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特開2023-97864ダストトレイ装置及びダストトレイセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097864
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ダストトレイ装置及びダストトレイセット
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/14 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
E03F5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214222
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健治
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA13
2D063DB04
(57)【要約】
【課題】水圧を受けても、流され難いダストトレイ装置を提供する。
【解決手段】ダストトレイ装置10は、溝蓋5に覆われる溝1又は溝1の内部に配されるダストトレイ装置であり、溝1内の水路と交差する網部11と、網部11に設けられ且つ上向きに延伸する支柱部12と、前記溝蓋又は溝に支持される被支持部13とを備え、被支持部13は、網部11及び支柱部12の少なくとも一方に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝内又は溝蓋に覆われる溝内に配されるダストトレイ装置において、
前記溝内の水路と交差する網部と、
前記網部に設けられ且つ上向きに延伸する支柱部と、
前記溝蓋及び前記溝の少なくとも一方に支持される被支持部と
を備え、
前記被支持部は、前記網部及び前記支柱部の少なくとも一方に設けられている、
ダストトレイ装置。
【請求項2】
前記被支持部は、前記溝蓋に係合することで、支持される、
請求項1に記載のダストトレイ装置。
【請求項3】
前記溝蓋は、下面に形成された凹入部又は上下方向に貫通する貫通孔部を有し、
前記被支持部は、前記凹入部又は前記貫通孔部に係合する、
請求項2に記載のダストトレイ装置。
【請求項4】
前記溝蓋は複数個あり、
前記被支持部は、隣接する2つの溝蓋間に配されることで、支持される、
請求項1に記載のダストトレイ装置。
【請求項5】
前記被支持部において、
前記隣接する2つの溝蓋間に配される部分が板状をしている、
請求項4に記載のダストトレイ装置。
【請求項6】
前記溝は、溝部と、前記溝蓋が載置される溝蓋載置部とを有し、
前記溝部が前記溝蓋に覆われ、
前記溝蓋載置部は、前記水路と上下方向とに直交する方向であって前記溝部の外側に位置し、
前記被支持部は、前記直交する方向を、前記溝部側から前記溝蓋載置部側に突出する部分を有する、
請求項4又は5に記載のダストトレイ装置。
【請求項7】
前記溝は溝蓋により覆われ、
前記被支持部は、前記溝蓋が載置される溝蓋載置部に載置されることで支持される、
請求項1に記載のダストトレイ装置。
【請求項8】
前記被支持部は、前記溝の内面に当接することで、支持される、
請求項1に記載のダストトレイ装置。
【請求項9】
前記被支持部は、
前記内面に対向する対向部分と、
前記対向部分を前記内面側に付勢する付勢手段又は前記対向部分を前記内面に対して伸縮させる伸縮機構と
を備える、
請求項1に記載のダストトレイ装置。
【請求項10】
前記被支持部は、前記水路と上下方向とに直交する方向に一対あり、
前記一対の被支持部は、連結部より連結されている、
請求項1~9の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項11】
さらに、前記網部の下端部分から前記水路に沿って設けられた第2網部を備える、
請求項1~10の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項12】
前記第2網部は、前記溝の底面と対向する第2底網部と、前記溝の側面と対向する第2側網部とを有する、
請求項11に記載のダストトレイ装置。
【請求項13】
前記第2網部は、前記網部に対して水路方向の両側に設けられている、
請求項11又は12に記載のダストトレイ装置。
【請求項14】
前記水路方向の両側の第2網部において、前記水路の下流側の第2網部が、前記水路の上流側の第2網部よりも前記水路方向の長さが長く構成されている、
請求項13に記載のダストトレイ装置。
【請求項15】
前記第2網部の第2網部分は、当該第2網部分の周縁部を囲繞する第2枠部分により、前記溝の内面側から支持されている、
請求項11~14の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項16】
前記網部の上端は、前記第2網部の上端よりも上方に位置する、
請求項11~15の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項17】
前記溝の上端と前記網部との間に、網部を有しない空隙部を有する、
請求項1~16の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項18】
前記支柱部及び前記網部が金属材料により構成されている、
請求項1~17の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項19】
前記網部の目開きが、1.54~1.84mmの範囲内である、
請求項1~18の何れか1項に記載のダストトレイ装置。
【請求項20】
溝の上流側から下流側に向かって少なくとも2個の溝用のダストトレイ装置を配置するダストトレイセットにおいて、
前記ダストトレイ装置は、請求項1~18の何れか1項に記載のダストトレイ装置であり、
上流側のダストトレイ装置の網部の目開きは、下流側のダストトレイ装置の網部の目開きよりも大きい、
ダストトレイセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝等に侵入したごみ等を捕集するダストトレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
溝等に配されるダストトレイ装置として、例えば、「棒状部材又は/及びパイプ状部材を組み合わせて形成される支持部材と、開口部を有し、該開口部から前記支持部材を内部に収容し、該開口部を閉じるか、該開口部の開口の大きさを調整するための紐を収容する収容部を前記開口部に沿って有する袋状の網体と、該網体の収容部に収容される紐とを備えることを特徴とするごみ除去具」が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-77997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のごみ除去具(ダストトレイ装置)は、溝中に載置されているだけであり、網体に大量のごみが溜まった場合、水圧を受けて流されてしまう虞があった。
本発明は、水圧を受けても、流され難いダストトレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るダストトレイ装置は、溝内又は溝蓋に覆われる溝内に配されるダストトレイ装置において、前記溝内の水路と交差する網部と、前記網部に設けられ且つ上向きに延伸する支柱部と、前記溝蓋及び前記溝の少なくとも一方に支持される被支持部とを備え、前記被支持部は、前記網部及び前記支柱部の少なくとも一方に設けられている。
本発明に係るダストトレイセットは、溝の上流側から下流側に向かって少なくとも2個の溝用のダストトレイ装置を配置するダストトレイセットにおいて、前記ダストトレイ装置は、上記のダストトレイ装置であり、上流側のダストトレイ装置の網部の目開きは、下流側のダストトレイ装置の網部の目開きよりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、被支持部を有しているため、水圧を受けても、流され難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るダストトレイ装置が溝に配置された状態を説明する断面斜視図である。
図2】(a)はダストトレイ装置を水路方向から見た図であり、(b)はダストトレイ装置を水路方向と直交する方向(幅方向)から見た図である。
図3】ダストトレイ装置の斜視図であり、(a)は上方からか見た図であり、(b)は下方から見た図である。
図4】(a)は例2に示す被支持部を有するダストトレイ装置を上方から見た斜視図であり、(b)は例3に示す被支持部を有するダストトレイ装置を上方から見た斜視図である。
図5】(a)は例4に示す被支持部を有するダストトレイ装置を上方から見た斜視図であり、(b)は例5に示す被支持部を有するダストトレイ装置を上方から見た斜視図である。
図6】(a)は例6に示す被支持部の断面図であり、(b)は例7に示す被支持部の断面図である。
【0008】
<概要>
【0009】
実施形態の一態様に係る第1のダストトレイ装置は、溝内又は溝蓋に覆われる溝内に配されるダストトレイ装置において、前記溝内の水路と交差する網部と、前記網部に設けられ且つ上向きに延伸する支柱部と、前記溝蓋及び前記溝の少なくとも一方に支持される被支持部とを備え、前記被支持部は、前記網部及び前記支柱部の少なくとも一方に設けられている。これにより、水圧を受けても流され難いダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第2のダストトレイ装置は、第1のダストトレイ装置において、前記被支持部は、前記溝蓋に係合することで、支持される。これにより、水圧を受けても流され難いダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第3のダストトレイ装置は、第2のダストトレイ装置において、前記溝蓋は、下面に形成された凹入部又は上下方向に貫通する貫通孔部を有し、前記被支持部は、前記凹入部又は前記貫通孔部に係合する。これにより、凹入部や貫通孔部を利用して流され難い溝用ダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第4のダストトレイ装置は、第1のダストトレイ装置において、前記溝蓋は複数個あり、前記被支持部は、隣接する2つの溝蓋間に配されることで、支持される。これにより、水圧を受けても流され難いダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第5のダストトレイ装置は、第4のダストトレイ装置において、前記被支持部において、前記隣接する2つの溝蓋間に配される部分が板状をしている。これにより、溝蓋で水路方向から被支持部を面で挟持できる為、より流され難い装置を提供できる。
【0010】
実施形態の別態様に係る第6のダストトレイ装置は、第4又は5のダストトレイ装置において、前記溝は、溝部と、前記溝蓋が載置される溝蓋載置部とを有し、前記溝部が前記溝蓋に覆われ、前記溝蓋載置部は、前記水路と上下方向とに直交する方向であって前記溝部の外側に位置し、前記被支持部は、前記直交する方向を、前記溝部側から前記溝蓋載置部側に突出する部分を有する。これにより、溝蓋により水路方向から装置を支持することができる。
実施形態の別態様に係る第7のダストトレイ装置は、第1のダストトレイ装置において、前記溝は溝蓋により覆われ、前記被支持部は、前記溝蓋が載置される溝蓋載置部に載置されることで支持される。これにより、水圧を受けても流され難いダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第8のダストトレイ装置は、第1のダストトレイ装置において、前記被支持部は、前記溝の内面に当接することで、支持される。これにより、水圧を受けても流され難いダストトレイ装置を提供できる。
【0011】
実施形態の別態様に係る第9のダストトレイ装置は、第1のダストトレイ装置において、前記被支持部は、前記内面に対向する対向部分と、前記対向部分を前記内面側に付勢する付勢手段又は前記対向部分を前記内面に対して伸縮させる伸縮機構とを備える。これにより、設置容易な、水圧で流され難い溝用ダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第10のダストトレイ装置は、第1~9の何れかのダストトレイ装置において、前記被支持部は、前記水路と上下方向とに直交する方向に一対あり、前記一対の被支持部は、連結部より連結されている。これにより、装置自体の強度を向上できる。
実施形態の別態様に係る第11のダストトレイ装置は、第1~10の何れかのダストトレイ装置において、さらに、前記網部の下端部分から前記水路に沿って設けられた第2網部を備える。これにより、網部で堰き止めたゴミを第2網部で捕捉、回収できる。
実施形態の別態様に係る第12のダストトレイ装置は、第11のダストトレイ装置において、前記第2網部は、前記溝の底面と対向する第2底網部と、前記溝の側面と対向する第2側網部とを有する。これにより、網部から溝の側面側へ逃げるゴミ等を捕捉することができる。
【0012】
実施形態の別態様に係る第13のダストトレイ装置は、第11又は12のダストトレイ装置において、前記第2網部は、前記網部に対して水路方向の両側に設けられている。これにより、流れ方向において、装置をリバーシブルに使用できる。
実施形態の別態様に係る第14のダストトレイ装置は、第13のダストトレイ装置において、前記水路方向の両側の第2網部において、前記水路の下流側の第2網部が、前記水路の上流側の第2網部よりも前記水路方向の長さが長く構成されている。これにより、下流側を長く構成することで、装置の支持安定性を高められる。
実施形態の別態様に係る第15のダストトレイ装置は、第11~14の何れかのダストトレイ装置において、前記第2網部の第2網部分は、当該第2網部分の周縁部を囲繞する第2枠部分により、前記溝の内面側から支持されている。これにより、第2網部分の最下部を第2枠部分で囲うこととなり、第2網部の耐久性を向上させられる。また、持ち上げた際に第2網部分が下方から第2枠部分で支持されるので、強い。また、水面に浮いて流下してくるゴミを効率的に捕捉できる。
【0013】
実施形態の別態様に係る第16のダストトレイ装置は、第11~15の何れかのダストトレイ装置において、前記網部の上端は、前記第2網部の上端よりも上方に位置する。これにより、第2網部で捕捉したゴミが離脱した場合でも、網部で捕捉することができる。
実施形態の別態様に係る第17のダストトレイ装置は、第1~16の何れかのダストトレイ装置において、前記溝の上端と前記網部との間に、網部を有しない空隙部を有する。これにより、洪水等で溝内が水で溢れても、水を逃がす(水圧を低減する)ことができる。
実施形態の別態様に係る第18のダストトレイ装置は、第1~17の何れかのダストトレイ装置において、前記支柱部及び前記網部が金属材料により構成されている。これにより、破損し難いダストトレイ装置を提供できる。
実施形態の別態様に係る第19のダストトレイ装置は、第1~18の何れかのダストトレイ装置において、前記網部の目開きが、1.54~1.84mmの範囲内である。これにより、人工芝が設けられた場所に溝が設けられている場合、人工芝などのサイズの小さいゴミ等をより確実に捕捉できる。
【0014】
実施形態の一態様に係るダストトレイセットは、溝の上流側から下流側に向かって少なくとも2個の溝用のダストトレイ装置を配置するダストトレイセットにおいて、前記ダストトレイ装置は、請求項1~18の何れか1項に記載のダストトレイ装置であり、上流側のダストトレイ装置の網部の目開きは、下流側のダストトレイ装置の網部の目開きよりも大きい。これにより、下流側のダストトレイ装置を大きなゴミ等で詰まり難くできる(水圧を受け難くできる)。
【0015】
<実施形態>
1.全体構成
溝用のダストトレイ装置10は、図1に示すように、溝1に配されて使用される。
ここで、溝1内の水路が延伸する方向(水が流れる方向)を水路方向とし、水路方向と上下方向とに直交する方向を幅方向する。
ダストトレイ装置10は、溝1内に配置されることで、溝1を流れるごみが下流側に流れるのを防止する。
以下、各部について説明する。
【0016】
2.溝
溝1は、図1に示すように、水路方向と直交する断面形状が「U」字状、上方が開放する「コ」字状、又はこれらに似た形状の内面の溝部2を有し、水路方向に延伸する。ここでの溝1は、1以上の溝蓋5により開口が覆われ、溝蓋5が載置される溝蓋載置部3を有している。溝蓋載置部3は、溝部2の上方であって幅方向の両端にある。なお、溝蓋載置部3は溝部2の一部として構成されてもよい。
溝部2は、内面として、底面2aと、底面2aの幅方向の両端の側面2bとを有する。
溝蓋載置部3は、幅方向の外方に広がる段差状をしている。溝蓋5は、左右方向の両側の溝蓋載置部3の側面3b間に配され、底面3aにより下側から支持される。
ここでの溝1は、溝形成体4が地面に埋設されることで構成される。溝形成体4は、例えば、水路(延伸)方向と直交する断面形状が上記の「U」字、「コ」字、又はこれらに似た形状である。溝形成体4の上端面は地表よりも低い位置にあり、溝蓋載置部3は少なくとも溝形成体4の上端であるが、溝形成体4の上端と地面とで構成されてもよい。つまり、溝蓋載置部3の底面3aは、溝形成体4の上端面、上端面とその外側の地面の凹みの底面、上端面に土、石等が配された上面であり、側面3bが地面の凹みの側面である。
溝蓋5は、上方から見たときに、方形状又は水路方向(以下、「延伸方向」ともいう。)に長い矩形状をしている。ここでの溝蓋5は、上下方向に貫通する貫通孔部6を複数個有する。つまり、溝蓋5は、所謂、グレーチングが利用される。貫通孔部6は、上方から見ると、例えば、矩形状、方形状、円形状、楕円形状、長円形状をしている。複数個の貫通孔部6は、上方から見たときに、マトリクス(格子)状に設けられている。
【0017】
3.ダストトレイ装置
ダストトレイ装置10は、図1に示すように、溝1内の水路方向と交差(例えば直交)する網部11と、網部11に設けられ且つ上向きに延伸する支柱部12と、網部11又は支柱部12に設けられ且つ溝1及び/又は溝蓋5に支持される被支持部13とを備える。これにより、被支持部13が溝1及び/又は溝蓋5により支持されるため、流れ難くできる。なお、網部11は、溝部2の底面2aから地表に向かって延びると表現することもできる。
ダストトレイ装置10は、網部11の下端部分から水路方向(溝部2の底面2a)に沿って設けられた第2網部を備える。ここでの第2網部は、網部11に対して水路方向の両側にある。これにより、ダストトレイ装置10を安定した状態で溝1内に配置できる。なお、水路の上流側の第2網部を第2上流網部14Aとし、下流側の第2網部を第2下流網部14Bとし、両第2網部を区別する必要がない場合は、単に、第2網部14A,14Bや、第2網部14とする。
ダストトレイ装置10は、フレーム15を有し、当該フレーム15を利用して網部11等が構成される。
以下、各部について、図2及び図3を用いて説明する。
【0018】
(1)フレーム
フレーム15は、図2及び図3に示すように、水路方向から見たときに、上方に開口を有する「U」字状、「コ」字状、又はこれらに似た形状をしている。別の表現をすれば、フレーム15は、後述する被支持部13と網部11とで開口(後述の空隙部16)を形成するよう構成される。フレーム15は、上下方向又は上下方向と15度以下の角度で幅方向に広がりながら上方に向かうように傾斜する方向に延伸する一対の縦延伸部15aと、一対の縦延伸部15aの下端を連結し且つ横方向(幅方向)に延伸する横延伸部15bと、一対の縦延伸部15aの上下方向の中間部位同士を連結し且つ横方向に延伸する横延伸部15cとを有する。
ここで、横延伸部15b,15cを区別するために、便宜上、下側の横延伸部15bを下横延伸部15bとし、上側の横延伸部15cを上横延伸部15cとする。なお、下横延伸部15b、及び/又は、上横延伸部15cは、フレーム15の構成でなく、網部11の構成としてもよい。
縦延伸部15aと下横延伸部15bとの連結部分は円弧状となっている。なお、円弧部分は、縦延伸部15aの構成としてもよいし、下横延伸部15bの構成としてもよいし、円弧部分の一部が縦延伸部15aの構成としてもよい。
フレーム15は、例えば、金属製、より具体的には、ステンレス製の棒状体により構成される。ここでの棒状体はパイプ体(筒体)が利用されている。フレーム15は、例えば「U」字状に曲げられたパイプ体に、上横延伸部15cを構成するためのパイプ体が、溶接、ねじ等で固定されることで構成されている。
【0019】
(2)網部
網部11は、図3に示すように、枠部分111と網部分113とから構成される。
枠部分111は、下横延伸部15bと、上横延伸部15cと、一対の縦延伸部15aにおける上横延伸部15cの下側部分とで構成される。枠部分111は、水路方向から見ると矩形状をし、下部側の隅部分が円弧状になっている。これにより、断面形状が「U」字状の溝部2の内面に沿って配置でき、溝部2の内面との隙間を小さくできるため、隙間から流れるごみを少なくできる。
枠部分111は網部分113の周縁部を囲繞し、網部分113が枠部分111により支持されている。これにより、水圧等による網部分113の変形を防止することができる。
【0020】
網部分113は、水の通過を許容し、ごみの通過を許容しない構造であればよく、例えば、金属線を格子状に配置したものや、金属線を利用して織構造にした、例えば、平織金網や綾織金網等の金網である。網部分113は、枠部分111に対して上流側から取り付けられている。これにより、網部11がごみにより塞がれることで水が貯留した場合でも、水圧が網部分113を枠部分111に押圧する方向に作用することとなり、網部分113が枠部分111から剥がれるのを防止できる。なお、網部分113の枠部分111への取り付けには、溶接、ねじ、リベット、金属線で縛る等を利用できる。
網部分113の目開きは、1.74~1.84mmの範囲内、好ましくは1.64~1.74mmの範囲内、より好ましくは1.54~1.64mmの範囲内になるように構成されている。これにより、例えば、人工芝を使ったサッカー場や野球場等の溝に利用される場合、人工芝等のサイズの小さいごみ等をより確実に捕捉できる。なお、目開きは、第1方向に延伸し且つ第2方向に隣接する金属線の間の距離、及び/又は、第2方向に延伸し且つ第1方向に隣接する金属線の間の距離である。
ここでは、網部分113の第1方向の金属線が溝1の幅方向と平行に、第2方向の金属線が上下方向と平行にそれぞれなるように構成されている。なお、数値範囲をA~Bで表示する場合、A及びBの数値は含まれるものとする。
【0021】
(3)支柱部
支柱部12は、網部11から上方に延伸するように設けられている。具体的には、支柱部12は網部11の枠部分111から上方に延伸する。ここでの支柱部12は、フレーム15を利用し、一対の縦延伸部15aにおける上横延伸部15cの上側部分により構成されている。
支柱部12の上端部には被支持部13が設けられている。支柱部12は、溝1の幅方向の両側にある溝蓋載置部3の底面3aにより構成される仮想面まで延伸している。なお、支柱部12の先端が被支持部13内に進入する場合は、支柱部12の上端は前記仮想面よりも上側に位置することとなる。
【0022】
(4)被支持部
被支持部13は、図1に示すように、溝1の溝蓋載置部3の底面3aに載置されることで、溝1により支持される。被支持部13は、一対の支柱部12に取り付けられた部材における溝蓋載置部3の底面3aの上方に位置する部分を有する。より具体的には、被支持部13は、上下方向と直交し且つ幅方向に主面が延伸する板状部分(板状部材)131を有し、板状部分(板状部材)131における底面3aと対向する領域に被支持部分133を有する。なお、被支持部分133は、板状部分131の下面であって幅方向の両端領域である。
被支持部13が溝1の溝蓋載置部3に載置され、その上に溝蓋5が配置(載置)されることで、ダストトレイ装置10が溝1に固定状態で支持される。なお、被支持部分133は、溝蓋載置部3の底面3aに上方から当接する当接領域ともいえる。
被支持部13の板状部分131は、金属、例えば、ステンレスにより構成される板部材であり、支柱部12の上端に、溶接、ねじ等で固定される。これにより、被支持部13が支柱部12に強固に固定される。
ダストトレイ装置10は、被支持部13と網部11との間には、網部分を有しない空隙部16を有している。これにより、例えば、大雨、台風等で溝1を流れる水が増えた場合や、網部11がごみで塞がり溝1内に貯留されている水量が増えた場合でも、水を下流側に逃がす(水圧を低減する)ことができる。なお、空隙部16は、網部11と溝1の上端(溝蓋5の下端)との間に形成されているとしてもよい。
【0023】
(5)第2網部
第2網部14は、網部11から水路方向の少なくとも上流側に沿って設けられている。これにより、ダストトレイ装置10を溝1から引き揚げる際に、網部11で捕捉されたごみを第2網部14で受けることができる。
第2上流網部14Aと第2下流網部14Bは、幅方向から見たとき(図2の(b)である)、網部11に対して略対称な構成を有している。
図2の(b)に示すように、第2上流網部14Aの水路方向の長さLAは、第2下流網部14Bの水路方向の長さLBと同じ又は略同じである。また、図3に示すように、第2上流網部14Aの幅方向の長さは、第2下流網部14Bの幅方向の長さと略同じである。つまり、第2上流網部14Aと第2下流網部14Bは同じ構成であり、網部11(フレーム15)に取り付けられる部位が異なる。
第2網部14A,14Bは、第2枠部分141A,141Bと第2網部分143A,143Bとを有している。なお、第2上流網部14Aの構成には符号に「A」を、第2下流網部14Bの構成には符号「B」をそれぞれ付す。
【0024】
第2枠部分141A,141Bは、上方から見ると矩形状をし、水路方向から見ると網部11の外縁形状と一致又は略一致するような形状をしている。これにより、水路方向から第2枠部分141A,141Bを見ると「U」字状となり、第2枠部分141A,141Bが溝部2の内面に沿うように配置されるため、溝部2の内面との隙間を小さくできる。第2枠部分141A,141Bは、例えば、一平面状の矩形枠部の幅方向の両端部を湾曲させることで構成される。第2枠部分141A,141Bは、例えば、金属製、例えばステンレスのパイプ材を利用できる。
【0025】
第2網部分143A,143Bは、水の通過を許容し、ごみの通過を許容しない構造であればよく、例えば、金属線を格子状に配置したものや、金属線を利用して織構造にした、例えば、平織金網や綾織金網等の金網である。第2網部分143A,143Bは、第2枠部分141A,141Bに対して上方側から取り付けられている。つまり、第2網部分143A,143Bにおける溝部2と対向する側の面が、当該第2網部分143A,143Bの周縁部を囲繞する第2枠部分141A,141Bにより支持されている、換言すると、第2網部分143A,143Bは第2枠部分141A,141Bにより溝部2側から支持されている。
これにより、ダストトレイ装置10を溝1から引き揚げる際に水の負荷が、第2網部分143A,143Bを第2枠部分141A,141Bに押圧する方向に作用することとなり、第2網部分143A,143Bが第2枠部分141A,141Bから剥がれるのを防止できる。なお、第2網部分143A,143Bの第2枠部分141A,141Bへの取り付けには、溶接、ねじ、リベット、金属線で縛る等を利用できる。
【0026】
第2網部分143A,143Bの目開きは、1.74~1.84mmの範囲内、好ましくは1.64~1.74mmの範囲内、より好ましくは1.54~1.64mmの範囲内になるように構成されている。これにより、例えば、人工芝を使ったサッカー場や野球場等の溝に利用される場合、人工芝等のサイズの小さいごみ等をより確実に捕捉できる。
ここでは、第2網部分143A,143Bの第1方向の金属線が溝1の幅方向又は上下方向と平行に、第2方向の金属線が水路方向と平行にそれぞれなるように構成されている。
【0027】
第2網部14A,14Bは、図3に示すように、少なくとも、溝部2の底面2aと対向する第2底網部145A,145Bを有している。これにより、網部11から溝部2の底面2a側に逃げるごみを捕捉できる。また、ダストトレイ装置10を溝1から引き揚げる際に、網部11で捕捉されたごみを第2底網部145A,145Bで受けることができる。
第2網部14A,14Bは、図3に示すように、溝部2の側面2bと対向する第2側網部146A,146Bを有している。ここでは、第2側網部146A,146Bは、溝部2の幅方向の両側の側面2bに対向して、2個ある。これにより、網部11から溝部2の側面2b側に逃げるごみを捕捉できる。
ここでの第2網部14A,14Bは、上記のように、第2底網部145A,145Bと第2側網部146A,146Bとを有する。これにより、網部11から逃げたごみがダストトレイ装置10の下流側に流れるのを防止できる。
【0028】
第2網部14A,14Bは、その上端が網部11の上端より低く構成されている。換言すると、網部11の上端は、第2網部14A,14Bの上端よりも上方に位置する。これにより、第2網部14A,14Bで捕捉したごみが離脱した場合でも、網部11で捕捉することができる。
【0029】
4.被支持部
被支持部は、溝1、溝蓋5、溝1と溝蓋5との両方に支持される構造であり、例えば、以下のような形態であってもよい。
(1)例1
被支持部13は、図1に示すように、溝蓋5用の溝蓋載置部3の底面3aに載置されることで、支持される。被支持部13は、主面が上下方向と直交する板状をし、溝蓋載置部3の底面3aに載置される載置部分を被支持部分133として有している。
なお、被支持部13の上面に溝蓋5が配置(載置)されてもよいし、されなくてもよい。ただし、溝蓋5が載置された方が、ダストトレイ装置10の移動は抑制される。この場合、被支持部13は、溝部2と溝蓋5とにより支持される。
ここでは、被支持部13は、1つの板状部分131を利用し、溝1の幅方向の両側の被支持部分133が、両側の被支持部分133の間の連結部分134で連結された構造となっているが、例えば、両側の被支持部を2つの板状部材で構成し且つ各板状部材を両側の支柱部12に取り付けるようにしてもよいし、両側の被支持部を2つの板状部材で構成すると共に各板状部材を両側の支柱部12に取り付け且つ2つの板状部材を他の部材で幅方向に連結してもよい。
【0030】
(2)例2
被支持部21は、水路方向に並ぶ(隣接する)溝蓋5の間に配されることで、一方の溝蓋5と他方の溝蓋5とで支持される。
被支持部21は、図4の(a)に示すように、主面が水路方向と直交する板状部分(板状部材)211を有し、板状部分(板状部材)211における水路方向の端面を被支持部分212として有する。なお、ここでの被支持部分212は、板状部分211の両端面の全領域である。また、板状部分211の端面は板状部分の主面でもある。
被支持部21において、板状部分211の幅方向(溝1の幅方向である)の両端側の下面213は、溝蓋載置部3に載置されて支持される被支持部分となっている場合を例に上述していたが、ここでは板状部分の幅方向の長さは、隣接する溝蓋5間にあればよく、溝蓋載置部3まで延伸しなくてもよい。
なお、被支持部21は、水路方向の下流側に位置する溝蓋5の端面5aに当接することで、支持されるとしてもよい。
ここでは、被支持部21は、1つの板状部分211を利用しているが、例えば、両側の被支持部を2つの板状部材で構成し且つ各板状部材を両側の支柱部12に取り付けるようにしてもよいし、両側の被支持部を2つの板状部材で構成すると共に各板状部材を両側の支柱部12に取り付け且つ2つの板状部材を他の部材で幅方向に連結してもよい。
被支持部21は、一対の支柱部12に跨るように板状部分211が設けられている場合を例に説明したが、網部11の枠部分111(上横延伸部15c)から上方に延伸するように設けられてもよい。この場合、幅方向の中央部分で溝蓋5の端面5aや水路方向に並ぶ溝蓋5と対向してもよいし、幅方向に間隔をおいて2つの板状部分で端面5aや水路方向に並ぶ溝蓋5と当接するようにしてもよい。
【0031】
(3)例3
被支持部31は、例2と同様に、水路方向に隣接する溝蓋5の間に配されることで、支持される。被支持部31は、図4の(b)に示すように、水路方向と直交する幅方向に延伸する棒状部分(棒状部材)311を有し、棒状部分(棒状部材)311における溝蓋5の端面5a(図1参照)と対向する領域に被支持領域312を有する。
なお、ここでの被支持領域312は、溝部2側から溝蓋載置部3側に突出する突出部分を構成する。
被支持部31において、棒状部分311の幅方向(溝1の幅方向である)の両端の下面313は、溝蓋載置部3に載置されて支持される被支持領域となっているが、棒状部分の幅方向の長さは、隣接する溝蓋5間にあればよく、溝蓋載置部3まで延伸しなくてもよい。
なお、被支持部31は、水路方向の下流側に位置する溝蓋5の端面5aに当接することで、支持されるとしてもよい。
ここでは、被支持部31は、1つの棒状部分311を利用しているが、例えば、両側の被支持部を2つの棒状部材で構成し且つ各棒状部材を両側の支柱部12に取り付けるようにしてもよいし、両側の被支持部を2つの棒状部材で構成すると共に各棒状部材を両側の支柱部12に取り付け且つ2つの棒状部材を他の部材で幅方向に連結してもよい。
被支持部31は、一対の支柱部12に跨るように棒状部分311が設けられているが、網部11の枠部分111(上横延伸部15c)から上方に延伸するように設けられてもよい。この場合、幅方向の中央部分で溝蓋5の水路方向の下流側に位置する溝蓋5の端面5aや水路方向に並ぶ溝蓋5と対向してもよいし、幅方向に間隔をおいて複数個の棒状部分で水路方向の下流側に位置する溝蓋5の端面5aや水路方向に並ぶ溝蓋5と当接するようにしてもよい。
【0032】
(4)例4
被支持部41は、支柱部42を実施形態の支柱部12よりも上方へ延伸させ、その延伸部分が、溝蓋5に係合することで、支持される。具体的には、延伸部分が溝蓋5の貫通孔部6又は下面に設けられた凹入部に係合する。
被支持部41は、支柱部42から上向きに延伸し且つ溝蓋5の貫通孔部6又は凹入部に係合する係合部分を被支持部分411として有している。なお、支柱部42の上部が被支持部41を構成するとしてもよい。
ここでは、被支持部41は、幅方向に間隔を置いて2個あるが、幅方向に間隔をおいて3個以上あってもよい。3個以上設ける場合は、網部11の上横延伸部15cから上方に延伸するように延伸部分を設け、その上部側で被支持部が構成される。なお、被支持部41が網部11の上横延伸部15cから上方に延伸するように延伸部分を1個設けてもよい。
また、例4の被支持部41は、支柱部42を利用しているが、網部11の上横延伸部15cから延伸するように延伸部分を設けてもよく、その個数は、1個でもよいし、複数個でもよい。
複数の被支持部41を設ける場合、これらを幅方向に連結してもよい。
【0033】
(5)例5
被支持部51は、例4における、一対の支柱部42の上部側を連結部材で連結させ、連結部材及び/又は支柱部に被支持部を設けたものである。
例5のダストトレイ装置50は、一対の支柱部53の上部側に、当該支柱部53を連結する連結部52を有している。
被支持部51は、支柱部53から上向きに延伸し且つ溝蓋5の貫通孔部6又は凹入部に係合する係合部分と、連結部52から上向きに延伸し且つ溝蓋5の貫通孔部6又は凹入部に係合する係合部分とを、被支持部分511として有している。なお、支柱部53の上部が被支持部41を構成するとしてもよい。
ここでは、幅方向の両側の被支持部分511は、支柱部53の延長上に設けられているが、例えば、図5の(b)に示す支柱部53よりも低い支柱部の上端同士を連結部(52)で連結し、連結部(52)から上向きに延伸し且つ溝蓋5の貫通孔部(6)又は凹入部に係合する係合部分を被支持部分として有してもよい。この場合、被支持部は、1個でもよいし、複数個でもよい。
【0034】
(6)例6
被支持部61は、溝部2の側面2b又は溝蓋載置部3の側面3bに当接することで、支持される。被支持部61は、図6の(a)に示すように、溝部2の側面2b又は溝蓋載置3部の側面3bに当接する当接部分を有している。
被支持部61は、支柱部又は網部に固定される固定部分62と、固定部分62に対して幅方向に移動可能に設けられた可動部分63とを有し、可動部分63が溝部2の側面2bや溝蓋載置部3の側面3bに当接する。当接部分は、可動部分63における側面2b,3bに対向する部分により構成される。
固定部分62は、幅方向に延伸する棒状体、例えば、円柱状体又は円筒状体により構成され、幅方向の外方側の端部の外周にねじ部621を有している。なお、棒状体を円筒状体で構成する場合、ねじ部は、外周に設けられてもよいし、内周に設けられてもよい。
可動部分63は、幅方向に延伸し且つ横断面における内周面が円形状の筒状体により構成され、内周面にねじ部631を有している。これにより、可動部分63を固定部分62の中心軸周りに回動させることで、可動部分63が幅方向に移動し、側面2b,3bに当接する。
【0035】
図6の(a)に示されていないが、可動部分63を有する被支持部61は、幅方向の少なくとも一方側にあればよく、他方側の被支持部は、溝部2の側面2b又は溝蓋載置部3の側面3bに当接する当接部を有していればよい。具体的には、図6の(a)の固定部分62における可動部分63と反対側の端部が側面2b,3bに達するように構成されることで実施できる。
可動部分63を有する被支持部61を幅方向の両側に設ける場合は、例えば、1本の固定部分62を利用し、その両端に可動部分63を設けてもよいし、2本の固定部分62を支柱部又は網部(の縦延伸部分)に設け、各固定部分62に可動部分63を設けてもよい。2本の固定部分62を網部よりも上方で利用する場合、2本の固定部分62を連結部で連結してもよい。
【0036】
(7)例7
例6は、可動部分63を回動させることで、当該可動部分63を幅方向に移動可能としていたが、例7の被支持部71は、可動部分を幅方向の外方へ付勢する付勢手段を備え、幅方向に伸縮機能を有する。
被支持部71は、溝部2の側面2b又は溝蓋載置部3の側面3bに対向する対向部分73と、対向部分73を幅方向に移動可能に支持する支持筒部分72と、対向部分73を側面2b,3b側に付勢する付勢手段74と、付勢手段74を支持する支持部分75とを備える。
対向部分73は、棒状部材により構成され、支持筒部分72を構成する筒状部材内に挿入されている。支持部分75は、貫通孔751を有する有底筒状をし、当該貫通孔751を対向部分73が挿通する状態で、支持筒部分72の端部に取り付けられている。付勢手段74は、支持部分75の底部分と対向部分73の後端の鍔部分731との間に配され、対向部分73を幅方向の外方へ付勢する。これにより、対向部分73を手で支持筒部分72側に押し込むことが可能となり、種々の幅を有する溝部2の側面2bや溝蓋載置部3の側面3bに当接可能となる。
【0037】
図6の(b)に示されていないが、伸縮機能を有する被支持部71は、幅方向の少なくとも一方側にあればよく、他方側の被支持部は、溝部2の側面2b又は溝蓋載置部3の側面3bに当接する当接部を有していればよい。具体的には、図6の(b)の支持筒部分72の端面が側面2b,3bに達するように構成されることで実施できる。
伸縮機能付きの被支持部71を幅方向の両側に設ける場合は、例えば、1本の支持筒部分72を利用し、その両端に伸縮機能を設けてもよいし、2本の支持筒部分72を支柱又は網部(の縦延伸部分)に設け、各支持筒部分72に伸縮機能を設けてもよい。2本の支持筒部分72を網部よりも上方で利用する場合、2本の支持筒部分72を連結部で連結してもよい。
【0038】
(8)例8
被支持部は、支柱部又は網部と、溝部2の側面2b又は溝蓋載置部3の側面3bとの間に配されたばね体により構成し、ばね体を縮小させた状態で、ダストトレイ装置を溝に配することで、当該ばね体により側面2b,3bを押圧するようにしてもよい。
【0039】
5.第2網部
第2網部は、例えば、以下のような形態であってもよい。
(1)例1
第2網部14A,14Bは、網部11に対して水路方向の両側に設けられ、第2上流網部14Aと第2下流網部14Bは同じ構成であったが、異なる構成であってもよい。例えば、第2下流網部の水路方向の長さLB(図2の(b)参照)は、第2上流網部の水路方向の長さLAよりも長くてもよい。これにより、ダストトレイ装置10を溝1の底面2aに設置する場合にダストトレイ装置10の設置安定性を向上できる。
【0040】
(2)例2
第2網部14A,14Bは、網部11に対して水路方向の両側に設けられ、第2枠部分141A,141Bと、第2網部分143A,143Bとを有している。しかしながら、上流側の水のごみを捕捉する観点からは、第2上流網部14Aは第2網部分143Aを備えることが好ましいが、第2下流網部14Bは第2網部分143Bを有しなくてもよい。
また、設置状態のダストトレイ装置の安定性の観点からは、第2下流網部14Bは第2網部分143Bを有しなくてもよい。つまり、第2下流網部14Bは第2枠部分141Bのみを有してもよい。
【0041】
(3)例3
第2上流網部14Aは、第2側網部146Aを有しているが、有しなくてもよい。但し、第2側網部146Aを網部11の幅方向の両端に有している場合、網部11から側方に流れるごみを捕捉できる。
第2上流網部14Aは、第2底網部145Aを網部11の下端に有しているが、上下方向の中間側であってもよい。第2底網部を有することで、ダストトレイ装置10を引き上げた際に、網部11から脱落したごみを受けることができる。
第2上流網部14Aは、第2底網部145Aを網部11の下端に有するのが好ましい。第2側網部146Aを網部11の下端に有している場合、網部11から下方(底側)に流れるごみを捕捉できる。
【0042】
6.ダストトレイセット
実施形態では、1個のダストトレイ装置10について説明したが、例えば、2個以上隣接させて使用してよい。
つまり、溝の上流側から下流側に向かって少なくとも2個の溝用のダストトレイ装置を配置するダストトレイセットとしてもよい。この場合、上記した種々の被支持部や第2網部を備えるダストトレイ装置を利用できる。
ダストトレイセットを利用する場合、上流側のダストトレイ装置の網部の目開きは、下流側のダストトレイ装置の網部の目開きよりも大きいことが好ましい。これにより、下流側のダストトレイ装置を大きなごみ等で詰まり難くできる(水圧を受け難くできる)。
【0043】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0044】
(1)実施形態の溝1の配置場所等について説明していないが、溝としては、例えば、道路脇の排水路、農業や工業用の用水路、ゴルフ場、グラウンド、サッカー場等の周囲に設けられた排水路等がある。
(2)実施形態の溝形成体4は、溝部2に相当する部分を有し、溝蓋載置部3を有していないが、溝形成体は、溝部と溝蓋載置部とを一体で有するものであってもよい。また、溝部の下部側を溝形成体で構成し、上部側を地面(コンクリートを含む)で構成してもよい。
(3)溝蓋5として、金属製のグレーチングを例にしたが、例えば、木製のグレーチング、コンクリート製であってもよいし、鉄板であってもよい。
(4)網部
網部は、流れるごみを捕捉できればよく、金属製の金網以外であってもよく、例えば、合成樹脂繊維製のネットや、金属板や樹脂板に多数の貫通孔を設けたパンチングメタルやパンチングプレート等を利用できる。また、金属線を平行に間隔をおいて配置したグリッド網等を利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 溝
10 ダストトレイ装置
11 網部
12 支柱部
13 被支持部
14 第2網部
図1
図2
図3
図4
図5
図6