(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097866
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
F16K 51/00 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
F16K51/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214225
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋司
(72)【発明者】
【氏名】東浦 将隆
(72)【発明者】
【氏名】富田 力
【テーマコード(参考)】
3H066
【Fターム(参考)】
3H066AA01
3H066BA18
3H066BA38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フィルタの組付けを容易にすることができるバルブ装置を提供する。
【解決手段】バルブ装置は、第1流路22の第1開口22aが開口する凹部21を有する第1部材11と、第2流路24の第2開口24aが端部に形成される凸部23を有し、第2開口に第1開口を対向させるように凸部が凹部に挿入される第2部材12と、所定方向に厚みを有し、前記第1開口と前記第2開口との間に位置するフィルタ13と、内側においてフィルタを保持する本体部34と、本体部の所定方向一方側に形成され且つ凸部に取り付けられる少なくとも2つの取付部35とを有するリテーナ14とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流路の第1開口が開口する凹部を有する第1部材と、
第2流路の第2開口が端部に形成される凸部を有し、前記第2開口に前記第1開口を対向させるように前記凸部が前記凹部に挿入される第2部材と、
所定方向に厚みを有し、前記第1開口と前記第2開口との間に位置するフィルタと、
内側において前記フィルタを保持する本体部と、前記本体部の所定方向一方側に形成され且つ前記凸部に取り付けられる少なくとも2つの取付部とを有するリテーナとを備えている、バルブ装置。
【請求項2】
前記リテーナは、前記本体部から内側に延びる内側延伸部を有し、
前記内側延伸部は、前記フィルタの所定方向他方側に設けられている、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記リテーナは、前記内側延伸部に形成される突起部を有し、
前記内側延伸部は、前記フィルタの所定方向他方側の面の外周縁全体を覆い、
前記突起部は、前記内側延伸部において前記第1部材に向かって突出し、且つ前記内側延伸部の内周縁を外囲するように環状に形成されている、請求項2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記取付部は、内側に突出する突出部を有し、前記凸部の外周面の周りに形成され、
前記凸部は、外周面に前記突出部が係合する係合凹所が形成されている、請求項1乃至3の何れか1つに記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記取付部は、前記凸部の外周面の周りに形成され、
前記凸部は、前記取付部内に嵌合されている、請求項1乃至3の何れか1つに記載のバルブ装置。
【請求項6】
前記凸部は、前記第2開口の周りに、前記取付部に夫々対応する複数の嵌合孔が形成され、
前記取付部は、対応する前記嵌合孔に嵌合している、請求項1乃至3の何れか1つに記載のバルブ装置。
【請求項7】
前記凸部は、前記端部において前記第2開口の周りに形成されている座ぐりを有し、
前記フィルタは、前記座ぐりに嵌り込んでいる、請求項1乃至6の何れか1つに記載のバルブ装置。
【請求項8】
前記第1部材は、アルミニウムから成り、
前記第2部材は、ステンレス鋼から成り、
前記リテーナは、アルミニウムより軟質な材料から成る、請求項1乃至7の何れか1つに記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタミネーションを捕捉するフィルタを備えるバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バルブ装置には、コンタミを捕捉すべくフィルタが設けられている。例えば、特許文献1に記載されるバルブ装置では、フィルタがボディの凹部に入れられている。そして、フィルタは、金属ブッシュ(リテーナ)によってボディに押え付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバルブ装置では、フィルタを定められた位置や姿勢に配置することが難しく、フィルタの組み込み作業が煩雑となる。
【0005】
そこで本発明は、フィルタの組付けを容易にすることができるバルブ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバルブ装置は、第1流路の第1開口が開口する凹部を有する第1部材と、第2流路の第2開口が端部に形成される凸部を有し、前記第2開口に前記第1開口を対向させるように前記凸部が前記凹部に挿入される第2部材と、所定方向に厚みを有し、前記第1開口と前記第2開口との間に位置するフィルタと、内側において前記フィルタを保持する本体部と、前記本体部の所定方向一方側に形成され且つ前記凸部に取り付けられる少なくとも2つの取付部とを有するリテーナとを備えているものである。
【0007】
本発明に従えば、リテーナによってフィルタを第2部材に取り付けることができる。それ故、バルブ装置を組み立てる際、第1部材の凹部に第2部材の凸部に挿入することで、フィルタを凹部内に配置すると共に凸部と凹部との間に配置することができる。それ故、フィルタの組付けが容易である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィルタの組付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバルブ装置を示す断面図である。
【
図2】
図1のバルブ装置を分解して示す分解図である。
【
図3】
図2のフィルタ及びリテーナを拡大して示す拡大斜視図である。
【
図4】
図1のバルブ装置の領域Xを拡大して示す拡大断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るバルブ装置の一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係るバルブ装置の一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態に係るバルブ装置の一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る第1乃至第4実施形態のバルブ装置1,1A~1Cについて前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明するバルブ装置1,1A~1Bは、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0011】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態のバルブ装置1は、バルブ装置1内における作動流体の流れを制御する。例えば、バルブ装置1は、作動流体の流量、圧力、及び流れる方向の少なくとも1つを制御する。また、バルブ装置1によって流れが制御される作動流体は、ガスであり、本実施形態において作動流体は、水素ガスである。より詳細に説明すると、バルブ装置1は、ケーシング11と、ハウジング12と、フィルタ13と、リテーナ14と、を備えている。
【0012】
<ケーシング>
第1部材の一例であるケーシング11は、
図2に示すように凹部21を有している。また、凹部21には、第1流路22の第1開口22aが開口している。より詳細に説明すると、凹部21は、ケーシング11の外表面11aに形成されている。そして、凹部21は、所定の軸線L1まわりに形成されており、その軸線L1に沿う軸線方向一方に開口している。第1流路22は、ケーシング11に形成され、第1開口22aを有している。第1開口22aは、凹部21の底部分に形成されており、第1流路22は、第1開口22aを介して凹部21に繋がっている。また、第1流路22は、第1開口22aに近づくにつれて拡径している。なお、第1流路22は、必ずしも第1開口22aに近づくにつれて拡径している必要はない。
【0013】
また、ケーシング11内には、少なくとも1つの弁体(図示しない)が設けられている。弁体は、ケーシング11と共に弁を構成し、第1流路22を流れる水素ガスの流れを制御する。なお、弁としては、例えば減圧弁、流量制御弁、逆止弁、安全弁、及び手動弁等がある。但し、弁は、これらに限定されるものではない。
【0014】
更に、ケーシング11は、金属から成る。本実施形態において、ケーシング11は、水素脆化に対する耐性を有する金属から成り、例えばアルミニウムから成る。なお、ケーシング11は、アルミニウムに限定されず、ステンレス鋼であってもよい。
【0015】
<ハウジング>
第2部材の一例であるハウジング12は、凸部23を有している。そして、凸部23の端部23aには、第2流路24の第2開口24aが形成されている。ここで、凸部23の端部23aは、ハウジング12における軸線方向他方側の端部である。ハウジング12の凸部23は、凹部21に挿入されている。そして、ハウジング12は、第2開口24aを第1開口22aに対向させるように配置されている。これにより、第2流路24と第1流路22とが繋がり、第1流路22と第2流路24との間で水素ガスを流すことができる。更に詳細に説明すると、ハウジング12は、その軸線が軸線L1と一致する円筒状に形成されている。ハウジング12は、フランジ25及び第2流路24を有している。
【0016】
フランジ25は、ハウジング12の軸線方向中間部分に形成されている。更に詳細に説明すると、フランジ25は、軸線方向中間部分に周方向全周にわたって形成され、また半径方向に突出している。そして、凸部23は、ハウジング12において、フランジ25より軸線方向他方側の部分を成している。凸部23は、ハウジング12の軸線を軸線L1に一致させるように凹部21に挿入されている。そして、ハウジング12は、フランジ25に挿通される締結部材26(例えば、ボルト)が挿通され、締結部材26によってフランジ25がケーシング11に締結されている。但し、ハウジング12をケーシング11に固定する方法は、締結に限定されず、溶接や螺合等であってもよい。このようにしてハウジング12は、ケーシング11に取り付けられている。
【0017】
また、凸部23では、端部23aが端部23aより軸線方向一方側の部分に比べて小径に形成されている。また、端部23aの外周面には、係合溝23bが形成されている。係合凹所の一例である係合溝23bは、後述する突出部35aが係合する。そして、係合溝23bは、本実施形態において端部23aの外周面において全周にわたって形成されている。なお、係合溝23bは、必ずしも全周に形成される必要はなく、少なくとも後述する突出部35aに対応する位置に形成されてよい。
【0018】
第2流路24は、ハウジング12の内孔として形成されている。より詳細に説明すると、第2流路24は、軸線L1に沿ってハウジング12を貫通しており、軸線方向他方側に第2開口24aを有している。即ち、第2開口24aは、凸部23の端部23aに形成されている。そして、第2開口24aは、軸線方向一方に開口している。なお、本実施形態において、第2流路24は、第2開口24a付近において拡径している。但し、第2流路24もまた、必ずしも第2開口24aに近づくにつれて拡径している必要はない。また、ハウジング12は、本実施形態において入力口ハウジングであって、ハウジング12の軸線方向他方側の端部から第2流路24に水素ガスが導入される。
【0019】
更に、ハウジング12は、金属から成る。本実施形態において、ハウジング12は、水素脆化に対する耐性を有する金属から成り、例えばステンレス鋼から成る。なお、ハウジング12は、ステンレス鋼に限定されず、アルミニウムであってもよい。
【0020】
<フィルタ>
フィルタ13は、所定方向に厚みを有している。なお、本実施形態において、所定方向は前述する軸線方向に一致している。本実施形態において、フィルタ13は、例えば板状に形成され、本実施形態において円板状に形成されている。また、フィルタ13は、第1開口22aと第2開口24aとの間に位置するように配置されている。そして、フィルタ13は、第1流路22と第2流路24との間で流れる水素ガスに含まれるコンタミを捕捉する。より詳細に説明すると、フィルタ13は、
図4に示すようにハウジング12の凸部23の軸線方向他方側の端面(以下、単に「凸部23の端面」という)に当接している。そして、フィルタ13は、第2開口24aの口径より大径に形成されている。それ故、第2開口24a全体がフィルタ13によって軸線方向他方側から覆われている。これにより、第2開口24aから排出される水素ガスがフィルタ13を通り抜けるので、水素ガスに含まれるコンタミをフィルタ13が捕捉する。なお、フィルタ13は、本実施形態において第1開口22aの口径よりも大径に形成されている。
【0021】
<リテーナ>
図3に示すように、リテーナ14は、本体部34と、取付部35と、内側延伸部36と、を有している。リテーナ14は、ハウジング12の凸部23に取り付けられ、内側にフィルタ13を保持する。これにより、フィルタ13は、第2開口24a全体を覆うようにして凸部23の軸線方向他方側の端面に固定される。また、リテーナ14は、アルミニウムより軟質な材料から成る。即ち、リテーナ14は、アルミニウムより硬度の低い材料から成る。本実施形態において、リテーナ14は、樹脂材料から成る。但し、リテーナ14は、樹脂材料から成るものに限定されない。
【0022】
<本体部>
本体部34は、内側においてフィルタ13を保持する。より詳細に説明すると、本体部34は、中空の円板状に構成されている。本体部34は、内孔がフィルタ13の外径と同径又はそれより少し大径に形成されている。なお、本実施形態において、本体部34の内孔は、フィルタ13の外径より大径に形成されている。そして、本体部34の中にフィルタ13が保持されている。
【0023】
<取付部>
取付部35は、本体部34の軸線方向一方側に形成されている。そして、取付部35は、凸部23に取り付けられる。更に詳細に説明すると、取付部35は、本体部34に複数形成されている。本実形態において、本体部34には、3つの取付部35が形成されている。なお、取付部35は、3つに限らず、2つ又は4つ以上であってもよい。また、
図2及び
図4は、そして、取付部35の各々は、本体部34において周方向に等間隔をあけて配置されている。なお、
図1、
図2及び
図4では、説明便宜上、取付部35の位置が変えて示されている。また、取付部35は、本体部34から軸線方向一方側に延在し、その先端部が係合溝23bまで達している。
【0024】
また、取付部35は、内側に突出する突出部35aを有している。更に詳細に説明すると、突出部35aは、係合溝23bに対応する位置に形成されており、係合溝23bに嵌り込んで係合している。本実施形態において、突出部35aは、取付部35の先端部、即ち軸線方向一端部に形成されている。
【0025】
<内側延伸部>
内側延伸部36は、本体部34から内側に延びている。そして、内側延伸部36は、フィルタ13の軸線方向他方側に設けられている。更に詳細に説明すると、内側延伸部36は、フィルタ13の軸線方向他方側の面における外周縁全体を覆っている。より詳細に説明すると、内側延伸部36は、本体部34の軸線方向他方側の開口端において周方向全周にわたって形成され、開口端から径方向内方に延在している。内側延伸部36は、本実施形態において円環状に形成されている。なお、内側延伸部36の開口は、本実施形態において第1開口22a及び第2開口24aと同径に形成されている。これにより、水素ガスの圧力損失を抑制することができる。
【0026】
また、内側延伸部36には、突起部36aが形成されている。突起部36aは、内側延伸部36においてケーシング11に向かって(即ち、軸線方向他方側に)突出している。また、突起部36aは、内側延伸部36の内周縁を外囲するように環状に形成されている。本実施形態において、突起部36aは、円環状に形成されており、この突起部36aがケーシング11に押し付けられる。より詳しく説明すると、突起部36aは、凹部21の底部に押し付けられる。そうすると、第1開口22aの周りが突起部36aによって封止される。これにより、コンタミが内側延伸部36とケーシング11との間を通り抜けて第1流路22に流れ込むことを更に抑制することができる。
【0027】
<バルブ装置の組み立て>
バルブ装置1は、例えば、以下のようにして組み立てられる。即ち、フィルタ13は、ハウジング12の凸部23の端面に載せられる。次に、リテーナ14は、中にフィルタ13を収めるようにハウジング12の凸部23の端部23aに被せられる。より詳細に説明すると、リテーナ14は、ハウジング12の凸部23の端面にあるフィルタ13の外周縁を凸部23と挟持するように凸部23に被せられる。そして、リテーナ14の取付部35の突出部35aが係合溝23bに係合される。これにより、フィルタ13がハウジング12に取り付けられる。
【0028】
取り付けた後、ハウジング12は、凸部23を凹部21に挿入される。そして、ハウジング12は、リテーナ14が凹部21の底部に当接するまで押し込まれる。そうすると、突起部36aが凹部21の底部に当接して第1開口22aの周りを封止する。また、押し込まれることによってリテーナ14が反力を受け、内側延伸部36と凸部23とによってフィルタ13の外周縁部が挟持される。これにより、リテーナ14がフィルタ13を安定的に保持することができる。また、フィルタ13の外周縁部が挟持されることによって、第2開口24aの周りにフィルタ13を配置することができ、コンタミの捕捉性を高めることができる。押し込んだ後は、フランジ25に挿通される締結部材26によってハウジング12がケーシング11に締結される。これにより、ハウジング12がケーシング11に取り付けられる。
【0029】
このように構成されているバルブ装置1では、リテーナ14によってフィルタ13をハウジング12に保持することができる。それ故、バルブ装置1を組み立てる際、ケーシング11の凹部21にハウジング12の凸部23に挿入することで、フィルタ13を凹部21内に配置すると共に凸部23と凹部21との間に配置することができる。それ故、フィルタ13の組付けを容易にすることができる。また、バルブ装置1では、取付部35と係合溝23bとでスナップフィットが形成されている。それ故、リテーナ14を凸部23に容易に取り付けることができる。これにより、フィルタ13の組付けを更に容易にすることができる。
【0030】
[第2実施形態]
第2実施形態のバルブ装置1Aは、第1実施形態のバルブ装置1と構成が類似している。従って、第2実施形態のバルブ装置1Aの構成については、主に第1実施形態のバルブ装置1と異なる点が説明され、同一の構成については同一の符号を付して説明が省略される。なお、第3及び第4実施形態のバルブ装置1B,1Cについても同様である。
【0031】
バルブ装置1Aでは、
図5に示すように、ケーシング11と、ハウジング12と、フィルタ13と、リテーナ14Aを有している。リテーナ14Aは、本体部34と、取付部35Aと、内側延伸部36と、を有している。
【0032】
取付部35Aは、凸部23の外周面を囲むように形成されている。更に詳細に説明すると、取付部35Aは、本体部34の軸線方向一方側に形成されている。また、取付部35Aは、本体部34に複数形成されている。本実形態において、本体部34には、3つの取付部35Aが形成されている。なお、取付部35Aは、4つ以上であってもよい。そして、取付部35の各々は、本体部34において周方向に等間隔をあけて配置されている。なお、
図5では、説明便宜上、取付部35Bの位置が変えて示されている。取付部35Aは、軸線方向一方に真っ直ぐ延在している。また、取付部35Aの内周面は、湾曲しており、その曲率半径が凸部23の外径より小さく形成されている。
【0033】
このように構成されているリテーナ14Aでは、複数の取付部35Aの間に凸部23が嵌合されている。より詳細に説明すると、複数の取付部35Aの間に凸部23が圧入されている。これにより、フィルタ13がハウジング12に取り付けられる。バルブ装置1Aでは、取付部35Aに凸部23を圧入することによって凸部23にリテーナ14Aを取り付けることができるので、リテーナ14を凸部23に容易に取り付けることができる。これにより、フィルタ13の組付けを更に容易にすることができる。
【0034】
その他、第2実施形態のバルブ装置1Aは、第1実施形態のバルブ装置1と同様の作用効果を奏する。
【0035】
[第3実施形態]
第3実施形態のバルブ装置1Bは、
図6に示すようにケーシング11と、ハウジング12Bと、フィルタ13と、リテーナ14Bとを備えている。ハウジング12Bは、凸部23Bを有している。凸部23Bの端面には、第2開口24aの周りに複数の嵌合孔23cが形成されている。嵌合孔23cは、軸線方向一方側に延在している。なお、嵌合孔23cは、本実施形態において凸部23Bの端面に3つ形成されている。なお、嵌合孔23cは、2つ又は4つ以上であってよい。そして、嵌合孔23cは、第2開口24aの周りにおいて軸線L1まわりに等間隔をあけて配置されている。
【0036】
リテーナ14Bは、本体部34と、取付部35Bと、内側延伸部36と、を有している。取付部35Bは、対応する嵌合孔23cに嵌合している、更に詳細に説明すると、取付部35Bは、本体部34の軸線方向一方側に形成されている。また、取付部35Bは、本体部34に嵌合孔23cと同数形成されている。即ち、本体部34には、本実施形態において3つの取付部35Bが形成されている。なお、取付部35Bは、2つ又は4つ以上であってもよい。そして、取付部35Bの各々は、嵌合孔23cの各々に対応させて配置されている。本実施形態において、取付部35Bは、本体部34において周方向に等間隔をあけて配置されている。なお、
図6では、説明便宜上、取付部35Bの位置が変えて示されている。また、取付部35Aは、軸線方向一方に真っ直ぐ延在している。そして、取付部35Aの各々は、嵌合孔23cの各々に対応させて形成され、圧入可能に形成されている。
【0037】
このように構成されているリテーナ14Bは、取付部35Bの各々を対応する嵌合孔23cに圧入して嵌合させ、第2開口24aに被せられる。これにより、フィルタ13がハウジング12に取り付けられる。バルブ装置1Bでは、取付部35Bを嵌合孔23cに挿入して嵌合することによって凸部23にリテーナ14Bを取り付けることができるので、リテーナ14Bを凸部23に容易に取り付けることができる。これにより、フィルタ13の組付けを更に容易にすることができる。
【0038】
その他、第3実施形態のバルブ装置1Bは、第1実施形態のバルブ装置1と同様の作用効果を奏する。
【0039】
[第4実施形態]
第4実施形態のバルブ装置1Cは、
図7に示すようにケーシング11と、ハウジング12Cと、フィルタ13と、リテーナ14とを備えている。ハウジング12Cは、凸部23Cを有している。そして、凸部23Cは、端部23aに座ぐり23dを有している。座ぐり23dは、端部23aにおいて第2開口24aの周りに形成されている。より詳細に説明すると、座ぐり23dは、凸部23Cの端面から軸線方向一方に凹ませるように形成されている。そして、第2開口24aは、座ぐり23bの底面において開口ししている。従って、第2開口24aは、座ぐり23bを介して第1開口22aに臨んでいる。本実施形態において、座ぐり23dは、軸線L1を中心とする断面円形状に形成され、第2開口24a及び第1開口22aより大径に形成されている。但し、座ぐり23dの形状は、前述する形状に限定されない。
【0040】
フィルタ13は、その少なくとも一部分を座ぐり23dに嵌め込むように凸部23Cに取り付けられる。これにより、第2開口24a全体がフィルタ13によって軸線方向他方側から覆われている。また、リテーナ14は、凸部23Cの端部23aに被せるように取り付けられる。これにより、フィルタ13がリテーナ14と凸部23Cの座ぐり23dとによって挟持され、リテーナ14が内側においてフィルタ13を保持する。
【0041】
このように構成される第4実施形態のバルブ装置1Cは、フィルタ13が座ぐり23dに嵌め込むように配置されているので、軸線方向に交差する方向の動きを規制することができる。これにより、フィルタ13が所定位置からずれて配置されることを抑制できる。
【0042】
その他、第4実施形態のバルブ装置1Cは、第1実施形態のバルブ装置1と同様の作用効果を奏する。
【0043】
[その他の実施形態について]
本実施形態のバルブ装置1,1A~1Cでは、ハウジング12の一例として入力口ハウジングが挙げられているが、例えば弁体が設けられるシート部材であってもよい。また、リテーナ14,14A,14Bもまた一例に過ぎず、フィルタ13を保持すべく凸部23に取り付けできればよい。また、取付部35,35A,35Bの形状も前述するような形状に限定されない。また、リテーナ14,14A,14Bにおいて、内側延伸部36は必ずしも形成されている必要はない。また、内側延伸部36の形状もまた、前述する形状に限定されない。内側延伸部36は、例えば本体部34の軸線方向他方側において等間隔をあけて複数形成されてもよく、フィルタ13の軸線方向他方側に形成されていればよい。そして、内側延伸部36は、好ましくはフィルタ13を軸線方向他方側から支持可能であればよい。
【符号の説明】
【0044】
1,1A,1B,1C バルブ装置
11 ケーシング(第1部材)
12,12B,12C ハウジング(第2部材)
13 フィルタ
14,14A,14B リテーナ
21 凹部
22 第1流路
22a 第1開口
23,23B,23C 凸部
23a 端部
23b 係合溝(係合凹所)
23c 嵌合孔
23d 座ぐり
24 第2流路
24a 第2開口
34 本体部
35 取付部
35a 突出部
35A 取付部
35B 取付部
36 内側延伸部
36a 突起部