り曲がり部が多くなり過ぎて(辺の数が相対的に増えるので)、熱アルカリ溶液80と接触せず、インキ層103が脱離しない確率が大きくなる。ラベル片71のサイズが50mmを超える場合、浸漬工程S8において、一度に熱アルカリ溶液80に浸漬できるラベル片71の数が減り、効率が悪くなる。ラベル片71のサイズを20mm以上50mm以下になるようにし、比較的大きくすることで、インキ層103が脱離し易くなり、ラベル片71からインキ層103と基材101とを効率良く分離でき、基材101の回収効率が向上する。
【0060】
熱アルカリ溶液80の組成としては、ラベル片71を浸漬させることにより、ラベル片71からインキ層103を除去することが可能であればよく、特に限定されない。熱アルカリ溶液80としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、炭酸ナトリウム(NaCO)等のアルカリ金属炭酸塩の水溶液、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)等のアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液、又はアンモニア水等を用いることができる。
【0061】
熱アルカリ溶液80中のアルカリ性物質の濃度は、インキ層103の脱離能、操作性、又は作業性等を損なわない範囲で適宜選択できる。熱アルカリ溶液80中のアルカリ性物質の濃度は、例えば0.1~10重量%程度、好ましくは0.5~5重量%、さらに好ましくは1~3重量%程度である。熱アルカリ溶液80の組成に応じて、熱アルカリ溶液80の濃度および温度を決定してもよい。
【0062】
熱アルカリ溶液80には、さらに基材101からのインキ層103の脱離性の向上を目的として、界面活性剤を加えてもよい。また、熱アルカリ溶液80はアルカリ水溶液に限定されず、溶媒として水以外の溶媒を含んでもよい。例えば、熱アルカリ溶液80は、溶媒として、水に加えて、グリコール系溶剤又は高沸点溶剤(例えば、高分子アルコール系溶剤)を含んでいてもよい。
【0063】
ラベル片71の熱アルカリ溶液80に対する浸漬時間は濃度及び熱アルカリ溶液80の温度にもよるが、30秒~20分であることが好ましい。
【0064】
(ラベルの変形について)
本実施形態におけるインキの除去方法では、浸漬工程S8においてラベル片71に自発的に変形が生じることがある。このことについて、図3を用いて説明する。図3は、ラベル片71の変形について説明するための模式的な断面図である。図3の符号3003、3004で示す図は、符号3002よりも拡大して示している。
【0065】
図3の符号3001を付した図に示すように、折り曲がり部110を有するラベル11を例示して説明する。このラベル11は、断面視において2つの折り曲がり部110を有している。ここでは、図示の便宜上、各部材の厚さを比較的大きく描いている。折り曲がり部110において、インキ層103の対向する2つの内側表面103A・103B同士の距離は比較的離れている。しかし、実際上、様々な折り曲がり部110が考えられ、内側表面103A・103Bは互いに非常に近接している場合があり得るとともに、少なくとも一部が密着している場合もあり得る。
【0066】
図3の符号3002を付した図に示すように、上述の細断工程S7によってラベル11が例えば2つに細断されてラベル片71が形成されるとする。そして、浸漬工程S8において、図3の符号3003を付した図に示すように、熱アルカリ溶液80にラベル片71を浸漬すると、ラベル片71は、インキ層103が外側になるように曲がり方が反転する(反り返るように変形する)ことがある(図3に示す(1)の変形)。また、図3の符号3004を付した図に示すように、熱アルカリ溶液80にラベル片71を浸漬すると、ラベル片71は、インキ層103を内側とした状態で開く(内側表面103Aと内側表面103Bとの互いの距離が大きくなるように変形する)ことがある(図3に示す(2)の変形)。
【0067】
上記のようなラベル片71の形状の変形は、興味深いことに、ラベル片71を熱アルカリ溶液80に浸漬してから10秒程度の時間で進行することが多い。そして、ラベル片71は、図3の符号3003を付した図の状態となった後、時間経過により、図3の符号3004を付した図の状態に変形することもある(図3に示す(3)の変形)。
【0068】
このように、本実施形態のインキの除去方法によれば、熱アルカリ溶液80中にてラベル片71に変形が生じることがあり、この場合、ラベル片71のインキ層103と熱アルカリ溶液80との反応が促進される。そのため、基材101からインキ層103を脱離させ易くできる。
【0069】
(洗浄工程)
図2のS9に示すように、ラベル片71を例えば、メッシュ状のコンベア84の上に載置し、ラベル片71を搬送しつつ、コンベア84の上方に配置されているシャワー85からラベル片71に流水86を当てる。これによりラベル片71を、基材101が細かくなった基材片91と、インキ層103の一部である脱離片93と、に容易に分離させることができる。洗浄工程S9において、ラベル片71に対し流水を当てるとともに、指、ブラシ等により擦る物理的処理を施してもよく、その他の補助的な手段(バブリング、撹拌、超音波、等)を用いてもよい。
【0070】
(分別回収工程)
図2のS10に示すように、洗浄工程S9にて分離された基材片91と脱離片93とを分別回収する。例えば開口を有する第1篩90を用いて、ラベル片71からインキ層103が脱離した後の基材片91を捕集する。
【0071】
また、例えば第1篩90より小さな開口を有する第2篩92を用いて、基材片91よりも小さいインキ層103の脱離片93を捕集する。第2篩92で捕集された脱離片93は、マテリアルリサイクルに用いられてよく、サーマルリサイクルに用いられてもよい。
【0072】
本実施形態のインキの除去方法では、例えば比較的大きいサイズのラベル片71を洗浄することにより、インキ層103が脱離して生じる脱離片93のサイズを比較的大きくすることもできる。そのため、分別回収工程S10にて脱離片93を効率的に回収することもできる。
【0073】
インキ層103が水性のインキを含み、水性のインキが熱アルカリ溶液80に溶ける場合には、分別回収工程S10において、水性のインキが、篩分けに代えて、溶剤揮発、抽出等により凝集され、遠心分離、ろ過等により分離され、回収されてもよい。
【0074】
以上のように、実施形態1のインキの除去方法によれば、ラベル11の下地層102が硬化剤を含んでなるので、浸漬工程S8においてラベル11が変形し、インキ層103が基材101から脱離し易くなる。従って、基材片91のインキの残存量を効果的に低減できる。
【0075】
(ラベルのリサイクル方法)
実施形態1に係るラベルのリサイクル方法は、上述の分別回収工程S10により得られた基材片91を、樹脂フラフ又は樹脂ペレットにする工程を含む。樹脂フラフ又は樹脂ペレットにする工程は、例えば、細断処理、粉砕処理、及び乾燥処理の少なくとも1種の処理を含むことが好ましい。
【0076】
実施形態1のラベルのリサイクル方法によれば、インキの残存量が少ない基材片91を用いて、品質が良好な樹脂フラフ又は樹脂ペレットを得ることができる。
【0077】
(プラスチック製品の製造方法)
実施形態1に係るプラスチック製品の製造方法では、上述のラベルのリサイクル方法によって得られた樹脂フラフ又は樹脂ペレットを用いてプラスチック製品を製造する。なお、新しいラベル基材の原料に基材片91を混ぜ込むことによって、再生ラベルとして製造することもできる。この場合、混合時の総仕込み量に対する基材片91の混合割合は、例えば1重量%以上25重量%以下であってよい。
【0078】
実施形態1のプラスチック製品の製造方法によれば、インキが残存していない基材片91を用いて得られた樹脂フラフ又は樹脂ペレットを使用して、品質が良好なプラスチック製品を製造することができる。
【0079】
(その他の構成)
ラベル11は、基材101の裏側にインキ層103が形成された構成(いわゆる裏印刷)に限定されず、基材101の表側にインキ層103が形成された構成(いわゆる表印刷)であってもよい。また、ラベル11は、基材101の両側にインキ層103が形成されたものであってもよい。
【0080】
(変形例)
一変形例では、熱収縮性を有しないラベルに対して本発明の一態様におけるインキの除去方法が適用されてよい。この場合、例えば、熱収縮性を有しない基材上に下地層102及びインキ層103がこの順に形成されていてよい。ラベル付きPETボトルから回収された熱収縮性を有しないラベルに対して、前述の各工程を行うことによりインキを除去することができ、この場合、予備加熱工程S6は省略されてよい。
【0081】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態にて説明すること以外のことについては、格別の記載が無い限り、前記実施形態1にて説明したことと同様であり、説明を省略する。
【0082】
図4は、実施形態2におけるラベル13の構成を模式的に示す断面図である。図4に示すように、ラベル13は、基材101と、基材101の一面に形成されたアルカリ可溶性のインキ層104とを備える。
【0083】
インキ層104は、例えばスチレン-アクリル酸共重合体及び/又はスチレン-マレイン酸共重合体、カルボキシル基含有アクリル樹脂等の熱アルカリ溶液80に可溶なビヒクル樹脂と、硬化剤とを含み、ラベル11と同様にして形成される。実施形態2におけるラベル13は、上述の浸漬工程S8において、インキ層104が熱アルカリ溶液80と接触し易くなるように変形し、インキ層104が基材101から脱離して熱アルカリ溶液80に溶解する。
【0084】
洗浄工程S9にて洗浄後、インキ層104が脱離した基材片91は分別回収工程S10において回収される。熱アルカリ溶液80に溶解したインキは、分別回収工程S10において、篩分けに代えて、溶剤揮発、抽出等により凝集され、遠心分離、ろ過等により分離され、回収されてよい。
【0085】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図5は、実施形態3におけるラベル13の構成を模式的に示す断面図である。
【0086】
図5に示すように、ラベル14は、基材101と、基材101に対して積層されたアルカリ可溶性の下地層105と、下地層105に対して積層されたインキ層106とを備えている。
【0087】
実施形態3におけるラベル14では、ラベル11と異なり、下地層105は硬化剤を含まず、インキ層106が硬化剤を含んでいてよい。ラベル14においては、インキ層106を形成するためのインキおよび硬化剤を含む組成物を下地層105の表面に塗布した後に乾燥固化する。乾燥固化時に、インキ層106の硬化剤が下地層105に浸透し、下地層105のベース樹脂との間で架橋反応が生じる。
【0088】
実施形態3におけるラベル14は、上述の浸漬工程S8において、インキ層106が熱アルカリ溶液80と接触し易くなるように変形し、インキ層106が基材101から脱離して熱アルカリ溶液80に溶解し、ラベル11と同様にして基材片91が回収される。
【0089】
〔附記事項〕
以上のように、本発明の一実施形態におけるインキの除去方法によれば、ラベル11、13、14からインキを効率的に除去して基材101を回収し、基材101を再利用することができる。そして、インキの残存量が少ない基材101を用いて得られた樹脂フラフ又は樹脂ペレットを使用して、品質が良好なプラスチック製品を製造することができる。そのため、マテリアルリサイクルを促進することができる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することができる。
【0090】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0091】
以下、実施例及び比較例によって本発明の一実施形態をより詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0092】
[実施例1]
実施例1のラベルは、以下のようにして作製した。図6は、実施例1に係るラベル15の構成を模式的に示す断面図である。基材101として、厚さ20μmのPETフィルムを準備した。グラビア校正機を用いて、基材101の一方の表面に下地層の形成用の組成物(以下、下地層用組成物と称する)を塗布し、乾燥固化させることによって、下地層102を形成した。下地層用組成物は、ベース樹脂としての31重量部のアクリル酸共重合体系樹脂、13重量部のセルロース誘導体、1重量部の塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む組成物、および4重量部の硬化剤H1(アジリジン系硬化剤)を、51重量部の溶剤に溶解させてなる。下地層用組成物の全重量に対する硬化剤H1の含有量は4重量%である。下地層102の重量を100重量%とした場合、硬化剤H1の含有量は20重量%である。
【0093】
次に、グラビア校正機を用いて、下地層102上に紅インキ(「コーラス14紅KT2」、DICグラフィックス株式会社製)を含むインキ組成物を塗布し、固化させることによってカラー層103aを形成した。グラビア校正機を用いて、カラー層103aの表面に白インキ(「NTハイラミック(NF)701白」、大日精化工業株式会社製)を含むインキ組成物を塗布し、固化させることによって白インキ層103bを形成した。カラー層103aと白インキ層103bとからインキ層103が構成される。
【0094】
グラビア校正機を用いて、白インキ層103bの表面にメジウム(「STR耐熱CSメジウム(改)K、大日精化工業株式会社製」)を塗布し、固化させることによってオーバーコート層107を形成した。これらの工程により、実施例1のラベルを作製した。
【0095】
[実施例2]
下地層用組成物の硬化剤H1を硬化剤H2(キシリレンジイソシアネート系硬化剤)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のラベルを作製した。硬化剤H2の下地層用組成物の全重量に対する含有量は4重量%である。
【0096】
[実施例3]
下地層用組成物の硬化剤H1を硬化剤H3(ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のラベルを作製した。硬化剤H3の下地層用組成物の全重量に対する含有量は4重量%である。
【0097】
[比較例1]
下地層用組成物に硬化剤を含まないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のラベルを作製した。
【0098】
[評価方法]
以下、評価方法について説明する。
【0099】
(1)以上のようにして作製したラベル(実施例1~3、及び比較例1)(縦×横:110mm×300mm)について、横方向において2つに折り曲げる。横方向がラベルの収縮する方向に相当する。
【0100】
(2)折り曲げたときの折り目およびその近傍部分(折り曲がり部)について加圧ローラーを3往復させる(圧力:2.0kgf)。
【0101】
(3)90℃に温めたウォーターバスにラベルを20秒間漬け込み、収縮させる。
【0102】
(4)収縮後のラベルの折り曲がり部について加圧ローラーを3往復させる(圧力:2.0kgf)。
【0103】
(5)図7に示すように折り曲がり部を2cm×2cmの試験片にカットする(折を開けると、2cm×4cm)。
【0104】
(6)1.5重量%のNaOH液を500mlビーカーに200ml投入し、80℃まで加熱する。
【0105】
(7)カットした試験片を加熱したNaOH液中に入れる。投入5秒後の試験片の状態を[浸漬直後]として撮影する。
【0106】
(8)10分間NaOH液に浸漬させる。
【0107】
(9)浸漬後の試験片に対して、水道水を用いて流水洗浄する。このとき、試験片を手で擦ったり、折り曲がり部を開いて洗浄したりすることはしない。洗浄後の試験片の状態を[流水洗浄後]として撮影する。
【0108】
上述のようにして撮像した写真を図8の表に示す。また、折り曲がり部の開き度合の評価、及び脱離の度合の評価を行った結果も合わせて図8の表に示す。折り曲がり部の開き度合の評価、及び脱離の度合の評価の基準は以下の通りである。
【0109】
<折り曲がり部の開き度合の評価>
A:浸漬直後~浸漬後まで折り曲がり部が完全に開いている。
B:浸漬直後は折り曲がり部が完全開いているが、浸漬後に閉じている。
C:浸漬直後~浸漬後の間、折り曲がり部が少し開いている。
D:浸漬直後~浸漬後の間、折り曲がり部が閉じている。
【0110】
<脱離の度合の評価>
A:印刷面積の80%以上が脱離
B:印刷面積の70~80%が脱離
C:印刷面積の30~70%が脱離
D:脱離が印刷面積の30%未満。
【0111】
図8の表より、下地層用組成物に硬化剤を含まない比較例1の場合、折り曲がり部が閉じた状態が持続し、インキ層103の脱離の度合が低いことが分かる。下地層用組成物に硬化剤を含む実施例1~3の場合、折り曲がり部が開き(インキ層103が良好にアルカリ溶液と接触できるようにラベル15が変形し)、良好にインキ層103が基材101から脱離することが分かる。実施例1と実施例2及び3とを比較することにより、アジリジン系の硬化剤を用いる方がイソシアネート系の硬化剤を用いるより良好に折り曲がり部が開き、インキ層103の基材101からの脱離量が多いことが分かる。
【0112】
以上より、本発明に係るラベル11においては、浸漬工程S8において、インキ層103が良好にアルカリ溶液と接触できるようにラベル11が変形するので、インキ層103がアルカリ溶液に良好に接触し、インキ層103が基材101から多量に脱離することが確認された。
【0113】
<まとめ>
本発明の一態様に係るインキの除去方法は、(i)ラベル基材と、(ii)ベース樹脂を含み、アルカリ可溶性を有する下地層と、(iii)インキを含むインキ層と、をこの順に有するラベルからのインキの除去方法であって、前記下地層は、前記ベース樹脂の少なくとも一部が、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤により処理されており、前記ラベルは、折り曲がった折り曲がり部を有し、前記ラベルをアルカリ性溶液に浸漬する浸漬工程と、前記浸漬工程にてアルカリ処理された前記ラベルを洗浄することにより前記インキ層を脱離除去する洗浄工程と、を含む。
【0114】
上記構成によれば、下地層が硬化剤を含んでなるので、浸漬工程においてラベルが変形し、インキ層がラベル基材から脱離し易くなる。従って、ラベル基材のインキの残存量が低減し、高品質の状態でラベル基材をリサイクルすることができる。
【0115】
上述のインキの除去方法において、前記ベース樹脂は、カルボキシル基含有樹脂を含み、前記硬化剤は、アジリジン系硬化剤又はイソシアネート系硬化剤を含むことが好ましい。
【0116】
上記構成によれば、ベース樹脂と硬化剤との間で良好に架橋反応が生じ、浸漬工程においてラベルが変形し易くなる。
【0117】
上述のインキの除去方法において、前記ラベル基材の厚さが、20μm以下であることが好ましい。
【0118】
上記構成によれば、ラベル基材の厚さが20μm以下であり、折り曲がり部が生じても、浸漬工程において、ラベルが変形し易く、インキ層がラベル基材から脱離し易い。
【0119】
上述のインキの除去方法において、前記浸漬工程において、前記ラベルは、前記インキ層が内側となるように湾曲した状態から前記インキ層が外側となるように湾曲した状態へと変化してもよい。
【0120】
上記構成によれば、インキ層がラベル基材からより脱離し易い。
【0121】
上述のインキの除去方法において、前記浸漬工程の前に、前記ラベルをラベル片に細断する細断工程を含み、前記浸漬工程及び前記洗浄工程において処理される前記ラベルは、前記細断工程によって生じた前記ラベル片であってもよい。
【0122】
上記構成によれば、ラベル基材を細断してラベル片にするので、アルカリ性溶液に浸漬し易くなる。ラベル片の大きさが大きいと、折り曲がり部が生じ易いが、浸漬工程においてラベル片が変形するので、インキ層がラベル基材から脱離し易い。
【0123】
本発明の一態様に係るラベルのリサイクル方法は、上述の何れかのインキ除去方法を用いて、前記ラベルからインキ層を除去する除去工程と、前記除去工程によって回収されたラベル基材を用いて、樹脂フラフ又は樹脂ペレットを製造する工程と、を含む。
【0124】
上記構成によれば、インキ層が十分に脱離したラベル基材を用いるので、高品質の樹脂フラフ又は樹脂ペレットを製造することができる。
【0125】
本発明の一態様に係るプラスチック製品の製造方法は、上述のラベルのリサイクル方法によって製造された樹脂フラフ又は樹脂ペレットを用いてプラスチック製品を製造する。
【0126】
上記構成によれば、高品質の樹脂フラフ又は樹脂ペレットを用いるので、高品質のプラスチック製品を製造することができる。
【0127】
本発明の一態様に係るラベルは、熱収縮性を有するラベル基材と、前記ラベル基材における一方の面に形成された、ベース樹脂を含みアルカリ可溶性を有する下地層と、前記下地層上に形成された、インキを含むインキ層と、を有し、前記下地層において、当該ベース樹脂に含有される成分に対する反応性を有する硬化剤と当該成分とが反応することによって形成された架橋構造を含む。
【0128】
上記構成によれば、ラベルを回収してアルカリ性溶液に浸漬するときに、ラベルが変形して、インキ層がラベル基材から脱離し易い。
【符号の説明】
【0129】
10 PETボトル
11、13、14 ラベル
101 基材
102、105 下地層
103、106 インキ層
40 ラベル
50 ラベル群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8