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特開2023-97646不動産資料収集システム、プログラム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097646
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】不動産資料収集システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230703BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213872
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】518026291
【氏名又は名称】一般社団法人不動産売却支援ネット
(71)【出願人】
【識別番号】509060899
【氏名又は名称】藤和コーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】露木 裕良
(72)【発明者】
【氏名】森田 尚也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インターネット上で刻々と更新される不動産売買情報の一元化と集約化を図り、情報検索における煩雑な作業を軽減し、情報収集能力を向上させ、不動産取引に関する助言と意思決定のスピード化を実現する不動産資料収集システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】情報管理サーバー2は、検索条件に従ってインターネット3上を巡回して検索条件に対応する情報データを収集する情報データ収集部21と、所定のトリガー条件に合致する検索条件を選出し、情報データ収集部21による巡回を実行させ、選出された検索条件に対応する情報データを再収集させる巡回制御部21aと、再収集した情報データから抽出された再抽出データと、検索結果データベース53に蓄積された抽出データとを比較する抽出データ比較部24と、抽出データ比較部24による比較結果に基づいて再抽出データと抽出データとの差分を報知する報知部26と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を相互に接続して構築された通信ネットワーク上に分散配置された不動産関連の情報データを収集する不動産資料収集システムであって、
ユーザー操作に基づいて検索条件を設定する検索条件設定部と、
前記検索条件設定部が設定した前記検索条件に従って前記通信ネットワーク上を巡回し、前記検索条件に対応する前記情報データを収集する情報データ収集部と、
前記情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを蓄積する抽出用キーワードデータベースと、
前記抽出用キーワードデータベースを検索し、前記抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、前記情報データから、情報取得元及び前記抽出用キーワードと関連付けて、抽出する情報抽出部と、
前記検索条件と、前記情報抽出部により抽出された抽出データとを、対応付けて蓄積する検索結果蓄積部と、
所定のトリガー条件に応じて、前記トリガー条件に合致する検索条件を選出するとともに、前記情報データ収集部による巡回を実行させ、選出された前記検索条件に対応する前記情報データを再収集させる巡回制御部と、
前記再収集された情報データから抽出された再抽出データと、前記検索結果蓄積部に蓄積された抽出データとを比較する抽出データ比較部と、
前記抽出データ比較部による比較結果に基づいて、前記再抽出データと前記抽出データとの差分を報知する報知部と
を備えることを特徴とする不動産資料収集システム。
【請求項2】
前記情報データ収集部は、
前記情報データに含まれるリンク情報を解析するリンク解析部と、
解析された前記リンク情報を辿って、情報データ間を遷移することにより、情報データを収集するアクセス制御部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の不動産資料収集システム。
【請求項3】
任意に選択した情報データ、又は前記抽出データが複数ある場合における当該抽出データに含まれる情報データを比較可能に提示する情報提示部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の不動産資料収集システム。
【請求項4】
通信回線を相互に接続して構築された通信ネットワーク上に分散配置された不動産関連の情報データを収集する不動産資料収集プログラムであって、コンピューターを、
ユーザー操作に基づいて検索条件を設定する検索条件設定部と、
前記検索条件設定部が設定した前記検索条件に従って前記通信ネットワーク上を巡回し、前記検索条件に対応する前記情報データを収集する情報データ収集部と、
前記情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを蓄積する抽出用キーワードデータベースと、
前記抽出用キーワードデータベースを検索し、前記抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、前記情報データから、情報取得元及び前記抽出用キーワードと関連付けて、抽出する情報抽出部と、
前記検索条件と、前記情報抽出部により抽出された抽出データとを、対応付けて蓄積する検索結果蓄積部と、
所定のトリガー条件に応じて、前記トリガー条件に合致する検索条件を選出するとともに、前記情報データ収集部による巡回を実行させ、選出された前記検索条件に対応する前記情報データを再収集させる巡回制御部と、
前記再収集された情報データから抽出された再抽出データと、前記検索結果蓄積部に蓄積された抽出データとを比較する抽出データ比較部と、
前記抽出データ比較部による比較結果に基づいて、前記再抽出データと前記抽出データとの差分を報知する報知部
として機能させることを特徴とする不動産資料収集プログラム。
【請求項5】
前記情報データ収集部は、
前記情報データに含まれるリンク情報を解析するリンク解析部と、
解析された前記リンク情報を辿って、情報データ間を遷移することにより、情報データを収集するアクセス制御部と
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の不動産資料収集プログラム。
【請求項6】
任意に選択した情報データ、又は前記抽出データが複数ある場合における当該抽出データに含まれる情報データを比較可能に提示する情報提示部をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の不動産資料収集プログラム。
【請求項7】
通信回線を相互に接続して構築された通信ネットワーク上に分散配置された不動産関連の情報データを収集する不動産資料収集方法であって、
検索条件設定部がユーザー操作に基づいて検索条件の設定を受け付け、前記検索条件設定部が設定した前記検索条件に従って、情報データ収集部が、前記通信ネットワーク上を巡回して前記検索条件に対応する前記情報データを収集する情報データ収集ステップと、
前記情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを抽出用キーワードデータベースに蓄積するとともに、情報抽出部が、前記抽出用キーワードデータベースを検索し、前記抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、前記情報データから、情報取得元及び前記抽出用キーワードと関連付けて抽出し、前記検索条件と前記情報抽出部により抽出された抽出データとを対応付けて検索結果蓄積部に蓄積する情報抽出ステップと、
巡回制御部が、所定のトリガー条件に応じて前記トリガー条件に合致する検索条件を選出するとともに、前記情報データ収集部による巡回を実行させ、選出された前記検索条件に対応する前記情報データを再収集させる巡回制御ステップと、
抽出データ比較部が、前記再収集された情報データから抽出された再抽出データと、前記検索結果蓄積部に蓄積された抽出データとを比較するとともに、前記抽出データ比較部による比較結果に基づいて前記再抽出データと前記抽出データとの差分を報知する報知ステップと
を含むことを特徴とする不動産資料収集方法。
【請求項8】
前記情報データ収集ステップにおいて前記情報データ収集部は、
前記情報データに含まれるリンク情報を解析し、
解析された前記リンク情報を辿って、情報データ間を遷移することにより、情報データを収集する
ことを特徴とする請求項7に記載の不動産資料収集方法。
【請求項9】
任意に選択した情報データ、又は前記抽出データが複数ある場合における当該抽出データに含まれる情報データを、情報提示部が比較可能に提示する情報提示ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の不動産資料収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上に分散配置された不動産情報などの資料情報資料を収集する不動産資料収集システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不動産業は情報産業と言われており、従前より不動産会社の営業担当者等が顧客に土地、建物等の不動産物件に関する情報の検索を行うには、不動産情報を提供している複数の業者のポータルサイトを1つずつチェックしていた(特許文献1)。特に、不動産売却の情報は特定の不動産団体の独占によって個人の顧客が情報を収集しづらい状況にあった。また、民間不動産情報サイトも運営されているが、複数社に情報が分散されており、正確な情報を把握するためには数社のサイトを閲覧する必要があり、さらに検索の条件入力も各サイトによってそれぞれ異なるため、その操作が煩雑であり正確な情報を得ることが困難となっている。さらに、我国における不動産産業のIT化は諸外国の不動産業より遅れていると言われており、これが我国における資産の流動性を阻害していると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-170210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたシステムを含めて従来の情報収集方法では、不動産情報を提供している複数の業者のポータルサイトを人力で検索するものである一方で、不動産情報は刻々と更新されることから、検索するタイミングによっては検索し損なう場合があり、所望する物件が見つからないときやより条件に合った情報を探すためには、数時間程度経過した後に再度同様の操作を繰り返して検索し直す必要があった。
【0005】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、インターネット上に複数分散配置され刻々と更新される不動産売買情報の一元化と集約化を図り、煩雑な情報検索における煩雑な作業を軽減し、情報収集能力を向上させ、売買に際しての助言、意思決定のスピード化を実現できる不動産資料収集システム、プログラム及び方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、通信回線を相互に接続して構築された通信ネットワーク上に分散配置された不動産関連の情報データを収集する不動産資料収集システムであって、ユーザー操作に基づいて検索条件を設定する検索条件設定部と、検索条件設定部が設定した検索条件に従って通信ネットワーク上を巡回し、検索条件に対応する情報データを収集する情報データ収集部と、情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを蓄積する抽出用キーワードデータベースと、抽出用キーワードデータベースを検索し、抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、情報データから、情報取得元及び抽出用キーワードと関連付けて、抽出する情報抽出部と、検索条件と、情報抽出部により抽出された抽出データとを、対応付けて蓄積する検索結果蓄積部と、所定のトリガー条件に応じて、トリガー条件に合致する検索条件を選出するとともに、情報データ収集部による巡回を実行させ、選出された検索条件に対応する情報データを再収集させる巡回制御部と、再収集された情報データから抽出された再抽出データと、検索結果蓄積部に蓄積された抽出データとを比較する抽出データ比較部と、抽出データ比較部による比較結果に基づいて、再抽出データと抽出データとの差分を報知する報知部とを備える。
【0007】
また、本発明は、通信回線を相互に接続して構築された通信ネットワーク上に分散配置された不動産関連の情報データを収集する不動産資料収集方法であって、
(1)検索条件設定部がユーザー操作に基づいて検索条件の設定を受け付け、情報データ収集部が検索条件設定部が設定した検索条件に従って通信ネットワーク上を巡回し、検索条件に対応する情報データを収集する情報データ収集ステップと、
(2)情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを抽出用キーワードデータベースに蓄積するとともに、情報抽出部が、抽出用キーワードデータベースを検索し、抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、情報データから、情報取得元及び抽出用キーワードと関連付けて抽出し、検索条件と情報抽出部により抽出された抽出データとを対応付けて検索結果蓄積部に蓄積する情報抽出ステップと、
(3)巡回制御部が、所定のトリガー条件に応じてトリガー条件に合致する検索条件を選出するとともに、情報データ収集部による巡回を実行させ、選出された検索条件に対応する情報データを再収集させる巡回制御ステップと、
(4)抽出データ比較部が、再収集された情報データから抽出された再抽出データと、検索結果蓄積部に蓄積された抽出データとを比較するとともに、抽出データ比較部による比較結果に基づいて再抽出データと抽出データとの差分を報知する報知ステップと
を含む。
【0008】
上記発明において、情報データ収集部は、情報データに含まれるリンク情報を解析するリンク解析部と、解析されたリンク情報を辿って、情報データ間を遷移することにより、情報データを収集するアクセス制御部とを備えていることが好ましい。
【0009】
上記発明において、任意に選択した情報データ、又は抽出データが複数ある場合における当該抽出データに含まれる情報データを比較可能に提示する情報提示部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
なお、上述した本発明に係る不動産資料収集システムや不動産資料収集方法は、所定の言語で記述された本発明の不動産資料収集プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0011】
なお、本発明の不動産資料収集プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、インターネット等の通信ネットワークを通じて配信されている不動産情報を自動的に収集することができるとともに、刻々と更新される不動産情報を自動的に巡回して新たな情報が出現したときには、ポップアップ等により報知されることから、所望する物件情報に容易にアクセスすることができ、再度同様の操作を繰り返して検索し直す作業を省略することができる。この結果、本実施形態によれば、インターネット上において刻々と更新される不動産売買情報の一元化と集約化を図り、煩雑な情報検索における煩雑な作業を軽減し、情報収集能力を向上させ、売買に際しての助言、意思決定のスピード化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る不動産資料収集システムの概略構成を示す説明図である。
図2】実施形態に係る情報管理サーバー2の内部構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る不動産資料収集システムの動作を示すフロー図である。
図4】実施形態に係る不動産資料収集システムにおける巡回・報知処理の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(不動産資料収集システムの構成)
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る不動産資料収集システムの概略構成を示す説明図である。
【0015】
同図に示すように、本実施形態に係る不動産資料収集システムは、ユーザーが使用する端末装置1aと、インターネット3と、インターネット3上に分散配置されたWebサーバー41~43と、インターネット3を通じて端末装置1aがアクセス可能な情報管理サーバー2とを備えている。なお、本実施形態では、インターネット3上において配信されている情報データは、不動産売買に関する情報を含むHTMLファイル等である。
【0016】
端末装置1aは、CPU等の演算処理ユニットや通信デバイスを備えた装置であり、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機が含まれる。
【0017】
インターネット3は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0018】
Webサーバー41~43は、例えば不動産取扱業者が運用する配信サーバーであり、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行う通信サーバー或いはその機能を持ったソフトウェアにより実現され、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、端末装置1aで実行されるWebブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネット3を通じて不動産情報の配信などの情報提供サービスを行う。
【0019】
情報管理サーバー2も、Webサーバー41~43と同様に、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像・動画ファイル、音楽・音響ファイルなどの情報送信を行う通信サーバー或いはその機能を持ったソフトウェアである。また、情報管理サーバー2は、インターネット3上を巡回ロボットにより巡回し、Webサーバー41~43等から不動産情報を収集し、不動産情報の検索サービスを提供する機能を備えている。図2(a)は、情報管理サーバー2の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
具体的に、情報管理サーバー2は、通信系のモジュールであるデータ送受部22と、データ収集系のモジュールである情報データ収集部21とを備えている。
データ送受部22は、インターネット3に接続され、インターネット3を通じてIPパケットの送受を行う通信デバイスである。このデータ送受部22は、巡回制御部21aにより特定されたWebサーバー41~43などのアドレス(URLやIPアドレス)にアクセスし、HTMLファイル等をダウンロードし、情報データ収集部21に出力する。また、データ送受部22は、情報提示部27を通じて利用者1が使用する端末装置1aに対して情報の送受信を行う。
【0021】
情報データ収集部21は、データ送受部22を通じてインターネット3上に分散配置されたHTML等の情報データを収集するモジュールであり、検索条件設定部28から受け渡された検索条件に基づいて、インターネット3を巡回して所定の情報データを収集する。この情報データ収集部21は、リンク解析部21bと、タグ解析部21cとを備え、巡回制御部21a、検索条件設定部28及びアドレスデータベース51と接続され、インターネット3上を巡回して各情報にアクセスするようになっている。
【0022】
タグ解析部21cは、情報データであるHTML中のタグ(マークアップ)を解析し、情報データ中のテキストを属性(リンクアンカーや入力フォーム、テーブル等)毎に分類し、キーワード検索部23及びリンク解析部21bに出力するモジュールである。
【0023】
リンク解析部21bは、タグ解析部21cにより解析されたリンク情報、すなわちHTMLタグに含まれる”リンクアンカー”を解析し、関連する情報データのアドレスを収集し、アドレスデータベース51に蓄積させるモジュールである。
【0024】
巡回制御部21aは、所定のトリガー条件に応じて、トリガー条件に合致する検索条件をキーワード検索部23に選出させるとともに、情報データ収集部21に巡回処理を実行させ、選出された検索条件に対応する情報データを再収集させるモジュールである。その際、巡回制御部21aは、リンク解析部21bにより解析されアドレスデータベース51に蓄積されたリンク情報を読み出し、読み出されたリンク先をデータ送受部22に出力し、データ送受部22により、リンクを辿って情報データ間を遷移させて、情報データを収集させる。
【0025】
検索条件設定部28は、ユーザー操作に基づいて検索条件を設定するモジュールである。具体的には、利用者が入居を希望する物件の条件を入力すると、その入力された条件が検索条件として情報データ収集部21に受け渡されるとともに、報知用データベース54に蓄積される。この検索条件設定部28から受け渡された検索条件に基づいて、情報データ収集部21は、インターネット3を巡回して所定の情報データを収集する。また、検索条件設定部28は、検索条件の一部として、巡回制御を行う際のトリガー条件の設定も行えるようになっている。例えば、所望の物件が見つからなかった場合に、毎日所定の日時を設定して巡回を実行し、新たな情報が見つかったときの報知方法(ポップアップ、メール配信等)などを設定することができる。
【0026】
また、情報管理サーバー2には、報知処理系のモジュールであるキーワード検索部23と、抽出データ比較部24と、情報抽出部25と、報知部26とを備えている。
【0027】
キーワード検索部23は、情報抽出部25の要求に応じて、情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードを蓄積する抽出用キーワードデータベース52を検索し、検索結果を情報抽出部25に出力するモジュールである。この抽出用キーワードは、情報データ中のタグ(文書レイアウトやテーブル、リスト等)により画定されるテキスト中に含まれる文字列を抽出するためのものであり、本実施形態では、不動産情報を抽出するキーワードとして、”不動産”や”所在地”、”間取り”等である。なお、このキーワードとしては、例えば地名を識別するためのコードであってもよい。
【0028】
また、キーワード検索部23には、例えば、キーワード検索のために入力された文字列の履歴をユーザー毎に記憶する入力履歴機能を設けてもよい。この入力履歴機能によれば、例えば、ユーザーが頻繁に入力する文字列を履歴の中から抽出して、入力用のテキストボックス(コンボボックス)等に表示し、選択操作によって入力可能とすることにより、ユーザーによる入力作業の支援を実現することができる。また、例えば、ユーザー毎の履歴を複数のユーザー間で共有できるようにしてもよい。この場合には、多数のユーザーが一般的に用いる検索文字列を優先的に表示し、選択入力させることができ、検索操作が不慣れなユーザーであっても、容易に情報検索を行うことができる。
【0029】
情報抽出部25は、情報データから所定の情報を情報取得元及び上記キーワードと関連付けて抽出し、抽出した情報を検索結果データベース53に蓄積するモジュールである。例えば、Webサーバー41から取得した情報データから得られた情報について、各項目及び各内容を対応付けて、以下のようなテーブルデータとして検索結果データベース53に蓄積する。
【表1】
【0030】
抽出データ比較部24は、再収集された情報データから抽出された再抽出データと、検索結果データベース53に蓄積された抽出データとを比較し、比較結果を報知部26に受け渡すモジュールである。報知部26は、抽出データ比較部24による比較結果に基づいて、再抽出データと抽出データとの差分を報知するモジュールである。本実施形態では、前回の検索で収集された検索結果に含まれていない物件が、再抽出データの中に含まれている場合に、新規情報が検出されたとして報知する。
【0031】
(不動産資料収集方法)
以上の構成を有する不動産資料収集システムを動作させることによって、本発明の不動産資料収集方法を実施することができる。図3及び図4は、本実施形態に係る不動産資料収集システムの動作を示すシーケンス図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0032】
先ず、情報データ収集ステップ(S101~S103)を行う。具体的に、この情報データ収集ステップでは、検索条件設定部28がユーザー操作に基づいて検索条件の設定を受け付けるとともに、巡回処理の条件であるトリガー条件の設定を受け付ける(S101)。そして、この設定された検索条件に従って、検索条件設定部28が設定した検索条件に従って情報データ収集部21がインターネット3上を巡回して、検索条件に対応する情報データを収集する(S102及びS103)。具体的には、インターネット3上を巡回することによって、例えば不動産情報が掲載されたWebページのHTMLデータをダウンロードするなどして収集する。
【0033】
次いで、収集された情報データに対して情報抽出ステップ(S104~S106)を実行する。この情報抽出ステップでは、情報データから所定の情報を抽出するための抽出用キーワードが抽出用キーワードデータベース52に蓄積されており、情報抽出部25が、抽出用キーワードデータベース52を検索し、抽出用キーワードに対応するデータを抽出データとして、情報データから、情報取得元及び抽出用キーワードと関連付けて抽出する。このとき、収集された情報データについて、タグ解析部21cによるタグ解析及びキーワード検索により情報抽出を行い、抽出された不動産情報は、検索結果データベース53に蓄積される。
【0034】
具体的には、ダウンロードされたWebページ内に含まれるタグを解析し(S104)、不動産情報を切り出す。この切り出された不動産情報は、賃貸物件や分譲物件に関する項目が含まれているが、各項目のキーワードを検索して(S105)、項目毎にその属性を付与して分類する。また、切り出された情報は、レイアウトや項目の配置が統一されていないため、所定形式のテンプレートに変換(項目のソート、タイトルの統一など)を行い、抽出データとして検索条件と対応付けて検索結果データベース53に蓄積する。
【0035】
このようにして収集され抽出された情報データを用いて提示情報を生成する(S107)。具体的には、収集された不動産情報は、各項目毎のデータを所定のテンプレートに流し込んで、Web上で閲覧できるデータ形式に変換したうえで、インターネット3上に閲覧可能に公開され、アクセス権限を有するユーザーによる閲覧が可能となる(S108)。利用者1は、端末装置1aより情報管理サーバー2に対してアクセスすることにより閲覧することができる。このとき、任意に選択した情報データ、又は抽出データが複数ある場合には、当該抽出データに含まれる情報データ同士を比較可能に提示する。
【0036】
次いで、必要に応じて巡回制御ステップを実行する(S109及びS110)。本実施形態では、上述した情報データ収集ステップ(S101~S103)で必要な情報が見つからなかった場合に、必要な情報が新たに出てくるまで定期的にインターネット上を巡回して情報が更新されるのを監視する。具体的には、報知処理が必要であるか否かを判断し(S109)、必要であれば(S109における「Y」)、巡回・報知処理を実行する(S110)。必要がなければ(S109における「N」)、巡回・報知処理を実行することなく終了する(S111)。
【0037】
巡回・報知処理では、図4に示すように、先ず、トリガー条件を参照する。このトリガー条件としては、ステップS101で入力され設定されたものを用いるか、この時点で改めて入力・設定を受け付けるようにしてもよい。具体的にこのトリガー条件としては、巡回処理を実行する日時や時間帯、報知のタイミングや方法などが含まれる。そして、トリガー条件が満たされているか否かに応じて巡回・報知処理を実行するか否かを判断する(S202)。例えば、巡回を実行する日時が設定されている場合に、その日時が到来したか否かを判断し、その日時が到来したときに(S202における「Y」)、トリガー条件が満たされたとして巡回・報知処理を実行する。その日時が到来していなければ(S202における「N」)、ループ処理によりその時刻が到来するまで待機状態となる。
【0038】
ステップS202において、トリガー条件が満たされたと判断された場合には、巡回制御を実行する(S203,S204)。具体的には、巡回制御部21aが、所定のトリガー条件に応じてトリガー条件に合致する検索条件を報知用データベース54から選出するとともに、情報データ収集部21による巡回を実行させ、選出された検索条件に対応する情報データを再収集させる(S205)。この巡回処理では、情報データに含まれるリンク情報を解析し、解析されたリンク情報を辿って情報データ間を遷移することにより、情報データを収集する。
【0039】
そして、情報抽出部25が、この再収集された情報データから必要な情報を再抽出データとして抽出する(S206)。その後、抽出データ比較部24により、再抽出データと、前回の検索により検索結果データベース53に蓄積された抽出データとを比較する(S207)とともに、この抽出データ比較部24による比較結果に基づいて差分情報の有無を判断する(S208)。
【0040】
ステップS208において差分情報が見つからなかった場合には(S208における「N」)、ステップS201に戻りステップS202以降の処理を繰り返す。一方、ステップS208において差分情報が見つかった場合には(S208における「Y」)、ステップS209に進み、再抽出データと抽出データとの差分を報知する報知ステップ(S209及びS210)を実行する。
【0041】
具体的にステップS209では、再抽出データと抽出データとの差分、すなわち前回の巡回後にインターネット上に出現し新たに検出された物件情報を表示するための提示情報を生成する。このとき、任意に選択した情報データ、又は抽出データが複数ある場合には、当該抽出データに含まれる情報データ同士を比較可能に提示する。そして、この生成された提示情報をユーザーに対して報知する処理を実行する(S210)。この報知処理としては、検索条件設定部28に設定された報知方法、例えばユーザーが使用しているPCやスマートフォンの画面に所定のメッセージをポップアップさせたり、所定の送信先にメールを配信するなどが行われる。
【0042】
以上の巡回・報知処理の後、この報知処理を終了するか否かについて判断する(S111)。例えば、ユーザーによる終了操作などがあれば、報知処理の待機状態を解除して不動産資料収集サービスを終了し(S111における「Y」)、継続する場合には(S111における「N」)、ループ処理によりステップS109に戻り、報知処理の必要に応じて再度巡回を継続する。
【0043】
(不動産資料収集システム及び不動産資料収集方法による作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る不動産資料収集システム及び不動産資料収集方法によれば、先ず、巡回ロボットにより、自動的にインターネット3上の情報データを収集するため、再度同様の操作を繰り返して検索し直す作業を省略することができる。
【0044】
これにより、本実施形態によれば、インターネット3を通じて配信されている不動産情報を自動的に収集することができるとともに、刻々と更新される不動産情報を自動的に巡回して新たな情報が出現したときには、ポップアップ等により報知されることから、所望する物件情報に容易にアクセスすることができ、インターネット上において刻々と更新される不動産売買情報の一元化と集約化を図り、煩雑な情報検索における煩雑な作業を軽減し、情報収集能力を向上させ、売買に際しての助言、意思決定のスピード化を実現できる。
【0045】
なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…利用者
1a…端末装置
2…情報管理サーバー
3…インターネット
21…情報データ収集部
21a…巡回制御部
21b…リンク解析部
21c…タグ解析部
22…データ送受部
23…キーワード検索部
24…抽出データ比較部
25…情報抽出部
26…報知部
27…情報提示部
28…検索条件設定部
41~43…Webサーバー
51…アドレスデータベース
52…抽出用キーワードデータベース
53…検索結果データベース
54…報知用データベース
図1
図2
図3
図4