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  • 特開-砥石 図1
  • 特開-砥石 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009740
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】砥石
(51)【国際特許分類】
   B24D 7/06 20060101AFI20230113BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B24D7/06
H01L21/304 622F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113262
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】398046921
【氏名又は名称】株式会社ナノテム
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 篤
(72)【発明者】
【氏名】大橋 恭介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大地
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大和
【テーマコード(参考)】
3C063
5F057
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB05
3C063AB07
3C063BA04
3C063BA10
3C063BA26
3C063BG07
3C063BG13
3C063FF30
5F057AA24
5F057AA25
5F057BA11
5F057BB03
5F057BB09
5F057BB11
5F057BB12
5F057BC06
5F057CA11
5F057DA01
5F057DA11
5F057EB16
5F057EB18
5F057EB20
(57)【要約】
【課題】切れ味を向上させることができる砥石を提供する。
【解決手段】砥石10は、被加工物を研磨又は研削する加工面10aに並べられ、加工面10aに交わる方向に延びる複数の加工部11を備える。複数の加工部11は、それぞれ加工面10aの径方向Rに沿って延び、加工面10aの周方向C及び径方向Rに並べられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を研磨又は研削する加工面に並べられ、前記加工面に交わる方向に延びる複数の加工部を備え、
前記複数の加工部は、それぞれ前記加工面の径方向に沿って延び、前記加工面の周方向及び前記径方向に並べられている、
砥石。
【請求項2】
前記複数の加工部は、
前記径方向に沿って延びる第1仮想線上に配置される複数の第1加工部と、
前記第1仮想線の前記周方向の隣に位置し前記径方向に沿って延びる第2仮想線上に配置される複数の第2加工部と、を備え、
前記第1加工部及び前記第2加工部は、前記周方向に重ならないように形成されている、
請求項1に記載の砥石。
【請求項3】
前記複数の加工部の周囲に充填されて前記複数の加工部を保持する保持部を備え、
前記砥石は表裏対称の板状に形成されている、
請求項1又は2に記載の砥石。
【請求項4】
前記径方向に並ぶ前記複数の加工部、及び前記径方向に並ぶ前記複数の加工部を連結する連結部を有し、前記径方向に沿う板状に形成され、前記保持部により保持される加工シートを備える、
請求項3に記載の砥石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の砥石は、加工面に沿って複数の筒部が並べられた構造を有する。この筒部は、被加工物であるワークを加工するための複数の砥粒を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-49574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の砥石では、強度が高く、ワークの加工時に筒部が削られず、ワークに接触する砥粒が鋭利でなくなり、砥石の切れ味が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、切れ味を向上させることができる砥石を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る砥石は、被加工物を研磨又は研削する加工面に並べられ、前記加工面に交わる方向に延びる複数の加工部を備え、前記複数の加工部は、それぞれ前記加工面の径方向に沿って延び、前記加工面の周方向及び前記径方向に並べられている。
【0007】
また、前記複数の加工部は、前記径方向に沿って延びる第1仮想線上に配置される複数の第1加工部と、前記第1仮想線の前記周方向の隣に位置し前記径方向に沿って延びる第2仮想線上に配置される複数の第2加工部と、を備え、前記第1加工部及び前記第2加工部は、前記周方向に重ならないように形成されている、ようにしてもよい。
【0008】
また、前記砥石は、前記複数の加工部の周囲に充填されて前記複数の加工部を保持する保持部を備え、前記砥石は表裏対称の板状に形成されている、ようにしてもよい。
【0009】
また、前記砥石は、前記径方向に並ぶ前記複数の加工部、及び前記径方向に並ぶ前記複数の加工部を連結する連結部を有し、前記径方向に沿う板状に形成され、前記保持部により保持される加工シートを備える、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、切れ味を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る砥石の底面図である。
図2図1の範囲Dを拡大した図である。
図3図1の3-3線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る砥石の一実施形態について図面を参照して説明する。
図3に示すように、砥石ユニット1は、被加工物Wを加工する砥石10と、砥石10を保持する砥石ホルダー20と、を備える。
【0013】
砥石ホルダー20は略円板状をなす。砥石ホルダー20の中心には円柱状のシャフト25が挿通されている。砥石ホルダー20は、砥石10とともに、シャフト25に沿う回転軸Oを中心にモータ27により回転する。砥石10の下面である加工面10aに図示しないチャックに固定された被加工物Wが接触した状態で砥石10が回転する。これにより、砥石10は被加工物Wを加工、すなわち研磨又は研削する。被加工物Wは、例えば、セラミックス、シリコンウエハ、半導体基板、LED(Light Emitting Diode)基板、放熱基板、シリコンカーバイド、アルミナ、サファイア又は金属等である。
【0014】
図1に示すように、砥石10は円環の板状をなし、表面と裏面の何れかが加工面10aとなる。砥石10は、加工面10aに直交する方向に延びる複数の加工部11と、複数の加工部11を保持する保持部19と、を備える。
図1及び図2に示すように、複数の加工部11は、円形の加工面10aの径方向Rに沿って延びる破線状に形成され、加工面10aの周方向Cに並べられる。複数の加工部11は、径方向R及び周方向Cに千鳥状に配列されている。各加工部11は削られながら被加工物Wを研磨又は研削する。各加工部11は、加工面10aの径方向R及び回転軸Oに沿う方向に延びる平板状をなす。各加工部11は、それぞれ同一の形状及びサイズで形成されている。加工面10aに占める複数の加工部11の面積の割合は、10%以下に設定されている。これにより、複数の加工部11の被加工物Wへの加工圧力を高めることができる。図3に示すように、各加工部11の回転軸Oに沿う方向の両端部がそれぞれ砥石10の表面と裏面に露出する。
【0015】
図2に示すように、複数の加工部11は、第1仮想線L1上に配置される複数、本例では2つの第1加工部11aと、第2仮想線L2上に配置される複数、本例では2つの第2加工部11bと、を備える。第1仮想線L1及び第2仮想線L2は、それぞれ加工面10a上に径方向Rに沿って延び、周方向Cに等角度間隔で交互に並べられる。
複数の第1加工部11a及び複数の第2加工部11bは、周方向Cに重ならないように形成されている。すなわち、径方向Rにおける第1加工部11aと第2加工部11bの間には、隙間として非重複領域Skが形成されている。非重複領域Skが形成されることにより、加工面10aに占める複数の加工部11の面積の割合が小さくなる。これにより、各加工部11の被加工物Wへの加工圧力が高まり、加工時に各加工部11が削られて、鋭利な砥粒15(図3参照)が露出し、砥石10の切れ味が高まる。
【0016】
図1に示すように、複数の加工部11は、周方向Cに等角度間隔で並ぶ複数の第3加工部11c及び複数の第4加工部11dを備える。複数の第3加工部11cと複数の第4加工部11dは径方向Rにおいて隣に配列される。複数の第3加工部11cは、複数の第4加工部11dに対して周方向Cにずれた位置に設けられる。各第3加工部11cは、周方向Cにおいて各第4加工部11dの中央に配置される。
【0017】
図3に示すように、保持部19は、加工面10aの全域にわたって形成され、複数の加工部11を保持する。保持部19は各加工部11の周囲に充填される。各加工部11の先端部が加工面10aに露出した状態で各加工部11が保持部19に埋め込まれている。本例では、各加工部11の先端部と後端部が砥石10の両面に露出しており、砥石10が表裏対称に形成されている。
保持部19は、加工部11よりも外力により変形しやすく、かつ加工時に加工部11よりも摩耗しやすい材質により形成される。保持部19は、例えば、樹脂又はセラミックからなる。保持部19は、流体が通過不能に形成されてもよいし、流体が通過可能な多孔質で形成されていてもよい。
【0018】
加工部11は、図3の下部に拡大して示すように、複数の砥粒15と、結合材16と、を備える。複数の砥粒15は結合材16内に分布している。砥粒15は、例えば、ダイヤモンドである。なお、砥粒15は、ダイヤモンドに限らず、立方晶窒化ホウ素(CBN)砥粒であってもよいし、CBN砥粒とダイヤモンドを混合させてもよい。さらには、複数の砥粒15は、炭化ケイ素(SiC)、又は溶融アルミナ(Al)、若しくはこれらを混合したものであってもよい。結合材16は、内部に複数の砥粒15を保持する。結合材16は、ニッケル、鉄、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、青銅等の合金、フエノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂又はセラミック等により形成されている。
【0019】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)砥石10は、被加工物Wを研磨又は研削する加工面10aに並べられ、加工面10aに交わる方向、例えば、加工面10aに直交する方向に延びる複数の加工部11を備える。複数の加工部11は、それぞれ加工面10aの径方向Rに沿って延びる板状をなし、加工面10aの周方向C及び径方向Rに並べられている。
この構成によれば、各加工部11の被加工物Wへの加工圧力を高めることができる。このため、加工時に各加工部11が削られて、各加工部11に含まれる鋭利な砥粒15が被加工物Wに対して露出して、砥石10の切れ味を向上させることができる。
【0020】
(2)複数の加工部11は、径方向Rに沿って延びる第1仮想線L1上に配置される複数の第1加工部11aと、第1仮想線L1の周方向Cの隣に位置し径方向Rに沿って延びる第2仮想線L2上に配置される複数の第2加工部11bと、を備える。第1加工部11a及び第2加工部11bは、周方向Cに重ならないように形成されている。
この構成によれば、加工面10aに占める加工部11の面積を小さくすることができる。このため、各加工部11の被加工物Wへの加工圧力を高めることができ、砥石10の切れ味を向上させることができる。
【0021】
(3)砥石10は、複数の加工部11の周囲に充填されて複数の加工部11を保持する保持部19を備える。砥石10は表裏対称の板状に形成されている。
この構成によれば、砥石10の取り扱いが簡単となり、砥石10の裏表を間違えることがない。
【0022】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0023】
(変形例)
上記実施形態において、砥石10は、径方向Rに並ぶ複数の加工部11を含む加工シート11s(図2参照)を有していてもよい。加工シート11sは、径方向Rに並ぶ複数の加工部11を連結する複数の連結部11rを備える。連結部11rは、保持部19と同様の材質からなり、加工部11と同一平面上に位置する板状をなす。複数の加工シート11sは、周方向Cに等角度間隔で配置されてもよい。保持部19は、複数の加工シート11sの間に配置され、複数の加工シート11sを保持してもよい。
以上、説明した変形例によれば、以下の効果を奏する。
砥石10は、径方向Rに並ぶ複数の加工部11、及び径方向Rに並ぶ複数の加工部11を連結する連結部11rを有し、径方向Rに沿う板状に形成され、保持部19により保持される加工シート11sを備える。
この構成によれば、各加工部11を位置精度高く並べることができる。
【0024】
上記実施形態においては、第1仮想線L1上に2つの第1加工部11aが並べられていたが、第1仮想線L1上に並べられる第1加工部11aの数は、これに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。第2仮想線L2上に並べられる第2加工部11bの数も、これと同様に、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0025】
上記実施形態においては、複数の加工部11はそれぞれ同一の形状及びサイズで形成されていたが、それぞれ異なる形状又はサイズで形成されてもよい。例えば、上記実施形態においては、第1加工部11a及び第2加工部11bは、各仮想線L1,L2上に破線状に配置されていたが、これに限らず、各仮想線L1,L2上に一点鎖線状又は二点鎖線状に配置されてもよい。
上記実施形態における非重複領域Skが省略され、第1加工部11a及び第2加工部11bが径方向Rに重なって形成されてもよい。また、複数の第1加工部11aと複数の第2加工部11bの何れか一方が省略されてもよい。
また、上記実施形態における保持部19が省略されてもよい。この場合、各加工部11の後端部がベース基板に接着剤で固定されてもよい。
さらに、砥石10は表裏非対称で形成されてもよい。
また、各加工部11は、加工面10aに対して傾斜していてもよい。
また、加工部11は複数の砥粒15を含有していなくてもよい。この場合、加工部11は超硬合金等の金属からなる。
【符号の説明】
【0026】
1 砥石ユニット
10 砥石
10a 加工面
11 加工部
11a 第1加工部
11b 第2加工部
11c 第3加工部
11d 第4加工部
11r 連結部
11s 加工シート
15 砥粒
16 結合材
19 保持部
20 砥石ホルダー
25 シャフト
27 モータ
C 周方向
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
O 回転軸
R 径方向
W 被加工物
Sk 非重複領域
図1
図2
図3