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特開2023-97549道路舗装機械及びそれに用いられる上部カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097549
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】道路舗装機械及びそれに用いられる上部カバー
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213729
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000235163
【氏名又は名称】範多機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 達規
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052AB01
2D052BD12
(57)【要約】
【課題】道路舗装機械のスクリードの上部カバーの中央部分の隙間をなくす。
【解決手段】スクリード2の上部カバー3は、左端から突出した左端ブラケット3a,3aと、右端から突出した右端ブラケット3b,3bとを有する。右端ブラケット3b,3bは、長穴3jを有しており、余裕をもって、締結されている。そして、スクリード2と上部カバー3との間には、吸収代として、隙間Dが設けられることとなる。これによって、隙間Dに、上部カバー3がずれることが可能となるので、上部カバー3の中央部分に隙間を設けなくても、クラウン操作が可能となる。
【選択図】図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機械のスクリードの上部カバーであって、
前記上部カバーの少なくとも左端又は右端が、前記スクリードのフレームとの間に隙間を設けて取り付けられており、
前記スクリードのクラウン操作時に、前記上部カバーが、前記隙間内にずれることができることを特徴とする、上部カバー。
【請求項2】
前記上部カバーは、
その一方端に設けられた第1のブラケットと、
その他方端に設けられた第2のブラケットとを含み、
前記第1のブラケット又は第2のブラケットの少なくとも一方が、前記上部カバーの右端又は左端から突出して取り付けられていることで、前記スクリードのフレームと前記上部カバーの右端又は左端との間に前記隙間が設けられ、
前記スクリードのクラウン操作時に、前記上部カバーが、前記隙間内にずれることができることを特徴とする、請求項1に記載の上部カバー。
【請求項3】
前記第1又は第2のブラケットの内、前記隙間を設けている方のブラケットは、長穴を有し、
前記長穴と前記上部カバーとが余裕を持って締結されていることで、前記スクリードのクラウン操作時に、前記上部カバーが、前記隙間内にずれることができることを特徴とする、請求項2に記載の上部カバー。
【請求項4】
防振ゴムを介して、前記長穴と前記上部カバーとが締結されていることを特徴とする、請求項3に記載の上部カバー。
【請求項5】
前記上部カバーを有するスクリードを備えることを特徴とする、道路舗装機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装機械のスクリードの上部に用いられる上部カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
舗装道路の中心に水が溜まらないように、道路の幅方向に勾配をつける必要ある。そのため、道路舗装機械のスクリードは、その中心を境に、フレームを山型に折る操作(以下、「クラウン操作」という。)を行う必要がある。クラウン操作については、従来から行われており、たとえば、特許文献1に記載がある。
【0003】
クラウン操作時に、スクリードがその中心を境に、左右に間隔が広がるため、スクリードの上部のカバーの中心部分には、隙間を空けておく必要があった(たとえば、特許文献2、非特許文献1参照及び図12参照)。
【0004】
このように、スクリードの上部のカバーには、中心部分に隙間があるのが一般的であった。この隙間が、クラウン操作時にスクリードを山型に折る際の吸収代となっていたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭58-30815号公報
【特許文献2】特開2005-90043号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】インターネット、検索年月日:2021年12月27日、範多機械株式会社、https://www.hantak.co.jp/product/pdf/F45WJ5.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、その隙間からは、アスファルト合材や軽油などの異物が入り込む可能性があった。また、その隙間に、作業者が突っかかることもあり、安全性上の懸念もあった。
【0008】
そこで、本発明は、道路舗装機械のスクリードの上部カバーの中央部分に隙間を無くすことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。本発明は、道路舗装機械のスクリードの上部カバーであって、上部カバーの少なくとも左端又は右端が、スクリードのフレームとの間に隙間を設けて取り付けられており、スクリードのクラウン操作時に、上部カバーが、隙間内にずれることができることを特徴とする。
【0010】
好ましい実施形態では、上部カバーは、その一方端に設けられた第1のブラケットと、その他方端に設けられた第2のブラケットとを含む。第1のブラケット又は第2のブラケットの少なくとも一方が、上部カバーの右端又は左端から突出して取り付けられていることで、スクリードのフレームと上部カバーの右端又は左端との間に隙間が設けられ、スクリードのクラウン操作時に、上部カバーが、隙間内にずれることができるとよい。
【0011】
好ましい実施形態では、第1又は第2のブラケットの内、隙間を設けている方のブラケットは、長穴を有し、長穴と上部カバーとが余裕を持って締結されていることで、スクリードのクラウン操作時に、上部カバーが、隙間内にずれることができるとよい。
【0012】
好ましくは、防振ゴムを介して、長穴と上部カバーとが締結されているとよい。
【0013】
また、本発明は、上部カバーを有するスクリードを備える道路舗装機械である。
【発明の効果】
【0014】
上部カバーの少なくとも左端又は右端が、スクリードのフレームとの間に隙間を設けて取り付けられており、スクリードのクラウン操作時に、上部カバーが、隙間内にずれることができるにすることで、道路舗装機械のスクリードの上部カバーの中央部分に隙間を無くすことが可能となる。
【0015】
これにより、隙間から、アスファルト合材や軽油などの異物が入り込む可能性が軽減し、隙間に、作業者が突っかかる安全性上の懸念も解消する。
【0016】
ブラケットを上部カバーから突出させて構成することで、スクリードと上部カバーとの隙間を空ける構造を簡易に提供することが可能となる。
【0017】
ブラケットに長穴を設けて、長穴と上部カバーとを余裕を持って締結させることで、クラウン操作時の上部カバーのずれを簡易に実現することが可能となる。
【0018】
防振ゴムを用いれば、上部カバーのガタツキが防止できる。
【0019】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態における道路舗装機械1の背面図である。
図2図2は、道路舗装機械1のスクリード2の部分の左側面図である。
図3図3は、道路舗装機械1のスクリード2の部分の右側面図である。
図4図4は、スクリード2の上部カバー3の平面図である。
図5図5は、上部カバー3の背面図である。
図6図6は、上部カバー3の底面図である。
図7図7は、上部カバー3の拡大左側面図である。
図8図8は、上部カバー3の拡大右側面図である。
図9図9は、上部カバー3の斜め上からの斜視図である。
図10図10は、上部カバー3の斜め下からの斜視図である。
図11図11は、上部カバー3の実施例を示す図である。
図12図12は、従来の上部カバーの隙間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1ないし図3に示すように、道路舗装機械1のスクリード2には、上部カバー3が設けられている。図1の右上に示した拡大図の斜線部Dに示すように、上部カバー3の右端と、スクリード2のフレームとの間には、隙間D(吸収代)が設けられている。
【0022】
図2に示すように、スクリード2の左上部には、フレーム4aが設けられている。
【0023】
図3に示すように、スクリード2の右上部には、フレーム4bが設けられている。
【0024】
上部カバー3は、フレーム4aとフレーム4bとの間に取り付けられている。
【0025】
図4ないし図10を参照しながら、上部カバー3の構造について説明する。上部カバー3は、左端ブラケット(第1のブラケット)3a,3aと、右端ブラケット(第2のブラケット)3b,3bとを有する。左端ブラケット3a,3aと、右端ブラケット3b,3bは、上部カバー3の左端及び右端から突出するように、取り付けられている。
【0026】
なお、ここでは、左ブラケット3a,3aも左端から突出することとしているが、左端は、突出していなくてもよい。後述するように、右端ブラケット3b,3bには、ずれを許容する構造となっているので、少なくとも、右端ブラケット3b,3bを、右端から突出させることで、クラウン操作に、上部カバー3が隙間Dにずれることを可能としている。
【0027】
図7に示すように、左端ブラケット3aは、それぞれ、防振ゴム3dを介して、ピン3cで固定されている。そして、左端ブラケット3aの端部は、それぞれ、フレーム4aに溶接等で固定されている。
【0028】
図6に示すように、右端ブラケット3bは、道路舗装機械1の幅方向の長穴3jを有している。右端ブラケット3bの端部は、それぞれ、フレーム4bに溶接等で固定されている。
【0029】
図8に示すように、右端ブラケット3bは、それぞれ、ワッシャ3i及び防振ゴム3hを挟んで、ピン3e、ワッシャ3g及びナット3fによって、上部カバー3に取り付けられている。ただし、クラウン操作時に、スクリード2が山型になった際、上部カバー3がずれる必要があるので、長穴内をピン3eがずれるように、上記ナット3fの取り付けには、ある程度の余裕をもって締結がなされている。
【0030】
そして、図10に示すように、右端ブラケット3b側に、長穴3jが設けられているので、クラウン操作時に、上記ナット3fの逃げと、上記長穴3jとによって、隙間Dに、上部カバー3の右端がずれることとなる。これによって、クラウン操作が行われても、上部カバー3の逃げる箇所が存在することとなるので、中央部分に、隙間を設けなくてもよくなる。
【0031】
図11が、実際に製造したときの、隙間を示す写真である。図11のように、上部カバーの中央部分に、隙間を無くすことができるので、アスファルト合材や軽油などの異物が入り込む可能性が低下し、また、作業者が突っかかる安全性の懸念も解消することとなる。
【0032】
(変形例)
なお、上記実施形態では、隙間Dは、上部カバー3の右端に設ける構成としているが、左右を反転させた構造とすれば、隙間Dを左端に設ける構成とすることも可能である。
【0033】
また、上記実施形態では、隙間Dは、右又は左端に設けられていることとなるが、両方に、隙間Dを設けてもよい。すなわち、スクリード2の上部の左右のフレームの少なくともどちらか一方に、上部カバー3との間の隙間が設けられる構成であればよい。
【0034】
なお、上記実施形態における左右のブラケットの構造は、あくまでも一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。また、ブラケット以外の手段を用いて、たとえば、直接、上部カバーがフレームに取り付けられるような形状に加工されるなどして、隙間へのずれを生じさせる上部カバーが用いられてもよい。
【0035】
すなわち、本発明においては、上部カバーの少なくとも左端又は右端が、スクリードのフレームとの間に隙間を設けて取り付けられており、スクリードのクラウン操作時に、上部カバーが、隙間内にずれることができるものであればよい。
【0036】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、道路舗装機械及びそれに用いられる上部カバーであり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 道路舗装機械
2 スクリード
3 上部カバー
3a 左端ブラケット
3b 右端ブラケット
3c ピン
3d 防振ゴム
3e ピン
3f ボルト
3g ワッシャ
3h 防振ゴム
3i ワッシャ
3j 長穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12