(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097774
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】浴室用液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20230703BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20230703BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20230703BHJP
C11D 3/34 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20230703BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/83
C11D3/20
C11D3/34
C11D1/72
C11D1/722
C11D3/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214058
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 実和
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB15
4H003AC08
4H003AC23
4H003BA12
4H003BA21
4H003DA08
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA21
4H003EB06
4H003EB22
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA12
4H003FA21
4H003FA28
4H003FA30
(57)【要約】
【課題】すすぎ洗い後に、好洗浄触感を付与できる浴室用液体洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)成分:(a1)非石ケン系アニオン界面活性剤及び(a2)ノニオン界面活性剤と(B)成分:一般式(I)で表される化合物と(C)成分:フェノキシエタノール及びクメンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びメトキシベンゼンスルホン酸とそれぞれの塩から選ばれる少なくとも1種とを含有し、a2/(B+C)比が質量比で0.25~2.00である浴室用液体洗浄剤組成物。
R1-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-R2・・・(I)
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルケニル基である。xはオキシエチレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。yはオキシプロピレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。但しxとyが同時に0になることはない。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:(a1)非石ケン系アニオン界面活性剤及び(a2)ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、
R1-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-R2 ・・・(I)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルケニル基である。xはオキシエチレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。yはオキシプロピレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。ただし、xとyが同時に0になることはない。]
(C)成分:フェノキシエタノール及びクメンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びメトキシベンゼンスルホン酸とそれぞれの塩から選ばれる少なくとも1種と、
を含有し、
a2/(B+C)比が質量比で0.25~2.00である、浴室用液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(D)成分:アミノカルボン酸型キレート剤を含有する、請求項1に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
a2/C比が質量比で0.7~14.0である、請求項1または2に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
25℃におけるpHが9~12である、請求項1~3のいずれか1項に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記(a2)は、(a3)エチレンオキサイド平均付加モル数が4~10のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含み、
a3/C比が質量比で0.7~15.0である、請求項1~4のいずれか1項に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浴室の洗浄は、浴室用液体洗浄剤組成物を含侵したスポンジで、浴槽面や浴室の床等をこすり洗いすることで行われている。そのため、浴室の洗浄は、手間がかかり、身体的な負担が大きかった。このような浴室洗浄の課題を軽減するために、こすり洗いをせずに洗浄可能な洗浄剤が知られている。
【0003】
こすり洗いをせずに洗浄可能な洗浄剤としては、例えば、非石鹸系アニオン界面活性剤と、グリコール系溶剤と、アミノカルボン酸型キレート剤とを含有し、これらの成分の洗浄力を有し、すすぎ性にも優れる浴室用液体洗浄剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こすり洗いをせずに洗浄を可能とするためには、洗浄対象物の全面に付着させる必要がある。従来の技術では、すすぎ洗い後に、界面活性剤が洗浄対象物に残留することによる、界面活性剤由来のヌルつきが生じるという課題があった。このため、浴室用液体洗浄剤組成物には、すすぎ後のヌルつきをなくし、洗浄対象面を触った際に良好な抵抗感(「きゅっ」とする摩擦感がある触感(以下「好洗浄触感」と言う。))を発揮することが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、すすぎ洗い後に、好洗浄触感を付与することができる浴室用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:(a1)非石ケン系アニオン界面活性剤及び(a2)ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、
R1-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-R2 ・・・(I)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルケニル基である。xはオキシエチレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。yはオキシプロピレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。ただし、xとyが同時に0になることはない。]
(C)成分:フェノキシエタノール及びクメンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びメトキシベンゼンスルホン酸とそれぞれの塩から選ばれる少なくとも1種と、
を含有し、
a2/(B+C)比が質量比で0.25~2.00である、浴室用液体洗浄剤組成物。
[2](D)成分:アミノカルボン酸型キレート剤を含有する、[1]に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
[3]a2/C比が質量比で0.7~14.0である、[1]または[2]に記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
[4]25℃におけるpHが9~12である、[1]~[3]のいずれかに記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
[5]前記(a2)は、(a3)エチレンオキサイド平均付加モル数が4~10のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含み、
a3/C比が質量比で0.7~15.0である、[1]~[4]のいずれかに記載の浴室用液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、すすぎ洗い後に、好洗浄触感を付与することができる浴室用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪浴室用液体洗浄剤組成物≫
本発明の浴室用液体洗浄剤組成物(以下、単に「液体洗浄剤」ということがある。)は、以下に示す(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物である。
本明細書において、「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
【0010】
<(A)成分>
(A)成分は、(a1)非石ケン系アニオン界面活性剤及び(a2)ノニオン界面活性剤を含む。(A)成分は洗浄力及び好洗浄力触感に寄与する。
【0011】
(a1)成分とは、炭素数8~24の飽和又は不飽和脂肪酸塩(いわゆる石鹸)を除くアニオン界面活性剤である。
(a1)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS);直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸塩(AS);アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩(AES);α-オレフィンスルホン酸塩(AOS);アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α-スルホ脂肪酸エステル塩(α-SF);アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0012】
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8~16のものが好ましく、炭素数10~14のものがより好ましい。
アルキル硫酸塩としては、炭素数10~20のものが好ましく、炭素数10~16のものがより好ましい。
アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩としては、炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩が好ましい。
α-オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10~20のものが好ましく、炭素数10~16のものがより好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10~20のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましく、炭素数14~17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩がより好ましい。
α-スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10~20のα-スルホ脂肪酸エステル塩が好ましく、炭素数10~18のα-スルホ脂肪酸エステル塩がより好ましい。
ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩としては、炭素数10~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテルカルボン酸塩が好ましい。
これらの中でも、皮脂・タンパク汚れに対する洗浄力に優れること等から、α-オレフィンスルホン酸塩が特に好ましい。
(a1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
(a2)成分としては、炭素数8~18のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8~18のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、炭素数8~18の脂肪酸基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルポリグリコシド、炭素数8~18の脂肪酸基を有するショ糖脂肪酸エステル、炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルポリグリセリルエーテル等が挙げられる。中でも好洗浄触感付与と洗浄性の観点から、炭素数8~14のアルキル基を有しエチレンオキサイド平均付加モル数が4~20であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0014】
(a2)は、(a3)成分を含むことが好ましい。
(a3)成分としては、炭素数8~18のアルキル基を有し、またアルキル基に分岐構造を有するエチレンオキサイド平均付加モル数が4~10のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含むことが好ましく、エチレンオキサイド平均付加モル数は4~8のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤がより好ましく、エチレンオキサイド平均付加モル数が4~6のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤がさらに好ましい。
【0015】
<(B)成分>
(B)成分は、下記一般式(I)で表されるグリコール系溶剤である。(B)成分は、(A)成分と同様に単独で洗浄作用を有する。
R1-O-(C2H4O)x-(C3H6O)y-R2 ・・・(I)
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基もしくはアルケニル基である。xはオキシエチレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。yはオキシプロピレン基の平均繰返し数を表す数であり、0~5である。ただし、xとyが同時に0になることはない。]
【0016】
グリコール系溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール系溶剤、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソプレングリコール等のプロピレングリコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等のエチレングリコール系エーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコール系エーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等のジアルキルグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
(B)成分としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテルがより好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【0018】
<(C)成分>
(C)成分は、芳香族基を有するハイドロトロープ剤である。(C)成分は、好洗浄触感付与と洗浄力に寄与する。
【0019】
(C)成分としては、フェノキシエタノール及びクメンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びメトキシベンゼンスルホン酸とそれぞれの塩等が挙げられる。
(C)成分の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0020】
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分としては、フェノキシエタノール、パラトルエンスルホン酸が好ましく、フェノキシエタノールがより好ましい。
【0021】
<(D)成分>
本発明の液体洗浄剤は、さらに(D)成分を含むことが好ましい。
(D)成分は、アミノカルボン酸型キレート剤である。(D)成分は、洗浄力に寄与する。
アミノカルボン酸型キレート剤としては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、β-アラニンジ酢酸(ADAA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ラウロイルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA-OH)、ヒドロキシエチレンイミノジ酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ジカルボキメチルグルタミン酸(CMGA)、(S,S)-エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられる。
【0022】
アミノカルボン酸型キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヒドロキシエチレンイミノジ酢酸(HIDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が好ましく、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が特に好ましい。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0023】
<水>
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶剤として水を含有することが好ましい。
【0024】
<任意成分>
液体洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分以外の任意成分を必要に応じて含有してもよい。
任意成分としては、洗浄剤の分野で公知の成分を使用できる。例えば、香料、色素、殺菌剤、水溶性高分子、粘土鉱物等の増粘剤等が挙げられる。
【0025】
<含有量>
(a1)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~3.0質量%が好ましく、0.5~2.0質量%がより好ましく、0.5~1.0質量%が特に好ましい。(a1)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、洗浄力に優れる。(a1)成分の含有量が上限値以下であると、好洗浄触感を付与できる。
【0026】
(a2)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~3.5質量%が好ましく、0.7~2.5質量%がより好ましく、0.9~2.0質量%が特に好ましい。(a2)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると好洗浄触感を付与することができる。(a2)成分の含有量が上限値以下であると、洗浄力に優れる。
【0027】
(a3)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~3.0質量%が好ましく、0.7~2.0質量%がより好ましく、0.9~1.5質量%が特に好ましい。(a3)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、好洗浄触感を付与することができる。(a3)成分の含有量が上限値以下であると、洗浄力に優れる。
【0028】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~2.5質量%が好ましく、1.0~2.0質量%がより好ましく、1.3~2.0質量%が特に好ましい。(B)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、洗浄力に優れる。(B)成分の含有量が上限値以下であると、好洗浄触感を付与できる。
【0029】
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.05~1.10質量%が好ましく、0.15~0.90質量%がより好ましく、0.30~0.70質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、好洗浄触感を付与することができる。(C)成分の含有量が上限値以下であると、洗浄力に優れる。
【0030】
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~3.5質量%が好ましく、1.5~2.5質量%がより好ましい。(D)成分の含有量が前記範囲の下限値以上であると、洗浄力に優れる。(D)成分の含有量が上限値以下であると、好洗浄触感を付与できる。
【0031】
液体洗浄剤において、(B)成分と(C)成分の総質量に対する(a2)成分の質量比を表すa2/(B+C)比は、0.25~2.00が好ましく、0.6~0.9がより好ましく、0.7~0.8が特に好ましい。a2/(B+C)比が前記下限値以上であると、好洗浄触感を付与することができる。
【0032】
液体洗浄剤において、(C)成分に対する(a2)成分の質量比を表すa2/C比は、0.7~14.0が好ましく、1.5~4.0がより好ましく、1.7~3.5が特に好ましい。a2/C比が前記下限値以上であると、洗浄力に優れる。a2/C比が前記下限値以上であると、好洗浄触感を付与できる。
【0033】
液体洗浄剤において、(C)成分に対する(a3)成分の質量比を表すa3/C比は、0.7~15.0が好ましく、1.5~4.0がより好ましく、1.7~3.5が特に好ましい。a3/C比が前記下限値以上であると、洗浄力に優れる。a3/C比が前記下限値以上であると、好洗浄触感を付与できる。
【0034】
<pH>
液体洗浄剤の25℃におけるpHは、9~12が好ましく、10~11がより好ましい。液体洗浄剤の25℃におけるpHが前記下限値以上であると、洗浄力に優れる。液体洗浄剤の25℃におけるpHが前記上限値以下であると、好洗浄触感を付与できる。
本発明において、液体洗浄剤のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
液体洗浄剤のpHは、上述したpH調整剤を用いて調整すればよい。
【0035】
<製造方法>
液体洗浄剤は、例えば、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて、(D)成分と、任意成分とを、水に溶解し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整する方法で製造できる。
液体洗浄剤は、例えば、スプレー容器やスクイズ容器等公知の吐出容器に収容された製品形態であってもよい。また、保存用の容器に収容され、吐出容器に移して使用する製品形態であってもよい。
【0036】
<使用方法>
液体洗浄剤を用いて洗浄対象物を洗浄する方法としては、霧状又は泡状等にして吹き付け、任意の時間放置して、水ですすぐ方法等が挙げられる。
洗浄は機械力をかける洗浄方法でもよい。例えば、前記原液又は希釈液を含ませたスポンジ等で洗浄対象物を擦って洗浄してもよい。前記原液又は希釈液を洗浄対象物に塗布し、スポンジ等で擦って洗浄してもよい。前記洗希釈液に洗浄対象物を浸し、スポンジ等で擦って洗浄してもよい。
洗浄対象物は、例えば、浴室の硬表面、浴室用品が例示できる。
硬表面とは、プラスチック類、陶磁器、ガラス、ステンレス等の硬質な材質からなる表面を意味する。
【0037】
<作用効果>
以上説明した本発明の浴室用液体洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有し、a2/(B+C)比が上記範囲内であるため、すすぎ洗い後に、好洗浄触感を付与することができる。
【実施例0038】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、各例で用いた成分の配合量は、特に断りのない限り純分換算値である。
【0039】
[(A)成分]
A-1:(a1)成分:α-オレフィン(C14)スルホン酸ナトリウム(AOS、ライオン株式会社製、商品名「リポランLJ441」)
A-2:(a2)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、天然アルコール(C12/14)の平均エチレンオキシド15モル付加物、ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAO-90-M」)
A-3:(a2)成分かつ(a3)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(直鎖型C15アルコールの平均エチレンオキシド7モル付加物)、日本エマルジョン株式会社製、商品名「EMALEX715」)
A-4:(a2)かつ(a3)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(分岐型C13アルコールの平均エチレンオキシド7モル付加物)、BASF社製、商品名「Lutensol TO-7」)
A-5:(a2)かつ(a3)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(分岐型C13アルコールの平均エチレンオキシド5モル付加物)、BASF社製、商品名「Lutensol TO-5」)
A-6:(a2)かつ(a3)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、2-エチルヘキシルエトキシレート(平均エチレンオキシド4モル付加物)、青木油脂工業株式会社製、商品名「ブラウノンEH-4」)
A-7:(a2)かつ(a3)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE、2-エチルヘキシルエトキシレート(平均エチレンオキシド6モル付加物)、青木油脂工業株式会社製、商品名「ブラウノンEH-6」)
【0040】
[(B)成分]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、ブチルジグリコール)
【0041】
[(C)成分]
C-1:フェノキシエタノール(日本乳化剤株式会社製、フェニルグリコール)
C-2:クメンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN5040」)
C-3:p-トルエンスルホン酸(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックス300」)
C-4:キシレンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN1140」)
C-5:メトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN6030」)
[(C´)成分]
C´-6:フェニルジグリコール(日本乳化剤株式会社製、フェニルジグリコール)
C´-7:エタノール(日本アルコール販売株式会社製)
C´-8:エチレングリコール(東京化成工業株式会社製)
【0042】
[(D)成分]
エチレンジアミン四酢酸(キレスト株式会社製)
【0043】
[増粘剤]
キサンタンガム(三晶株式会社製、商品名「KELZAN」)
【0044】
[pH調整剤]
48%水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製、特級)
クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、商品名「無水クエン酸」)
【0045】
[着色剤]
ダイレクトブルー86(住友化学工業株式会社製、商品名「Sumilight Supra Turquise Blue G conc」)
緑色3号(癸巳化成株式会社製、商品名「緑3号」)
【0046】
[溶剤]
精製水
【0047】
[実施例1~43、比較例1~10]
<液体洗浄剤の調製>
表1~11に示す配合組成の液体洗浄剤を以下の手順にて調製した。
1Lビーカーに、(A)成分、(B)成分、(C)成分又は[(C´)成分]及び(D)成分と、水とを入れて充分に撹拌した。続いて、pH調整剤以外の任意成分を加え、混合した。混合終了後、25℃におけるpHが任意の範囲になるように、必要に応じpH調整剤を適量添加した後、全体量が100質量%になるように水(蒸留水)を加え、さらによく撹拌し、液体洗浄剤を得た。
得られた各例の液体洗浄剤について、以下の方法で、好洗浄触感及び洗浄力を評価した。結果を表1~11に示す。
表において、空欄はその配合成分が配合されていないことを意味する。
【0048】
≪液体洗浄剤の評価方法≫
各例の液体洗浄剤について、好洗浄触感、洗浄力を以下のように評価した。
【0049】
[好洗浄触感の評価]
5cm×5cmのガラス繊維強化プラスチック(FRP)製テストピース(LIXIL株式会社製)に対して、液体洗浄剤を0.5mL塗布し、1分後に水道水(120mL/s)にて10秒すすいだ。すすぎ10秒後、指でFRP製テストピースの表面を手で擦り、好洗浄触感の有無を評価した。下記評価基準において、◎◎、◎及び○を合格とした。評価結果を、表1~11に示す。
[好洗浄触感の評価基準]
◎◎:きゅっとした摩擦感を充分に感じる。
◎:きゅっとした摩擦感をやや感じる。
〇:ぬるつきを感じない。
△:ややぬるつきを感じる。
×:ぬるつきをかなり感じる。
【0050】
[洗浄力の評価]
一般家庭の浴槽内側壁面に、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)製テストピース(2cm×10cm)を固定した後、成人男性3名がそれぞれ3回入浴(1日につき1回の入浴を3日間繰り返し、その間、風呂水のみを入れ替え、浴槽は洗わずに使用)し、テストピースに汚れを付着させた。
この汚れが付着したテストピースを充分乾燥させた後、該テストピースに対して、その全面が濡れるように各例の浴室用液体洗浄剤を滴下し、30秒間放置した後、水道水(15℃)ですすぎ流した。テストピースを充分乾燥させ、5枚のテストピース表面の汚れの除去状態を目視、指触により、下記洗浄力の評価基準に従って評価した。下記評価基準において、◎◎、◎及び○を合格とした。評価結果を、表1~11に示す。
[洗浄力の評価基準]
◎◎:汚れ落ちが非常に良好である。
◎:汚れ落ちがかなり良好である。
〇:汚れ落ちが良好である。
△:汚れ落ちがやや悪い。
×:汚れ落ちがかなり悪い。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
表1~9の結果に示されるように、各実施例の液体洗浄剤は、好洗浄触感および洗浄力に優れていた。
表10の結果に示されるように、a2/(B+C)比が0.07である比較例1は、好洗浄触感が劣っていた。
表10の結果に示されるように、a2/(B+C)比が3.57である比較例2は、好洗浄触感および洗浄力が劣っていた。
表10の結果に示されるように、(a1)成分を含まない比較例3は、洗浄力が劣っていた。
表10の結果に示されるように、(a2)成分および(a3)成分を含まない比較例4は、洗浄力が劣っていた。
表10の結果に示されるように、(B)成分を含まない比較例5は、好洗浄触感および洗浄力が劣っていた。
表10の結果に示されるように、(C)成分を含まない比較例6は、好洗浄触感および洗浄力が劣っていた。
表11の結果に示されるように、(C´-6)成分を0.50質量%含む比較例7は、好洗浄触感が劣っていた。
表11の結果に示されるように、(C´-7)成分を0.50質量%含む比較例8は、好洗浄触感が劣っていた。
表11の結果に示されるように、(C′-8)成分を0.50質量%含む比較例9は、好洗浄触感が劣っていた。
表11の結果に示されるように、pHが8.00の比較例10は、洗浄力が劣っていた。