(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097665
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ハイブリッドコンクリート
(51)【国際特許分類】
B28B 11/24 20060101AFI20230703BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20230703BHJP
C04B 40/02 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B28B11/24
C04B28/02
C04B40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213899
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】717001145
【氏名又は名称】株式会社HPC沖縄
(72)【発明者】
【氏名】阿波根 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】西薗 博美
(72)【発明者】
【氏名】多田 修二
(72)【発明者】
【氏名】細矢 仁
(72)【発明者】
【氏名】喜屋武 盛次
(72)【発明者】
【氏名】有賀 俊二
【テーマコード(参考)】
4G055
4G112
【Fターム(参考)】
4G055AA01
4G055BA02
4G112JK08
4G112RA02
(57)【要約】
【課題】 コンクリートに二酸化炭素を固定化すると、pHが低下してしまうことから、二酸化炭素の固定化量は大きく制限されてしまい、鉄筋を使用しないコンクリートなど用途が限られてしまう問題があるが、二酸化炭素の固定化によるpH低下の影響がなく、デザイン性、耐久性、機能性を高めた二酸化炭素を固定化したハイブリッドコンクリートを実現する。
【解決手段】 形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を組み合わせて構成されることを特徴とするハイブリッドコンクリートとするものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を組み合わせて構成されることを特徴とするハイブリッドコンクリート。
【請求項2】
前記の温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化窒素、フロン類等であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項3】
前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、打継ぎ手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項4】
前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、圧着手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項5】
前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、係合手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項6】
前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、接着手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項7】
前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、前記の請求項3から請求項6までの各手段を組み合わせた手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項8】
前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、コンクリートの硬化過程中、温室効果ガス雰囲気で養生し、表面から温室効果ガスを固定化させることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項9】
前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、表面に温室効果ガスを固定化した骨材をコンクリート原料として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項10】
前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、温室効果ガスを固定化した組成物をコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項11】
前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、温室効果ガスを含有するファインバブル水をコンクリート用練り混ぜ水として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリート。
【請求項12】
前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、コンクリート原料の混練過程から硬化過程において、コンクリート原料内部に、温室効果ガス由来の金属錯体を生成させることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガスを固定化したハイブリッドコンクリートに関し、形状を保持する為のコンクリートと温室効果ガスを固定化したコンクリートとを組み合わせて構成したハイブリッドコンクリートに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出量を低減することは、地球温暖化対策の緊急の課題となっており、日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素社会を目指すことを宣言しました。
【0003】
温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあり、その中でも、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスである。
【0004】
コンクリートは、原材料として使用されているセメントの製造において、1トン製造するに当たり758KgのCO2を排出するとされ、CO2排出量の大きい材料である。
【0005】
これは、セメントの生産過程で、燃焼エネルギーを得るために化石燃料を多量に使用することに加え、石灰石の脱炭酸反応(CaCO3→CaO+CO2)が生じることによるとされている。
【0006】
コンクリートに由来するCO2の発生量を抑制するために、コンクリート結合材を構成するセメント材料として、従来、広く用いられてきたポルトランドセメントに代えて、鉄鋼産業の副産物である高炉スラグを適量ポルトランドセメントと混合した結合材を用いることにより、CO2発生量を大幅に抑制することができることが知られている(特許文献1)。
【0007】
また、近年、セメント質硬化体の養生過程において二酸化炭素を吸収させることにより、セメント質硬化体を得るまでに排出される二酸化炭素の総量を低減する方法が知られている。
【0008】
例えば、特許文献2には、粉体成分として、γ-C2S(記号γ)、製鋼スラグ粉末(記号B)の1種または2種と、ポルトランドセメント(記号C)を含有し、上記γ、B、Cの合計含有量に占めるγ、Bの合計が25~95質量%であり、水セメント比W/Cが80~250%である配合のコンクリート混練物を硬化させたプレキャストコンクリートであって、硬化過程で炭酸化養生を経ることにより、表面から深さ20mm以上の部位(ただし肉厚が20mm未満の部分は肉厚全体)に炭酸化領域を形成してなるCO2吸収プレキャストコンクリートの製造方法が記載されている。
【0009】
このプレキャストコンクリートは、炭酸化養生による二酸化炭素の吸収を利用することで、コンクリート製品を製造する際に排出される二酸化炭素の総量(トータル量)を大幅に低減することが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2013-203635号公報
【特許文献2】特開2011-168436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の特許文献1では、セメントに代えて高炉スラグを用いるが、その配合量はひび割れ等の問題から限定されている。
【0012】
特許文献2では、硬化過程で炭酸化養生により、コンクリートの表面層にCO2を固定化するものである。このため、二酸化炭素を固定化するコンクリート部材を養生する為の大型設備が必要である。
【0013】
また、二酸化炭素をコンクリートに固定化するということは、コンクリートのpHに大きく影響するものである。コンクリートは一般的に強アルカリ性で、pHは11以上となるように調整されている。
【0014】
これは、一般的に広く使用されている鉄筋コンクリートなどの場合に、鉄筋の錆びを抑制し、爆裂などを防止し、耐久性を維持する為である。
【0015】
コンクリートに二酸化炭素を固定化すると、pHが低下してしまうことから、二酸化炭素の固定化量は大きく制限されてしまい、鉄筋を使用しないコンクリートなど用途が限られてしまうこととなる。
【0016】
地球温暖化対策として二酸化炭素の低減対策は、非常に有効であり、建築、土木材料として広く使用されている鉄筋コンクリートへ適用できるかどうかは、非常に重要である。
【0017】
本発明は、これらの二酸化炭素を固定化したコンクリートの問題点に注目し、形状を保持する為のコンクリート部位と温室効果ガスを固定化したコンクリート部位とを組み合わせて構成したハイブリッドコンクリートとすることで上記の問題を解決するものである。
【0018】
二酸化炭素の固定化によるpH低下の影響がなく、デザイン性、耐久性、機能性を高めた二酸化炭素を固定化したハイブリッドコンクリートを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は課題を解決するために、請求項1では、形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を組み合わせて構成されることを特徴とするハイブリッドコンクリートとするものである。
【0020】
該形状を保つためのコンクリート部位は、形状を保つために適度な強度を有するコンクリートであればいずれでも良く、筋材や補強材を用いたものでも良い。鉄筋等の金属製筋材や、樹脂製筋材等の非金属製筋材などを用いた有筋コンクリートでも良い。
【0021】
また、繊維製補強材を混合した繊維補強コンクリートとしても良い。
【0022】
金属製や補強繊維製緊張材を用いたプレストレストコンクリートとしても良い。
【0023】
該温室効果ガスを固定化したコンクリート部位は、地球温暖化に影響を及ぼすとされる、二酸化炭素などの温室効果ガスをコンクリートの表面や内部に固定化できるものであればいずれの固定化方法で固定化しても良い。
【0024】
温室効果ガスを固定化したコンクリートにおいて、特に炭酸ガスを固定化した場合はコンクリートのpHが下がり、強アルカリ性から弱アルカリ性に変化するため、錆の問題があるため、鉄筋などは使用しない事が好ましい。
【0025】
強度を必要とするコンクリート部位は、上記の形状を保持するコンクリート部位を使用し、デザイン性を重視する部分に温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を用いることが好ましい。
【0026】
強度を必要とするコンクリート部位には、強化繊維筋材等の非金属製筋材による有筋コンクリートとする事が好ましい。
【0027】
上記の形状を保つためのコンクリート部位と温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を組み合わせて一体化し、ハイブリッドコンクリートとするものである。
【0028】
両コンクリート部位を組み合わせることができる組合せ方法であればいずれでも良い。重ね合わせ、継ぎ合わせ、嵌合、はめ込み、埋め込み、噛み合わせ、接着、圧着、係止めなどでも良い。
【0029】
請求項2では、前記の温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化窒素、フロン類等であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0030】
各温室効果ガスのコンクリートへの固定化は、コンクリート表面や内部での結合反応による組成物としての固定化や、骨材に塗布、吸着などでも良い。また、練り混ぜ水にガスを熔解させてコンクリート原料とともに固化させるものでも良い。
【0031】
請求項3では、前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、打継ぎ手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0032】
該打継ぎ手段は、形状を保つためのコンクリート部位の硬化後に、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を打継ぎしてもその逆でもいずれでも良く。打継ぎ後に両コンクリート部位が一体化できるものであればいずれでも良い。
【0033】
打継ぎ部に連結部材を設けたものでも良く、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位の硬化後に、重ね合わせて覆うように形状を保つためのコンクリート部位を打継ぎしたものでも良い。また、フレーム状に外周部に打継ぎしたものでも良い。
【0034】
請求項4では、前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、圧着手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0035】
該圧着手段は、形状を保つためのコンクリート部位と温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を圧着して組合せ、一体化できるものであればいずれでも良い。
【0036】
緊張材を用いたプレストレストコンクリートとしても良い。プレテンション方式(コンクリート打設前に 緊張材を緊張する方法)、ポストテンション方式(コンクリート打設後に緊張材を緊張する方法)のいずれでも良い。
【0037】
請求項5では、前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、係合手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0038】
該係合手段は、形状を保つためのコンクリート部位と温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を係合して組合せ、一体化できるものであればいずれでも良い。
【0039】
両コンクリート部位の端部を掛かり止め形状として、組み合わせたものでも良く、凹部と凸部を嵌め合わせて一体化するものでも良い。
【0040】
請求項6では、前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、接着手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0041】
該接着手段は、形状を保つためのコンクリート部位と温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を接着して組合せ、一体化できるものであればいずれでも良い。
【0042】
コンクリート用接着剤により、両コンクリート部位を接着して一体化したものでも良い。形状を保つためのコンクリート部位をフレーム部材とし、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を嵌め込み、接着剤で連結させて構成したものなどでも良い。
【0043】
請求項7では、前記の形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせは、前記の請求項3から請求項6までの各手段を組み合わせた手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0044】
請求項8では、前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、コンクリートの硬化過程中、温室効果ガス雰囲気で養生し、表面から温室効果ガスを固定化させることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0045】
例えば、コンクリート原料にγ-C2S又は鉄鋼スラグを配合し、炭酸化養生をすることにより、表面から深さ20mm以上の炭酸化領域を形成してなる、二酸化炭素の固定化したプレキャストコンクリートを製造することができる。
【0046】
請求項9では、前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、表面に温室効果ガスを固定化した骨材をコンクリート原料として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0047】
例えば、骨材の表面にγ-C2Sを塗布し、二酸化炭素雰囲気に暴露することで、骨材の表面に炭酸カルシウムを析出させ、固定化を行う事ができる。
【0048】
請求項10では、前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、温室効果ガスを固定化した組成物をコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0049】
該温室効果ガスを固定化した組成物は、例えば、二酸化炭素とアミンの反応による架橋性配位子に金属イオンを連結し、白色の金属錯体を製造し、沈殿分離することにより、コンクリート用混和材として使用可能となる。
【0050】
また、廃棄コンクリートに二酸化炭素を反応させて、炭酸塩化するCO2活用骨材を用いても良い。
【0051】
請求項11では、前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、温室効果ガスを含有するファインバブル水をコンクリート用練り混ぜ水として使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0052】
該ファインバブル水は、温室効果ガスが直径100nm以下の球形の浮遊性気泡を含有する水であり、このファインバブル水をコンクリート用練り混ぜ水に使用する事により、コンクリート原料と二酸化炭素(ファインバブル)との反応により炭酸カルシウムを生成するものである。
【0053】
請求項12では、前記の温室効果ガスのコンクリート材への固定化において、コンクリート原料の混練過程から硬化過程において、コンクリート原料内部に、温室効果ガス由来の金属錯体を生成させることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のハイブリッドコンクリートとするものである。
【0054】
該金属錯体は、金属と非金属の原子が結合した構造を持つ化合物であり、例えば、二酸化炭素とアミン類のピペラジンとの反応による配位子と亜鉛イオンが連結し、CO2由来の金属錯体ができる。コンクリート原料に、二酸化炭素と反応するアミン類と、錯体を形成する金属イオンを混合することにより、二酸化炭素の含有する練り混ぜ水と反応してCO2由来の金属錯体をコンクリート中に生成させることができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明は以下の効果を奏する。
1)形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位を組み合わせて構成されるハイブリッドコンクリートを実現できる。
【0056】
2)形成保持機能と温室効果ガスの固定化機能を有するコンクリートを別々にあるいは段階的に製造し、組み合わせて使用する事により、鉄筋の錆びによる影響を回避できる。
【0057】
3)形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として打継ぎを使用することで、一体化したハイブリッドコンクリートを実現できる。
【0058】
4)形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として圧着手段を使用することで、ハイブリッドコンクリートを実現できる。
【0059】
5)形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として係合手段を使用することで、一体化したハイブリッドコンクリートを実現できる。
【0060】
6)形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガスを固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として接着手段を使用することで、一体化したハイブリッドコンクリートを実現できる。
【0061】
7)各種の二酸化炭素の固定化手段を使用する事により、温室効果ガスを固定化した骨材及びコンクリート部位を実現できる。
【0062】
8)地球温暖化対策に大きく貢献できるハイブリッドコンクリートを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明によるハイブリッドコンクリートの一実施例を示す概略図である。
【
図2】本発明によるハイブリッドコンクリートの他の実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0065】
図1は、形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガス(二酸化炭素)を固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として打継ぎを使用したハイブリッドコンクリートの実施例を示す図である。
【0066】
外周フレーム部1は、形状を保つためのコンクリート部位であり、鉄筋コンクリートによるコンクリート部位である。
【0067】
本体中心部2は、二酸化炭素を固定化したコンクリート部位であり、コンクリート原料にγ-C2Sを混合し、炭酸化養生により、表面から二酸化炭素を固定化したコンクリート部位である。
【0068】
上記の二酸化炭素を固定化したコンクリート部位に対して、上記の形状を保つためのコンクリート部位である、鉄筋コンクリートを打継ぎしたハイブリッドコンクリートである。3は打継ぎ面である。
【0069】
これにより、外周部は形状を保持できる強度を有し、鉄筋を使用しても、炭酸化による錆の問題はなく、本体中心部は、二酸化炭素を十分に固定化する事ができるハイブリッドコンクリートを実現できるものである。
【0070】
図2は、形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガス(二酸化炭素)を固定化したコンクリート部位との組み合わせ手段として圧着と打継ぎを併用したハイブリッドコンクリートの実施例を示す図である。
【0071】
縦梁部4は、形状を保つためのコンクリート部位となる、プレストレストコンクリートである。PC鋼線による緊張材によりプレストレスが導入された強固な縦梁である。
【0072】
縦梁部4に対して水平方向にカギ型に形成された横梁部5が設けられており、この横梁は二酸化炭素が固定化されたコンクリート部位であり、更に繊維材(ポリプロピレン材)をコンクリート部位料に混入した繊維強化コンクリート部位である。
【0073】
上記のカギ型に形成された横梁部5を予め製作して配置し、プレストレストコンクリートである縦梁を打継ぎして製造したハイブリッドコンクリートである。
【0074】
これにより、形状を保つためのコンクリート部位と、温室効果ガス(二酸化炭素)を固定化したコンクリート部位とをデザインに応じて組み合わせて製造でき、温室効果ガス(二酸化炭素)の固定化と共にデザイン性、耐久性、機能性を高めたハイブリッドコンクリートを実現できる。
【符号の説明】
【0075】
1 形状を保つためのコンクリート部位(鉄筋コンクリート部位)
2 温室効果ガス(二酸化炭素)を固定化したコンクリート部位
3 打継ぎ麺
4 形状を保つためのコンクリート部位(プレストレストコンクリート部位)
5 温室効果ガス(二酸化炭素)を固定化した繊維強化コンクリート部位