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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097488
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230703BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230703BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230703BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230703BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20230703BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/02
G03B30/00
H04N5/232 480
H04N5/225 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213626
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【テーマコード(参考)】
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H100BB05
2H100BB11
2H100CC07
2H100EE01
2K005AA01
2K005AA20
2K005BA52
2K005BA60
2K005CA04
2K005CA22
2K005CA34
2K005CA53
5C122EA41
5C122EA54
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE19
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】カメラモジュールの振れを補正するための振れ補正機能を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等の設計の自由度を確保することが可能で、かつ、カメラモジュールの光軸方向に直交する方向において小型化することが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供する。
【解決手段】この振れ補正機能付き光学ユニットでは、カメラモジュール2から引き出される第1配線基板10と、第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27が実装される第2配線基板11とが、互いに重なった状態で電気的に接続される第1接続部10dおよび第2接続部11bによって電気的に接続されている。また、この振れ補正機能付き光学ユニットでは、第1配線基板10が有する引出部10eが振れ補正機能付き光学ユニットの外周側に向かって引き出されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する中間部材と、前記中間部材を回動可能に保持する固定体と、前記カメラモジュールの光軸が任意の方向に傾くように前記固定体に対して前記可動体を回動させるための第1磁気駆動機構および第2磁気駆動機構と、少なくとも一部がフレキシブルプリント基板によって構成される第1配線基板および第2配線基板とを備え、
前記第1磁気駆動機構は、前記カメラモジュールの光軸が所定の基準位置にあるときに前記カメラモジュールの光軸に直交する第1方向で対向配置される第1駆動用磁石および第1駆動用コイルを備え、
前記第2磁気駆動機構は、前記カメラモジュールの光軸が前記基準位置にあるときに前記カメラモジュールの光軸と前記第1方向とに直交する第2方向で対向配置される第2駆動用磁石および第2駆動用コイルを備え、
前記固定体は、前記中間部材を回動可能に保持する中間部材保持部を備え、
前記第1配線基板は、前記カメラモジュールから引き出され、
前記第2配線基板には、前記第1駆動用コイルおよび前記第2駆動用コイルが実装され、
前記第1配線基板は、細長い帯状に形成される第1帯状部と、前記第1配線基板と前記第2配線基板とを電気的に接続するための第1接続部とを備え、
前記第2配線基板は、細長い帯状に形成される第2帯状部と、前記第1配線基板と前記第2配線基板とを電気的に接続するための第2接続部とを備え、
前記第1配線基板または前記第2配線基板は、前記固定体の外周側に向かって引き出される引出部を備え、
前記カメラモジュールの光軸が前記基準位置にあるときに前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向から見ると、前記中間部材保持部の外形は、正方形状または長方形状になっているとともに、前記中間部材保持部の外周面を構成する4辺は、前記第1方向または前記第2方向と平行になっており、
前記第1方向に平行な前記中間部材保持部の2辺のうちの一方の辺を第1辺とし、前記第1方向に平行な前記中間部材保持部の2辺のうちの他方の辺を第2辺とし、前記第2方向に平行な前記中間部材保持部の2辺のうちの一方の辺を第3辺とし、前記第2方向に平行な前記中間部材保持部の2辺のうちの他方の辺を第4辺とすると、
前記カメラモジュールの光軸が前記基準位置にあるときの前記光軸方向と前記第1帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、前記第1帯状部は、前記第1辺および前記第3辺に沿って引き回され、
前記カメラモジュールの光軸が前記基準位置にあるときの前記光軸方向と前記第2帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、前記第2帯状部は、前記第2辺および前記第4辺に沿って引き回され、
前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1辺または前記第2辺において前記第2方向で互いに重なった状態で電気的に接続されているか、あるいは、前記第3辺または前記第4辺において前記第1方向で互いに重なった状態で電気的に接続されていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記第1帯状部および前記第2帯状部は、フレキシブルプリント基板によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記第1配線基板は、前記引出部を備え、
前記引出部は、前記第1辺の中心部から前記第2方向の一方側に向かって引き出され、
前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1辺の、前記引出部よりも前記第1方向の一方側において互いに重なった状態で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記第1配線基板は、前記第1帯状部の端部と前記第1接続部の端部と前記引出部の端部とが繋がる連結部を備え、
前記連結部は、前記第1辺において前記中間部材保持部に固定されていることを特徴とする請求項3記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記第1辺において互いに重なった状態で電気的に接続され、
前記第2接続部は、前記第2方向において前記第1接続部よりも前記中間部材保持部側に配置され、
前記第2接続部の剛性は、前記第1接続部の剛性よりも高くなっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記第1接続部は、片面のみに配線パターンが形成された1層のフレキシブルプリント基板によって構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付き光学ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットは、光学モジュールを有する可動体と、可動体を揺動可能に支持するジンバル機構と、ジンバル機構を介して可動体を支持する固定体と、固定体に対して可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構と、可動体に接続される第1フレキシブルプリント基板と、固定体に取り付けられる第2フレキシブルプリント基板とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットでは、振れ補正用駆動機構は、可動体をX軸回りに回動させる第1磁石および第1コイルと、可動体をY軸回りに回動させる第2磁石および第2コイルとを備えている。第1磁石と第1コイルとは、Y軸方向で対向し、第2磁石と第2コイルとは、X軸方向で対向している。固定体は、可動体の外周側を囲む外枠部を備えている。光学モジュールの光軸の方向である光軸方向から見たときの外枠部の外形は、正方形状となっており、外枠部の外周面を構成する4辺は、X軸方向またはY軸方向と平行になっている。
【0004】
また、特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットでは、第2フレキシブルプリント基板は、第1コイルおよび第2コイルが実装されるコイル実装部と、コイル実装部に繋がるとともに固定体の外枠部の外周側に引き出される引出部とを備えている。コイル実装部は、外枠部の、X軸方向に平行な2辺のうちの一方の辺と、外枠部の、Y軸方向に平行な2辺のうちの一方の辺とに沿って引き回されている。引出部は、X軸方向の一方側に向かって外枠部の外周側に引き出されている。第1フレキシブルプリント基板は、Y軸方向の一方側に向かって外枠部の外周側に引き出されている。Y軸方向の一方側に向かって引き出される第1フレキシブルプリント基板は、2回折り返されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-160370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットでは、第1フレキシブルプリント基板と第2フレキシブルプリント基板とが振れ補正機能付き光学ユニットの外周側に向かって別々に引き出されているため、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等では、第1フレキシブルプリント基板が接続されるコネクタと第2フレキシブルプリント基板が接続されるコネクタとを別々に設ける必要がある。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等では、振れ補正機能付き光学ユニットを電気的に接続するためのコネクタの配置スペースが大きくなって、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等の設計の自由度が低下するおそれがある。
【0007】
また、特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットでは、Y軸方向の一方側に向かって引き出される第1フレキシブルプリント基板が2回折り返されており、第1フレキシブルプリント基板を折り返すためのスペースが必要になるため、光学モジュールの光軸方向に直交する方向において振れ補正機能付き光学ユニットが大型化するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、カメラモジュールの振れを補正するための振れ補正機能を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等の設計の自由度を確保することが可能で、かつ、カメラモジュールの光軸方向に直交する方向において小型化することが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する中間部材と、中間部材を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールの光軸が任意の方向に傾くように固定体に対して可動体を回動させるための第1磁気駆動機構および第2磁気駆動機構と、少なくとも一部がフレキシブルプリント基板によって構成される第1配線基板および第2配線基板とを備え、第1磁気駆動機構は、カメラモジュールの光軸が所定の基準位置にあるときにカメラモジュールの光軸に直交する第1方向で対向配置される第1駆動用磁石および第1駆動用コイルを備え、第2磁気駆動機構は、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときにカメラモジュールの光軸と第1方向とに直交する第2方向で対向配置される第2駆動用磁石および第2駆動用コイルを備え、固定体は、中間部材を回動可能に保持する中間部材保持部を備え、第1配線基板は、カメラモジュールから引き出され、第2配線基板には、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが実装され、第1配線基板は、細長い帯状に形成される第1帯状部と、第1配線基板と第2配線基板とを電気的に接続するための第1接続部とを備え、第2配線基板は、細長い帯状に形成される第2帯状部と、第1配線基板と第2配線基板とを電気的に接続するための第2接続部とを備え、第1配線基板または第2配線基板は、固定体の外周側に向かって引き出される引出部を備え、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときにカメラモジュールの光軸の方向である光軸方向から見ると、中間部材保持部の外形は、正方形状または長方形状になっているとともに、中間部材保持部の外周面を構成する4辺は、第1方向または第2方向と平行になっており、第1方向に平行な中間部材保持部の2辺のうちの一方の辺を第1辺とし、第1方向に平行な中間部材保持部の2辺のうちの他方の辺を第2辺とし、第2方向に平行な中間部材保持部の2辺のうちの一方の辺を第3辺とし、第2方向に平行な中間部材保持部の2辺のうちの他方の辺を第4辺とすると、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときの光軸方向と第1帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、第1帯状部は、第1辺および第3辺に沿って引き回され、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときの光軸方向と第2帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、第2帯状部は、第2辺および第4辺に沿って引き回され、第1接続部と第2接続部とは、第1辺または第2辺において第2方向で互いに重なった状態で電気的に接続されているか、あるいは、第3辺または第4辺において第1方向で互いに重なった状態で電気的に接続されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットでは、カメラモジュールから引き出される第1配線基板と、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルが実装される第2配線基板とが、互いに重なった状態で電気的に接続される第1接続部および第2接続部によって電気的に接続されている。また、本発明では、第1配線基板または第2配線基板が有する引出部が固定体の外周側に向かって引き出されている。
【0011】
そのため、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等において、1つの引出部が接続されるコネクタを設ければ、第1配線基板および第2配線基板を携帯機器等に電気的に接続することが可能になる。したがって、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等において、振れ補正機能付き光学ユニットを電気的に接続するためのコネクタの配置スペースを小さくすることが可能になり、その結果、携帯機器等の設計の自由度を確保することが可能になる。
【0012】
また、本発明では、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときの光軸方向と第1配線基板の第1帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、第1帯状部は、第1辺および第3辺に沿って引き回され、カメラモジュールの光軸が基準位置にあるときの光軸方向と第2配線基板の第2帯状部の幅方向とが平行になっているとともに、第2帯状部は、第2辺および第4辺に沿って引き回されている。また、本発明では、第1接続部と第2接続部とが、第1辺または第2辺において第2方向で互いに重なった状態で電気的に接続されているか、あるいは、第3辺または第4辺において第1方向で互いに重なった状態で電気的に接続されている。
【0013】
そのため、本発明では、第1帯状部、第2帯状部、第1接続部および第2接続部を中間部材保持部の外周面に沿って第1方向および第2方向でコンパクトに配置することが可能になる。したがって、本発明では、第1方向および第2方向において振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。すなわち、本発明では、カメラモジュールの光軸方向に直交する方向において振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、たとえば、第1帯状部および第2帯状部は、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0015】
本発明において、第1配線基板は、引出部を備え、引出部は、第1辺の中心部から第2方向の一方側に向かって引き出され、第1接続部と第2接続部とは、第1辺の、引出部よりも第1方向の一方側において互いに重なった状態で電気的に接続されていることが好ましい。このように構成すると、引出部から第1接続部の端部までの長さを短くすることが可能になるため、第1配線基板のコストを低減することが可能になる。また、引出部から第1接続部の端部までの長さを短くすることが可能になるため、引出部と第1接続部の端部との間の配線抵抗を低減することが可能になる。また、このように構成すると、引出部と第2接続部との距離を短くすることが可能になるため、引出部と第2接続部との間の配線抵抗を低減することが可能になる。
【0016】
本発明において、たとえば、第1配線基板は、第1帯状部の端部と第1接続部の端部と引出部の端部とが繋がる連結部を備え、連結部は、第1辺において中間部材保持部に固定されている。
【0017】
本発明において、第1接続部と第2接続部とは、第1辺において互いに重なった状態で電気的に接続され、第2接続部は、第2方向において第1接続部よりも中間部材保持部側に配置され、第2接続部の剛性は、第1接続部の剛性よりも高くなっていることが好ましい。このように構成すると、たとえば、第1接続部と第2接続部とを重ねた状態で、第2方向の外側から第1接続部と第2接続部とを半田付けするときの第1接続部および第2被接続部の変形を抑制することが可能になる。したがって、第1接続部と第2接続部との接続部分にひび割れ等の不具合が発生するのを防止することが可能になる。
【0018】
本発明において、第1接続部は、片面のみに配線パターンが形成された1層のフレキシブルプリント基板によって構成されていることが好ましい。このように構成すると、第1辺、第2辺、第3辺および第4辺のうちのいずれかにおいて第2接続部と重なる第1接続部の厚さを薄くすることが可能になる。したがって、第1接続部と第2接続部とが重なっていても、第1方向または第2方向で振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、カメラモジュールの振れを補正するための振れ補正機能を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットが搭載される携帯機器等の設計の自由度を確保することが可能になるとともに、カメラモジュールの光軸方向に直交する方向において振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図2図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図3図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットから固定体を取り外した状態の平面図である。
図4図1に示すケース体、カバー部材および第2配線基板等を抜き出して示す斜視図である。
図5図3に示す第1配線基板および第2配線基板等を抜き出して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
(振れ補正機能付き光学ユニットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。図2は、図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図である。図3は、図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1から固定体5を取り外した状態の平面図である。
【0023】
以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、左右方向の一方側である図1等のX1方向側を「右」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である図1等のY1方向側を「前」側とし、その反対側である図1等のY2方向側を「後ろ」側とし、上下方向の一方側である図1等のZ1方向側を「上」側とし、その反対側である図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0024】
本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1(以下、「光学ユニット1」とする。)は、たとえば、スマートフォン等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のユニットであり、撮影用のレンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール2を備えている。光学ユニット1は、撮影時に振れが発生した場合の撮像画像に乱れが発生することを回避するための振れ補正機能を備えている。光学ユニット1は、全体として厚さの薄い扁平な直方体状に形成されている。本形態の光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lの方向である光軸方向から見たときの形状が正方形状となるように形成されている。光学ユニット1の4つの側面は、左右方向と上下方向とから構成されるZX平面または前後方向と上下方向とから構成されるYZ平面と平行になっている。
【0025】
光学ユニット1は、カメラモジュール2を有する可動体3と、可動体3を回動可能に保持する中間部材4と、中間部材4を回動可能に保持する固定体5(図1参照)とを備えている。可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lに交差する第1交差方向(図3のV方向)を回動の軸方向として中間部材4に対して回動可能となっている。すなわち、可動体3は、第1交差方向を軸線方向とする第1軸線L1(図3参照)を回動中心にして中間部材4に対して回動可能となっている。本形態の第1交差方向は、光軸Lに直交している。
【0026】
中間部材4は、第1交差方向に交差するとともにカメラモジュール2の光軸Lに交差する第2交差方向(図3のW方向)を回動の軸方向として固定体5に対して回動可能となっている。すなわち、中間部材4は、第2交差方向を軸線方向とする第2軸線L2(図3参照)を回動中心にして固定体5に対して回動可能となっている。本形態では、第2交差方向は、第1交差方向に直交している。このように、可動体3と固定体5との間には、2軸のジンバル機構が構成されている。
【0027】
本形態では、後述の第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27に電流が供給されていないときに、可動体3および中間部材4が所定の基準位置に配置されており、カメラモジュール2の光軸Lが所定の基準位置に配置されている。可動体3および中間部材4が基準位置に配置されていてカメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときには、カメラモジュール2の光軸方向は、上下方向と一致している。本形態の左右方向(X方向)は、カメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときにカメラモジュール2の光軸Lに直交する第1方向となっている。また、前後方向(Y方向)は、カメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときに第1方向である左右方向とカメラモジュール2の光軸Lとに直交する第2方向となっている。
【0028】
また、可動体3が所定の基準位置に配置されているときには、第2交差方向(W方向)は、光軸Lに直交している。すなわち、可動体3が所定の基準位置に配置されていて中間部材4に対して回動していないときには、第2交差方向は、光軸Lに直交している。一方、可動体3が中間部材4に対して回動しているときには、第2交差方向は、光軸Lに交差してはいるが、直角には交わっていない。第2交差方向(W方向)は、上側から見たときに、前後方向に対して図3の時計回りの方向へ約45°ずれた方向となっている。
【0029】
光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lが任意の方向に傾くように固定体5に対して可動体3を回動させるための第1磁気駆動機構8および第2磁気駆動機構9を備えている(図3参照)。また、光学ユニット1は、カメラモジュール2から引き出される第1配線基板10と、第1磁気駆動機構8の一部を構成する後述の第1駆動用コイル25および第2磁気駆動機構9の一部を構成する後述の第2駆動用コイル27が実装される第2配線基板11とを備えている。第1交差方向における中間部材4の両端部には、中間部材4に対する可動体3の回動の支点となる第1支点部12が配置されている。第2交差方向における中間部材4の両端部には、固定体5に対する中間部材4の回動の支点となる第2支点部13が配置されている。
【0030】
可動体3は、全体として光軸方向の厚さが薄い扁平な略直方体状に形成されている。可動体3は、カメラモジュール2が固定されるホルダ16を備えている。ホルダ16は、樹脂材料で形成されている。ホルダ16は、正方形の枠状に形成されており、可動体3および中間部材4が基準位置に配置されている状態で光軸方向から見たときのホルダ16の外形は、正方形状となっている。また、可動体3および中間部材4が基準位置に配置されているときには、外形が正方形状をなすホルダ16の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。
【0031】
カメラモジュール2は、ホルダ16によってカメラモジュール2の外周側が覆われるように、ホルダ16の内周面に固定されている。上述のように、カメラモジュール2は、レンズおよび撮像素子を備えている。撮像素子は、カメラモジュール2の下端側に配置されており、カメラモジュール2の上側に配置される被写体がカメラモジュール2によって撮影される。
【0032】
中間部材4は、ステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。また、中間部材4は、バネ性を有する金属板を所定形状に折り曲げることで形成された板バネである。中間部材4は、ホルダ16よりも上側に配置される基部4aと、基部4aから第1交差方向の両側に向かって伸びる2本の腕部4bと、基部4aから第2交差方向の両側に向かって伸びる2本の腕部4cとによって構成されている。基部4aは、略正方形の枠状に形成されている。基部4aの内周側には、カメラモジュール2の上端部が配置されている。
【0033】
腕部4b、4cの先端側は、下側に向かって折れ曲がっている。腕部4bは、ホルダ16の内周側に配置されている。腕部4cは、ホルダ16の外周側に配置されている。また、腕部4cは、固定体5の一部を構成する後述のケース体17の内周側に配置されている。腕部4bの先端部には、第1支点部12の一部を構成する球体の一部が配置される半球状の凹部が形成されている。腕部4cの先端部には、第2支点部13の一部を構成する球体の一部が配置される半球状の凹部が形成されている。
【0034】
固定体5は、可動体3および中間部材4の外側に配置される枠状のケース体17と、ケース体17の側面および下面を覆うカバー部材18と、ケース体17の上面を覆うカバー部材19とを備えている。ケース体17は、樹脂材料で形成されている。中間部材4は、ケース体17に回動可能に保持されている。本形態のケース体17は、中間部材4を回動可能に保持する中間部材保持部である。
【0035】
ケース体17は、上下方向の両端が開口する扁平な四角筒状に形成されている。上下方向から見たときのケース体17の形状は、正方形の枠状となっている。すなわち、カメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときに、カメラモジュール2の光軸方向から見ると、ケース体17の外形は、正方形状になっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすケース体17の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。すなわち、上下方向から見たときに、ケース体17の外周面を構成する4辺は、前後方向または左右方向と平行になっている。
【0036】
カバー部材18は、正方形の平板状に形成される底部と、底部から上側に向かって立ち上がる四角筒状の筒部とを有する有底四角筒状に形成されている。上下方向から見たときのカバー部材18の外形は、正方形となっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすカバー部材18の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。カバー部材18は、光学ユニット1の下面および側面を構成している。カバー部材18には、第1配線基板10を光学ユニット1の外周側に引き出すための切欠き部18aが形成されている。切欠き部18aは、カバー部材18の底部の前端部分および前側面部に形成されている。また、切欠き部18aは、左右方向におけるカバー部材18の中心部に形成されている。
【0037】
カバー部材19は、主としてケース体17の上面を覆う平板状の覆部19aによって構成されている。覆部19aは、正方形の枠状に形成されている。上下方向から見たときのカバー部材19の外形は、正方形となっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすカバー部材19の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。覆部19aの内周側には、カメラモジュール2および中間部材4の一部が配置されている。
【0038】
第1支点部12は、ホルダ16に固定される支持部材20と、支持部材20に固定される球体とを備えている。支持部材20に固定される球体の一部は、腕部4bの先端部に形成される凹部の中に配置されている。球体は、腕部4bのバネ性によって、第1交差方向における外側から腕部4bの凹部の底面に所定の接触圧で接触している。第2支点部13は、ケース体17に固定される支持部材21と、支持部材21に固定される球体とを備えている。支持部材21に固定される球体の一部は、腕部4cの先端部に形成される凹部の中に配置されている。球体は、腕部4cのバネ性によって、第2交差方向における外側から腕部4cの凹部の底面に所定の接触圧で接触している。
【0039】
第1磁気駆動機構8は、左右方向で対向配置される第1駆動用磁石24および第1駆動用コイル25を備えている。第2磁気駆動機構9は、前後方向で対向配置される第2駆動用磁石26および第2駆動用コイル27を備えている。第1駆動用磁石24および第2駆動用磁石26は、長方形の平板状に形成されている。第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27は、たとえば、導線が空芯状に巻回されることで形成された空芯コイルである。
【0040】
第1駆動用磁石24は、ホルダ16の左側面に形成される凹部の中に配置されており、ホルダ16の左面側に固定されている。第1駆動用コイル25は、ケース体17の左面部に形成される貫通穴の中に配置されている。また、第1駆動用コイル25は、第2配線基板11に取り付けられている。第1磁気駆動機構8は、カメラモジュール2の光軸Lに直交するとともに前後方向に平行な軸線を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0041】
第2駆動用磁石26は、ホルダ16の後側面に形成される凹部の中に配置されており、ホルダ16の後面側に固定されている。第2駆動用コイル27は、ケース体17の後面部に形成される貫通穴の中に配置されている。また、第2駆動用コイル27は、第2配線基板11に取り付けられている。第2磁気駆動機構9は、カメラモジュール2の光軸Lに直交するとともに左右方向に平行な軸線を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0042】
光学ユニット1では、可動体3の傾きの変化を検知するための所定の検知機構によって可動体3の傾きの変化が検知されると、この検知機構の検知結果に基づいて、第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27の少なくともいずれか一方に電流が供給されて、振れが補正される。第1磁気駆動機構8および第2磁気駆動機構9は、第1軸線L1および第2軸線L2の少なくともいずれか一方を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0043】
(第1配線基板および第2配線基板の構成、引き回し)
図4は、図1に示すケース体17、カバー部材19および第2配線基板11等を抜き出して示す斜視図である。図5は、図3に示す第1配線基板10および第2配線基板11等を抜き出して示す斜視図である。
【0044】
第1配線基板10は、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とが一体化されたリジッドフレキシブル基板であり、第1配線基板10の一部は、フレキシブルプリント基板によって構成されている。また、第1配線基板10は、カメラモジュール2の下面に固定される第1基板部10aと、第1基板部10aに一端部が繋がる第2基板部10bと、第2基板部10bの他端部に繋がる第3基板部10cと、第3基板部10cに一端部が繋がる第4基板部10dおよび第5基板部10eと、第5基板部10eの他端部に繋がる第6基板部10fとによって構成されている。
【0045】
第1基板部10aと第2基板部10bと第3基板部10cと第4基板部10dと第5基板部10eと第6基板部10fとは一体で形成されている。第1基板部10a、第3基板部10cおよび第6基板部10fは、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とによって構成されている。第2基板部10b、第4基板部10dおよび第5基板部10eは、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0046】
上述のように、上下方向から見たときにケース体17の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、左右方向と平行になっており、残りの2辺は、前後方向と平行になっている。以下の説明では、左右方向に平行なケース体17の2辺のうちの一方の辺を第1辺17aとし、左右方向に平行なケース体17の2辺のうちの他方の辺を第2辺17bとし、前後方向に平行なケース体17の2辺のうちの一方の辺を第3辺17cとし、前後方向に平行なケース体17の2辺のうちの他方の辺を第4辺17dとする(図2図4参照)。具体的には、上下方向から見たときのケース体17の前側の辺を第1辺17aとし、上下方向から見たときのケース体17の後ろ側の辺を第2辺17bとし、上下方向から見たときのケース体17の右側の辺を第3辺17cとし、下方向から見たときのケース体17の左側の辺を第4辺17dとする。
【0047】
第1基板部10aは、上述のように、カメラモジュール2の下面に固定されている。第1基板部10aは、第1基板部10aの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。第1基板部10aの上面には、撮像素子が実装されている。第2基板部10bは、第1基板部10aから引き出されている。第2基板部10bは、第1基板部10aから右側に向かって引き出されてから、前側に向かって引き回された後、左側に向かって引き回されている。
【0048】
第2基板部10bは、第1基板部10aに左端部が繋がる引出部10gと、引出部10gの右端部に後端部が繋がる第1帯状部10hとよって構成されている。上述のように、第2基板部10bは、フレキシブルプリント基板によって構成されているため、引出部10gおよび第1帯状部10hは、フレキシブルプリント基板によって構成されている。引出部10gは、引出部10gの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。引出部10gと第1帯状部10hとの境界において、第2基板部10bは、上側に向かって90°に折り曲げられている。第2基板部10bでは、両面に配線パターンが形成された2層のフレキシブルプリント基板が2枚、隙間を介して重なっている。
【0049】
第1帯状部10hは、細長い帯状に形成されている。第1帯状部10hは、第1帯状部10hの幅方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、カメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときのカメラモジュール2の光軸方向と第1帯状部10hの幅方向とは平行になっている。第1帯状部10hは、ケース体17の外周側で引き回されている。また、第1帯状部10hは、第1辺17aおよび第3辺17cに沿って引き回されている。すなわち、第1辺17aおよび第3辺17cに沿って、立った状態の第1帯状部10hが引き回されている。
【0050】
また、第1帯状部10hは、第3辺17cの前後方向の中心部から前側に向かって第3辺17cの前端まで引き回されて90°に折り曲げられた後、第1辺17aの左右方向の中心部まで左側に向かって引き回されている。第1帯状部10hの、第3辺17cに沿って引き回される部分の厚さ方向は、左右方向と一致し、第1帯状部10hの、第1辺17aに沿って引き回される部分の厚さ方向は、前後方向と一致している。
【0051】
第1帯状部10hの、第1辺17aに沿って引き回される部分と、第3辺17cに沿って引き回される部分との境界には、第1帯状部10hの形状を維持するための薄い補強板30が固定されている。補強板30は、L形状に形成されている。同様に、引出部10gと第1帯状部10hとの境界にも、第2基板部10bの形状を維持するための薄い補強板30(図3参照)が固定されている。第1帯状部10hとケース体17の側面との間には、隙間が形成されており、第1帯状部10hは、ケース体17に固定されていない。
【0052】
第3基板部10cは、第3基板部10cの厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。第3基板部10cは、第1辺17aにおいてケース体17に固定されている。具体的には、第3基板部10cは、左右方向における第1辺17aの中心部においてケース体17の外側面に固定されている。ケース体17の前側面には、前側に向かって突出する基板固定部17fが形成されている。第3基板部10cは、基板固定部17fに固定されている。第1帯状部10hの左端部は、第3基板部10cの右端部に繋がっている。
【0053】
第4基板部10dは、左右方向を長手方向とする帯状に形成されている。第4基板部10dは、第4基板部10dの厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されており、第4基板部10dの幅方向は、上下方向と平行になっている。第4基板部10dは、片面のみに配線パターンが形成された1層のフレキシブルプリント基板によって構成されている。第4基板部10dの右端部は、第3基板部10cの左端部に繋がっている。第4基板部10dは、第1辺17aに沿って配置されている。
【0054】
第5基板部10eは、第3基板部10cから前側に向かって引き出されている。第5基板部10eは、第5基板部10eの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。第5基板部10eの後端部は、第3基板部10cの下端部に繋がっている。第5基板部10eは、第1辺17aの左右方向の中心部から前後方向の一方側である前側に向かって引き出されている。すなわち、第5基板部10eは、固定体5の外周側に向かって引き出されている。第5基板部10eは、カバー部材18の切欠き部18aを通過するように引き出されており、第5基板部10eの一部は、切欠き部18aの中に配置されている。本形態の第5基板部10eは、固定体5の外周側に向かって引き出される引出部である。
【0055】
第6基板部10fは、第6基板部10fの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。第6基板部10fは、第5基板部10eの前端部に繋がっている。第6基板部10fは、光学ユニット1が搭載されるスマートフォン等の携帯機器の内部に設けられたコネクタに接続される。
【0056】
第2配線基板11は、フレキシブルプリント基板である。すなわち、第2配線基板11の全体がフレキシブルプリント基板によって構成されている。また、第2配線基板11は、細長い帯状に形成される第2帯状部11aと、第2帯状部11aに繋がる基板部11bとから構成されている。第2帯状部11aおよび基板部11bは、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0057】
第2帯状部11aは、第2帯状部11aの幅方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、カメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときのカメラモジュール2の光軸方向と第2帯状部11aの幅方向とは平行になっている。第2帯状部11aは、ケース体17の外周側で引き回されている。また、第2帯状部11aは、第2辺17bおよび第4辺17dに沿って引き回されている。すなわち、第2辺17bおよび第4辺17dに沿って、立った状態の第2帯状部11aが引き回されている。
【0058】
また、第2帯状部11aは、第2辺17bの右端側から左側に向かって第2辺17bの左端まで引き回されて90°に折り曲げられた後、第4辺17dに沿って第4辺17dの前端まで引き回されている。第2帯状部11aの、第2辺17bに沿って引き回される部分の厚さ方向は、前後方向と一致し、第2帯状部11aの、第4辺17dに沿って引き回される部分の厚さ方向は、左右方向と一致している。第2帯状部11aは、ケース体17の外周面に固定されている。
【0059】
基板部11bは、左右方向を長手方向とする帯状に形成されている。基板部11bは、基板部11bの幅方向と上下方向とが一致するように配置されており、基板部11bの幅方向は、上下方向と平行になっている。基板部11bの左端は、第2帯状部11aの前端に繋がっている。基板部11bは、第1辺17aに沿って引き回されている。また、基板部11bは、第1辺17aの左端から第1辺17aの左右方向の中心に向かって引き回されている。
【0060】
第1配線基板10の第4基板部10dと基板部11bとは、第1辺17aにおいて前後方向で互いに重なった状態で電気的に接続されている。具体的には、第4基板部10dと基板部11bとは、第1辺17aの、第5基板部10eよりも左側において互いに重なった状態で電気的に接続されている。第4基板部10dと基板部11bとは、半田付けされて互いに固定されている。第4基板部10dおよび基板部11bは、第1配線基板10と第2配線基板11とを電気的に接続する機能を果たしている。
【0061】
本形態の第4基板部10dは、第1配線基板10と第2配線基板11とを電気的に接続するための第1接続部であり、基板部11bは、第1配線基板10と第2配線基板11とを電気的に接続するための第2接続部である。また、本形態の第3基板部10cは、第1帯状部10hの端部と、第1接続部である第4基板部10dの端部と、引出部である第5基板部10eの端部とが繋がる連結部となっている。
【0062】
基板部11bは、第4基板部10dの後ろ側に配置されている。すなわち、基板部11bは、前後方向において第4基板部10dよりもケース体17側に配置されている。第4基板部10dの後面および基板部11bの前面には、第4基板部10dと基板部11bとを半田付けするための半田ランドが形成されている。第4基板部10dの後面と基板部11bの前面とは接触している。
【0063】
基板部11bの剛性は、第4基板部10dの剛性よりも高くなっている。たとえば、基板部11bは4層のフレキシブルプリント基板によって構成されており、基板部11bの剛性は、1層のフレキシブルプリント基板によって構成される第4基板部10dの剛性よりも高くなっている。また、基板部11bの後面に、0.1~0.2(mm)程度の補強板が貼り付けられることで、基板部11bの剛性が第4基板部10dの剛性よりも高くなっていても良い。
【0064】
光学ユニット1の組立時には、カメラモジュール2、第1配線基板10およびカバー部材18以外の部品をまず組み立てる。その後、第1配線基板10が固定された状態のカメラモジュール2を組み付ける。このときには、前側から第4基板部10dを基板部11bに半田付けして接続する。基板部11bへの第4基板部10dの半田付け作業が容易になるように、カバー部材18が取り外された状態ではケース体17の前側において基板部11bが露出している(図4参照)。第1配線基板10が固定された状態のカメラモジュール2を組み付けられると、カバー部材18が取り付けられて、光学ユニット1の組立が完了する。
【0065】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、カメラモジュール2から引き出される第1配線基板10と、第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27が実装される第2配線基板11とが第4基板部10dと基板部11bとによって電気的に接続されている。また、本形態では、第5基板部10eが固定体5の外周側に向かって引き出されている。さらに、本形態では、第5基板部10eの端部に第6基板部10fが繋がっており、第6基板部10fは、光学ユニット1が搭載される携帯機器の内部に設けられたコネクタに接続される。
【0066】
そのため、本形態では、光学ユニット1が搭載される携帯機器において、第6基板部10fが接続されるコネクタを設ければ、第1配線基板10および第2配線基板11を携帯機器に電気的に接続することが可能になる。したがって、本形態では、光学ユニット1が搭載される携帯機器において、光学ユニット1を電気的に接続するためのコネクタの配置スペースを小さくすることが可能になり、その結果、携帯機器の設計の自由度を確保することが可能になる。
【0067】
本形態では、第1帯状部10hの幅方向と上下方向とが平行になっているとともに、第1帯状部10hは、ケース体17の第1辺17aおよび第3辺17cに沿って引き回されている。また、本形態では、第2帯状部11aの幅方向と上下方向とが平行になっているとともに、第2帯状部11aは、第2辺17bおよび第4辺17dに沿って引き回されている。さらに、本形態では、第3基板部10cを介して第1帯状部10hに繋がる第4基板部10dと、第2帯状部11aに繋がる基板部11bとが第1辺17aにおいて前後方向で互いに重なった状態で電気的に接続されている。
【0068】
そのため、本形態では、第1帯状部10h、第4基板部10dおよび第2配線基板11をケース体17の外周面に沿って前後左右方向でコンパクトに配置することが可能になる。したがって、本形態では、前後左右方向において光学ユニット1を小型化することが可能になる。また、本形態では、第4基板部10dが1層のフレキシブルプリント基板によって構成されており、第4基板部10dの厚さが薄くなっているため、第1辺17aにおいて第4基板部10dと基板部11bとが前後方向で重なっていても、前後方向で光学ユニット1を小型化することが可能になる。
【0069】
本形態では、第5基板部10eは、第1辺17aの左右方向の中心部から前側に向かって引き出されている。また、本形態では、第4基板部10dと基板部11bとが、第1辺17aの、第5基板部10eの左側において互いに重なった状態で接続されている。そのため、本形態では、左右方向における第5基板部10eと基板部11bとの距離を短くすることが可能になる。したがって、本形態では、第4基板部10dの長さ(左右方向の長さ)を短くすることが可能になり、その結果、第1配線基板10のコストを低減することが可能になる。また、本形態では、第4基板部10dの長さを短くすることが可能になるため、第5基板部10eと基板部11bとの間の配線抵抗を低減することが可能になる。
【0070】
本形態では、第4基板部10dの後ろ側に配置される基板部11bの剛性は、第4基板部10dの剛性よりも高くなっている。そのため、本形態では、光学ユニット1の組立時に前側から第4基板部10dを基板部11bに半田付けして接続するときの第4基板部10dおよび基板部11bの変形を抑制することが可能になる。したがって、本形態では、第4基板部10dと基板部11bとの接続部分にひび割れ等の不具合が発生するのを防止することが可能になる。
【0071】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0072】
上述した形態において、第1基板部10a、第3基板部10cおよび第6基板部10fの少なくともいずれか1つがフレキシブルプリント基板によって構成されていても良い。すなわち、第1配線基板10の全体がフレキシブルプリント基板によって構成されていても良い。また、上述した形態において、第2基板部10b、第4基板部10dおよび第5基板部10eの少なくともいずれか1つがフレキシブルプリント基板とリジッド基板とによって構成されていても良い。
【0073】
上述した形態では、第1基板部10aと第2基板部10bと第3基板部10cと第4基板部10dと第5基板部10eと第6基板部10fとが一体で形成されているが、たとえば、第1基板部10aが別体で形成されていて、第1基板部10aと第2基板部10bとが半田付けされて接続されていても良い。また、たとえば、第2基板部10bと第3基板部10cと第4基板部10dと第5基板部10eとが別体で形成されていて、第2基板部10b、第4基板部10dおよび第5基板部10eが第3基板部10cに半田付けされて接続されていても良い。
【0074】
上述した形態において、第2配線基板11は、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とが一体化されたリジッドフレキシブル基板であっても良い。この場合には、たとえば、第2帯状部11aの、第1駆動用コイル25が実装される部分や、第2帯状部11aの、第2駆動用コイル27が実装される部分や、基板部11bがフレキシブルプリント基板とリジッド基板とによって構成されている。
【0075】
上述した形態において、第4基板部10dと基板部11bとが第4辺17dにおいて左右方向で互いに重なった状態で電気的に接続されていても良い。この場合には、第2帯状部11aの、第4辺17dに沿って配置される部分の長さが短くなっている。また、基板部11dは、第2帯状部11aの前端に繋がっており、第4辺17dに沿って引き回されている。また、第4基板部10dは、たとえば、第1辺17aに沿って第1辺17aの左端まで引き回されて90°折り曲げられた後、後ろ側に向かって引き回される。また、第4基板部10dと基板部11bとが第4辺17dにおいて互いに重なった状態で電気的に接続されている場合には、第5基板部10eは、第1辺17aの左端部から前側に向かって引き出されていても良い。
【0076】
また、上述した形態において、第1基板部10aから前側に向かって第2基板部10bが引き出されている場合には、第4基板部10dと基板部11bとが第3辺17cにおいて左右方向で互いに重なった状態で電気的に接続されていても良いし、第4基板部10dと基板部11bとが第2辺17bにおいて前後方向で互いに重なった状態で電気的に接続されていても良い。この場合には、たとえば、第5基板部10eは、第3辺17cから右側に向かって引き出されている。
【0077】
上述した形態において、第2配線基板11が、固定体5の外周側に向かって引き出される引出部を備えていても良い。この場合には、第1配線基板10は、第5基板部10eおよび第6基板部10fを備えていない。また、上述した形態において、上下方向から見たときのケース体17の外形が長方形状になっていても良い。この場合には、上下方向から見たときのカバー部材18の外形も長方形状になる。さらに、上述した形態において、第4基板部10dが基板部11bの後ろ側に配置されていても良い。
【0078】
上述した形態において、光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にして中間部材4に対してカメラモジュール2を回動させる回動機構を備えていても良い。この場合には、回動機構は、第2配線基板11に実装される駆動用コイルと、この駆動用コイルに対向配置される駆動用磁石とを備えている。また、この場合には、中間部材4は、第1中間部材と第2中間部材とを備えている。可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にして第1中間部材に対して回動可能になっており、第1中間部材は、第1軸線L1を回動中心にして第2中間部材に対して回動可能となっている。また、上述した形態において、光学ユニット1は、携帯機器以外の各種の機器に搭載されても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 光学ユニット(振れ補正機能付き光学ユニット)
2 カメラモジュール
3 可動体
4 中間部材
5 固定体
8 第1磁気駆動機構
9 第2磁気駆動機構
10 第1配線基板
10c 第3基板部(連結部)
10d 第4基板部(第1接続部)
10e 第5基板部(引出部)
10h 第1帯状部
11 第2配線基板
11a 第2帯状部
11b 基板部(第2接続部)
17 ケース体(中間部材保持部)
17a 第1辺
17b 第2辺
17c 第3辺
17d 第4辺
24 第1駆動用磁石
25 第1駆動用コイル
26 第2駆動用磁石
27 第2駆動用コイル
L 光軸
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5