(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097636
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】液晶表示パネル、液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1333 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213855
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】番匠谷 晃
【テーマコード(参考)】
2H189
2H190
【Fターム(参考)】
2H189AA21
2H189AA70
2H189CA13
2H189DA34
2H189DA85
2H189EA04Y
2H189FA06
2H189FA23
2H189FA47
2H189FA52
2H189HA14
2H189LA01
2H189LA07
2H189LA17
2H189LA20
2H190JA11
2H190JA13
2H190JB02
2H190JC04
2H190LA02
2H190LA09
(57)【要約】
【課題】表示ムラを抑制された、液晶表示パネル、液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示パネル100は、第1方向に湾曲する第1基板110と、第1方向に湾曲し第1基板110に対向する第2基板120と、第1基板110と第2基板120に挟持された液晶と、第1基板110と第2基板120とを貼り合わせ、液晶を封入するシール部とを備える。第1方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、第1基板110の第2基板120に対向する第1主面110aに沿う湾曲面160が、シール部に囲まれた領域において、少なくとも1つの変曲点P1、P2を有し、シール部の内周端部130aのそれぞれにおける湾曲面160の接平面162a、162bが、互いに平行である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に湾曲する第1基板と、
前記第1方向に湾曲し、前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持された液晶と、
前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせ、前記液晶を封入するシール部と、を備え、
前記第1方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、
前記第1基板の前記第2基板に対向する第1主面に沿う湾曲面が、前記シール部に囲まれた領域において、少なくとも1つの変曲点を有し、前記シール部の内周端部のそれぞれにおける前記湾曲面の接平面が、互いに平行である、
液晶表示パネル。
【請求項2】
前記断面で断面視した場合、前記シール部に囲まれた領域において、前記湾曲面が凸面と前記凸面に連続する凹面とを1つずつ有する、
請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記断面で断面視した場合、前記シール部に囲まれた領域において、前記湾曲面が前記凸面に連続する第1平面と前記凹面に連続する第2平面とを有する、
請求項2に記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記凸面の曲率半径と前記凹面の曲率半径が異なる、
請求項2又は3に記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記断面ごとに、前記湾曲面の頂部の前記接平面からの高さと、前記シール部の内周端部の位置と、前記変曲点の位置の少なくとも1つが異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの表示面、又は前記液晶表示パネルの前記表示面の反対側の面に設けられ、接着層を介して、前記液晶表示パネルを湾曲した状態に支持するカバーと、を備える、
液晶表示装置。
【請求項7】
前記カバーは、前記液晶表示パネルに対向する面に、前記液晶表示パネルの端部を収納する溝部を有する、
請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記液晶表示パネルの端部が面取り部を有する、
請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶表示パネルの端部の少なくとも一方が接着剤で前記カバーに固定されている、
請求項6から8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
積層された2つの前記液晶表示パネルを備える、
請求項6から9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記液晶表示パネルに光を照射するバックライト部を、備え、
前記カバーと前記バックライト部は、前記液晶表示パネルを挟み込むことにより、前記液晶表示パネルを湾曲した状態に支持する、
請求項6から10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
第1基板と第2基板のうちの一方に液晶を封入するシール部を形成する工程と、
前記シール部を形成された前記第1基板と前記第2基板のうちの一方と、前記第1基板と前記第2基板のうちの他方とを重ね合わせる工程と、
前記シール部を硬化させ、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、
貼り合わされた前記第1基板と前記第2基板とを、第1方向に湾曲させる工程と、を含み、
前記湾曲させる工程では、前記第1方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、前記第1基板の前記第2基板に対向する第1主面に沿う湾曲面が、前記シール部に囲まれた領域において、少なくとも1つの変曲点を有し、前記シール部の内周端部のそれぞれにおける前記湾曲面の接平面が互いに平行な状態に、前記第1基板と前記第2基板とを湾曲させる、
液晶表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示パネル、液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
搭載される機器のデザイン、設置場所等に応じた形状を有する表示装置が求められており、湾曲した表示面を有する液晶表示装置が開発されている。例えば、特許文献1は、四隅部分の曲率が四隅部分以外の他の領域の曲率よりも小さい、液晶パネルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、湾曲した液晶パネルの四隅部分の曲率を、四隅部分以外の他の領域の曲率よりも小さくすることにより、表示領域の四隅部分の光抜けを軽減している。一方、液晶パネルを湾曲させる場合、基板(TFT回路基板とカラーフィルタ基板)に掛かる応力により、湾曲していない辺(非湾曲辺)に沿って設けられているシール材付近における基板間の間隔が変動する虞がある。この場合、非湾曲辺に設けられているシール材に沿って、表示ムラが生じる。特許文献1の液晶パネルでは、四隅部分の光抜けを軽減しているに過ぎず、シール材に沿った表示ムラを十分に抑制することは困難である。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、表示ムラを抑制された、液晶表示パネル、液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の観点に係る液晶表示パネルは、
第1方向に湾曲する第1基板と、
前記第1方向に湾曲し、前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持された液晶と、
前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせ、前記液晶を封入するシール部と、を備え、
前記第1方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、
前記第1基板の前記第2基板に対向する第1主面に沿う湾曲面が、前記シール部に囲まれた領域において、少なくとも1つの変曲点を有し、前記シール部の内周端部のそれぞれにおける前記湾曲面の接平面が、互いに平行である。
【0007】
第2の観点に係る液晶表示装置は、
上記に記載の液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの表示面、又は前記液晶表示パネルの前記表示面の反対側の面に設けられ、接着層を介して、前記液晶表示パネルを湾曲した状態に支持するカバーと、を備える。
【0008】
第3の観点に係る液晶表示装置の製造方法は、
第1基板と第2基板のうちの一方に液晶を封入するシール部を形成する工程と、
前記シール部を形成された前記第1基板と前記第2基板のうちの一方と、前記第1基板と前記第2基板のうちの他方とを重ね合わせる工程と、
前記シール部を硬化させ、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、
貼り合わされた前記第1基板と前記第2基板とを、第1方向に湾曲させる工程と、を含み、
前記湾曲させる工程では、前記第1方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、前記第1基板の前記第2基板に対向する第1主面に沿う湾曲面が、前記シール部に囲まれた領域において、少なくとも1つの変曲点を有し、前記シール部の内周端部のそれぞれにおける前記湾曲面の接平面が互いに平行な状態に、前記第1基板と前記第2基板とを湾曲させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、湾曲する方向と表示方向とを含む断面で断面視した場合、湾曲面がシール部に囲まれた領域において変曲点を有し、シール部の内周端部のそれぞれにおける湾曲面の接平面が互いに平行であるので、第1基板の厚さ方向の中心線の長さと第2基板の厚さ方向の中心線の長さがシール部に囲まれた領域において等しくなり、第1基板と第2基板に掛かる応力の差が緩和される。これにより、表示領域の端部における第1基板と第2基板との間隔の変動を抑制して、表示ムラを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置の断面を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係る液晶表示パネルの平面図である。
【
図3】
図2に示す液晶表示パネルをA-A線で矢視した断面図である。
【
図4】実施形態1に係る液晶表示パネルの湾曲を説明するための模式図である。
【
図5】実施形態1に係る第1基板と第2基板の厚さ方向の中心線の長さを、説明するための模式図である。
【
図6】実施形態1に係る液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2に掛かる液晶表示パネルの湾曲を説明するための模式図である。
【
図8】実施形態2に係る第1基板と第2基板の厚さ方向の中心線の長さを、説明するための模式図である。
【
図9】実施形態3に係る第1基板と第2基板の厚さ方向の中心線の長さを、説明するための模式図である。
【
図10】実施形態4に係る液晶表示パネルの平面図である。
【
図11】実施形態4に係る液晶表示パネルの斜視図である。
【
図12】実施形態4に係る湾曲面を示す模式図である。
【
図13】実施形態5に係る液晶表示パネルの斜視図である。
【
図14】実施形態5に係る液晶表示パネルの平面図である。
【
図15】実施形態5に係る湾曲面を示す模式図である。
【
図16】実施形態6に係る液晶表示装置の断面を示す模式図である。
【
図18】変形例に係る液晶表示パネルを示す模式図である。
【
図19】変形例に係る液晶表示パネルを示す模式図である。
【
図20】変形例に係る液晶表示装置を示す模式図である。
【
図21】変形例に係る液晶表示装置を示す模式図である。
【
図22】変形例に係る液晶表示パネルを示す模式図である。
【
図25】変形例に係る液晶表示パネルを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る液晶表示パネルと液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0012】
<実施形態1>
図1~
図6を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置10と液晶表示パネル100とを説明する。液晶表示装置10は、
図1に示すように、液晶表示パネル100とカバー200とバックライト部300とを備える。液晶表示パネル100は、湾曲した表示面102(後述する、第2偏光板150の第2基板120と反対側の面)を有する、透過型の液晶表示パネルである。液晶表示パネル100は、図示しない表示制御部と駆動回路からの信号により、文字、カラー画像等を表示する。カバー200は、接着層202を介して、液晶表示パネル100を湾曲した状態に支持する。バックライト部300は、液晶表示パネル100に光を照射して、液晶表示パネル100の光源として機能する。本明細書では、理解を容易にするため、
図1における液晶表示装置10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Z方向、+X方向と+Z方向に垂直な方向(紙面の奥方向)を+Y方向として説明する。また、+Z方向を、液晶表示パネル100が文字、カラー画像等を表示する表示方向とする。なお、
図1では、理解を容易にするために、液晶表示パネル100を簡略化して図示している。また、
図1では、接着層202、302のハッチングを省略している。
【0013】
液晶表示装置10は、車両、電子機器に搭載される。また、液晶表示装置10は、サイネージディスプレイとしても利用される。
【0014】
液晶表示装置10の液晶表示パネル100は、例えば、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)により駆動される液晶表示パネルである。液晶表示パネル100は、例えば、横電界方式により動作する。液晶表示パネル100は、
図2に示すように、後述するシール部130に囲まれた表示領域104を有している。表示領域104には、画素PXがマトリクス状に配置されている。また、液晶表示パネル100は、
図1に示すように、X方向に湾曲している。本明細書では、X方向が第1方向に相当する。液晶表示パネル100の湾曲については、後述する。
【0015】
液晶表示パネル100は、
図2と
図3に示すように、第1基板110と、第2基板120と、液晶LCと、シール部130とを有する。また、液晶表示パネル100は、第1偏光板140と、第2偏光板150とを有する。第1基板110と第2基板120は、液晶LCを挟持する。シール部130は、第1基板110と第2基板120とを貼り合わせ、液晶LCを封入する。第1偏光板140は第1基板110に貼り付けられ、第2偏光板150は第2基板120に貼り付けられる。なお、
図3では、理解を容易にするために、液晶LCのハッチングを省略している。
【0016】
液晶表示パネル100の第1基板110は、例えば、ガラス基板である。第1基板110は、第1主面110aと、第1主面110aと反対側の第2主面110bとを有している。第1基板110は、
図3に示すように、均一な厚さを有し、X方向(第1方向)に湾曲している。第1基板110は、第2基板120に対向する第1主面110aに、TFT、配線、電極、配向膜等(いずれも図示せず)を有する。また、第1偏光板140が、第1基板110の第2主面110bに貼り付けられている。
【0017】
液晶表示パネル100の第2基板120は、第1基板110と同様に、ガラス基板である。第2基板120も、均一な厚さを有し、X方向(第1方向)に湾曲している。第2基板120は、第1主面120aと、第1主面120aと反対側の第2主面120bとを有している。第2基板120は、第1基板110に対向する第1主面120aに、ストライプ状のカラーフィルタ、ブラックマトリクス、配向膜等(いずれも図示せず)を有する。また、第2偏光板150が、第2基板120の第2主面120bに貼り付けられている。
【0018】
第1基板110と第2基板120は、図示しないスペーサを介して、シール部130により、所定の間隔(すなわち、所定のギャップ)で、第1基板110の第1主面110aと第2基板120の第1主面120aとを平行に貼り合わされている。
【0019】
液晶表示パネル100の液晶LCは、第1基板110と第2基板120とに挟持されている。液晶LCは、ネマチック液晶である。
【0020】
液晶表示パネル100のシール部130は、第1基板110と第2基板120との間に設けられて、第1基板110と第2基板120とを貼り合わせる。また、シール部130は、液晶LCを、第1基板110と第2基板120との間に封入している。
【0021】
シール部130は、
図2に示すように、枠形状を有し、第1基板110と第2基板120の外形に沿って形成されている。また、シール部130は、表示領域104を囲んでいる。シール部130は、例えば、UV(UltraViolet)硬化型接着剤から形成される。
【0022】
液晶表示パネル100の第1偏光板140は、
図3に示すように、第1基板110の第2主面110bに貼り付けられる。液晶表示パネル100の第2偏光板150は、第2基板120の第2主面120bに貼り付けられる。第2偏光板150は、接着層202を介して、カバー200に貼り付けられている。本実施形態では、第2偏光板150の第2基板120と反対側の面が、液晶表示パネル100の表示面102に相当する。
【0023】
次に、
図4と
図5を参照して、液晶表示パネル100の湾曲について、説明する。液晶表示パネル100は、
図4に示すように、X方向(すなわち第1方向)とZ方向(すなわち表示方向)とを含む断面(XZ断面)で断面視した場合、第1基板110の第1主面110aに沿う湾曲面160が、シール部130に囲まれた表示領域104において2つの変曲点P1、P2を有し、シール部130の内周端部130aのそれぞれにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態に、湾曲されている。なお、
図4では、理解を容易にするために、液晶LC、第1偏光板140等を省略し、液晶表示パネル100を簡略化して図示している。また、湾曲面160は第1基板110の第1主面110aであってもよく、本実施形態では、第1基板110の第1主面110aを湾曲面160とする。第1基板110の第1主面110aと第2基板120の第1主面120aは平行であるので、湾曲面160は第2基板120の第1主面120aであってもよい。さらに、表示面102は、湾曲面160と同様の形状を有している。
【0024】
具体的には、湾曲面160は、XZ断面で断面視した場合、中央部で+Z方向へ湾曲し、+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲して、Z方向に対して線対称となっている。+X側の端部の曲面(凹面)502と中央部の曲面(凸面)504との境界で変曲点P1が形成され、中央部の曲面502と-X側の端部の曲面(凹面)506との境界で変曲点P2が形成されている。また、+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと、-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bが、平行な状態となっている。これらにより、後述するように、表示領域104における、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2が、等しくなる。その結果、第1基板110に掛かる応力と第2基板120に掛かる応力との差が緩和され、表示領域104の端部(+X側と-X側に位置するシール部130の内周端部130a付近)における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。なお、本実施形態では、接平面162a、162bは、XY平面に対して平行である。また、本明細書では、+Z方向へ湾曲した面を凸面と、-Z方向へ湾曲した面を凹面とする。
【0025】
第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と、第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2とを説明する。例えば、
図5に示すように、湾曲面160において、+X側の端部の曲面502の曲率半径と中心角をrとθと、中央部の曲面504の曲率半径と中心角をsとφと、-X側の端部の曲面506の曲率半径と中心角をtとωと、第1基板110の厚さの半分をD1と、第2基板120の厚さの半分をD2とした場合、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2は、下記の式(1)と式(2)で表される。また、式(1)と式(2)より、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2との差は下記の式(3)で表される。
【0026】
【0027】
+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bが平行な状態である場合、θ+ω=φであるので、式(3)により、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2は等しくなる。したがって、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160が表示領域104において2つの変曲点P1、P2を有し、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態にすることにより、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくして、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。
【0028】
図1に戻り、液晶表示装置10のカバー200は、液晶表示パネル100の表示面102側に設けられ、接着層202を介して、液晶表示パネル100を湾曲した状態に支持する。カバー200の表示面102に対向する主面200aは、液晶表示パネル100の湾曲した表示面102と整合する湾曲面に成形されている。カバー200の端部は、後述する、バックライト部300の筐体320に固定される。カバー200は、例えば、透光性樹脂から形成される。
【0029】
液晶表示装置10の接着層202は、カバー200の主面200aに設けられる。接着層202は、液晶表示パネル100をカバー200の主面200aに貼り付けている。接着層202は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)である。
【0030】
液晶表示装置10のバックライト部300は、液晶表示パネル100の光源である。バックライト部300は、光源部310と筐体320とを有する。
【0031】
バックライト部300の光源部310は、液晶表示パネル100の-Z側に位置し、液晶表示パネル100へ光を照射する。本実施形態では、光源部310は、筐体320の底板321に埋め込まれている。また、光源部310は、図示しない、白色LED(Light emitting diode)素子、反射シート、拡散シート等を備えている(いずれも図示せず)。
【0032】
バックライト部300の筐体320は、箱形で、光源部310を収納する。また、筐体320の側壁322の上面には、接着層302を介して、カバー200の端部が貼り付けられる。
【0033】
次に、液晶表示装置10の製造方法を説明する。
図6は、液晶表示装置10の製造方法を示すフローチャートである。液晶表示装置10の製造方法は、第1基板110と第2基板120を準備する工程(ステップS10)と、第1基板110と第2基板120のうちの一方に液晶LCを封入するシール部130を形成する工程(ステップS12)と、シール部130に囲まれた領域に液晶LCを滴下する工程(ステップS14)と、シール部130を形成された第1基板110と第2基板120のうちの一方と、第1基板110と第2基板120のうちの他方とを重ね合わせる工程(ステップS16)と、シール部130を硬化させ、第1基板110と第2基板120とを貼り合わせる工程(ステップS18)と、第1基板110に第1偏光板140を貼り付け、第2基板120に第2偏光板150を貼り付ける工程(ステップS20)と、を含む。
【0034】
液晶表示装置10の製造方法は、更に、貼り合わされた第1基板110と第2基板120とを第1方向(X方向)に湾曲させる工程(ステップS22)と、バックライト部300を実装する工程(ステップS24)と、を含む。
【0035】
ステップS10では、平板状態の第1基板110として、TFT、配線等を形成されたガラス基板(所謂、TFT基板)を準備する。また、平板状態の第2基板120として、カラーフィルタ、ブラックマトリクス等を形成されたガラス基板(所謂、カラーフィルタ基板)を準備する。
【0036】
ステップS12では、ディスペンサーにより、第2基板120の第1主面120aの上に、UV硬化樹脂を塗布して、液晶LCを封入するシール部130を枠状に形成する。なお、UV硬化樹脂はスペーサを含んでいる。
【0037】
ステップS14では、第2基板120の第1主面120aにおけるシール部130に囲まれた領域に、液晶LCを滴下する。そして、ステップS16では、液晶LCを滴下された第2基板120と第1基板110とを平板状態で重ね合わせる。ステップS18では、シール部130にUV光を照射して、平板状態の第1基板110と第2基板120とを貼り合わせる。さらに、ステップS20では、第1基板110の第2主面110bに第1偏光板140を貼り付け、第2基板120の第2主面120bに第2偏光板150を貼り付ける。以上より、平板状態の液晶表示パネル100が作製される。
【0038】
ステップS22では、カバー200の主面200aに、接着層202を介して、第2偏光板150を貼り付けることにより、貼り合わされた第1基板110と第2基板120とを第1方向(X方向)に湾曲させる。カバー200の主面200aは、液晶表示パネル100の湾曲した表示面102と整合する湾曲面に成形されている。
【0039】
ここで、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160が、シール部130に囲まれた表示領域104において、中央部で+Z方向へ湾曲し+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲し(すなわち2つの変曲点P1、P2を有し)、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態に、第1基板110と第2基板120とを湾曲させる。これにより、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2を等しくして、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。
【0040】
ステップS24では、カバー200の端部を、接着層302を介して、バックライト部300の筐体320の側壁322に貼り付けて、液晶表示パネル100にバックライト部300を実装する。以上により、液晶表示装置10を製造できる。
【0041】
以上のように、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160が表示領域104において2つの変曲点P1、P2を有し、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態であるので、液晶表示装置10と液晶表示パネル100では、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくして、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。
【0042】
<実施形態2>
実施形態1の液晶表示パネル100では、湾曲面160は2つの変曲点P1、P2を有している。湾曲面160は少なくとも1つの変曲点を有すればよい。ここでは、本実施形態の液晶表示パネル100の湾曲について、説明する。本実施形態の液晶表示パネル100と液晶表示装置10のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0043】
本実施形態の液晶表示パネル100(第1基板110と第2基板120)は、
図7に示すように、実施形態1と同様に、X方向に湾曲している。本実施形態の液晶表示パネル100では、湾曲面160は、XZ断面で断面視した場合、+X側で+Z方向へ湾曲し-X側で-Z方向へ湾曲している。+X側の曲面(凸面)508と、曲面(凸面)508に連続し-X側の曲面(凹面)510との境界で、1つの変曲点P3が形成されている。また、XZ断面で断面視した場合、シール部130の内周端部130aのそれぞれにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行である。なお、本実施形態では、曲面508の曲率半径と曲面510の曲率半径は、異なっている。
【0044】
これらにより、後述するように、表示領域104における、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2が、等しくなる。その結果、実施形態1と同様に、第1基板110と第2基板120に掛かる応力の差が緩和され、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。なお、
図7では、理解を容易にするために、液晶LC、第1偏光板140等を省略し、液晶表示パネル100を簡略化して図示している。また、本実施形態においても、液晶表示パネル100の表示面102は、湾曲面160と同様の形状を有している。
【0045】
次に、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と、第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2とを説明する。
図8に示すように、湾曲面160において、+X側の曲面508の曲率半径と中心角をrとθと、-X側の曲面510の曲率半径と中心角をsとφと、第1基板110の厚さの半分をD1と、第2基板120の厚さの半分をD2とした場合、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2は、下記の式(4)と式(5)で表される。また、式(4)と式(5)より、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2との差は下記の式(6)で表される。
【0046】
【0047】
+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bが平行な状態である場合、θ=φであるので、式(6)により、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2は等しくなる。
【0048】
以上のように、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160が表示領域104において1つの変曲点P3を有し、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態にするので、本実施形態の液晶表示パネル100では、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくして、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。
【0049】
<実施形態3>
実施形態2では、湾曲面160は、+Z方向へ湾曲した面(凸面)と+Z方向へ湾曲した面に連続する-Z方向へ湾曲した面(凹面)から形成されている。湾曲面160は、2つの連続し曲率半径が異なる+Z方向へ湾曲した面と-Z方向へ湾曲した面から形成されてもよい。ここでは、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と、第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2とを説明する。
【0050】
XZ断面で断面視した場合、本実施形態の湾曲面160は、
図9に示すように、2つの連続し曲率半径が異なる+Z方向へ湾曲した面(凸面)512、514と、-X側に位置し+Z方向へ湾曲した面514に連続する-Z方向へ湾曲した面(凹面)516から形成されている。+Z方向へ湾曲した面514と-Z方向へ湾曲した面516の境界で、1つの変曲点P3が形成されている。また、XZ断面で断面視した場合、シール部130の内周端部130aのそれぞれにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行である。なお、本実施形態においても、液晶表示パネル100の表示面102は、湾曲面160と同様の形状を有している。
【0051】
湾曲面160において、+X側の+Z方向へ湾曲した面512の曲率半径と中心角をrとθと、-X側の+Z方向へ湾曲した面514の曲率半径と中心角をsとφと、-Z方向へ湾曲した面516の曲率半径と中心角をtとωと、第1基板110の厚さの半分をD1と、第2基板120の厚さの半分をD2とした場合、第1基板110の厚さ方向の中心線112の長さL1と、第2基板120の厚さ方向の中心線122の長さL2は、下記の式(7)と式(8)で表される。また、式(7)と式(8)より、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2の差は下記の式(9)で表される。
【0052】
【0053】
+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bが平行な状態である場合、ω=θ+φであるので、式(9)により、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2は等しくなる。
【0054】
以上のように、湾曲面160が2つの連続し曲率半径が異なる+Z方向へ湾曲した面512、514から形成されている場合であっても、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくできる。したがって、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。
【0055】
<実施形態4>
実施形態1では、湾曲面160をXZ断面で断面視した場合、いずれのXZ断面でも、湾曲面160の形状は同じである。湾曲面160の形状(変曲点の位置、頂部の高さ等)は、XZ断面ごとに(すなわち、Y方向に沿って)変化してもよい。ここでは、本実施形態の液晶表示パネル100の湾曲について、説明する。本実施形態の液晶表示パネル100と液晶表示装置10のその他の構成は、実施形態1と同様である。
【0056】
図10に示すように、平面視した場合、本実施形態の液晶表示パネル100(第1基板110と第2基板120)は、実施形態1と同様に、矩形形状を有している。また、
図11に示すように、本実施形態の液晶表示パネル100は、実施形態1と同様に、X方向に湾曲し、中央部で+Z方向へ湾曲し+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲している。さらに、XZ断面で断面視した場合、本実施形態の液晶表示パネル100は、Z方向に対して線対称となっている。なお、
図11では、理解を容易にするために、液晶LC、第1偏光板140等を省略し、液晶表示パネル100を簡略化して図示している。以下の図においても、液晶表示パネル100を簡略化して図示する場合がある。
【0057】
また、実施形態1と同様に、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160(後述する、湾曲面160a~160c)は、中央部で+Z方向へ湾曲し、+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲して、Z方向に対して線対称となっている。さらに、実施形態1と同様に、+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと、-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bは、互いに平行である。接平面162a、162bは、XY平面に対して平行である。
【0058】
本実施形態では、湾曲面160の頂部164の接平面162a、162bからの高さHが、XZ断面ごとに異なる。例えば、
図12に示すように、
図10のB-B線で矢視したXZ断面における湾曲面160aと、
図10のC-C線で矢視したXZ断面における湾曲面160bと、
図10のD-D線で矢視したXZ断面における湾曲面160cでは、頂部164の高さHが順に低くなる。すなわち、本実施形態の液晶表示パネル100は、湾曲面160の頂部164の高さHが+Y方向に沿って低くなるように、湾曲されている。なお、本実施形態においても、液晶表示パネル100の表示面102は、湾曲面160と同様の形状を有している。
【0059】
以上のように、湾曲面160の頂部164の接平面162a、162bからの高さHが、XZ断面ごとに異なってもよい。また、本実施形態においても、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160(湾曲面160a~160c)が表示領域104において2つの変曲点P1、P2を有し、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態であるので、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくできる。したがって、表示領域104の端部における第1基板110と第2基板120との間隔の変動を抑制し、表示ムラを抑制できる。さらに、湾曲面160(表示面102)の形状がXZ断面ごとに変わるので、液晶表示パネル100と液晶表示装置10の意匠性を向上させることができる。
【0060】
<実施形態5>
実施形態4では、湾曲面160の頂部164の接平面162a、162bからの高さHが、XZ断面ごとに異なる。シール部130の内周端部130aの位置が、XZ断面ごとに、異なってもよい。
【0061】
図13に示すように、本実施形態の液晶表示パネル100(第1基板110と第2基板120)は、実施形態1と同様に、X方向に湾曲し、中央部で+Z方向へ湾曲し+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲している。さらに、XZ断面で断面視した場合、本実施形態の液晶表示パネル100は、Z方向に対して線対称となっている。
【0062】
また、実施形態1と同様に、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160(後述する、湾曲面160d~160f)は、中央部で+Z方向へ湾曲し、+X側の端部と-X側の端部で-Z方向へ湾曲して、Z方向に対して線対称となっている。さらに、実施形態1と同様に、+X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162aと、-X側に位置するシール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162bは、互いに平行である。接平面162a、162bは、XY平面に対して平行である。
【0063】
一方、平面視した場合、本実施形態の液晶表示パネル100は、
図14に示すように、+Y側が狭い台形形状を有している。本実施形態のシール部130は第1基板110と第2基板120の外形に沿って形成され、シール部130の間隔は+Y方向に向かって狭くなっている。したがって、
図14のE-E線で矢視したXZ断面における湾曲面160dと、
図14のF-F線で矢視したXZ断面における湾曲面160eと、
図14のG-G線で矢視したXZ断面における湾曲面160fでは、
図15に示すように、シール部130の内周端部130aの位置が、XZ断面ごとに異なっている。
【0064】
以上のように、シール部130の内周端部130aの位置が、XZ断面ごとに異なってもよい。本実施形態においても、XZ断面で断面視した場合、湾曲面160(湾曲面160d~160f)が表示領域104において2つの変曲点P1、P2を有し、シール部130の内周端部130aにおける湾曲面160の接平面162a、162bが互いに平行な状態であるので、中心線112の長さL1と中心線122の長さL2を等しくでき、表示ムラを抑制できる。さらに、湾曲面160(表示面102)の形状がXZ断面ごとに変わるので、液晶表示パネル100と液晶表示装置10の意匠性を向上させることができる。
【0065】
<実施形態6>
実施形態1では、液晶表示パネル100は、カバー200に接着されて、湾曲した状態に支持されている。液晶表示パネル100は、カバー200とバックライト部300により、湾曲した状態に支持されてもよい。
【0066】
本実施形態では、実施形態1と同様に、液晶表示パネル100を接着されたカバー200の端部が、バックライト部300の筐体320の側壁322に接着される。本実施形態では、
図16に示すように、液晶表示パネル100は、端部106をカバー200とバックライト部300の筐体320の底板321に挟み込まれて、湾曲した状態に支持される。これにより、液晶表示パネル100を、より安定して支持できる。
【0067】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、ストライプ状のカラーフィルタ、ブラックマトリクス、配向膜等が第1基板110の第1主面110aに形成され、TFT、配線、電極、配向膜等が第2基板120の第1主面120aに形成されてもよい。
【0069】
カバー200は、
図17に示すように、液晶表示パネル100の端部106を収納する溝部210を、主面200aに備えてもよい。これにより、液晶表示パネル100の端部106とカバー200の主面200aとの干渉を防ぐことができる。また、カバー200の表示側の面を自由な曲面に成形でき、液晶表示装置10の意匠性を向上させることができる。なお、
図16では、理解を容易にするために、接着層202、第2偏光板150等を省略している。
【0070】
また、液晶表示パネル100は、
図18と
図19に示すように、端部106に面取り部106aを有してもよい。これにより、液晶表示パネル100の端部106とカバー200の主面200aとの干渉を防ぐことができる。また、カバー200の表示側の面を自由な曲面に成形でき、液晶表示装置10の意匠性を向上させることができる。
図18に示すように、第2基板120のみに面取り部106aを設ける場合、第1基板110の割れ、欠けを抑制できる。
【0071】
図17~
図19に示すように、液晶表示パネル100とカバー200は、液晶表示パネル100の端部106とカバー200の主面200aとを接着する接着剤204により、接着されてもよい。接着剤204は、光硬化性接着剤であっても熱硬化性接着剤であってもよい。接着剤204が液晶表示パネル100の端部106を広く覆うことにより、湾曲した液晶表示パネル100を更に安定的に支持できる。接着剤204が液晶表示パネル100の端部106を接着し支持する構成は、この限りでない。例えば、面取り部106aと接着剤204は、液晶表示パネル100の一方の端部106のみに設けられてもよい。
【0072】
接着剤204を設ける代わりに、例えば、実施形態6(
図16)において、バックライト部300の筐体320の底板321を液晶表示パネル100の端部106に沿う形状に成形することにより、液晶表示パネル100の端部106をバックライト部300の筐体320で支持してもよい。
【0073】
カバー200は、
図20に示すように、液晶表示パネル100の表示面102と反対側に設けられて、液晶表示パネル100を湾曲した状態に支持してもよい。この場合、透光性樹脂製の保護カバー402が、液晶表示パネル100の表示面102側に設けられる。保護カバー402は、例えば、接着層302により、バックライト部300の筐体320に接着される。また、カバー200は、例えば、接着層206により、バックライト部300の筐体320の底板321に接着される。なお、
図20では、接着層202、302等のハッチングを省略している。
【0074】
液晶表示パネル100は、
図21に示すように、接着層304を介して、バックライト部300の光源部310により湾曲した状態に支持されてもよい。この場合、光源部310は、液晶表示パネル100の湾曲に整合する形状に成形されている。
【0075】
実施形態2では、湾曲面160の曲面508の曲率半径rと湾曲面160の曲面510の曲率半径sが異なっているが、曲面508の曲率半径rと曲面510の曲率半径sは同じであってもよい。また、湾曲面160は平面を有してもよい。例えば、
図22に示すように、湾曲面160は、凸面である曲面508に連続する第1平面552と、凹面である曲面510に連続する第2平面554とを有してもよい。この場合、シール部130の内周端部130aにおいて、湾曲面160は平面であるので、湾曲面160がシール部130の内周端部130aのそれぞれにおける湾曲面160の接平面162a、162bに相当する。
【0076】
実施形態5では、シール部130の内周端部130aの位置が、XZ断面ごとに異なる。XZ断面ごとに、湾曲面160の頂部164の接平面162a、162bからの高さHと、シール部130の内周端部130aの位置と、変曲点P1、P2の位置の少なくとも1つが異なってもよい。例えば、
図23に示すように、XZ断面ごとに、湾曲面160の頂部164の接平面162a、162bからの高さHとシール部130の内周端部130aの位置が、異なってもよい。また、
図24に示すように、XZ断面ごとに、変曲点P1、P2の位置とシール部130の内周端部130aの位置が、異なってもよい。
【0077】
液晶表示装置10は、2つの液晶表示パネル100を備えてもよい。2つの液晶表示パネル100は、
図25に示すように、接着層108により貼り合わされている。例えば、2つの液晶表示パネル100のうち、表示側(+Z側)に位置する液晶表示パネル100はカラー画像を表示し、表示側と反対側(-Z側)に位置する液晶表示パネル100はモノクロ画像を表示する。
【0078】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 液晶表示装置、100 液晶表示パネル、102 表示面、104 表示領域、106 端部、106a 面取り部、108,202,206,302,304 接着層、110 第1基板、110a 第1主面、110b 第2主面、112 中心線、120 第2基板、120a 第1主面、120b 第2主面、122 中心線、130 シール部、130a 内周端部、140 第1偏光板、150 第2偏光板、160,160a~160f 湾曲面、162a,162b 接平面、164 頂部、200 カバー、200a 主面、204 接着剤、210 溝部、300 バックライト部、310 光源部、320 筐体、321 底板、322 側壁、402 保護カバー、502,504,506,508,510 512,514,516 曲面、552 第1平面、554 第2平面、D1,D2 厚さの半分、H 高さ、LC 液晶、L1,L2 長さ、PX 画素、P1~P3 変曲点、r,s,t 半径、θ,φ,ω 曲率半径