(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097320
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230630BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230630BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230630BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V15/01 380
F21V31/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098514
(22)【出願日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2021211863
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諭史
(72)【発明者】
【氏名】梶田 明
(72)【発明者】
【氏名】松井 良介
(72)【発明者】
【氏名】長尾 拓
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】光源部と基台とを接着する接着剤の劣化に起因した透光性カバーの損傷を防止できる灯具及び照明装置を提供する。
【解決手段】灯具は、長尺状の光源部と、光源部の上面に接着剤により接着された長尺状の基台と、基台に接着された光源部を覆うと共に、基台の長手方向の端部に開口が形成された外郭と、開口を覆うように外郭の端部に配置された蓋と、長手方向において外郭と蓋との間に配置され、外郭の端部の開口を封止する封止具とを備え、封止具は、長手方向において蓋側に突出し、光源部の長手方向の端部である被支持部を収容する空間を形成する突出部を備え、突出部は、外郭の下面よりも上方に位置し、被支持部に上下方向に対向する支持部を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の光源部と、
前記光源部の上面に接着剤により接着された長尺状の基台と、
前記基台に接着された前記光源部を覆うと共に、前記基台の長手方向の端部に開口が形成された外郭と、
前記開口を覆うように前記外郭の前記端部に配置された蓋と、
前記長手方向において前記外郭と前記蓋との間に配置され、前記外郭の前記端部の前記開口を封止する封止具とを備え、
前記封止具は、
前記長手方向において前記蓋側に突出し、前記光源部の前記長手方向の端部である被支持部を収容する空間を形成する突出部を備え、
前記突出部は、前記外郭の下面よりも上方に位置し、前記被支持部に上下方向に対向する支持部を有する灯具。
【請求項2】
前記突出部は、前記長手方向に延びる周状の壁部である突出周部と、前記突出周部の前記蓋側の端部を閉塞する閉塞壁である突出端部とを有し、
前記支持部は、前記突出周部により構成されている
請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記基台の前記長手方向の端部が前記突出部に収容されている
請求項1又は請求項2に記載の灯具。
【請求項4】
前記支持部は、前記突出周部から前記光源部に向かって突出する突起部である
請求項2に従属する請求項3に記載の灯具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の灯具と、
被取付部に設置されると共に、前記灯具が着脱自在に装着される照明器具と
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源部と基台とが接着剤で接着された灯具及び灯具を用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筒形状の筐体と、筐体内に配置され、表面に発光素子が配置された長尺状の発光モジュールとを備え、筐体の内壁と発光モジュールの裏面とが接着剤で接着された照明用光源が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された照明用光源は、透光性カバーの内壁と光源部の裏面との接着を、断続的に接着剤を塗布して行うことで、連続的に接着剤を塗布する構成に比べて透光性カバーの反りを防止し、結果的に光源部の透光性カバーからの剥離による落下を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、照明用光源の使用環境は多様であり、特許文献1に開示された照明用光源では、断続的に塗布した接着剤が劣化して発光モジュールが筐体から落下する可能性がゼロではなく、筐体の損傷を抑制する確実性において不十分であった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、光源部と基台とを接着する接着剤の劣化に起因した透光性カバーの損傷を防止できる灯具及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る灯具は、長尺状の光源部と、光源部の上面に接着剤により接着された長尺状の基台と、基台に接着された光源部を覆うと共に、基台の長手方向の端部に開口が形成された外郭と、開口を覆うように外郭の端部に配置された蓋と、長手方向において外郭と蓋との間に配置され、外郭の端部の開口を封止する封止具とを備え、封止具は、長手方向において蓋側に突出し、光源部の長手方向の端部である被支持部を収容する空間を形成する突出部を備え、突出部は、外郭の下面よりも上方に位置し、被支持部に上下方向に対向する支持部を有するものである。
【0007】
本開示に係る照明装置は、上記の灯具と、被取付部に設置されると共に、灯具が着脱自在に装着される照明器具とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、接着剤が劣化して光源部が基台から剥離して落下しても、光源部の被支持部が支持部で支持される。支持部は、透光性カバーの下面よりも上方に位置しているため、光源部が透光性カバーに接触することを防止でき、透光性カバーの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置の照明器具と灯具とを分割した分割斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る灯具の一方の端部の拡大斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る灯具の一方の端部の一部分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る灯具の一方の端部の分解斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る灯具の透光性カバー内の構成を示す分解斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る灯具の一方の端部における長手方向Xに沿った断面図である。
【
図9】実施の形態1に係る灯具の一方の端部における長手方向Xに沿った断面を示す斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る灯具の封止具を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る照明装置の端部カバー周辺の構造を説明する断面図である。
【
図12】実施の形態1に係る灯具の灯具伸縮構造の作用を説明する拡大模式図である。
【
図13】実施の形態1に係る灯具の灯具伸縮構造の作用を説明する拡大模式図である。
【
図14】実施の形態2に係る灯具の封止具を備えた照明装置の端部の斜視図である。
【
図15】実施の形態2に係る灯具の封止具の斜視図である。
【
図16】実施の形態3に係る灯具の封止具の斜視図である。
【
図17】実施の形態4に係る灯具の封止具の斜視図である。
【
図18】実施の形態4に係る灯具の封止具を備えた照明装置の端部の斜視図である。
【
図19】実施の形態4に係る灯具の一方の端部における長手方向Xに沿った断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態に係る灯具及び照明装置について、図面を参照して説明する。各図において同じ又は対応する構成要素には、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
なお、本開示に係る灯具及び照明装置は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、図面に示す灯具及び照明装置は、本開示が適用される態様の一例を示すものであり、図面に示された灯具及び照明装置によって本開示の適用範囲が限定されるものではない。
【0012】
各図面では、各構成部材等の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向き、方向、或いは位置が表記されている場合がある。これらの表記は、説明の理解を容易にするために便宜上用いられるものであって、灯具、照明装置、或いはこれらを構成する部品等の向き、方向、位置を限定するものではない。
【0013】
実施の形態1.
<照明装置1の構成>
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1の照明器具2と灯具3とを分割した分割斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置1の分解斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部3Aの拡大斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部3Aの一部分解斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部3Aの分解斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る灯具の透光性カバー30内の構成を示す分解斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部3Aにおける長手方向Xに沿った断面図である。
図9は、実施の形態1に係る灯具3の一方の端部3Aにおける長手方向Xに沿った断面を示す斜視図である。
【0014】
以下の説明において、照明装置1の長手方向に沿った方向を長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手方向を短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yの何れとも直交する方向を上下方向Zとする。また、長手方向Xにおいて、長手端部側への向きを、端向きX1とする。そして、端向きX1と反対側への向きであり、長手中央側への向きを中向きX2とする。さらに、上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる造営部9側(すなわち、天井、壁等の被取付部側)への向きを上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり照明装置1から光が照射される照射空間側への向きを下向きZ2とする。ここで、上向きZ1は、灯具3が照明器具2に取り付けられる向きであり、下向きZ2は、灯具3が照明器具2から取り外される向きである。
【0015】
本実施の形態における照明装置1は、天井或いは壁等の造営部9に取り付けられる照明器具2と、照明器具2に着脱自在に装着される灯具3とを有する。また、照明装置1は、後述する灯具伸縮構造100を有する。本実施の形態では、いわゆるトラフタイプの照明器具2を例として示す。
【0016】
(照明器具2)
照明器具2を構成する器具本体20は、実施の形態では、金属製の板材を折り曲げて形成される。
図1~
図3に示すように、器具本体20は、器具底面部21、2つで一組となる器具側面部22、及び2つで一組となる器具端部24を有している。器具底面部21は、長尺かつ平板状に形成されており、2つで一組となる器具側面部22は、器具底面部21の短手方向Yの両端に配置されている。また、2つで一組となる器具端部24は、器具底面部21の長手方向Xの両端に配置されている。器具端部24には、ノックアウト26が形成され、後述する灯具電線83等を挿通する際に取り外される。ノックアウト26は、ここでは器具端部24に形成されているが、器具側面部22に形成されてもよい。また、ノックアウト26を除去することで形成された貫通孔には、電線管が装着されてもよい。
【0017】
装着部29は、装着された灯具3の一部を収容する収容部である。装着部29は、器具本体20の器具底面部21、一組の器具側面部22、及び一組の器具端部24により凹形状に形成される。このため、装着部29は、器具本体20の器具底面部21、一組の器具側面部22及び一組の器具端部24で囲まれる空間を形成している。ここで、装着部29が収容する灯具3の一部は、照射側ではない非照射部となる。また、器具本体20の下端に位置する開口側端部23は、器具本体20に塞がれていない開口部分である。開口側端部23は、照明器具2の装着部29に対して、灯具3の着脱を行う際の装着口となる。
【0018】
器具側面部22の下端部は、
図2に示すように装着部29の内部に向かってカール曲げ加工、或いは、ヘミング曲げ加工が施されている。これらの加工は、器具側面部22と装着部29に装着される灯具3の後述の透光性カバー30との隙間を抑制し、意匠性を向上させたり、装着部29の内部へ向かう光を抑制して照明装置1の効率を向上させたり、といった効果をもたらす。なお、器具側面部22の下端部と灯具3との間には、照明器具2に対して灯具3を着脱する施工時の作業性を考慮して、0.1~2.5mm程度の隙間を設けてもよい。
【0019】
図2に示すように、器具本体20の開口側端部23において、長手方向Xの両端部には連結部27が形成されている。連結部27には、灯具3が取り付けられる。本実施の形態では、連結部27は、器具端部24と一体に形成されており、開口側端部23から長手方向Xにおける中向きX2に向かって、折り曲げて形成されている。連結部27に形成されたネジ孔28は、灯具3に取り付けられた、後述する連結ネジ88(
図3参照)がねじ止めされる孔である。灯具3は、連結ネジ88によって照明器具2にねじ止めされて固定される。
【0020】
図2に示すように、装着部29の長手方向Xの両端部には、Z方向に沿って案内部25が配置されている。本実施の形態では、案内部25は板状であり、連結部27における器具端部24と反対側の端部を、器具底面部21に向かって折り曲げて形成されている。案内部25は、灯具3が照明器具2に装着される際に灯具3を案内するガイドとして機能する。そして、案内部25は、灯具3が照明器具2に装着された状態で、後述する固定ネジ67の外れを防止するストッパとして機能する。
【0021】
(灯具3)
灯具3は、照明器具2に取り付けられることによって照明装置1を構成する。灯具3は、長尺状に形成されており、照明器具2に装着されて使用される。本実施の形態では、灯具3は、照明器具2の長手方向Xにおける両端部において、後述する連結ネジ88によって照明器具2の連結部27に取り付けられる。実施の形態の灯具3は、
図2及び
図3に示すように、主として、透光性カバー30、端部カバー40、封止具50及び光源部70等を有している。
【0022】
(透光性カバー30)
透光性カバー30は、少なくとも可視光を透過する透光性の材料が用いられ、後述する基台60、光源部70及び制御部80等を内部の空間に収容し、保護する、筒形状の外郭である。透光性カバー30は、ガラス、ポリカーボネイト、又はアクリル等の樹脂材料を用いて形成することができる。また、透光性カバー30において、装着部29から外部に露出している部分は外観意匠部分にもなる。本実施の形態の透光性カバー30は、例えば、押出成形によって筒形部材を、製品の仕様等に応じて必要な長さに切断することで、製造することができる。
【0023】
本実施の形態の灯具3では、
図1に示すように、透光性カバー30のうち、装着部29から外部に露出している露出部31は、光源部70の照射側及び後述の台座61の表面を覆う外殻部(外壁部)になる。透光性カバー30は、4平面を曲面で繋いだ形状であり、
図3に示すように光が出射される側の面である主面部30aと、照明器具2の側の面である背面部30bと、主面部30aと背面部30bとの間を接続する2つのカバー側部30cと、を備える。そして、透光性カバー30は、主面部30a、2つのカバー側部30c、及び背面部30bのうち、隣合う部分が曲面等により接続されて構成されている。なお、透光性カバー30を構成する4平面の全て或いは一部を曲面としてもよい。また、透光性カバー30の断面形状は楕円を含む円形でもよいし、3以上の多角筒形状でもよい。透光性カバー30は、製品の仕様等に応じて、光拡散性、波長弁別性等を有するものであってもよい。また、透光性カバー30のうち、外部に露出していない部分については、反射性、遮光性等を有する材料を用いて形成してもよい。
【0024】
透光性カバー30は、
図5及び
図6に示すように基台60に配置された発光素子71の発光面を覆うと共に、基台60の長手方向Xに沿った第1方向における端部33に開口が形成されている。換言すれば、透光性カバー30は、少なくとも一方の端部33が開口する長尺形状の中空体であると共に、
図4及び
図8に示すように発光素子71が実装された基板72を内部に収納する外郭である。端部33は、透光性カバー30の長手方向Xにおいて、透光性カバー30の両端部分であり、端部カバー40が嵌合される部分である。端部33は、端部蓋である端部カバー40に覆われる部分である。
【0025】
透光性カバー30は、
図5に示すように透光性カバー30の長手方向Xの両端の端面34に開口37を有する筒形状である。また、透光性カバー30の端面34を含む部分を端部33と称する。端部33は、端部カバー40及び封止具50が嵌合される部分であり、端部蓋である端部カバー40に覆われる部分である。透光性カバー30は、例えば、照明装置1が設置され使用される環境温度の変化、或いは、灯具3の点灯時と消灯時とにおける温度の変化によって、長手方向Xに沿って伸縮する。端面34は、透光性カバー30の伸縮に伴い、封止具50と共に長手方向Xである第1方向に沿って移動自在な自由端である。厳密には、透光性カバー30は、「長手方向X」以外の方向に沿った伸縮もするが、実施の形態1に係る灯具3は、透光性カバー30の「長手方向X」に沿った伸縮を許容する灯具伸縮構造100を有する。灯具伸縮構造100の詳細については後述する。
【0026】
透光性カバー30は、封止具50を間に挟んで端部カバー40と嵌合される。透光性カバー30は、端部33が封止具50に嵌合された上で、端部カバー40に嵌合される。つまり、透光性カバー30の端部33と直接嵌合しているのは、封止具50である。前述したように、透光性カバー30は、筒形状に形成されており、筒形状の開口37の周縁に端部カバー40が嵌るように構成されている。
【0027】
(端部カバー40)
端部カバー40は、透光性カバー30の端面34の開口37を塞ぐ蓋である。端部カバー40は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。端部カバー40は、弾性部材である封止具50を、透光性カバー30の端部33との間に挟むようにして端部33に取り付けられる。端部カバー40は、開口37を形成する透光性カバー30の端部33を覆った状態で透光性カバー30に取り付けられる。端部カバー40は、弾性部材である封止具50を端部33に押し当てるように透光性カバー30に取り付けられる。
【0028】
(封止具50)
封止具50は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に、端部カバー40との間に挟まれた状態で配置される弾性部材である。封止具50は、透光性カバー30の端部33に取り付けられて端部33の開口37を塞いでいる。封止具50は、樹脂材料を用いて製造されており、弾性変形するシール部材(ガスケット、パッキン等)である。そのため、封止具50は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部カバー40との間に挟まれた状態で、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部を密閉する。封止具50は、樹脂材料を用いて弾性変形するように形成されて、透光性カバー30及び端部カバー40に密着する。このように、封止具50が透光性カバー30及び端部カバー40に密着することで、透光性カバー30の内部は密封構造となる。
【0029】
図10は、実施の形態1に係る灯具3の封止具50を示す図で、(a)は封止具50を透光性カバー30側から見た図、(b)は封止具50を端部カバー40側から見た図である。封止具50は、カバー封止部51と、封口部52と、ボス封止部53と、突出部54と、電線封止部55とを有する。封止具50は、カバー封止部51と、封口部52と、ボス封止部53と、突出部54と、電線封止部55とが一体に形成されている。封止具50は、例えば、直圧成形、直圧注入成形、射出成型などの成形方法によって製造される。
【0030】
カバー封止部51は、
図8及び
図9に示すように、透光性カバー30の筒状の端部33が挿入される溝状の挿入部を有する筒状部分である。カバー封止部51は、長手方向Xである第1方向と直交する第2方向に、周方向にわたり、外郭である透光性カバー30の端部33を挟持する外郭封止部である。カバー封止部51は、外周部510と、内周部511と、接続部512とを有する。ここで第2方向とは、短手方向Y及び上下方向Zを含む、長手方向Xと交差する全方向(360°)である。
【0031】
外周部510は、
図8に示すように透光性カバー30の端部33の外面35に外周側から接触する環状部分であり、X方向に延びる部分である。内周部511は、外周部510の内側に位置する部分である。内周部511は、透光性カバー30の端部33の内面36に内周側から接触する環状部分であり、X方向に延びる部分である。接続部512は、外周部510のX1側の端面と内周部511のX1側の端面とを接続する部分であり、YZ平面に延びる環状の板状部分である。接続部512は、カバー封止部51に挿入された透光性カバー30の端面34(
図5参照)に接触する部分である。
【0032】
カバー封止部51は、外周部510と、内周部511と、接続部512とによって、X2側に開放された溝状の挿入部を形成しており、この挿入部に透光性カバー30の筒状の端部33が挿入されて、端部33を周方向にわたり密着挟持している。カバー封止部51は、
図8に示すように、封止具50と端部カバー40と透光性カバー30とが係合した状態において、端部カバー40の後述する第1カバー外壁部412と第2カバー内壁部420との間に挟まれる部分である。
【0033】
封口部52は、
図10に示すようにカバー封止部51の内周部511の内側を塞ぐように形成された部分であり、YZ平面に延びる板状部分である。封口部52は、カバー封止部51と一体に形成され、透光性カバー30の開口37のカバー封止部51よりZ方向(第2方向)の内側を封止する部分である。封口部52は、
図8に示すように後述する固定具64の固定部64bと、端部カバー40の第2カバー内壁部420と、の間に位置する。封口部52は、3つの開口を有しており、各開口の内周縁からX1側に封口部52に対して垂直に突出して、ボス封止部53と、突出部54と、電線封止部55とが形成されている。
【0034】
ボス封止部53は、
図10に示すように封口部52の開口の内周縁からX1向きに突出する円筒状の部分である。ボス封止部53には、
図8に示すように封止具50と固定具64とが係合した状態において、固定具64の固定部64bからX1側に突出する後述のボス65が挿入される。ボス封止部53の先端には、固定ネジ67を通すネジ挿通孔が形成されており、ボス65の先端部に形成されたネジ孔66に固定ネジ67をネジ止めできるように構成されている。ボス封止部53は、ここでは1つ設けられているが、ボス封止部53の形成数は、2以上でもよい。
【0035】
突出部54は、
図10に示すように封口部52の開口の内周縁から端部カバー40側(X2側)に突出する部分である。突出部54は、突出周部541と突出端部540とを有している。突出部54は、光源部70と基台60との接着が劣化した場合の透光性カバー30の損傷を防止する作用を有する。突出部54の構造及び作用の詳細は改めて説明する。
【0036】
電線封止部55は、
図10に示すように封口部52の開口の内周縁からX1向きに突出する四角柱部分であり、電源線84、接地線85及び制御線86を通過させる電線挿通孔551が形成されている。
【0037】
(連結具87)
連結具87は、
図2に示すように灯具3の長手方向Xの両端部に備えられており、灯具3を照明器具2に取り付けるための取付金具である。連結具87は、灯具3の長手方向Xにおいて、端部カバー40の外側に配置され、一部が基台60に固定されると共に、他の一部が照明器具2の器具端部24に固定される。具体的には、連結具87は、連結具87においてYZ平面方向に延びる面とボス65のX1側の端面とが当接した状態で、固定ネジ67を用いて基台60の固定具64に取り付けられて固定される。連結具87には、
図8及び
図9に示すように連結ネジ88が通される貫通孔871が形成されている。連結具87は、
図9に示すように、この貫通孔871に通された連結ネジ88が器具端部24のネジ孔28にねじ止めされて照明器具2に固定されている。
【0038】
連結具87は、端部カバー40に対して、ネジ等を用いた直接的な固定はされていない。連結具87は、固定具64のボス65に密着する封止具50を介して位置決めされて端部カバー40に対して間接的に固定されている。
【0039】
本実施の形態では、連結具87は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、連結具87は、金属製の板材の折り曲げから形成されるものに限定されるものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されてもよい。
【0040】
(基台60)
基台60は、
図3に示すように、光源部70及び制御部80等を透光性カバー30内の空間に固定させる部材である。また、基台60は、透光性カバー30の両端部に取り付けられた端部カバー40及び連結具87に固定される部材である。基台60は、台座61と2つの固定具64とを有し、台座61と2つの固定具64のそれぞれとは、固定ネジ68を用いて互いに固定されている。基台60は、透光性カバー30に収容される。そして、基台60は、
図8及び
図9に示すように、固定ネジ67によって、端部カバー40及び連結具87に固定されている。基台60は、当該基台60に嵌合している封止具50及び端部カバー40を介して透光性カバー30と接続されている。したがって、基台60は、透光性カバー30には直接固定されていない。
【0041】
台座61は、基台60の主たる部分であり、光源部70及び制御部80等が取り付けられる。本実施の形態では、台座61は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、台座61は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。また、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、或いは、光の利用効率(反射率)等を向上させるために、台座61に表面処理を施し、或いは、台座61に機能部材を敷設してもよい。
【0042】
台座61は、
図7に示すように基部62と側部63とを有する。基部62は、長尺状の平板で形成されており、照射側の一面である表面には、光源部70が接着剤73により接着されている。また、
図3に示すように基部62において照明器具2側の面である裏面には、電源装置等の制御部80が固定ネジ81により取り付けられる。
【0043】
台座61の側部63は、基部62の短手方向Yの両端部分から器具側(Z1方向側)に折り曲げられた立設部分である。側部63は、基部62の長手方向Xに沿って基部62の縁部から立設していることで、台座61の剛性を向上させる。本実施の形態では、側部63は、制御部80等が配置される器具側だけに立設させている。しかし、側部63は、光源部70が配置される照射側だけに立設させてもよく、或いは、照射側及び器具側の両方に立設させてもよい。また、本実施の形態では、側部63は、基部62の短手方向Yの両端部分に立設させているが、たとえば、基部62の短手方向Yにおける中央部分等、両端部分以外の位置に立設させてもよい。
【0044】
固定具64は、台座61の長手方向Xの両端部分に配置されており、透光性カバー30の両端部に取り付けられた端部カバー40及び連結具87に基台60を固定する部材である。ここで、本実施の形態では、固定具64が台座61と別部材であり、台座61に固定される構成としているが、固定具64の構成は、当該構成に限定するものではない。たとえば、台座61の両端部分を折り曲げる等して、台座61と固定具64とを一体に形成し、台座61が固定具64と同じ機能をもつ部分を有するようにしてもよい。
【0045】
固定具64は、
図7に示すように取付部64aと固定部64bとを有しており、板金を折り曲げて形成されている。なお、固定具64は、金具であるが、金具に限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。
【0046】
固定具64の取付部64aは、台座61の基部62に沿う平面状に形成され、固定具64を台座61に取り付ける部分であり、固定ネジ68(
図3参照)を用いて台座61に固定される。取付部64aは、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法で台座61と構造的に一体化されてもよい。
【0047】
固定具64の固定部64bは、取付部64aのX1側の端部からZ1側に立設する部分であり、固定部64bには、X1側に突出するボス65が設けられている。ボス65は、封止具50のボス封止部53を貫通し、嵌合する。つまり、基台60は、ボス65が封止具50のボス封止部53に嵌合して位置が決まる。そして、基台60は、封止具50を介して端部カバー40に支持され、また封止具50を介して透光性カバー30に支持される。
【0048】
ボス65は、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法によって固定部64bに取り付けられている。ボス65には、固定ネジ67がねじ込まれるネジ孔66が形成されている。ネジ孔66の内周側には、ネジ溝が形成されている。そして、
図8に示すように、連結具87の外側から、連結具87の固定ネジ挿通孔460、第1端部カバー41の第1カバー貫通孔411、第2端部カバー42の後述のボス挿通部421b(
図6参照)、及び封止具50のボス封止部53に固定ネジ67が挿通される。そして固定ネジ67が、ボス65のネジ孔66にねじ込まれて、連結具87が基台60の固定具64に固定される。すなわち、連結具87が固定されるのは、基台60に設けられた固定具64のボス65である。灯具3が照明器具2に装着された状態で、固定ネジ67の少なくとも一部は、固定ネジ67の取付方向である長手方向Xに見て、案内部25と重なるように配置されており、固定ネジ67は、案内部25によって、外れないように移動が規制される。
【0049】
基台60は、
図7に示すように長手方向Xの両端部の一部が切り欠かれている。詳細には、本実施の形態では、台座61の長手方向Xの両端部における角部の一部が切り欠かれている。
図7において、破線部は、切り欠かれた部分である切欠部61aを示している。切欠部61aは、端部カバー40、及び、封止具50の形状に対応して、形成される。切欠部61aは、基台60に取り付けられる端部カバー40、及び、封止具50との接触を避けるために設けられている。台座61に切欠部61aが設けられていることにより、端部カバー40、及び、封止具50が台座61との接触により損傷することを防ぐことができ、確実に防水性を維持できる。
【0050】
(光源部70)
光源部70は、
図8及び
図9に示すように、発光素子71及び基板72等を有しており、全体として長尺状に構成されている。発光素子71は、電力供給により発光する。本実施の形態では、発光素子71として、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いており、基板72の実装面に、長手方向Xに沿って、列状、千鳥状等に実装される。そして、本実施の形態の発光素子71は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。ここで、発光素子71が出射する光は、光束値が最大であり、発光面に垂直な光軸Lに対して、対称に照射角αだけ広がる。本実施の形態では、発光素子71の照射角αは、120°であるものとする。発光素子71は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL等を用いてもよい。基板72は、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板等が用いられる。
【0051】
(制御部80)
制御部80は、電源装置であり、外部から供給される電力から発光素子71を点灯させる電力に変換して、発光素子71に供給する。本実施の形態では、制御部80は、前述したように、台座61の基部62の裏面に、ネジ(図示は省略)等の固定部材を用いて取り付けられた状態で、発光素子71等と共に筒状の透光性カバー30に収容されている。ただし、制御部80は、灯具3ではなく、照明器具2に取り付けられてもよい。この場合、電線は、制御部80から発光素子71に供給される電力の供給経路として機能する給電線82(
図3及び
図5参照)となる。本実施の形態における電源線84、接地線85及び制御線86等を含む灯具電線83は、それぞれの一端が制御部80に接続される。そして、他端は、封止具50の封口部52に設けられた電線封止部55内を通過して、長手方向Xの何れかの端部から灯具3の外部に引き出された後、照明器具2に取り付けられている端子台(図示は省略)に接続されている。
【0052】
(端部カバー40の詳細)
図11は、実施の形態1に係る照明装置1の端部カバー40周辺の構造を説明する断面図である。以下、
図11の他、
図6を参照して端部カバー40の詳細について説明する。端部カバー40は、
図6に示したように、外観部分を構成する第1端部カバー41と、第1端部カバー41内に配置される第2端部カバー42とを有している。すなわち、端部カバー40は、複数の部品を一体化して構成されている。ここで、第1端部カバー41及び第2端部カバー42は、樹脂材料を用いて形成されているものとして説明する。ただし、第1端部カバー41及び第2端部カバー42の材料は、樹脂材料に限定されるものではない。第1端部カバー41及び第2端部カバー42の材料は、樹脂材料以外の金属材料又はセラミック材料等を用いて形成されてもよい。また、実施の形態では、第1端部カバー41と第2端部カバー42とを別部材とし、嵌合して一体化するようにしているが、あらかじめ一体化された1つの部材として成形するようにしてもよい。
【0053】
第1端部カバー41は、第1カバー主面部410、第1カバー外壁部412、カバー下面部413、カバー端面部414、及び取付ガイド416を有している。第1カバー主面部410は、YZ平面に延びる板状に形成された部分であり、灯具3の長手方向Xの外端部となる。第1カバー主面部410は、透光性カバー30をX方向から見たときの外形に沿う外形を有し、透光性カバー30の端部33の開口37(
図5参照)よりも大きい大きさに形成されている。第1カバー主面部410は、透光性カバー30と封止具50と端部カバー40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向において透光性カバー30の端部33より外側、即ちX1側に配置される。第1カバー主面部410には、第1カバー貫通孔411が形成されている。第1カバー貫通孔411には、端部カバー40と封止具50と基台60とが組み合わされた状態において、ボス封止部53及びボス65が挿通される。
【0054】
第1カバー外壁部412は、外端部である第1カバー主面部410の外周縁からX2側に起立した周状の壁形状として形成されている。第1カバー外壁部412は、透光性カバー30と封止具50と端部カバー40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において透光性カバー30の端部33より外側に配置される。ここで第2方向とは、上述したように短手方向Y及び上下方向Zを含む、長手方向Xと交差する全方向(360°)である。つまり、第1カバー外壁部412は、透光性カバー30の環状の端部33を外周側から覆うようにして配置される。
【0055】
カバー下面部413は、第1カバー主面部410の下部側の周縁部からX1側に延びて形成された湾曲状の周壁である。カバー下面部413は、第1方向(長手方向X)における第1カバー主面部410より外側、第1カバー主面部410より即ちX1側に形成され、連結具87、連結ネジ88、照明器具2の連結部27を隠す化粧カバーの一部として機能する。カバー下面部413は、意匠性に配慮して第1カバー外壁部412と連続させている。カバー下面部413には、カバー下面部貫通孔415が形成されている。
【0056】
カバー下面部413は、第1カバー外壁部412と共に、第1カバー主面部410の周縁部に形成された側壁である外壁部410aを形成する。外壁部410aは、灯具3の外端部である第1カバー主面部410の外周縁から起立して周状の壁形状として形成されている。外壁部410aは、透光性カバー30と、封止具50と、端部カバー40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において、透光性カバー30の端部33より外側に配置される。
【0057】
カバー端面部414は、
図6に示すようにカバー下面部413のX1側の端部を覆うように形成され、連結具87、連結ネジ88、照明器具2の連結部27を隠す化粧カバーの一部として機能する。
【0058】
図11に示すように取付ガイド416は、カバー下面部413のカバー下面部貫通孔415からZ1側に延びて形成された筒状のガイド壁である。取付ガイド416は、連結具87にあらかじめ取り付けられている連結ネジ88に向かって、ドライバ等の工具を案内するために設けられている。取付ガイド416の直径は、連結ネジ88の最大径となる連結ネジ88の頭部の直径よりも大きい。カバー下面部貫通孔415は、水抜き用の孔としても機能する。カバー下面部貫通孔415には、意匠性を考慮して化粧蓋を装着してもよい。この場合、化粧蓋は、カバー下面部貫通孔415の水抜きの機能を妨げないものが好ましい。
【0059】
第2端部カバー42は、第1端部カバー41と組み合わされて、端部カバー40を構成する。第2端部カバー42は、第1端部カバー41と組み合わされた状態で、第1端部カバー41の内部に配置される。第2端部カバー42は、
図6に示すように第2カバー内壁部420と、カバー挿通部421と、周状端面部422とを有する。
【0060】
第2カバー内壁部420は、周状で且つX方向に延びる様に形成された側壁である。第2カバー内壁部420は、第1端部カバー41と第2端部カバー42とが組み合わされた状態で、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において、端部カバー40の外壁部410aのうちの第1カバー外壁部412と対向している。
【0061】
カバー挿通部421は、
図6に示すように周状の第2カバー内壁部420の内側上部にX方向に延びて形成された部分であり、電線挿通部421a及びボス挿通部421bを有する。電線挿通部421aは、X方向に延びる周状の壁部で構成されており、封止具50の電線封止部55が電線挿通部421aの内周面に接触した状態で挿通される。ボス挿通部421bは、X方向に延びる周状の壁部で構成されており、封止具50のボス封止部53がボス挿通部421bの内周面に接触した状態で挿通される。
【0062】
周状端面部422は、
図6に示すように第2カバー内壁部420のX2側の周縁から内側に平板状に延びて形成された周状部分である。周状の周状端面部422のうちのZ1側の部分は、
図9に示すようにカバー挿通部421のX2側の端部の上部部分で構成されている。
【0063】
第2カバー内壁部420の内側においてカバー挿通部421及び周状端面部422以外の部分は開口423となっている。開口423は、端部カバー40と封止具50とが係合した状態において、封止具50の突出部54が挿通される挿通部となっている。
【0064】
(灯具伸縮構造100)
灯具伸縮構造100について
図8~
図11を用いて説明する。灯具伸縮構造100は、端部カバー40、封止具50、及び透光性カバー30を有する。つまり、灯具伸縮構造100の構成要素は、端部カバー40、封止具50、及び透光性カバー30を有する。端部カバー40は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、封止具50の外側に配置される外端部である第1カバー主面部410を有する。また、端部カバー40は、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において透光性カバー30の端部33より外側に配置される第1カバー外壁部412を有する。また、端部カバー40は、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において外壁部410aより内側に配置される第2カバー内壁部420を有する。
【0065】
灯具伸縮構造100は、第1端部カバー41と第2端部カバー42とが組み合わされた状態において、第1カバー外壁部412と第2カバー内壁部420と第1カバー主面部410とによって囲まれた空間で、周状で且つ溝状の挿入部43が形成されている。挿入部43は、長手方向Xに延びて形成されている。この挿入部43には、封止具50のカバー封止部51及び透光性カバー30の端部33が挿入されている。具体的には、カバー封止部51及び透光性カバー30の端部33は、カバー封止部51の溝状の挿入部に透光性カバー30の端部33が挿入された状態で、挿入部43に密着した状態で挿入されている。これにより、封止具50は、透光性カバー30の端面34に形成されている開口37を封止している。
【0066】
挿入部43は、透光性カバー30と封止具50と端部カバー40とが組み合わされた状態において、長手方向Xにおいて端部カバー40と封止具50の接続部512との間に、透光性カバー30の長手方向Xに沿った移動を許容する端部空間58を有している。端部空間58は、周状で長手方向Xに延びた空間であり、挿入部43の一部である。端部空間58は、具体的には、第1カバー外壁部412と第2カバー内壁部420と第1カバー主面部410とカバー封止部51の接続部512とによって囲まれた空間である。端部空間58は、透光性カバー30が長手方向Xに伸長した際の透光性カバー30の端面34のX1側の移動を受け入れる空間である。つまり、透光性カバー30の端面34は、挿入部43内、さらに詳細には端部空間58内を長手方向Xに沿って移動自在になっている。
【0067】
図11に示すように、端部空間58の長手方向Xの長さ寸法L1は、透光性カバー30の長手方向Xに沿った伸長に伴う端面34の挿入部43内での移動寸法に、カバー封止部51の接続部512の長手方向Xの厚みL2(後述の
図12参照)を加算した長さよりも長くなるように設定されている。「透光性カバー30の長手方向Xに沿った伸長に伴う端面34の挿入部43内での移動寸法」は、基準となる設置環境における端面34の位置から、予測される最大の端面34の移動位置までの長手方向Xの長さである。また、「端部空間58の長手方向Xの長さ寸法L1」は、透光性カバー30の長手方向Xの長さが基準長にあるときの、第1カバー主面部410とカバー封止部51の接続部512との間の長手方向Xの距離である。
【0068】
封止具50の封口部52は、封止具50と端部カバー40とが係合した状態において、端部カバー40の周状端面部422に対して長手方向Xに対向する部分が、端部カバー40の周状端面部422から長手方向Xに寸法L3、離間している。このように、封止具50の封口部52と端部カバー40の周状端面部422とが長手方向Xに沿って離間していることにより、封口部52と端部カバー40の周状端面部422との間には、封止具変形空間59が形成されている。封止具変形空間59は、カバー封止部51の内周部511と封口部52との接続部分56に面した空間であって、温度等の環境変化に起因して透光性カバー30が伸縮した際の封止具50の弾性変形を受け入れる空間である。封止具変形空間59の作用については改めて説明する。
【0069】
(灯具伸縮構造100の作用)
図12及び
図13は、実施の形態1に係る灯具3の灯具伸縮構造100の作用を説明する拡大模式図である。
図12は、透光性カバー30が長手方向Xに伸長した状態を示している。
図13は、透光性カバー30が長手方向Xに収縮した状態を示している。上記
図11は、基準となる設置環境(使用環境)において、透光性カバー30の長手方向Xの長さが基準長にある状態を示している。なお、基準となる設置環境とは、例えば、常温常湿常圧といった環境を指し、この場合は、温度、湿度及び圧力を所定の値に設定した環境のことを意味する。なお、設置環境の基準として温度、湿度、圧力等のうちいずれか一つを対象にしてもよいし、二つ以上のいずれかを対象としてもよい。
【0070】
以下、温度、湿度、或いは圧力等の環境変化に伴って透光性カバー30が長手方向Xに伸縮する場合の作用について
図11~
図13を用いて説明する。
図12及び
図13において、点線矢印は透光性カバー30の伸縮方向を示している。弾性部材により形成された封止具50は、透光性カバー30の伸縮に伴って長手方向Xに伸縮する。これにより、透光性カバー30の端部33と、端部33が挿入されたカバー封止部51とが、一体となって挿入部43の内部を長手方向Xに沿って移動する。
【0071】
ここで、端部空間58の長手方向Xの長さ寸法L1は、上述したように透光性カバー30の長手方向Xに沿った伸長に伴う端部33の挿入部43内での移動寸法に、カバー封止部51の接続部512の長手方向Xの厚みL2を加算した長さよりも長くなるように設定されている。仮に、端部空間58の長手方向Xの長さ寸法L1が、透光性カバー30の長手方向Xに沿った伸長に伴う端部33の挿入部43内での移動寸法に、カバー封止部51の接続部512の長手方向Xの厚みL2を加算した長さよりも短く設定されている場合、以下の不都合が生じる可能性がある。すなわち、透光性カバー30がX1側に伸長した際に、透光性カバー30の端面34が、カバー封止部51の接続部512を介して第1端部カバー41の第1カバー主面部410に過剰に押圧され、接続部512の破断が生じる可能性がある。
【0072】
これに対し、本実施の形態では、上記寸法関係で形成されていることで、透光性カバー30がX1側に伸長した際に、透光性カバー30の端面34と共にX1側に移動したカバー封止部51の接続部512が、第1端部カバー41の第1カバー主面部410に接触しない。このため、本実施の形態では、透光性カバー30がX1側に伸長した際のカバー封止部51の破断を抑制できる。カバー封止部51の破断を抑制できることで、灯具3は、封止具50と透光性カバー30との密着を維持することができ、防水性を維持できる。
【0073】
また、透光性カバー30が伸長する場合、カバー封止部51の内周部511と封口部52との接続部分56は、
図11に示す直角の状態から、
図12に示すように湾曲した状態に変形する。ここで、本実施の形態では、封口部52と端部カバー40の周状端面部422との間に、接続部分56に面した封止具変形空間59が形成されている。封止具変形空間59は、温度、湿度、或いは圧力等の環境変化に起因した透光性カバー30の端部33の挿入部43内における長手方向Xに沿った移動に伴う封止具50の弾性変形を許容する空間である。このように、接続部分56に面して封止具変形空間59が形成されていることで、接続部分56の変形が封止具変形空間59内で行われる。つまり、接続部分56は、封止具変形空間59内で移動して変形する。
【0074】
仮に、封止具変形空間59が形成されていない場合、具体的には、封止具50と端部カバー40とが係合した状態において、封止具50の封口部52と第2端部カバー42の周状端面部422とが当接した構成の場合、以下の不都合が生じる可能性がある。すなわち、透光性カバー30がX1側に伸長した際に、接続部分56の変形によって、接続部分56が第2端部カバー42の周状端面部422に過剰に押圧され、接続部分56の破断が生じる可能性がある。
【0075】
これに対し、本実施の形態は封止具変形空間59を有することで、接続部分56が封止具変形空間59内で弾性変形するため、接続部分56が第2端部カバー42の周状端面部422に過剰に押圧されることがなく、接続部分56の破断を抑制できる。つまり、封止具50の弾性変形が封止具変形空間59内で行われるため、封止具50に過剰な応力が加わることがなく、封止具50の破断を抑制できる。そして、灯具3は、封止具50の破断を抑制できることで、封止具50と透光性カバー30との密着を維持することができ、防水性を維持できる。
【0076】
また、透光性カバー30が収縮する場合、接続部分56は、
図13に示すように封口部52がX1側に突出するように変形する。ここで、本実施の形態では、封口部52と端部カバー40の周状端面部422との間に、接続部分56に面した封止具変形空間59が形成されている。これにより、接続部分56の変形が封止具変形空間59内で行われ、接続部分56が他の構成部分と接触しないため、接続部分56に過剰な圧力が加わることがなく、接続部分56の破断を抑制できる。
【0077】
ところで、上記構成は、第2端部カバー42の周状端面部422と封止具50の封口部52とが離間している。このため、上記構成は、第2端部カバー42の周状端面部422の長手方向Xの位置がX2側に移動して封止具50の封口部52に当接した構成(以下、比較例の構成という)に比べて、以下の利点がある。すなわち、上記構成は、端部カバー40と封止具50との接触面積を比較例の構成に比べて低減できる。このため、上記構成の灯具3は、透光性カバー30の伸縮を妨げる力を軽減でき、透光性カバー30に対して過剰な応力を加わり難くできる。
【0078】
また、上記構成は、封止具変形空間59を端部カバー40の内側(X2側)に設けているため、例えば端部カバー40の位置をX1側に移動させて封止具変形空間59を確保する構成に比べて、灯具3の長手方向Xの寸法を短くすることができる。つまり、上記構成は、灯具3を小型化でき、施工の自由度、軽量化、包装の簡素化、輸送効率の向上等の効果を得ることができる。
【0079】
ここで、透光性カバー30の端部33は、カバー封止部51内に挟持されてカバー封止部51と密着しており、透光性カバー30が伸縮しても、端部33とカバー封止部51との位置関係が変化し難い構成となっている。具体的には、封止具50は、封止具変形空間59で弾性変形を伴いながら透光性カバー30の端部33との密着を維持する保持力で、透光性カバー30の端部33を挟持する設計となっている。このため、透光性カバー30の伸縮に伴って端部33が挿入部43の内部を移動する際に、端部33とカバー封止部51との位置関係は変化せず、密着状態が維持される。上記構成により、灯具3は、灯具3の使用環境によらず、封止具50と透光性カバー30との密着を維持できる。
【0080】
(突出部54の構造及び作用)
照明装置1が長期間にわたり使用された場合には、光源部70と基台60とを接着する接着剤73が劣化して光源部70が基台60から剥離して落下してしまうおそれがある。光源部70が基台60から落下すると、透光性カバー30に接触して透光性カバー30を損傷させてしまうおそれがある。そこで、本実施の形態1では、封止具50に突出部54を設けて、光源部70が透光性カバー30に接触することを防止するようにしている。
【0081】
突出部54は、
図11に示すように、長手方向Xにおいて封口部52の開口の内周縁から端部カバー40側に突出し、光源部70の長手方向Xの端部である被支持部70aを収容する空間を形成する部分である。突出部54は、上述したように突出周部541と突出端部540とを有している。突出周部541は、封口部52の開口の内周縁からX1側に突出する周状の壁部である。突出周部541のうち、Z方向に沿って、光源部70の被支持部70aと対向する部分は、透光性カバー30の下面30aaよりも上方(Z1側)に位置し、光源部70が落下した場合に光源部70の被支持部70aを支持する支持部54aとなっている。つまり、突出周部541により支持部54aが構成されている。突出端部540は、突出周部541の先端部を閉塞する閉塞壁である。
【0082】
突出部54の内部には、光源部70の被支持部70aと共に基台60の長手方向Xの端部も収容されている。封止具50は透光性カバー30の長手方向Xの両端部に配置されている。このため、突出部54内には、光源部70及び基台60の長手方向Xの両端部が収容されている。突出部54の突出量L4は、封止具変形空間59の長手方向Xの寸法L3よりも長く設定されている。
【0083】
上記構成により、万が一、接着剤73が劣化して光源部70が基台60から剥離して落下しても、光源部70は、両端部の被支持部70aで突出部54の支持部54aに当接して捕捉される。つまり、光源部70の被支持部70aが突出部54の支持部54aに支持される。これにより、基台60から落下した光源部70が透光性カバー30に接触して透光性カバー30を損傷することを防止できる。つまり、上記構成は、光源部70と基台60とを接着する接着剤73の劣化に起因した透光性カバー30の損傷を防止できる。
【0084】
そして、上記構成は、封止具50に突出部54を設けた構成であり、光源部70を捕捉するための部品を基台60に設ける必要がない。具体的には例えば、基台60の基部62に封止具50との固定を行うための固定部品を設ける必要がない。このため、基台60の基部62において固定部品を設置するスペースを確保する必要がなく、基部62を光源部70の設置面として有効に使うことができる。また、見方を変えれば、基台60の基部62において固定部品を設置するスペースを確保する必要がない分、基台60を小型化することができ、灯具3及び照明器具2の小型化(全長、全幅)が可能である。
【0085】
また、上記構成は、封止具50に突出部54を設けずに封口部52を延長した平板部とした構成に比べて、光源部70の配置領域をX1側に広げることができる。言い換えれば、透光性カバー30の露出部31における長手方向Xの最端部よりも外側の領域に発光素子71を配置することができる。このため、上記構成は、長手方向Xにおける端部側の発光面の暗部を改善することができる。つまり、上記構成は、発光面の均一性向上にも寄与できる。なお、突出部54内に位置する発光素子71からの光の取出し効率の観点から、封止具50の全体或いは、発光素子71から光の照射を受ける部分について、高反射率の材料を使用してもよい。
【0086】
<作用効果>
以上のように、本実施の形態1の灯具3は、長尺状の光源部70と、光源部70の上面に接着剤73により接着された長尺状の基台60と、光源部70を覆うと共に、基台60の長手方向の端部33に開口37が形成された外郭である透光性カバー30とを備える。また、灯具3は、開口37を覆うように透光性カバー30の端部に配置された蓋である端部カバー40と、長手方向において透光性カバー30と端部カバー40との間に配置され、透光性カバー30の端部33の開口37を封止する封止具50とを備える。封止具50は、長手方向において端部カバー40側に突出し、光源部70の長手方向の端部である被支持部70aを収容する空間を形成する突出部54を備える。突出部54は、透光性カバー30の下面30aaよりも上方に位置し、被支持部70aに上下方向に対向する支持部54aを有する。
【0087】
上記構成により、接着剤73が劣化して光源部70が基台60から剥離して落下しても、光源部70の被支持部70aが支持部54aで支持される。支持部54aは、透光性カバー30の下面30aaよりも上方に位置しているため、光源部70が透光性カバー30に接触することを防止でき、透光性カバー30の損傷を防止できる。
【0088】
また、突出部54は、長手方向Xに延びる周状の壁部である突出周部541と、突出周部541の端部カバー40側の端部を閉塞する閉塞壁である突出端部540とを有し、支持部54aは、突出周部541により構成されている。
【0089】
上記構成により、基台60から剥離して落下した光源部70を突出部54の突出周部541にて支持できる。
【0090】
基台60の長手方向Xの端部は、突出部54に収容されている。
【0091】
上記構成により、光源部70の長手方向Xの端部を基台60と共に突出部54に収容できる。言い換えれば、光源部70の長手方向Xの端部が基台60で支持された状態で突出部54に収容できる。
【0092】
なお、実施の形態1に係る灯具3の端部カバー40及び封止具50は、灯具3の長手方向Xにおける何れか一方の端部3A又は3Bに取り付けられてもよい。また、実施の形態、及び変形例における照明装置1は、いわゆるトラフタイプの照明器具2を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、照明装置1は、灯具3が装着される照明器具2として、いわゆる笠付タイプ、片側反射笠付タイプ、V形タイプ等、他の形状のものを採用することができる。さらに、実施の形態において、照明装置1を構成する照明器具2及び灯具3は何れも長尺状のものを例示しているが、これに限定されるものではなく、灯具3或いは灯具3が装着される照明器具2は短尺状のものでもよく、例えば、灯具3は透光性カバー30の筒軸方向の長さ寸法が径方向の長さ寸法より小さい形状であってもよい。
【0093】
実施の形態2.
実施の形態2は、封止具の支持部の構成が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態2で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
【0094】
図14は、実施の形態2に係る灯具3の封止具50aを備えた照明装置1の端部3Aの斜視図である。
図15は、実施の形態2に係る灯具3の封止具50aの斜視図である。
図15(a)は封止具50aを透光性カバー30側から見た斜視図、
図15(b)は封止具50aを端部カバー40側から見た斜視図である。
【0095】
実施の形態2の灯具3の封止具50aは、支持部54aとして、突出部54の突出周部541の下面からZ1側に突出する突起部542を備えている。突起部542は突出周部541の一部である。突起部542の上面542aは、封止具50aと端部カバー40とが係合した状態において、光源部70の基板72の実装面に接触せず、Z方向に離間している。突起部542は、ここでは2つ形成されているが、個数は任意である。
【0096】
実施の形態2の灯具3は、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、封止具50aが支持部54aとして突起部542を有しているため、以下の効果を有する。すなわち、実施の形態2の灯具3は、封止具50aが突起部542を有していることで、突起部542を有さない構成に比べて、接着剤73が劣化して光源部70が基台60から剥離した際の光源部70の落下距離を短くできる。よって、光源部70が落下して突起部542に接触した際に光源部70に加わる衝撃を低減でき、光源部70の損傷を抑制できる。また、光源部70が落下して突起部542に接触した際の衝突音を抑制できる。
【0097】
なお、ここでは、突起部542の上面542aが光源部70の基板72の実装面に接触しないとしたが、封止具50aの剛性が光源部70の基板72よりも低く、弾性変形可能な性質を有していれば、光源部70の基板72の実装面に接触してもよい。これは、封止具50aが上記性質を有していれば、突起部542が基板72に接触することにより基板72に加わる応力を抑えることができるためである。
【0098】
実施の形態3.
実施の形態3は、封止具の構成が実施の形態1及び実施の形態2と異なる。以下、実施の形態3が実施の形態1及び実施の形態2と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態3で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
【0099】
図16は、実施の形態3に係る灯具3の封止具50bの斜視図である。
図16(a)は封止具50bを透光性カバー30側から見た斜視図、
図16(b)は封止具50bを端部カバー40側から見た斜視図である。
【0100】
実施の形態3の灯具3の封止具50bは、実施の形態2の封止具50aから電線封止部55を削除した構成である。なお、封止具50bは、実施の形態1の封止具50から電線封止部55を削除した構成としてもよい。
【0101】
上記構成の灯具3においても、上記実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0102】
なお、電線封止部55を削除した上記構成の封止具50bを用いる場合、灯具電線83の灯具3の外部への引き出しは、器具端部24に代えて器具本体20から行えばよい。また、灯具3の長手方向Xの両端部のうち、灯具電線83を灯具3の外部に引き出す必要のない端部は、電線封止部55を備えていないことで封止具50b自体の密封能力が高まっているため、灯具3の防水性を向上できる。
【0103】
実施の形態4.
実施の形態4は、封止具の支持部の構成が実施の形態1~3と異なる。以下、実施の形態4が実施の形態1~3と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態4で説明されていない構成は実施の形態1~3と同様である。
【0104】
図17は、実施の形態4に係る灯具3の封止具50cの斜視図である。
図17(a)は封止具50cを透光性カバー30側から見た斜視図、
図17(b)は封止具50cを端部カバー40側から見た斜視図である。
図18は、実施の形態4に係る灯具3の封止具50cを備えた照明装置1の端部3Aの斜視図である。
図19は、実施の形態4に係る灯具3の一方の端部3Aにおける長手方向Xに沿った断面図である。
【0105】
実施の形態4の灯具3の封止具50cは、支持部54cとして、突出部54の突出周部541の下面の略全体を
図10に比べてZ1側に隆起させた隆起部543を備えている。隆起部543は突出周部541の一部である。隆起部543は、短手方向Yにおける中央領域に設けられた第1隆起部544と、短手方向Yにおける端部領域に設けられた第2隆起部545とを有する。つまり、第1隆起部544は2つの第2隆起部545の間に形成されている。
【0106】
隆起部543が形成された突出部54は、概略T字形をなしている。第1隆起部544と2つの第2隆起部545とは隆起量が異なっている。2つの第2隆起部545は第1隆起部544よりも隆起量が大きい。2つの第2隆起部545の上面545aは第1隆起部544の上面544aよりもZ1側にあって光源部70に近く、Z方向に見て光源部70と重なるように形成されている。このため、2つの第2隆起部545の上面545aは支持部54cとして機能する。2つの第2隆起部545の上面545aは、封止具50cと端部カバー40とが係合した状態において、光源部70の基板72の実装面に接触せず、Z方向に離間している。なお、第2隆起部545は、ここでは2つ形成されているが、個数は任意である。
【0107】
第1隆起部544の上面544a、及び、2つの第2隆起部545の上面545aと、光源部70との、Z方向の距離は、
図19に示すようにX方向において端部カバー40の側で小さく透光性カバー30の側で大きい。つまり、第1隆起部544の上面544a、及び、2つの第2隆起部545の上面545aは、中向きX2に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。このため、突出部54の内部に配置された発光素子71から発する光(P1,P2,P3)は、灯具3の長手方向Xにおける中向きX2に向かって導かれるので、光の利用効率を向上させることができる。ここで、P1及びP2は、反射光、P3は、直接光である。
【0108】
実施の形態4の灯具3は、実施の形態1~3と同様の効果が得られると共に、封止具50cが、傾斜面である第1隆起部544の上面544a、及び、2つの第2隆起部545の上面545aを有しているため、以下の効果を有する。すなわち、実施の形態4の灯具3は、傾斜面である第1隆起部544の上面544a、及び、2つの第2隆起部545の上面545aを有していることで、傾斜面を有さない構成に比べて、突出部54の内部に配置された発光素子71から発する光をより効果的に照射光として利用できる。よって、灯具3及び照明装置1は光の利用効率を向上させることができる。
【0109】
なお、ここでは、第1隆起部544の上面544a、及び、2つの第2隆起部545の上面545aが光源部70の基板72の実装面に接触しないものとしたが、封止具50cの剛性が光源部70の基板72よりも低く、弾性変形可能な性質を有していれば、光源部70の基板72の実装面に接触してもよい。これは、封止具50cが上記性質を有していれば、突起部542が基板72に接触することにより基板72に加わる応力を抑えることができるためである。
【0110】
以上、実施の形態について説明したが、灯具及び照明装置は、上記した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明装置の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。灯具及び照明装置は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0111】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0112】
(付記1)
長尺状の光源部と、
前記光源部の上面に接着剤により接着された長尺状の基台と、
前記基台に接着された前記光源部を覆うと共に、前記基台の長手方向の端部に開口が形成された外郭と、
前記開口を覆うように前記外郭の前記端部に配置された蓋と、
前記長手方向において前記外郭と前記蓋との間に配置され、前記外郭の前記端部の前記開口を封止する封止具とを備え、
前記封止具は、
前記長手方向において前記蓋側に突出し、前記光源部の前記長手方向の端部である被支持部を収容する空間を形成する突出部を備え、
前記突出部は、前記外郭の下面よりも上方に位置し、前記被支持部に上下方向に対向する支持部を有する灯具。
【0113】
(付記2)
前記突出部は、前記長手方向に延びる周状の壁部である突出周部と、前記突出周部の前記蓋側の端部を閉塞する閉塞壁である突出端部とを有し、
前記支持部は、前記突出周部により構成されている
付記1に記載の灯具。
【0114】
(付記3)
前記基台の前記長手方向の端部が前記突出部に収容されている
付記1又は付記2に記載の灯具。
【0115】
(付記4)
前記支持部は、前記突出周部から前記光源部に向かって突出する突起部である
付記2に従属する付記3に記載の灯具。
【0116】
(付記5)
付記1~付記4の何れか一つに記載の灯具と、
被取付部に設置されると共に、前記灯具が着脱自在に装着される照明器具と
を備えた照明装置。
【符号の説明】
【0117】
1 照明装置、2 照明器具、3 灯具、3A 端部、3B 端部、9 造営部、20 器具本体、21 器具底面部、22 器具側面部、23 開口側端部、24 器具端部、26 ノックアウト、27 連結部、28 ネジ孔、29 装着部、30 透光性カバー、30a 主面部、30aa 下面、30b 背面部、30c カバー側部、31 露出部、33 端部、34 端面、35 外面、36 内面、37 開口、40 端部カバー、41 第1端部カバー、42 第2端部カバー、43 挿入部、50 封止具、50a 封止具、50b 封止具、50c 封止具、51 カバー封止部、52 封口部、53 ボス封止部、54 突出部、54a 支持部、54c 支持部、55 電線封止部、56 接続部分、58 端部空間、59 封止具変形空間、60 基台、61 台座、61a 切欠部、62 基部、63 側部、64 固定具、64a 取付部、64b 固定部、65 ボス、66 ネジ孔、67 固定ネジ、68 固定ネジ、70 光源部、70a 被支持部、71 発光素子、72 基板、73 接着剤、80 制御部、81 固定ネジ、82 給電線、83 灯具電線、84 電源線、85 接地線、86 制御線、87 連結具、88 連結ネジ、100 灯具伸縮構造、410 第1カバー主面部、410a 外壁部、411 第1カバー貫通孔、412 第1カバー外壁部、413 カバー下面部、414 カバー端面部、415 カバー下面部貫通孔、416 取付ガイド、420 第2カバー内壁部、421 カバー挿通部、421a 電線挿通部、421b ボス挿通部、422 周状端面部、423 開口、460 固定ネジ挿通孔、510 外周部、511 内周部、512 接続部、540 突出端部、541 突出周部、542 突起部、542a 上面、543 隆起部、544 第1隆起部、544a 上面、545 第2隆起部、545a 上面、551 電線挿通孔、871 貫通孔。