(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097360
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】基板処理装置とそれを含む基板接合システム及びそれを用いた基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
H01L21/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183963
(22)【出願日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188097
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン マン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヨン チュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン フン
(57)【要約】
【課題】基板処理装置とそれを含む基板接合システム及びそれを用いた基板処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、2つの基板を接合させるハイブリッドボンディング(Hybrid bonding)のためのプラズマ処理時のプロセスガス(Process gas)、コントロールガス(Control gas)、キャリアガス(Carrier gas)に対する基板センター(Center)と基板エッジ(Edge)との比率調節によって、基板の上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保して基板を接合する技術を開示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に水酸基(-OH)を生成するためのプラズマ処理が行われる処理空間を提供するプロセスチャンバと、
前記処理空間に配置され、前記基板を支持する基板支持手段と、
前記処理空間へプロセスガスを含む複数のガスを供給するガス供給手段と、
前記基板支持手段に装着された基板を複数の領域に区分し、各領域別に供給される複数のガスに対する流量を独立して制御することにより、プロセスガスに対する前記基板の領域別密度を調節する制御手段と、を含み、
複数のガスのうち、選択された1種以上のガスに対する前記基板の領域別供給 量を調節して、プロセスガスに対する密度調節によって、前記基板の表面に生成される水酸基(OH)の均一度(Uniformity)を調節することを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記プロセスチャンバの処理空間の上部に配置されて上部プラズマ空間を区画し、前記ガス供給手段を介して供給される複数のガスを、前記基板支持手段に装着された基板に向かって拡散させるガス分配手段をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ガス供給手段は、
プロセスガスを供給するプロセスガス供給源と、
コントロールガスを供給するコントロールガス供給源と、
前記基板の複数の領域に対応する前記上部プラズマ空間の複数の領域へプロセスガスの供給比率を調節して分配供給する第1流量制御器と、
前記基板の複数の領域に対応する前記上部プラズマ空間の複数の領域へコントロールガスの供給比率を調節して分配供給する第2流量制御器と、を含み、
前記制御手段は、
前記第1流量制御器及び前記第2流量制御器を介して前記プロセスガス及び前記コントロールガスに対する領域別供給比率を制御して、前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ガス分配手段は、内部にガス拡散空間が設けられ、
前記ガス供給手段は、
キャリアガスを供給するキャリアガス供給源と、
前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域にキャリアガスの供給比率を調節して分配供給する第3流量制御器と、を含み、
前記制御手段は、
前記第3流量制御器を介して前記キャリアガスに対する領域別供給比率を制御して、前記基板の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第3流量制御器を介して前記キャリアガスに対する領域別供給量を制御して、前記基板の複数の領域へ供給されるプロセスガスの速度を調節することを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガス分配手段は、
前記上部プラズマ空間のガスが流入する上部シャワープレートと、
前記上部シャワープレートの下部に形成されるガス拡散空間と、
前記ガス拡散空間のガスを前記処理空間へ拡散させる下部シャワープレートと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記上部シャワープレートは、
前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域それぞれへキャリアガスを排出する複数のガス流路が設けられたことを特徴とする、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記上部シャワープレートは、
前記ガス拡散空間のセンター領域へキャリアガスを排出するセンターガス流路と、
前記ガス拡散空間のエッジ領域へキャリアガスを排出するエッジガス流路が設けられたことを特徴とする、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ガス供給手段は、
プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれへ供給する第1供給管を含むことを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記ガス供給手段は、
プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間のセンター領域へ供給する第1センター供給管と、
プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間のエッジ領域へ供給する第1エッジ供給管と、を含むことを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ガス供給手段は、
キャリアガスを前記ガス拡散空間の複数の領域それぞれへ供給する第2供給管を含むことを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記ガス供給手段は、
キャリアガスを前記ガス拡散空間のセンター領域へ供給する第2センター供給管と、
キャリアガスを前記ガス拡散空間のエッジ領域へ供給する第2エッジ供給管と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
プラズマ処理によって基板の表面に水酸基(-OH)を生成する請求項1に記載の基板処理装置と、
プラズマ処理された基板の表面を洗浄処理する洗浄装置と、
表面に水酸基(-OH)が形成された基板同士を接合させる基板接合装置と、
前記基板処理装置、前記洗浄装置及び前記基板接合装置へ基板を移送する整列装置と、を含むことを特徴とする、基板接合システム。
【請求項14】
基板の複数の領域に対応する上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してプロセスガスを分配供給するプロセスガス供給ステップと、
前記上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してコントロールガスを分配供給するコントロールガス供給ステップと、
前記コントロールガスの分配供給を介して前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節する上部プラズマ空間ガス密度調節ステップと、
ガス分配手段を用いて下部プラズマ空間へプロセスガスを拡散させるプロセスガス拡散ステップと、
前記基板の複数の領域別に密度が調節されたプロセスガスを用いて、前記基板の表面に均一度(Uniformity)が調節された水酸基(-OH)を生成する水酸基生成ステップと、を含むことを特徴とする、基板処理方法。
【請求項15】
前記上部プラズマ空間ガス密度調節ステップを介して密度が調節されたプロセスガスを、前記ガス分配手段のガス拡散空間へ流入させるガス拡散空間流入ステップと、
前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給比率を調節してキャリアガスを分配供給するキャリアガス供給ステップと、をさらに含み、
前記プロセスガス拡散ステップは、
キャリアガスを用いて密度の調節されたプロセスガスを下部プラズマ空間上に基板の複数の領域へ伝達することを特徴とする、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記プロセスガス拡散ステップは、
前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給されるキャリアガスの供給比率に応じて、前記下部プラズマ空間上に基板の複数の領域へ伝達されるプロセスガスの速度を調節することを特徴とする、請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記プロセスガス供給ステップは、
プロセスガスの供給流量を制御する第1流量制御器によって、前記上部プラズマ空間の複数の領域別にプロセスガスの供給比率を調節して分配供給することを特徴とする、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記コントロールガス供給ステップは、
コントロールガスの供給流量を制御する第2流量制御器によって、前記上部プラズマ空間の複数の領域別にコントロールガスの供給比率を調節して分配供給することを特徴とする、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記キャリアガス供給ステップは、
キャリアガスの供給流量を制御する第3流量制御器によって、前記拡散空間の複数の領域別にキャリアガスの供給比率を調節して分配供給することを特徴とする、請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項20】
基板のセンター領域とエッジ領域に対応する上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してプロセスガスを分配供給するプロセスガス供給ステップと、
前記上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してコントロールガスを分配供給するコントロールガス供給ステップと、
前記コントロールガスの分配供給を介して前記上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域に対するプロセスガスの密度を調節する上部プラズマ空間ガス密度調節ステップと、
密度が調節されたプロセスガスを前記ガス分配手段のガス拡散空間へ流入させるガス拡散空間流入ステップと、
前記基板のセンター領域とエッジ領域に対応する前記ガス拡散空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してキャリアガスを分配供給するキャリアガス供給ステップと、
前記ガス分配手段を介して下部プラズマ空間へプロセスガスを拡散させるプロセスガス拡散ステップと、
前記基板のセンター領域とエッジ領域に対して密度が調節されたプロセスガスを用いて、前記基板の表面に均一度の調節された水酸基(-OH)を生成する水酸基生成ステップと、を含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置とそれを含む基板接合システム及びそれを用いた基板処理方法に係り、より詳細には、2つの基板を接合させるハイブリッドボンディング(Hybrid bonding)のためのプラズマ処理時のプロセスガス(Process gas)、コントロールガス(Control gas)、キャリアガス(Carrier gas)に対する基板センター(Center)と基板エッジ(Edge)との比率調節によって、基板の上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保して基板を接合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の高密度集積化のために三次元積層技術が適用されている。三次元積層技術は、二次元的集積化技術に比べて単位面積当たりの集積度を飛躍的に向上させるか或いは配線の長さを減らすことにより、チップの性能を向上させることができる。その上、異種素子間の結合によって新しい特性を発揮することもできる。
【0003】
三次元積層技術は、概略的にC2C(Chip to Chip)、C2W(Chip to Wafer)、W2W(Wafer to Wafer)方式がある。
【0004】
W2W積層方式は、ウェーハとウェーハとを積層した後、ダイシング(Dicing)過程によってチップを製造する方式である。ボンディング工程の数がC2C方式又はC2W方式に比べて画期的に減少することにより、量産に有利であるという利点を持つ。
【0005】
従来では、様々な技術的制限などの理由により、半導体製造工程においてC2C積層方式を適用して三次元積層半導体を製作したが、量産性及び歩留まりを考慮して次第にW2W積層方式を適用する傾向に変化している。
【0006】
特に、メモリ半導体などの単純積層によって集積度向上のみを考慮するよりは、三次元積層によるチップ性能の向上を図ろうとする場合、W2W積層方式がより効果的な選択であり得る。
【0007】
プラズマ基板処理によるハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)を適用する場合、プラズマ処理空間上に供給されるプロセスガスに対するセンター(Center)とエッジ(Edge)との比率を調節することにより、ウェーハの上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を調整する技術が提示されている。
【0008】
しかし、このような従来技術は、1つの流量制御器を介してプロセスガス(Process Gas)を中心部と外殻部に分けて分配供給する方式であって、ウェーハ上面の水酸基(-OH)の生成を精密に制御することができないという問題があるため、ウェーハ基板上に水酸基(-OH)生成の均一度を確保するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、プラズマ処理時のプロセスガス(Process gas)、コントロールガス(Control gas)、キャリアガス(Carrier gas)それぞれに対する基板センター(Center)と基板エッジ(Edge)との供給比率の調節によって、基板の上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保することができる方案を提示しようとする。
【0010】
特に、従来技術の場合、単に1つの流量制御器を介してプロセスガス(Process Gas)を中心部と外殻部に分けて分配供給することにより、ウェーハ基板上面の水酸基(-OH)の生成を精密に制御することができないという問題を解決しようとする。
【0011】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない本発明の他の目的及び利点は、以降の説明によって理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明による基板処理装置の一実施形態は、基板の表面に水酸基(-OH)を生成するためのプラズマ処理が行われる処理空間を提供するプロセスチャンバと、前記処理空間に配置され、前記基板を支持する基板支持手段と、前記処理空間へプロセスガスを含む複数のガスを供給するガス供給手段と、前記基板支持手段に装着された基板を複数の領域に区分し、各領域別に供給される複数のガスに対する流量を独立して制御することにより、プロセスガスに対する前記基板の領域別密度を調節する制御手段と、を含み、複数のガスのうち、選択された1種以上のガスに対する前記基板の領域別供給量を調節して、プロセスガスに対する密度調節によって、前記基板の表面に生成される水酸基(OH)の均一度(Uniformity)を調節することができる。
【0013】
また、前記プロセスチャンバの処理空間の上部に配置されて上部プラズマ空間を区画し、前記ガス供給手段を介して供給される複数のガスを、前記基板支持手段に装着された基板に向かって拡散させるガス分配手段をさらに含むことができる。
【0014】
一例として、前記ガス供給手段は、プロセスガスを供給するプロセスガス供給源と、コントロールガスを供給するコントロールガス供給源と、前記基板の複数の領域に対応する前記上部プラズマ空間の複数の領域へプロセスガスの供給比率を調節して分配供給する第1流量制御器と、前記基板の複数の領域に対応する前記上部プラズマ空間の複数の領域へコントロールガスの供給比率を調節して分配供給する第2流量制御器と、を含み、前記制御手段は、前記第1流量制御器及び前記第2流量制御器を介して前記プロセスガス及び前記コントロールガスに対する領域別供給比率を制御して、前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することができる。
【0015】
また、前記ガス分配手段は、内部にガス拡散空間が設けられ、前記ガス供給手段は、キャリアガスを供給するキャリアガス供給源と、前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域へキャリアガスの供給比率を調節して分配供給する第3流量制御器と、を含み、前記制御手段は、前記第3流量制御器を介して前記キャリアガスに対する領域別供給比率を制御して、前記基板の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することができる。
【0016】
また、前記制御手段は、前記第3流量制御器を介して前記キャリアガスに対する領域別供給量を制御して、前記基板の複数の領域へ供給されるプロセスガスの速度を調節することができる。
【0017】
一例として、前記ガス分配手段は、前記上部プラズマ空間のガスが流入する上部シャワープレートと、前記上部シャワープレートの下部に形成されるガス拡散空間と、前記ガス拡散空間のガスを前記処理空間へ拡散させる下部シャワープレートと、を含むことができる。
【0018】
また、前記上部シャワープレートは、前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域それぞれにキャリアガスを排出する複数のガス流路が設けられることができる。
【0019】
一例として、前記上部シャワープレートは、前記ガス拡散空間のセンター領域へキャリアガスを排出するセンターガス流路と、前記ガス拡散空間のエッジ領域へキャリアガスを排出するエッジガス流路が設けられることができる。
【0020】
また、前記ガス供給手段は、プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれへ供給する第1供給管を含むことができる。
【0021】
一例として、前記ガス供給手段は、プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間のセンター領域へ供給する第1センター供給管と、プロセスガス及びコントロールガスを前記上部プラズマ空間のエッジ領域へ供給する第1エッジ供給管と、を含むことができる。
【0022】
また、前記ガス供給手段は、キャリアガスを前記ガス拡散空間の複数の領域それぞれへ供給する第2供給管を含むことができる。
【0023】
一例として、前記ガス供給手段は、キャリアガスを前記ガス拡散空間のセンター領域へ供給する第2センター供給管と、キャリアガスを前記ガス拡散空間のエッジ領域へ供給する第2エッジ供給管と、を含むことができる。
【0024】
また、本発明による基板接合システムの一実施形態は、プラズマ処理によって基板の表面に水酸基(-OH)を生成する請求項1に記載の基板処理装置と、プラズマ処理された基板の表面を洗浄処理する洗浄装置と、表面に水酸基(-OH)が形成された基板同士を接合させる基板接合装置と、前記基板処理装置、前記洗浄装置及び前記基板接合装置へ基板を移送する整列装置と、を含むことができる。
【0025】
また、本発明による基板処理方法の一実施形態は、基板の複数の領域に対応する上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してプロセスガスを分配供給するプロセスガス供給ステップと、前記上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してコントロールガスを分配供給するコントロールガス供給ステップと、前記コントロールガスの分配供給を介して前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節する上部プラズマ空間ガス密度調節ステップと、ガス分配手段を介して下部プラズマ空間へプロセスガスを拡散させるプロセスガス拡散ステップと、前記基板の複数の領域別に密度が調節されたプロセスガスを介して、前記基板の表面に均一度(Uniformity)が調節された水酸基(-OH)を生成する水酸基生成ステップと、を含むことができる。
【0026】
また、前記上部プラズマ空間ガス密度調節ステップを介して密度が調節されたプロセスガスを、前記ガス分配手段のガス拡散空間へ流入させるガス拡散空間流入ステップと、前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給比率を調節してキャリアガスを分配供給するキャリアガス供給ステップと、をさらに含み、前記プロセスガス拡散ステップは、キャリアガスを用いて密度の調節されたプロセスガスを下部プラズマ空間上に基板の複数の領域へ伝達することができる。
【0027】
好ましくは、前記プロセスガス拡散ステップは、前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給されるキャリアガスの供給比率に応じて、前記下部プラズマ空間上に基板の複数の領域へ伝達されるプロセスガスの速度を調節することができる。
【0028】
一例として、前記プロセスガス供給ステップは、プロセスガスの供給流量を制御する第1流量制御器を介して、前記上部プラズマ空間の複数の領域別にプロセスガスの供給比率を調節して分配供給することができる。
【0029】
一例として、前記コントロールガス供給ステップは、コントロールガスの供給流量を制御する第2流量制御器を介して前記上部プラズマ空間の複数の領域別にコントロールガスの供給比率を調節して分配供給することができる。
【0030】
一例として、前記キャリアガス供給ステップは、キャリアガスの供給流量を制御する第3流量制御器を介して前記拡散空間の複数の領域別にキャリアガスの供給比率を調節して分配供給することができる。
【0031】
また、本発明による基板処理方法の好適な一実施形態は、基板のセンター領域とエッジ領域に対応する上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してプロセスガスを分配供給するプロセスガス供給ステップと、前記上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してコントロールガスを分配供給するコントロールガス供給ステップと、前記コントロールガスの分配供給を介して前記上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域に対するプロセスガスの密度を調節する上部プラズマ空間ガス密度調節ステップと、密度が調節されたプロセスガスを前記ガス分配手段のガス拡散空間へ流入させるガス拡散空間流入ステップと、前記基板のセンター領域とエッジ領域に対応する前記ガス拡散空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してキャリアガスを分配供給するキャリアガス供給ステップと、前記ガス分配手段を介して下部プラズマ空間へプロセスガスを拡散させるプロセスガス拡散ステップと、前記基板のセンター領域とエッジ領域に対して密度が調節されたプロセスガスを用いて前記基板の表面に均一度(Uniformity)の調節された水酸基(-OH)を生成する水酸基生成ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
このような本発明によれば、プラズマ処理時の処理ガス(Process gas)、コントロールガス(Control gas)、キャリアガス(Carrier gas)それぞれに対する基板センター(Center)と基板エッジ(Edge)との供給比率の調節によって、基板の上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保することができる。
【0033】
特に、上部プラズマ空間でコントロールガスを介してプロセスガスの領域別密度を調節し、ガス拡散空間でキャリアガスを用いて領域別密度の調節されたプロセスガスを下部プラズマ空間へ伝達することにより、基板の領域別水酸基(-OH)の生成を精密に調節することができる。
【0034】
また、キャリア供給の供給比率によって、基板へ拡散するプロセスガスの速度を調節することにより、基板の領域別水酸基(-OH)の生成を容易に調節することができる。
【0035】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明が適用されるハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)の概念を示す。
【
図2】本発明による基板接合システムの一実施形態を示す。
【
図3】本発明による基板処理装置の一実施形態を示す。
【
図4】本発明による基板処理装置のガス分配手段に対する一実施形態を示す。
【
図5】本発明による基板処理方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【
図6】本発明による基板処理方法の他の実施形態のフローチャートを示す。
【
図7】本発明による基板処理方法の他の実施形態の動作過程を示す。
【
図8】本発明による基板処理方法の他の実施形態の動作過程を示す。
【
図9】本発明による基板処理方法の他の実施形態の動作過程を示す。
【
図10】本発明による基板処理方法の他の実施形態の動作過程を示す。
【
図11】本発明による基板処理方法の他の実施形態の動作過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施形態によって限定又は制限されるものではない。
【0038】
本発明、本発明の動作上の利点、及び本発明の実施によって達成される目的を説明するために、以下では、本発明の好適な実施形態を例示し、これを参照して説明する。
【0039】
まず、本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定するものではなく、単数の表現は、文脈上明らかに別段の意味を有しない限り、複数の表現を含むことができる。また、本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0040】
本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0041】
本発明は、ハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)を用いた基板接合工程におけるプラズマ処理によって基板上に水酸基(-OH)を形成する際に基板表面の水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保するための基板処理技術を提示する。
【0042】
図1は、本発明が適用されるハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)の概念を示す。
【0043】
プラズマ処理の際に、シリコン基板の接合面に対する表面エネルギーを増加させて界面間の共有結合を誘導することができる。シリコン基板の表面の疎水性(Hydrophobic)特性をプラズマ処理によって親水性(Hydrophilile)に変えれば、基板の表面に水酸基(-OH)の生成を誘導することができる。
【0044】
プラズマ処理後、基板の表面に対するリンス工程を行って水酸基(-OH)の生成を活性化させ、不純物を洗浄することができる。
【0045】
このような工程を行った2つの基板の面を対向させて接合するが、酸素(O)の共有結合による脱水反応を介して2つの基板面が接合できる。このような共有結合による接合は、弱い結合力を有するので、高温加熱工程を介して共融(Eutectic)/TLP/拡散(Diffusion)/フュージョンボンディング(Fusion bonding)を誘導し、金属配線ラインの熱膨張による金属結合でより強い結合力を持つ。
【0046】
このようなウェーハボンディング工程におけるプラズマ処理による基板表面の水酸基(-OH)に対する均一度はかなり重要な問題である。
【0047】
したがって、本発明では、プラズマ処理工程でプラズマガスの密度を制御して基板表面の水酸基(-OH)の均一度を確保することができる方案を提示する。
【0048】
以下、本発明による実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【0049】
図2は、本発明による基板接合システムの一実施形態を示す。
【0050】
基板接合システム1は、クリーンルーム20内に配置される基板処理装置10、洗浄装置50、整列装置60、及び基板接合装置70を含むことができる。また、基板接合システム1は、クリーンルーム20の一側に備えられるカセットステージ30をさらに含むことができる。
【0051】
例示的な実施形態において、クリーンルーム20は、内部空間を有する直方体状のルームからなり、粒子状物質及び異物が遮断された空間を形成して所定の範囲の清浄度を維持することができる。
【0052】
カセットステージ30は、ウェーハが貯蔵される空間を提供することができる。複数のウェーハを収納することが可能なキャリアC(FOUP)は、カセットステージ30の支持プレート32上に支持できる。キャリアC内に収納されたウェーハは、移送ロボット22によってクリーンルーム20の内部へ移送できる。
【0053】
整列装置60は、ウェーハWのフラット部P(又はノッチ)を感知してウェーハWを整列させることができる。整列装置60によって整列されたウェーハは、移送ロボット22によって基板処理装置10、洗浄装置50、基板接合装置70へ移送できる。
【0054】
洗浄装置50は、基板処理装置10によってプラズマ処理されたウェーハ基板の表面を洗浄することができる。洗浄装置50は、スピンコーターを用いて前記ウェーハ基板の表面にDIウォーターをコーティングすることができる。DIウォーターは、ウェーハ基板の表面を洗浄するだけでなく、ウェーハ基板の表面に水酸基(-OH)がよく結合されるようにして、ハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)をさらに容易に形成することができる。
【0055】
基板接合装置70は、下部チャック構造物及び上部チャック構造物を含むことができる。上部チャック構造物は第1ウェーハを固定し、下部チャック構造物は第2ウェーハを固定することができる。
【0056】
上部チャック構造物と下部チャック構造物のうちのいずれか一方又は両方は、昇降可能であって、第1ウェーハと第2ウェーハを加圧しながら接合させることができる。一例として、上部チャック構造物と下部チャック構造物にはプッシュロッドが配置されることにより、プッシュロッドの昇降を介してウェーハ基板の中心部から外郭へ第1ウェーハと第2ウェーハとの接合が行われ得る。或いは、上部チャック構造物と下部チャック構造物には、空気又はガス注入を介して膨張する加圧手段が配置されることにより、加圧手段の膨張動作を介してウェーハ基板の中心部から外郭へ第1ウェーハと第2ウェーハとの接合が行われてもよい。
【0057】
また、基板接合システム1は、接合されたウェーハ基板を熱処理するためのアニール装置(図示せず)をさらに含むことができる。また、基板接合システム1は、接合されたウェーハ基板のうち、いずれか一つのウェーハ基板の表面をグラインドするためのグラインダー(図示せず)をさらに含むことができる。
【0058】
図3に示されている本発明による基板処理装置の一実施形態を参照して基板処理装置10について検討する。
【0059】
本実施形態は、説明の便宜上、基板をセンター領域とエッジ領域に区分したが、必要に応じて、基板の領域をより細分化して複数の領域に区分することもできる。
【0060】
基板処理装置10は、プロセスチャンバ100、下部電極を有する基板支持部110、上部電極131、ガス分配手段200及びガス供給手段300などを含むことができる。
【0061】
基板支持部110は、プロセスチャンバ100内でウェーハWを支持することができる。基板支持部110は、ウェーハが装着される下部電極141を有する基板ステージを含むことができる。
【0062】
例示的な実施形態において、基板処理装置10は、誘導結合型プラズマ(ICP、induced coupled plasma)プロセスチャンバ100内に配置された半導体ウェーハWなどの基板の表面にプラズマを照射して基板の表面に水酸基(-OH)を形成するための装置であり得る。ここで、基板処理装置10によって生成されたプラズマは、誘導結合型プラズマに限定されず、例えば、容量結合型プラズマ、マイクロ波型プラズマであり得る。
【0063】
プロセスチャンバ100は、ウェーハW上にプラズマ処理プロセスを行うための密閉された処理空間120を提供することができる。プロセスチャンバ100は、円筒形の真空チャンバーであり得る。プロセスチャンバ100は、アルミニウムやステンレススチールなどの金属を含むことができる。プロセスチャンバ100は、プロセスチャンバ100の上部を覆うカバー102を含むことができる。カバー102は、プロセスチャンバ100の上部を密閉させることができる。
【0064】
プロセスチャンバ100の側壁には、ウェーハWの出入りのためのゲート(図示せず)が設置される。ゲートを介してウェーハWを基板支持部110の基板ステージ上に対してロード及びアンロードさせることができる。
【0065】
プロセスチャンバ100の下部には排気ポート104が設置され、排気ポート104には排気管を介して排気部106が接続される。排気部106は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを含むことにより、プロセスチャンバ100内部の処理空間を所望の真空度の圧力に調節することができる。また、プロセスチャンバ100内に発生したプロセス副産物及び残余プロセスガスを排気ポート104を介して排出することができる。
【0066】
上部電極131は、下部電極と対向するようにプロセスチャンバ100の外側の上部に配置できる。一例として、上部電極131はカバー102上に配置できる。これとは異なり、上部電極131はプロセスチャンバ100の上部に形成されてもよい。
【0067】
上部電極131は、高周波(RF)アンテナを含むことができる。前記アンテナは、平面コイル形状を有することができる。カバー102は、円板状の誘電体窓(dielectric window)を含むことができる。前記誘電体窓は、誘電物質を含むことができる。例えば、前記誘電体窓は、アルミニウム酸化物(Al2O3)を含むことができる。前記誘電体窓は、前記アンテナからのパワーをプロセスチャンバ100の内部へ伝達する機能を有することができる。
【0068】
例えば、上部電極131は、らせん状又は同心円状のコイルを含むことができる。前記コイルは、プロセスチャンバ100のプラズマ空間Pで誘導結合されたプラズマ(inductively coupled plasma)を発生させることができる。ここで、前記コイルの個数や配置などは、必要に応じて適宜変更できる。
【0069】
上部電力供給部130は、上部電極131にプラズマソースパワーを印加することができる。例えば、上部電力供給部130は、プラズマソースエレメントであって、ソースRF電源133及びソースRF整合器135などを含むことができる。ソースRF電源133は高周波(RF)信号を発生させることができる。ソースRF整合器135は、ソースRF電源133から発生したRF信号のインピーダンスをマッチングして、上部電極131のアンテナコイルを用いて発生させるプラズマを制御することができる。
【0070】
下部電力供給部140は、下部電極141にバイアスソースパワーを印加することができる。例えば、下部電力供給部140は、バイアスエレメントであって、バイアスRF電源143及びバイアスRF整合器145を含むことができる。下部電極141は、プロセスチャンバ100内で発生したプラズマ原子又はイオンを引き付けることができる。バイアスRF電源143は、高周波(RF)信号を発生させることができる。バイアスRF整合器145は、下部電極141に印加されるバイアス電圧及びバイアス電流を調節してバイアスRFのインピーダンスをマッチングさせることができる。バイアスRF電源143とソースRF電源133は、制御部(図示せず)の同調器を介して互いに同期化又は非同期化され得る。
【0071】
前記制御部は、上部電力供給部130及び下部電力供給部140に接続され、これらの動作を制御することができる。前記制御部は、マイクロコンピュータ及び各種インターフェースを含み、外部メモリ又は内部メモリに保存されるプログラム及びレシピ情報に基づいて、前記プラズマ処理装置の動作を制御することができある。
【0072】
所定の周波数を有する高周波電力が上部電極131に印加されると、上部電極131によって誘導された電磁場が、プロセスチャンバ100内へ噴射されたプラズマガスに印加されてプラズマPが生成され得る。プラズマ電力の周波数よりも小さい周波数を有するバイアス電力が下部電極141に印加されて、プロセスチャンバ100内で発生したプラズマ原子又はイオンを下部電極141に向かって引き付けることができる。
【0073】
ガス分配手段200は、プロセスチャンバ100内の上部空間に配置され、上部プラズマ空間150を区画することができる。一例として、ガス分配手段200の上部に上部プラズマ空間150を形成させ、基板の上部に下部プラズマ空間160を形成させることができる。
【0074】
ガス分配手段200は、上部シャワープレート210と下部シャワープレート250とを含み、上部シャワープレート210と下部シャワープレート250との間に設けられるガス拡散空間230をさらに含むことができる。
【0075】
上部シャワープレート210には、上部プラズマ空間のガスをガス拡散空間230へ流入させるガス流入孔が設けられ、下部シャワープレート250には、ガス拡散空間230上のガスを下部プラズマ空間へ拡散させるガス排出孔が設けられる。
【0076】
上部シャワープレート210のガス流入孔と下部シャワープレート250のガス排出孔は、その個数や配置形態などが必要に応じて様々に変形することができる。
【0077】
基板処理装置10は、ガス分配手段200を介してプロセスチャンバ100の内部へプラズマガスを供給するためのガス供給手段300を含むことができる。
【0078】
ガス供給手段300は、プロセスガス(Process Gas)供給源310、コントロールガス(Control Gas)供給源320、キャリアガス(Carrier Gas)供給源330などを含むことができる。
【0079】
ガス供給手段300は、プロセスガス(Process Gas)とコントロールガス(Control Gas)を基板のセンター領域に対応して供給する第1センター供給管371と、基板のエッジ領域に対応して供給する第1エッジ供給管375と、を含むことができる。
【0080】
本実施形態において、プロセスガス(Process Gas)とコントロールガス(Control Gas)を1つのセンター供給管371と1つのエッジ供給管375を介して供給するものと図示及び説明するが、必要に応じて、プロセスガス(Process Gas)とコントロールガス(Control Gas)のそれぞれに対応してセンター供給管とエッジ供給管とが個別に備えられてもよい。
【0081】
一例として、第1センター供給管371と第1エッジ供給管375は、ガス分配手段200の上部に設けられる上部プラズマ空間150上のセンター領域とエッジ領域へプロセスガス(Process Gas)とコントロールガス(Control Gas)を供給することができる。
【0082】
また、ガス供給手段300は、プロセスガス(Process Gas)に対する基板のセンター領域に対応する供給量と、基板のエッジ領域に対応する供給量を調節する第1流量制御器340、及びコントロールガス(Control Gas)に対する基板のセンター領域に対応する供給量と、基板のエッジ領域に対応する供給量を調節する第2流量制御器350を含むことができる。流量制御器(FRC:Flow rate controller)340、350は、質量流量制御器(MFC:Mass Flow Controller)を含むことができる。
【0083】
流量制御器340、350は、プロセスガス(Process Gas)及びコントロールガス(Control Gas)に対する基板のセンター領域とエッジ領域に対応する供給比率を調節することができる。
【0084】
ガス供給手段300は、キャリアガス(Carrier Gas)を基板のセンター領域に対応して供給する第2センター供給管381と、基板のエッジ領域に対応して供給する第2エッジ供給管385と、を含むことができる。
【0085】
一例として、第2センター供給管381と第2エッジ供給管385は、ガス分配手段200の内部に設けられるガス拡散空間230上のセンター領域とエッジ領域へキャリアガス(Carrier Gas)を供給することができる。
【0086】
これに関連して、
図4は、本発明による基板処理装置のガス分配手段の一実施形態を示す。
【0087】
図4は、ガス分配手段200の上部シャワープレート210に対する一側面を示す。
【0088】
上部シャワープレート210には、上部プラズマ空間150上のガスをガス拡散空間230へ流入させるガス流入孔220が設けられる。
【0089】
ガス流入孔220は、上部シャワープレート210を貫通する孔であって、放射状に分布して複数個が設けられる。
【0090】
上部シャワープレート210の内部には、ガス拡散空間230のセンター領域に対応するセンターガス流路383が設けられ、センターガス流路383は、第2センター供給管381に接続されてキャリアガスの供給を受けることができる。センターガス流路383には、ガス拡散空間230のセンター領域へキャリアガスを排出するキャリアガス排出孔383が設けられる。ガス排出孔383は、ガス拡散空間230に向かって開放され、センターガス流路383上のキャリアガスをガス拡散空間230のセンター領域へ排出させることができる。
【0091】
また、上部シャワープレート210の内部には、ガス拡散空間230のエッジ領域に対応するエッジガス流路386が設けられ、エッジガス流路386は、第2エッジ供給管385に接続されてキャリアガスの供給を受けることができる。エッジガス流路386には、ガス拡散空間230のエッジ領域へキャリアガスを排出するキャリアガス排出孔387が設けられる。ガス排出孔387は、ガス拡散空間230に向かって開放され、エッジガス流路386上のキャリアガスをガス拡散空間230のエッジ領域へ排出させることができる。
【0092】
再び
図3に戻り、本発明による基板処理装置10について考察する。
【0093】
ガス供給手段300は、キャリアガス(Carrier Gas)に対する基板のセンター領域に対応する供給量と、基板のエッジ領域に対応する供給量を調節する第3流量制御器360を含むことができる。
【0094】
第3流量制御器360は、キャリアガス(Carrier Gas)に対する基板のセンター領域とエッジ領域に対応する供給比率を調節することができる。
【0095】
第1流量制御器340、第2流量制御器350及び第3流量制御器360を制御して、プロセスガス(Process Gas)、コントロールガス(Control Gas)、キャリアガス(Carrier Gas)それぞれに対する基板のセンター領域に対応する供給量と、基板のエッジ領域に対応する供給量を調節する制御手段(図示せず)を含むことができる。
【0096】
プロセスガス(Process Gas)は、プラズマ処理される対象基板の特性に応じてN2、O2などのガスが選択できる。プロセスガスは、基板の表面に水酸基(-OH)を形成する機能を果たすことができる。本発明では、プロセスガスを基板のセンター領域とエッジ領域に区分し、各領域別の供給量を調節して分配供給することができる。基板のセンター領域とエッジ領域とを対比して、相対的な供給比率が高いほどエッチング液(Etchant)の密度が大きくなる可能性がある。
【0097】
コントロールガス(Control Gas)は、基板の上面と反応しないガスであって、Arなどの不活性ガスを含むことができる。本発明では、上部プラズマ空間上にプロセスガスと共にコントロールガスを供給することにより、上部プラズマ空間に存在するエッチング液の密度を調節することができる。基板をセンター領域とエッジ領域に区分し、コントロールガスに対する各領域別供給量を調節して分配供給することにより、相対的なエッチング液の密度が調節でき、これにより、基板の表面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を調節することができる。
【0098】
キャリアガス(Carrier Gas)は、上部プラズマ空間で密度が調節されたエッチング液を下部プラズマ空間へ伝達する機能を行うことができる。基板のセンター領域とエッジ領域とに区分し、キャリアガスに対する各領域別の供給量を調節して分配供給することにより、下部プラズマ空間上へキャリアガスを介して伝達されるエッチング液の密度を基板のセンター領域とエッジ領域のそれぞれに異なるように調節することができる。
【0099】
また、キャリアガスの供給量の調節によって、ウェーハ基板の上面にエッチング液が到達する速度を制御することもできる。
【0100】
このような本発明による基板処理装置は、上述した本発明による基板接合システムに適用でき、本発明で提示する基板処理装置を用いたプラズマ処理によって、基板の表面に生成される水酸基(-OH)の均一度を確保することができる。
【0101】
また、本発明では、上述した本発明による基板処理装置を用いて基板表面の水酸基(-OH)の生成に対する均一度(Uniformity)を確保するための基板処理方法を提示する。
【0102】
本発明による基板処理方法の一例は、基板の複数の領域に対応する上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してプロセスガスを分配供給し、前記上部プラズマ空間の複数の領域へ供給比率を調節してコントロールガスを分配供給することにより、前記コントロールガスの分配供給を介して前記上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することができる。
【0103】
好ましくは、プロセスガスの供給流量を制御する第1流量制御器を介して、前記上部プラズマ空間の複数の領域別にプロセスガスの供給比率を調節して分配供給することができる。また、コントロールガスの供給流量を制御する第2流量制御器によって、前記上部プラズマ空間の複数の領域別にコントロールガスの供給比率を調節して分配供給することができる。
【0104】
また、ガス分配手段を介して下部プラズマ空間へプロセスガスを拡散させることにより、前記基板の複数の領域別に密度が調節されたプロセスガスを用いて、前記基板の表面に均一度(Uniformity)の調節された水酸基(-OH)を生成することができる。
【0105】
さらに、本発明による基板処理方法の他の一例は、キャリアガスをさらに供給することができる。
【0106】
本発明による基板処理方法の他の一例を見ると、前述した過程によって上部プラズマ空間への供給比率を調節してプロセスガスとコントロールガスを分配供給することにより、上部プラズマ空間の複数の領域それぞれに対するプロセスガスの密度を調節することができる。
【0107】
そして、領域別に密度が調節されたプロセスガスとコントロールガスをガス分配手段のガス拡散空間へ流入させ、前記基板の複数の領域に対応する前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給比率を調節してキャリアガスを分配供給することができる。
【0108】
好ましくは、キャリアガスの供給流量を制御する第3流量制御器によって、前記拡散空間の複数の領域別にキャリアガスの供給比率を調節して分配供給することができる。
【0109】
キャリアガスの供給によって、領域別に密度が調節されたプロセスガスを下部プラズマ空間上へ拡散させることができる。このとき、前記ガス拡散空間の複数の領域へ供給されるキャリアガスの供給比率に応じて、前記下部プラズマ空間上に基板の複数の領域へ伝達されるプロセスガスの速度を調節することができる。
【0110】
本発明による基板処理方法について具体的な実施形態によって説明する。以下の実施形態では、説明の便宜のために、基板の複数の領域を基板のセンター領域とエッジ領域とに区分するが、必要に応じて以下の実施形態を変形させて基板の領域をより細分化することができる。
【0111】
図5は、本発明による基板処理方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【0112】
制御手段は、第1流量制御器を介して上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域に供給比率を調節してプロセスガスを供給(S110)することができる。
【0113】
一例として、
図7を参照すると、ガス供給手段300のプロセスガス供給源310を介して第1センター供給管371と第1エッジ供給管375へプロセスガスを供給し、このとき、第1流量制御器340によって、第1センター供給管371と第1エッジ供給管375へ供給されるプロセスガスの供給比率を調節することができる。
【0114】
そして、プロセスガスPは、第1センター供給管371と第1エッジ供給管375から上部プラズマ空間150へ流入する。第1センター供給管371と第1エッジ供給管375のプロセスガスPに対する供給比率が調節されることにより、上部プラズマ空間150のセンター領域UA-Cとエッジ領域UA-E上のプロセスガスの流入量又は比率が調節される。
【0115】
プロセスガスPを供給した後、又はプロセスガスPを供給すると共に、制御手段は、第2流量制御器を介して上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してコントロールガスを供給(S120)することができる。
【0116】
コントロールガスの供給を介して、上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域上で基板処理のためのエッチング液(Etchant)の密度を調節(S130)することができる。
【0117】
一例として、
図8を参照すると、ガス供給手段300のコントロールガス供給源320を介して第1センター供給管371と第1エッジ供給管375へプロセスガスを供給し、この時、第2流量制御器340によって、第1センター供給管371と第1エッジ供給管375へ供給されるコントロールガスの供給比率を調節することができる。
【0118】
そして、コントロールガスCは、第1センター供給管371と第1エッジ供給管375から上部プラズマ空間150へ流入する。第1センター供給管371と第1エッジ供給管375のプロセスガスPに対する供給比率が調節されることにより、上部プラズマ空間150のセンター領域UA-Cとエッジ領域UA-E上のプロセスガスに対する密度が調節される。
【0119】
上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域上で密度が調節されたエッチング液をガス分配手段を介して下部プラズマ空間へ供給(S140)して、プラズマ処理を介して基板の表面上に水酸基(-OH)を生成させることができる。このとき、基板のセンター領域とエッジ領域に対するエッチング液の密度が調節されて供給されるので、基板表面の水酸基(-OH)の生成程度が調節でき、これにより、基板の表面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保することができる。
【0120】
さらに、本発明では、キャリアガスをさらに供給してエッチング液を精密制御することにより、基板の表面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)をより向上させることができるが、これに関連して、
図6は、本発明による基板処理方法の他の実施形態のフローチャートを示す。
【0121】
前述した実施形態と同一又は類似に上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してプロセスガスを供給(S210)し、プロセスガスの供給後に又はプロセスガスの供給と共に、上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してコントロールガスを供給(S220)することができる。
【0122】
プロセスガスの領域別供給比率を調節するとともに、キャリアガスの領域別供給比率を調節することにより、上部プラズマ空間のセンター領域とエッジ領域上のエッチング液の密度を調節(S230)することができる。
【0123】
そして、領域別に密度が調節されたプロセスガスとキャリアガスをガス分配手段のガス拡散空間へ流入させ、ガス拡散空間のセンター領域とエッジ領域へ供給比率を調節してキャリアガスを供給(S240)することができる。
【0124】
図7及び
図8に示すように、プロセスガスPの領域別供給比率を調節するとともに、キャリアガスCの領域別供給比率を調節することにより、上部プラズマ空間150のセンター領域UA-Cとエッジ領域UA-E上のガス密度を調節することができる。
【0125】
次に、
図9を参照すると、上部プラズマ空間150のセンター領域UA-Cとエッジ領域UA-E上のガス密度が調節された状態でガス分配手段200のガス拡散空間230に流入させることができる。
【0126】
そして、
図10を参照すると、ガス供給手段300のキャリアガス供給源330を介して第2センター供給管381と第2エッジ供給管385へプロセスガスを供給し、このとき、第3流量制御器360によって、第2センター供給管381と第2エッジ供給管385へ供給されるキャリアガスの供給比率を調節することができる。
【0127】
キャリアガスCAは、第2センター供給管381と第2エッジ供給管385からガス拡散空間230へ流入する。第2センター供給管381と第2エッジ供給管385を介して供給されるキャリアガスCAの供給比率を調節することにより、ガス拡散空間230のセンター領域とエッジ領域上のキャリアガスCAの供給量が調節される。また、キャリアガスCAの領域別供給量の調節に応じて、ガス拡散空間230のセンター領域とエッジ領域上のエッチング液に対する密度がさらに調節できる。
【0128】
キャリアガスを用いて、ガス拡散空間230上の密度が調節されたプロセスガスは下部プラズマ空間へ拡散(S250)可能である。つまり、領域別に密度が調節されたエッチング液を、キャリアガスを用いて拡散させることにより、下部プラズマのセンター領域とエッジ領域へ伝達されるエッチング液の密度を調節することができる。
【0129】
また、キャリアガスの供給量を調節することにより、下部プラズマのセンター領域とエッジ領域へ伝達されるプロセスガスの速度を調節することができる。
【0130】
図11を参照すると、ガス拡散空間230のセンター領域とエッジ領域上の密度が調節されたプロセスガスPは、キャリアガスCAを介して下部プラズマ空間160へ拡散可能である。
【0131】
領域別に密度が調節された状態のプロセスガスPが下部プラズマ空間160へ伝達されるので、下部プラズマ空間160のセンター領域DA-Cとエッジ領域DA-Eに到達するプロセスガスPの密度を調節することができる。
【0132】
また、プロセスガスPを拡散させるキャリアガスCAの供給量を領域別に調節することにより、下部プラズマ空間160に到達するプロセスガスPの速度を領域別に調節することができる。
【0133】
下部プラズマ空間のプロセスガスが到達してプラズマ処理を介して基板の表面上に水酸基(-OH)を生成させることができる。このとき、下部プラズマ空間160のセンター領域(DA-C)とエッジ領域(DA-E)に対するプロセスガス(P)、すなわち、エッチング液の密度が調節されて供給されるので、基板表面の水酸基(-OH)の生成程度を調節することができる。また、キャリアガスCAの供給量を調節して下部プラズマ空間160のセンター領域DA-Cとエッジ領域DA-Eに到達するプロセスガスPの速度を調節することができるので、これにより基板表面の水酸基(-OH)の生成程度をより精密に調節することができる。
【0134】
以上説明した本発明によれば、プラズマ処理時のプロセスガス(Process gas)、コントロールガス(Control gas)、キャリアガス(Carrier gas)それぞれに対する基板センター(Center)と基板エッジ(Edge)との供給比率の調節によって、基板の上面に生成される水酸基(-OH)の均一度(Uniformity)を確保することができる。
【0135】
特に、上部プラズマ空間でコントロールガスを介してプロセスガスの領域別密度を調節し、ガス拡散空間でキャリアガスを用いて領域別密度の調節されたプロセスガスを下部プラズマ空間へ伝達することにより、基板の領域別水酸基(-OH)の生成を精密に調節することができる。
【0136】
さらに、キャリア供給の供給比率を介して、基板へ拡散するプロセスガスの速度を調節することにより、基板の領域別水酸基(-OH)の生成を容易に調節することができる。
【0137】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱することなく、多様な修正及び変形が可能である。よって、本発明に記載された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、本発明の技術思想を限定するものではない。本発明の保護範囲は、下記請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0138】
1 基板接合システム
10 基板処理装置
50 洗浄装置
60 整列装置
70 基板接合装置
100 プロセスチャンバ
110 基板支持部
150 上部プラズマ空間
160 下部プラズマ空間
200 ガス分配手段
210 上部シャワープレート
230 ガス拡散空間
250 下部シャワープレート
300 ガス供給手段
310 プロセスガス供給源
320 コントロールガス供給源
330 キャリアガス供給源
340 第1流量制御器
350 第2流量制御器
360 第3流量制御器