特開 2023-97394 ハンドル

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023097394

(43)【公開日】2023-07-07

(54)【発明の名称】ハンドル

(51)【国際特許分類】

   B05C 13/02 20060101AFI20230630BHJP

【ＦＩ】

B05C13/02

【審査請求】有

【請求項の数】11

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022200964

(22)【出願日】2022-12-16

(31)【優先権主張番号】110148983

(32)【優先日】2021-12-27

(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW

(71)【出願人】

【識別番号】522490273

【氏名又は名称】李 翊豪

(74)【代理人】

【識別番号】110001818

【氏名又は名称】弁理士法人Ｒ＆Ｃ

(72)【発明者】

【氏名】李 翊豪

【テーマコード（参考）】

4F042

【Ｆターム（参考）】

4F042AA01

4F042AB00

4F042DF11

4F042FA00

(57)【要約】

【課題】ユーザがモデル作業の状況に応じて重さを自由に調整可能なハンドルを提供する。
【解決手段】底部台座２０及び上部台座３０を備え、底部台座２０は、ケーシング２２と、ケーシング２２の自由端に設けられた開口と、ケーシング２２内に設けられて開口に連通している、液体又は固体の充填に使用可能な収容空間２６とを有し、上部台座３０は、底部台座２０に取り外し可能に覆設されている。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

底部台座、上部台座及び指掛け部を備えたハンドルであって、
前記底部台座は、ケーシングと、前記ケーシングの自由端に設けられた開口と、前記ケーシング内に設けられて前記開口に連通している、液体又は固体の充填に使用可能な収容空間とを有し、
前記上部台座は、前記底部台座に取り外し可能に覆設されており、物品の安定的な載置が可能な載置台と、取り外し可能に前記載置台に設けられた栓部材とを有し、
前記指掛け部は前記上部台座に設けられ、
前記載置台が前記ケーシングの上縁に当接して前記栓部材が前記開口を介して部分的に前記収容空間内に挿設されることで、前記収容空間が前記上部台座によって封止されているハンドル。

【請求項2】

前記ケーシングはその内側に少なくとも一つの突出ブロックを有している、請求項１に記載のハンドル。

【請求項3】

前記少なくとも一つ突出ブロックは、前記ケーシングの内底面に設けられている、請求項２に記載のハンドル。

【請求項4】

前記載置台には、前記指掛け部を嵌装させるための環状部が設けられている、請求項１に記載のハンドル。

【請求項5】

前記ケーシングは、その外側に位置する外底面と、前記外底面から上方に延出した第１下層部と、前記第１下層部から上方に延出した第２下層部と、前記第２下層部から上方に延出した第３下層部とを有している、請求項１に記載のハンドル。

【請求項6】

前記第１下層部は、前記外底面に接する第１下輪郭部と、正多角形の第１上輪郭部とを有し、
前記第２下層部は、前記第１下層部の前記第１上輪郭部に接する第２下輪郭部と、第２上輪郭部とを有している、請求項５に記載のハンドル。

【請求項7】

前記第２上輪郭部は正多角形であり、
前記第３下層部は、前記第２下層部の前記第２上輪郭部に接する第３下輪郭部を有している、請求項６に記載のハンドル。

【請求項8】

前記第１下輪郭部の角部と、前記第１上輪郭部の少なくとも一つの角部との間に接続線が形成されており、
前記第２下輪郭部の角部と、前記第２上輪郭部の少なくとも一つの角部との間に接続線が形成されている、請求項６に記載のハンドル。

【請求項9】

前記外底面は正六角形である、請求項６に記載のハンドル。

【請求項10】

前記第１上輪郭部は正六角形である、請求項９に記載のハンドル。

【請求項11】

前記第１下層部は、前記外底面の六つの辺にそれぞれ接する六つの第１三角面と、隣接する二つの前記第１三角面にそれぞれ接する六つの第１逆さ三角面とを有し、
前記第２下層部は、前記第１逆さ三角面のそれぞれに接する六つの第２三角面と、隣接する二つの前記第２三角面にそれぞれ接する六つの第２逆さ三角面とを有し、
前記第３下層部は、前記第２逆さ三角面のそれぞれに接する六つの延伸面を有している、請求項１０に記載のハンドル。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明はハンドルに関し、特にペインティングハンドルに関する。

【背景技術】

【0002】

モデル愛好家の多くは、組み立てや色塗りなどのモデル作業を行う際にモデルを載せるためのペインティングハンドルを使うので、良いペインティングハンドルはモデル作業に欠かせない。しかし、市販のペインティングハンドルの多くは軽すぎるため、重いモデルや重心が高いモデルを載せると、作業台の上で容易に倒れてしまう。重いペインティングハンドルや大きいペインティングハンドルを使用すれば倒れにくくなるが、この場合、手に持ったときのユーザの負担が大きくなってしまう問題がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがモデル作業の状況に応じて重さを自由に調整可能なハンドルを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0004】

上記目的を達成するための本発明に係るハンドルの特徴は、
底部台座、上部台座及び指掛け部を備え、
前記底部台座は、ケーシングと、前記ケーシングの自由端に設けられた開口と、前記ケーシング内に設けられて前記開口に連通している、液体又は固体の充填に使用可能な収容空間とを有し、
前記上部台座は、前記底部台座に取り外し可能に覆設されており、物品の安定的な載置が可能な載置台と、取り外し可能に前記載置台に設けられた栓部材とを有し、
前記指掛け部は前記上部台座に設けられ、
前記載置台が前記ケーシングの上縁に当接して前記栓部材が前記開口を介して部分的に前記収容空間内に挿設されることで、前記収容空間が前記上部台座によって封止されている点にある。

【発明の効果】

【0005】

上記構成によれば、ユーザはモデル作業の様々な状況に応じてハンドルの重さを自由に調整することができる。これにより、ハンドルが作業台において容易に倒れること、ハンドルを手に持った時の負担が増加することなどを回避することが可能になり、モデル作業時の作業性が格段に向上する。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】本発明の好ましい実施形態のハンドルを示す斜視図である。

【図2】本発明の好ましい実施形態のハンドルを示す分解図である。

【図3】本発明の好ましい実施形態のハンドルを示す分解図である。

【図4】図１の４－４線に沿った断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0007】

以下、図面を参照しながら、好ましい実施形態を用いて本発明の技術的思想及び特徴を説明する。図１から図３に示すように、本発明の好ましい実施形態のハンドル１０は、底部台座２０と、底部台座２０に取り外し可能に覆設された上部台座３０と、上部台座３０に設けられた弓型の指掛け部４０とを備えている。ハンドル１０は、モデル（図示せず）の組み立てや色塗り等のモデル関連作業をユーザが行う際にモデルを載置するためのものである。

【0008】

図２に示すように、底部台座２０は、作業台（図示せず）に自立可能なものであり、ケーシング２２と、ケーシング２２の自由端に設けられた開口２４と、ケーシング２２内に設けられて開口２４に連通している収容空間２６とを有している。収容空間２６は液体又は固体の充填に使用可能である。図４に示すように、ケーシング２２はその内側に三つの突出ブロック２２１を有している。三つの突出ブロック２２１は、ケーシング２２の内側の底面である内底面２２０に設けられている。また、図３に示すように、ケーシング２２は、正多角形の外底面２２５と、外底面２２５から上方に延出した第１下層部２２６と、第１下層部２２６から上方に延出した第２下層部２２７と、第２下層部２２７から上方に延出した第３下層部２２８とを有している。第１下層部２２６は、外底面２２５に接する第１下輪郭部２２６１と、正多角形の第１上輪郭部２２６２とを有している。第２下層部２２７は、第１下層部２２６の第１上輪郭部２２６２に接する第２下輪郭部２２７１と、正多角形の第２上輪郭部２２７２とを有している。第３下層部２２８は、第２下層部２２７の第２上輪郭部２２７２に接する第３下輪郭部２２８１を有している。

【0009】

図３に示すように、第１下輪郭部２２６１の角部と、第１上輪郭部２２６２の少なくとも一つの角部との間に接続線が形成されており、第２下輪郭部２２７１の角部と、第２上輪郭部２２７２の少なくとも一つの角部との間に接続線が形成されている。異なる下層部の輪郭部間の複数の角部を結び接続線が形成されたことで、ハンドル１０は、複数の層を有し且つ角度が互いに異なる複数の平面を有する組み合わせ構造となっており、ユーザがハンドル１０を手に持った際に、これらの平面及び角部が手のひら及び指における多くの部位に当たるので、滑りにくくなる効果が得られる。

【0010】

本実施形態において、外底面２２５は正六角形である。第１下層部２２６は、外底面２２５の六つの辺にそれぞれ接する六つの第１三角面２２６ａと、隣接する二つの第１三角面２２６ａにそれぞれ接する六つの第１逆さ三角面２２６ｂとを有している。第２下層部２２７は、第１逆さ三角面２２６ｂのそれぞれに接する六つの第２三角面２２７ａと、隣接する二つの第２三角面２２７ａにそれぞれ接する六つの第２逆さ三角面２２７ｂとを有している。第３下層部２２８は、第２逆さ三角面２２７ｂのそれぞれに接する六つの延伸面２２８ａを有している。

【0011】

上部台座３０は、載置台３２と、取り外し可能に載置台３２の下方に設けられた栓部材３４とを有している。載置台３２がケーシング２２の上縁に当接して栓部材３４が開口２４を介して部分的に収容空間２６内に挿設されることで、収容空間２６が上部台座３０によって封止される。載置台３２には、指掛け部４０を嵌装させるための環状部３２１が設けられている。指掛け部４０は、モデル関連作業が容易に行われるようにユーザが指を掛けるためのものである。他の実施形態において、指掛け部４０は必要に応じて省略してもよい。栓部材３４は載置台３２から取り外し可能であるため、必要に応じて交換することができる。本実施形態において、上部台座３０はモデルを載置するためのものであり、栓部材３４はゴム栓である。

【0012】

上記構成によれば、重いモデルや重心が高いモデルの組み立てや色塗り等の作業にハンドル１０を使用する場合では、上部台座３０を外して収容空間２６内に水などの液体や砂などの固体を入れた後に上部台座３０を装着することでハンドル１０全体の重量を増やせば、モデルを載置したハンドル１０は作業台で倒れにくくなる。一方、軽いモデルや重心が低いモデルであってハンドル１０を重くする必要がない場合には、収容空間２６内の液体や固体を取り出してハンドル１０全体の重量を減らせば、ハンドル１０を手に持った際のユーザの負担が軽減することになる。すなわち、ユーザはモデル作業の様々な状況に応じてハンドル１０の重さを自由に調整することができるので、モデル作業時の作業性が格段に向上する。また、上述したように特殊な多層構造となっているケーシング２２はユーザが手に持った際に手のひらにフィットするので、握りやすくて滑りにくいという効果が得られる。更に、収容空間２６内に水など液体が充填された場合には、ケーシング２２をペインティングブラシの洗浄道具として使用することもできる。すなわち、収容空間２６内にペインティングブラシを入れて顔料を水で落とすことが可能である。それに加えて、突出ブロック２２１にペインティングブラシを擦って顔料を落すこともできるので、ペインティングブラシの効率的な洗浄が可能になる。

【0013】

本発明の要旨から逸脱しない範囲でハンドル１０の構造を変化させてもよい。例えば、突出ブロック２２１をケーシング２２の内側の他の部位に設けてもよく、また、突出ブロック２２１の数を必要に応じて増減させてもよい。場合によっては突出ブロック２２１を省略してもよい。上部台座３０の構造は上述したものに限定されない。例えば、栓部材３４を載置台３２に一体的に形成させてもよい。また、底部台座２０の開口２４及び収容空間２６の開放及び密閉が可能な限り、上部台座３０の構造を変更してもよい。ケーシング２２の外底面２２５は円形、不規則形、多角形又は正多角形等の他の形状であってもよく、ケーシング２２の下層部の数は必要に応じて異なってもよい。各下層部の構造は必要に応じて異なる構成を有してもよい。このような容易に想到しうる構造上の変更は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

【符号の説明】

【0014】

１０ ハンドル
２０ 底部台座
２２ ケーシング
２２０ 内底面
２２１ 突出ブロック
２２５ 外底面
２２６ 第１下層部
２２６ａ 第１三角面
２２６ｂ 第１逆さ三角面
２２６１ 第１下輪郭部
２２６２ 第１上輪郭部
２２７ 第２下層部
２２７ａ 第２三角面
２２７ｂ 第２逆さ三角面
２２７１ 第２下輪郭部
２２７２ 第２上輪郭部
２２８ 第３下層部
２２８ａ 延伸面
２４ 開口
２６ 収容空間
３０ 上部台座
３２ 載置台
３２１ 環状部
３４ 栓部材
４０ 指掛け部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】