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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097803
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20230703BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
G06F3/0338
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214123
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大輔
(72)【発明者】
【氏名】和田 隆秀
(72)【発明者】
【氏名】宮野 晃宏
(72)【発明者】
【氏名】岡田 衛
(72)【発明者】
【氏名】荒木 直幸
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087DD02
5B087DD03
5E555BA03
5E555BB03
5E555BC01
5E555CA18
5E555CB06
5E555CB20
5E555CC22
5E555DA01
5E555DB11
5E555DC11
5E555DC13
5E555DD02
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ポインティングスティックを利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現する。
【解決手段】情報処理装置は、キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックと、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示するメイン制御部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックと、
前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示するメイン制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知するサブ制御部を備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の操作は、前記スティックを前記垂直方向に2回押下するダブルタップであり、
前記メイン制御部は、前記ポインティングスティックが前記ダブルタップを検出した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記メイン制御部は、
ホットキーのイベントにより、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを検知するユーティリティ処理部と、
前記ユーティリティ処理部が前記ホットキーのイベントを受信した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示するGUI処理部と
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記GUI処理部は、
前記メニュー画面の表示処理を許可する許可状態において、前記キーボードによる修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力を検出した場合に、前記特定の操作の検出を無視して、前記メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態に遷移し、
前記禁止状態において、前記キーボードによる前記特定の組合せの入力を検出した場合に、前記許可状態に遷移する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記GUI処理部は、
前記メニュー画面のエリア外がクリックされた場合、又は、前記メニュー画面のエリアの表示終了ボタンがクリックされた場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示していない非表示状態に遷移する
請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記メニュー画面は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定を変更するメニューを示す画面である
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックを備える情報処理装置の制御方法であって、
メイン制御部が、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示する
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)などの情報処理装置において、ポインティングデバイスの1つとして、ポインティングスティックを備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような情報処理装置では、ポインティングスティックを利用して、画面上のポインタの移動などの操作が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6705033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような従来の情報処理装置では、例えば、カメラやマイクなどの設定を変更する場合に、ポインティングスティックなどのポインティングデバイスを用いて、スタートメニュー画面から選択操作を行って、設定メニュー画面を表示させる必要があった。このように、従来の情報処理装置では、設定などのメニュー画面をより簡単に表示させることが困難であり、ポインティングスティックを利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースが求められている。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、ポインティングスティックを利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現することができる情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックと、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示するメイン制御部とを備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知するサブ制御部を備えるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特定の操作は、前記スティックを前記垂直方向に2回押下するダブルタップであり、前記メイン制御部は、前記ポインティングスティックが前記ダブルタップを検出した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記メイン制御部は、ホットキーのイベントにより、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを検知するユーティリティ処理部と、前記ユーティリティ処理部が前記ホットキーのイベントを受信した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示するGUI処理部とを備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記GUI処理部は、前記メニュー画面の表示処理を許可する許可状態において、前記キーボードによる修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力を検出した場合に、前記特定の操作の検出を無視して、前記メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態に遷移し、前記禁止状態において、前記キーボードによる前記特定の組合せの入力を検出した場合に、前記許可状態に遷移するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記GUI処理部は、前記メニュー画面のエリア外がクリックされた場合、又は、前記メニュー画面のエリアの表示終了ボタンがクリックされた場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示していない非表示状態に遷移するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記メニュー画面は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定を変更するメニューを示す画面であってもよい。
【0013】
また、本発明の一態様は、キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックを備える情報処理装置の制御方法であって、メイン制御部が、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示する制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、ポインティングスティックを利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態によるノートPCの一例を示す外観図である。
図2】本実施形態によるノートPCの主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態によるノートPCの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態における設定メニュー画面の表示例を示す図である。
図5】本実施形態によるノートPCの状態遷移の一例を示す図である。
図6】本実施形態によるノートPCの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態によるノートPC1の一例を示す外観図である。また、図2は、第1の実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートPC(パーソナルコンピュータ)1について説明する。
【0018】
図1に示すように、ノートPC1は、ノートブック型のパーソナルコンピュータであり、表示部14と、撮像部27と、キーボード32と、ポインティングスティック33とを備える。
【0019】
また、図2に示すように、ノートPC1は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ26と、撮像部27と、マイク28と、スピーカ29と、エンベデッドコントローラ31と、キーボード32と、ポインティングスティック33と、電源回路34とを備える。
【0020】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御する。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0021】
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
【0022】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。
【0023】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。図2では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ26と、撮像部27と、エンベデッドコントローラ31とが、チップセット21に接続されている。
なお、本実施形態において、CPU11とチップセット21とにより実現される機能部をメイン制御部10として説明する。
【0024】
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0025】
HDD(Hard Disk Drive)23は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
オーディオシステム24は、音データの記録、再生、出力を行う。オーディオシステム24は、例えば、マイク28、及びスピーカ29が接続されている。
【0026】
WLAN(Wireless Local Area Network)カード25は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。WLANカード25は、例えば、ネットワークからのデータを受信した際に、データを受信したことを示すイベントトリガを発生する。
USBコネクタ26は、USBを利用した周辺機器類を接続するためのコネクタである。
【0027】
撮像部27は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを含むデジタルカメラであり、表示部14の上部に配置されている。
【0028】
マイク28は、内蔵マイクであり、ノートPC1の周辺の音を収音して、音信号をオーディオシステム24に出力する。
スピーカ29は、内蔵スピーカであり、オーディオシステム24から出力された音信号を音に変換して出力する。
【0029】
エンベデッドコントローラ31は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、キーボード32、ポインティングスティック33、及び電源回路34などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
【0030】
キーボード32は、例えば、内蔵のキーボードであり、利用者からのキー入力を受け付ける。キーボード32は、例えば、PS/2ポートを介して、エンベデッドコントローラ31と接続されている。
【0031】
ポインティングスティック33は、キーボード32の中央部に配置された操作可能なスティック(不図示)を有するポインティングデバイスである。ポインティングスティック33は、スティックの変位により変形する圧電素子(例えば、ピエゾ素子)を有しており、圧電素子(例えば、ピエゾ素子)を用いて、スティックの設置平面方向の変位(図1に示すXY軸方向の変位)とともに、設置平面に対して垂直方向(図1に示すZ軸方向)の変位を検出可能である。
【0032】
ポインティングスティック33は、設置平面方向の変位(図1に示すXY軸方向の変位)を示す情報(平面変位情報)を、PS/2ポート(第1インタフェース)を介して、エンベデッドコントローラ31に出力する。
【0033】
また、ポインティングスティック33は、垂直方向(図1に示すZ軸方向)の変位を示す情報を、GPIOポートを介して、エンベデッドコントローラ31に出力する。ポインティングスティック33は、例えば、ポインティングスティック33が特定の操作(例えば、ダブルタップ)を検出したことを示す検出信号を、GPIOポートを介して、エンベデッドコントローラ31に出力する。なお、ダブルタップとは、Z軸方向に短時間に2回押下する操作であり、すなわち、スティックを垂直方向に2回押下する操作である。ダブルタップは、Z軸方向の変位を含む特定の操作の一例である。
【0034】
GPIOポートの初期状態が、High状態(ハイ状態)である場合に、ポインティングスティック33は、1回目のダブルタップを検出した場合に、GPIOポートをLow状態(ロウ状態)にして、エンベデッドコントローラ31に、ダブルタップを検出したことを出力する。また、ポインティングスティック33は、2回目のダブルタップを検出した場合に、GPIOポートをHigh状態(ハイ状態)にして、エンベデッドコントローラ31に、ダブルタップを検出したことを出力する。このように、ポインティングスティック33は、トグル信号により、ダブルタップの検出をエンベデッドコントローラ31に出力する。
【0035】
電源回路34は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタなどを含んでおり、AC/DCアダプタ、又は電池ユニットから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路34は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
【0036】
次に、図3を参照して、本実施形態によるノートPC1の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態によるノートPC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すように、ノートPC1は、メイン制御部10と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、オーディオシステム24と、撮像部27と、マイク28と、スピーカ29と、エンベデッドコントローラ31と、キーボード32と、ポインティングスティック33とを備える。
【0038】
エンベデッドコントローラ31(サブ制御部)は、ポインティングスティック33が検出した設置平面方向の変位を示す平面変位情報をPS/2ポート(第1インタフェース)により受信し、受信した平面変位情報をメイン制御部10に送信する。また、エンベデッドコントローラ31は、ポインティングスティック33がダブルタップ(特定の操作)を検出したことを、GPIO(第2インタフェース)により受信し、ダブルタップを検出したことを通知するイベント情報をメイン制御部10に通知する。ここで、イベント情報は、例えば、SCI(System Control Interrupt)である。
【0039】
メイン制御部10は、CPU11及びチップセット21とにより実現される機能部である。メイン制御部10は、ポインティングスティック33がダブルタップ(特定の操作)を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部14に表示する。ここで、メニュー画面とは、例えば、OSD(On Screen Display)のように、表示部14の表示画面内に表示される画面であり、図4に示すような設定変更のための設定メニュー画面である。ここで、図4を参照して、メニュー画面の一例について説明する。
【0040】
図4は、本実施形態における設定メニュー画面MG1の表示例を示す図である。
図4に示すように、設定メニュー画面MG1は、表示部14の表示画面G1内に表示される。なお、設定メニュー画面MG1には、例えば、撮像部27の輝度及びコントラストの設定、オーディオシステム24(マイク28、及びスピーカ29)の設定、ミュート機能の設定などがあってもよい。設定メニュー画面MG1は、メニュー画面は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定を変更するメニューを示す画面である。
【0041】
例えば、図4に示す設定メニュー画面MG1の例では、撮像部27の輝度及びコントラストの設定、マイク28の設定、ミュート機能の設定、Dictationツールバーの設定(音声認識の設定)、等を変更可能であってもよい。本実施形態において、ノートPC1は、ポインティングスティック33がダブルタップされると、設定メニュー画面MG1のようなメニュー画面を、表示部14に表示する。
【0042】
図3の説明に戻り、メイン制御部10は、BIOS101と、PMドライバ102と、ベースユーティリティ103と、GUIアプリケーション104とを備える。
BIOS101は、BIOSメモリ22に記憶されているBIOSプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される機能部である。BIOS101は、ダブルタップを検出したことを示すイベント情報を、エンベデッドコントローラ31からのSCIにより受信し、ホットキーの通知として、PMドライバ102に出力する。
【0043】
PMドライバ102(Power Management Driver)は、HDD23に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される機能部である。PMドライバ102は、主に、ノートPC1の省電力に関する管理を行うデバイスドライバであり、BIOS101からのホットキーの通知を受信し、ホットキーの通知に応じて、ホットキーのイベントにより、ポインティングスティック33がダブルタップを検出したことをベースユーティリティ103に通知する。
【0044】
ベースユーティリティ103(ユーティリティ処理部の一例)は、HDD23に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される機能部である。なお、ベースユーティリティ103は、OS上で動作するユーティリティである。ベースユーティリティ103は、ホットキーのイベントにより、ポインティングスティック33がダブルタップを検出したことを検知する。ベースユーティリティ103は、PMドライバ102からの上述したホットキーのイベントを受信した場合に、設定メニュー画面MG1の表示させう通知(設定メニュー画面MG1の表示要求)を、GUIアプリケーション104に出力する。
【0045】
GUIアプリケーション104(GUI処理部)は、HDD23に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される機能部である。なお、GUIアプリケーション104は、OS上で動作するアプリケーションであり、上述した図3に示すような設定メニュー画面MG1を表示して、各種デバイス(入力デバイス、又は出力デバイス)の設定を変更するアプリケーションである。
【0046】
GUIアプリケーション104は、ベースユーティリティ103がホットキーのイベントを受信した場合に、メニュー画面を表示部14に表示する。GUIアプリケーション104は、例えば、ベースユーティリティ103から、設定メニュー画面MG1の表示させる通知(設定メニュー画面MG1の表示要求)を受信した場合に、例えば、図3に示す設定メニュー画面MG1を、表示部14に表示する。
【0047】
また、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を表示後に、メニュー画面の設定変更を、キーボード32及びポインティングスティック33を介して受け付け、各種設定変更を実行する。なお、設定メニュー画面MG1を表示している状態を、メニュー画面表示状態という。
【0048】
また、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1のエリア外がクリックされた場合、又は、設定メニュー画面MG1のエリアの表示終了ボタンがクリックされた場合に、設定メニュー画面MG1を表示部14に表示していない非表示状態に遷移する。GUIアプリケーション104は、例えば、利用者が、ポインティングスティック33により、ポインタを設定メニュー画面MG1のエリア外に移動させて、設定メニュー画面MG1のエリア外でクリックした場合に、設定メニュー画面MG1を非表示にして、メニュー非表示、且つ、当該GUIアプリケーション104の処理を許可する状態(メニュー非表示/GUI許可状態)に移行させる。また、GUIアプリケーション104は、例えば、利用者が、設定メニュー画面MG1のウインドウの“×”印などの表示終了ボタンがクリックした場合も同様に、メニュー非表示/GUI許可状態に移行させる。
【0049】
また、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1の表示処理を許可する許可状態において、キーボード32による修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力を検出した場合に、特定の操作の検出を無視して、メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態に遷移する。ここで、キーボード32による修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力とは、例えば、“Fn”キーと“G”キーの組合せ押下(“Fn”+“G”キーの押下)である。GUIアプリケーション104は、例えば、メニュー画面表示状態、又はメニュー非表示/GUI許可状態において、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合に、GUI禁止状態に移行する。GUI禁止状態は、メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態の一例である。
【0050】
GUI禁止状態において、GUIアプリケーション104は、ベースユーティリティ103から設定メニュー画面MG1の表示要求を受信した場合に、表示要求を無視して、設定メニュー画面MG1の表示を実行しない。
また、GUI禁止状態において、GUIアプリケーション104は、キーボード32による特定の組合せの入力を検出した場合(“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合)に、許可状態(例えば、上述したメニュー非表示/GUI許可状態)に遷移する。
【0051】
次に、図5を参照して、上述したGUIアプリケーション104による状態遷移について説明する。
図5は、本実施形態によるノートPC1の状態遷移の一例を示す図である。ここでは、上述したGUIアプリケーション104による状態遷移について説明する。
【0052】
図5に示すように、GUIアプリケーション104では、メニュー非表示/GUI許可状態ST1と、メニュー画面表示状態ST2と、GUI禁止状態ST3との3つの状態がある。
【0053】
メニュー非表示/GUI許可状態ST1(許可状態の一例)は、メニュー画面が非表示で、メニュー画面表示状態ST2への移行(遷移)が許可された状態である。このメニュー非表示/GUI許可状態ST1において、ポインティングスティック33のダブルタップが検出された場合に、GUIアプリケーション104は、状態をメニュー画面表示状態ST2に遷移させる。また、メニュー非表示/GUI許可状態ST1において、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合に、GUIアプリケーション104は、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。
【0054】
メニュー画面表示状態ST2(許可状態の一例)は、図4に示すような設定メニュー画面MG1を表示している状態である。メニュー画面表示状態ST2において、メニューエリア外のクリックが検出された場合に、GUIアプリケーション104は、状態をメニュー非表示/GUI許可状態ST1に遷移させる。
【0055】
また、メニュー画面表示状態ST2において、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合に、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を非表示にして、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。
また、メニュー画面表示状態ST2において、例えば、設定メニュー画面MG1上でGUI禁止状態に設定変更された場合に、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を非表示にして、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。
【0056】
GUI禁止状態ST3(禁止状態の一例)は、GUIアプリケーション104が、ポインティングスティック33のダブルタップによる設定メニュー画面MG1の表示要求を受け付けない状態である。GUI禁止状態ST3において、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合に、GUIアプリケーション104は、状態をメニュー非表示/GUI許可状態ST1に遷移させる。
【0057】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図6は、本実施形態によるノートPC1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、ノートPC1のポインティングスティック33を利用した設定変更の処理について説明する。
【0058】
図6に示すように、ノートPC1は、まず、“Fn”+“G”キーの押下を検出したか否かを判定する(ステップS101)。なお、初期状態は、図5に示すメニュー非表示/GUI許可状態ST1である。ノートPC1のGUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS114に進める。また、GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されていない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS102に進める。
【0059】
ステップS102において、GUIアプリケーション104は、ポインティングスティック33がダブルタップを検出したか否かを判定する。ポインティングスティック33は、ダブルタップの検出を、GPIOポートを介して、エンベデッドコントローラ31に通知し、エンベデッドコントローラ31は、SCIにより、BIOS101に通知する。また、BIOS101は、ダブルタップの検出を示すSCIに応じて、の通知として、PMドライバ102に出力し、PMドライバ102は、ダブルタップの検出を示すホットキーのイベントをベースユーティリティ103に出力し、ベースユーティリティ103は、当該ホットキーのイベントに応じて、設定メニュー画面MG1の表示要求として、GUIアプリケーション104に出力する。GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1の表示要求により、ポインティングスティック33がダブルタップを検出したことを検出する。
【0060】
GUIアプリケーション104は、ポインティングスティック33がダブルタップを検出した場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、GUIアプリケーション104は、ポインティングスティック33がダブルタップを検出していない場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0061】
ステップS103において、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を表示する。GUIアプリケーション104は、ビデオサブシステム13を介して、図4に示すような設定メニュー画面MG1を表示部14に表示させる。なお、これにより、GUIアプリケーション104は、図5に示すメニュー画面表示状態ST2になる。
【0062】
次に、GUIアプリケーション104は、メニュー画面のエリア外のクリックを検出したか否かを判定する(ステップS104)。GUIアプリケーション104は、ポインティングスティック33を用いて、設定メニュー画面MG1のエリア外にポインタが移動されて、クリックされたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、メニュー画面のエリア外のクリックを検出した場合(ステップS104:YES)に、処理をステップS107に進める。また、GUIアプリケーション104は、メニュー画面のエリア外のクリックを検出していない場合(ステップS104:NO)に、処理をステップS105に進める。
【0063】
ステップS105において、GUIアプリケーション104は、終了ボタンのクリックを検出したか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、ポインティングスティック33を用いて、終了ボタンにポインタが移動されて、クリックされたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、終了ボタンのクリックを検出した場合(ステップS105:YES)に、処理をステップS107に進める。また、GUIアプリケーション104は、終了ボタンのクリックを検出していない場合(ステップS105:NO)に、処理をステップS106に進める。
【0064】
ステップS106において、GUIアプリケーション104は、“Fn”+“G”キーの押下を検出したか否かを判定する。すなわち、GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合(ステップS106:YES)に、処理をステップS111に進める。また、GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されていない場合(ステップS106:NO)に、処理をステップS108に進める。
【0065】
また、ステップS107において、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を非表示にする。すなわち、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1を非表示にして、図5に示すメニュー非表示/GUI許可状態ST1になる。ステップS107の処理後に、GUIアプリケーション104は、処理をステップS101に戻す。
【0066】
また、ステップS108において、GUIアプリケーション104は、設定変更要求があるか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、キーボード32及びポインティングスティック33により、設定メニュー画面MG1に表示されている設定変更の要求があるか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、設定変更要求がある場合(ステップS108:YES)に、処理をステップS109に進める。また、GUIアプリケーション104は、設定変更要求がない場合(ステップS108:NO)に、処理をステップS104に戻す。
【0067】
ステップS109において、GUIアプリケーション104は、設定変更要求がGUI禁止要求であるか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、設定変更要求がGUI禁止要求である場合(ステップS109:YES)に、処理をステップS111に進める。また、GUIアプリケーション104は、設定変更要求がGUI禁止要求でない場合(ステップS109:NO)に、処理をステップS110に進める。
【0068】
ステップS110において、GUIアプリケーション104は、設定変更要求に応じた設定変更を実行する。GUIアプリケーション104は、設定変更要求に応じて、例えば、撮像部27の輝度及びコントラストの設定、マイク28の設定、ミュート機能の設定、Dictationツールバーの設定(音声認識の設定)、等の変更を実行する。ステップS110に処理後に、GUIアプリケーション104は、処理をステップS104に戻す。
【0069】
また、ステップS111において、GUIアプリケーション104は、ワーニングメッセージを表示する。すなわち、GUIアプリケーション104は、例えば、ポップアップメッセージ又はOSDによって、ダブルタップによる設定メニュー画面MG1の表示機能が禁止になる旨を示すメッセージを表示部14に表示する。
【0070】
次に、GUIアプリケーション104は、GUI機能を禁止するか否かを判定する(ステップS112)。GUIアプリケーション104は、例えば、キーボード32又はポインティングスティック33によって、設定メニュー画面MG1の表示機能の禁止を容認する入力が検出されたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、GUI機能(設定メニュー画面MG1の表示機能)の禁止を容認する場合(ステップS112:YES)に、処理をステップS113に進める。また、GUIアプリケーション104は、GUI機能(設定メニュー画面MG1の表示機能)の禁止を容認しない場合(ステップS112:NO)に、処理をステップS104に戻す。
【0071】
ステップS113において、GUIアプリケーション104は、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。すなわち、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1の表示を非表示にして、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。ステップS113の処理後に、GUIアプリケーション104は、処理をステップS117に進める。
【0072】
また、ステップS114において、GUIアプリケーション104は、ワーニングメッセージを表示する。すなわち、GUIアプリケーション104は、例えば、ポップアップメッセージ又はOSDによって、ダブルタップによる設定メニュー画面MG1の表示機能が禁止になる旨を示すメッセージを表示部14に表示する。
【0073】
次に、GUIアプリケーション104は、GUI機能を禁止するか否かを判定する(ステップS115)。GUIアプリケーション104は、GUI機能(設定メニュー画面MG1の表示機能)の禁止を容認する場合(ステップS115:YES)に、処理をステップS116に進める。また、GUIアプリケーション104は、GUI機能(設定メニュー画面MG1の表示機能)の禁止を容認しない場合(ステップS115:NO)に、処理をステップS102に戻す。
【0074】
ステップS116において、GUIアプリケーション104は、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。すなわち、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1の表示を非表示にして、状態をGUI禁止状態ST3に遷移させる。
【0075】
次に、GUIアプリケーション104は、“Fn”+“G”キーの押下を検出したか否かを判定する(ステップS117)。すなわち、GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されたか否かを判定する。GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出された場合(ステップS117:YES)に、処理をステップS118に進める。また、GUIアプリケーション104は、キーボード32によって、“Fn”+“G”キーの押下が検出されていない場合(ステップS117:NO)に、処理をステップS117に戻す。
【0076】
ステップS118において、GUIアプリケーション104は、メッセージを表示して、状態をメニュー非表示/GUI許可状態ST1に遷移させる。GUIアプリケーション104は、例えば、ポップアップメッセージ又はOSDによって、ダブルタップによる設定メニュー画面MG1の表示機能が許可になる旨のメッセージを表示部14に表示して、状態をメニュー非表示/GUI許可状態ST1に遷移させる。ステップS118の処理後に、GUIアプリケーション104は、処理をステップS102に戻す。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、ポインティングスティック33と、メイン制御部10とを備える。ポインティングスティック33は、キーボード32に配置され、操作可能なスティックを有し、スティックの設置平面方向(XY軸平面方向)の変位とともに、設置平面に対して垂直方向(Z軸方向)の変位を検出可能である。メイン制御部10は、ポインティングスティック33が、スティックの垂直方向の変位を含む特定の操作(例えば、ポインティングスティック33のダブルタップ)を検出した場合に、予め定められたメニュー画面(例えば、設定メニュー画面MG1)を表示部14に表示する。
【0078】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、特定の操作(例えば、ポインティングスティック33のダブルタップ)により、メニュー画面(例えば、設定メニュー画面MG1)を素早く表示することができるため、ポインティングスティック33を利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現することができる。また、本実施形態によるノートPC1は、ポインティングスティック33を利用した新しいユーザインタフェースを実現することができる。
【0079】
また、本実施形態によるノートPC1は、エンベデッドコントローラ31(サブ制御部)を備える。エンベデッドコントローラ31は、ポインティングスティック33が検出した設置平面方向の変位を示す平面変位情報を第1インタフェース(例えば、PS/2ポートなどのシリアルインタフェース)により受信し、受信した平面変位情報をメイン制御部10に送信する。また、エンベデッドコントローラ31は、ポインティングスティック33が特定の操作(例えば、ポインティングスティック33のダブルタップ)を検出したことを、第2インタフェース(例えば、GPIOポート)により受信し、特定の操作を検出したことを通知するイベント情報をメイン制御部10に通知する。
【0080】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、従来のシステムを流用しながら、第2インタフェース(例えば、GPIOポート)を用いた簡易な手段の追加により、ポインティングスティック33を利用した新しいユーザインタフェースを実現することができる。すなわち、本実施形態によるノートPC1は、従来のシステムとの互換性を維持しつつ、簡易な手段により、利便性を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態では、特定の操作は、スティックを垂直方向(Z軸方向)に2回押下するダブルタップである。メイン制御部10は、ポインティングスティック33がダブルタップを検出した場合に、設定メニュー画面MG1を表示部14に表示する。
【0082】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、ダブルタップというポインティングスティック33を利用した簡単な操作により、設定メニュー画面MG1を表示部14に表示することができる。
【0083】
また、本実施形態では、メイン制御部10は、ベースユーティリティ103(ユーティリティ処理部)と、GUIアプリケーション104(GUI処理部)とを備える。すなわち、メイン制御部10は、ベースユーティリティ103の処理と、GUIアプリケーション104の処理とを実行する。ベースユーティリティ103は、ホットキーのイベントにより、ポインティングスティック33が特定の操作を検出したことを検知する処理を実行する。GUIアプリケーション104は、ベースユーティリティ103がホットキーのイベントを受信した場合に、メニュー画面を表示部14に表示する処理を実行する。
【0084】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、ホットキーのイベントを用いることで、従来のシステムを流用しつつ、簡易な構成により、ポインティングスティック33を利用した新しいユーザインタフェースを実現することができる。
【0085】
また、本実施形態では、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1のエリア外がクリックされた場合、又は、設定メニュー画面MG1のエリアの表示終了ボタンがクリックされた場合に、設定メニュー画面MG1を表示部14に表示していない非表示状態(図5に示すメニュー非表示/GUI許可状態ST1)に遷移する。
【0086】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、表示した設定メニュー画面MG1を簡単に非表示状態にすることができ、利便性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態では、GUIアプリケーション104は、設定メニュー画面MG1の表示処理を許可する許可状態(例えば、図5に示すメニュー非表示/GUI許可状態ST1又はメニュー画面表示状態ST2)において、キーボード32による修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力を検出した場合に、特定の操作の検出を無視して、メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態(例えば、図5に示すGUI禁止状態ST3)に遷移する。また、GUIアプリケーション104は、禁止状態(例えば、図5に示すGUI禁止状態ST3)において、キーボード32による特定の組合せの入力を検出した場合に、許可状態に遷移する。ここで、キーボード32による修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力は、例えば、“Fn”+“G”キーの押下である。また、修飾キーには、例えば、“Fn”キーの他に、“Ctrl”キー、“Alt”キーなどが含まれる。
【0088】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、キーボード32による特定の組合せの入力(例えば、“Fn”+“G”キーの押下)により、簡単に、ポインティングスティック33を利用した設定メニュー画面MG1の表示機能を、禁止又は許可することができ、さらに利便性を向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態では、メニュー画面は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定を変更するメニューを示す画面(設定メニュー画面MG1)である。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定変更を簡単に実行することができ、ユーザビリティをさらに向上させることができる。
【0090】
また、本実施形態による制御方法は、ポインティングスティック33を備えるノートPC1の制御方法であって、メイン制御部10が、ポインティングスティック33が、スティックの垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部14に表示する。ここで、ポインティングスティック33は、キーボード32に配置され、操作可能なスティックを有し、スティックの設置平面方向の変位とともに、設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能である。
【0091】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したノートPC1と同様の効果を奏し、ポインティングスティック33を利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現することができる。
【0092】
また、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、以下の形態であってもよい。本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、ポインティングスティック33と、プログラムを一時的に記憶するメインメモリ12(メモリ)と、メモリ(メインメモリ12)に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ(メイン制御部10)ととを備える。ポインティングスティック33は、キーボード32に配置され、操作可能なスティックを有し、スティックの設置平面方向(XY軸平面方向)の変位とともに、設置平面に対して垂直方向(Z軸方向)の変位を検出可能である。プロセッサ(メイン制御部10)は、メモリ(メインメモリ12)に記憶されたプログラムを実行することにより、ポインティングスティック33が、スティックの垂直方向の変位を含む特定の操作(例えば、ポインティングスティック33のダブルタップ)を検出した場合に、予め定められたメニュー画面(例えば、設定メニュー画面MG1)を表示部14に表示する処理を実行する。
【0093】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したノートPC1及び制御方法と同様の効果を奏し、ポインティングスティック33を利用したユーザビリティの高いユーザインタフェースを実現することができる。
【0094】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置が、ノートPC1である例を説明したが、これに限定されるものではなく、ポインティングスティック33を備える情報処理装置であれば、他の情報処理装置であってもよい。
【0095】
また、上記の実施形態において、情報処理装置(ノートPC1)は、エンベデッドコントローラ31を備え、エンベデッドコントローラ31を介して、ポインティングスティック33の特定の操作を検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置(ノートPC1)は、エンベデッドコントローラ31を備えない形態や、エンベデッドコントローラ31を介さずに、特定の操作を検出するようにしてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態において、設定メニュー画面MG1の表示処理を禁止する、又は許可するための32キーボードによる特定の組合せが、“Fn”+“G”キーの押下である例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の特定の組合せ(他のホットキー)であってもよい。
【0097】
また、上記の実施形態において、設定メニュー画面MG1を表示するためのポインティングスティック33による特定の操作が、ポインティングスティック33のダブルタップである例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の特定の操作であってもよい。特定の操作は、例えば、ポインティングスティック33の長押し操作や、ポインティングスティック33の押下しながら所定の形状を描くなどの操作であってもよい。
【0098】
また、上記の実施形態において、設定メニュー画面MG1の表示処理を禁止する特定の組合せと、許可する特定の組合せとを同一の組合せ(“Fn”+“G”キーの押下)を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、異なる組合せ(ホットキー)を用いてもよい。
【0099】
なお、上述したノートPC1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0100】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0101】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0102】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ノートPC
10 メイン制御部
11 CPU
12 メインメモリ
13 ビデオサブシステム
14 表示部
21 チップセット
22 BIOSメモリ
23 HDD
24 オーディオシステム
25 WLANカード
26 USBコネクタ
27 撮像部
28 マイク
29 スピーカ
31 エンベデッドコントローラ
32 キーボード
33 ポインティングスティック
34 電源回路
101 BIOS
102 PMドライバ
103 ベースユーティリティ
104 GUIアプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックと、
前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示するメイン制御部と
前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を、ポインティングデバイス用シリアルインタフェースである第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、汎用入出力インタフェースである第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知するサブ制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定の操作は、前記スティックを前記垂直方向に2回押下するダブルタップであり、
前記メイン制御部は、前記ポインティングスティックが前記ダブルタップを検出した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記メイン制御部は、
ホットキーのイベントにより、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを検知するユーティリティ処理部と、
前記ユーティリティ処理部が前記ホットキーのイベントを受信した場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示するGUI処理部と
を備える請求項1又は請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記GUI処理部は、
前記メニュー画面の表示処理を許可する許可状態において、前記キーボードによる修飾キーを含む複数キーの特定の組合せの入力を検出した場合に、前記特定の操作の検出を無視して、前記メニュー画面の表示処理を禁止する禁止状態に遷移し、
前記禁止状態において、前記キーボードによる前記特定の組合せの入力を検出した場合に、前記許可状態に遷移する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記GUI処理部は、
前記メニュー画面のエリア外がクリックされた場合、又は、前記メニュー画面のエリアの表示終了ボタンがクリックされた場合に、前記メニュー画面を前記表示部に表示していない非表示状態に遷移する
請求項又は請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記メニュー画面は、入力デバイス、又は出力デバイスの設定を変更するメニューを示す画面である
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックを備える情報処理装置の制御方法であって、
メイン制御部が、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示し、
サブ制御部が、前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を、ポインティングデバイス用シリアルインタフェースである第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、汎用入出力インタフェースである第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知する
制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックと、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示するメイン制御部と、前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を、ポインティングデバイス用シリアルインタフェースである第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、汎用入出力インタフェースである第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知するサブ制御部とを備える情報処理装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、本発明の一態様は、キーボードに配置され、操作可能なスティックを有し、前記スティックの設置平面方向の変位とともに、前記設置平面に対して垂直方向の変位を検出可能なポインティングスティックを備える情報処理装置の制御方法であって、メイン制御部が、前記ポインティングスティックが、前記スティックの前記垂直方向の変位を含む特定の操作を検出した場合に、予め定められたメニュー画面を表示部に表示し、サブ制御部が、前記ポインティングスティックが検出した前記設置平面方向の変位を示す平面変位情報を、ポインティングデバイス用シリアルインタフェースである第1インタフェースにより受信し、受信した前記平面変位情報を前記メイン制御部に送信するとともに、前記ポインティングスティックが前記特定の操作を検出したことを、汎用入出力インタフェースである第2インタフェースにより受信し、前記特定の操作を検出したことを通知するイベント情報を前記メイン制御部に通知する制御方法である。