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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097206
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】検査システム及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230630BHJP
   G05B 19/418 20060101ALN20230630BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213439
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】竹村 幸紘
(72)【発明者】
【氏名】安部 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤本 祥平
(72)【発明者】
【氏名】川俣 光司
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA68
3C100BB13
3C100CC02
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】検査に関する設定が不適切に行われる可能性を低減できる検査システム及び検査装置を提供する。
【解決手段】ラベル検査システム300は、ラベル検査装置100及びサーバ200を備える。ラベル検査装置100は、入力部140を介して有効なパスワードを取得した場合、検査に関する設定を、入力部が受け付けた設定に変更する。サーバの第2記憶部220は、パスワード、及び、ラベル検査装置100以外を宛先とする情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する。サーバの第2通信部230は、宛先情報により特定される情報の宛先に、パスワードを送信する。一方、ラベル検査装置100Aでは、入力部140が検査に関する設定の変更を受け付けた場合、ラベル検査装置100Aの第1通信部180を経由して、ラベル検査装置以外の情報の宛先に有効なパスワードを送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を検査する検査装置と、
前記検査装置と通信可能なサーバと、
を備える検査システムであって、
前記検査装置は、
作業者による、検査に関する設定の変更及び設定変更許可に関する情報を受け付ける入力部と、
前記サーバと通信する第1通信部と、
前記入力部を介し、現時点において有効な前記設定変更許可に関する情報を取得した場合、前記検査装置における検査に関する設定を、前記入力部が受け付けた変更後の前記検査に関する設定に変更する第1制御部と、
を有し、
前記サーバは、
前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報、及び、前記検査装置以外を宛先とする、情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する蓄積部と、
前記宛先情報により特定される前記情報の宛先に、前記現時点において有効な前記設定変更許可に関する情報を送信する第2通信部と、
前記第2通信部による情報の送信を制御する第2制御部と、
を有する、
検査システム。
【請求項2】
前記第1通信部は、前記作業者が前記入力部に前記検査に関する設定の変更の入力を行う際に、前記サーバに第1情報を送信し、
前記第2制御部は、前記サーバが前記第1情報を受信した際、又は、前記検査装置の管理者が前記サーバに前記設定変更許可に関する情報を要求した際に、前記第2通信部に、前記現時点において有効な前記設定変更許可に関する情報を、前記宛先情報により特定される前記情報の宛先に送信させる、
請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成し、生成した前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報により、前記蓄積部に蓄積されている前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を更新する生成部を更に有する、
請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記検査装置は、前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成する生成部を更に有し、
前記第1通信部は、前記生成部が生成した前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、前記サーバに送信し、
前記蓄積部に蓄積されている前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報は、前記サーバが受信した前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報により更新される、
請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項5】
前記設定変更許可に関する情報は、ワンタイムパスワードである、
請求項3又は4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記検査装置は記憶部を更に有し、
前記入力部は、前記検査に関する設定の変更と共に、前記入力部に入力を行う前記作業者を識別するためのIDを受け付け、
前記記憶部は、前記検査に関する設定の変更の履歴を、前記検査に関する設定の変更を入力した前記作業者の前記IDと共に記憶する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記第1通信部は、前記第1制御部が前記検査装置における前記検査に関する設定を変更する際、前記変更後の前記検査に関する設定を、前記サーバに送信し、
前記第2制御部は、前記第2通信部に、前記サーバが受信した前記変更後の前記検査に関する設定を、前記宛先情報により特定される前記情報の宛先に送信させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
検査対象を検査する検査装置であって、
前記検査装置の外部と通信する通信部と、
作業者による入力を受け付ける入力部と、
現時点において有効な設定変更許可に関する情報、及び、情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する蓄積部と、
(1)前記入力部が前記検査装置における検査に関する設定の変更を受け付けた場合、前記通信部を経由して、前記宛先情報により特定される前記情報の宛先に前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を送信させ、(2)前記入力部が前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を受け付けた場合、前記検査装置における前記検査に関する設定を、前記入力部が受け付けた変更後の前記検査に関する設定に変更する制御部と、
を備える検査装置。
【請求項9】
前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成し、生成した前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報により、前記蓄積部に蓄積されている前記現時点において有効な設定変更許可に関する情報を更新する生成部を更に備える、
請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記設定変更許可に関する情報は、ワンタイムパスワードである、
請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
前記入力部は、前記検査に関する設定の変更と共に、前記入力部に入力を行う前記作業者を識別するためのIDを受け付け、
前記蓄積部は、前記検査に関する設定の変更の履歴を、前記検査に関する設定の変更を行った前記作業者の前記IDと共に記憶する、
請求項8から10のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
前記通信部は、前記制御部が、前記検査装置における前記検査に関する設定を、前記変更後の前記検査に関する設定に変更する際、前記変更後の前記検査に関する設定を、前記宛先情報により特定される前記情報の宛先に送信する、
請求項8から11のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システム及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の検査を行う検査装置が知られている。例えば、特許文献1(特開2015-130125号公報)には、物品に付されているラベルを検査するラベル検査装置が開示されている。
【0003】
一般に、検査装置では、検査装置が所望の検査をするように、作業者が入力部から検査に関する設定を行う。例えば、特許文献1(特開2015-130125号公報)のようなラベル検査装置であれば、入力部を介して、ラベルのどの範囲を検査対象とするか、検査項目は何か、等の検査に関する設定が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検査装置は、設定に応じて検査対象を検査する。そのため、検査に関する設定が不適切な場合、検査装置が本来行うべき検査を行わなかったり、検査装置の検査精度が低下したりする可能性がある。したがって、例えば、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が不適切な設定を行った場合には、検査装置が所望の検査を行わないおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、検査に関する設定が不適切に行われる可能性を低減できる検査システム及び検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る検査システムは、検査対象を検査する検査装置と、検査装置と通信可能なサーバと、を備える。検査装置は、入力部と、第1通信部と、第1制御部と、を有する。入力部は、作業者による、検査に関する設定の変更及び設定変更許可に関する情報を受け付ける。第1通信部は、サーバと通信する。第1制御部は、入力部を介し、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を取得した場合、検査装置における検査に関する設定を、入力部が受け付けた変更後の検査に関する設定に変更する。サーバは、蓄積部と、第2通信部と、第2制御部と、を有する。蓄積部は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報、及び、検査装置以外を宛先とする、情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する。第2通信部は、宛先情報により特定される情報の宛先に、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を送信する。第2制御部は、第2通信部による情報の送信を制御する。
【0007】
第1観点の検査システムでは、検査に関する設定の変更に、検査装置以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となるため、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0008】
本発明の第2観点に係る検査システムは、第1観点に係る検査システムであって、第1通信部は、作業者が入力部に検査に関する設定の変更の入力を行う際に、サーバに第1情報を送信する。第2制御部は、サーバが第1情報を受信した際、又は、検査装置の管理者がサーバに設定変更許可に関する情報を要求した際に、第2通信部に、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。
【0009】
第2観点の検査システムでは、検査に関する設定の変更に、検査装置以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となるため、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0010】
本発明の第3観点に係る検査システムは、第1観点又は第2観点に係る検査システムであって、サーバは、生成部を更に有する。生成部は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成し、生成した現時点において有効な設定変更許可に関する情報により、蓄積部に蓄積されている現時点において有効な設定変更許可に関する情報を更新する。
【0011】
第3観点の検査システムでは、有効な設定変更許可に関する情報が更新されるので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0012】
本発明の第4観点に係る検査システムは、第1観点又は第2観点に係る検査システムであって、検査装置は、生成部を更に有する。生成部は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成する。第1通信部は、生成部が生成した現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、サーバに送信する。蓄積部に蓄積されている現時点において有効な設定変更許可に関する情報は、サーバが受信した、現時点において有効な設定変更許可に関する情報により更新される。
【0013】
第4観点の検査システムでは、有効な設定変更許可に関する情報が更新されるので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0014】
本発明の第5観点に係る検査システムは、第3観点又は第4観点に係る検査システムであって、設定変更許可に関する情報は、ワンタイムパスワードである。
【0015】
第5観点の検査システムでは、有効な設定変更許可に関する情報として1回限り有効なワンタイムパスワードが用いられる。そのため、この検査システムでは、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0016】
本発明の第6観点に係る検査システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る検査システムであって、検査装置は記憶部を更に有する。入力部は、検査に関する設定の変更と共に、入力部に入力を行う作業者を識別するためのIDを受け付ける。記憶部は、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の変更を入力した作業者のIDと共に記憶する。
【0017】
第6観点の検査システムでは、変更された設定の内容と、変更を行った作業者のIDとが関連付けて記憶されるため、仮に不適切な設定が行われた場合にも、その原因の究明等を容易に行うことができる。
【0018】
本発明の第7観点に係る検査システムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る検査システムであって、第1通信部は、第1制御部が検査装置における検査に関する設定を変更する際、変更後の検査に関する設定を、サーバに送信する。第2制御部は、第2通信部に、サーバが受信した変更後の検査に関する設定を、宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。
【0019】
第7観点の検査システムでは、変更後の検査に関する設定が検査装置の管理者等に送信されるため、管理者等が、変更後の検査に関する設定が適切な内容であるかを確認できる。
【0020】
本発明の第8観点に係る検査装置は、検査対象を検査する検査装置であって、通信部と、入力部と、蓄積部と、制御部と、を備える。通信部は、検査装置の外部と通信する。入力部は、作業者による入力を受け付ける。蓄積部は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報、及び、情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する。制御部は、入力部が検査装置における検査に関する設定の変更を受け付けた場合、通信部を経由して、宛先情報により特定される情報の宛先に現時点において有効な設定変更許可に関する情報を送信させる。制御部は、入力部が現時点において有効な設定変更許可に関する情報を受け付けた場合、検査装置における検査に関する設定を、入力部が受け付けた変更後の検査に関する設定に変更する。
【0021】
第8観点の検査装置では、検査に関する設定の変更に、検査装置以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となるため、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0022】
本発明の第9観点に係る検査装置は、第8観点の検査装置であって、生成部を更に備える。生成部は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報を、予め設定された規則に基づき生成し、生成した現時点において有効な設定変更許可に関する情報により、蓄積部に蓄積されている現時点において有効な設定変更許可に関する情報を更新する。
【0023】
第9観点の検査装置では、有効な設定変更許可に関する情報が更新されるので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0024】
本発明の第10観点に係る検査装置は、第9観点の検査装置であって、設定変更許可に関する情報は、ワンタイムパスワードである。
【0025】
第10観点の検査装置では、有効な設定変更許可に関する情報として1回限り有効なワンタイムパスワードが用いられる。そのため、この検査装置では、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0026】
本発明の第11観点に係る検査装置は、第8観点から第10観点のいずれかの検査装置であって、入力部は、検査に関する設定の変更と共に、入力部に対して検査に関する設定の変更を入力する作業者を識別するためのIDを受け付ける。蓄積部は、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の変更を行った作業者のIDと共に記憶する。
【0027】
第11観点の検査装置では、変更された設定の内容と、変更を行った作業者のIDとが関連付けて記憶されるため、仮に不適切な設定が行われた場合にも、その原因の究明等を容易に行うことができる。
【0028】
本発明の第12観点に係る検査装置は、第8観点から第11観点のいずれかの検査装置であって、通信部は、制御部が、検査装置における検査に関する設定を、変更後の検査に関する設定に変更する際、変更後の検査に関する設定を、宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。
【0029】
第12観点の検査装置では、変更後の検査に関する設定が検査装置の管理者等に送信されるため、管理者等が、変更後の検査に関する設定が適切な内容であるかを確認できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の検査システムでは、検査に関する設定の変更に、検査装置以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となるため、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0031】
また、本発明の検査装置では、検査に関する設定の変更に、検査装置以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となるため、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手に検査装置の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示の検査装置の一実施例に係るラベル検査装置の概略外観図である。
図2】本発明の検査システムの一実施形態に係るラベル検査システムのブロック図である。
図3図2のラベル検査システムにおいて、ラベル検査装置の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の一例である。
図4図2のラベル検査システムにおいて、ラベル検査装置の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の他の例である。
図5】変形例1Cに係るラベル検査システムのブロック図である。
図6図5のラベル検査システムにおいて、ラベル検査装置の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の例である。
図7】変形例1Dに係るラベル検査システムのブロック図である。
図8図7のラベル検査システムにおいて、ラベル検査装置の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の例である。
図9】本開示の第2実施形態における、検査装置の一実施例に係るラベル検査装置のブロック図である。
図10図9のラベル検査装置の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係る検査システム及び検査装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
<第1実施形態>
第1実施形態では、本発明に係る検査システムの一実施形態に係るラベル検査システム300について説明する。
【0035】
(1)全体概要
ラベル検査システム300の全体概要について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、ラベル検査システム300の有するラベル検査装置100の概略外観図である。図2は、ラベル検査システム300のブロック図である。
【0036】
ラベル検査システム300は、図2に示すように、主に、ラベル検査装置100と、ラベル検査装置100と通信可能に接続されるサーバ200と、を含む。
【0037】
ラベル検査装置100は、検査対象としての物品に付されたラベルを検査する装置である。検査対象のラベルが付されている物品は、限定するものではないが、例えばおにぎりやパン等の食品である。検査項目を限定するものではないが、ラベル検査装置100は、例えば、ラベルが物品に付されているか、ラベルが示す物品の種類がラベルの付される物品の種類と一致しているか、ラベルが物品に正しい向きで貼られているか、ラベルの印字内容に誤りがないか、ラベルの印字にかすれや欠けがないか等を検査可能である。
【0038】
サーバ200は、ラベル検査装置100を管理するコンピュータである。
【0039】
(2)ラベル検査装置
ラベル検査装置100の詳細を説明する。
【0040】
ラベル検査装置100は、搬送部110と、検査部120と、表示部130と、入力部140と、制御装置150と、を有する。
【0041】
(2-1)搬送部
搬送部110は、限定するものではないが、例えばベルトコンベアである。搬送部110は、物品(検査対象のラベルが付されている物品)を、図示しない上流側のコンベアから受け取り、検査部120による検査場所(具体的には検査部120による撮像場所)へと搬送する。また、搬送部110は、検査後の物品を、検査部120による検査場所から下流へと搬送し、図示しない下流側のコンベアへと受け渡す。
【0042】
(2-2)検査部
検査部120は、限定するものではないが、例えばカメラである。検査部120のカメラは、搬送部110により搬送される物品を撮像し、撮像した画像を制御装置150へと送信する。
【0043】
(2-3)表示部
表示部130は、ラベル検査装置100に関する各種情報や、ラベル検査装置100の検査結果等を表示するディスプレイである。
【0044】
(2-4)入力部
入力部140は、作業者による入力を受け付ける。ここでは、作業者は、検査装置100の設置されている工場等において、検査装置100を操作する者を意味する。
【0045】
本実施形態では、表示部130として機能するディスプレイがタッチパネル式のディスプレイであり、表示部130として機能するディスプレイが入力部140としても機能する。
【0046】
ただし、タッチパネル式のディスプレイ以外が、入力部140として機能してもよい。例えば、入力部140は、ラベル検査装置100に設けられるキーパッド等でもよい。また、後述する制御装置150の第1通信部180が、作業者が操作する携帯端末と通信を行い、携帯端末から送信される各種の情報を受け付ける入力部として機能してもよい。
【0047】
入力部140には、ラベル検査装置100に対する各種指令が入力される。また、入力部140は、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更を受け付ける。さらに、入力部140は、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更の際に、設定変更許可に関する情報(パスワード)を受け付ける。
【0048】
限定するものではないが、ラベル検査装置100の検査に関する設定は、例えば、撮像したラベルの画像中のどの領域を検査対象とするかの設定を含む。例えば、ラベル検査装置100の検査対象となるラベルが複数種類存在し、各種類のラベルには、印字内容が他の種類のラベルと共通する領域と、印字内容が他の種類のラベルと相違する領域と、が存在する場合を想定する。例えば、ラベル検査装置100の検査内容が、ラベルの印字内容が正しいか否かを確認する検査である場合、印字内容が他の種類のラベルと相違する領域を検査対象領域とすれば、検査対象領域を限定しない場合(ラベル全体を検査対象とする場合)に比べ検査精度の向上を図ることができる。しかし一方で、検査対象領域の設定を誤ると、印字内容の誤りを見過ごすおそれがある。
【0049】
また、ラベル検査装置100の検査に関する設定には、上述したような複数の検査項目のうちで、どの項目を検査するかの設定を含む。検査項目を減らすことで、ラベル検査装置100の検査精度の向上を図ることができる。ただし、検査項目の設定を誤ると、本来検査すべき内容の検査が行われなくなる可能性がある。
【0050】
(2-5)制御装置
制御装置150は、CPUと、ROM、RAM、補助記憶装置(例えばフラッシュメモリ)等からなる第1記憶部170と、入出力インタフェースと、通信インタフェースと、を主に含む。なお、制御装置150は、全ての機能をソフトウェアで実現するものではなくてもよく、後述する機能の一部を論理回路等のハードウェアにより実現してもよい。また、制御装置150は、1台の装置により実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。
【0051】
第1記憶部170は、CPUが実行する各種のプログラムを記憶する。CPUは、第1記憶部170に記憶されている各種のプログラムを実行することで、ラベル検査装置100の各部の動作を制御し、各種処理を実行する、第1制御部160として機能する。
【0052】
第1記憶部170は、プログラムに加え、各種の情報を記憶する。第1記憶部170は、情報の記憶領域として、パスワード記憶領域172と、検査設定記憶領域174と、検査結果記憶領域176と、を有する。パスワード記憶領域172には、後述するようにサーバ200が送信してくるパスワードが記憶される。検査設定記憶領域174には、ラベル検査装置100が検査に使用する検査に関する設定が記憶される。検査結果記憶領域176には、ラベル検査装置100による検査結果が記憶される。
【0053】
制御装置150は、搬送部110と、検査部120と、表示部130及び入力部140として機能するタッチパネルディスプレイと、電気的に接続されている。また、制御装置150は、インターネット等のネットワークNWを介して、サーバ200と通信可能に接続されている。制御装置150は、第1通信部180を用いて、サーバ200と各種の情報や信号のやり取りを行う。
【0054】
第1制御部160は、搬送部110、検査部120、及び、表示部130及び入力部140として機能するタッチパネルディスプレイの動作を制御する。例えば、第1制御部160は、搬送部110を動作させて物品を搬送する。また、第1制御部160は、検査部120を動作させて、搬送部110が搬送する物品の画像を撮像させる。また、第1制御部160は、表示部130に、所定の情報を適宜表示させる。
【0055】
また、第1制御部160は、検査部120が送信してくる物品の画像に基づいて、物品に付されたラベルを検査する。より具体的には、第1制御部160は、検査部120が送信してくる画像に基づき、検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定に従って、物品に付されたラベルを検査する。例えば、検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定が、ラベルの検査領域を第1領域に設定するというものであり、かつ、検査項目を印字内容の正否の検査に設定するというものであったとする。この場合、第1制御部160は、検査部120が送信してくる画像に基づき、物品に付されたラベルの第1領域に、所定の内容が印字されているかを検査し、印字内容が正しければ検査結果を合格と判断し、印字内容に誤りがあれば検査結果を不合格と判断する。検査方法を限定するものではないが、例えば、このような検査には、パターンマッチングによる方法や、文字認識(OCR)を利用する方法が利用される。
【0056】
第1制御部160は、検査結果を、検査結果記憶領域176に記憶する。また、第1制御部160は、検査結果を、例えば、検査装置100の下流側に配置されている、搬送される物品を、ラベルの検査が合格だった物品と、ラベルの検査が不合格だった物品と、に振り分ける振分装置(図示せず)に送信する。
【0057】
なお、第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶される、ラベル検査装置100における検査に関する設定(以後、単に検査設定と呼ぶ場合がある)は、入力部140からの入力に基づいて変更可能である。
【0058】
具体的には、入力部140を介して、設定変更許可に関する情報(パスワード)が入力され、入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されたパスワードとが一致した場合、第1制御部160の設定変更許可部162は、検査設定記憶領域174に記憶されている情報の書き換えを許可する。そして、設定変更許可部162が情報の書き換えを許可すると、第1制御部160は、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を、入力部140が受け付けた検査に関する設定(すなわち変更後の検査に関する設定)に変更する。
【0059】
なお、好ましくは、第1制御部160が、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を変更する際、第1制御部160は、検査設定を変更する作業者のIDを受け付ける。言い換えれば、入力部140は、検査に関する設定の変更を受け付ける際に、入力部140に入力を行う作業者を識別するためのIDを受け付ける。作業者のIDは、例えば、作業者を識別するためのコードであり、検査設定を変更する作業者を特定するために用いられる。第1制御部160は、第1記憶部170に、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の内容と、検査に関する設定の変更を入力部140に入力した作業者のIDと共に記憶させることが好ましい。
【0060】
また、第1制御部160は、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を変更する際、第1通信部180の動作を制御して、第1通信部180に変更後の検査に関する設定を、サーバ200に送信することが好ましい。なお、第1通信部180がサーバ200に送信する変更後の検査に関する設定は、検査に関する設定の内容を把握可能な情報であればよい。例えば、第1通信部180は、サーバ200に、検査に関する設定の内容そのものではなく、作業者が入力部140に検査に関する設定の変更を入力した際の情報の入力画面の画像を送信してもよい。
【0061】
なお、ラベル検査システム300において、検査に関する設定の変更がどのように管理されるかについては後述する。
【0062】
(3)サーバ
サーバ200は、ラベル検査装置100を管理するコンピュータである。
【0063】
なお、図2では、サーバ200の管理対象として1台のラベル検査装置100だけ描画しているが、サーバ200は、複数のラベル検査装置100を管理してもよい。ここでは、説明が複雑になるのを避けるため、サーバ200の管理対象が、1台のラベル検査装置100だけである場合を例に説明を行う。
【0064】
サーバ200は、CPUと、ROM、RAM、補助記憶装置(例えばフラッシュメモリ)等からなる第2記憶部220と、入出力インタフェースと、通信インタフェースと、を主に含む。サーバ200は、1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータにより構成されてもよい。
【0065】
第2記憶部220は、CPUが実行する各種のプログラムを記憶する。CPUは、第2記憶部220に記憶されている各種のプログラムを実行することで、第2制御部210及びパスワード生成部212として機能する。第2制御部210は、例えば、第2通信部230による情報の送信を制御する。パスワード生成部212は、ラベル検査装置100で検査設定の変更の際に用いられる、設定変更許可に関する情報としてのパスワードを生成する。第2記憶部220は、プログラムに加え、各種の情報を記憶する。第2記憶部220は、情報の記憶領域として、例えば、パスワード記憶領域222と、宛先情報記憶領域224と、を含む。
【0066】
サーバ200は、インターネット等のネットワークNWを介して、サーバ200と通信可能に接続されている。また、サーバ200は、インターネット等のネットワークNWを介して、ラベル検査システム300の管理者の使用する情報端末900と通信可能に接続されている。ラベル検査システム300の管理者は、例えば、ラベルが付される物品の製造責任者や、ラベル検査に関する責任者であり、作業者とは別の人間である。情報端末900は、例えば、ラベル検査システム300の管理者が使用する携帯端末である。
【0067】
なお、ここで、サーバ200が情報端末900と通信可能に接続されているとは、サーバ200と情報端末900とが直接的に情報をやり取りする場合に限定されない。サーバ200が情報端末900と通信可能に接続されている場合には、サーバ200が管理者のメールアドレスにメールを送信でき、管理者が情報端末900を用いてサーバ200の送信するメールを受信できるように構成されているような場合も含む。サーバ200の第2制御部210は、ラベル検査装置100や情報端末900と各種の情報や信号のやり取りを行うように、第2通信部230を制御する。
【0068】
(3-1)パスワード生成部
パスワード生成部212は、所定の条件が成立した時に、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、予め設定された規則(所定のアルゴリズム)に基づき生成する。パスワード生成部212は、生成したパスワードにより、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に記憶されているパスワードを更新する。好ましくは、パスワード生成部212が生成するパスワードは、1回に限り有効なワンタイムパスワードである。
【0069】
なお、上述したように、ここでは、サーバ200の管理対象が1台のラベル検査装置100だけである場合を想定しているが、サーバ200の管理対象が複数台のラベル検査装置100である場合には、パスワード記憶領域222には、パスワード生成部212が生成したパスワードがラベル検査装置100毎に記憶される。
【0070】
パスワード生成部212がパスワードを生成するトリガとなる所定の条件については後述する。
【0071】
(3-2)第2制御部
第2制御部210は、所定の条件が成立した時に、第2通信部230を制御して、宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先に、パスワード記憶領域222に記憶されているパスワード(現時点において有効な設定変更許可に関する情報)を送信する。
【0072】
宛先情報は、情報の宛先に関する情報である。宛先情報は、例えば、予め登録されている、ラベル検査システム300の管理者のメールアドレスや、情報端末900としての携帯端末の電話番号である。第2制御部210は、宛先情報を利用し、パスワード記憶領域222に記憶されているパスワードを、メールやSMS(Short Message Service)で送信する。なお、宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先は、ラベル検査装置100以外の宛先である。
【0073】
第2制御部210が宛先情報により特定される情報の宛先にパスワードを生成するトリガとなる所定の条件については後述する。
【0074】
また、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、ラベル検査装置100に対しても同じパスワードを送信する。なお、ラベル検査装置100に送信されるパスワードは、作業者が入力部140に入力するパスワードとの照合に用いられるものであり、ラベル検査装置100に送信されるパスワードは作業者に提示されることはない。
【0075】
また、第2制御部210は、サーバ200がラベル検査装置100から受信した変更後の検査に関する設定を、第2通信部230を制御して、宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。例えば、第2通信部230がメールで情報を送信する場合には、第2制御部210は、サーバ200が受信した作業者が入力部140に検査に関する設定の変更を入力した際の情報の入力画面の画像を、ラベル検査システム300の管理者のメールアドレスに送信する。また、例えば、第2通信部230がSMSで情報を送信する場合には、第2制御部210は、サーバ200が受信したラベル検査装置100の検査に関する設定の変更に関する文字情報を、SMSで送信する。
【0076】
なお、上述したように、ここでは、サーバ200の管理対象が1台のラベル検査装置100だけである場合を想定している。これに対し、サーバ200の管理対象が複数台のラベル検査装置100である場合には、宛先情報記憶領域224には、ラベル検査装置100毎に個別の宛先情報が記憶されればよい。
【0077】
(4)ラベル検査装置の検査に関する設定の変更の処理の流れ
ラベル検査システム300において、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを、図3及び図4のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0078】
<第1の例>
ラベル検査システム300において、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の一例である図3を参照しながら、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更の処理の流れの第1の例を説明する。
【0079】
図3のシーケンス図に基づく説明を始める前に、第1の例における、パスワード生成部212がパスワードを生成する所定の条件と、第2通信部230が宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先にパスワードを送信する所定の条件と、について説明する。
【0080】
ここでは、パスワード生成部212がパスワードを生成する所定の条件は、サーバ200がラベル検査装置100からパスワード要求を受信することである。また、第2通信部230がパスワードを宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する所定の条件は、パスワード生成部212がパスワードを生成することである。
【0081】
図3のシーケンス図を参照しながら、ラベル検査システム300において、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを説明する。
【0082】
まず、作業者は、ラベル検査装置100の入力部140に、検査に関する設定の変更の入力を行う。なお、ここでは、作業者が検査に関する設定の変更の入力を行うとは、作業者が検査に関する設定を実際に入力することに限定されず、作業者が検査に関する設定の変更を行うための所定の操作を入力部140に対して行うことを意味する。例えば、ここでは、作業者が検査に関する設定の変更の入力を行うという記載には、作業者が入力部140を操作して、表示部130としてのタッチパネル式ディスプレイに検査に関する設定を行うための入力画面を表示させる場合を含む。
【0083】
作業者が入力部140に検査に関する設定の変更の入力を行うと、第1制御部160は、第1通信部180を制御し、第1通信部180に、サーバ200に対して、第1情報としてパスワード要求を送信させる。
【0084】
サーバ200がパスワード要求を受信すると、サーバ200のパスワード生成部212は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを生成し、生成したパスワードにより、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に蓄積されている現時点において有効なパスワードを更新する。つまり、サーバ200がパスワード要求を受信すると、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に蓄積されている有効なパスワードが更新される。パスワード生成部212の生成するパスワードは、好ましくは1回だけ使用可能なワンタイムパスワードである。
【0085】
次に、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、第2記憶部220の宛先情報記憶領域224に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。言い換えれば、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、情報端末900に送信する。
【0086】
また、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、ラベル検査装置100に送信する。ラベル検査装置100の第1制御部160は、受信したパスワードを、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶する。なお、第2通信部230は、パスワードを宛先情報により特定される情報の宛先に送信する前に、ラベル検査装置100にパスワードを送信してもよい。
【0087】
この時点で、作業者は、現時点において有効なパスワードを把握していない。第1制御部160の設定変更許可部162は、入力部140に現時点において有効なパスワードが入力されないと、検査に関する設定の変更を許可しない。そこで、作業者は、情報端末900を操作する管理者に、情報端末900に対して送信されたパスワード(メールやSMSで送信されてきて、管理者が情報端末900を利用して取得したパスワード)を問い合わせる。作業者が管理者の近くにいるような場合には、作業者は、管理者に直接パスワードを聞いてもよい。また、作業者は、電話やメールで管理者にパスワードを問い合わせてもよい。また、管理者は、情報端末900を利用してパスワードを取得すると、作業者からの問い合わせを待たずに、管理者から作業者に連絡をとり、作業者にパスワードを連絡してもよい。
【0088】
次に、作業者は、管理者から取得したパスワードを入力部140に入力する。そして、ラベル検査装置100の第1制御部160の設定変更許可部162は、入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードと、が一致するか否かを判断する。入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードとが一致した場合には、設定変更許可部162は、第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定の情報の変更を許可する。
【0089】
なお、ここでは詳細を説明しないが、入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードとが一致しない場合には、例えば、第1制御部160は、表示部130を制御して、表示部130にパスワードが現時点において有効な情報ではないことを表示する等の処理を行う。これに対し、作業者は、再度パスワードを入力しなおす等の対応を適宜行えばよい。
【0090】
検査に関する設定の変更の処理の流れの説明に戻る。設定変更許可部162が第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定の変更を許可すると、例えば、第1制御部160は、表示部130を制御して、表示部130に設定変更が許可された旨を表示する。作業者は、これを受けて、ラベル検査装置100が所望の検査を実行するように、入力部140に、検査に関する設定の変更を入力する。そして、第1制御部160は、検査設定記憶領域174に記憶される検査に関する設定を、入力部140が受け付けた検査に関する設定(すなわち変更後の検査に関する設定)に変更する。
【0091】
なお、検査に関する設定の変更の入力とパスワードの入力との順番は、図3に示した順番とは逆であってもよい。例えば、入力部140に検査に関する設定の変更を入力すると、表示部130にパスワードの入力を要求する画面が表示され、作業者は、これを受けて入力部140にパスワードを入力してもよい。そして、設定変更許可部162は、入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードとが一致した場合に、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を、入力部140に入力済みの検査に関する設定で更新することを許可してもよい。
【0092】
なお、検査に関する設定の変更の際、表示部130は、検査に関する設定を変更する作業者のIDの入力を要求することが好ましい。そして、第1制御部160は、第1記憶部170に、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の内容と、検査に関する設定の変更を入力部140に入力した作業者のIDと共に記憶させることが好ましい。
【0093】
なお、検査設定記憶領域174に記憶される検査に関する設定を変更する際、第1制御部160は、第1通信部180の動作を制御して、第1通信部180に変更後の検査に関する設定を、サーバ200に送信する。
【0094】
そして、サーバ200の第2制御部210は、サーバ200がラベル検査装置100から送信されてくる変更後の検査に関する設定を受信した際に、サーバ200が受信した変更後の検査に関する設定を、第2通信部230を制御して、宛先情報記憶領域224に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。言い換えれば、サーバ200がラベル検査装置100から送信されてくる変更後の検査に関する設定を受信した際に、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、サーバ200が受信した変更後の検査に関する設定を、情報端末900に送信する。
【0095】
以上で説明した処理の流れでは、作業者は管理者からパスワードを取得しないと、ラベル検査装置100の検査に関する設定を変更できない。したがって、検査に関する経験や知識の少ない作業者が、管理者に無断で検査設定を変更するような事態の発生を抑制できる。
【0096】
<第2の例>
ラベル検査システム300において、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを示すシーケンス図の他の例である図4を参照しながら、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更の処理の流れの第2の例を説明する。
【0097】
なお、第2の例の処理の流れは、第1の例の処理の流れと共通する点が多いため、ここでは、説明の重複を避けるため、第2の例の処理の流れと第1の例の処理の流れとの相違点を主に説明する。
【0098】
第2の例では、パスワード生成部212がパスワードを生成する所定の条件が、管理者がサーバ200に設定変更許可に関する情報としてのパスワードを要求することである点で第1の例と相違する。言い換えれば、第2の例では、パスワード生成部212がパスワードを生成する所定の条件は、サーバ200が、管理者の操作する情報端末900から送信されるパスワード要求を受信することである。
【0099】
図4を参照しながら、ラベル検査システム300において、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れを説明する。
【0100】
まず、作業者は、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更を行う際に、事前に管理者に、検査設定の変更をしたい旨を連絡する。
【0101】
管理者は、検査に関する設定の変更を許可する場合には、情報端末900を操作して、サーバ200にパスワード要求を送信する。例えば、管理者は、情報端末900にダウンロードされているアプリケーションソフトウェアを利用して、サーバ200にパスワード要求を送信する。
【0102】
サーバ200が情報端末900からパスワード要求を受信すると、サーバ200のパスワード生成部212は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを生成し、生成したパスワードにより、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に蓄積されている現時点において有効なパスワードを更新する。
【0103】
なお、パスワード生成部212のパスワード生成より後の処理については、第2の例における処理の流れと、第1の例における処理の流れとは同じである。ここでは説明の重複を避けるため、第2の例における、パスワード生成部212のパスワード生成より後の処理の流れについては説明を省略する。
【0104】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態のラベル検査システム300は、検査対象を検査するラベル検査装置100と、ラベル検査装置100と通信可能なサーバ200と、を備える。ラベル検査装置100は、検査装置の一例である。ラベル検査装置100は、入力部140と、第1通信部180と、第1制御部160と、を有する。入力部140は、作業者による、検査に関する設定の変更と、設定変更許可に関する情報としてのパスワードと、を受け付ける。第1通信部180は、サーバ200と通信する。第1制御部160は、入力部140を介し、現時点において有効なパスワードを取得した場合、ラベル検査装置100における検査に関する設定を、入力部140が受け付けた変更後の検査に関する設定に変更する。サーバ200は、蓄積部の一例としての第2記憶部220と、第2通信部230と、第2制御部210と、を有する。第2記憶部220は、現時点において有効なパスワード、及び、ラベル検査装置100以外を宛先とする、情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する。第2通信部230は、宛先情報により特定される情報の宛先に、現時点において有効なパスワードを送信する。第2制御部210は、第2通信部230による情報の送信を制御する。
【0105】
本実施形態のラベル検査システム300では、検査に関する設定の変更に、ラベル検査装置100以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となる。そのため、ラベル検査システム300では、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手にラベル検査装置100の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0106】
(5-2)
本実施形態のラベル検査システム300では、第1通信部180は、作業者が入力部140に検査に関する設定の変更の入力を行う際に、サーバ200に第1情報としてのパスワード要求を送信する。第2制御部210は、サーバ200がパスワード要求を受信した際に、第2通信部230に、現時点において有効なパスワードを、宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。
【0107】
また、本実施形態のラベル検査システム300では、第2制御部210は、ラベル検査装置100の管理者がサーバ200にパスワードを要求した際に、第2通信部230に、現時点において有効なパスワードを、宛先情報により特定される情報の宛先に送信させてもよい。
【0108】
本実施形態のラベル検査システム300では、検査に関する設定の変更に、ラベル検査装置100以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となる。そのため、ラベル検査システム300では、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手にラベル検査装置100の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0109】
(5-3)
本実施形態のラベル検査システム300では、サーバ200は、パスワード生成部212を有する。パスワード生成部212は、現時点において有効なパスワードを、予め設定された規則(所定のアルゴリズム)に基づき生成し、生成した現時点において有効なパスワードにより、第2記憶部220に蓄積されている現時点において有効なパスワードを更新する。
【0110】
本実施形態のラベル検査システム300では、有効なパスワードが更新されるので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用したパスワードを使用して、勝手にラベル検査装置100の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0111】
(5-4)
本実施形態のラベル検査システム300では、設定変更許可に関する情報は、ワンタイムパスワードである。
【0112】
本実施形態のラベル検査システム300では、有効なパスワードとして1回限り有効なワンタイムパスワードが用いられる。そのため、ラベル検査システム300では、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手にラベル検査装置100の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0113】
(5-5)
本実施形態のラベル検査システム300では、ラベル検査装置100は、記憶部の例としての第1記憶部170を有する。入力部140は、検査に関する設定の変更と共に、入力部140に入力を行う作業者を識別するためのIDを受け付ける。第1記憶部170は、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の変更を入力した作業者のIDと共に記憶する。
【0114】
本実施形態のラベル検査システム300では、変更された設定の内容と、変更を行った作業者のIDとが関連付けて記憶されるため、仮に不適切な設定が行われた場合にも、その原因の究明等を容易に行うことができる。
【0115】
(5-6)
本実施形態のラベル検査システム300では、第1通信部180は、第1制御部160がラベル検査装置100における検査に関する設定を変更する際、変更後の検査に関する設定を、サーバ200に送信する。第2制御部210は、第2通信部230に、サーバ200が受信した変更後の検査に関する設定を、第2記憶部220に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信させる。
【0116】
本実施形態のラベル検査システム300では、変更後の検査に関する設定がラベル検査装置100の管理者等に送信されるため、管理者等が、変更後の検査に関する設定が適切な内容であるかを確認できる。
【0117】
(6)変形例
以下に第1実施形態の変形例を示す。なお、以下で示す変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0118】
(6-1)変形例1A
上記実施形態では、サーバ200の管理対象の検査装置は、ラベル検査装置である。しかし、検査装置の種類は、ラベル検査装置に限定されるものではない。
【0119】
例えば、サーバ200の管理対象の検査装置は、検査対象にX線を照射して得られるX線画像に基づいて、検査対象に異物が混入しているか否かを検査するX線検査装置であってもよい。検査装置がX線検査装置である場合、上記実施形態における検査に関する設定の変更の処理の流れは、X線検査装置の検査に関する設定の変更、例えば、X線画像中の画素が異物か否かを判断するための閾値の変更の際に利用される。
【0120】
また、サーバ200は、1種類の検査装置を管理するものではなく、複数種類の検査装置を管理するものであってもよい。言い換えれば、検査システムは、複数種類の検査装置を有してもよい。
【0121】
(6-2)変形例1B
上記実施形態では、パスワード生成部212は、ラベル検査装置100又は情報端末900からサーバ200にパスワード要求が送信されてきた際に、パスワードを生成する。
【0122】
ただし、これに限定されるものではなく、パスワード生成部212は、ランダムなパスワードを所定時間毎に(例えば30分毎に)生成し、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に記憶されているパスワードを更新してもよい。言い換えれば、パスワード生成部212は、所定時間有効なパスワードを生成してもよい。そして、第2制御部210は、ラベル検査装置100又は情報端末900からサーバ200にパスワード要求が送信されてくると、第2通信部230を制御して、現時点において有効なパスワードを、宛先情報記憶領域224に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先と、ラベル検査装置100と、に送信してもよい。
【0123】
なお、上記実施形態のように、パスワード生成部212が、ラベル検査装置100又は情報端末900からサーバ200にパスワード要求が送信されてきた際にパスワードを生成する場合であっても、パスワードはワンタイムパスワードではなく、所定時間有効なパスワードであってもよい。ワンタイムパスワードではなく、所定時間有効なパスワードが用いる場合であっても、有効なパスワードが更新されていくので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用したパスワードを使用して、勝手にラベル検査装置100の設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0124】
また、ワンタイムパスワードは、1回だけ使用可能であることに加え、所定時間だけ有効なパスワードであってもよい。
【0125】
(6-3)変形例1C
上記実施形態では、サーバ200のパスワード生成部212が生成したパスワードを、第2通信部230がラベル検査装置100に送信し、第1制御部160は、受信したパスワードを、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶する。
【0126】
ただし、これに限定されるものではなく、ラベル検査システム300は、図5のように構成されてもよい。図5のラベル検査システム300では、サーバ200がパスワード生成部212を有するだけではなく、ラベル検査装置100もパスワード生成部163を有する。パスワード生成部212及びパスワード生成部163は、所定時間だけ有効なパスワードを、所定時間間隔で生成する。パスワード生成部163の生成するパスワードは、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶される。パスワード生成部212の生成するパスワードは、第2記憶部220のパスワード記憶領域222に記憶される。
【0127】
なお、ここでは、パスワード生成部212とパスワード生成部163とは、時刻同期方式(タイムスタンプ方式)を用いてパスワードを生成する。ラベル検査装置100とサーバ200との時刻を同期させておくことで、ラベル検査装置100のパスワード生成部163とサーバ200のパスワード生成部212とは、同時刻に同じパスワードを生成する。
【0128】
このように構成すれば、ラベル検査装置100とサーバ200とがネットワークNWを介して通信可能に接続されていないタイミングであっても、作業者はラベル検査装置100の検査に関する設定の変更を行うことができる。
【0129】
図5のラベル検査システム300における検査に関する設定の変更の処理の流れの例について、図6のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0130】
まず、作業者は、ラベル検査装置100の検査に関する設定の変更を行う際に、事前に管理者に、検査設定の変更をしたい旨を連絡する。
【0131】
管理者は、検査に関する設定の変更を許可する場合には、情報端末900を操作して、サーバ200にパスワード要求を送信する。例えば、管理者は、情報端末900にダウンロードされているアプリケーションソフトウェアを利用して、サーバ200にパスワード要求を送信する。
【0132】
サーバ200が情報端末900からパスワード要求を受信すると、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、第2記憶部220の宛先情報記憶領域224に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。言い換えれば、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、情報端末900に送信する。
【0133】
次に、作業者は、情報端末900を操作する管理者に、情報端末900に対して送信されたパスワード(メールやSMSで送信されてきて、管理者が情報端末900を利用して取得したパスワード)を問い合わせる。作業者が管理者の近くにいるような場合には、作業者は、管理者に直接パスワードを聞いてもよい。また、作業者は、管理者に、電話やメールでパスワードを問い合わせてもよい。また、管理者は、情報端末900を利用してパスワードを取得すると、作業者からの問い合わせを待たずに、管理者から作業者に連絡をとり、作業者にパスワードを連絡してもよい。
【0134】
次に、作業者は、管理者から取得したパスワードを入力部140に入力する。そして、ラベル検査装置100の第1制御部160の設定変更許可部162は、入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードと、が一致するか否かを判断する。入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードと、が一致した場合には、設定変更許可部162は、第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定の情報の変更を許可する。
【0135】
この後の処理の流れは、上記実施形態の(4)ラベル検査装置の検査に関する設定の変更の処理の流れの<第1の例>と同様であるため、説明は省略する。
【0136】
(6-4)変形例1D
上記実施形態では、サーバ200がパスワード生成部212を有している。
【0137】
ただし、これに限定されるものではなく、図7のように、サーバ200に代えてラベル検査装置100がパスワード生成部163を有してもよい。パスワード生成部163は、上記実施形態におけるサーバ200のパスワード生成部212と、同様の機能を有する。サーバ200に代えてラベル検査装置100がパスワード生成部163を有する点以外は、ラベル検査装置100とサーバ200とは同様の構成を有する。
【0138】
図7のラベル検査システム300における検査に関する設定の変更の処理の流れの一例を、図8のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0139】
まず、作業者が、ラベル検査装置100の入力部140に、検査に関する設定の変更の入力を行う。なお、ここでは、作業者が検査に関する設定の変更の入力を行うとは、作業者が検査に関する設定を実際に入力することに限定されず、作業者が検査に関する設定の変更を行うための所定の操作を入力部140に対して行うことを意味する。例えば、ここでは、作業者が検査に関する設定の変更の入力を行うという記載には、作業者が入力部140を操作して、表示部130としてのタッチパネル式ディスプレイに検査に関する設定を行うための入力画面を表示させる場合を含む。
【0140】
作業者が入力部140に検査に関する設定の変更の入力を行うと、ラベル検査装置100のパスワード生成部163は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、予め設定された規則に基づき生成する。そして、パスワード生成部163は、生成したパスワードにより、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に蓄積されているパスワードを更新する。パスワード生成部163の生成するパスワードは、ワンタイムパスワードであることが好ましい。
【0141】
第1制御部160は、パスワード生成部163がパスワードを生成すると、第1通信部180を制御し、第1通信部180に、サーバ200に対して、パスワード生成部163が生成した現時点で有効なパスワードを送信させる。第2記憶部220のパスワード記憶領域222に蓄積されている現時点において有効なパスワードは、サーバ200が受信した、現時点において有効なパスワードにより更新される。
【0142】
そして、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、第2記憶部220の宛先情報記憶領域224に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。言い換えれば、第2制御部210は、第2通信部230を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、情報端末900に送信する。
【0143】
管理者が作業者にパスワードを連絡した後の処理の流れは、上記実施形態の(4)ラベル検査装置の検査に関する設定の変更の処理の流れの<第1の例>と同様であるため、説明は省略する。
【0144】
(6-5)変形例1E
上記実施形態では、ラベル検査装置100がパスワードの照合を行うが、パスワードの照合はサーバ200が行ってもよい。
【0145】
例えば、ラベル検査装置100は、入力部140に入力されたパスワードをサーバ200に送信し、サーバ200が、入力部140に入力されたパスワードと、パスワード記憶領域222に記憶されているパスワードとが一致しているかを判断してもよい。そして、ラベル検査装置100の設定変更許可部162は、サーバ200が行ったパスワードの照合結果の報告に応じて、設定に関する変更を許可するか否かを決定してもよい。
【0146】
<第2実施形態>
第2実施形態では、本発明に係る検査装置の一実施形態に係るラベル検査装置100A及びラベル検査システム300Aについて、図9を参照しながら説明する。図9は、ラベル検査装置100Aのブロック図である。
【0147】
なお、以下では説明されない内容であっても、第1実施形態及びその変形例において説明した内容は、矛盾の無い範囲で第2実施形態に適用されてもよい。
【0148】
第2実施形態のラベル検査システム300Aは、図9に示すようにラベル検査装置100Aを主に含む。ラベル検査システム300Aは、サーバ200を有していなくてもよい。第1実施形態のラベル検査システム300では、サーバ200が情報端末900へとパスワードを送信していたが、第2実施形態のラベル検査システム300Aでは、ラベル検査装置100Aが情報端末900へとパスワードを送信する。
【0149】
第2実施形態のラベル検査装置100Aは、第1実施形態のラベル検査装置100と同様の点も多いため、ここでは、ラベル検査装置100Aと第1実施形態のラベル検査装置100との共通点については説明を省略し、主に、ラベル検査装置100Aとラベル検査装置100との相違点について説明する。
【0150】
ラベル検査装置100Aは、物理的な構成は、第1実施形態の変形例1Dのラベル検査装置100と同様の構成を有する。ただし、ラベル検査装置100Aの第1記憶部170は、第1実施形態の第2記憶部220の宛先情報記憶領域224に相当する宛先情報記憶領域173を有する。そして、ラベル検査装置100Aは、パスワードや、変更後の検査に関する設定を、サーバ200を介して情報端末900に送信するのではなく、直接的に情報端末900に送信する。具体的には、ラベル検査装置100Aは、パスワードや、変更後の検査に関する設定を、宛先情報記憶領域173に記憶されている宛先情報により特定される情報の宛先(例えば、情報端末900を使用する管理者のメールアドレス)に直接送信する。
【0151】
図10を参照しながら、ラベル検査装置100Aにおける検査に関する設定の変更の処理の流れの例を説明する。図10は、ラベル検査装置100Aにおける検査に関する設定の変更が行われる際の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0152】
まず、第1実施形態の(4)ラベル検査装置の検査に関する設定の変更の処理の流れの<第1の例>と同様に、作業者は、ラベル検査装置100Aの入力部140に、検査に関する設定の変更の入力を行う。
【0153】
作業者が入力部140に検査に関する設定の変更の入力を行うと、パスワード生成部163は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、予め設定された規則に基づき生成し、生成したパスワードにより、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に蓄積されているパスワードを更新する。例えば、パスワード生成部163の生成するパスワードは、好ましくは1回だけ使用可能なワンタイムパスワードである。
【0154】
次に、第1制御部160は、第1通信部180を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワード(パスワード記憶領域172に蓄積されているパスワード)を、第1記憶部170の宛先情報記憶領域173に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。言い換えれば、第1制御部160は、第1通信部180を制御して、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワードを、情報端末900に送信する。
【0155】
作業者は、情報端末900を操作する管理者に、情報端末900に対して送信されたパスワード(メールやSMSで送信されてきて、管理者が情報端末900を利用して取得したパスワード)を問い合わせる。作業者が管理者の近くにいるような場合には、作業者は、管理者に直接パスワードを聞いてもよい。また、作業者は、管理者に、電話やメールでパスワードを問い合わせてもよい。また、管理者は、情報端末900を利用してパスワードを取得すると、作業者からの問い合わせを待たずに作業者に連絡をとり、作業者にパスワードを連絡してもよい。
【0156】
次に、作業者は、管理者から取得したパスワードを入力部140に入力する。そして、ラベル検査装置100Aの第1制御部160の設定変更許可部162は、入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードと、が一致するか否かを判断する。入力部140に入力されたパスワードと、第1記憶部170のパスワード記憶領域172に記憶されているパスワードと、が一致した場合には、設定変更許可部162は、第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定の情報の変更を許可する。
【0157】
設定変更許可部162が第1記憶部170の検査設定記憶領域174に記憶されている検査に関する設定の変更を許可すると、例えば、第1制御部160は、表示部130を制御して、表示部130に設定変更が許可された旨を表示する。作業者は、これを受けて、ラベル検査装置100Aが所望の検査を実行するように、入力部140に、検査に関する設定の変更を入力する。そして、第1制御部160は、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を、入力部140が受け付けた検査に関する設定(すなわち変更後の検査に関する設定)に変更する。
【0158】
なお、検査に関する設定の変更の際、表示部130は、検査に関する設定を変更する作業者のIDの入力を要求することが好ましい。そして、第1制御部160は、第1記憶部170に、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の内容と、検査に関する設定の変更を入力部140に入力した作業者のIDと共に記憶させることが好ましい。
【0159】
第1制御部160は、検査設定記憶領域174に記憶される検査設定を変更する際、第1通信部180の動作を制御して、第1通信部180に変更後の検査に関する設定を、第1記憶部170の宛先情報記憶領域173に蓄積されている宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。言い換えれば、第1制御部160は、第1通信部180を制御して、変更後の検査に関する設定を、情報端末900に送信する。
【0160】
以上で説明した処理の流れでは、作業者は管理者からパスワードを取得しないと、ラベル検査装置100Aの検査に関する設定を変更できない。したがって、検査に関する経験や知識の少ない作業者が、管理者に無断で検査設定を変更するような事態の発生を抑制できる。
【0161】
(1)特徴
(1-1)
第2実施形態のラベル検査装置100Aは、検査対象を検査するラベル検査装置100Aである。ラベル検査装置100Aは、検査装置の一例である。ラベル検査装置100Aは、通信部の一例としての第1通信部180と、入力部140と、蓄積部の一例としての第1記憶部170と、制御部の一例としての第1制御部160と、を備える。第1通信部180は、ラベル検査装置100Aの外部と通信する。入力部140は、作業者による入力を受け付ける。第1記憶部170は、現時点において有効な設定変更許可に関する情報としてのパスワード、及び、ラベル検査装置100A以外の情報の宛先に関する宛先情報を蓄積する。第1制御部160は、入力部140がラベル検査装置100Aにおける検査に関する設定の変更を受け付けた場合、第1通信部180を経由して、宛先情報により特定される情報の宛先に現時点において有効なパスワードを送信させる。第1制御部160は、入力部140が現時点において有効なパスワードを受け付けた場合、ラベル検査装置100Aにおける検査に関する設定を、入力部140が受け付けた変更後の検査に関する設定に変更する。
【0162】
ラベル検査装置100Aでは、検査に関する設定の変更に、ラベル検査装置100A以外の宛先に送信される設定変更許可に関する情報が必要となる。そのため、ラベル検査装置100Aでは、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、勝手にラベル検査装置100Aの設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0163】
(1-2)
ラベル検査装置100Aは、パスワード生成部163を備える。パスワード生成部163は、現時点において有効なパスワードを、予め設定された規則に基づき生成し、生成した現時点において有効なパスワードにより、第1記憶部170に蓄積されている現時点において有効なパスワードを更新する。
【0164】
ラベル検査装置100Aでは、パスワードが更新されるので、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用したパスワードを使用して、勝手にラベル検査装置100Aの設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0165】
(1-3)
ラベル検査装置100Aでは、設定変更許可に関する情報としてのパスワードは、ワンタイムパスワードである。
【0166】
ラベル検査装置100Aでは、有効な設定変更許可に関する情報として1回限り有効なワンタイムパスワードが用いられる。そのため、ラベル検査装置100Aでは、検査に関する経験や知識の浅い作業者等が、過去に使用した設定変更許可に関する情報を使用して、勝手にラベル検査装置100Aの設定を変更する事態の発生を抑制できる。
【0167】
(1-4)
ラベル検査装置100Aでは、入力部140は、検査に関する設定の変更と共に、入力部140に対して検査に関する設定の変更を入力する作業者を識別するためのIDを受け付ける。第1記憶部170は、検査に関する設定の変更の履歴を、検査に関する設定の変更を行った作業者のIDと共に記憶する。
【0168】
ラベル検査装置100Aでは、変更された設定の内容と、変更を行った作業者のIDとが関連付けて記憶されるため、仮に不適切な設定が行われた場合にも、その原因の究明等を容易に行うことができる。
【0169】
(1-5)
ラベル検査装置100Aでは、第1通信部180は、第1制御部160が、ラベル検査装置100Aにおける検査に関する設定を、変更後の検査に関する設定に変更する際、変更後の検査に関する設定を、宛先情報により特定される情報の宛先に送信する。
【0170】
ラベル検査装置100Aでは、変更後の検査に関する設定がラベル検査装置100Aの管理者等に送信されるため、管理者等が、変更後の検査に関する設定が適切な内容であるかを確認できる。
【0171】
<付記>
本明細書で説明した検査システム及び検査装置は実施例に過ぎず、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明は、検査システム及び検査装置に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0173】
100 ラベル検査装置(検査装置)
100A ラベル検査装置(検査装置)
140 入力部
160 第1制御部(制御部)
163 パスワード生成部(生成部)
170 第1記憶部(記憶部、蓄積部)
200 サーバ
210 第2制御部
212 パスワード生成部(生成部)
220 第2記憶部(蓄積部)
230 第2通信部
300 検査システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0174】
【特許文献1】特開2015-130125号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10