(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097217
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】カバー部材
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20200101AFI20230630BHJP
D06F 39/12 20060101ALI20230630BHJP
E03C 1/184 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
D06F39/00 Z
D06F39/12 Z
E03C1/184
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213462
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平井 良典
(72)【発明者】
【氏名】藤田 源希
【テーマコード(参考)】
2D061
3B165
3B166
【Fターム(参考)】
2D061CA03
3B165AA11
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA88
3B165CA21
3B165CA22
3B165CB01
3B165CB31
3B165DW01
3B165DW05
3B166AA11
3B166AE01
3B166AE02
3B166BA88
3B166CA21
3B166CB01
3B166CB11
3B166DE01
3B166DE04
3B166DE06
3B166DE08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】洗濯機と床面もしくは載置面との隙間から、小動物が侵入したり子供などがいたずら等で手足を差し入れることを確実に防止するカバー部材を提供する。また、洗濯機を施工後に、追加で取り付けすることを可能とするカバー部材を提供する。
【解決手段】洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材を、洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材本体1aと、前記カバー部材本体1aを位置決めすると共に、任意の取り付け箇所に固定可能な取り付け部3と、から構成する。また、前記取り付け部3を、前記床面もしくは前記載置面を有する部材に備えて構成する。また、前記カバー部材本体を、前記取り付け部から分離可能に構成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材本体と、
前記カバー部材本体を位置決めすると共に、任意の取り付け箇所に固定可能な取り付け部と、
から構成したことを特徴とするカバー部材。
【請求項2】
前記取り付け部を、前記床面もしくは前記載置面を有する部材に備えたことを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。
【請求項3】
前記カバー部材本体を、前記取り付け部から分離可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカバー部材。
【請求項4】
前記カバー部材本体と前記取り付け部とが分離可能な解除状態から操作により分離不可能なロック状態への切り替えが可能に構成される一方、
前記ロック状態から操作により前記解除状態への切り替えが可能に構成されており、
前記解除状態から前記ロック状態への切り替え及び前記ロック状態から前記解除状態への切り替えを操作する操作手段を備えてなることを特徴とする請求項3に記載のカバー部材。
【請求項5】
前記洗濯機の前記載置面が、前記洗濯機を載置する架台若しくは防水パンに設けられてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のカバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機と、洗濯機を載置する載置面との間において生じる隙間を覆うカバー部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯機と、洗濯機を載置する載置面、例えば架台の上面等において、洗濯機の下方には、洗濯機と架台の間、または複数の架台同士の間に、人の手やペットの小動物などが入ることが可能な程度の隙間を設けていることが多い。これは、洗濯機の下方を清掃したり、洗濯機下方に設けられた排水トラップのメンテナンス等を行う際に、手を差し入れるために備えられた隙間であるが、この隙間から、ペットの小動物が洗濯機下方に潜り込んだり、子供がいたずらで手足を差し入れる場合がある。しかし、洗濯機下方の空間は、ほこり、洗濯機の配管の継ぎ目からの漏水等で汚れており、不衛生である。また洗濯機の下面は金属のエッジや螺子の突起等があり、不用意に触れると怪我をする恐れがある。
このため、洗濯機の下方にペットの小動物が潜り込んだり、子供がいたずらで手足を差し入れることを防止する方法が求められていた。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、洗濯機を載置する載置面として用いられる防水パンであって、平面視正方形形状をなす防水パンの四隅に、洗濯機の脚部を載置する架台を設け、この複数設けられた架台に対して架台間の側面及び上面の隙間を覆うカバー部材を備えてなる。
この特許文献1の発明においては、カバー部材が架台から脱落等しないように架台とカバー部材に凹部と突起部とを設け、凹部に突起が係止されることで、カバー部材が洗濯機用防水パンの架台から脱落しないように構成されている。
【0004】
また、特許文献2に記載の発明においては、洗濯機を載置する載置面としての複数の架台において、複数の架台の側面及び上面の隙間を覆うカバー部材を備え、このカバー部材によって洗濯機下方の空間に異物や小動物の侵入を防ぐように構成されている。
この特許文献2の発明においても、カバー部材が架台から脱落等しないように架台とカバー部材に凹部と突起部とを設け、凹部に突起が係止されることで、カバー部材が洗濯機用防水パンの架台から脱落しないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-80448号
【特許文献2】特開2013-74922号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2に記載のカバー部材は、品物が洗濯機の下方の空間に侵入することを防止するには有効である。しかしながら、これらのカバー部材は、いずれも施工時点でカバー部材を採用することを前提としており、洗濯機の施工後に、追加でカバー部材を用意し、取り付けることは困難だった。
特許文献1に記載のカバー部材は、カバー部材の外形と、カバー部材を取り付ける防水パンの取り付け箇所の形状が合致していなければ取り付けることはできない。仮に、防水パンの取り付け箇所に合致する形状のカバー部材が販売されていても、防水パンの型番などを確認し、型番に合致するカバー部材を調査したうえで注文を行う必要があり、追加でカバー部材を用意することは大変な困難を伴う。
特許文献2に記載のカバー部材は、架台間の幅とカバー部材の幅が合致していなければ取り付けることはできない。特許文献2に記載の架台は床面に固定されているわけではないが、滑り止め等の工夫により、洗濯機を載置したまま架台間の間隔を調整することはほぼ不可能であり、また洗濯機は重量物なので洗濯機を架台から降ろして架台の間隔を調整した後、再度架台上に載置することも困難である。
このように洗濯機を施工後に、追加でカバー部材を取り付けることは困難であった。
【0007】
また、前記各特許文献の発明において、架台とカバー部材とは、凹部と突起部によって簡易に係合しているにすぎず、室内飼いの犬猫等ある程度の大きさの動物や、子供等ではカバー部材を押し上げて、洗濯機下方の空間に侵入したり、手足を差し入れることが可能であり、ペットの小動物が洗濯機下方に潜り込んだり、子供がいたずらで手足を差し入れることを完全に防止することはできない、という問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、洗濯機を施工後に、追加で取り付けすることを可能とするカバー部材を提供すること、また洗濯機と洗濯機を載置する載置面との間において生じる隙間から、小動物が侵入したり子供などがいたずら等で手足を差し入れることを確実に防止するカバー部材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材本体と、前記カバー部材本体を位置決めすると共に、任意の取り付け箇所に固定可能な取り付け部と、から構成したことを特徴とするカバー部材である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、前記取り付け部を、前記床面もしくは前記載置面を有する部材に備えたことを特徴とする請求項1に記載のカバー部材である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、前記カバー部材本体を、前記取り付け部から分離可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカバー部材である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、前記カバー部材本体と前記取り付け部とが分離可能な解除状態から操作により分離不可能なロック状態への切り替えが可能に構成される一方、前記ロック状態から操作により前記解除状態への切り替えが可能に構成されており、前記解除状態から前記ロック状態への切り替え及び前記ロック状態から前記解除状態への切り替えを操作する操作手段を備えてなることを特徴とする請求項3に記載のカバー部材である。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、前記洗濯機の前記載置面が、前記洗濯機を載置する架台若しくは防水パンに設けられてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のカバー部材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材を、設置済みの洗濯機に対し、洗濯機や洗濯機の載置面の形状などの違いに関係なく取り付けることができる。
また、カバー部材を、洗濯機と床面もしくは載置面との隙間を覆うカバー部材本体と、前記カバー部材本体に分離可能に接続される取り付け部とから構成したことで、カバー部材を施工後に、必要に応じ容易に分離することができる。
また、カバー部材本体と取り付け部とを、分離不可能な状態を維持するロック状態と、ロック状態を解除し分離可能な状態とする構造としたことで、洗濯機と洗濯機の設置面との間において生じる隙間に、小動物が侵入したり子供などが誤って手足を差し入れることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】洗濯機の(a)平面図、(b)正面図、(c)斜視図である。
【
図2】第一実施例の洗濯機の施工状態を示す正面図である。
【
図3】第一実施例のカバー部材本体の参考図である。
【
図4】第一実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図6】第一実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図9】第二実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図10】第二実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図11】第二実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図12】第二実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工する過程を示す参考図である。
【
図13】第二実施例の洗濯機に、カバー部材本体を施工した状態を示す参考図である。
【
図14】第三実施例の、カバー部材を備えない施工状態を示す正面図である。
【
図16】第三実施例の、カバー部材を備えた施工状態を示す正面図である。
【
図18】架台を一体に備えた防水パンに洗濯機を施工した状態を示す正面図である。
【
図20】他の実施例の、カバー部材の施工前の状態を示す正面図である。
【
図21】
図20の実施例の、カバー部材を施工した状態を示す正面図である。
【
図22】他の実施例の、カバー部材の施工前の状態を示す正面図である。
【
図23】
図22の実施例の、カバー部材を施工した状態を示す正面図である。
【実施例0015】
以下に、本発明の第一実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図3乃至
図8に図示した、本発明の第一実施例は、以下に記載する洗濯機Sと、前記洗濯機Sを載置する載置面としての床面Hと、カバー部材1とから構成される。
洗濯機Sは、
図1に図示した、所謂縦型洗濯機Sと呼ばれる構造の洗濯機Sで、対象の洗濯物を内部に収納する洗濯・脱水槽が縦方向に配置され、水平方向に回転するように構成されている。洗濯機Sの下面には四隅に脚部S1が設けられ、この脚部S1が載置面である床面Hに配置される。他に、洗濯機Sからの排水を排出するホース管S2が備えられてなる。
床面Hは、屋内の洗濯機Sが載置される床面Hであって、本実施例では、室内の壁面に隣接する部分に洗濯機Sが配置される。またこの床面H上には排水用の下水側に連通する立ち上げ管Pがあり、この立ち上げ管Pの内部に部分に臭気や害虫類の屋内側への侵入を防止する排水トラップTがユニット化して備えられてなる。排水トラップTにはエルボ管T2が備えられ、
図2に示したように、このエルボ管T2に洗濯機Sのホース管S2を接続することで、洗濯機Sからの排水を、排水トラップTを介して下水側に排出できる。また、本実施例では、後述するように、取り付け部TKとしてのアンカー部材3が取り付けられる床面Hが取り付け箇所である。
カバー部材1は、以下に記載するカバー部材本体1a、取り付け部TKとしてのアンカー部材3、ロック機構としての南京錠4、及び鎖部材CHから構成される。
カバー部材本体1aは、
図3に示したように、高さ40センチメートル、幅5センチメートル程度の細長いリブ片を、ヒンジを用いてすだれ状に連結した部材であり、横幅は洗濯機Sの四方を覆うのに十分な長さを備えてなる。具体的には、一般的な洗濯機Sの一辺が幅65センチメートル程度、全周が260センチメートル程度なのに対して、カバー部材1の横幅は約300センチメートルと確実に洗濯機Sの全周を覆うことができる幅に構成している。また、各リブ片に、南京錠4を通すための、ヒンジの軸が露出する開口部2を備えてなる。
アンカー部材3は、タッピング螺子とリング部3aを備えた金属からなる部材であって、タッピング螺子は、平坦な床面Hまたは壁面に雄螺子を先端部分から打ち込むことで床面Hや壁面に部材を固定することが可能に構成される。
南京錠4は鍵穴部1d(第一実施例では図示せず)を備えた南京錠本体4aと、南京錠本体4aに備えられたフック部5と、鍵穴部1dに差し込まれてフック部5の開閉を操作する鍵部材10(第一実施例では図示せず)とから構成される。
鎖部材CHはカバー部材本体1aと取り付け部TKであるアンカー部材3の間を連結する、金属製の鎖である。本実施例では一点鎖線にて簡略的に表示するが、実際には金属製のリングを連結したものであり、後述するように、このリングの適宜な箇所に南京錠本体4aのフック部5を係止固定することで、南京錠本体4aを固定することができる。
【0016】
上記した各部材は以下のように施工される。
まず、立ち上げ管P内に、ユニット化した排水トラップTを接続する。
次に、洗濯機Sを、
図2のように、立ち上げ管Pの近傍であって、設置面である床面H上に洗濯機Sの脚部S1が載置されるように設置する。
この時、洗濯機Sの脚部S1下面は床面H上に接しているが、洗濯機Sの前記脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間には若干の隙間が生じている。
次に、ホース管S2を排水トラップTのエルボ管T2に接続する。このようにすることで、洗濯時に生じた排水はホース管S2からエルボ管T2、排水トラップT内を介し、下水側に排出される。このようにすることで、洗濯機Sの床面H上への施工が完了する。
【0017】
次に、カバー部材1の施工について説明する。本実施例のカバー部材1は、洗濯機Sが上記のように施工が完了した後に、洗濯機Sの脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間の隙間を覆う目的で、追加の部材として施工される。
まず、アンカー部材3のタッピング螺子を、洗濯機S近傍の床面Hに打ち込み、アンカー部材3を洗濯機S近傍の床面Hに固定する。
次に、カバー部材本体1aを、
図4のように、立ち上げ管Pを含み洗濯機Sの周囲を覆うように配置する。前述の通り、カバー部材本体1aは、確実に洗濯機Sの全周を覆うことができる幅に構成されており、余った部分は
図8のようにカバー部本体が二重となるように配置する。また
図8のようにカバー部材本体1aの露出している側の端部が、アンカー部材3に最も近い位置となるよう配置する。
上記のようにカバー部材本体1aを配置することにより、カバー部材本体1aが、洗濯機Sの前記脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間を覆い隠すことができる。
次に、鎖部材CHをアンカー部材3のリング部3aに挿通した上で、その両端を、カバー部材本体1aの露出している側の端部の開口部2に近づける。
次に、カバー部材本体1aの露出している側の端部の開口部2のヒンジの軸部2aと、カバー部材本体1aの露出している側の端部と反対側であって、前記端部に最も近い開口部2のヒンジの軸部2aと、鎖部材CHの両端側とを南京錠本体4aとのフック部5に掛けた状態とする。
ここで、鎖部材CHの、南京錠4のフック部5に掛けられた部分からアンカー部材3のリング部3aにまでの部分を実施例では以後「連結部分」と記載する。
施工時、鎖部材CHの連結部分はたるみが生じないように、連結部分の長さが最短となるようにして、南京錠本体4aのフック部5に係止する。
この状態にて南京錠本体4aをロック状態とすることで、
図6及び
図7のように、第一実施例の洗濯機Sとカバー部材1の施工が完了する。
【0018】
洗濯機Sを使用し、排水が生じると、排水はホース管S2からエルボ管T2、排水トラップT、立ち上げ管Pを介し、下水側に排出される。
【0019】
上記の洗濯機Sとカバー部材1において、カバー部材本体1aは洗濯機Sの全周を覆った状態で、南京錠本体4aのロック機構により展開することのないロック状態とされている。このため、操作により南京錠本体4aのロック状態を解除しない限り、カバー部材本体1aを展開して洗濯機Sの脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間の隙間が露出することはない。
また、カバー部材本体1aの南京錠4により鎖部材CHにつながれている部分は、アンカー部材3に最も近い位置であり、更に鎖部材CHの連結部分の長さは最短となるようにしてロック状態とされている。このため、操作によりロック機構である南京錠本体4aのロック状態を解除しない限り、カバー部材本体1aを上昇させて洗濯機Sの脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間の隙間が露出することはない。
また、清掃などの目的で、カバー部材本体1aの、洗濯機Sの脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間の隙間を覆う状態を解除する場合、南京錠本体4aの鍵穴部1dに鍵部材10を用いてロック機構である南京錠4のロック状態を解除し、鎖部材CHやカバー部材1の軸部2aを南京錠4のフック部5から解放することで、洗濯機Sの脚部S1以外の底面部6c分と床面Hの間の隙間を覆う状態を解除できる。
すなわち、本実施例のカバー部材1は、カバー部材本体1aを鎖部材CHやアンカー部材3、南京錠4等から分離不可能なロック状態とすることで、洗濯機Sと載置面である床面Hとの隙間を覆うカバー部材1で覆った状態とし、且つその状態を解除できない構造とし、洗濯機Sと載置面である床面Hとの隙間を覆う隙間に、小動物が侵入したり子供などが誤って手足を差し入れることを確実に防止することができる。
このように、カバー部材本体1aは、取り付け部TKであるアンカー部材3により床面Hに対して位置決め固定されてなる。
また、ロック機構である南京錠4のロック状態を解除することで、カバー部材本体1aを基礎部材1bから分離させ、上記洗濯機Sと載置面である床面Hとの隙間をカバー部材1で覆った状態を解除することができる。
即ち、本実施例のカバー部材1は、操作手段である南京錠4への操作により、前記カバー部材本体1aが、取り付け箇所である床面Hに固定された取り付け部TKであるアンカー部材3に対し、分離可能な解除状態から操作により分離不可能なロック状態への切り替えが可能に構成される一方、前記ロック状態から操作により前記解除状態への切り替えが可能に構成されており、且つ解除状態からロック状態への切り替え及びロック状態から解除状態への切り替えが可能な構成となっている。
また、本実施例のカバー部材1は、カバー部材本体1aの、南京錠4のフック部5を係止させる軸部2aを調整することで、大きさ等が異なる洗濯機Sであっても使用することができる。洗濯機Sに合わせた専用のカバー部材1ではなく、適宜洗濯機Sに合わせて調整が可能であり、また洗濯機Sを載置面に載置させた状態のままカバー部材1を施工できるため、洗濯機Sを施工後に、ホームセンターなどでカバー部材1を別途購入し、後付け施工することが可能である。
上記のように、床面H上の任意の位置にアンカー部材3を打ち込めることと、そのアンカー部材3の位置に合わせて南京錠4を取り付けるカバー部材本体1aの軸部2aや鎖部材CHの状態を調整できることにより、本実施例のカバー部材1は、取り付ける洗濯機Sの形状や大きさが異なっても、適宜調整して支障なく施工することができる。
【0020】
次に、本発明の第二実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図9乃至
図13に図示した、本発明の第二実施例は、以下に記載する洗濯機Sと、前記洗濯機Sを載置する載置面を備えた4つの架台部材7と、カバー部材1とから構成される。
洗濯機Sは、
図1に図示した、所謂縦型洗濯機Sと呼ばれる構造の洗濯機Sで、対象の洗濯物を内部に収納する洗濯・脱水槽が縦方向に配置され、水平方向に回転するように構成されている。洗濯機Sの下面には四隅に脚部S1が設けられ、この脚部S1が載置面である架台部材7上面に配置される。他に、洗濯機Sからの排水を排出するホース管S2が備えられてなる。
架台部材7は、平面視正方形を成す樹脂製の部材であって、ビス部材などの部材によって屋内の床面H上に固定される。
また、架台部材7の上面は洗濯機Sの脚部S1が載置される載置面として構成されている。また、本実施例では、後述するように、バンド部8の取り付け部TKが取り付けられる架台部材7の側面部分が取り付け箇所である。
架台部材7が固定される床面Hは、屋内の床面Hであって、本実施例では、室内の壁面に隣接する部分である。またこの床面H上には排水用の下水側に連通する立ち上げ管Pがあり、この立ち上げ管Pの内部に部分に臭気や害虫類の屋内側への侵入を防止する排水トラップTがユニット化して備えられてなる。排水トラップTにはエルボ管T2が備えられ、このエルボ管T2に洗濯機Sのホース管S2を接続することで、洗濯機Sからの排水を、排水トラップTを介して下水側に排出できる。
カバー部材1は、防水パン6の架台部6a間の隙間、及び洗濯機Sと架台との間の隙間、すなわち洗濯機と床面との隙間を覆う部材であって、以下に記載する、カバー部材本体1aと、取り付け部TK、板状部材9からなる基礎部材1bと、取り付け部TKに板状部材9を固定する螺子部材Nと、カバー部材本体1aを基礎部材1bに固定する鍵部材10と、から構成される。
カバー部材本体1aは板状の部材であって、
図12、
図13に示したように、上方に板状部材9の上面及び背面を覆う返り部分1cを備える。また、
図12に示したように、向かって左上に、返り部分1cを含め、鍵部材10を通す貫通孔9bを備える。貫通孔9bは上方に鍵部材10の突起10dを通すための凹部9cを備えてなる。
取り付け部TKは、結束バンドからなるバンド部8に、雌螺子を螺合させるための台座部8aを備えた部材であって、本実施例では架台部材7の側面にバンド部8を巻き付けて結束することで、架台部材7に台座部8aを固定することができる。取り付け部TKはカバー部材1を洗濯機Sの一面に取り付けるのに2つ使用する。
板状部材9は板状の部材に、螺子部材Nの雄螺子を通すための縦向きのスリット9aを備えた部材であって、
図11に示したように、カバー部材1を洗濯機Sの一面に取り付けるのに2つ使用する。また、本実施例では、
図11に示したように、板状部材9の一方、
図11の向かって左側の板状部材9の右上に、鍵部材10を通す、カバー部材本体1aの貫通孔9bと同じ形状の貫通孔9bを備えてなる。貫通孔9bは上方に鍵部材10の突起10dを通すための凹部9cを備えてなる。
螺子部材Nは板状部材9をバンド部8の台座部8aに固定するための部材であって、板状部材9のスリット9aを貫通し、台座部8aの雌螺子と螺合する雄螺子を備えてなる。
鍵部材10は、円盤状のフランジ部10aと、フランジ部10aの表側に備えられた摘み部10bと、フランジ部10aの裏側に備えられた棒状にして突起10dを備えた鍵軸部10cと、から構成される。
【0021】
上記した各部材は以下のように施工される。
まず架台部材7を、洗濯機Sの脚部S1に合致するようにして床面H上に設置し、ビス部材などで床面Hに固定する。
次に、洗濯機Sを、設置面である架台部材7の上面の載置面に洗濯機Sの脚部S1が載置されるように設置する。
この時、洗濯機Sと架台部材7の間、また架台部材7同士の間には隙間が生じている。
次に、立ち上げ管P内に、ユニット化した排水トラップTを接続し、ホース管S2を排水トラップTのエルボ管T2に接続する。このようにすることで、洗濯時に生じた排水はホース管S2からエルボ管T2、排水トラップT内を介し、下水側に排出される。
【0022】
次にカバー部材1の施工について説明する。本実施例のカバー部材1は、洗濯機Sが上記のように施工が完了した後に、洗濯機Sと架台部材7の隙間、また架台部材7同士の隙間を覆う目的で、追加の部材として施工される。
尚、壁面に隣接するように洗濯機Sを配置した場合、壁面側から手を差し込むなどは不可能であり、壁面側にカバー部材1を配置する必要はない。
本実施例では、
図9乃至
図13において、洗濯機Sの正面側及び図面の向かって右側にのみカバー部材1を追加で施工する。
まず、取り付け部TKのバンド部8を、カバー部材1を施工する面を有する2つの架台部材7のそれぞれの側面に結束し、固定する。バンド部8は結束バンドの構成を備えるため、架台部材7の大きさや形状などが架台部材7の製品によりに異なっても支障なく結束でき、取り付け部TKを架台部材7に取り付けることができる。この取り付けの際には、2つの架台部材7に固定された台座部8aが、なるべく同じ高さで、取り付け面の外側方向を向くように注意してバンド部8を架台部材7に固定する。
図10の右側の架台部材7のように、一つの架台部材7に複数の取り付け部TKを配置する場合、同じ施工面の台座部8aの高さがなるべく一致していればよく、異なる施工面の台座部8aの高さが異なっていても構わない。
次に、板状部材9を台座部8aに当接させ、スリット9aを介して螺子部材Nと台座部8aの雌螺子に螺合させる。板状部材9の下端が、架台部材7を設置している床面H上に当接するようにして高さ調節を行った上で、螺子部材Nの螺合を完了させる。板状部材9のスリット9aは上下方向を向いているため、スリット9aに沿って板状部材9を移動させることで、支障なく板状部材9の下端が、架台部材7を設置している床面H上に当接するように固定することができる。このようにして、スリット9aの螺子部材Nの周縁部分を、螺子部材Nと台座部8aとで挟持することで、カバー部材1の取り付け部TKが、架台部材7に固定される。
次に、カバー部材本体1aを、
図13に示したように、2枚の板状部材9の間を覆うように、またカバー部材本体1aの上端の返り部分1cが、板状部材9上面に当接するようにして配置する。
更に、板状部材9の貫通孔9bの位置とカバー部材本体1aの貫通孔9bの位置を合致させ、鍵部材10の鍵軸部10cを、突起10dの方向を貫通孔9bの凹部9cに合わせて挿通することで、鍵部材10の鍵軸部10cが支障なく貫通孔9bを挿通する。この後、鍵部材10を、鍵軸部10cの軸を中心に回転させることで、貫通孔9bから鍵部材10を抜き出すことが不可能となる。また、鍵軸部10cは板状部材9とカバー部材本体1aを重ねて貫通しているため、カバー部材本体1aを、板状部材9から取り外すことができないロック状態とする。
上記のようにして、カバー部材1と板状部材9が、洗濯機Sと架台部材7の隙間及び架台部材7の間の隙間を覆い隠した状態で、外すことのできないロック状態とすることにより、第二実施例の洗濯機Sとカバー部材1の施工が完了する。
尚、施工が完了した状態において、
図18にあるように、螺子部材Nはカバー部材本体1aに覆われており、螺子部材Nへの作業ができないため、螺子部材Nの螺合を解除することでカバー部材本体1aを外すことは不可能となっている。
また、架台部材7の間隔が変化する場合に、
図18の左側の板状部材9とカバー部材本体1aの位置関係は貫通孔9bに鍵軸部10cが挿通されているため変化しない。
図18の右側の板状部材9とカバー部材本体1aの位置関係は変化するが、カバー部材本体1aと板状部材9はカバー部材本体1aの返り部分1cを板状部材9上面に係止させているだけの構造なので、係止位置の左右方向への調整は支障なく行うことができる。
【0023】
洗濯機Sを使用し、排水が生じると、排水はホース管S2からエルボ管T2、排水トラップT、立ち上げ管Pを介し、下水側に排出される。
【0024】
上記の洗濯機Sとカバー部材1を採用した架台部材7において、カバー部材本体1aと板状部材9は、洗濯機Sと架台部材7の隙間及び架台部材7の間の隙間を覆い隠した状態で、ロック機構として貫通孔9bに鍵部材10の鍵軸部10cが挿通されていることにより取り外されることがない状態とされている。このため、操作によりロック機構のロック状態を解除しない限り、カバー部材1が取り外され、洗濯機Sと架台部材7の隙間及び架台部材7間の隙間が露出する、ということは無い。
また、清掃などの目的で、カバー部材1による洗濯機Sと架台部材7の隙間及び架台部材7間の隙間を覆う状態を解除する場合、鍵部材10の鍵軸部10cを回転させ、突起10dの方向を貫通孔9bの凹部9cに合わせて鍵部材10を貫通孔9bから抜脱することで、ロック機構のロック状態が解除され、カバー部材本体1aを基礎部材1bから取り外し、洗濯機Sと床面H上に固定された架台部材7の隙間及び架台部材7間の隙間を覆う状態を解除できる。
すなわち、本実施例のカバー部材1は、洗濯機Sと床面Hとの隙間をカバー部材1で覆い、ロック機構のロック状態の解除の操作をしない限り、隙間部分をカバー部材1が覆う状態を解除できない構造を備えてなり、洗濯機Sと床面Hとの隙間に、小動物が侵入したり子供などが誤って手足を差し入れることを確実に防止することができる。
このように、カバー部材本体1aは、取り付け部TKを利用して取り付け箇所である架台部材7側面に対して位置決め固定されてなる。
また、操作によりロック機構のロック状態を解除することで、カバー部材本体1aを取り付け部TKから分離させ、上記洗濯機Sと架台部材7の隙間及び架台部材7間の隙間をカバー部材1で覆った状態を解除することができる。
即ち、本実施例のカバー部材1は、操作手段である鍵部材10への操作により、前記カバー部材本体1aが、取り付け箇所である架台部材7側面に固定された取り付け部TKおよび板状部材9に対し、分離可能な解除状態から操作により分離不可能なロック状態への切り替えが可能に構成される一方、前記ロック状態から操作により前記解除状態への切り替えが可能に構成されており、且つ解除状態からロック状態への切り替え及びロック状態から解除状態への切り替えが可能な構成となっている。
また、本実施例のカバー部材1の取り付け部TKは、バンド部8の結束を調整することで、大きさや形状等が異なる架台部材7であっても使用することができる。
また、カバー部材本体1aの板状部材9への取り付けも、洗濯機Sの大きさに合わせて調整可能である。特定の洗濯機Sや架台部材7に合わせた専用のカバー部材1ではなく、洗濯機Sや架台部材7に合わせて適宜調整が可能であり、また洗濯機Sを載置面に載置させた状態のままカバー部材1を施工できるため、洗濯機Sを施工後に、ホームセンターなどでカバー部材1を別途購入し、後付け施工することが可能である。
上記のように、架台部材7の大きさや形状などに関係なく取り付け部TKを取り付け箇所である架台部材7側面に取り付けることができることと、台座部8aの高さが異なってもスリット9aを利用して取り付ける板状部材9の取り付け位置を調整できることにより、本実施例のカバー部材1は、取り付ける洗濯機Sや架台部材7の形状や大きさが異なっても、適宜調整して支障なく施工することができる。
【0025】
次に、本発明の第三実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図14乃至
図17に図示した、本発明の第三実施例は、以下に記載する洗濯機Sと、前記洗濯機Sを載置する載置面を備えた防水パン6と、カバー部材1とから構成される。
洗濯機Sは、
図1に図示した、所謂縦型洗濯機Sと呼ばれる構造の洗濯機Sで、対象の洗濯物を内部に収納する洗濯・脱水槽が縦方向に配置され、水平方向に回転するように構成されている。洗濯機Sの下面には四隅に脚部S1が設けられ、この脚部S1が載置面である床面Hに配置される。他に、洗濯機Sからの排水を排出するホース管S2が備えられてなる。
防水パン6は、平面視正方形を成す槽体であって、
図15に示すように、底面部6cと、底面部6cの外縁である外壁部6bと、底面部6cに備えた排水トラップTと、から構成されてなる。
上記した防水パン6は、屋内であって、床面H上に、図示しないビス部材などを用いて取り付け固定される。
また、本実施例では、後述するように、基礎部材1bの取り付け部TKが取り付けられる外壁部6bが取り付け箇所である。
底面部6cに備えられた排水トラップTは、その内部に排水が満水となる流路を形成することで、臭気や害虫類の屋内側への侵入を防止するように構成された部材であって、その上面に防水パン6上の排水が流入する排水口T1を備えるとともに、排水口T1内にエルボ管T2が備えられ、このエルボ管T2に洗濯機Sのホース管S2を接続することで、洗濯機Sからの排水が流入するように構成されてなる。排水口T1またエルボ管T2からの排水は、排水トラップTを介して下水側に排出される。
カバー部材1は、洗濯機Sと防水パン6の間を覆う部材であって、以下に記載する、カバー部材本体1aと、基礎部材1bと、から構成される。
カバー部材本体1aは板状の部材であって、
図16、
図17に示したように、基礎部材1bに当接してカバー部材本体1aが傾かないようにするガイド部11と、基礎部材1bに接続される先端部を備えたレバー部材12と、から構成される。
基礎部材1bは、フック部5と、フック部5の対向位置にあり、螺合を行うことによりフック部5と先端部分との間で防水パン6の外壁部6bを挟持する螺子部材Nとにより構成される取り付け部TKと、具体的な構造・機構は説明しないが、上面に設けた鍵穴部1dにレバー部材12を差し込むことでレバー部材12の先端と係合固定し、レバー部材12を操作することで係合が解除されるロック機構と、から構成される。
【0026】
上記した各部材は以下のように施工される。
まず、排水トラップTを床下配管に接続した上で、防水パン6を床面H上に取り付け、ビス部材等で固定する。
次に、洗濯機Sを、脚部S1を載置面である防水パン6の底面部6c上に載置するようにして設置する。
更に、ホース管S2を排水トラップTのエルボ管T2に接続することで、第三実施例の洗濯機Sとカバー部材1を備えた防水パン6の施工が完了する。
【0027】
次にカバー部材1の施工について説明する。本実施例のカバー部材1は、洗濯機Sが上記のように施工が完了した後に、洗濯機Sと防水パン6の隙間を覆う目的で、追加の部材として施工される。
まず、基礎部材1bの取り付け部TKのフック部5を、防水パン6の外壁部6bの内面に係止し、更に取り付け部TKの螺子部材Nの螺合を行うことで、防水パン6の外壁部6bをフック部5と螺子部材N先端とで挟持固定する。このようにして、取り付け部TKが取り付け箇所に取り付け固定される。
次にカバー部材本体1aを、ガイド部11が基礎部材1bに当接するようにしつつ、レバー部材12の先端をロック機構の鍵穴部1dに係合させ、ロック状態とすることで、第三実施例の洗濯機Sとカバー部材1の施工が完了する。
尚、施工が完了した状態において、
図16、
図17にあるように、螺子部材Nはカバー部材本体1aに覆われており、螺子部材Nへの作業ができないため、螺子部材Nの螺合を解除することでカバー部材本体1aを外すことは不可能となっている。
【0028】
洗濯機Sを使用し、排水が生じると、排水はホース管S2からエルボ管T2、排水トラップT、立ち上げ管Pを介し、下水側に排出される。
【0029】
上記の洗濯機Sとカバー部材1を採用した架台部材7において、カバー部材本体1aは、洗濯機Sと防水パン6の間の隙間を覆い隠した状態で、ロック機構として鍵穴部1dにレバー部材12先端が係合し、取り外されることがない状態とされている。このため、レバー部材12への操作によりロック機構のロック状態を解除しない限り、カバー部材本体1aが取り外され、洗濯機Sと防水パン6の間の隙間が露出する、ということは無い。
また、清掃などの目的で、カバー部材本体1aによる洗濯機Sと防水パン6の間の隙間を覆う状態を解除する場合、レバー部材12に操作を行い、係合を解除することでロック機構のロック状態が解除され、カバー部材本体1aを基礎部材1bから取り外し、洗濯機Sと防水パン6の間の隙間を覆う状態を解除できる。
すなわち、本実施例のカバー部材1は、カバー部材本体1aを基礎部材1bから分離不可能なロック状態とすることで、洗濯機Sと防水パン6の間の隙間をカバー部材1で覆った状態とし、且つその状態を解除できない構造とし、洗濯機Sと防水パン6の間の隙間に、小動物が侵入したり子供などが誤って手足を差し入れることを確実に防止することができる。
このように、カバー部材本体1aは、取り付け部TKにより、取り付け箇所である防水パン6の外壁部6aに対して位置決め固定されてなる。
また、ロック機構である南京錠4のロック状態を解除することで、カバー部材本体1aを基礎部材1bから分離させ、上記洗濯機Sと載置面である床面Hとの隙間をカバー部材1で覆った状態を解除することができる。
即ち、本実施例のカバー部材1は、操作手段であるレバー部材12への操作により、前記カバー部材本体1aが、取り付け箇所である防水パン6の外壁部6aに固定された取り付け部TKに対し、分離可能な解除状態から操作により分離不可能なロック状態への切り替えが可能に構成される一方、前記ロック状態から操作により前記解除状態への切り替えが可能に構成されており、且つ解除状態からロック状態への切り替え及びロック状態から解除状態への切り替えが可能な構成となっている。
また、本実施例のカバー部材1の取り付け部TKは、螺子部材Nとフック部5を利用して挟持固定するため、外壁部6bの厚みが異なる防水パン6であっても使用することができる。
特定の防水パン6に合わせた専用のカバー部材1ではなく、適宜防水パン6に合わせて調整が可能であり、また洗濯機Sを載置面に載置させた状態のままカバー部材1を施工できるため、洗濯機Sを施工後に、ホームセンターなどでカバー部材1を別途購入し、後付け施工することが可能である。
上記のように、取り付け部TKのフック部5と螺子部材Nによる挟持を利用することで、防水パン6の外壁部6bの形状や厚みなどに関係なく基礎部材1bを取り付け箇所である防水パン6の外壁部6bに取り付けることができることにより、本実施例のカバー部材1は、取り付ける防水パン6の形状や大きさが異なっても、適宜調整して支障なく施工することができる。
【0030】
本発明の実施例は上記のようであるが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、主旨を変更しない範囲で自由な変更が可能である。
例えば、洗濯機Sを載置する載置面を備えた部材として、
図18乃至
図19に示した、洗濯機Sを載置する架台部6aを一体に備えた防水パン6がある。
図18乃至
図19に示した防水パン6は、平面視正方形を成す槽体であって、底面部6cと、底面部6cの四隅に備えた、洗濯機Sを載置する架台部6aと、底面部6cの外縁であって架台部6aの間に設けた外壁部6bと、底面部6cに備えた排水トラップTと、から構成されてなる。
架台部6aの上面は外壁部6bの上面よりも高い位置に備えられ、架台部6aの上面は洗濯機Sの脚部S1が載置される載置面として構成されている。
上記した防水パン6は、屋内であって、床面H上に図示しないビス部材などを用いて取り付け固定される。
底面部6cに備えられた排水トラップTは、その内部に排水が満水となる流路を形成することで、臭気や害虫類の屋内側への侵入を防止するように構成された部材であって、その上面に防水パン6上の排水が流入する排水口T1を備えるとともに、排水口T1内にエルボ管T2が備えられ、このエルボ管T2に洗濯機Sのホース管S2を接続することで、洗濯機Sからの排水が流入するように構成されてなる。排水口T1またエルボ管T2からの排水は、排水トラップTを介して下水側に排出される。
【0031】
図18乃至
図19に示した、洗濯機Sを載置する架台部6aを一体に備えた防水パン6に、基礎部材1bを取り付け固定する方法として、
図20や
図22に示したような方法を用いても良い。
図20の実施例は、架台部6aを備えた防水パン6において、フック部5(
図20において基礎部材1bに隠れる位置にあるため、点線にて示す)と棒状体13と両者の間を狭める螺子機構14からなる取り付け部TKを備えた基礎部材1bを採用した本発明の実施例である。棒状体13を架台部6aの側面に係止し、フック部5を外壁部6bに係止し、両者の間を螺子機構14を利用して狭めることで、フック部5を備えたロック機構を防水パン6に対して挟持し、取り付け固定している。
即ち、この
図20・
図21の実施例では、架台部6aと外壁部6bが取り付け箇所である。
尚、
図21に示したカバー部材本体1aは、ガイド部11、レバー部材12を含め、第三実施例と同じ機構を採用している。
また、
図22・
図23の実施例は、架台部6aを備えた防水パン6において、架台部6a間に螺子を利用し伸長する棒状体13からなる取り付け部TKを配置し、いわゆる「突っ張り棒」として架台部6a間に棒状体13を固定することで、棒状体13に接続されたロック機構を防水パン6に対して取り付け固定している。
即ち、この
図22・
図23の実施例では、架台部6aが取り付け箇所である。
尚、
図23に示したカバー部材本体1aは、ガイド部11、レバー部材12を含め、第三実施例と同じ機構を採用している。
尚、
図20・
図21の実施例は棒状体13とフック部5の挟持によって、
図22・
図23の実施例は棒状体13の押圧によって、防水パン6やその架台に固定するため、防水パン6や架台部6aの厚みや位置が異なる場合でも使用することができる。
特定の防水パン6や架台部6aに合わせた専用のカバー部材1ではなく、適宜防水パン6や架台部6aに合わせて調整が可能であり、また洗濯機Sを載置面に載置させた状態のままカバー部材1を施工できるため、洗濯機Sを施工後に、ホームセンターなどでカバー部材1を別途購入し、後付け施工することが可能である。
上記のように、螺子機構14やネジを利用し伸長する棒状体13を利用することで、防水パン6の形状や大きさなどに関係なく基礎部材1bを取り付け箇所である防水パン6の架台部6aや外壁部6bに取り付けることにより、
図20乃至
図23の実施例のカバー部材1は、取り付ける防水パン6の形状や大きさが異なっても、適宜調整して支障なく施工することができる。
【0032】
また、本発明は、
図24に示したように、架台部6aを防水パン6に一体に備えた防水パン6に、第二実施例のカバー部材1を採用しても良い。
図24に示したように、架台部材7の側面に替えて、防水パン6の架台部6aの側面を取り付け箇所とする以外は、第二実施例と同様の方法にてカバー部材1を防水パン6に取り付けすることができ、同様に使用することができる。なお、
図24の実施例のカバー部材1の取り付け完了した状態は、若干の相異があるものの、外観視第二実施例の
図13とほぼ同一のため省略する。
【0033】
また、第一実施例では、取り付け部TKとしてのアンカー部材3を床面Hに固定していたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、載置面側、すなわち載置面である床面Hに対して固定されている屋内の壁面に取り付け部TKとしてのアンカー部材3を固定して本発明を実施してもよい。