(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097663
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】電子棚札
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20230703BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20230703BHJP
G09F 7/00 20060101ALI20230703BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A47F5/00 E
G09F19/00 Z
G09F7/00 Z
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213893
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】596116846
【氏名又は名称】濱田プレス工藝株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】濱田 恵
(72)【発明者】
【氏名】大鉢 忠
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 裕治
(72)【発明者】
【氏名】藤原 真治
(72)【発明者】
【氏名】▲すぎ▼原 政人
【テーマコード(参考)】
3B118
3E142
【Fターム(参考)】
3B118FA11
3E142DA08
3E142GA20
3E142HA03
3E142HA14
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成で商品の価格以外の各種の情報を表示することができる、電子棚札を提供する。
【解決手段】 表示パネル(14)に商品画像38を含む動画映像40を表示する。動画映像40では、商品画像38の近傍に、アイキャッチャ画像42が表示される。一定時間動画映像を再生した後、暗転画面44をごく短時間表示し、その後、表示パネルの表示映像を静止画映像48として、その中で商品画像38が示す商品の価格を示す価格画像46を表示する。価格画像や付加情報を時分割的に表示するので、簡単な構成で、各種の情報を表示することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、
前記動画情報を一定時間表示させ、続いて短時間表示画面全面を暗転させた後、暗転を解いて販売価格を表示させる表示形態を繰り返すことを特徴とした、電子棚札。
【請求項2】
商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で表示画面の異なった場所に同時に表示される、請求項1記載の電子棚札。
【請求項3】
商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で表示画面の同一場所にサイクリックに表示される請求項1記載の電子棚札。
【請求項4】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、動画情報を一定時間表示させた後、表示画面全面を暗転させ、その暗転画面に販売価格を表示させる表示形態を繰り返すことを特徴とした、電子棚札。
【請求項5】
商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で暗転画面の異なった場所に同時に表示される、請求項4記載の電子棚札。
【請求項6】
商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で暗転画面の同一場所にサイクリックに表示される請求項4記載の電子棚札。
【請求項7】
商品の販売価格は暗転画面の一端から小さな文字で現れ、順次その販売価格の文字が表示画面の中央に向かって大きく変化する、請求項4記載の電子棚札。
【請求項8】
商品の販売価格は暗転画面上で一定時間回転文字にて表示された後、その回転が停止して静止文字で表示される、請求項4記載の電子棚札。
【請求項9】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、表示画面上に動画情報を表示させつつ、販売価格をもその表示画面上に表示させることを特徴とした、電子棚札。
【請求項10】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、始めは表示画面上に動画情報のみが表示されており、その動画情報が薄れてゆくに合わせて販売価格が次第に濃く表示されてゆき、最終的には販売価格のみが表示画面上に表示される、請求項10記載の電子棚札。
【請求項11】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、販売価格は画面の右端から出現し、順次左方向に移動しつつ左端に消失する表示形態を繰り返えす、請求項9記載の電子棚札。
【請求項12】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、その表示画面の一部に当該商品とは異なった商品や催しものの広告表示を行う、請求項9記載の電子棚札。
【請求項13】
商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、販売価格と動画情報とを表示している状況においてイベント情報を割り込み表示する、請求項9記載の電子棚札。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子棚札に関し、特にたとえば、商品画像の価格画像表示を含む種々情報をディジタル的に表示することができる、電子棚札に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部装置から商品画像の販売価格画像および当該販売価格画像に付加して表示すべき付加情報の表示制御を行うための表示制御データを受信すると共に販売価格画像を表示する電子値札装置を、着脱自在に装着する値札装置装着部と、電子値札装置と通信するためのインターフェース部と、付加情報を表示する付加情報表示部と、インターフェース部を介して取得した表示制御データに基づいて、付加情報を付加情報表示部に表示させる付加情報表示制御手段とを備えた、電子POP装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の背景技術によれば、商品画像価格画像以外の付加情報を表示することができるが、付加情報表示部を電子値札装置とは別に設ける必要があり、構造が複雑であるとともに、電子値札装置の装着が面倒であり、あるいは誤装着の可能性もある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、電子棚札を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、簡単な構成で価格以外の各種の情報を表示することができる、電子棚札を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の実施例は、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、動画情報を一定時間表示させ、続いて短時間表示画面全面を暗転させた後、暗転を解いて販売価格を表示させる表示形態を繰り返すことを特徴とする、電子棚札である。
【0009】
第1の実施例では、商品電子棚札(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同様。)は、表示パネル(14)のような表示手段およびたとえばコンピュータ(18)のような制御手段を有し、制御手段は、たとえば外部記憶媒体接続部(22)または通信部(24)を通して取得する画像データに従って、たとえば
図4に示すように、商品に関するたとえば宣伝、広告となる動画映像(40)を表示した後、暗転画面(44)を挟んで、価格画像(46)を表示する。
【0010】
第1の実施例によれば、1つの表示パネルで、商品の価格画像と付加情報画像を時分割的に表示することができる。
【0011】
第2の実施例は、第1の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で表示画面の異なった場所に同時に表示される。
【0012】
第2の実施例では、たとえば
図5または
図6に示すように、邦貨(円)および外貨(たとえば米ドル)のような異なる通貨を価格画像(46)として表示する。
【0013】
第2の実施例によれば、複数通貨で価格画像を表示するので、通貨間での換算の必要がなく、便利である。
【0014】
第3の実施例は、第1の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で表示画面の同一場所にサイクリックに表示される。
【0015】
第3の実施例では、たとえば
図7に示すように、価格画像(46)として、異なる通貨を表示画面の同一場所にサイクリック(循環的に)に表示する。
【0016】
第3の実施例によれば、異なる通貨を表示画面の同一場所にサイクリックに表示するので、看者に対する視覚効果を一層高めることができる。
【0017】
第4の実施例は、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、動画情報を一定時間表示させた後、表示画面全面を暗転させ、その暗転画面に販売価格を表示させる表示形態を繰り返すことを特徴とする、電子棚札である。
【0018】
第4の実施例では、商品電子棚札(10)は、表示パネル(14)のような表示手段およびたとえばコンピュータ(18)のような制御手段を有し、制御手段は、たとえば外部記憶媒体接続部(22)または通信部(24)を通して取得する画像データに従って、たとえば
図9‐
図13に示すように、商品に関するたとえば宣伝、広告となる動画映像(40)を表示した後、暗転画面(44)を表示し、その暗転画面(44)の中で価格画像(46)を表示する。
【0019】
第4の実施例によれば、1つの表示パネルで、商品の価格画像と付加情報画像を時分割的に表示することができる。
【0020】
第5の実施例は、第4の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で暗転画面の異なった場所に同時に表示される。
【0021】
第5の実施例では、たとえば
図9に示すように、邦貨(円)および外貨(たとえば米ドル)のような異なる通貨を価格画像(46)として表示する。
【0022】
第5の実施例によれば、複数通貨で価格画像を表示するので、通貨間での換算の必要がなく、邦貨が理解できない海外からの旅行者に対しても販売促進が可能となる。
【0023】
第6の実施例は、第4の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格はその商品の販売時点の換算レートに従って換算された異なる通貨で暗転画面の同一場所にサイクリックに表示される。
【0024】
第6の実施例では、たとえば
図10に示すように、暗転画面(44)中で、価格画像(46)として、異なる通貨を表示画面の同一場所にサイクリックに表示する。
【0025】
第6の実施例によれば、異なる通貨を表示画面の同一場所にサイクリックに表示するので、看者に対する視覚効果を一層高めることができる。
【0026】
第7の実施例は、第4の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格は暗転画面の一端から小さな文字で現れ、順次その販売価格の文字が表示画面の中央に向かって大きく変化する。
【0027】
第7の実施例では、たとえば
図11に示すように、価格画像46の表示は、たとえば暗転画面44の下部から出現し、表示サイズが段々大きくなり、最後に、画面中央に大きく表示される。
【0028】
第7の実施例によれば、価格画像が表示サイズを段々大きくして表示されるので、看者に対する視覚効果を高めることができる。
【0029】
第8の実施例は、第4の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格は暗転画面上で一定時間回転文字にて表示された後、その回転が停止して静止文字で表示される。
【0030】
第8の実施例では、たとえば
図12に示すように、価格画像(46)が回転しながら暗転画面(44)中に出現され、最終的に回転が停止し、暗転画面(44)の中央で正面に静止文字で表示される。
【0031】
第8の実施例によれば、価格画像が「回転する」という特異な態様で出現するので、看者の注目を一層強く引き付けることができる。
【0032】
第9の実施例は、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、表示画面上に動画情報を表示させつつ、販売価格をもその表示画面上に表示させることを特徴とする、電子棚札である。
【0033】
第9の実施例では、商品電子棚札(10)は、表示パネル(14)のような表示手段およびたとえばコンピュータ(18)のような制御手段を有し、制御手段は、たとえば外部記憶媒体接続部(22)または通信部(24)を通して取得する画像データに従って、たとえば
図14に示すように、商品に関するたとえば宣伝、広告となる動画映像(40)を表示した後、その動画映像(40)の中で価格画像(46)を表示する。
【0034】
第9の実施例によれば、1つの表示パネルで、商品の価格画像と付加情報画像を時分割的に表示することができる。
【0035】
第10の実施例は、第9の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、始めは表示画面上に動画情報のみが表示されており、その動画情報が薄れてゆくに合わせて販売価格が次第に濃く表示されてゆき、最終的には販売価格のみが表示画面上に表示される。
【0036】
第10の実施例では、たとえば
図16に示すように、価格画像(46)は動画映像(40)の中で表示されるが、その動画映像(40)全体の濃度(コントラスト)が、段々薄くなっていく一方で、価格画像(46)だけが段々濃くなっていくという、画面効果が施される。
【0037】
第10の実施例によれば、でも、価格を動画映像の中で表示し続け、価格画像だけが段々濃く明瞭になるので、強い訴求効果を期待することができる。
【0038】
第11の実施例は、第9の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、販売価格は画面の右端から出現し、順次左方向に移動しつつ左端に消失する表示形態を繰り返えす。
【0039】
第11の実施例では、たとえば
図17に示すように、動画映像(40)のたとえば画面下部の右端から価格画像が出現してきてその価格画像が順次左方向に移動し画面左端から消失し、あたかも水平方向に移動しているかのように、表示される。
【0040】
第11の実施例によれば、販売価格は画面の右端から出現し、順次左方向に移動しつつ左端に消失する表示形態を繰り返えすので、看者に対して強い印象を与える。
【0041】
第12の実施例は、第9の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、その表示画面の一部に当該商品とは異なった商品や催しものの広告表示を行う。
【0042】
第12の実施例では、たとえば
図21‐
図23に示すように、動画映像(40)では、商品画像(38)とは別に、宣伝や広告ための紹介文や画像を含む画像(紹介画像)(52)がたとえば画面右下に表示される。
【0043】
第12の実施例によれば、たとえば動画映像の余白部分を商品以外の商品の広告媒体として活用し、当該商品以外の商品の販売促進に役立てることができる。
【0044】
第13の実施例は、第9の実施例に従属する電子棚札であって、商品の販売価格とその商品に関連する動画情報とを単一の表示画面で表示する電子棚札であって、販売価格と動画情報とを表示している状況においてイベント情報を割り込み表示する。
【0045】
第13の実施例では、たとえば
図24‐
図26に示すように、動画映像(40)を表示している途中に発生したイベントに応答して、動画映像または暗転画面もしくは静止画映像の途中で割り込む画像(割込み画像)(54)を表示する。たとえば、コンピュータ(18)は、動画映像(40)40を表示しているときにも、たとえば通信部(24)を介して受信した受信データがイベントの発生を知らせるものではないか、常に判断している。もし、受信データがイベントの発生を知らせるものであると判断したとき、コンピュータ(18)は、動画再生を中断して、そのイベント情報を割込み画像(54)として表示する。イベント情報がたとえば地震の発生を速報するものであるのとき、割込み画像は地震速報となる。
【0046】
第13の実施例によれば、この割込み画像を表示することによって、看者に対してイベント情報を効果的に報知または告知することができる。
【発明の効果】
【0047】
この発明によれば、価格や付加情報を時分割的に表示するので、簡単な構成で、1つの表示パネルに価格以外の各種の情報を表示することができる。
【0048】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1はこの発明の一実施例の電子棚札を示す図解図である。
【
図2】
図2は
図1実施例の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は実施例の電子棚札での第1表示例を示す図解図である。
【
図5】
図5は実施例の電子棚札での第2表示例を示す図解図である。
【
図6】
図6は実施例の電子棚札での第3表示例を示す図解図である。
【
図7】
図7は実施例の電子棚札での第4表示例を示す図解図である。
【
図8】
図8は実施例の電子棚札での第5表示例を示す図解図である。
【
図9】
図9は実施例の電子棚札での第6表示例を示す図解図である。
【
図10】
図10は実施例の電子棚札での第7表示例を示す図解図である。
【
図11】
図11は実施例の電子棚札での第8表示例を示す図解図である。
【
図12】
図12は実施例の電子棚札での第9表示例を示す図解図である。
【
図13】
図13は実施例の電子棚札での第10表示例を示す図解図である。
【
図14】
図14は実施例の電子棚札での第11表示例を示す図解図である。
【
図15】
図15は実施例の電子棚札での第12表示例を示す図解図である。
【
図16】
図16は実施例の電子棚札での第13表示例を示す図解図である。
【
図17】
図17は実施例の電子棚札での第14表示例を示す図解図である。
【
図18】
図18は実施例の電子棚札での第15表示例を示す図解図である。
【
図19】
図19は実施例の電子棚札での第16表示例を示す図解図である。
【
図20】
図20は実施例の電子棚札での第17表示例を示す図解図である。
【
図21】
図21は実施例の電子棚札での第18表示例を示す図解図である。
【
図22】
図22は実施例の電子棚札での第19表示例を示す図解図である。
【
図23】
図23は実施例の電子棚札での第20表示例を示す図解図である。
【
図24】
図24は実施例の電子棚札での第21表示例を示す図解図である。
【
図25】
図25は実施例の電子棚札での第22表示例を示す図解図である。
【
図26】
図26は実施例の電子棚札での第23表示例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照して、この発明の一実施例の電子棚札10は、たとえばプラスチックで成形した筐体12を含み、この筐体12の前面凹部にたとえば液晶または有機ELなどの表示パネル14が設けられる。表示パネル14は、筐体12内に収納される、たとえば
図2に示すような電気回路に接続されている。筐体12の前面の表示パネル14の下方には、必要に応じてこの電子棚札10の電源をオン、オフできる手動操作可能な電源ボタン16が設けられる。
【0051】
図2に示すように、電子棚札10は、上述の表示パネル14および電源ボタン16の他、コンピュータ18を含む。コンピュータ18は、CPUまたはプロセサとRAMやROMを含む主記憶部20を含む。
【0052】
その他に、電子棚札10は、外部記憶媒体接続部22を備える。外部記憶装置がたとえばUSBメモリである場合、この接続部22はUSBポートである。
【0053】
通信部24は、有線通信または無線通信によって、たとえばインターネットやイントラネット、LANのようなネットワーク26を通して外部装置、たとえばサーバ(図示せず)などと通信することができる。さらに、通信部24は、必要に応じて、たとえば近距離通信(NFC)機能を備えていてもよい。
【0054】
これらの各コンポーネントは、共通のバス27で連結されている。
【0055】
図3に示すように、主記憶部20に含まれるRAMには、プログラム記憶領域28及びデータ記憶領域30を含み、プログラム記憶領域28は、表示制御プログラム32および通信プログラム34等の電子棚札10の制御に必要な各プログラムが記憶されている。
【0056】
表示制御プログラム32は、データ記憶領域30の表示画像部領域36に記憶された表示画像データに従って、上記表示パネル14に各種の画像ないし映像を表示するためのプログラムである。この実施例では、表示パネル14に表示される画像ないし映像は、表示画像部領域36に記憶された表示画像データに基づくものであるが、緊急事態等の何らかのイベントの発生に応じて、割込み画像が表示されることがある。
【0057】
通信プログラム34は、通信部24が外部記憶媒体接続部22に接続された外部記憶媒体(図示せず)との間や前述のネットワーク26を介して、たとえばサーバのような外部装置との間の通信(データ授受)を制御するためのプログラムである。
【0058】
したがって、電子棚札10では、通信部24で受信した表示画像データを表示画像データ領域36記憶し、その表示画像データに従って、表示パネル14に画像または映像を表示する。
【0059】
【0060】
図4の表示例では、
図4(A)に示すように、表示パネル14に商品を示す画像(商品画像)38を含む動画映像40が表示される。動画映像40では、商品画像38の近傍に、
図4(B)と合わせてたとえば「今季」「最後の」のような文字が刺激的な図形で囲まれた、アイキャッチャを示す画像(アイキャッチャ画像)42が表示される。なお、
図4では、商品画像38として表示した野球帽の向きを
図4(A)と
図4(B)とで違えて描くことで、動画映像40を表現している。以下の図面において動画映像であることを表現する場合、同様の手法を用いる。
【0061】
そして、この表示例では、一定時間動画映像を再生した後、
図4(C)に示す暗転画面44をたとえば1秒以下のようなごく短時間表示した後、
図4(D)に示すように、表示パネルの表示映像を静止画48として、その中で商品画像38が示す商品の価格を示す画像(価格画像)46を表示する。なお、
図4の説明では価格画像46を表示するバック(背景画像)は静止画映像48としたが、必ずしも静止画48でなくても動画映像40のままであっても構わない。
【0062】
この
図4の表示例によれば、商品画像38に関する宣伝、広告となる動画映像40を表示した後、暗転画面44を挟んで、静止画映像48の中で価格画像46を表示する。つまり、1つの表示パネル14で、商品の価格画像46と付加情報画像を時分割的に表示することができるため、値札表示部と付加情報表示部とを別々に設ける必要がない。さらに、商品画像に関する宣伝、広告としての動画映像40を看者に見せた後に、同じ表示パネルで当該商品の価格画像を表示することになるので、看者に強い訴求効果を発揮する。
【0063】
動画映像40を表示した後の
図4(D)での価格画像46は、
図5に示すように、必要に応じて、邦貨(円)での価格に加えて販売時点の為替レートに応じて換算された外貨(たとえば、米ドル)での価格を同時に表示するように変更してもよい。ただし、
図5以降の表示例も含めて、外貨の種類は任意に設定可能である。
【0064】
また、
図5での価格画像46は、
図6に示す表示に変更されてもよい。
図6では、邦貨(円)での価格と外貨(たとえば、米ドル)での価格を商品画像38の上下に同時に表示する。この
図5およびそれ以降の実施例のように、複数通貨で価格画像(46)を表示するので、通貨間での換算の必要がなく、邦貨が理解できない海外からの旅行者に対しても販売促進が可能となる。
【0065】
さらに、
図6の表示例は、
図7に示す表示に変更されてもよい。
図7では、邦貨(円)での価格画像と外貨(たとえば、米ドル)での価格画像を、商品画像38の下で、交互に表示する。つまり、異なる通貨での価格画像46が画面の同一場所にサイクリックに表示されるので、看者に対する視覚効果を一層高めることができる。
【0066】
図5での価格画像46は、さらに、
図8に示す表示に変更されてもよい。
図8では、邦貨(円)での価格画像と外貨(たとえば、米ドル)での価格画像を商品画像38の上下において交互に表示する。
【0067】
図5‐
図8のように価格画像38の表示方法が変更されても、
図4の実施例と同様に、動画映像40を表示した後、暗転画面44を挟んで、1つの表示パネル14で、商品の価格画像46と付加情報画像を時分割的に表示することの利点は失われない。
【0068】
また、動画映像40を表示した後での価格画像46の表示は、
図9に示すように、暗転画面44中において表示されてもよい。この場合も、
図5の表示例と同じように、邦貨(円)での価格画像と外貨(たとえば、米ドル)での価格画像を同時に表示するようにしてもよい。
【0069】
また、
図9の価格画像46の表示は、
図10に示すように変更されてもよい。
図10では、邦貨(円)での価格画像と外貨(たとえば、米ドル)での価格画像を交互に表示する。つまり、異なる通貨での価格画像46が画面の同一場所にサイクリックに表示されるので、看者に対する視覚効果を一層高めることができる。
【0070】
さらに、暗転画面44での価格画像46の表示は、
図11に示すように変更することができる。
図11の表示例では、価格画像46の表示は、
図11(A)に示すように、
図4(C)のように画面が暗転したとき、
図11(B)に示すように暗転画面44の下部から出現し、
図11(C)、
図11(D)に示すように価格画像46の表示サイズが段々大きくなり、最後に
図11(E)に示すように、画面中央に大きく表示される。この実施例では、価格画像46が表示サイズを段々大きくして表示されるので、看者に対する視覚効果を高めることができる。
【0071】
図9‐
図11に示すように、一連の動画映像40の後の暗転画面44において価格画像46を表示するようにしても、その暗転画面44より前の動画映像40において付加情報画像を表示することができる。ただし、
図9‐
図11のように暗転画面44において価格画像46を表示する場合には、暗転画面44を表示する時間は、
図4の実施例での時間より長くする必要がある。看者に価格画像46を確実に視認してもらう必要があるからである。特に、価格画像46を時間経過とともに変化させる
図10‐
図11の実施例では、一定以上の暗転画面44の表示時間が必要である。
【0072】
このように暗転画面44において価格画像46を表示する実施例においては、さらに、
図12および
図13に示すような表示例が考えられる。これらの場合にも、一定以上の暗転画面44以上表示時間を確保する。
【0073】
図12の表示例では、
図4(A)‐
図4(B)において商品画像38に関連する動画映像40を再生した後、
図4(C)に示す暗転画面44が表示されたとき、
図12(A)に示すように、価格画像46が矢印で示すように回転しながら暗転画面44中に出現され、最終的に
図12(B)示すように回転が停止し、暗転画面44の中央で正面に静止文字で表示される。ただし、矢印は本図の表現のために補助的に示しているだけで、画面上には表れない。
【0074】
この表示例では、価格画像46の画像が「回転する」という特異な態様で出現するので、看者の注目を一層強く引き付けることができる。
【0075】
図13に示す表示例では、
図4(C)に示す暗転画面44が表示されたとき、
図13(A)、で邦貨(円)による価格画像46を表示し、
図13(B)で外貨(米ドル)による価格画像46を表示し、
図13(C)で外貨(ユーロ)による価格画像46を表示し、そして
図13(D)で外貨(ウォン)による価格画像46を、順次表示する。つまり、
図13の表示例では、円を含む複数の通貨単位での価格画像46を順次変更しながら表示する。そのために、多くの国の客に効果的に対応することができる。
【0076】
ここまでの実施例では、価格画像46は、動画映像40を再生した後の暗転画面44中で表示されるか、または暗転画面44を経た静止画映像48の中で表示するようにしたが、
図14の表示例では、価格画像46は、商品画像38やアイキャッチャ画像42などとともに、動画映像40の中で表示する。つまり、価格画像46を動画映像40の一部として表示する。したがって、このような場合には、
図4の実施例でのように、暗転画面44を挿入(表示)する必要はない。
【0077】
なお、この
図14あるいはそれ以降の同様の場合にも、商品である野球帽の画像の向きを
図14(A)と
図14(B)とで違えて描くことで、図面として動画映像40を表現している。
【0078】
たとえば、
図14(A)では、邦貨(円)で価格画像46を表示し、
図14(B)で外貨(米ドル)による価格画像46を表示する。
【0079】
図14の表示例のように、価格画像46を動画映像40の中で表示し続けるようにすると、価格画像46が動画映像40で宣伝されている商品画像38とともに表示されるので、先の実施例と同様に強い訴求効果を期待することができる。
【0080】
ただし、
図14では円貨での価格画像46と外貨での価格画像46を交互に表示するようにしたが、たとえば
図15に示すように、異なる通貨での価格画像46を商品画像38の上下で同時に表示するようにしてもよい。あるいは、
図5と同じように、商品画像38の下に並べて表示いることもできる。
【0081】
さらには、このような動画映像40を再生しているときに表示する価格画像は、円貨なら円貨だけのように1つの通貨での価格画像を表示し続けるようにしてもよい。
【0082】
このように、
図14または
図15に示す表示例では、価格画像46は、動画映像40のストーリーが終わりかけた頃から、24の動画フレームの中の1フレームに価格画像46を挿入しその価格画像46を表示するフレームを順次増やし、最終的に全フレームで価格画像を表示するように変形することができる。その場合の価格画像46は、単一通貨のものでもよいし、複数通貨のものでもよい。この場合には、価格画像のフレーム数が徐々に増えるので、一種のサブリミナル効果を発揮して訴求効果を一層高める可能性がある。
【0083】
図16においても、価格画像46は動画映像40中で表示されるが、ここでは、商品画像38、アイキャッチャ画像42を含めた動画映像40全体の濃度(コントラスト)が、
図16の上から順に段々薄くなっていく一方で、価格画像46だけが
図16の上から順に段々濃くなっていくという、画面効果が施される。
【0084】
この実施例でも、価格画像46を動画映像40の中で表示し続け、価格画像46だけが段々濃く明瞭になるので、先の実施例と同様に強い訴求効果を期待することができる。つまり、先の
図16の実施例と同様に、価格画像46は、動画映像40のストーリーが終わりかけた頃から、価格画像を表示するフレーム数を順次増やし、最終的に全フレームで価格画像を表示することで、訴求効果を一種のサブリミナ効果で補強することができる。
【0085】
図17で示す実施例では、商品画像38、アイキャッチャ画像42を含めた動画映像40の中で価格画像46を表示するのであるが、この場合には、動画映像40の画面下部の右端から価格画像が出現してきてその価格画像が順次左方向に移動し画面左端から消失し、あたかも水平方向に移動しているかのように、表示される。つまり、販売価格は画面の右端から出現し、順次左方向に移動しつつ左端に消失する表示形態を繰り返えすので、看者に対して強い印象を与える。
【0086】
図18‐
図20は、表示パネル14(
図1)に表示する動画映像40の他の実施例をそれぞれ示す図解図である。
【0087】
図18の動画映像40では、商品画像38が、商品の一例である複数の帽子を含むものであり、商品説明画像(商品説明を示す画像)50がそれに付随して表示される。この商品説明画像50は、この例では、カラーバリーションに富んだたくさんの帽子があることを看者に認知させることができる。この
図18の表示例においても、後述の
図19‐
図20に示す表示例と同様に、動画映像40の中で価格画像46を表示することによる効果を期待することができる。
【0088】
図19の動画映像40では、商品である帽子の商品画像38を表示し、それに付随してたとえば「紫外線90%カット」のような、商品の特性または品質を説明する商品説明画像50を表示している。看者はその商品説明画像50を見て当該商品の特性や品質を認知することができる。
【0089】
図20の動画映像40では、商品である帽子の商品画像38を表示し、それに付随してたとえば「クリーニングの種類」のような、商品の特性(取扱い方法)を説明する商品説明画像50を表示している。看者はその商品説明画像50を見て当該商品の特性(取扱い方法)を認知することができる。
【0090】
図21‐
図23は、表示パネル14(
図1)に表示する動画映像40の他の実施例をそれぞれ示す図解図である。
【0091】
図21の動画映像40では、商品画像38が、商品の一例であるTシャツを含むものであり、そのTシャツがコトッンであるという商品説明画像50がそれに付随して表示される。この商品説明画像50は、商品の品質を説明するものであり、Tシャツの品質を看者に効果的に認知させることができる。
図21の表示例においてはさらに、宣伝や広告ための紹介文や画像を含む画像(紹介画像)52がたとえば画面右下に表示される。紹介画像52は、この例では、商品であるTシャツとは無関係のゲーム機を紹介するものである。このように、動画映像40の余白部分を商品画像38で示す商品以外の商品の広告媒体として活用し、当該商品以外の商品の販売促進に役立てることができる。
【0092】
図21の表示例においても、後述の
図22‐
図23に示す表示例と同様に、動画映像40の中で価格画像46を表示することによる効果を期待することができる。
【0093】
図22の動画映像40では、商品であるTシャツの商品画像38を商品説明画像50とともに表示し、それとは別に、紹介画像52を右下の余白に表示する。
図21の例では紹介画像52は商品と全く関係のない商品を紹介したのに対して、この
図22の表示例では、表示している商品に関連する商品、この例では商品であるTシャツと関連する商品であるパンツを紹介する紹介画像52を表示する。このような関連商品の紹介画像52を表示すれば、たとえば「ついで買い」を誘発する等、販売促進に役立つ。
【0094】
なお、このような関連商品の紹介としては、さらに、たとえばネクタイとネクタイピンとか、ショールと手袋など色々な組み合わせが考えられる。さらに、紹介画像52で紹介するのは、単一商品に限らず、複数の商品を紹介するようにしてもよい。
【0095】
図23の動画映像40では、商品であるTシャツの商品画像38を商品説明画像50とともに表示し、それとは別に、催し物などの紹介画像52を画面下の余白に表示する。
図21、
図22の例では紹介画像52は商品と関係ない商品または商品に関連する商品を紹介した。これに対して、
図23の表示例では商品とは関係ない、別の場所で開催しているたとえば「北海道フェア」を紹介する紹介画像52を表示する。つまり、紹介画像52で紹介するものは、商品に限らず、サービスを紹介する紹介画像であってもよい。そのようなサービスには、銀行や保険、遊技場など色々なサービス考えられる。
【0096】
図24‐
図26の表示例では、動画映像40を表示している途中に発生したイベントに応答して、動画映像または暗転画面もしくは静止画映像の途中で割り込む画像(割込み画像)54を表示する。そのために、コンピュータ18(
図2)は、動画映像40を表示しているときにも、たとえば通信プログラム34(
図3)または他のプログラムに従って、通信部24を介して受信した受信データがイベントの発生を知らせるものではないか、常に判断している。もし、受信データがイベントの発生を知らせるものであると判断したとき、コンピュータ18は、動画再生を中断して、そのイベント情報を割込み画像54として表示する。
【0097】
なお、イベント情報は、全国チェーンの店舗であれば、その本部のサーバ(図示せず)から一斉に送信すればよいが、地域店舗の場合は各店舗のサーバ(図示せず)から送信することになる。さらに、各売り場のサーバが電子棚札での表示を統括している場合であれば、本部のサーバまたは店舗のサーバからのイベント情報を受けて、売り場のサーバがイベント情報を各電子棚札に送信するようにすればよい。
【0098】
図24の表示例では、イベント情報は、地震の発生を速報するものであるので、割込み画像は地震速報となる。この場合、看者が危険度などの緊急性を判断できる程度に、地域や強さなどを表示するとともに、もしこの電子棚札10を設置しているのが大きな店舗であれば、店舗のサーバから情報を送信して、店舗独特の、地震の際の避難方法や避難経路を地震速報に続けて表示するのがよい。これによって、客や販売員に避難指示を促すことができる。
【0099】
図25の表示例は、イベント情報がシャトルバスの遅延を知らせる情報である、割込み画像54を、動画映像40の再生を中断して表示する。このような店舗特有のイベント情報は。各店舗のサーバが送信することになる。
【0100】
図26の表示例では、割込み画像54として、営業時間の変更を表示する。このような営業時間の変更は、全国的に統一的に実施される場合と、店舗毎に実施される場合がある。
【0101】
このように、イベント情報を割込み画像54として表示することによって、看者に対してイベント情報を効果的に報知または告知することができる。
【符号の説明】
【0102】
10 …電子棚札
12 …筐体
14 …表示パネル
18 …コンピュータ
24 …通信部
38 …商品画像
40 …動画映像
46 …価格画像
48 …静止画映像
50 …商品説明画像
52 …紹介画像
54 …割込み画像