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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097156
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】状態表示装置及び画面作成装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
G05B23/02 301T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213345
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】317014747
【氏名又は名称】シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】植田 眞方
(72)【発明者】
【氏名】小林 英樹
(72)【発明者】
【氏名】濱田 和宏
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EA09
3C223EB01
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH04
3C223HH05
3C223HH15
(57)【要約】
【課題】流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定するための構成を簡素にする。
【解決手段】コンピュータ機器(1)は、流体制御部品と流体流通部品との接続関係を表示する表示制御部(111)と、流体流通部品が直接接続される接続部品の出力側の流体の存在情報のみを参照する参照部(112)と、存在情報のみに基づき、流体流通部品の内部の流体の存在状態を決定する決定部(113)と、を備え、表示制御部(111)は、決定部(113)によって決定された存在状態を画面上に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを制御する流体制御装置が画像により表される流体制御部品と、流体を流通させる流体流通部材が画像により表される流体流通部品と、の接続関係を画面上に表示する表示制御部と、
前記流体流通部品の入力側または入出力側が直接接続される他の前記流体流通部品または前記流体制御部品である接続部品の出力側の流体の存在に関する情報である存在情報のみを参照する参照部と、
前記参照部によって参照された前記存在情報のみに基づき、前記流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定する決定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記決定部によって決定された前記存在状態を前記画面上に表示することを特徴とする状態表示装置。
【請求項2】
前記存在情報は、前記接続部品の出力側の流体の流量であり、
前記存在状態は、前記流体流通部品の内部の流体の流量であり、
前記表示制御部は、前記決定部によって決定される、前記流体流通部品の内部の流体の流量の変化に応じて、前記画面上に表示する前記存在状態の表示を変更することを特徴とする請求項1に記載の状態表示装置。
【請求項3】
前記決定部は、互いに接続される複数の前記流体流通部品の前記存在状態を決定し、
前記表示制御部は、前記決定部によって決定された前記複数の流体流通部品の前記存在状態に基づき、前記複数の流体流通部品に流体が流れる様子を前記画面上に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の状態表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の状態表示装置が表示する前記画面を作成する画面作成装置であって、
ユーザの操作により、前記画面を作成するための作画画面において前記流体流通部品が前記流体制御部品の出力側または入力側に直接接続された場合、前記流体流通部品が有する、前記接続部品と接続可能な複数の接続部に対して入力側または出力側のいずれであるかを示す入出力情報を設定する設定部を備えることを特徴とする画面作成装置。
【請求項5】
前記設定部は、ユーザの操作により前記作画画面において、前記流体流通部品が、前記入出力情報が設定されている前記他の流体流通部品に直接接続された場合、前記流体流通部品が有する前記複数の接続部に対して前記入出力情報を設定することを特徴とする請求項4に記載の画面作成装置。
【請求項6】
前記接続部品として、第1接続部品、第2接続部品、第3接続部品及び第4接続部品があり、
前記流体流通部品が2つの前記接続部を有しており、
ユーザの操作により前記作画画面において、前記流体流通部品が有する一方の前記接続部が、前記第1接続部品の出力側と、前記第2接続部品の入力側と、に直接接続されるとともに、
前記流体流通部品が有する他方の前記接続部が、前記第3接続部品の出力側と、前記第4接続部品の入力側と、に直接接続される場合、
前記設定部は、前記一方の接続部及び前記他方の接続部に対して入出力側であると設定することを特徴とする請求項4または5に記載の画面作成装置。
【請求項7】
ユーザの操作により前記作画画面において、前記入出力情報が設定されている複数の前記流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたか否かを、前記流体流通部品間の接続を示す接続情報に基づき判定する判定部と、
前記判定部により、前記複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたと判定された場合、入力側同士のみまたは出力側同士のみの接続を通知する通知部と、をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載の画面作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態表示装置及び画面作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機器状態判定部、配管状態判定部及び画面表示編集部を備え、プラント配管内部の媒体の状態をプロセス情報により可変表示する配管状態表示装置が開示されている。機器状態判定部は、プロセス情報から機器の状態を判定する。配管状態判定部は、プロセス情報と配管状態判定情報から配管状態を判定する。画面表示編集部は、配管状態判定情報と配管状態表示図形ファイルの画像情報から表示図形情報を編集して出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-187581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の配管状態表示装置では、配管状態を判定するために用いられる配管状態判定情報が、判定対象となる配管と間接的に接続されている機器の状態を参照するものである。このため、当該配管状態表示装置では、1つの系統に多くの機器が存在する場合、配管の状態を判定するための条件が指数関数的に増加し、配管の状態を判定するための構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定するための構成を簡素にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る状態表示装置は、流体の流れを制御する流体制御装置が画像により表される流体制御部品と、流体を流通させる流体流通部材が画像により表される流体流通部品と、の接続関係を画面上に表示する表示制御部と、前記流体流通部品の入力側または入出力側が直接接続される他の前記流体流通部品または前記流体制御部品である接続部品の出力側の流体の存在に関する情報である存在情報のみを参照する参照部と、前記参照部によって参照された前記存在情報のみに基づき、前記流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定する決定部と、を備え、前記表示制御部は、前記決定部によって決定された前記存在状態を前記画面上に表示する。
【0007】
決定部は、流体流通部品が直接接続される接続部品の出力側の流体の存在に関する情報である存在情報のみから、流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定する。これにより、状態表示装置は、流体流通部品が他の部品を介して間接的に接続する全ての接続部品の内部の流体の存在に関する情報を参照することなく、存在状態を決定できる。このため、存在状態を決定するための構成を簡素にできる。
【0008】
前記存在情報は、前記接続部品の出力側の流体の流量であり、前記存在状態は、前記流体流通部品の内部の流体の流量であり、前記表示制御部は、前記決定部によって決定される、前記流体流通部品の内部の流体の流量の変化に応じて、前記画面上に表示する前記存在状態の表示を変更してもよい。
【0009】
表示制御部は、流体流通部品の内部の流体の流量の変化に応じて、画面上に表示する存在状態の表示を変更するため、ユーザは、流体流通部品の内部の流体の流量を視覚的に確認することができる。
【0010】
前記決定部は、互いに接続される複数の前記流体流通部品の前記存在状態を決定し、前記表示制御部は、前記決定部によって決定された前記複数の流体流通部品の前記存在状態に基づき、前記複数の流体流通部品に流体が流れる様子を前記画面上に表示してもよい。
【0011】
決定部は、各流体流通部品について、流体流通部品が直接接続される接続部品の存在情報から、流体流通部品の存在状態を決定する。このため、ユーザが、複数の流体流通部品に流体が流れる様子を視覚的に確認することが可能な構成を容易に実現できる。
【0012】
本発明の一態様に係る画面作成装置は、前記状態表示装置が表示する前記画面を作成する画面作成装置であって、ユーザの操作により、前記画面を作成するための作画画面において前記流体流通部品が前記流体制御部品の出力側または入力側に直接接続された場合、前記流体流通部品が有する、前記接続部品と接続可能な複数の接続部に対して入力側または出力側のいずれであるかを示す入出力情報を設定する設定部を備えてもよい。
【0013】
ユーザが作画画面において流体流通部品を流体制御部品に直接接続することにより、設定部は流体流通部品の入出力情報を自動的に設定する。よって、流体制御部品に流体流通部品が直接接続される場合において、流体流通部品の入出力情報の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0014】
前記設定部は、ユーザの操作により前記作画画面において、前記流体流通部品が、前記入出力情報が設定されている前記他の流体流通部品に直接接続された場合、前記流体流通部品が有する前記複数の接続部に対して前記入出力情報を設定してもよい。
【0015】
ユーザが作画画面において流体流通部品を、入出力情報が設定されている他の流体流通部品に直接接続することにより、設定部は流体流通部品の入出力情報を自動的に設定する。よって、他の流体流通部品に流体流通部品が直接接続される場合において、流体流通部品の入出力情報の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0016】
前記接続部品として、第1接続部品、第2接続部品、第3接続部品及び第4接続部品があり、前記流体流通部品が2つの前記接続部を有しており、ユーザの操作により前記作画画面において、前記流体流通部品が有する一方の前記接続部が、前記第1接続部品の出力側と、前記第2接続部品の入力側と、に直接接続されるとともに、前記流体流通部品が有する他方の前記接続部が、前記第3接続部品の出力側と、前記第4接続部品の入力側と、に直接接続される場合、前記設定部は、前記一方の接続部及び前記他方の接続部に対して入出力側であると設定してもよい。
【0017】
流体流通部品が有する一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれに、接続部品の入力側及び別の接続部品の出力側の両方が接続される場合、一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれについて入力側または出力側のいずれであるかが不明となる。この場合、設定部は、一方の接続部及び他方の接続部に対して入出力側であると自動的に設定する。よって、一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれについて入力側または出力側のいずれであるかが不明となる場合であっても、一方の接続部及び他方の接続部の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0018】
前記画面作成装置は、ユーザの操作により前記作画画面において、前記入出力情報が設定されている複数の前記流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたか否かを、前記流体流通部品間の接続を示す接続情報に基づき判定する判定部と、前記判定部により、前記複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたと判定された場合、入力側同士のみまたは出力側同士のみの接続を通知する通知部と、をさらに備えてもよい。
【0019】
ユーザが作画画面において、流体流通部品同士を接続するとき、流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続された場合、ユーザは通知により入力側同士のみの接続状態または出力側同士のみの接続状態に気付くことができる。よって、ユーザは必要に応じて流体流通部品同士の接続を見直すなどの適切な対応をすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定するための構成を簡素にできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態1に係るコンピュータ機器の構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すコンピュータ機器が備える表示部に表示される流体制御部品及び流体流通部品の一例を示す図である。
図3図1に示すコンピュータ機器が備える表示部に表示される流体制御部品及び流体流通部品の接続関係を示す系統図の一例を示す図である。
図4図1に示すコンピュータ機器が備える制御部が流体流通部品の表示色を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
図5図4に示す処理のうち制御部が接続部品の出力側の存在状態を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
図6図1に示すコンピュータ機器が備える制御部が、流体流通部品に液体が流れる様子を示す動画を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
図7図6に示す処理のうち制御部が実行する動画表示処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態2に係るコンピュータ機器及びPCの構成の一例を示すブロック図である。
図9図8に示すPCが備える表示部が表示する作画画面の一例を示す図である。
図10図1に示すコンピュータ機器が備える表示部に表示される流体制御部品及び流体流通部品の接続関係を示す系統図の一例を示し、パイプ部品に流れる流体の方向について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
<コンピュータ機器1の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係るコンピュータ機器1の構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ機器1(状態表示装置)は、HMI(Human Machine Interface)アプリケーションプログラムを実行させることによりHMI機器として動作するともに、他のアプリケーションプログラムも併せて実行するように構成されている。
【0023】
HMI機器としては、制御対象の監視及び制御を行うプログラマブル表示器またはSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)のような制御システム等が該当する。HMIアプリケーションプログラムは、HMI機器で行われるような、外部機器との通信、当該外部機器から取得したデータの表示、及び、入力装置を用いた操作者による操作の受け付け等の各種の機能を実現するアプリケーションプログラムである。
【0024】
図1に示すように、コンピュータ機器1は、制御部11と、表示部12と、タッチパネル13と、ユーザメモリ14と、インタフェース部15と、内部メモリ16と、を備える。制御部11は、後述する画面ファイルに基づいて、PLC(Programmable Logic Controller)2と接続されたデバイス3の状態を表示する動作を特定する。また、制御部11は、画面ファイルに基づいて、ユーザによるタッチパネル13への操作に応じてデバイス3の状態を制御する動作を特定する。制御部11は、コンピュータ機器1の各部を制御する。
【0025】
制御部11は、表示制御部111と、参照部112と、決定部113と、設定受付部114と、記憶制御部115と、を有する。表示制御部111は、表示部12の表示を制御する。参照部112は、インタフェース部15を介して、PLC2が有する図示しないデバイスメモリ及び内部メモリ16に記憶されている情報を参照する。記憶制御部115は、内部メモリ16及び上記デバイスメモリへの情報の記憶を制御する。決定部113及び設定受付部114については後述する。
【0026】
表示部12は、ユーザが作成したファイル形式の画面データである画面ファイルに基づいて画面を表示するとともに、デバイス3の状態を表示する。画面ファイルは、表示及び操作に関する各種の処理を規定する処理規定情報が設定されたオブジェクトと、処理規定情報が設定されていないオブジェクトと、が複数組み合わせて作成されている。ユーザメモリ14は、画面ファイルを記憶する。インタフェース部15は、コンピュータ機器1がPLC2と通信を行うための通信部である。内部メモリ16は、コンピュータ機器1の内部において管理及び/または伝達される情報を一時的に記憶する。
【0027】
PLC2は、ユーザによって作成されたシーケンスプログラムにしたがって、予め定められたスキャンタイム毎に、デバイス3の状態を読み出したり、デバイス3に制御指示を与えたりする制御装置である。デバイス3は、アクチュエータ、リレーもしくはバルブ等の入力型デバイス、または、センサもしくはスイッチ等の出力型デバイスである。
【0028】
<流体制御部品及び流体流通部品について>
図2は、図1に示すコンピュータ機器1が備える表示部12に表示される流体制御部品及び流体流通部品の一例を示す図である。図2において、タンク部品T0、ポンプ部品P0及びバルブ部品VOは流体制御部品の一例であり、パイプ部品Q0は流体流通部品の一例である。
【0029】
流体制御部品は、液体または気体等の流体の流れを制御する流体制御装置が画像により表されたものであり、流体流通部品は、流体を流通させる流体流通部材が画像により表されたものである。流体制御装置は、コンピュータ機器1の監視対象であるタンク、ポンプまたはバルブ等である。流体流通部材は、コンピュータ機器1の監視対象であるパイプ等である。
【0030】
<タンク部品T0について>
図2の(A)及び(B)はタンク部品T0を示す図である。タンク部品T0は流体流通部品と接続される部品である。タンク部品T0は入力側接続部T1及び出力側接続部T2を有する。以降、入力側接続部は、流体が流入する側の接続部を意味し、出力側接続部は、流体が流出する側の接続部を意味するものとする。
【0031】
タンク部品T0の流体の存在に関する存在情報が、PLC2が有するデバイスメモリにおけるデバイスアドレスで特定されるメモリ領域に記憶されている。デバイスメモリに記憶される、タンク部品T0の流体の存在に関する存在情報としては、例えば、流体の貯蔵量または貯蔵割合の情報である。
【0032】
表示制御部111は、タンク部品T0の流体の有無をタンク部品T0の表示色により表示してもよい。また、表示制御部111は、図2の(A)及び(B)に示すように、タンク部品T0の流体の貯蔵量または貯蔵割合をタンク部品T0の表示要素T3により表示してもよい。図2の(A)の表示要素T3は、タンク部品T0の流体の貯蔵量が0であることを示し、図2の(B)の表示要素T3は、タンク部品T0の流体の貯蔵量が0ではない所定量であることを示している。
【0033】
ユーザメモリ14に記憶されている画面ファイルには、タンク部品T0のプロパティが設定されている。タンク部品T0のプロパティには、参照部112がタンク部品T0の流体の貯蔵量または貯蔵割合の情報を上記デバイスメモリから参照するように設定されている。PLC2は、タンクに設けられた液面センサによって検出されるタンク内の流体の液面の位置を示す数値を上記デバイスメモリに記憶する。参照部112は、上記デバイスメモリに記憶された当該数値に基づき、タンク部品T0の流体の貯蔵量または貯蔵割合を認識する。なお、タンク内の流体の貯蔵量については、液面センサに限らず、種々の方法で計測することができる。
【0034】
決定部113は、参照部112によって参照されたタンク部品T0の流体の貯蔵量または貯蔵割合に基づき、出力側接続部T2の流体の有無を決定する。出力側接続部T2の流体の有無は、タンク部品T0の流体の貯蔵量または貯蔵割合と連動する。タンク部品T0の流体の貯蔵量は、タンク部品T0に流体が無い場合に0となり、タンク部品T0に流体がある場合に0以外となる。
【0035】
また、入力側接続部T1の接続状態の有無、出力側接続部T2の接続状態の有無、入力側接続部T1の流体の有無、及び、出力側接続部T2の流体の有無の情報は、記憶制御部115によって内部情報として内部メモリ16に記憶されている。参照部112は、これらの接続状態の有無の情報、及び、流体の有無の情報を内部メモリ16から参照する。
【0036】
<バルブ部品V0について>
図2の(C)及び(D)はバルブ部品V0を示す図である。バルブ部品V0は流体流通部品と接続される部品である。バルブ部品V0は第1接続部V1及び第2接続部V2を有する。第1接続部V1及び第2接続部V2のうち、流体流通部品の出力側接続部に接続した一方が入力側接続部となり、他方が出力側接続部となる。バルブ部品V0の流体の存在に関する存在情報は、記憶制御部115によって内部メモリ16に記憶されている。内部メモリ16に記憶される、バルブ部品V0の流体の存在に関する存在情報としては、例えば、流体の有無の情報である。
【0037】
また、バルブ部品V0の開閉状態として、バルブ部品V0が開いているか否かの情報、及び/または、バルブ部品V0の弁開度が上記デバイスメモリに記憶されている。バルブ部品V0の弁開度は、数値で表わされる。表示制御部111は、図2の(C)及び(D)に示すように、バルブ部品V0の開閉状態をバルブ部品V0の表示色により表示してもよい。図2の(C)は、バルブ部品V0の表示色が黒色である場合に、バルブ部品V0が閉じている状態を示しており、図2の(D)は、バルブ部品V0の表示色が白色である場合に、バルブ部品V0が開いている状態を示している。
【0038】
ユーザメモリ14に記憶されている画面ファイルには、バルブ部品V0のプロパティが設定されている。バルブ部品V0のプロパティには、参照部112がバルブ部品V0の開閉状態の情報を上記デバイスメモリから参照するように設定されている。
【0039】
参照部112は、第1接続部V1及び第2接続部V2のうち入力側接続部となる一方に接続されている流体流通部品の出力側接続部の流体の有無と、バルブ部品V0の開閉状態と、を参照する。決定部113は、参照部112によって参照された流体の有無と、バルブ部品V0の開閉状態と、に基づき、第1接続部V1及び第2接続部V2のうち出力側接続部となる他方の流体の有無を決定する。
【0040】
また、参照部112は、第1接続部V1の接続状態の有無、第2接続部V2の接続状態の有無、第1接続部V1の流体の有無、及び、第2接続部V2の流体の有無の情報を内部メモリ16から参照する。
【0041】
さらに、設定受付部114は、ユーザによるタッチパネル13の操作に基づき、バルブ部品V0の開閉状態の設定変更を受け付ける。記憶制御部115は、設定受付部114により受け付けられた設定変更を上記デバイスメモリに記憶されている情報に反映させる。
【0042】
<ポンプ部品P0について>
図2の(E)及び(F)はポンプ部品P0を示す図である。ポンプ部品P0は流体流通部品と接続される部品である。ポンプ部品P0は入力側接続部P1及び出力側接続部P2を有する。ポンプ部品P0の流体の存在に関する存在情報は、記憶制御部115によって内部メモリ16に記憶されている。内部メモリ16に記憶される、ポンプ部品P0の流体の存在に関する存在情報としては、例えば、流体の有無の情報である。
【0043】
また、ポンプ部品P0の稼動状態が上記デバイスメモリに記憶されている。表示制御部111は、図2の(E)及び(F)に示すように、ポンプ部品P0の稼動状態または非稼動状態をポンプ部品P0の表示色により表示してもよい。図2の(E)は、ポンプ部品P0の表示色が白色である場合に、ポンプ部品P0が稼動していない状態を示しており、図2の(F)は、ポンプ部品P0の表示色が黒色である場合に、ポンプ部品P0が稼動している状態を示している。
【0044】
ユーザメモリ14に記憶されている画面ファイルには、ポンプ部品P0のプロパティが設定されている。ポンプ部品P0のプロパティには、参照部112がポンプ部品P0の稼動状態の情報を上記デバイスメモリから参照するように設定されている。
【0045】
参照部112は、入力側接続部P1が直接接続される流体流通部品の出力側接続部の流体の有無を参照する。決定部113は、参照部112によって参照された流体の有無と、ポンプ部品P0の稼働状態と、に基づき、出力側接続部P2の流体の有無を決定する。また、参照部112は、入力側接続部P1の接続状態の有無、出力側接続部P2の接続状態の有無、入力側接続部P1の流体の有無、及び、出力側接続部P2の流体の有無の情報を内部メモリ16から参照する。
【0046】
また、設定受付部114は、ユーザによるタッチパネル13の操作に基づき、ポンプ部品P0の稼動状態の設定変更を受け付ける。記憶制御部115は、設定受付部114により受け付けられた設定変更を上記デバイスメモリに記憶されている情報に反映させる。
【0047】
<パイプ部品Q0について>
図2の(G)、(H)及び(I)はパイプ部品Q0を示す図である。パイプ部品Q0は流体制御部品または流体流通部品と接続される部品である。パイプ部品Q0は第1接続部Q1及び第2接続部Q2を有する。第1接続部Q1及び第2接続部Q2のうち、流体制御部品または流体流通部品の出力側接続部に接続した一方が入力側接続部となり、他方が出力側接続部となる。
【0048】
第1接続部Q1及び第2接続部Q2に複数のパイプ部品Q0を接続することにより、複数のパイプ部品Q0を分岐させる、または、合流させることが可能であってもよい。パイプ部品Q0の流体の存在に関する存在情報は、記憶制御部115によって内部メモリ16に記憶されている。内部メモリ16に記憶される、パイプ部品Q0の流体の存在に関する存在情報としては、例えば、流体の有無の情報である。
【0049】
表示制御部111は、図2の(G)及び(H)に示すように、パイプ部品Q0の流体の有無をパイプ部品Q0の表示色により表示してもよい。図2の(G)は、パイプ部品Q0の表示色が白色である場合に、パイプ部品Q0に流体が無い状態を示しており、図2の(H)は、パイプ部品Q0の表示色が黒色である場合に、パイプ部品Q0に流体がある状態を示している。
【0050】
また、表示制御部111は、図2の(I)に示すように、パイプ部品Q0に流体がある場合、第1接続部Q1及び第2接続部Q2の近傍に、流体が流れる方向を示す矢印を表示してもよい。流体が流れる方向は次のように決定される。参照部112は、第1接続部Q1が直接接続される流体制御部品または流体流通部品の出力側接続点の流体の存在に関する存在情報と、第2接続部Q2が直接接続される流体制御部品または流体流通部品の出力側接続点の流体の存在に関する存在情報と、を参照する。決定部113は、参照部112によって参照されたこれらの存在情報に基づき、流体が流れる方向を決定する。
【0051】
表示制御部111は、パイプ部品Q0に流体がある場合、パイプ部品Q0に流体が流れる様子を示す動画を表示してもよい。動画としては、例えば、パイプ部品Q0のうち黒色の領域が、流体が流れる方向に徐々に大きくなる様子を表示するものであってもよい。また、動画としては、パイプ部品Q0の内部において円または三角形等の複数の図形が、流体が流れる方向に移動するものであってもよい。
【0052】
複数のパイプ部品Q0の出力側接続部に1つのパイプ部品Q0が接続されている場合を考える。この場合、表示制御部111は、当該1つのパイプ部品Q0の表示色を、上記1つのパイプ部品Q0が接続している複数のパイプ部品Q0の表示色が混ざることにより生成される色にしてもよい。
【0053】
ユーザメモリ14に記憶されている画面ファイルには、パイプ部品Q0のプロパティが設定されている。パイプ部品Q0のプロパティには、参照部112がパイプ部品Q0の流体の有無の情報を内部メモリ16から参照するように設定されている。また、パイプ部品Q0のプロパティには、パイプ部品Q0に流体がある場合のパイプ部品Q0の第1表示色、パイプ部品Q0に流体が無い場合のパイプ部品Q0の第2表示色、パイプ部品Q0の太さ、及び、流体が流れる様子を示す動画が設定されている。
【0054】
流体が流れる様子を示す動画については、動画の有無及び動画の時間等が設定される。動画が有りに設定されている場合、パイプ部品Q0の全てに黒色の領域が占めた後に、パイプ部品Q0に流体が有ることが記憶制御部115によって内部メモリ16に記憶される。
【0055】
参照部112は、第1接続部Q1及び第2接続部Q2のうち入力側接続部となる一方に接続されている流体制御部品または流体流通部品の出力側接続部の流体の有無を参照する。決定部113は、参照部112によって参照された流体の有無に基づき、第1接続部Q1及び第2接続部Q2のうち出力側接続部となる他方の流体の有無を決定する。また、参照部112は、第1接続部Q1の接続状態の有無、第2接続部Q2の接続状態の有無、第1接続部Q1の流体の有無、及び、第2接続部Q2の流体の有無の情報を内部メモリ16から参照する。
【0056】
<流体制御部品と流体流通部品との接続について>
図3は、図1に示すコンピュータ機器1が備える表示部12に表示される流体制御部品及び流体流通部品の接続関係を示す系統図の一例を示す図である。図3の(A)は、タンク部品TA0とタンク部品TB0とがパイプ部品QA0を介して接続されている状態を示す図である。図3の(B)は、タンク部品TA0とタンク部品TB0とが複数のパイプ部品及び複数のバルブ部品を介して接続されている状態を示す図である。
【0057】
図3の(A)に示すように、タンク部品TA0の出力側接続部TA2には、パイプ部品QA0の第1接続部QA1が接続されており、タンク部品TB0の入力側接続部TB1には、パイプ部品QA0の第2接続部QA2が接続されている。この場合、ユーザメモリ14に記憶されている画面ファイルには、入力側接続部TA1の接続状態が無しに設定されており、出力側接続部TA2の接続状態は有りに設定されている。また、第1接続部QA1は入力側接続部となり、第2接続部QA2は出力側接続部となる。
【0058】
上記画面ファイルには、パイプ部品QA0の情報として、第1接続部QA1の接続状態及び第2接続部QA2の接続状態がともに有りに設定されている。上記画面ファイルには、タンク部品TB0の情報として、入力側接続部TB1の接続状態が有りに設定されており、出力側接続部TB2の接続状態は無しに設定されている。
【0059】
表示制御部111は、タンク部品TA0、パイプ部品QA0及びタンク部品TB0の接続関係を表示部12の画面上に表示する。参照部112は、タンク部品TA0の流体の存在に関する存在情報を上記デバイスメモリから参照する。参照部112は、上記デバイスメモリから参照した存在情報に基づき、タンク部品TA0の流体の貯蔵量または貯蔵割合を認識する。
【0060】
決定部113は、参照部112によって認識されたタンク部品TA0の流体の貯蔵量または貯蔵割合に基づき、タンク部品TA0の出力側接続部TA2に流体があるという存在状態を決定する。記憶制御部115は、決定部113によって決定された存在状態について、タンク部品TA0の出力側接続部TA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0061】
参照部112は、パイプ部品QA0の第1接続部QA1が直接接続されるタンク部品TA0の出力側接続部TA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって内部メモリ16において参照された存在情報に基づき、パイプ部品QA0の第1接続部QA1及び第2接続部QA2に流体があるという存在状態を決定する。
【0062】
表示制御部111は、パイプ部品QA0の表示色を白色から黒色に変更する。記憶制御部115は、パイプ部品QA0の第1接続部QA1及び第2接続部QA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16に記憶する。記憶制御部115は、パイプ部品QA0の存在情報を内部メモリ16に記憶するため、コンピュータ機器1とPLC2との間において、パイプ部品QA0の存在情報についての設定及び通信を削減することができる。
【0063】
また、参照部112は、タンク部品TB0に流体があるという存在情報を上記デバイスメモリから参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、タンク部品TB0の出力側接続部TB2に流体があるという存在状態を決定する。
【0064】
表示制御部111は、タンク部品TB0の流体の貯蔵量をタンク部品TB0の表示要素TB3により表示する。記憶制御部115は、デバイスメモリにリアルタイムに書き込まれた液面センサなどの値に基づいて、タンク部品TB0の流体の貯蔵量を示す存在情報を内部メモリ16に記憶する。また、表示制御部111は、第1接続部QA1及び第2接続部QA2の近傍に、流体が流れる方向を示す矢印を表示する。
【0065】
図3の(B)に示すように、タンク部品TA0の出力側接続部TA2には、パイプ部品QB0の第1接続部QB1が接続されており、パイプ部品QB0の第2接続部QB2には、バルブ部品VA0の第1接続部VA1が接続されている。これにより、第1接続部QB1は入力側接続部となり、第2接続部QB2は出力側接続部となる。また、第1接続部VA1は入力側接続部となり、バルブ部品VA0の第2接続部VA2は出力側接続部となる。
【0066】
バルブ部品VA0の第2接続部VA2には、パイプ部品QA0の第1接続部QA1が接続されており、パイプ部品QA0の第2接続部QA2には、バルブ部品VB0の第1接続部VB1が接続されている。これにより、第1接続部QA1は入力側接続部となり、第2接続部QA2は出力側接続部となる。また、第1接続部VB1は入力側接続部となり、バルブ部品VB0の第2接続部VB2は出力側接続部となる。
【0067】
バルブ部品VB0の第2接続部VB2には、パイプ部品QC0の第1接続部QC1が接続されており、パイプ部品QC0の第2接続部QC2には、タンク部品TB0の入力側接続部TB1が接続されている。これにより、第1接続部QC1は入力側接続部となり、第2接続部QC2は出力側接続部となる。
【0068】
この場合、上記画面ファイルに記憶される各部品の情報として、タンク部品TA0の入力側接続部TA1及びタンク部品TB0の出力側接続部TB2の接続状態が無しに設定されている。また、第1接続部QB1、第2接続部QB2、第1接続部VA1、第2接続部VA2、第1接続部QA1、第2接続部QA2、第1接続部VB1、第2接続部VB2、第1接続部QC1、第2接続部QC2及び入力側接続部TB1の接続状態が有りに設定されている。
【0069】
表示制御部111は、タンク部品TA0、パイプ部品QB0、バルブ部品VA0、パイプ部品QA0、バルブ部品VB0、パイプ部品QC0及びタンク部品TB0の接続関係を表示部12の画面上に表示する。参照部112は、パイプ部品QB0の第1接続部QB1が直接接続されるタンク部品TA0の出力側接続部TA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、パイプ部品QB0の第1接続部QB1及び第2接続部QB2に流体があるという存在状態を決定する。記憶制御部115は、パイプ部品QB0の第1接続部QB1及び第2接続部QB2に流体があるという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0070】
参照部112は、バルブ部品VA0の第1接続部VA1が直接接続されるパイプ部品QB0の第2接続部QB2に流体があるという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、バルブ部品VA0の第1接続部VA1に流体があるという存在状態を決定する。
【0071】
また、参照部112は、バルブ部品VA0が開いているという情報を上記デバイスメモリから参照し、決定部113は、参照部112によって参照された情報に基づき、バルブ部品VA0の第2接続部VA2に流体があるという存在状態を決定する。表示制御部111は、バルブ部品VA0を白色で表示する。記憶制御部115は、バルブ部品VA0の第1接続部VA1及び第2接続部VA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0072】
さらに、参照部112は、パイプ部品QA0の第1接続部QA1が直接接続されるバルブ部品VA0の第2接続部VA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、パイプ部品QA0の第1接続部QA1及び第2接続部QA2に流体があるという存在状態を決定する。記憶制御部115は、パイプ部品QA0の第1接続部QA1及び第2接続部QA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0073】
参照部112は、バルブ部品VB0の第1接続部VB1が直接接続されるパイプ部品QA0の第2接続部QA2に流体があるという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、バルブ部品VB0の第1接続部VB1に流体があるという存在状態を決定する。
【0074】
また、参照部112は、バルブ部品VB0が閉じているという情報を上記デバイスメモリから参照し、決定部113は、参照部112によって参照された情報に基づき、バルブ部品VB0の第2接続部VB2に流体が無いという存在状態を決定する。表示制御部111は、バルブ部品VB0を黒色で表示する。記憶制御部115は、バルブ部品VB0の第1接続部VB1に流体があり、第2接続部VB2に流体が無いという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0075】
さらに、参照部112は、パイプ部品QC0の第1接続部QC1が直接接続されるバルブ部品VB0の第2接続部VB2に流体が無いという存在情報を内部メモリ16から参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、パイプ部品QC0の第1接続部QC1及び第2接続部QC2に流体が無いという存在状態を決定する。記憶制御部115は、パイプ部品QC0の第1接続部QC1及び第2接続部QC2に流体が無いという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0076】
参照部112は、タンク部品TB0に流体が無いという存在情報を上記デバイスメモリから参照する。決定部113は、参照部112によって参照された存在情報に基づき、タンク部品TB0の出力側接続部TB2に流体が無いという存在状態を決定する。
【0077】
表示制御部111は、タンク部品TB0に流体が無いことをタンク部品TB0の表示要素TB3により表示する。記憶制御部115は、タンク部品TB0に流体が無いという存在情報を内部メモリ16に記憶する。
【0078】
以上のように、表示制御部111は、流体制御部品と流体流通部品との接続関係を表示部12の画面上に表示する。また、決定部113によって流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態が決定される場合において、参照部112は存在情報のみを参照する。存在情報は、流体流通部品の入力側または入出力側が直接接続される他の流体流通部品または流体制御部品である接続部品の出力側の流体の存在に関する情報である。さらに、決定部113は、参照部112によって参照された存在情報のみに基づき、上記存在状態を決定し、表示制御部111は、決定部113によって決定された存在状態を表示部12の画面上に表示する。
【0079】
決定部113は、流体流通部品が直接接続される接続部品の出力側の流体の存在に関する情報である存在情報のみから、流体流通部品の内部の流体の存在に関する状態である存在状態を決定する。これにより、コンピュータ機器1は、流体流通部品が他の部品を介して間接的に接続する全ての接続部品の内部の流体の存在に関する情報を参照することなく、存在状態を決定できる。このため、存在状態を決定するための構成を簡素にできる。
【0080】
また、ある流体流通部品の流体に関する存在状態を決定する場合、流体流通部品が直接接続される接続部品の出力側の存在情報が、上記デバイスメモリから内部メモリ16を経由して参照部112によって参照される。このため、参照部112が参照する存在情報の参照先を上記デバイスメモリに設定する必要が無く、当該参照先の設定及び変更が容易になる。さらに、流体流通部品が直接接続される接続部品の出力側の存在情報により、個々の流体流通部品を連動させることができるため、多数の流体流通部品を使用する場合、参照先の設定及び変更を行う手間を削減できる。
【0081】
なお、参照部112によって参照される存在情報は、接続部品の出力側の流体の流量であってもよく、決定部113によって決定される存在状態は、流体流通部品の内部の流体の流量であってもよい。この場合、表示制御部111は、決定部113によって決定される、流体流通部品の内部の流体の流量の変化に応じて、表示部12の画面上に表示する存在状態の表示を変更する。
【0082】
例えば、表示制御部111は、パイプ部品QA0,QB0,QC0の内部の流体の流量の変化に応じて、パイプ部品QA0,QB0,QC0の表示色を変更してもよい。また、表示制御部111は、パイプ部品QA0,QB0,QC0の内部において円または三角形等の複数の図形が、流体が流れる方向に移動する速度を変更してもよい。
【0083】
このように、表示制御部111は、流体流通部品の内部の流体の流量の変化に応じて、表示部12の画面上に表示する存在状態の表示を変更するため、ユーザは、流体流通部品の内部の流体の流量を視覚的に確認することができる。
【0084】
<流体流通部品の表示色の決定について>
図4は、図1に示すコンピュータ機器1が備える制御部11が流体流通部品の表示色を決定する処理の一例を示すフローチャートである。図5は、図4に示す処理のうち制御部11が接続部品の出力側の存在状態を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図4に示すように、決定部113は、参照部112によって参照された参照情報に基づき、流体流通部品の入力側接続部に接続された接続部品の出力側接続部の存在状態を決定する(S1)。ステップS1のサブルーチン処理について、図5に基づいて詳細に説明する。
【0086】
図5に示すように、参照部112によって参照された、流体流通部品の入力側接続部の接続状態の有無に基づき、決定部113は、流体流通部品の入力側接続部に接続部品が接続されているか否かを判定する(S11)。決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に接続部品が接続されていないと判定した場合(S11にてNO)、流体流通部品についてフラグをオフにする(S12)。記憶制御部115は、フラグがオフであるという情報を内部メモリ16に記憶する。そして、後述するステップS2の処理に進む。
【0087】
決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に接続部品が接続されていると判定した場合(S11にてYES)を考える。この場合、参照部112によって参照された、接続部品の出力側接続部の流体の存在情報に基づき、決定部113は、接続部品の出力側接続部に流体があるか否かを判定する(S13)。決定部113が、接続部品の出力側接続部に流体が無いと判定した場合(S13にてNO)、ステップS12の処理に進む。
【0088】
決定部113は、接続部品の出力側接続部に流体があると判定した場合(S13にてYES)、参照部112によって参照された接続部品の種類の情報に基づき、接続部品がバルブ部品であるか否かを判定する(S14)。決定部113が、接続部品がバルブ部品であると判定した場合(S14にてYES)、参照部112によって参照されたバルブ部品の開閉状態の情報に基づき、バルブ部品が開いている状態であるか否かを判定する(S15)。
【0089】
決定部113が、バルブ部品が閉じている状態であると判定した場合(S15にてNO)、ステップS12の処理に進む。決定部113が、バルブ部品が開いている状態であると判定した場合(S15にてYES)、後述するステップS18の処理に進む。
【0090】
決定部113が、接続部品がバルブ部品ではないと判定した場合(S14にてNO)、参照部112によって参照された接続部品の種類の情報に基づき、接続部品がポンプ部品であるか否かを判定する(S16)。決定部113が、接続部品がポンプ部品であると判定した場合(S16にてYES)、参照部112によって参照されたポンプ部品の稼動状態に基づき、ポンプ部品が稼動している状態であるか否かを判定する(S17)。
【0091】
決定部113が、ポンプ部品が稼動している状態ではないと判定した場合(S17にてNO)、ステップS12の処理に進む。決定部113が、ポンプ部品が稼動している状態であると判定した場合(S17にてYES)、後述するステップS18の処理に進む。決定部113が、接続部品がポンプ部品ではないと判定した場合(S16にてNO)、流体流通部品についてフラグをオンにする(S18)。記憶制御部115は、フラグがオンであるという情報を内部メモリ16に記憶する。サブルーチンの処理が終了すると、メインルーチンにおいて後述するステップS2の処理に進む。
【0092】
ステップS1の処理の後、決定部113は、参照部112によって参照されたフラグの情報に基づき、フラグがオンであるか否かを判定する(S2)。決定部113が、フラグがオンであると判定した場合(S2にてYES)、表示制御部111は、流体流通部品の表示色を第1表示色にする(S3)。ステップS3の処理の後、決定部113は、流体流通部品の出力側接続部に流体があるという存在状態を決定する(S4)。
【0093】
決定部113が、フラグがオフであると判定した場合(S2にてNO)、表示制御部111は、流体流通部品の表示色を第2表示色にする(S5)。ステップS5の処理の後、決定部113は、流体流通部品の出力側接続部に流体が無いという存在状態を決定する(S6)。
【0094】
なお、ステップS13の処理において、流体流通部品の入力側接続部に複数の接続部品の出力側接続部が接続されている場合、決定部113は、複数の接続部品の出力側接続部のそれぞれに対して流体があるか否かを判定する。そして、決定部113は、複数の接続部品の出力側接続部の少なくとも1つに流体があると判定した場合、ステップS14の処理に進む。この場合、流体があると判定された接続部品の出力側接続部について、ステップS14以降の処理が実行される。
【0095】
<パイプ部品に流体が流れる様子を示す動画について>
図6は、図1に示すコンピュータ機器1が備える制御部11が、流体流通部品に液体が流れる様子を示す動画を表示する処理の一例を示すフローチャートである。図7は、図6に示す処理のうち制御部11が実行する動画表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
図6に示すように、参照部112によって参照された動画の有無の設定の情報に基づき、表示制御部111は、動画が有りか否かを判定する(S21)。表示制御部111が、動画が無いと判定した場合(S21にてNO)、処理を終了する。
【0097】
表示制御部111が、動画が有ると判定した場合(S21にてYES)、決定部113は、図4のステップS1の処理と同じ処理であるステップS22の処理を実行する。決定部113は、ステップS22の処理を実行した後、ステップS2と同様に、フラグがオンであるか否かを判定する(S23)。
【0098】
決定部113は、フラグがオンであると判定した場合(S23にてYES)、参照部112によって参照された、接続部品の出力側接続部の流体の存在情報に基づき、流体流通部品の入力側接続部に流体があるか否かを判定する(S24)。決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に流体があると判定した場合(S24にてYES)、処理を終了する。決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に流体が無いと判定した場合(S24にてNO)、表示制御部111は、動画表示処理を実行する(S25)。
【0099】
ステップS25のサブルーチン処理について、図7に基づいて詳細に説明する。表示制御部111は、流体流通部品に対する動画表示処理が完了しているか否かを判定する(S31)。表示制御部111は、動画表示処理が完了していないと判定した場合(S31にてNO)、所定の速度に応じて、流体流通部品のうち一部の領域を第1表示色にする(S32)。当該所定の速度は、流体流通部品のうち第1表示色の領域が大きくなる速度である。ステップS32の処理の後、ステップS31の処理に進む。
【0100】
表示制御部111が、動画表示処理が完了していると判定した場合(S31にてYES)、流体流通部品の全体を第1表示色にする(S33)。表示制御部111が流体流通部品の全体を第1表示色にした後、決定部113は、流体流通部品の出力側接続部に流体があるという存在状態を決定し、処理を終了する(S34)。
【0101】
メインルーチンにおいて、決定部113は、フラグがオフであると判定した場合(S23にてNO)、参照部112によって参照された、流体流通部品の入力側接続部の流体の有無に基づき、流体流通部品の入力側接続部に流体があるか否かを判定する(S26)。決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に流体が無いと判定した場合(S26にてNO)、処理を終了する。
【0102】
決定部113が、流体流通部品の入力側接続部に流体があると判定した場合(S26にてYES)、表示制御部111は、流体流通部品の表示色を第2表示色にする(S27)。表示制御部111が流体流通部品の表示色を第2表示色にした後、決定部113は、流体流通部品の出力側接続部に流体が無いと決定する(S28)。制御部11は、互いに接続される複数の流体流通部品に対してステップS21~S28の処理を実行する。
【0103】
以上のように、決定部113は、互いに接続される複数の流体流通部品の存在状態を決定する。そして、表示制御部111は、決定部113によって決定された複数の流体流通部品の存在状態に基づき、複数の流体流通部品に流体が流れる様子を表示部12の画面上に表示する。
【0104】
決定部113は、各流体流通部品について、流体流通部品が直接接続される接続部品の存在情報から、流体流通部品の存在状態を決定する。このため、ユーザが、複数の流体流通部品に流体が流れる様子を視覚的に確認することが可能な構成を容易に実現できる。
【0105】
表示制御部111による複数の流体流通部品に流体が流れる様子についても、個々の流体流通部品で連動させることができるため、流体流通部品から他の流体流通部品への表示タイミングを調整するようなユーザプログラムは不要になる。また、流体流通部品への動画表示は、流体流通部品の入力側接続部に流体がある状態になったときに開始され、所定の速度で実行される。流体流通部品への動画表示が完了したときに、流体流通部品の出力側接続部の流体の存在状態について、流体無しの状態から流体ありの状態に変更される。よって、一連の複数の流体流通部品に対して動画表示を自動的に実行できる。
【0106】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図8は、本発明の実施形態2に係るコンピュータ機器1及びPC4の構成の一例を示すブロック図である。
【0107】
<PC4の構成>
図1に示すように、PC(Personal Computer)4は、制御部21と、表示部22と、操作部23と、記憶部24と、インタフェース部25と、を備える。PC4は、コンピュータ機器1が表示する画面を作成する画面作成装置である。制御部21は、PC4の各部を制御する。制御部21は、設定部211と、判定部212と、通知部213と、を有する。制御部21が有する各部の詳細については後述する。
【0108】
表示部22は、ユーザが画面を作成するための作画画面を表示する。操作部23は、例えば、ユーザがデータの入力を行うためのキーボードやユーザが操作を行うためのマウスである。記憶部24は、PC4での処理内容を記憶するとともに、ユーザによって作成された1つ以上の作画画面を含む画面ファイルを記憶する。インタフェース部25は、PC4がコンピュータ機器1と通信を行うための通信部である。インタフェース部25は、記憶部24に記憶されている画面ファイルをコンピュータ機器1に送信する。
【0109】
<流体制御部品及び流体流通部品の設定変更について>
図2に示すタンク部品T0、バルブ部品V0、ポンプ部品P0及びパイプ部品Q0は、ユーザが操作部23を操作することにより作画画面を作成する場合、PC4の表示部22に表示される。
【0110】
設定部211は、ユーザによる操作部23の操作に基づき、タンク部品T0、バルブ部品V0、ポンプ部品P0及びパイプ部品Q0の上述したプロパティの設定変更を受け付ける。設定部211は、受け付けた設定変更を記憶部24に記憶されている画面ファイルの情報に反映させる。
【0111】
<表示部22が表示する作画画面について>
図9は、図8に示すPC4が備える表示部22が表示する作画画面の一例を示す図である。図9の(A)は、流体流通部品に他の流体流通部品が接続される様子を示す図であり、図9の(B)は、複数の流体制御部品及び複数の流体流通部品が接続されている状態を示す図である。ユーザは操作部23を操作することにより、図9に示すような作画画面を作成することができる。図9の(A)及び(B)においては、いずれの流体制御部品及び流体流通部品にも流体が無いものとする。
【0112】
ユーザによる操作部23の操作により、図9の(A)に示すように、パイプ部品QB0の第1接続部QB1がタンク部品TA0の出力側接続部TA2に接続される場合を考える。この場合、設定部211は、第1接続部QB1を入力側接続部に設定するとともに、パイプ部品QB0の第2接続部QB2を出力側接続部に設定する。以降で説明する内容について、設定部211は、設定した内容を記憶部24に記憶されている画面ファイルに記憶する。
【0113】
また、ユーザによる操作部23の操作により、パイプ部品QE0の第2接続部QE2がタンク部品TD0の入力側接続部TD1に接続される場合を考える。この場合、設定部211は、パイプ部品QE0の第1接続部QE1を入力側接続部に設定するとともに、第2接続部QE2を出力側接続部に設定する。
【0114】
このように、設定部211は、ユーザによる操作部23の操作により、画面を作成するための作画画面において流体流通部品が流体制御部品の出力側または入力側に直接接続された場合を考える。この場合、設定部211は、流体流通部品が有する、接続部品と接続可能な複数の接続部に対して入力側または出力側のいずれであるかを示す入出力情報を設定する。
【0115】
ユーザが作画画面において流体流通部品を流体制御部品に直接接続することにより、設定部211は流体流通部品の入出力情報を自動的に設定する。よって、流体制御部品に流体流通部品が直接接続される場合において、流体流通部品の入出力情報の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0116】
さらに、パイプ部品QB0がタンク部品TA0に接続されており、かつ、パイプ部品QE0がタンク部品TD0に接続されていない状態を考える。この状態では、第2接続部QB2が出力側接続部に設定されており、第1接続部QE1及び第2接続部QE2には入出力情報は設定されていない。この状態において、ユーザによる操作部23の操作により、第1接続部QE1が第2接続部QB2に接続されると、設定部211は、第1接続部QE1を入力側接続部に設定するとともに、第2接続部QE2を出力側接続部に設定する。
【0117】
このように、設定部211は、ユーザによる操作部23の操作により、作画画面において、流体流通部品が、入出力情報が設定されている他の流体流通部品に直接接続された場合を考える。この場合、設定部211は、流体流通部品が有する複数の接続部に対して入出力情報を設定する。
【0118】
ユーザが作画画面において流体流通部品を、入出力情報が設定されている他の流体流通部品に直接接続することにより、設定部211は流体流通部品の入出力情報を自動的に設定する。よって、他の流体流通部品に流体流通部品が直接接続される場合において、流体流通部品の入出力情報の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0119】
また、パイプ部品QD0の第1接続部QD1が、出力側接続部に設定された第2接続部QB2と、入力側接続部に設定された第1接続部QE1と、に接続される場合を考える。この場合、設定部211は、第2接続部QD2に何も接続されていないことに基づき、パイプ部品QD0の第1接続部QD1及び第2接続部QD2を、接続状態が未決定である接続部に設定する。
【0120】
さらに、図9の(A)に示すように、タンク部品TC0にパイプ部品QF0が接続され、タンク部品TB0にパイプ部品QC0が接続されている状態を考える。この状態において、ユーザによる操作部23の操作により、図9の(A)及び(B)に示すように、パイプ部品QD0にパイプ部品QF0及びパイプ部品QC0が接続される場合を考える。
【0121】
この場合、設定部211は、パイプ部品QF0の第2接続部QF2を出力側接続部に設定しており、パイプ部品QC0の第1接続部QC1を入力側接続部に設定している。ユーザによる操作部23の操作により、第2接続部QD2に第2接続部QF2及び第1接続部QC1が接続されると、設定部211は、パイプ部品QD0の第1接続部QD1及び第2接続部QD2を入出力側接続部に設定する。入出力側接続部は、流体が流入する側、または、流体が流出する側の接続部を意味する。
【0122】
ここで、流体流通部品の入力側または入出力側が直接接続される他の流体流通部品または流体制御部品である接続部品として、第1接続部品、第2接続部品、第3接続部品及び第4接続部品があり、流体流通部品は2つの接続部を有しているものとする。この場合において、ユーザによる操作部23の操作により、作画画面において、流体流通部品が有する一方の接続部が、第1接続部品の出力側と、第2接続部品の入力側と、に直接接続される。また、流体流通部品が有する他方の接続部が、第3接続部品の出力側と、第4接続部品の入力側と、に直接接続される。このとき、設定部211は、一方の接続部及び他方の接続部に対して入出力側であると設定する。
【0123】
流体流通部品が有する一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれに、接続部品の入力側及び別の接続部品の出力側の両方が接続される場合、一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれについて入力側または出力側のいずれであるかが不明となる。この場合、設定部211は、一方の接続部及び他方の接続部に対して入出力側であると自動的に設定する。よって、一方の接続部及び他方の接続部のそれぞれについて入力側または出力側のいずれであるかが不明となる場合であっても、一方の接続部及び他方の接続部の設定作業については、人手を介さずに自動的に行われる。
【0124】
また、図9の(A)に示すように、タンク部品TC0にパイプ部品QF0が接続され、タンク部品TB0にパイプ部品QC0が接続されている状態を考える。この状態において、ユーザによる操作部23の操作により、第2接続部QD2に第2接続部QF2のみが接続されると、設定部211は、第1接続部QD1を出力側接続部に設定し、第2接続部QD2を入力側接続部に設定する。
【0125】
一方、ユーザによる操作部23の操作により、第2接続部QD2に第1接続部QC1のみが接続されると、設定部211は、第1接続部QD1を入力側接続部に設定し、第2接続部QD2を出力側接続部に設定する。このように、流体流通部品を接続する順序によって入力側及び出力側の設定が変化する。
【0126】
ユーザによる操作部23の操作により、全ての部品の接続が完了、つまり、作画が完了した時点で、設定部211は、全ての部品の接続部を入力側接続部、出力側接続部または入出力側接続部のいずれかに自動的に分類する。図9の(B)に示すように、パイプ部品QD0以外のパイプ部品については、接続部の近傍に流体が流れる方向を示す矢印が表示され、流体が流れる方向が定まっている。パイプ部品QD0については、接続部の近傍に流体が流れる方向が定まっていないことを示す星型の印が表示されている。
【0127】
<判定部212及び通知部213について>
判定部212は、ユーザによる操作部23の操作により、作画画面において、入出力情報が設定されている複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたか否かを、流体流通部品間の接続を示す接続情報に基づき判定する。また、通知部213は、判定部212により、複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたと判定された場合、入力側同士のみまたは出力側同士のみの接続を通知する。
【0128】
判定部212は、設定部211によって設定された流体流通部品間の接続を示す接続情報を、記憶部24に記憶されている画面ファイルから参照する。判定部212は、当該接続情報を参照することにより、入出力情報が設定されている複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されたか否かを判定することができる。
【0129】
また、通知部213は、入力側同士のみまたは出力側同士のみの接続を表示部22により通知してもよく、PC4が備える図示しないスピーカ等の音声出力部から出力される音声により通知してもよい。さらに、通知部213は、入力側同士のみまたは出力側同士のみの接続を警告情報として表示部22に表示してもよく、エラーとして表示部22に表示してもよい。
【0130】
通知部213は、表示部22に警告情報を表示している場合、ユーザによる操作部23の操作は禁止しなくてもよい。また、通知部213は、表示部22に警告情報が表示されたままの状態で、ユーザによる操作部23の操作で作画画面の作成が終了されようとするとき、表示部22にエラーを表示し、ユーザによる作画画面の作成の終了操作を禁止してもよい。
【0131】
さらに、ユーザによる操作部23の操作で作画画面が再編集され、判定部212により、複数の流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続されていないと判定された場合を考える。この場合、通知部213は、表示部22への警告情報やエラーの表示を解除するとともに、ユーザによる操作部23の操作で作画画面の作成の終了を可能にする。
【0132】
ユーザが作画画面において、流体流通部品同士を接続するとき、流体流通部品間において入力側同士のみまたは出力側同士のみが接続された場合、ユーザは通知により入力側同士のみの接続状態または出力側同士のみの接続状態に気付くことができる。よって、ユーザは必要に応じて流体流通部品同士の接続を見直すなどの適切な対応をすることができる。
【0133】
<パイプ部品QD0に流れる流体の方向について>
図10は、図1に示すコンピュータ機器1が備える表示部12に表示される流体制御部品及び流体流通部品の接続関係を示す系統図の一例を示し、パイプ部品QD0に流れる流体の方向について説明するための図である。図10に示す流体制御部品及び流体流通部品の接続関係は、図9の(B)に示す流体制御部品及び流体流通部品の接続関係と同じである。また、図10についての以下の説明は、図9に示す作画画面において、ユーザによる操作部23の操作により作成された画面が、コンピュータ機器1の表示部12に表示された場合の、当該画面上での流体の流れについて記載したものである。
【0134】
図10の(A)に示すように、タンク部品TA0に流体があり、タンク部品TC0に流体が無い場合、タンク部品TA0からタンク部品TB0及びタンク部品TD0に流体が流れる。このため、パイプ部品QD0について第1接続部QD1から第2接続部QD2に流体が流れる。
【0135】
また、図10の(B)に示すように、タンク部品TA0に流体が無く、タンク部品TC0に流体がある場合、タンク部品TC0からタンク部品TB0及びタンク部品TD0に流体が流れる。このため、パイプ部品QD0について第2接続部QD2から第1接続部QD1に流体が流れる。つまり、タンク部品TA0またはタンク部品TC0のいずれか一方の出力側接続部に流体がある場合、パイプ部品QD0について流体が流れる方向は一方向に定まる。
【0136】
図10の(C)に示すように、タンク部品TA0及びタンク部品TC0に流体がある場合、タンク部品TA0及びタンク部品TC0からタンク部品TB0及びタンク部品TD0に流体が流れる。このように、タンク部品TA0及びタンク部品TC0の両方の出力側接続部に流体がある場合、パイプ部品QD0の2つの接続部に流体が流れ込む可能性がある。このため、パイプ部品QD0について流体が流れる方向は定まらない。
【0137】
〔ソフトウェアによる実現例〕
コンピュータ機器1及びPC4(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11及び制御部21に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0138】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0139】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0140】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0141】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0142】
1 コンピュータ機器(状態表示装置)
4 PC(画面作成装置)
111 表示制御部
112 参照部
113 決定部
211 設定部
212 判定部
213 通知部
T0、TA0~TD0 タンク部品(流体制御部品)
V0、VA0、VB0 バルブ部品(流体制御部品)
P0 ポンプ部品(流体制御部品)
Q0、QA0~QF0 パイプ部品(流体流通部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10