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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097436
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230630BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20230630BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20230630BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20230630BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230630BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20230630BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02F1/1335
G02F1/1333 500
G02F1/1347
H10K59/10
B32B7/023
B32B17/10
G09F9/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210102
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188229
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン, イェオ
【テーマコード(参考)】
2H189
2H190
2H291
3K107
4F100
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA37
2H189LA07
2H189LA15
2H189LA17
2H190JA13
2H190LA09
2H291FA14X
2H291FA22X
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FA96X
2H291FB04
2H291FB12
2H291FD07
2H291GA22
2H291GA23
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107CC45
3K107EE26
3K107EE27
3K107EE43
3K107EE45
3K107EE46
3K107EE55
3K107EE61
3K107FF03
3K107FF14
4F100AA20E
4F100AG00D
4F100AK01C
4F100AK01E
4F100AR00A
4F100AR00B
4F100AT00C
4F100AT00D
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB00E
4F100CC00A
4F100DC11
4F100GB41
4F100JL06A
4F100JN10B
4F100JN30A
5G435AA01
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE36
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH20
5G435KK07
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ホールなどを加工する際、加工された部分の剥離が容易であり、接着物質の残存を防止し、モジュラスの上昇による折り畳み不良を防止できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、プレートと、プレートの上部に配置された表示パネルと、表示パネルの上部に配置された偏光板と、偏光板の上部に配置された第1フィルムと、第1フィルムの上部に配置された前面部材と、少なくとも1つの接着層とを含み、少なくとも1つの接着層は、プレートと表示パネルとの間の第1接着層、表示パネルと偏光板との間の第2接着層、偏光板と第1フィルムとの間の第3接着層、第1フィルムと前面部材との間の第4接着層のうち、少なくとも1つを含み、少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、少なくとも1つの接着層において、モノマーの含量は70重量%以上であり、オリゴマーの含量は20重量%以下である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートと、
前記プレートの上部に配置された表示パネルと、
前記表示パネルの上部に配置された偏光板と、
前記偏光板の上部に配置された第1フィルムと、
前記第1フィルムの上部に配置された前面部材と、
少なくとも1つの接着層とを含み、
前記少なくとも1つの接着層は、前記プレートと前記表示パネルとの間の第1接着層、前記表示パネルと前記偏光板との間の第2接着層、前記偏光板と前記第1フィルムとの間の第3接着層、前記第1フィルムと前記前面部材との間の第4接着層のうち、少なくとも1つを含み、
前記少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、
前記少なくとも1つの接着層において、前記モノマーの含量は70重量%以上であり、前記オリゴマーの含量は20重量%以下である表示装置。
【請求項2】
前記前面部材は、ガラスを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記前面部材は、第2フィルムを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2フィルムは、プラスチックフィルムを含む、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1フィルムの端部領域に配置されたブラックマトリクスをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記前面部材上に配置された保護部材をさらに含み、
前記保護部材は、
保護フィルムと、
前記保護フィルムの上面に配置されたコーティング層とを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記保護部材は、前記コーティング層に配置された機能層をさらに含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保護部材は、機能層をさらに含み、
前記機能層は、防指紋層、防汚染層、防眩層のうち、少なくとも1つを含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示装置において、光学部品領域に配置され、光学部品が配置されるホールと、
前記表示装置において、折り畳み領域に配置された少なくとも1つ以上の開口部とをさらに含み、
前記少なくとも1つ以上の開口部は、前記表示装置の折り畳み方向の垂直方向に沿って複数のスリット状に形成された請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ホールは、前記プレート、前記表示パネル、前記偏光板、前記第1フィルムのうち、少なくとも1つ以上に形成される、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つ以上の開口部は、前記プレートに形成される、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの接着層を形成する接着物質は、25cps以下の粘度を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記ナノ無機粒子は、ナノシリカ粒子である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
70重量%以上のモノマーと、
20重量%以下のオリゴマーと、
光開始剤とナノ無機粒子のうち、少なくとも1つを含む接着物質。
【請求項15】
前記接着物質は、25cps以下の粘度を有する、請求項14に記載の接着物質。
【請求項16】
前記接着物質は、表示装置の接着層に適用される、請求項14に記載の接着物質。
【請求項17】
前記ナノ無機粒子は、ナノシリカ粒子である、請求項14に記載の接着物質。
【請求項18】
複数の層と、
前記複数の層における隣接する2つの層の間に配置された少なくとも1つの接着層とを含み、
前記少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、
前記少なくとも1つの接着層において、前記モノマーの重量%は、前記オリゴマーの重量%より大きい表示装置。
【請求項19】
前記複数の層は、
プレートと、
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの上部に配置された偏光板と、
前記偏光板の上部に配置された第1フィルムと、
前記第1フィルムの上部に配置された前面部材とを含む、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの接着層において、前記モノマーの重量%は、前記オリゴマーの重量%の3倍より大きい、請求項18に記載の表示装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの接着層において、前記モノマーの含量は70重量%以上であり、前記オリゴマーの含量は20重量%以下である、請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホールの加工が容易であり、折り畳み不良が発生しない表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディアの発展に伴い、表示装置の重要性が増大してきている。それに応じ、液晶表示装置や有機電界発光表示装置などのフラット表示装置が常用化されている。かかる表示装置のうち、有機電界発光表示装置は、応答速度が速く、輝度が高くて視野角に優れていることから、多く使われている。
【0003】
また、表示装置は、ユーザーにさらなる機能を提供するため、カメラのような光学部品を共に提供している。カメラのような光学部品を取り付けるため、表示装置の一部分を切断、若しくは表示装置の内部にホールを形成し、光学部品を配置した表示装置が開発されている。
【0004】
ところが、表示装置は、表示パネル、偏光板、および複数のフィルムで構成され、これらは接着剤により貼り合わせられるが、表示装置の内部にホールを形成するため、表示パネル、偏光板、および複数のフィルムを切断し、分離された部分を剥離する際に接着剤による剥離不良が生じ、または加工後、切断されたホールの内部に接着剤が残存するなどの問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の点に着目してなされたものであって、接着物質の粘度を低下させることで、ホールなどを加工する際、加工された部分の剥離が容易であり、接着物質の残存を防止し、モジュラスの上昇による折り畳み不良を防止することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、プレートと、プレートの上部に配置された表示パネルと、表示パネルの上部に配置された偏光板と、偏光板の上部に配置された第1フィルムと、第1フィルムの上部に配置された前面部材と、少なくとも1つの接着層とを含み、少なくとも1つの接着層は、プレートと表示パネルとの間の第1接着層、表示パネルと偏光板との間の第2接着層、偏光板と第1フィルムとの間の第3接着層、第1フィルムと前面部材との間の第4接着層のうち、少なくとも1つを含み、少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、少なくとも1つの接着層において、モノマーの含量は70重量%以上であり、オリゴマーの含量は20重量%以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、表示装置の各構造物を貼り合わせる接着層におけるモノマーの含量を増加させ、オリゴマーの含量を減少させて、分子量を減少させることで、粘度を低下させることができる。その結果、ホールおよび開口部の加工時に切断された部分を容易に剥離することができ、加工後、ホールおよび開口部の内部に接着物質の残余物がないため、表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明では、ナノ無機粒子(例えば、ナノシリカ粒子)の添加により、接着物質におけるモノマーの含量を増加させ、オリゴマーの含量を減少させる場合でもモジュラスの増加を防止することができる。その結果、接着層の接着力を維持することができ、スムーズな折り畳み、または曲げが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の実施例に係る表示装置を示す図である。
図1B】本発明の実施例に係る表示装置を示す図である。
図2】本発明の実施例に係る表示装置に備えられる表示パネルの回路図である。
図3】本発明の実施例に係る表示装置を示す断面図である。
図4】本発明の実施例に係る表示装置の表示パネルを示す断面図である。
図5】本発明の実施例に係るモノマーおよびオリゴマーの含量と分子量の関係を示すグラフである。
図6】本発明の実施例に係る分子量と粘度の関係を示すグラフである。
図7A】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7B】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7C】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7D】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7E】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7F】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7G】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図7H】本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
図8】本発明の実施例に係る、シリンジによる表示パネルへの接着物質の塗布様態を示す図である。
図9】本発明の他の実施例に係る表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付する図面とともに詳述する実施例を参照すると明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、相違する様々な形に具現化することができる。但し、本実施例は、本発明の開示が完全となるようにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0011】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状や大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであって、本発明がそれに限定されるものではない。明細書全体に亘り、同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断された場合は、その詳細な説明を省略する。また、本明細書で「備える」、「含む」、「有する」、「なる」などが記載された場合、「のみ/だけ」がともに記載されていない限り、他の部分を追加することができる。また、構成要素を単数形で記載した場合は、特に明示的な記載がない限り、複数形に解釈することができる。
【0012】
また、構成要素を解釈するに当たり、明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものとする。
【0013】
位置関係の説明において、例えば「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの構成要素同士の位置関係を説明する場合、例えば、「直」または「直接」と記載されていなければ、1つ以上の他の構成要素が該2つの構成要素間に位置することもできる。
【0014】
また、時間関係の説明において、「後に」、「に続き」、「次に」、「前に」などで時間的な前後関係を説明する場合、「直」または「すぐ」と記載されていなければ、非連続的な場合を含むことができる。
【0015】
また、構成要素を区別するため、「第1」や「第2」などの用語が用いられるが、構成要素は、かかる用語に制限されるものではない。したがって、以下に言及する第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0016】
本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語が用いられることがあるが、かかる用語は、構成要素を区別するために用いられるだけであって、構成要素の本質、順番、順序、個数などを限定するものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、両方の構成要素は直接に連結、結合、または接続され得るが、特に明示的に記載されていなくても、各構成要素の間に別の構成要素が介在され、各構成要素が別の構成要素を介して「連結」、「結合」または「接続」されることもあると理解すべきである。
【0017】
「少なくとも1つ」は、関連する構成要素の1つ以上のあらゆる組み合わせを含むものと理解すべきである。例えば、「第1、第2、および第3構成要素の少なくとも1つ」は、第1、第2、または第3構成要素のみならず、第1、第2、および第3構成要素のうち、2つ以上から考えられるあらゆる構成要素の組み合わせを意味することができる。
【0018】
本発明における「装置」は、表示パネルと、表示パネルを駆動するための駆動部とを含む液晶モジュール(Liquid Crystal Module:LCM)、有機発光表示モジュール(OLED Module)のような表示装置を含むことができる。また、LCMやOLEDモジュールなどを備える最終製品であるノートパソコン、テレビジョン、コンピュータモニタ、または車両用装置、自動車用装置や車両の他の形態などを含む電装装置、またはスマートフォンや電子パッドなどのモバイル電子装置といったセット電子装置、若しくはセット装置も含むことができる。
【0019】
したがって、本発明における装置は、LCMやOLEDモジュールといった表示装置そのもの、およびLCMやOLEDモジュールなどを備える応用製品、または最終製品であるセット装置までを含むことができる。
【0020】
また、いくつかの実施例では、表示パネルと駆動部などで構成されるLCMやOLEDモジュールを「表示装置」と表し、LCMやOLEDモジュールを備える最終製品としての電子装置を「セット装置」と区別して表すこともある。例えば、表示装置は、液晶(LCD)または有機発光(OLED)表示パネルと、表示パネルを駆動するための制御部であるソースPCBを含むことができる。セット装置は、ソースPCBに電気的に接続され、セット装置全体を駆動するセット制御部であるセットPCBをさらに含むことができる。
【0021】
本発明の実施例に用いられる表示パネルは、液晶表示パネル、有機電界発光(Organic Light Emitting Diode:OLED)表示パネル、電界発光表示パネル(electro-luminescent display panel)などあらゆる形態の表示パネルが用いられるが、実施例がこれに限定されるものではない。例えば、表示パネルは、本発明の実施例に係る振動装置により振動されることで音響を発することができる表示パネルであり得る。本発明の実施例に係る表示装置に採用される表示パネルは、その形態や大きさに限定されない。
【0022】
本発明の様々な実施例における各々の特徴が部分的、または全体的に互いに結合、または組み合わせ可能であり、技術的に多様に連動、または駆動可能である。また、各実施例を互いに対して独立に実施、または連関して共に実施することもできる。
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。図に示す構成要素の寸法などは説明の便宜上のものであり、実際とは異なるため、それに限定されない。
【0024】
図1Aは、本発明に係る表示装置を示す平面図であり、図1Bは、図1AのI‐I’線に沿った断面図である。
【0025】
図1Aおよび図1Bに示すように、本発明に係る表示装置DISは、プレートPLATE、プレートPLATEの上部に配置された表示パネルPNL、表示パネルPNLの上部に配置された偏光板POL、偏光板POLの上部に配置された前面部材CWで構成される。また、表示装置DISは、他の構成要素を含むことができる。
【0026】
表示パネルPNLは、実際に映像が表示されるものであって、有機電界発光表示パネル、液晶表示パネル、電気泳動表示パネル、ミニLED(Light Emitting Diode)表示パネル、マイクロLED表示パネルといった様々な表示パネルを用いることができるが、以下では、有機電界発光表示パネルを例に挙げて説明する。
【0027】
表示装置DISは、表示領域AA、非表示領域NA、光学部品領域OSU、および折り畳み領域FDUを含む。表示領域AAには、複数のサブ画素SPが含まれる。サブ画素SPは、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素、および青色のサブ画素を含み、各々のサブ画素SPには発光素子が備えられ、対応する色の光を出力することで映像を表示する。
【0028】
非表示領域NAは、映像が表示されない領域であって、表示領域AAの外側に沿って形成される。非表示領域NAには、表示領域AAに配置された複数のサブ画素SPを駆動するための各種配線や電子部品などを配置することができる。例えば、非表示領域NAには、ゲート駆動ICやデータ駆動ICのような様々なICを実装することができ、GIP(ゲートインパネル)などの方式でゲート駆動部を直接形成することもできるが、これに限定されるものではない。非表示領域NAは、表示領域AAの外側に加え、例えば、ノッチNT、または光学部品領域OSUを取り囲む他の領域に形成することができる。
【0029】
表示領域AAの内部には、光学部品領域OSUが形成される。光学部品領域OSUは、カメラCAや光学センサのような光学部品が配置される領域である。光学センサは、近接センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、および指紋認識センサのうち、少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。光学部品領域OSUは、光学部品を配置するため、表示装置の一部の構成を貫通するホールTHを含み、ホールTHの内部にはカメラCAのような光学部品が挿入、または収容され、固定される。ホールTHは貫通ホールであり得るが、用語に限定されるものではない。他の実施例では、光学部品領域OSUを表示領域AAの内部に形成する必要はなく、非表示領域NA内に形成することができる。さらに、光学部品領域OSUの位置は、表示領域AAの上部中央にある必要はなく、表示領域AA内の他の位置、例えば、表示領域AAの角付近であってもよく、または表示領域AAの中央であってもよく、または折り畳み領域FDU若しくは折り畳み領域FDUの付近であってもよい。
【0030】
折り畳み領域FDUは、表示パネルDISが折り畳まれる、または曲げられる領域である。折り畳み領域FDUは、画面が表示される側に折り畳まれるイン・フォルディングであってもよく、画面が表示されない側に折り畳まれるアウト・フォルディングであってもよい。折り畳み領域FDUには、折り畳む際の応力を減少させる複数の開口部を形成することができる。折り畳み領域FDUは、表示装置DISの中央に位置する必要はなく、他の位置、例えば、表示装置DISの上半分内、または下半分内、または縁部付近に位置することができる。さらに、折り畳み軸は、表示装置DIS内における水平方向であってもよく、または垂直方向であってもよく、または斜め方向であってもよい。
【0031】
表示パネルPNL上には前面部材CWが配置される。前面部材CWは、下部に配置された偏光板POLや表示パネルPNLなどを外部からの衝撃、湿気、熱などから保護することができる。前面部材CWは、耐衝撃性および光透過性を持った物質で構成することができる。例えば、前面部材CWは、ガラスからなってもよく、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PSF(ポリスルホン)、COC(シクロオレフィンコポリマー)のようなプラスチックフィルムからなってもよい。また、他の高分子、または有機物質や無機物質を用いることもできる。透明な無機物質の一例として、透明なセラミックが挙げられる。
【0032】
本発明の表示装置DISが、フォルダブル、またはローラブル表示装置に採用される場合、前面部材CWは、折り畳む、または丸めることが可能な数十μmの薄いガラスで構成することができる。
【0033】
偏光板POLは、前面部材CWと表示パネルPNLとの間に配置される。表示パネルPNLは、薄膜トランジスタ、配線や発光素子の電極など様々な金属パターンを含むため、表示パネルPNLの内部に入射した外部光は、金属パターンにより反射され、表示装置DISの視認性を低減させる。偏光板POLは、外部から入射した光の反射を防止し、表示装置DISの視認性を向上させることができる。
【0034】
表示パネルPNLの下部にはプレートPLATEが配置される。フォルダブル表示装置DIS、またはローラブル表示装置DISは、基板がプラスチック物質、または他のフレキシブルな高分子(例えば、ポリイミドやポリエステル)で構成されるが、ガラスのように平たい支持基板上にプラスチック基板を配置した後、製造工程が行われ、プラスチック基板上に薄膜トランジスタや発光素子などの各種構成要素が形成される。表示パネルPNLが製作された後、支持基板を表示パネルPNLから分離する。このように、支持基板が分離されると、プラスチック基板を支持するための構成要素が必要となり得るが、プレートPLATEは、表示パネルPNLの基板の背面に配置され、基板を支持することができる。
【0035】
また、プレートPLATEは剛性材料で構成され、外部からの衝撃などから表示パネルPNLを保護することができる。プレートPLATEは、表示装置DISの駆動時に発生する熱を放出する防熱部材であり得る。また、プレートPLATEは、電気伝導性に優れる物質で構成され、表示装置DISで発生する静電気を外部に放出することもできる。プレートPLATEは、銅(Cu)、銅フォーム(Cu foam)、ステインレススチル、グラファイト、およびポリエチレンテレフタレート(PET)のうち、1つ以上の材質、これらの合金材質、または接合構造のうち、少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではなく、様々な金属やプラスチック物質を用いることができる。
【0036】
光学部品領域OSUに形成されるホールTHは、偏光板POL、表示パネルPNL、およびプレートPLATEを加工・切断することで形成され、ホールTH内部にはカメラCAのような光学部品が配置される。
【0037】
表示パネルPNLの内部に光学部品領域OSUを形成する代わりに、表示パネルPNLにノッチを形成してもよい。表示パネルPNLの一側、例えば、表示パネルPNLの上部における一側の一部領域を取り除き、複数の光学部品を配置することができ、ノッチは偏光板POL、表示パネルPNL、およびプレートPLATEを加工・切断することで形成することができる。
【0038】
偏光板POL、表示パネルPNL、およびプレートPLATEは接着剤により互いに貼り合わせられ、ホールTHは、偏光板POL、表示パネルPNL、およびプレートPLATEだけでなく、それらの間の複数の接着剤を加工し、切断・除去することで形成される。
【0039】
かかる加工は、主にレーザーにより行われる。本発明では、偏光板POL、表示パネルPNL、プレートPLATE、および接着剤をレーザーにより加工し、切断する際、切断された領域を表示装置DISから容易に分離し、加工された領域における接着剤を完全に除去して、ホールTHの内部に接着剤の残余物がないようにすることで、接着剤の残余物による不良を防止することができる。
【0040】
表示装置DISを加工する際、切断された領域を容易に分離し、ホールTHの内部における接着剤の残存を防止できる方法は、接着剤の接着力を低下させることである。ところが、この場合、接着剤のモジュラスが上昇することになり、表示装置DISの折り畳みや曲げに問題が生じ得る。
【0041】
また、接着剤の接着力を向上させ、表示装置DISの折り畳みや曲げをスムーズにした場合は、ホールTHを形成する際にホールTHの内部に接着剤が残存するだけでなく、切断された偏光板POL、表示パネルPNL、およびプレートPLATEが分離されない問題が生じる。
【0042】
本発明では、表示装置DISを加工する際、ホールTHの内部に接着剤が残らず、折り畳みに問題のない表示装置DISを提供する。
【0043】
以下、本発明に係る実施例を具体的に説明する。本発明は、有機電界発光表示装置、液晶表示装置、ミニLED表示装置、マイクロLED表示装置といった様々な表示装置に適用可能であるが、以下では、有機電界発光表示装置を例に挙げて説明する。また、本発明に係る表示装置は、フォルダブル表示装置、ローラブル表示装置、フレキシブル表示装置、リジッドな表示装置のような多様な表示装置に適用可能であるが、以下では、フォルダブル表示装置を例に挙げ、説明する。
【0044】
図2は、本発明に係る表示装置に備えられる有機電界発光表示パネルの回路図である。
【0045】
本発明に係る有機電界発光表示パネルPNLは、表示領域とパッド領域で構成され、表示領域には複数のサブ画素SPが含まれる。各々のサブ画素SPは、有機電界発光表示装置で単色を表示する。例えば、各サブ画素SPは、赤色、緑色、青色、白色のうち、いずれか1つの色を表示する。この場合、赤色、緑色、青色、および白色のサブ画素SPが1つの画素として定義され得る。複数のサブ画素SPは有機電界発光表示装置の基板上に配列され、表示領域内における複数のサブ画素SP間に複数の配線を配置することができる。
【0046】
また、パッド領域においても、表示領域に配置された配線に電気的に接続され、有機電界発光表示装置の発光素子に信号を印加するあらゆる配線を配置することができる。例えば、配線は、Vdd配線、Vdata配線、基準配線(Vref配線)、Vss配線などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
図2に示すように、本発明に係る有機電界発光表示パネルPNLの各サブ画素SPは、スイッチング薄膜トランジスタT1、駆動薄膜トランジスタT2、ストレージキャパシタCst、センシング薄膜トランジスタT3、補助薄膜トランジスタT4および発光素子Eを含む。本発明に係る有機電界発光表示装置のサブ画素SPは、4つの薄膜トランジスタおよび1つのキャパシタを含むので、4T1C構造と称することができる。しかしながら、本発明に係る有機電界発光表示装置のサブ画素SPの構造がこれに限定されるものではない。例えば、4つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む4T2C構造や5つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む5T2C構造、6つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む6T2C構造、7つの薄膜トランジスタおよび2つのキャパシタを含む7T2C構造など、多様な構造に形成することができる。
【0048】
サブ画素SPに含まれた4つの薄膜トランジスタは、それぞれ半導体層、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を含み、P型薄膜トランジスタであってもよく、N型薄膜トランジスタであってもよい。図2には、N型薄膜トランジスタを示す。
【0049】
スイッチング薄膜トランジスタT1は、データ配線に接続されたドレイン電極、第1ノードN1に接続されたソース電極、およびゲート配線に接続されたゲート電極を含む。また、スイッチング薄膜トランジスタT1は、ゲート駆動部からゲート配線に印加されるゲート電圧Vgに基づいてオンとなり、データ駆動部からデータ配線に印加されるデータ電圧Vdataを第1ノードN1にチャージする。
【0050】
駆動薄膜トランジスタT2は、高電位配線(例えば、Vdd配線)に接続されたドレイン電極、発光素子Eのアノード電極に接続されたソース電極、および第1ノードN1に接続されたゲート電極を含む。また、駆動薄膜トランジスタT2は、第1ノードN1の電圧が閾値電圧(threshold voltage:Vth)より高いと、オンとなり、第1ノードN1の電圧が閾値電圧より低いと、オフとなり、Vdd配線からの駆動電流を発光素子Eに供給する。
【0051】
ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に接続された電極、および駆動薄膜トランジスタT2のソース電極に接続された電極を含む。また、ストレージキャパシタCstは、発光素子Eが発光する発光時間の間、駆動薄膜トランジスタT2のゲート電極とソース電極との電位差を維持させることで、発光素子Eに一定の駆動電流が供給されるようにする。
【0052】
センシング薄膜トランジスタT3は、駆動薄膜トランジスタT2のソース電極に接続されたドレイン電極、基準配線に接続されたソース電極、およびセンシングゲート配線に接続されたゲート電極を含む。また、センシング薄膜トランジスタT3は、駆動薄膜トランジスタT2の閾値電圧をセンシングするための薄膜トランジスタであり得る。
【0053】
補助薄膜トランジスタT4は、発光素子Eのカソード電極に電気的に接続されたドレイン電極、基準配線に電気的に接続されたソース電極、および補助ゲート配線に電気的に接続されたゲート電極を含むことができる。また、補助薄膜トランジスタT4は、発光区間においてオンとなり、発光素子Eのカソード電極に低電位電圧(例えば、Vss電圧)を供給する。
【0054】
図3は、本発明の実施例に係る表示装置を示す図である。
【0055】
図3に示すように、本発明の実施例に係る表示装置DISは、プレートPLATEと、プレートPLATEの上部に配置され、実際に映像が表示される表示パネルPNLと、表示パネルPNLの上部に配置され、外部から入射する光の反射を防止する偏光板POLと、偏光板POLの上部に配置された透明フィルムTFと、透明フィルムTFの上部に配置された前面ガラスTCGと、前面ガラスTCGの上部に配置された保護部材BFのうち、1つ以上を含む複数の層を含むことができる。
【0056】
例えば、表示パネルPNLは、第1接着層ADR_1によりプレートPLATEに貼り付けられ、偏光板POLは、第2接着層ADR_2により表示パネルPNLに貼り付けられ、透明フィルムTFは、第3接着層ADR_3により偏光板POLに貼り付けられる。また、前面ガラスTCGは、第4接着層ADR_4により透明フィルムTFに貼り付けられ、保護部材BFは、第5接着層ADR_5により前面ガラスTCGに貼り付けられる。したがって、少なくとも1つの接着層は、表示装置DISにおける複数の層のうち、隣接する2つの層の間に位置することができる。
【0057】
図4は、本発明の実施例に係る表示パネルを示す断面図である。表示パネルPNLには複数のサブ画素が含まれるが、説明の便宜上、1つのサブ画素のみを示す。
【0058】
図4に示すように、基板110上には薄膜トランジスタTが配置される。表示パネルPNLにおける各サブ画素には、スイッチング薄膜トランジスタや駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、補助薄膜トランジスタなど様々な薄膜トランジスタが配置されるが、説明の便宜上、図には1つの薄膜トランジスタTのみを示す。したがって、薄膜トランジスタTは、スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、および補助薄膜トランジスタであり得る。
【0059】
スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、および補助薄膜トランジスタは、全て同じ構造を有することができるので、1つの薄膜トランジスタTで全薄膜トランジスタの構造を表現することができる。
【0060】
図に示すように、薄膜トランジスタTは、基板110に設けられたバッファー層142上に形成された半導体層114と、バッファー層142上に積層され、半導体層114を覆うゲート絶縁層143と、ゲート絶縁層143上に配置されたゲート電極116と、ゲート絶縁層143上に積層され、ゲート電極116を覆う層間絶縁層144と、層間絶縁層144上に配置されたソース電極122およびドレイン電極124とを含む。表示パネルPNLは、他の層、または構造を備えることができる。
【0061】
基板110は、第1ベースフィルム110aと第2ベースフィルム110b、そして第1ベースフィルム110aと第2ベースフィルム110bとの間に配置された無機層間絶縁層110cで構成される。第1ベースフィルム110aと第2ベースフィルム110bは、フォルダブルな透明プラスチック材質で構成することができる。例えば、第1ベースフィルム110aと第2ベースフィルム110bには、PI、PET、PEN、PC、PES、PAR、PSF、COCを用いることができる。しかしながら、本発明の基板110が、かかるプラスチックに限定されるものではなく、折り畳み可能な薄いガラス、または他の物質、または様々な物質の組み合わせで構成されてもよい。
【0062】
また、無機層間絶縁層110cは、シリコン酸化物(SiO)、またはシリコン窒化物(SiN)のような無機物質から構成することができるが、これに限定されるものではない。
【0063】
バッファー層142は、後続工程で形成される薄膜トランジスタを、基板110からのアルカリイオンといった不純物から保護、または外部から浸透する水分などを遮断することができる。バッファー層142は、SiO、またはSiNから構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0064】
半導体層114は、非晶質シリコン(a‐Si)のような非晶質半導体、多結晶シリコン(p-Si)のような結晶質半導体、およびIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)のような酸化物半導体で構成することができるが、これに限定されるものではない。半導体層114は、中央領域のチャネル領域114aと、両側面のドープ層であるソース領域114bおよびドレイン領域114cで構成される。
【0065】
ゲート電極116は、Cr、Mo、Ta、Cu、Ti、Al、またはAl合金などの金属から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0066】
層間絶縁層144は、フォトアクリルのような有機物、またはSiN、若しくはSiOのような無機物から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。また、層間絶縁層144は、有機物層と無機物層の多層にすることもできるが、これに限定されるものではない。
【0067】
ソース電極122およびドレイン電極124は、Cr、Mo、Ta、Cu、Ti、Al、またはAl合金などの金属から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0068】
ソース電極122とドレイン電極124は、それぞれゲート絶縁層143および層間絶縁層144に形成された第1コンタクトホール149aおよび第2コンタクトホール149bを介し、半導体層114のソース領域114bおよびドレイン領域114cにオーミックコンタクトする。
【0069】
半導体層114の下部にある基板110の下部には、下部遮断金属層(Bottom Shield Metal)を配置することができる。下部遮断金属層は、基板110においてトラップされた電荷により生じるバックチャネル現象を最小にし、残像、またはトランジスタの性能低下を防止するためのものであって、Ti、Mo、またはTiとMoの合金から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0070】
薄膜トランジスタTが配置された基板110には、保護層146が形成される。保護層146は、フォトアクリルのような有機物層で形成することができるが、これに限定されるものではない。例えば、保護層146は、無機層と有機層からなる多層にすることもできる。また、保護層146には、第3コンタクトホール149cが形成される。
【0071】
保護層146上には、第3コンタクトホール149cを介し、薄膜トランジスタTのドレイン電極124に電気的に接続されるアノード電極132が形成される。アノード電極132は、Ca、Ba、Mg、Al、Agなどのような金属、またはこれらの合金から構成され、単層であってもよく、多層であってもよいが、これに限定されるものではない。また、アノード電極132は、薄膜トランジスタTのドレイン電極124に接続され、外部からの画像信号が印加される。
【0072】
保護層146上の各サブ画素SP間の境界には、バンク層152が形成される。バンク層152は、サブ画素を定義するある種の隔壁であり得る。例えば、バンク層152は、各サブ画素SPを区画し、隣接画素からの特定色の光が混合して出力されることを防止することができる。
【0073】
アノード電極132上、およびバンク層152の傾斜面の一部領域上には発光層134が形成される。発光層134は、R画素に形成されて赤色光を発するR-発光層、G画素に形成されて緑色光を発するG-発光層、B画素に形成されて青色光を発するB-発光層であり得る。また、発光層134は、白色光を発するW-発光層であり得る。
【0074】
発光層134には、発光層に電子と正孔をそれぞれ注入する電子注入層と正孔注入層、そして注入された電子と正孔を発光層にそれぞれ輸送する電子輸送層と正孔輸送層などを形成することもできるが、これに限定されるものではない。
【0075】
発光層134上には、表示装置100の全体に亘り、カソード電極136が形成される。カソード電極136は、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)のような透明導電物質、または可視光線が透過する金属から構成することができるが、これに限定されるものではない。また、カソード電極136は、薄い厚さに構成することができる。
【0076】
アノード電極132、発光層134、およびカソード電極136は発光素子Eを構成し、外部から信号が印加されることにより、特定波長の光を出力する。
【0077】
カソード電極136上には封止層160が形成される。封止層160は、無機物質から構成される第1封止層162、有機物質から構成される第2封止層164、無機物質から構成される第3封止層166で構成することができる。無機物質はSiNとSiOを含むことができるが、これに限定されるものではない。また、有機物質は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、またはこれらの混合物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0078】
図3に戻ると、プレートPLATEは表示パネルPNLの下面に配置される。プレートPLATEは、表示パネルPNLを支持することができる。例えば、プレートPLATEは、外部からの衝撃などから表示パネルPNLを保護し、内部の熱を放出することができ、内部の静電気を放出することができる高強度の金属で構成することができるが、これに限定されるものではない。プレートPLATEは、銅(Cu)、銅フォーム(Cu foam)、ステインレススチル、グラファイト、およびポリエチレンテレフタレート(PET)のうち、1つ以上の材質、これらの合金材質、または接合構造のうち、少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0079】
表示パネルPNL上には偏光板POLが配置される。偏光板POLは、外部から入射する光の反射を防止し、表示装置DISの視認性を向上させる。偏光板POLは、外部から入射した光のうち、特定偏光方向の光のみを透過させ、残りを吸収する。偏光板POLを透過した光は、表示パネルPNLで反射された後、再び偏光板POLに入射する。このとき、反射された外部光の偏光方向が変わるため、偏光板POLに再び入射した光は偏光板POLによって吸収され、外部へ出射することができなくなる。その結果、外部光の反射を防止することができる。
【0080】
偏光板POLには、円偏光板を用いることができる。円偏光板を用いる場合、偏光板POLと表示パネルPNLとの間には、λ/4位相遅延フィルムをさらに備えることができる。
【0081】
偏光板POLは、ヨウ素、または2色性染料を含有するポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を注成分とする高分子フィルムと、その両面の保護フィルムで構成される。このとき、ヨウ素、または2色性染料は一軸伸延し、ヨウ素、または2色性色素が一方向に配向される。また、偏光板POLには、PVA系樹脂ではなく、他の物質を用いることもできる。例えば、偏光板POLには、2色性物質と液晶性化合物を含有する液晶性組成物を所定の方向に配向させたO型偏光子、リオトロピック液晶を所定の方向に配向させたE型偏光子などを用いることができる。
【0082】
偏光板POLの保護フィルムは、位相遅延のない透明フィルムで構成され、外部からの湿気や汚染から高分子フィルムを保護する。保護フィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、またはこれらを組み合わせて構成することができるが、これに限定されるものではない。
【0083】
透明フィルムTFは、偏光板POLの上面に配置される。透明フィルムTFの端部にはブラックマトリクスBMが形成され、表示パネルPNLから出射する光が表示装置DISの端部から漏れることを遮断する。ブラックマトリクスBMは、CrOなどの金属酸化物、ブラック樹脂、またはブラックインクで構成することができるが、これに限定されるものではない。
【0084】
透明フィルムTFは、ポリエチレンテレフタレートのような透明フィルムで構成されるが、これに限定されるものではない。例えば、透明フィルムTFは、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー(COP)、またはこれらを組み合わせて用いることもできる。
【0085】
前面ガラスTCGは、透明フィルムTFの上面に配置される。前面ガラスTCGは、表示パネルPNLの映像をそのまま外部へ透過させ、外部衝撃、外部環境、または応力から表示パネルPNLを保護する。前面ガラスTCGは数十μmと薄く形成されるため、外部からの小さな衝撃や持続的な折り畳みにより損傷を受けることがある。
【0086】
保護部材(Blocking Film:BF)は、前面ガラスTCGの上面に配置され、外部からの衝撃や持続的な折り畳みによる圧縮応力および引張応力から前面ガラスTCGを保護する。また、保護部材BFは、外部からの衝撃や応力により前面ガラスTCGが破損し、ガラス破片が発生した場合、その破片が外部に飛散することを防止する。
【0087】
保護部材BFは、保護フィルムおよび硬化コーティング層を含む。保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートのような透明フィルムで構成されるが、これに限定されるものではない。例えば、保護フィルムには、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、またはこれらを組み合わせて用いることもできる。
【0088】
コーティング層は、保護フィルムの上部に形成され、スクラッチから表示装置DISを保護する。コーティング層は、ウレタンアクリル樹脂や、メタアクリル樹脂、シルセスキオキサン化合物などのような有機物を積層して形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0089】
また、保護部材BFは、機能層を含むことができる。機能層は、コーティング層上に積層、またはコーティング層に表面処理を施すことにより形成することができる。機能層は、防指紋(アンチフィンガープリント)層、防汚染層、防眩(アンチグレア)層のうち、少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0090】
表示パネルPNLとプレートPLATEとを貼り合わせる第1接着層ADR_1と、偏光板POLと表示パネルPNLとを貼り合わせる第2接着層ADR_2と、透明フィルムTFと偏光板POLとを貼り合わせる第3接着層ADR_3と、前面ガラスTCGと透明フィルムTFとを貼り合わせる第4接着層ADR_4と、保護部材BFと前面ガラスTCGとを貼り合わせる第5接着層ADR_5のうち、少なくとも1つ以上は、液状の粘度の低いOCR(光学透明樹脂)から構成される接着物質を塗布した後、硬化させることにより形成される。
【0091】
接着物質には、アクリル樹脂やシリコン樹脂、またはウレタン樹脂などを用いることができる。後述するが、本発明に係る接着層ADR_1~ADR_5は、既存のOCRに比べ、低いモジュラスを維持すると共に、表示装置DISの構成物を切断して除去する際に剥離が容易となり、接着物質が除去された領域に接着層ADR_1~ADR_5が残存しない。
【0092】
表示装置DISの光学部品領域OSUにはホールTHが形成され、折り畳み領域FDU、または曲げ領域には複数の開口部FHが形成される。
【0093】
ホールTHの内部にはカメラ、近接センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、および指紋認識センサのような光学部品を配置することができるが、これに限定されるものではない。
【0094】
開口部FHは、折り畳み方向、または曲げ方向の垂直方向に沿って、表示装置DISの一側から他側へ複数のスリット状に形成され、折り畳み領域FDUにおける圧縮応力および引張応力を減少させることで、表示装置DISがスムーズに折り畳まれる、または曲げられるようにする。
【0095】
ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、透明フィルムTFに形成することができる。また、ホールTHは、第1接着層ADR_1~第4接着層ADR_4に形成される。複数の開口部FHは、プレートPLATEおよび第1接着層ADR_1に形成される。ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、透明フィルムTF、第1接着層ADR_1~第4接着層ADR_4を全て貫通するよう形成する必要はない。例えば、ホールTHは、プレートPLATEおよび表示パネルPNLのように一部の層のみに形成し、偏光板POL以降には形成しなくてもよい。同様の観点から、ホールTHは、第1接着層ADR_1および第2接着層ADR_2には形成し、他の接着層ADR_3~ADR_5には形成しなくてもよい。したがって、ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、透明フィルムTFのうち、1つ以上、また第1接着層ADR_1~第4接着層ADR_4のうち、1つ以上を貫通することができる。
【0096】
ホールTHは、単一工程ではなく、複数の工程を経て形成することができる。例えば、ホールTHは、プレートPLATEおよび第1接着層ADR_1をレーザー加工する工程、表示パネルPNLをレーザー加工する工程、偏光板POLをレーザー加工する工程などで構成することができる。また、表示パネルPNLの加工も位置によって別工程で行われ得る。
【0097】
単一工程ではなく、複数の工程を経てホールTHを形成する理由は、加工の対象となる各構成物の材質が異なるためである。プレートPLATE、表示パネルPNLの基板、表示パネルPNLの金属パターン、偏光板POLの材質が相違するため、レーザー照射による溶融温度が相違する。そのため、ホールTHは単一レーザーによる単一加工で形成されるものではなく、別種類のレーザー、または異なる波長のレーザーによる複数の工程を経て形成される。
【0098】
開口部FHは、ホールTHのプレートPLATE加工工程で形成することができる。
【0099】
ホールTHおよび複数の開口部FHを加工する際、接着層ADR_1~ADR_4も加工され、除去される。例えば、本発明では、粘度の低い液状の接着物質を塗布し、硬化させて接着層ADR_1~ADR_5を形成することで、レーザー加工時には、切断された物質の剥離、および接着物質の除去が容易にできるようにし、加工後には、接着物質が残存しないようにする。また、表示装置DISの完成後には、接着力が維持され、構成品の剥離による不良を防止するだけでなく、表示装置DISがスムーズに折り畳まれる、または曲げられる、または丸められるようにする。
【0100】
本発明に係る接着層ADR_1~ADR_5は、アクリル系、シリコン系、またはウレタン系モノマーにオリゴマーや光開始剤、ナノ無機粒子(例えば、ナノシリカ粒子)といった添加剤を加えて構成される。
【0101】
例えば、本発明では、モノマーの含量を増加させ、オリゴマーの含量を減少させる。例を挙げると、既存のOCRの場合、接着層ADR_1~ADR_5の100重量%を基準にして、モノマーの含量が約25重量%であり、オリゴマーの含量は約60重量%である。しかしながら、本発明に係る接着物質は、接着層ADR_1~ADR_5の100重量%を基準にして、接着層ADR_1~ADR_5の少なくとも1つにおいて、モノマーの含量はオリゴマーの含量より大きくあり得る。例えば、モノマーの重量%は、オリゴマーの重量%の3倍より大きくあり得る。これに関する一例では、モノマーの含量が約70重量%以上と増加し、オリゴマーの含量は約20重量%以下と減少することができる。
【0102】
図5は、モノマーおよびオリゴマーの含量と分子量の関係を示すグラフである。図5に示すように、モノマー(Monomer)の含量を増加させ、オリゴマー(Oligomer)の含量を減少させると、分子量が減少する。したがって、本発明に係る接着層ADR_1~ADR_5を構成する接着物質は、一般的なOCRに比べ、分子量が減少する。
【0103】
図6は、分子量と粘度の関係を示すグラフである。図6に示すように、分子量が減少するにつれて、粘度は急激に減少する。したがって、本発明に係る接着物質は、既存のOCRに比べ、粘度が大幅に減少することになる。
【0104】
既存のOCRの場合、粘度が約5000cpsであるが、本発明に係る接着物質は、分子量の減少につれて、その粘度が約25cps以下と減少する。但し、接着物質の粘度が25cps以下である必要はない。例えば、接着物質の粘度は、5000cps未満であってもよく、または2500cps未満であってもよく、または100cps未満であってもよい。
【0105】
粘度が減少すると、接着物質の接着力が低下するが、接着力の低下は、モジュラス上昇をもたらす。その結果、表示装置DISを折り畳む、または曲げる際に問題が発生する。
【0106】
しかしながら、本発明では、添加剤であるナノシリカ粒子を含ませることで、モジュラスの上昇を防止し、モジュラスを一定に保つことができる。ナノシリカ粒子は無機粒子であるため、補強材の役割を果たすことができる。高分子は、硬化する際に分子同士の距離が減少し、収縮を伴うため、モジュラスが増加する。ナノ単位のシリカ粒子は、高分子内部の分散を均一にして物性を補う。また、ナノシリカ粒子は、分子と分子との間における硬化長さ、例えば、架橋密度(crosslinking density)より大きい。したがって、ナノシリカ粒子は、分子と分子との間における硬化長さが架橋密度未満に収縮することを防止するバンパーとして働き、接着物質のモジュラス上昇を防止する。
【0107】
本発明では、添加剤が含まれた接着剤を構成するため、ホールTH、または開口部FHを形成する際、加工された(例えば、切断された)部分を容易に剥離することができるようになり、加工された領域における接着層ADR_1~ADR_5の残存を防止することができる。それと同時に、モジュラスの増加による折り畳み不良、または曲げ不良を防止することができる。
【0108】
また、本発明では、接着物質の粘度が減少するため、接着層ADR_1~ADR_5を形成する際、インクジェット方式で接着物質を塗布することができる。その結果、接着層ADR_1~ADR_5の厚さの調節が容易であり、相対的に薄い接着層ADR_1~ADR_5を形成することができる。
【0109】
また、本発明では、インクジェット方式で接着層ADR_1~ADR_5を形成するため、表示装置DISの製造工程中に接着剤の打ち抜きが要らなくなる。しかしながら、他の方式、例えば、スプレー方式やインジェクション方式、プリント方式を採用することもできる。
【0110】
両面テープ状のOCAを使用し、表示パネルPNLや偏光板POL、前面ガラスTCGなどを貼り合わせる場合、テープ状のOCAの一面を貼り合わせ対象に貼り付けた後、他面を別の貼り合わせ対象に貼り付けることで、貼り合わせることができる。このOCAは、設定した形状および設定したサイズに製作されてから表示装置DISの工程に用いられるため、貼り合わせた後にOCAを打ち抜き、OCAの形状およびサイズを貼り合わせ対象の形状およびサイズと同一にしなければならない。また、後続工程においても、貼り合わせ対象によってかかるOCAの打ち抜きが必要となる。
【0111】
一方、本発明では、インクジェット方式で接着物質を貼り合わせ対象の表面に塗布し、接着層ADR_1~ADR_5を形成するため、接着対象物に対応する形状およびサイズの接着層ADR_1~ADR_5を形成することができる。そのため、本発明においては接着層ADR_1~ADR_5の打ち抜き工程が必要なくなり、製造工程を単純化することができ、製造コストを節減することができる。
【0112】
本発明の実施例に係る表示装置DISにおける全ての接着層ADR_1~ADR_5は、モノマーとオリゴマーの含量がそれぞれ接着層ADR_1~ADR_5の100重量%を基準にし、約70重量%以上と20重量%以下であり、添加剤のナノシリカ粒子が含まれた構成となっているが、本発明の実施例に係る表示装置DISにおける全ての接着層ADR_1~ADR_5がこれに限定されるものではない。
【0113】
例えば、本発明の実施例に係る表示装置DISにおける一部の構成物は、本発明に係る接着層を用いて貼り合わせ、また一部の構成物は、既存のOCA、またはOCRを用いて貼り合わせることができる。例を挙げると、偏光板POLは、別の偏光板POLメーカーで製作して供給され、この場合、偏光板POLの下面にOCAが貼り付けられた状態で納品され得るが、これに限定されるものではない。
【0114】
本発明の実施例に係る表示装置DISでは、プレートPLATE、表示パネルPNL、および透明フィルムTFを加工してホールTHを形成するが、これに限定されるものではない。ホールTHは、表示パネルPNLの全体ではなく、一部のみを加工し、形成することもできる。例を挙げると、図4に示す構造を持った表示パネルPNLの場合、基板110全体、例えば、第1ベースフィルム110a、第2ベースフィルム110b、および無機層間絶縁層110cの全てを加工して切断してもよく、基板110の一部の第1ベースフィルム110aのみを加工し、切断してもよい。
【0115】
また、表示パネルPNLにおけるあらゆる層を全て加工し、除去してもよく、そのうちの透明な層は加工せず、金属パターンのように不透明な層のみを加工し、除去してもよい。
【0116】
本発明では、表示装置DISの各構造物を貼り合わせる接着層ADR_1~ADR_5におけるモノマーの含量を増加させ、オリゴマーの含量を減少させて、分子量を減少させることで粘度を低下させることができる。それにより、ホールTHおよび開口部FHを加工する際、切断された部分を容易に剥離することができる上に、加工後、ホールTHおよび開口部FHの内部に接着物質が残存しなくなる。
【0117】
また、本発明では、ナノシリカ粒子の添加により、接着物質におけるモノマーの含量を増加させ、オリゴマーの含量を減少させる場合でもモジュラスの増加を防止することができるため、接着層ADR_1~ADR_5の接着力を維持することができるだけでなく、スムーズな折り畳み、または曲げが可能となる。
【0118】
図7A図7Hは、本発明の実施例に係る表示装置の製造方法を示す図である。
【0119】
まず、図7Aに示すように、ガラス、または金属のような硬い物質から構成される支持基板SUB上に表示パネルPNLを形成する。他の物質、例えば、プラスチック、またはセラミックを用いることもできる。
【0120】
表示パネルPNLは、図4に示す構造に形成することができる。
【0121】
表示パネルPNLの基板110は、支持基板SUB上に液状のプラスチック物質を塗布して硬化させ、第1ベースフィルム110aを形成し、第1ベースフィルム110a上にSiO、またはSiNから構成される無機層間絶縁層110cを形成した後、無機層間絶縁層110c上に液状のプラスチック物質を塗布して硬化させ、第2ベースフィルム110bを形成することで形成される。
【0122】
基板110上には、薄膜トランジスタおよび発光素子Eが形成され、その上に第1封止層162、第2封止層164および第3封止層166で構成される封止層160が形成される。
【0123】
続いて、表示パネルPNLの上部に、接着物質が充填されたシリンジ200を位置させた後、表示パネルPNLにおける設定領域に接着物質210を設定量滴下する。
【0124】
図8に示すように、シリンジ200は、表示パネルPNLの短辺に沿って延伸し、その長さが表示パネルPNLの短辺の長さと同じであってもよい。シリンジ200、または表示パネルPNLが移動しながら、下面に形成されたノズルを介し、接着物質210を表示パネルPNL上に滴下する。
【0125】
このとき、接着物質210は、表示パネルPNLの上面における全体領域に亘り、連続して滴下するのではなく、ノズルの開閉を調節することで望む領域にのみ滴下する。接着物質210は、25cps以下の粘度を有するため、滴下した接着物質210は流動性を示す。その結果、時間の経過、または貼り合わせ圧力の印加により接着物質210が表示パネルPNLの上面に均一に塗布される。
【0126】
図8では、シリンジ200の長さが表示パネルPNLの短辺幅と同一になっているため、表示パネルPNLの短辺に接着物質210を一度に滴下するが、シリンジ200が、かかる構成に限定されるものではない。例えば、シリンジ200の長さを表示パネルPNLの短辺幅より小さくし、短辺方向に沿って複数滴下してもよい。また、シリンジ200を円筒状に形成し、複数の設定位置に接着物質210を点滴下し、接着物質210を塗布してもよい。
【0127】
その後、図7Bに示すように、塗布した接着物質210上に偏光板POLを配置した後、紫外線のような光を照射し、表示パネルPNLと偏光板POLとを貼り合わせる第2接着層ADR_2を形成する。
【0128】
続いて、図7Cに示すように、偏光板POL上にシリンジ200で接着物質210を再び塗布した後、透明フィルムTFを接着物質210上に配置し、光を照射して接着物質210を硬化させることで、透明フィルムTFが、第3接着層ADR_3によって偏光板POLに貼り付けられる。
【0129】
かかる工程を繰り返すことで、前面ガラスTCGが第4接着層ADR_4によって透明フィルムTFに貼り付けられ、その後、保護部材BFが第5接着層ADR_5によって前面ガラスTCGに貼り付けられる。
【0130】
その後、図7Dに示すように、支持基板SUBを表示パネルPNLから分離する。表示パネルPNLと支持基板SUBとの間には犠牲層が形成されるが、紫外線のような光を照射、または熱を印加することにより犠牲層が除去され、支持基板SUBが表示パネルPNLから分離される。
【0131】
その後、図7Eに示すように、表示パネルPNLの下面を上部に向けるよう対象物を反転させ、シリンジ200を用いて表示パネルPNLの下面に接着物質210を塗布する。
【0132】
続いて、図7Fに示すように、表示パネルPNLの下面に塗布された接着物質210上にプレートPLATEを配置した後、ローラー220で圧力をかけ、紫外線のような光を照射すると、図7Gに示すように表示パネルPNLの下面にプレートPLATEが配置される。
【0133】
続いて、光学部品領域OSUおよび折り畳み領域FDUにおけるバックプレートPLATEにレーザーを照射し、プレートPLATEおよび第1接着層ADR_1を切断する。他の例では、レーザー照射により、光学部品領域OSUの表示パネルPNLにおける基板110の第1ベースフィルム110aを切断することもできる。
【0134】
その後、図7Hに示すように、光学部品領域OSUにおける表示パネルPNLと、第2接着層ADR_2、偏光板POL、第3接着層ADR_3、透明フィルムTF、第4接着層ADR_4を加工して切断した後、切断された部分を除去することによりホールTHおよび開口部FHが形成される。
【0135】
このとき、光学部品領域OSUにおける表示パネルPNL、偏光板POL、および透明フィルムTFは、同一工程で加工してもよく、別工程で加工してもよい。
【0136】
その後、ホールTHに光学部品を挿入(または収容)し、組み合わせることで表示装置DISが完成する。
【0137】
図9は、本発明に係る表示装置の構造を示す図である。図3に示す実施例と同じ構成については説明を省略、または簡略にし、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0138】
図9に示すように、本発明の実施例に係る表示装置DISは、プレートPLATEと、プレートPLATEの上部に配置され、実際に映像が表示される表示パネルPNLと、表示パネルPNLの上部に配置され、外部から入射した光の反射を防止する偏光板POLと、偏光板POLの上部に配置された第1フィルムTFと、第1フィルムTFの上部に配置された第2フィルムTCFと、第2フィルムTCFの上部に配置された保護部材BFとを含む。
【0139】
表示パネルPNLは、第1接着層ADR_1によりバックプレートPLATEに貼り付けられ、偏光板POLは、第2接着層ADR_2により表示パネルPNLに貼り付けられ、第1フィルムTFは、第3接着層ADR_3により偏光板POLに貼り付けられる。また、第2フィルムTCFは、第4接着層ADR_4により第1フィルムTFに貼り付けられ、保護部材BFは、第5接着層ADR_5により第2フィルムTCFに貼り付けられる。
【0140】
第2フィルムTCFは、CPI(Colorless Polyimide)で構成され、表示パネルPNLの映像をそのまま外部へ透過させ、外部衝撃、外部環境、または応力から表示パネルPNLを保護する。
【0141】
表示パネルPNLとプレートPLATEとを貼り合わせる第1接着層ADR_1と、偏光板POLと表示パネルPNLとを貼り合わせる第2接着層ADR_2と、第1フィルムTFと偏光板POLとを貼り合わせる第3接着層ADR_3と、第2フィルムTCFと第1フィルムTFとを貼り合わせる第4接着層ADR_4と、保護部材BFと第2フィルムTCFとを貼り合わせる第5接着層ADR_5のうち、少なくとも1つ以上は、液状の粘度の低いOCRから構成される接着物質を塗布した後、硬化させることにより形成される。接着物質は、アクリル系、シリコン系、またはウレタン系モノマーにオリゴマー、光開始剤、ナノシリカ粒子などの添加剤を含ませて構成され、接着層ADR_1~ADR_5の100重量%を基準にして、モノマーの含量は約70重量%以上であり、オリゴマーの含量は、約20重量%以下である。このような含量により分子量が減少し、接着物質の粘度が約25cps以下となるため、接着物質をインクジェット方式で塗布することができる。
【0142】
また、接着物質にはナノシリカ粒子が添加剤として含まれるが、ナノシリカ粒子は、モジュラスの上昇を防止し、モジュラスが一定に保たれるようにして、表示装置DISがスムーズに折り畳まれる、または曲げられるようにする。
【0143】
表示装置DISの光学部品領域OSUにはホールTHが形成され、折り畳み領域FDUまたは曲げ領域には複数の開口部FHが形成される。ホールTHの内部にはカメラ、近接センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、および指紋認識センサのような光学部品を配置することができるが、これに限定されるものではない。
【0144】
開口部FHは、折り畳み方向、または曲げ方向の垂直方向に沿って、表示装置DISの一側から他側へ複数のスリット状に形成され、折り畳み領域FDUにおける圧縮応力および引張応力を減少させることで、表示装置DISがスムーズに折り畳まれる、または曲げられるようにする。
【0145】
ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、第1フィルムTFのうち、少なくとも1つ以上に形成される。ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、および第1フィルムTFの全てに形成されてもよい。また、ホールTHは、第1接着層ADR_1~第4接着層ADR_4に形成される。複数の開口部FHは、プレートPLATEおよび第1接着層ADR_1に形成される。
【0146】
ホールTHおよび開口部FHは、レーザーにより表示装置DISを加工し、切断することで形成することができる。例えば、ホールTHは、プレートPLATE、表示パネルPNL、偏光板POL、および第1フィルムTFをレーザーにより切断することで形成され、複数の開口部FHは、プレートPLATEおよび第1接着層ADR_1をレーザーにより切断することで形成される。
【0147】
本発明の実施例に係る表示装置DISにおいても、接着層ADR_1~ADR_5の粘度が大幅減少するため、レーザーにより切断された部分が表示装置DISからスムーズに分離されるだけでなく、切断された領域における表示装置DISに接着物質が残存することを防止することができる。
【0148】
本発明の実施例に係る表示装置は、次のように説明することができる。
【0149】
本発明の実施例に係る表示装置は、プレートと、プレートの上部に配置された表示パネルと、表示パネルの上部に配置された偏光板と、偏光板の上部に配置された第1フィルムと、第1フィルムの上部に配置された前面部材と、少なくとも1つの接着層とを含み、少なくとも1つの接着層は、プレートと表示パネルとの間の第1接着層、表示パネルと偏光板との間の第2接着層、偏光板と第1フィルムとの間の第3接着層、第1フィルムと前面部材との間の第4接着層のうち、少なくとも1つを含み、少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、少なくとも1つの接着層において、モノマーの含量は70重量%以上であり、オリゴマーの含量は20重量%以下であり得る。
【0150】
本発明のいくつかの実施例によると、前面部材は、ガラスを含むことができる。
【0151】
本発明のいくつかの実施例によると、前面部材は、第2フィルムを含むことができる。
【0152】
本発明のいくつかの実施例によると、第2フィルムは、透明なプラスチックフィルムを含むことができる。
【0153】
本発明のいくつかの実施例によると、プラスチックフィルムは、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PSF(ポリスルホン)、COC(シクロオレフィンコポリマー)のうち、少なくとも1つ以上の物質で構成することができる。
【0154】
本発明のいくつかの実施例によると、第1フィルムの端部領域には、ブラックマトリクスを配置することができる。
【0155】
本発明のいくつかの実施例によると、前面部材上に保護部材が配置され、保護部材は、保護フィルムと、保護フィルムの上面に配置されたコーティング層とを含むことができる。
【0156】
本発明のいくつかの実施例によると、保護部材は、コーティング層に配置された機能層をさらに含むことができる。
【0157】
本発明のいくつかの実施例によると、機能層は、防指紋層、防汚染層、防眩層のうち、1つ以上を含むことができる。
【0158】
本発明のいくつかの実施例によると、光学部品領域には、光学部品が配置されるホールを形成し、折り畳み領域には、複数の開口部を形成することができ、少なくとも1つ以上の開口部は、折り畳み方向の垂直方向に沿って複数のスリット状に形成することができる。
【0159】
本発明のいくつかの実施例によると、ホールは、プレート、表示パネル、偏光板、第1フィルムのうち、少なくとも1つ以上に形成することができる。
【0160】
本発明のいくつかの実施例によると、開口部は、プレートに形成することができる。
【0161】
本発明のいくつかの実施例によると、少なくとも1つの接着層を形成する接着物質は、25cps以下の粘度を有することができる。
【0162】
本発明のいくつかの実施例によると、ナノ無機粒子は、ナノシリカ粒子であり得る。
【0163】
本発明の実施例に係る接着物質は、70重量%以上のモノマー、20重量%以下のオリゴマー、光開始剤、ナノ無機粒子のうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0164】
本発明のいくつかの実施例によると、接着物質は、25cps以下の粘度を有することができる。
【0165】
本発明のいくつかの実施例によると、接着物質は、表示装置の接着層に適用することができる。
【0166】
本発明のいくつかの実施例によると、ナノ無機粒子は、ナノシリカ粒子であり得る。
【0167】
本発明の実施例に係る表示装置は、複数の層と、複数の層における隣接する2つの層の間に配置された少なくとも1つの接着層とを含み、少なくとも1つの接着層は、モノマー、オリゴマー、光開始剤、およびナノ無機粒子を含み、少なくとも1つの接着層において、モノマーの重量%は、オリゴマーの重量%より大きくあり得る。
【0168】
本発明のいくつかの実施例によると、複数の層は、プレートと、映像を表示する表示パネルと、表示パネルの上部に配置された偏光板と、偏光板の上部に配置された第1フィルムと、第1フィルムの上部に配置された前面部材とを含むことができる。
【0169】
本発明のいくつかの実施例によると、少なくとも1つの接着層において、モノマーの重量%は、オリゴマーの重量%の3倍より大きくあり得る。
【0170】
本発明のいくつかの実施例によると、少なくとも1つの接着層において、モノマーの含量は70重量%以上であり、オリゴマーの含量は20重量%以下であり得る。
【符号の説明】
【0171】
DIS…表示装置、PLATE…バックプレート、PNL…表示パネル、POL…偏光板、TCG…前面部材、BF…保護部材、TCF…第2フィルム、TF…第1フィルム、ADR_1、2、3、4、5…接着層、110…基板、200…シリンジ、210…接着物質
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8
図9