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  • 特開-多層遮熱断熱シートの構造 図1
  • 特開-多層遮熱断熱シートの構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097297
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】多層遮熱断熱シートの構造
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20230630BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B32B5/18
E04B1/80 100P
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021215595
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】522026647
【氏名又は名称】株式会社CiL
(72)【発明者】
【氏名】古川 恵久
(72)【発明者】
【氏名】元山 隆之
【テーマコード(参考)】
2E001
4F100
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001GA22
2E001GA24
2E001GA81
2E001GA82
2E001HB01
2E001HB04
2E001HD02
2E001HD03
2E001HD07
2E001HD08
2E001HD09
4F100AB10B
4F100AB33B
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA06
4F100DJ00A
4F100DJ00C
4F100DJ01A
4F100DJ01C
4F100GB07
4F100JJ02
4F100JJ02A
4F100JJ02C
(57)【要約】
【課題】低温、高温又は照射熱にさらされる悪条件下でも、効果的な遮熱断熱効果が得られる遮熱断熱シートを提供する。
【解決手段】多孔性断熱材-金属箔-多孔性断熱材からなるサンドイッチ構造の構成材のユニットの表裏に金属箔を接着して構成する遮熱断熱シート。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と多孔性断熱材の組合せからなる遮熱断熱シートであって、
該遮熱断熱シートの表裏の少なくとも1面は金属箔で構成され、該金属箔の1面に多孔性断熱材-金属箔-多孔性断熱材からなるサンドイッチ構造の構成材のユニットを単数又は少なくとも2ユニットを接着する構造を特徴とする遮熱断熱シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や構造物に設置する遮熱断熱シートの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物や構造物に遮熱断熱シートを設置して、遮熱断熱効果を高め、環境の改善、エネルギーの節約を図ることは広く実施されている。高い断熱効果を得るために、断熱材の厚さを増やすことは安易であるが、構造上採用できないケースがほとんどである。断熱材だけでなく、金属箔の遮熱シートを組み合わせた遮熱断熱シートは既に特許文献1に開示されている。しかし、この遮熱断熱シートは多孔性の断熱材を金属箔で挟んで接着したもので、温和な条件では期待される遮熱断熱の効果が得られるが、低温、高温の悪条件では期待される効果が得られないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3232310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低温、高温又は照射熱にさらされる悪条件下でも、効果的な遮熱断熱効果が得られる遮熱断熱シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、金属箔と多孔性断熱材の組合せからなる遮熱断熱シートであって、該遮熱断熱シートの表裏の少なくとも1面は金属箔で構成され、該金属箔の1面に多孔性断熱材-金属箔-多孔性断熱材からなるサンドイッチ構造の構成材のユニットを単数又は少なくとも2ユニットを接着する構造を特徴とする遮熱断熱シート。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遮熱断熱シートは、低温、高温又は照射熱にさらされる悪条件下でも、効果的な遮熱断熱効果が得られる遮熱断熱シートである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明の遮熱断熱シートの概念図である。
図2】 本発明の遮熱断熱シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
金属製の箔の表裏に断熱効果がある断熱材を接着して、金属箔を断熱材で挟む所謂サンドイッチ構造のユニット(断熱材-金属箔-断熱材のユニット)を調製する。金属製の箔の材質は特に限定されないが、放射率が低いため外部からの熱を内部の断熱材側へ輻射熱としての移動を遮断する効果が高くなる高純度アルミ箔シートが好適に用いられる。断熱材の材質は特に限定されないが、4角形網目構造や6角形のハニカム構造の発泡性ポリエチレンシート、発泡ポリスチロール、発泡ポリウレタン、発泡ポリ塩化ビニル、発泡ポリフェノール等が用いられる。
中でも、遮熱効果が高く、曲げ加工等に適している、4角形網目構造を有する柔軟な素材の発泡ポリエチレンシートが好適に用いられる。
調製したユニットの表裏の面に、ここで用いる金属製の箔は
アルミ製の箔シートの表面に防護塗装を施したものが好適に用いられる。
【0009】
上述の断熱材-金属箔-断熱材のユニットの片面にさらに高純度アルミ箔シートを接着し、さらに断熱材を接着する複層ユニットを調製し、その表裏に金属製の箔を接着して、金属箔-(ユニット)×2-金属箔からなる遮熱断熱シートとしても良い。さらにユニットの数を適宜増やしても良い。
【実施例0010】
厚さ10mm、幅300mmのポリエチレンフォームに長さ60mm、間隙5mmで切り込みを入れて、幅1000mmになるように広げた。その片面に、高純度アルミ箔シートを貼り付け、次いで高純度アルミ箔シートの表面に前記のポリエチレンシートを接着して、断熱材-金属箔-断熱材のユニットを調製した。そのユニットの表裏に保護塗装したアルミ箔をそれぞれ接着し、単層ユニットからなる遮熱断熱シートを作成した。本試作品は金属箔を断熱材でサンドイッチしていることにより、外部から入ってくる熱を外側の金属箔で反射させた残りの熱をユニット内の金属箔で反射させた後の熱を内側の金属箔で反射させることにより、特段の遮熱断熱効果が期待できる。サンドイッチユニットを用いないで、単に断熱材を重ねた場合には、断熱材の厚さが増すことによる断熱効果の向上は期待できるが、遮熱効果は従来のものと変わらない。
【0011】
本試作品は一般の断熱材より厚みが薄いので空間活用に優れている特徴を有しているうえ、素材が柔らかくて気密密閉施行ができ、窓の空隙や角の熱交換・冷交換減少を遮断して結露やカビの発生を抑える効果が期待できる。従って、別途防湿層を作らなくとも本遮熱・断熱材施行で断熱性、遮熱性及び防湿性を確保できる。さらに、アルミ箔シートの遮音性とポリエチレンフォームの吸音性で防音効果も期待できる。他の断熱材と比較して同じ断熱性基準で、資材費及び施工費が安く、施工期間も短縮できるうえ、薄くて、軽くて、柔らかく、繊維の飛散もなく作業性に優れ、特に角の折れや曲り施工がし易いという特徴がある。
【産業上の利用可能性】
【0012】
遮熱・断熱材シートして、建物や構造物の壁の遮熱工事に使用できる。
【符号の説明】
【0013】
1 アルミ箔
2 多孔性断熱材
3 空気層
図1
図2