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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097148
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】ラベル付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20230630BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B65D25/20 Q
G09F3/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213329
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】貴志 優奈
(72)【発明者】
【氏名】久保 亮太
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA20
3E062AC02
3E062DA02
3E062DA07
(57)【要約】
【課題】ラベルを大型化しても、ラベルに皺が発生し難く、かつラベルが起立し易いラベル付き容器を提供する。
【解決手段】ラベル付き容器(1)は、容器(20)と、ラベル本体(11)と、ラベル本体(11)に形成され、ラベル本体(11)を容器(20)に接着する接着層(12)と、を含むラベル(10)と、を備え、接着層(12)は、容器(20)の両側領域の各々にラベル本体(11)を接着する両側接着層(121)と、容器(20)の肩部側領域にラベル本体(11)を接着する肩部側接着層(122)と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を注出する口部と、
前記口部から径方向外側へ張り出す肩部と、
一端が前記肩部に繋がり、他端が一方向にシールされたシール端部を有する胴部と、
前記口部に着脱可能に取り付けられる蓋部とを含み、前記蓋部を下側にして自立する容器と、
表面に商品関連情報を表示するラベル本体と、
前記ラベル本体の裏面に形成され、前記ラベル本体を前記胴部に接着する接着層と、を含むラベルと、
を備え、
前記接着層は、
前記一方向における前記胴部の両側領域に前記ラベル本体を接着する両側接着層と、
前記肩部に沿った前記胴部の肩部側領域に前記ラベル本体を接着する肩部側接着層と、
を有するラベル付き容器。
【請求項2】
前記肩部側接着層は、前記胴部の周方向に延在して形成され、
前記両側接着層と前記肩部側接着層とは、互いに接続されている、請求項1に記載のラベル付き容器。
【請求項3】
前記肩部側接着層は、前記胴部の周方向に延在して形成され、
前記肩部側接着層と前記両側接着層とは、互いに分離されている、請求項1に記載のラベル付き容器。
【請求項4】
前記一方向における前記両側接着層の各々の間隔は、前記肩部側接着層に近づくにつれて小さくなっている、請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル付き容器。
【請求項5】
前記ラベルは、前記ラベル本体から前記蓋部まで延在し、前記蓋部に接着される延在部をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のラベル付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POPラベルが貼付されたラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チューブ容器等に入った商品は、箱またはブリスター容器等の包装容器に商品を入れ、販売促進のための商品関連情報を包装容器に大きく表示して販売されていた。また昨今では、環境保護の観点から脱箱および脱プラスチックが推し進められており、包装容器を廃止し、商品関連情報を表示するPOP(Point Of Purchase)ラベルを商品に接着する販売手法が知られている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-147902号公報
【特許文献2】特開2017-167246号公報
【特許文献3】実用新案登録第3177283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のラベルは、店頭で目立つことが求められるため、商品関連情報を表示する表示部を大きくし目立つようにすることが求められる。このため、表示部を大きくするためにラベルを大型化することが考えられる。
【0005】
しかしながら、外力によって変形し易いチューブ容器等に大型化したラベルを貼付した場合、輸送の際にラベルに皺が発生し易くなる。また、大型化に伴いラベルが折れ曲がり易くなり、ラベルの起立性が低下する。
【0006】
本発明の一態様は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラベルを大型化しても、ラベルに皺が発生し難く、かつラベルが起立し易いラベル付き容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るラベル付き容器は、内容物を注出する口部と、前記口部から径方向外側へ張り出す肩部と、一端が前記肩部に繋がり、他端が一方向にシールされたシール端部を有する胴部と、前記口部に着脱可能に取り付けられる蓋部とを含み、前記蓋部を下側にして自立する容器と、表面に商品関連情報を表示するラベル本体と、前記ラベル本体の裏面に形成され、前記ラベル本体を前記胴部に接着する接着層と、を含むラベルと、を備え、前記接着層は、前記一方向における前記胴部の両側領域に前記ラベル本体を接着する両側接着層と、前記肩部に沿った前記胴部の肩部側領域に前記ラベル本体を接着する肩部側接着層と、を有する。
【0008】
前記構成では、両側接着層および肩部側接着層によって、胴部において比較的変形し難い(撓み難い)領域である両側領域および肩部側領域に、ラベル本体が接着される。換言すれば、両側接着層および肩部側接着層によって、胴部において比較的変形し易い中央領域を避けて、ラベル本体が接着される。これにより、容器に外力が加わったとしても、ラベル本体に皺が発生し難くなる。
【0009】
また、胴部の両側領域にラベル本体が両側接着層によって接着されるので、ラベル本体が自重によって折れ曲がる可能性を低減でき、ラベル本体の起立性が保ち易くなる。その結果、ラベルを大型化しても、ラベルに皺が発生し難く、かつラベルが起立し易いラベル付き容器を実現することができる。
【0010】
前記ラベル付き容器では、前記肩部側接着層は、前記胴部の周方向に延在して形成され、前記両側接着層と前記肩部側接着層とは、互いに接続されていてもよい。
【0011】
前記構成によれば、両側接着層と肩部側接着層とが互いに接続されているため、両側接着層と肩部側接着層とが分離された構成に比べて、ラベルと容器とを強固に接着することができる。
【0012】
前記ラベル付き容器では、前記肩部側接着層は、前記胴部の周方向に延在して形成され、前記肩部側接着層と前記両側接着層とは、互いに分離されていてもよい。
【0013】
前記構成によれば、接着層の面積を減らすことができるので、容器からラベルを分離しやすくなる。また、接着層の使用量を減らすことができるので、製造コストを削減することができる。
【0014】
前記ラベル付き容器では、前記一方向における前記両側接着層の各々の間隔は、前記肩部側接着層に近づくにつれて小さくなっていてもよい。
【0015】
前記構成によれば、接着層の形状を容器の胴部の外形形状に沿ったものとすることができる。
【0016】
前記ラベル付き容器では、前記ラベルは、前記ラベル本体から前記蓋部まで延在し、前記蓋部に接着される延在部をさらに含んでいてもよい。
【0017】
前記構成によれば、ラベルが封緘の機能を兼ねることができるので、別途、封緘機能を有する封緘部材を設ける工程を省略することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、ラベルを大型化しても、ラベルに皺が発生し難く、かつラベルが起立し易いラベル付き容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態1に係るラベル付き容器の正面図および側面図である。
図2】前記ラベル付き容器の正面図および側面図である。
図3】前記ラベル付き容器のラベルの表面および裏面を示す模式図である。
図4】前記ラベルの接着層の変形例を示す図である。
図5】本発明の実施形態2に係るラベル付き容器の正面図である。
図6】前記ラベル付き容器の変形例を示す図である。
図7】前記ラベル付き容器の他の変形例を示す図である。
図8】本発明の実施形態3に係るラベル付き容器を示す図面である。
図9】前記ラベル付き容器の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。ただし、以下の説明は本発明に係るラベル付き容器の一例であり、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではない。なお、図面には、x軸、y軸およびz軸の互いに直交する座標系を適宜に記載した。この座標系において、容器20の幅方向(一方向)をx軸方向とし、x軸方向と直交する容器20の高さをy軸方向とし、x軸方向およびy軸方向と直交する容器20の厚さ方向をz軸方向とする。また、y軸方向プラス側を上方向、マイナス側を下方向とする。
【0021】
(ラベル付き容器の概要)
図1の1001は、本発明の実施形態に係るラベル付き容器1の正面図であり、図1の1002は、ラベル付き容器1の側面図である。図1はラベル付き容器1の蓋部21を取り付けた状態を示している。
【0022】
図1に示すように、ラベル付き容器1は、ラベル10と容器20とを備え、ラベル10が容器20に接着された構成である。ラベル10は、商品関連情報を表示するPOPラベルであり、販促効果を高めるために従来のPOPラベルに比べて大型化されている。
【0023】
ラベル付き容器1では、容器20のうち比較的変形し難い(撓み難い)部分にラベル10を選択的に接着することにより、ラベル10を大型化した場合であっても、ラベル10に皺が発生し難く、かつラベル10が起立し易いように創意工夫したものである。
【0024】
(容器の基本構成)
図2の2001は、容器20の正面図であり、図2の2002は、容器20の側面図である。図1および図2に基づき容器20について説明する。
【0025】
容器20はチューブ状の容器であり、内部に内容物が充填されている。容器20は、図2に示すように、蓋部21と、口部22と、肩部23と、胴部24と、を備えている。容器20は、蓋部21を下側にして自立するようになっている。
【0026】
容器20は、口部22とは反対側の胴部24の端部(他端)が一方向にシールされることによって封止されたチューブ状の容器であれば、サイズおよび材質等は特に限定されない。容器20は、例えば、内容物として辛子、ワサビまたはハンドクリーム等が充填されるような弾性のある樹脂製のチューブ容器であってもよく、アルミ製のチューブ容器であってもよい。また、容器20は、例えば、パウチ容器のような、薄い素材で作られたチューブ容器であってもよい。
【0027】
口部22は、内容物を注出する注出口である。口部22には、蓋部21が着脱可能に取り付けられる。具体的には、口部22には、蓋部21の内周壁に形成されたネジ部(図示無し)と螺合するネジ部(図示無し)が形成されている。蓋部21のネジ部と口部22のネジ部を螺合させることで、容器20の開閉を行うことができる。ただし、蓋部21は、ヒンジを備え、該ヒンジにより蓋部21の一部が開閉自在になっていてもよい(図8参照)。
【0028】
肩部23は、口部22から径方向の外側に張り出した部分である。肩部23は、口部22側から胴部24側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。換言すれば、肩部23は、口部22と胴部24とを繋ぐ略円錐形の部分である。なお、肩部23の形状は特に限定されず、例えば、円盤状、楕円状または略楕円形状に形成されていてもよい。
【0029】
胴部24は、一端が肩部23に繋がり、他端が幅方向xにシールされたシール端部25を有している。容器20では、胴部24が絞られることで、内容物が口部22から抽出される。胴部24の表面は、両側領域241と、肩部側領域242と、中央領域243と、を有している。
【0030】
肩部側領域242は、容器20を自立させた状態において、肩部23に隣接する胴部24の下部領域である。肩部側領域242は、肩部23に沿って、胴部24の周方向に延在して形成される。肩部側領域242の下端は肩部23に繋がっているため、後述する中央領域243と比較して硬く、変形し難くなっている。肩部側領域242の下端からの高さは、胴部24の全高に対して例えば1/6以上1/3以下程度である。
【0031】
両側領域241は、容器20の正面視または背面視において、幅方向xにおける胴部24の両側に位置する側部領域である。両側領域241は、中央領域243を挟んで幅方向xに対向している。具体的には、両側領域241は、胴部24の正面(z方向マイナス側の面)および背面(z方向プラス側の面)において、シール端部25の両端部から肩部側領域242まで延伸する領域である。両側領域241は、後述する中央領域243と比較して変形し難くなっている。理由の一つは、変形し難いシール端部25および両側領域241と接続されている部分が中央領域243と比較して広いためである。幅方向xにおける両側領域241の各々の長さ(幅)は、例えばシール端部25の全幅に対して1/6以上1/3以下程度である。
【0032】
中央領域243は、胴部24の正面および背面の略中央に位置する領域である。本実施形態では、中央領域243は、両側領域241、肩部側領域242およびシール端部25に囲まれる領域である。中央領域243は、両側領域241および肩部側領域242に比べて柔らかく、外力によって比較的変形し易い。このため、仮に中央領域243にラベル10を接着した場合、容器20に加わった外力によって中央領域243が変形することで、ラベル10に皺が発生し易くなる。
【0033】
(ラベル)
図3の3001は、図1に示されるラベル10の表面111を示す模式図であり、図3の3002は、ラベル10の裏面112を示す模式図である。図1および図3に示すように、ラベル10は、ラベル本体11と、接着層12と、を有している。
【0034】
ラベル本体11は、表面111に商品関連情報を表示する。商品関連情報は、例えば、商品名、絵柄、製造者名、ロゴマーク、商品説明等である。ラベル本体11は、接着層12により容器20に接着される。ラベル本体11は、容器20の胴部24の下端付近にラベル本体11の下端が位置するように容器20に接着される。
【0035】
容器20にラベル10を貼付した際、ラベル本体11は胴部24の正面の半分以上の面積を覆う。ラベル本体11の高さは、胴部24の全高に対して例えば1/2以上である。また、幅方向xにおけるラベル本体11の長さ(幅)は、少なくとも中央領域243の幅よりも大きければよく、陳列の邪魔にならなければ容器20の幅よりも大きくてもよい。
【0036】
ラベル本体11の基材としては、従来公知の樹脂フィルムを適用でき、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いることが望ましい。PETを採用することで、環境に考慮でき、コシのあるラベル10を製造することができる。なお、ラベル本体11の基材は、前記に限らず、例えば、OPP(オリエンテッドポリプロピレン)または紙であってもよい。また、樹脂フィルムにアルミニウム等を蒸着した蒸着フィルム、アルミニウム箔や紙基材をラミネートしたラミネートフィルム等を用いることもできる。
【0037】
ラベル本体11の形状は特に限定されず、例えば、ラベル本体11の上辺は曲線状またはライン状であってもよく、鋸歯状または山なり形状であってもよい。
【0038】
接着層12は、ラベル本体11の裏面112に形成されている。接着層12は、ラベル本体11を胴部24の正面または背面に接着する。接着層12は、両側接着層121と、肩部側接着層122と、を有している。ラベル本体11の裏面112において、接着層12以外の領域は、糊抑え50となっている。
【0039】
両側接着層121は、胴部24の両側領域241の各々にラベル本体11を接着する。肩部側接着層122は、胴部24の肩部側領域242にラベル本体11を接着する。両側接着層121と肩部側接着層122とは、互いに接続されている。これにより、ラベル10と容器20とを安定して接着することができる。また、一方向における両側接着層121の各々の間隔Dは、肩部側接着層122に近づくにつれて小さくなっている。これにより、接着層12の形状を容器20の外形形状に沿ったものとすることができる。
【0040】
胴部24の両側領域241に対応するラベル本体11の位置において、肩部側接着層122から両側領域241の高さの1/3程度に対応する位置まで延伸するように、両側接着層121が設けられている。また、肩部側接着層122の上端の辺123と、両側接着層121の下端における両側接着層121の内側の直線124との成す角θは、略120度とすることが望ましい。
【0041】
なお、肩部側接着層122の形状は特に限定されず、ラベル本体11を容器20に接着した際に、肩部側領域242に肩部側接着層122が含まれるものであればよい。同様に両側接着層121の形状は特に限定されず、ラベル本体11を容器20に接着した際に、両側領域241に両側接着層121が含まれるものであればよい。
【0042】
接着層12はラベル本体11の裏面に糊抑え50を設けることにより形成される。ラベル本体11の裏面112は予め全面にわたって粘着剤で覆われている。糊抑え50は、印刷インキを、当該粘着剤上に印刷することで形成することができる。糊抑え50は、無色透明を印刷してもよく、着色されていてもよい。商品関連情報等を印刷することで糊抑え50を形成すれば、ラベル本体11の裏面においても、消費者に商品関連情報を提示することができる。なお、ラベル10は、接着層12のみに選択的に接着剤を塗布して、糊抑え50を備えていない構成としてもよい。
【0043】
(効果)
前述したように、容器20の構造上、両側領域241および肩部側領域242は、中央領域243より硬く、変形し難い。例えば、容器20に内容物を充填して運搬する際、容器20に外力が加わったり、運搬温度により内容物が膨張または収縮したりする。その際、中央領域243は両側領域241および肩部側領域242よりも軟らかいため、外力または内容物の体積の変化に応じて変形する。したがって、仮にラベル10を中央領域243に接着した場合、中央領域243の変形に伴い、ラベル本体11に皺が発生し易くなる。
【0044】
それに対して、両側領域241および肩部側領域242は、中央領域243より硬く、変形し難い。そのため、外力または内容物の体積が変化により両側領域241および肩部側領域242は変形し難い。そこで、本実施形態では、変形しにくい両側領域241および肩部側領域242にラベル本体11が接着するように接着層12を設け、ラベル本体11を容器20に接着する。これにより、ラベル本体11を大型化しても、ラベル本体11に皺が発生し難くなる。
【0045】
また、ラベル本体11は、両側領域241に接着されている。これにより、ラベル本体11が自重によって折れ曲がる可能性を低減でき、ラベル本体11を容器20に接着した際に、胴部24の下端近傍から胴部24の上端に亘って、ラベル本体11が胴部24に沿うように起立しやすくなる。
【0046】
(変形例)
本実施形態の変形例について、図4を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0047】
図4は、ラベル10に形成される接着層12の変形例を示す図である。図4の4001に示すラベル101および図4の4002に示すラベル102は、実施形態1とは接着層12の形状が異なる。
【0048】
図4の4001に示すように、ラベル101は、接着層12に代えて接着層12aを有している。接着層12aは接着層12と比較して、両側接着層121aが肩部側接着層122の上端の辺123の両端部に接続されていない点が異なる。
【0049】
図4の4002に示すように、ラベル102は、接着層12に代えて接着層12bを有している。接着層12bは接着層12と比較して、両側接着層121bと肩部側接着層122bとが互いに分離されている点が異なる。また、接着層12bでは、両側接着層121bおよび肩部側接着層122bの形状が略四角形ではなく、複数の略円形で形成されている。
【0050】
このように、両側接着層121bおよび肩部側接着層122bを略四角形ではなく複数の略円形で形成することで、接着層12bの面積を減らすことができるので、容器20からラベル本体11を分離しやすくなる。また、接着層12bの形成におけるコストを削減することができる。なお、接着層12bにおいて肩部側接着層122bは、胴部24の周方向に延在して形成されている形状でもよい。この場合でも前記の接着層と同様の効果を奏することができる。
【0051】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図5を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図5は、本発明の実施形態2に係るラベル付き容器1aの正面図である。ラベル付き容器1aとラベル付き容器1とはラベル10とラベル10aとの形状が異なり、その他の構成は同じである。
【0052】
ラベル10aは、ラベル本体11から蓋部21まで延在し、蓋部21に接着される延在部13をさらに含む。これにより、ラベル10aが封緘の機能を兼ねることができるので、別途、封緘機能を有する封緘部材を設ける工程を省略することができる。
【0053】
延在部13は、延在接着部14と、接続部15と、を備えている。延在接着部14は、蓋部21に接着される。接続部15は延在接着部14とラベル本体11とをつなぐ。接続部15は、ラベル本体11および延在接着部14よりも容器20における幅方向xの長さ(幅)が短くなるように幅方向xの両側が縁切りされている。
【0054】
ここで、容器20において胴部24と蓋部21とは、径または表面の曲率が異なることが多く、胴部24と蓋部21との間には段差ができる。このため、仮に接続部15を縁切りせずに胴部24から蓋部21に亘ってラベル10aを容器20に接着すると、当該段差によりラベル10aに歪みが生じ、ラベル10aに皺がよってしまう。
【0055】
それに対して、本実施形態では、胴部24と蓋部21との段差を跨ぐ接続部15の幅方向xの両側が縁切りされている。そのため、前記段差によるラベル10aの歪みを低減し、ラベル10aに皺がより難くなる。
【0056】
このように、胴部24と蓋部21との径差または曲率差に応じて、延在接着部14および接続部15の各々の幅をラベル本体11の幅よりも小さく設定することにより、ラベル10aに皺がよることを抑えることができる。
【0057】
接続部15には接着層は形成されておらず接続部15と容器20とは接着されていない。また、接続部15において蓋部21と胴部24との境目に対応する部分には容器20の周方向に沿ってミシン目16が形成されている。これにより、蓋部21を回転させた場合、容易にラベル本体11と延在接着部14とを切り離すことができる。
【0058】
(変形例)
実施形態2の変形例について、図6および図7を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0059】
図6および図7は、ラベル付き容器1aの変形例を示す図である。図6の6001はラベル付き容器1bの正面図を示し、図6の6002はラベル付き容器1cの正面図を示し、図6の6003はラベル付き容器1dの正面図を示す。また、図7の7001はラベル付き容器1eの正面図を示し、図7の7002はラベル付き容器1fの正面図を示す。ラベル付き容器1b~1fは、ラベル付き容器1b~1fが備えるラベル10b~10fにおける延在部13b~13fの形状がラベル付き容器1aと異なり、その他の構成は同じである。
【0060】
図6の6001および図6の6002に示す延在部13bおよび延在部13cでは、図5に示すミシン目16に代えて、切れ込み線16bまたは切れ込み線16cが形成されている。また、図6の6003に示す延在部13dでは、図5に示すミシン目16に代えて、ノッチ16d(切り欠け)が形成されている。このように、例えば、図5に示す延在部13において延在接着部14とラベル本体11と間に切れ込み線、ノッチ、ハーフカットまたはそれらの組み合わせ等を設けることで、ラベル本体11と延在部13との間を縁切りすることができる。
【0061】
また、図5において、ラベル本体11と延在部13との間が縁切りされていれば、延在接着部14および接続部15の形状は特に規定されない。例えば、図6の6002に示すように、延在部13cとラベル本体11とが一体となって、y軸のマイナス方向に凸となる山なりの形状となっていてもよい。また、図6の6003に示すように、延在部13dが略六角形であってもよい。
【0062】
さらに、蓋部21が口部22と螺合して開閉するスクリューキャップである場合、図7の7001に示すように延在部13eが小さく、蓋部21において胴部24と蓋部21との境界近辺に延在部13eが接着されるものであってもよい。蓋部21がスクリューキャップである場合は、このように、蓋部21において胴部24と蓋部21との境界近傍に延在部13eが設置されるものであっても、延在部13eは封緘として機能する。これにより、延在部13eの面積を小さくすることができるので生産コストを抑えることができる。
【0063】
また、図7の7002に示すように、延在接着部14fを容器20の周方向に延伸させて、延在接着部14fを蓋部21の側面へ巻き付けて接着してもよい。ラベル本体11と延在部13fとの間が縁切りされた状態であれば、延在接着部14fの大きさは特に規定されない。ラベル本体11と延在部13fとの間が縁切りされていることにより、延在接着部14fが大きくても皺がより難いからである。これによりラベル10fの加飾性およびデザインの訴求効果を向上させることができる。
【0064】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図8を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図8は、本発明の実施形態3に係るラベル付き容器1gを示す図面であり、図8の8001はラベル付き容器1gの正面図を示し、図8の8002はラベル付き容器1gの側面図を示し、図8の8003はラベル付き容器1gのラベル10gの正面図を示している。ラベル付き容器1aとラベル付き容器1gとは、蓋21と蓋211との構造およびラベル10aとラベル10gとの形状が異なり、その他の構成は同じである。
【0065】
蓋211は、ヒンジタイプの蓋である。蓋211は、蓋下部212と蓋上部213とを有している。蓋下部212と蓋上部213とは蝶番を介してつながっている。蓋211は、蝶番を有する蓋の蓋下部212を蓋上部213から離す方向に押すことで容器20を開封することができる。蓋上部213は、口部22にねじ込みされ、容器20と一体とすることができる。
【0066】
ラベル10gは、延在部13gを備えている。延在部13gは延在接着部14gと接続部15gとを有している。延在接着部14gは、蓋下部212の表面212aに接着される。これにより、蓋211は、ヒンジタイプの蓋であっても、ラベル10gが封緘の機能を有したラベル付き容器1gを実現することができる。
【0067】
なお、延在接着部14gは蓋上部213から蓋下部212の表面212aを通り、さらに蓋上部213へと延伸して接着されていてもよい。作業の効率性を考慮すると、延在接着部14gは前記のように延伸せずに、蓋下部212の表面212a上に接着されることが望ましい。
【0068】
(変形例)
実施形態3の変形例について、図9を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0069】
図9は、ラベル付き容器1gの変形例を示す図であり、図9の9001はラベル10hの正面図を示す。ラベル10gとラベル10hとは、延在部13gと延在部13hとの形状が異なり、その他の構成は同じである。図8に示すラベル付き容器1gの延在部13gにおいて、延在接着部14gの形状は特に限定されない。図9の9001に示すラベル10hのように、延在接着部14hが略円形であってもよい。これにより、延在接着部14hが蓋下部212の表面212aに接着しやすくなり、作業性が向上する。
【0070】
図9の9002はラベル付き容器1iの正面図を示す。ラベル付き容器1gとラベル付き容器1iとは、ラベル付き容器1iのラベル10iの延在部13iの形状が、ラベル付き容器1gのラベル10gの延在部13gと異なり、その他の構成は同じである。
【0071】
容器20にヒンジキャップである蓋211を採用する場合は、図9の9002に示すように、延在部13iは、少なくとも一部が蓋下部212と蓋上部213の境界よりも蓋下部212側に接着される必要がある。換言すると、延在部13iは、少なくとも一部が蓋下部212と蓋上部213の境界よりも蓋下部212側に接着されていればよい。これにより、延在部13iの面積を小さくすることができるので生産コストを抑えることができる。
【0072】
なお、実施形態2および実施形態3で示した延在部を有するラベルは、容器20だけでなく、キャップ付きスプレーボトル等にも適用することができる。その場合、延在部を接着するのは開封基点部分、すなわち、スクリュータイプの蓋部21であれば、胴部24と蓋部21との境界、ヒンジタイプの蓋部211であれば、蓋上部213と蓋下部212との境界を覆うことで、ラベルが封緘として機能する。
【0073】
このような構成によれば、販促効果の高い大きなPOPラベルを容器に直接接着して販売することができるので脱箱および脱プラスチックの動きをより促進することができる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【0074】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1、1a~1i ラベル付き容器
10、10a~10i、101、102 ラベル
11 ラベル本体
12、12a、12b 接着層
13、13b~13i 延在部
20 容器
21、211 蓋部
22 口部
23 肩部
24 胴部
25 シール端部
111 ラベル本体の表面
112 ラベル本体の裏面
121、121a、121b 両側接着層
122、122b 肩部側接着層
241 両側領域
242 肩部側領域
x 幅方向(一方向)
D 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9