(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097155
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】交通信号制御機、感応制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/08 20060101AFI20230630BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G08G1/08 A
G08G1/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213343
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】504126112
【氏名又は名称】住友電工システムソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 充雄
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB03
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF03
5H181JJ06
5H181JJ07
5H181JJ20
(57)【要約】
【課題】 信号機が設置された交差点を横断する歩行者等に対する安全性を向上できる交通信号制御機を提供する。
【解決手段】 本開示の一態様に係る装置は、交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機であって、前記信号灯器は、前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機であって、
前記信号灯器は、
前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、
前記感応制御は、
前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む、交通信号制御機。
【請求項2】
前記信号灯器は、
前記流入路を横断する歩行者に通行権を表示する歩行者用灯器を含み、
前記感応制御は、
前記到着時刻が前記歩行者用灯器の青時間に含まれる場合に、当該青時間を打ち切って歩行者青点滅を開始する第2感応制御を含む、請求項1に記載の交通信号制御機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1感応制御又は前記第2感応制御を実行する場合に、前記歩行者及び前記車両のうちの少なくとも一方への注意喚起を促す装置を稼働させるための制御指令を出力する、請求項2に記載の交通信号制御機。
【請求項4】
前記制御部は、
ジレンマ感応制御、バス感応制御、ギャップ感応制御、リコール制御、高速感応制御、及びFAST感応制御のうちの少なくとも1つと、前記第1感応制御及び前記第2感応制御の少なくとも1つとを並行処理する、請求項2又は請求項3に記載の交通信号制御機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1感応制御又は前記第2感応制御を実行した場合に、実行した制御内容を交通管制センターの中央装置に送信する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の交通信号制御機。
【請求項6】
交通信号制御機により実行される感応制御方法であって、
交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得するステップと、
取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行するステップと、を含み、
前記信号灯器は、
前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、
前記感応制御は、
前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む、感応制御方法。
【請求項7】
交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機として、コンピュータを機能させるコンピュータプログラムであって、
前記信号灯器は、
前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、
前記感応制御は、
前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通信号制御機、感応制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、信号機が赤信号に切り替えられた後、所定時間内に交差点進入側から停止線を越えて交差点を通過しようとする車両がある場合に発生する、交差点での追突事故を防止するための信号制御方法が記載されている。
特許文献2には、交差点の通過又は停止の判断の際に、交差点に対向右折車両などが存在していても、運転者の瞬間的な恐怖感や、ブレーキ操作の遅れを防止できる走行支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-244268号公報
【特許文献2】特開2009-140422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載の技術は、いずれも、車両の運転者に対する注意喚起又は走行支援に関する技術であるため、運転者自身が正常な状態である場合にのみ有効である。
従って、特許文献1及び2では、例えば、飲酒、居眠り、脇見、薬物使用、及び暴走嗜好の運転者など、正常な状態ではない運転者が搭乗する車両(以下、「危険車両」という。)が発生した場合における、歩行者に対する安全を確保する方策は想定されていない。
【0005】
本開示は、かかる従来の問題点に鑑み、信号機が設置された交差点を横断する歩行者等に対する安全性を向上できる交通信号制御機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る装置は、交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機であって、前記信号灯器は、前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る方法は、交通信号制御機により実行される感応制御方法であって、交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得するステップと、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行するステップと、を含み、前記信号灯器は、前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む。
【0008】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機として、コンピュータを機能させるコンピュータプログラムであって、前記信号灯器は、前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む。
【0009】
本開示は、上記のような特徴的な構成を備えるシステム及び装置として実現できるだけでなく、かかる特徴的な構成をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。また、本開示は、システム及び装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、信号機が設置された交差点を横断する歩行者等に対する安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る信号制御システムの構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、交通信号制御機の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、路側センサの内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、交差点に適用可能な信号現示の一例を示す階梯図である。
【
図5】
図5は、交通信号制御機の制御部が実行する感応制御の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1感応制御の実行前後の信号表示の変化を示すタイムチャートである。
【
図7】
図7は、第2感応制御の実行前後の信号表示の変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の交通信号制御機は、交差点への流入路を通行する車両の前記交差点への到着時刻を取得し、取得した前記到着時刻に基づいて、信号灯器の表示時間を変更する感応制御を実行する制御部を備える交通信号制御機であって、前記信号灯器は、前記流入路を通行する前記車両に通行権の有無を表示する車両用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を含む。
【0013】
本実施形態の交通信号制御機によれば、制御部が、車両の交差点への到着時刻が車両用灯器の全赤時間に含まれる場合に、当該全赤時間を所定時間だけ延長する第1感応制御を実行するので、歩行者青の開始が遅れることで歩行者の横断又は交差道路からの交差点への車両進入を抑制することができる。
従って、全赤時間に交差点に進入した車両が、例えば危険車両である場合に、横断しようとする歩行者、或いは交差道路から発進しようとする車両に対する安全性を向上することができる。
【0014】
本実施形態の交通信号制御機において、前記制御部は、前記第1感応制御を実行する場合に、思い込みによる横断(いわゆる、見切り横断)を防止するため前記歩行者への注意喚起を促す装置を稼働させるための制御指令を出力することにしてもよい。同時に、車両へも注意喚起を促す装置を可動させてもよい。
【0015】
(2) 本実施形態の交通信号制御機において、前記信号灯器は、前記流入路を横断する歩行者に通行権を表示する歩行者用灯器を含み、前記感応制御は、前記到着時刻が前記歩行者用灯器の青時間に含まれる場合に、当該青時間を打ち切って歩行者青点滅を開始する第2感応制御を含んでいてもよい。
ここで、増加した青点滅時間について、通常の青点滅と異なる時間間隔や方法で青点滅を行ってもよい。
【0016】
本実施形態の交通信号制御機によれば、制御部が、車両の交差点への到着時刻が歩行者用灯器の青時間に含まれる場合に、当該青時間を打ち切って歩行者青点滅を開始する第2感応制御を実行するので、歩行者青点滅の表示が早まることで歩行者の横断を抑制することができる。
従って、歩行者用灯器の青時間に交差点に進入した車両が、例えば危険車両である場合に、歩行者に対する安全性を向上することができる。
【0017】
(3) 本実施形態の交通信号制御機において、前記制御部は、前記第1感応制御又は前記第2感応制御を実行する場合に、前記歩行者及び前記車両のうちの少なくとも一方への注意喚起を促す装置を稼働させるための制御指令を出力することにしてもよい。
【0018】
このようにすれば、車両用灯器の全赤時間に交差点に進入する車両の発生、或いは、歩行者用灯器の青時間に交差点に進入する車両の発生を、信号待ち中の車両や歩行者に注意喚起することができる。
従って、第1感応制御又は第2感応制御のみを実行する場合に比べて、車両や歩行者に対する安全性をより向上することができる。
【0019】
(4) 本実施形態の交通信号制御機において、ジレンマ感応制御、バス感応制御、ギャップ感応制御、リコール制御、高速感応制御、及びFAST感応制御のうちの少なくとも1つと、前記第1感応制御及び前記第2感応制御の少なくとも1つとを並行処理してもよい。
【0020】
このようにすれば、上記の端末感応制御が実行される交差点についても、第1感応制御及び第2感応制御の少なくとも1つを実行できるようになる。
【0021】
(5) 本実施形態の交通信号制御機において、前記制御部は、前記第1感応制御又は前記第2感応制御を実行した場合に、実行した制御内容を交通管制センターの中央装置に送信してもよい。
【0022】
このようにすれば、第1感応制御及び第2感応制御の制御実績が中央装置の管理対象となるので、当該制御実績を交通事故が発生した場合の原因分析に使用することができる。
【0023】
(6) 本実施形態の感応制御方法は、上述の(1)~(5)の交通信号制御機が実行する感応制御方法である。従って、本実施形態の感応制御方法は、上述の(1)~(5)の交通信号制御機と同様の作用効果を奏する。
【0024】
(7) 本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の(1)~(5)の交通信号制御機として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。従って、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の(1)~(5)の交通信号制御機と同様の作用効果を奏する。
【0025】
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0026】
〔システムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係る信号制御システム100の構成例を示す斜視図である。
図1に示すように、信号制御システム100は、交差点Jに設置された複数の信号灯器1,2と、交通信号制御機3と、路側センサ4とを備える。
本実施形態では、交差点Jで交差する方向のうちの一方を「主方向」といい、他方を「従方向」という。また、主方向の道路を「主道路」といい、従方向の道路を「従道路」といい、交差点Jに向かう方向の道路を「流入路」という。
【0027】
図1では、例えば、東西方向に延びる道路が主道路R1であり、南北方向に延びる道路が従道路R2である。
主道路R1には、交差点Jに向かって東進する流入路L1と、交差点Jに向かって西進する流入路L2とが含まれる。従道路R1には、交差点Jに向かって南進する流入路L3と、交差点Jに向かって北進する流入路L4とが含まれる。
【0028】
信号灯器1は、流入路L1~L4を通行する車両に通行権の有無を表示する車両用灯器である。車両用灯器1は、交差点Jの流出側に設置される。車両用灯器1は、少なくとも赤色、青色及び黄色の丸灯を有するが、右折矢灯などの矢印信号灯を含んでもよい。
信号灯器2は、横断歩道を通行する歩行者に通行権の有無を表示する歩行者用灯器である。歩行者用灯器2は、横断歩道の出入り口付近に設置される。以下において、車両用灯器1と歩行者用灯器2を総称する場合は、「信号灯器1,2」と記載する。
【0029】
交通信号制御機3は、信号灯器1,2の動作を制御する装置、すなわち、信号灯器1,2に含まれる複数の信号灯の点灯及び消灯を制御する電力制御装置である。交通信号制御機3は、交差点Jの近傍に設置される。
交通信号制御機3は、交通管制センターの中央装置(図示せず)に通じる専用回線(電話回線など)に接続されない「単独型(スタンドアロン)」、及び、当該専用回線に接続される「集中型」のうちのいずれであってもよい。
【0030】
路側センサ4は、流入路L1,L2における交差点J手前に位置する所定の監視エリアA1を通行する物体を検出するセンサである。路側センサ4は、自身の検出可能範囲に監視エリアA1が含まれる俯角となるように道路脇の適所に設置される。
路側センサ4は、物体の種別(車両又は歩行者など)及び位置などを検出可能なセンサであればよく、例えば、動画撮影が可能なデジタルカメラ、及び、ミリ波方式又はLiDAR方式のレーダセンサなどを含む装置を採用し得る。
【0031】
監視エリアA1は、下流地点と上流地点が例えば下記の地点となる区間に設定される。
下流地点:流入路L1,L2の停止線から上流側に10mだけ離れた地点
上流地点:流入路L1,L2の停止線から上流側に50mだけ離れた地点
横断歩道を通行する歩行者の有無を検出する場合には、主道路R1の横断歩道を包含する監視エリアA2を路側センサ4の監視エリアに含めてもよい。
【0032】
本実施形態の信号制御システム100は、交差点Jへの流入路L1,L2を通行する車両の位置及び速度を路側センサ4で検出し、検出結果から推定される車両の交差点Jへの到着時刻に応じて、交通信号制御機3が、流入路L1,L2の全赤時間の延長、或いは、流入路L1,L2の横断方向の青時間の打ち切りなどの感応制御を行うシステムである。
以下においては、流入路L1,L2を制御対象とする感応制御を説明するが、同様の感応制御を流入路L3,L4に適用してもよい。
【0033】
〔交通信号制御機の内部構成〕
図2は、交通信号制御機3の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、交通信号制御機3は、制御部31、記憶部32、通信部33、及び灯器駆動部34を備える。
制御部31は、内部バスを介して記憶部32、通信部33、及び灯器駆動部34と接続される。制御部31はこれらのハードウェア各部の動作を制御する。
【0034】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)とメインメモリを含む演算処理装置である。制御部31は、記憶部32に格納されたコンピュータプログラム35をメインメモリに読み出し、読み出した当該プログラム35に従って各種の情報処理を行う。
記憶部32は、ハードディスク又はその他の不揮発性メモリにより構成され、各種のコンピュータプログラム35、及び信号制御パラメータなどのデータを記憶する。
【0035】
通信部33は、路側センサ4との通信を実行する通信モジュールを含む。路側センサ4との通信方式は、無線及び有線のいずれであってもよい。
集中型の交通信号制御機3の場合は、通信部33には、中央装置との通信機能を有する通信モジュールも含まれる。
【0036】
記憶部32が記憶するコンピュータプログラム35には、信号灯器1,2の点灯及び消灯タイミングを決定するプログラムが含まれる。
例えば、制御部31は、所定の信号制御パラメータに基づいて、1サイクルにおける信号灯ごとのオン/オフの切り替えタイミング(以下、「灯色切り替えタイミング」という。)を決定し、自機のローカル時刻が決定した灯色切り替えタイミングになると、灯器駆動部34に切り替え信号を出力する。
【0037】
灯器駆動部34は、半導体リレー(図示省略)を備える。灯器駆動部34の半導体リレーは、制御部31から入力された切り替え信号に従って、信号灯器1,2の各信号灯に対する電力をオン又はオフする。
集中型の交通信号制御機3の場合には、制御部31は、サイクルが終了するごとに信号制御実行情報を生成し、生成した信号制御実行情報を記憶部32に一時的に記録する。
【0038】
制御部31は、サイクルが終了すると、直近サイクル分の信号制御実行情報を通信部33に入力する。或いは、制御部31は、直近サイクル分を含む過去の複数サイクル分(例えば3サイクル分)の信号制御実行情報を通信部33に入力してもよい。
通信部33は、入力された信号制御実行情報を含む通信信フレームを生成し、生成した通信フレームを中央装置に送信する。
【0039】
〔路側センサの内部構成〕
図3は、路側センサ4の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、路側センサ4は、制御部41、記憶部42、通信部43、路側カメラ44、及びレーダセンサ45を備える。
制御部41は、内部バスを介して記憶部42、通信部43、路側カメラ44、及びレーダセンサ45と接続される。制御部41はこれらのハードウェア各部の動作を制御する。
【0040】
制御部41は、CPUとメインメモリを含む演算処理装置である。制御部41は、記憶部42に格納されたコンピュータプログラム46をメインメモリに読み出し、読み出した当該プログラム46に従って各種の情報処理を行う。
記憶部42は、ハードディスク又はその他の不揮発性メモリにより構成され、各種のコンピュータプログラム46、及び画像処理のためのパラメータなどのデータを記憶する。
【0041】
通信部43は、交通信号制御機3との通信を実行する通信モジュールを含む。交通信号制御機3との通信方式は、無線及び有線のいずれであってもよい。
路側センサ4を交通管制センターの中央装置と直接通信させる場合は、通信部43には、中央装置との通信機能を有する通信モジュールも含まれる。
【0042】
路側カメラ44は、所定の撮影エリアの映像を取り込む画像センサである。路側カメラ44は、単眼又は複眼のいずれでもよい。レーダセンサ45は、ミリ波レーダやLiDAR方式などにより物体を検出するセンサである。
【0043】
記憶部42が記憶するコンピュータプログラム46には、以下の各処理を制御部41に実行させるためのプログラムが含まれる。
1)物体認識:路側カメラ44及びレーダセンサ45のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、監視エリアA1内の物体の種別を認識する処理
2)位置測定:認識した物体の位置情報を測定する処理
3)速度測定:認識した物体の速度を測定する処理
【0044】
物体認識は、例えば、画像データから抽出される所定の特徴点を結んだポリゴンと、予め記憶する所定の物体形状(例えば車両の形状)とを対比することにより行われる。
位置測定は、例えば、FMCW(周波数連続変調)方式のミリ波レーダにより求めた物体までの距離及び方位と、自身の位置情報とから、物体の位置を算出する処理である。速度測定は、例えば、FMCW(周波数連続変調)方式のミリ波レーダの反射チャープなどを用いて行われる。
【0045】
記憶部42が記憶するコンピュータプログラム46には、以下の各処理を制御部41に実行させるためのプログラムも含まれる。
4)対象検出:監視エリアA1に存在する対象車両を検出する処理
5)到着タイミングの算出:対象車両が交差点Jの所定位置(例えば流入路L1,L2の停止線)に到着する時刻(以下、「到着時刻」という。)、或いは、現時点から対象車両が交差点Jの所定位置に到着するまでの時間長(以下、「到着時間」という。)を算出する処理
【0046】
(対象検出の具体例)
ここで、「対象車両」とは、流入路L1,L2を通行する車両のうち、停止線などの所定地点で止まらずに交差点JLに進入すると推定される車両のことをいう。
制御部41は、実距離を「RD」とし、安全停止距離を「SD」とする場合に、RD<SDが成立する車両を対象車両と判定する。従って、制御部41は、RD≧SDが成立する車両は対象車両と判定しない。
【0047】
RDは、車両の現在位置から交差点進入と見なせる所定地点までの実際の距離であり、所定地点の位置情報と車両の位置情報とから算出される。ここでは、所定地点を流入路L1,L2の停止線位置とするが、停止線から前後に若干ずれた位置でもよい。
SDは、車両が安全に停止できる距離であり、次式で算出される。
SD=τ×V+V2/(2×De)
ただし、τは運転者の反応時間であり、Deは車両の減速度であり、いずれも路側センサ4に予め設定される。
【0048】
(到着タイミングの算出の具体例)
対象車両の到着時刻を「ta」とすると、制御部41は、次式によりtaを算出する。
ta=tc+(RD/V)-Td
ただし、tcは現在時刻であり、Vは現時点における車両の速度であり、Tdは通信及び情報処理などの遅延を考慮した遅延時間である。
【0049】
対象車両の到着時間を「Ta」とすると、制御部41は、次式によりTaを算出する。
Ta=(RD/V)-Td
ただし、Vは現時点における車両の速度であり、Tdは通信及び情報処理などの遅延を考慮した遅延時間である。
【0050】
路側センサ4の制御部41は、対象車両の発生情報を含む通信フレームを生成し、生成した通信フレームに、到着タイミング(ta又はTa)のデータ値を格納する。
これにより、対象車両が発生したことと、当該対象車両の交差点Jへの到着タイミングが交通信号制御機3に通知される。
【0051】
〔交差点の現示階梯図〕
図4は、交差点Jに適用可能な信号現示の一例を示す階梯図である。
図4において、「-」は青を意味し、「=」は赤を意味し、「Y」は車両黄を意味し、「F」は歩行者青点滅を意味する。
図4の階梯図は、主道路R1の交通(車両及び歩行者)に通行権を与える信号現示1φと、従道路R2の交通(車両及び歩行者)に通行権を与える信号現示2φとが、交互に表示されるように定義されている。
【0052】
具体的には、主道路R1の現示1φは、主方向歩行者青(ステップ1)、主方向歩行者青点滅(ステップ2)、主方向歩行者赤(ステップ3)、主方向車両黄(ステップ4)、全赤(ステップ5)の5つのステップで構成される。
従道路R2の現示2φは、従方向車両青(ステップ6)、従方向歩行者青点滅(ステップ7)、従方向歩行者赤(ステップ8)、従方向車両黄(ステップ9)、全赤(ステップ10)の5つのステップで構成される。
【0053】
〔交通信号制御機による感応制御〕
図5は、交通信号制御機3の制御部31が実行する感応制御の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、制御部31は、対象車両の発生情報を受信したか否かを監視しており(ステップST11)、発生情報を受信した場合は、対象車両の到着時刻が現示階梯図(例えば
図4)のどのステップに含まれるかを判定する(ステップST12)。
【0054】
この場合、制御部31は、受信した発生情報に含まれる到着タイミングが「ta」(対象車両の到着時刻)である場合は、通知されたtaの時刻値を用いてステップST12の判定を実行する。
また、制御部31は、受信した発生情報に含まれる到着タイミングが「Ta」(対象車両の到着時間)である場合は、自機がローカルに計時する現在時刻tcにTaを加算して到着時刻を算出し、算出した時刻値を用いてステップST12の判定を実行する。
【0055】
ステップST12の判定結果が「ステップ5」(主方向全赤)である場合は、制御部31は、ステップ5の全赤時間を所定時間だけ延長する「第1感応制御」を実行する。
所定時間は、設定値とする場合は、例えば1~数秒であり、最大5秒程度の本来提供しようとしている赤時間の秒数の延長で足りると考えられる。所定時間は、流入路L1の停止線から流出側の横断歩道までの距離を車両の速度で除した算出値とするなど、対象車両の速度に応じて動的に変更してもよい。この場合、所定時間は、0.1秒又は更に短い時間単位で変更することが好ましい。
【0056】
制御部31は、第1感応制御を実行する場合には、歩行者の見切り横断や車両の見切り発車を防止するための注意喚起を促す装置を稼働させるための制御指令を出力する。この場合の装置としては、例えば以下の装置が考えられる。
1)危険などの音声を発する指向性スピーカー
2)回転灯(いわゆるパトライト(「パトライト」は登録商標である。))
3)歩行者用灯器などに装着されたフラッシュ点滅するライト
4)スマートフォンなどへの電磁的通知
5)路車通信による車両への電磁的通信
【0057】
ステップST12の判定結果が「ステップ6」(従方向歩行者青)である場合は、制御部31は、ステップ6の従方向歩行者青を打ち切って、次のステップ7の従方向歩行者青点滅に切り替える「第2感応制御」を実行する。
例えば、
図4の階梯図において、対象車両の到着時刻がステップ4の開始から4秒経過した時点と一致する場合は、ステップ4の残秒数13秒(=17-4)をステップ7に配分する。これにより、ステップ7(従方向歩行者青点滅)が5秒から18に増加する。
【0058】
制御部31は、第2感応制御を実行する場合には、注意喚起を促す装置を稼働させるための制御指令を出力する。この場合の装置としては、例えば以下の装置が考えられる。
1)危険などの音声を発する指向性スピーカー
2)回転灯(いわゆるパトライト)
3)歩行者用灯器などに装着されたフラッシュ点滅するライト
4)スマートフォンなどへの電磁的通知
5)路車通信による車両への電磁的通信
【0059】
図6は、第1感応制御の実行前後の信号表示の変化を示すタイムチャートである。
図6に示すように、対象車両の到着時刻taが主方向の全赤時間に含まれる場合、制御部31は、主方向の全赤時間を所定時間ΔTだけ延長する。これにより、従方向の歩行者青及び車両青の開始は所定時間ΔT分だけ遅れることになる。
【0060】
図7は、第2感応制御の実行前後の信号表示の変化を示すタイムチャートである。
図7に示すように、対象車両の到着時刻taが従方向の歩行者青時間に含まれる場合、制御部31は、従方向の歩行者青を打ち切り、歩行者青点滅に切り替える。
この場合、従方向の歩行者青と歩行者青点滅の合計時間は固定されており、歩行者青時間が減る分だけ歩行者青点滅時間が増加する。
【0061】
〔端末感応制御の種類等〕
「端末感応制御」とは、交通信号制御機3に接続された各種のセンサ(非画像式又は画像式車両感知器など)から取得する感知信号に基づいて、サイクルごとの交通変動に対応して青時間などを伸縮させる制御のことをいう。
端末感応制御の種別には、例えば、ジレンマ感応制御、ギャップ感応制御、バス感応制御、リコール制御、高速感応制御、及びFAST感応制御などがある。
【0062】
交通信号制御機3の制御部31は、第1感応制御及び第2感応制御以外に、上記の端末感応制御のうちの少なくとも1つを実行可能である。
また、制御部31は、上記の端末感応制御を行う場合は、第1感応制御及び第2感応制御との並行処理を実行することもできる。以下、端末感応制御との並行処理の具体例について説明する。
【0063】
〔ジレンマ感応制御との並行処理〕
「ジレンマ感応制御」とは、交差点に進入しようとする車両に対して黄信号が表示されたとき、運転者が停止すべきか通過すべきかの判断に迷う領域(ジレンマゾーン)を回避することにより、事故の危険性の減少を目的とした制御である。追突事故及び出会い頭事故の多い交差点で運用される。制御方式としては、例えば、車両がジレンマゾーンに存在する場合に現サイクルの青信号を継続し、存在しない場合に当該青信号を打ち切方式が採用される。
【0064】
図4の階梯図において、ステップ1でジレンマ感応制御をする場合、次のステップ(ステップ2)から全赤のステップ5の1つ手前のステップ4までの残秒数(以下、「RT」とする。)は12秒である。
上記のRT値(=12秒)は、通常、車両が安全に停止できる時間(以下、「ST」とする。)よりも十分に大きい。従って、ジレンマ感応制御との競合は起こらない。
【0065】
図4の階梯図において、ステップ3でジレンマ感応制御をする場合、RTはステップ4の3秒だけである。
上記のRT値(=3秒)はSTより小さい場合がある。従って、対象車両の到着時間TaとRTの比較結果に応じて、第1感応制御の実行可否を判定すればよい。この場合、Ta>RTとなる場合、すなわち、ジレンマ感応制御による延長限度を超える場合に、第1感応制御を実行すればよい。
【0066】
〔バス感応制御との並行処理〕
「バス感応制御」とは、交差点の手前にバス感知器(例えば、バスと狭域の光通信を行う非画像式車両感知器である光ビーコン)を設けて通行車両の中からバスを識別し、バスの感知に応じて、青信号の延長又は赤時間の短縮を行って、バスの信号待ち時間を軽減させる制御のことをいう。
【0067】
バス感応制御の青時間延長は、通常、歩行者青のステップ1を延長するので、第1感応制御とは競合しない。従って、青時間延長の場合には、第1感応制御を並行して実行すればよい。
バスの進行方向が赤信号であり、バス接近による赤時間短縮を実行する場合、すなわち、従方向の歩行者青時間(
図4のステップ6)を短縮する場合には、例えば以下のように処理すればよい。
【0068】
すなわち、バス感応による赤時間短縮を実行する前に、第2感応制御が必要となった場合は、歩行者青時間と歩行者点滅時間の合計範囲内で歩行者青時間を打ち切り、余分となった時間を歩行者点滅時間に割り振ればよい。この場合、赤短縮は動作しない。
バス感応による赤時間短縮を実行した後に、第2感応制御が必要となった場合は、赤時間短縮後の歩行者青時間と歩行者点滅時間の合計の範囲内で歩行者青時間を打ち切り、余分となった時間を歩行者点滅時間に割り振ればよい。
【0069】
〔ギャップ感応制御との並行処理〕
「ギャップ感応制御」とは、車両の感知後に所定の単位時間(以下、「単位青」という。)以内に次の車両がある場合に、延長限度秒数を限度として青時間を延長する、或いは、短縮限度秒数で青時間を短縮する制御のことをいう。
ギャップ感応制御では、単位青の計時完了時点で次のステップに移行するため、ギャップ感応が終了した次ステップから延長する赤ステップの1つ手前ステップまでの残秒数(RT)が車両の安全停止秒数に足りない場合に、赤時間の延長が行われる。
【0070】
図4の階梯図において、ステップ1でギャップ感応制御をする場合、ステップ2からステップ4までのRT値は12秒である。上記のRT値(=12秒)は、通常、STよりも十分に大きい。従って、ギャップ感応制御との競合は起こらない。
【0071】
図4の階梯図において、ステップ3でギャップ感応制御をする場合、RTはステップ4の3秒だけである。
上記のRT値(=3秒)はSTより小さい場合がある。従って、対象車両の到着時間TaとRTの比較結果に応じて、第1感応制御の実行可否を判断すればよい。この場合、Ta>RTとなる場合、すなわち、ギャップ感応制御による延長限度を超える場合に、第1感応制御を実行すればよい。
【0072】
〔リコール制御との並行処理〕
「リコール制御」とは、歩行者用押ボタンスイッチを押すことによる横断要求又は車両感知器により車両を検知することにより、要求された側に青信号を表示し、横断又は通過に必要な時間を与える感応制御のことをいう。通常は赤を表示しているが、要求があったときには青を呼び戻すことから「リコール」と呼ばれる。
【0073】
上記のように、リコール制御は、歩行者等の要求に応じて従道路側の青時間を提供するかしないかを判断する。
従って、従道路側に青時間を提供する場合は、第1感応制御及び第2感応制御を許容すればよい。なお、従道路側に青時間を提供しない場合は、第1感応制御及び第2感応制御を実行する必要はない。
【0074】
〔高速感応制御との並行処理〕
「高速感応制御」とは、夜間等に高速で走行する車両に対し、交差点Jの交通信号制御機3において青短縮又は赤延長を行うことにより、高速走行車両の速度抑制を図る感応制御のことをいう。
【0075】
高速感応制御における青時間の短縮は、歩行者青のステップ1で動作させるのが一般的であり、この場合、全赤時間(ステップ5)の開始が早まる。従って、高速感応制御で青時間を短縮する場合、第1感応制御を実行しないことが好ましい。ただし、高速感応を発動させる速度感知器の設置位置は、制御対象交差点の停止線より数百m上流で設置されるので、青時間短縮をした後に、第1感応制御用の感知器で第1感応制御を実施することは可能である。
【0076】
赤時間の延長は、高速車両を赤信号で停止させるものであるから、「ステップ5」(主方向全赤)の到来前に赤時間を延長させて停止線で安全停止不可と判断した場合には、第1感応制御を実行してもよい。
同時に赤時間延長前で、第2感応制御を実施する場合は、本来延長すべき赤時間「ステップ6」(従方向歩行者青)の減少分を次の「ステップ7」(従方向歩行者青点滅)に切り替えて、赤延長をすべき秒数を「ステップ7」に与える「第2感応制御」を実行する。赤時間延長後に第2感応制御を実施する場合は、「ステップ6」で増加した結果を受けて、第2感応制御を行うことも可能である。
【0077】
〔FAST感応制御との並行処理〕
「FAST感応制御」は、緊急車両が交差点を通過し易くするために、緊急車両の進行方向の歩行者青時間を延長したり、緊急車両の進行方向と交差する方向の歩行者青時間を短縮したりする制御のことをいう。従って、
図4の階梯図では、ステップ1とステップ6が可変対象となる。
【0078】
FAST感応制御の青時間延長は、通常、歩行者青のステップ1を延長するので、第1感応制御とは競合しない。従って、青時間延長の場合には、第1感応制御を並行して実行すればよい。
FAST感応制御において、歩行者赤でかつ車両青のステップ3を延長する場合は、ジレンマ感応制御の場合と同様に、ステップ開始前から第1感応制御の実行可否を判定すればよい。
【0079】
緊急車両の進行方向が赤信号であり、車両接近による赤時間短縮を実行する場合、すなわち、従方向の歩行者青時間(
図4のステップ6)を短縮する場合には、例えば以下のように処理すればよい。
【0080】
すなわち、緊急車両感知による赤時間短縮を実行する前に、第1感応制御が必要となった場合は、歩行者青時間と歩行者点滅時間の合計範囲内で歩行者青時間を打ち切り、余分となった時間を歩行者点滅時間に割り振ればよい。この場合、赤短縮は動作しない。
緊急車両感応による赤時間短縮を実行した後に、第1感応制御が必要となった場合は、赤時間短縮後の歩行者青時間と歩行者点滅時間の合計の範囲内で歩行者青時間を打ち切り、余分となった時間を歩行者点滅時間に割り振ればよい。
【0081】
〔第1の変形例〕
上述の実施形態において、路側センサ4の制御部41が、物体認識、位置測定、及び速度測定までを実行し、車両の位置及び速度を交通信号制御機3に通知してもよい。
この場合、交通信号制御機3の制御部31は、路側センサ4から通知された車両の位置及び速度に基づいて、対象検出及び到着タイミングの算出を実行し、自機による算出結果に基づいて
図5の情報処理を実行すればよい。
【0082】
また、
図5のステップST12の判定を中継装置(図示せず)などの他の路側装置などが実行してもよい。
この場合、交通信号制御機3の制御部31は、他の路側装置から通知された判定結果に応じて、全赤時間の延長(第1感応制御)又は歩行者青時間の打ち切り(第2感応制御)を実行すればよい。
【0083】
〔第2の変形例〕
上述の実施形態において、交通信号制御機3の制御部31が第1感応制御又は第2感応制御を実行した場合には、実行した制御実績を信号制御実行情報などに含めて交通管制センターの中央装置に送信してもよい。
このようにすれば、第1感応制御及び第2感応制御の制御実績が中央装置の管理対象となり、当該制御実績を交通事故が発生した場合の原因分析に使用できるようになる。
【0084】
〔その他の変形例〕
上述の実施形態(変形例を含む。)は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 車両用灯器(信号灯器)
2 歩行者用灯器(信号灯器)
3 交通信号制御機
4 路側センサ
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 灯器駆動部
35 コンピュータプログラム
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 路側カメラ
45 レーダセンサ
46 コンピュータプログラム
100 信号制御システム
J 交差点
R1 主道路
R2 従道路
L1 流入路(東進)
L2 流入路(西進)
L3 流入路(南進)
L4 流入路(北進)