(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097785
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】回転皿
(51)【国際特許分類】
A47G 19/02 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
A47G19/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214090
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】522001035
【氏名又は名称】藤瀬 國男
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】藤瀬 國男
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA11
3B001BB03
3B001BB10
3B001CC24
(57)【要約】
【課題】デザインが斬新であるとともに、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性に優れている上、容易に製造することができ、洗浄作業が容易な皿を提供する。
【解決手段】回転皿Dは、陶器によって一体的に形成されており、外向きの凸状に形成された皿本体Bの下面に、皿本体Bの中心Pを囲うように高台(陶台)Cが設けられている。そして、皿本体Bの下面の中心Pが、高台Cの下面よりも下側に位置した状態になっており、皿本体Bの下面の中心Pと高台Cの下面との高さの差αが約1.0mmになっている。かかる回転皿Dは、皿本体Bの下面の中心Pを回転中心にして、テーブルの上で回転させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食事の際に料理を載せるための陶器製の皿であって、
外向きに凸な円板状に形成された皿本体の下面に、皿本体の中心を囲うように高台(陶台)が設けられているとともに、
前記皿本体の下面の中心が、前記高台の下面よりも下側に位置しており、水平面内で回転可能であることを特徴とする回転皿。
【請求項2】
前記皿本体の下面の中心と前記高台の下面との高さの差が0.5mm以上、4.0mm未満に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の回転皿。
【請求項3】
前記皿本体の下面の中心に、下向きの支点形成部が形成されていることを特徴とする請求項1、または2に記載の回転皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事の際に料理を載せるための食器等の皿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器等の皿としては、金属、陶器、磁器やプラスチックによって円形に形成されたものが広く用いられている。また、皿の中には、デザインを斬新なものとすべく、表面に、凹凸模様や絵柄等の様々な装飾を施したものもある。一方、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性を向上させるために、特許文献1の如く、基台の上部に円形の回転皿を、ベアリングを利用して回転可能に設置し、その回転皿の上に、複数個に分割した略扇状の小皿を載置可能に構成した回転オードブル皿が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の食器等の皿は、表面に、凹凸模様や絵柄等の装飾が施されていても、施される装飾は限定的であるため、必ずしも斬新なデザインであるとは言い難い。一方、特許文献1の如き、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性を向上させるための回転オードブル皿は、構造が複雑であり、安価に製造することが困難である上、洗浄作業に手間が掛かる、という不具合がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の食器等の皿が有する問題点を解消し、デザインが斬新であり、趣向性が高い上、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性に優れているとともに、容易に製造することができ、洗浄作業が容易な皿を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、食事の際に料理を載せるための陶器製で円形の皿であって、外向きの凸状に形成された皿本体の下面に、皿本体の中心を囲うように高台(陶台)が設けられているとともに、前記皿本体の下面の中心が、前記高台の下面よりも下側に位置しており、水平面内で回転可能であることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記皿本体の下面の中心と前記高台の下面との高さの差が0.5mm以上、4.0mm未満に調整されていることを特徴とするものである。なお、皿本体の下面の中心と高台の下面との高さの差は、0.6mm以上、2.0mm未満であるとより好ましい。また、回転皿の直径が100mm以上250mm未満である場合には、皿本体の下面の中心と高台の下面との高さの差が、0.7mm以上、1.3mm未満であると特に好ましい。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1に、または2記載された発明において、前記皿本体の下面の中心に、下向きの支点形成部が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の回転皿は、高台より下方に位置した皿本体の下面の中心を回転中心にして、テーブルの上で容易に回転させることができる。それゆえ、趣向性が高く、きわめて斬新な印象を看者に提供することができるため、食卓の雰囲気を和ませることに寄与し得る。また、請求項1に記載の回転皿は、中華用テーブルのように大きなスペースを必要とすることなく回転させることができるため、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性に優れている。さらに、請求項1に記載の回転皿は、構造がシンプルであるため、容易に製造することができる上、容易に洗浄することができる。
【0010】
請求項2に記載の回転皿は、皿本体の下面の中心と高台の下面との高さの差が所定の長さに調整されているため、テーブルの上でスムーズに回転させることができる上、非回転時の安定性が良好である。
【0011】
請求項3に記載の回転皿は、皿本体の下面の中心に、下向きの支点形成部が形成されているため、定まった位置で回転して動きにくいので、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性がきわめて良好である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】回転皿を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおける破線部分(a部分)の拡大図であり、cは鉛直断面図であり、dはcにおける破線部分(b部分)の拡大図である)。
【
図2】回転皿の使用状態を示す説明図(平面図)である。
【
図3】回転皿の変更例を示す説明図(鉛直断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る回転皿の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する
【0014】
<回転皿の構成>
図1は、回転皿を示したものである。回転皿Dは、陶器(所謂、ボーンチャイナ)によって形成されており、料理等を載置するための皿本体Bと、テーブルTの上等に安定させて載置するための高台(陶台)Cとを有している。そして、約300gの重量を有している。
【0015】
皿本体Bは、直径約150mmの円板状(下向きの凸になるように曲率半径=約300mmの球面状に湾曲した円板状)に一体的に形成されている。一方、高台Cは、外径=70mm、内径=66mm(すなわち、厚み=4.0mm)で約4.0の高さの扁平な円筒状に形成されており、皿本体Bの下面に、中心(直径方向の中心)Pを囲うように、中心Pに対して同心円状に設けられている。そして、皿本体Bの下面の中心(すなわち、最下点)Pと高台Cの下面との高さの差(
図1におけるα)が約1.0mmになっている。
【0016】
<回転皿の作動内容>
上記の如く構成された回転皿Dは、皿本体Bの上面に料理を載せた状態、あるいは、載せていない状態で、木製やスチール製のテーブルTの上に載置し、使用者が皿本体Bの端縁を把持して接線方向へ力を加えることによって、
図2の如く、水平面内で回転させることができる。なお、回転継続時間は、回転皿Dの重量、大きさ、材質や、テーブルの材質等によって変化するが、最適な条件下においては、10秒ほど継続させることも可能である。また、回転皿Dを収納する際には、そのまま食器棚の棚板上に載置することも可能であるが、扁平なドーナッツ状の載置板(外径が高台の外径よりも大きいもの)を利用すると、より安定した状態(左右にぐらつかない状態)で収納することが可能となる。なお、水平状の基部に対して支承部を鉛直状に設けた皿スタンドを利用して、大径の回転皿や絵付きの回転皿を、安定した状態(左右にぐらつかない状態)でディスプレイに供することも可能である。
【0017】
<回転皿の効果>
回転皿Dは、上記の如く、外向きの凸状に形成された皿本体Bの下面に、皿本体Bの中心Pを囲うように高台(陶台)Cが設けられているとともに、皿本体Bの下面の中心Pが、高台Cの下面よりも下側に位置しているため、皿本体Bの下面の中心Pを回転中心にして、テーブルTの上で容易に回転させることができる。それゆえ、趣向性が高く、きわめて斬新な印象を看者に提供することができるため、食卓の雰囲気を和ませることに寄与し得る。また、中華用テーブルのように大きなスペースを必要とすることなく回転させることができるため、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性に優れている。さらに、回転皿Dは、構造がシンプルであるため、容易に製造することができる上、容易に洗浄することができる。なお、回転皿Dは、陶器によって形成されているため、テーブルTの上で回転させた場合でも、テーブルTの表面が傷付いたりすることはない。
【0018】
また、回転皿Dは、皿本体Bの下面の中心Pと高台Cの下面との高さの差が1.0mmに調整されているため、テーブルTの上でスムーズに回転させることができる上、非回転時の安定性が良好である。
【0019】
<回転皿の変更例>
本発明に係る回転皿は、上記した実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、材質、皿本体、高台の大きさ・形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0020】
たとえば、本発明に係る回転皿は、上記実施形態の如く、皿本体の下面の中心部分(所謂、高台裏)が平坦なもの(単純な曲面状のもの)に限定されず、
図2の如く、皿本体Bの下面の中心Pに、下向きの半円球状等の支点形成部Oを形成したものとすることも可能である。かかる構成を採用した場合には、回転皿は、定まった位置で回転して水平面内方向に動きにくいものとなるので、複数の人に複数種類の料理を提供する際の利便性がきわめて良好なものとなる。
【0021】
また、本発明に係る回転皿は、上記実施形態の如く、単一の円周状の高台を皿本体の下面に形成したものに限定されず、複数に分割された高台を皿本体の下面に形成したもの等に変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る回転皿は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、食事の際に料理を載せて提供するための食器等として、好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0023】
D,D’,D”・・回転皿
B・・皿本体
C・・高台(陶台)
P・・皿本体の下面の中心
T・・テーブル
O・・支点形成部