(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097868
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】時刻表示装置
(51)【国際特許分類】
G04G 9/00 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
G04G9/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214229
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】506180349
【氏名又は名称】山谷 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100091410
【弁理士】
【氏名又は名称】澁谷 啓朗
(72)【発明者】
【氏名】山谷 直樹
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA06
2F002AA12
2F002EB00
2F002ED01
2F002ED02
(57)【要約】
【課題】時刻を直感的にしかも正確かつ容易に認識できるように表示する。
【解決手段】制御部は第1の時表示態様データベースから「時」に対応する三角形又はアワーマーク付き三角形を呼び出して表示部11に表示する。表示部11に表示する三角形はアワーマーク39に内接する正三角形であり、この三角形として第1の種類の三角形41と、第2の種類の三角形43と、を準備し、第2の種類の三角形43では、単独で用いる第1の場合、他の一つの三角形45と組み合わせて用いる第2の場合、他の2つの三角形47、49と組み合わせて用いる第3の場合と、が準備されている。時間帯の区分に応じて、表示する三角形の種類と用い方が定まっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻表示装置であって、
現在時刻を出力する計測部と、
時刻を認識させる識別情報を表示するための表示部と、
前記計測部の出力する現在時刻の識別情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記表示部に表示される前記識別情報は下記の(1)乃至(3)のいずれかの表示に基づいて構成されている、ことを特徴とする時刻表示装置。
(1)アワーマーク及び現在時刻に対応するアワーマークを指し示す三角形の表示。
(2)フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形に表された現在時刻に対応する長さの表示。
(3)フィボナッチ数列によりつくられる、正方形を組み合わせた四角形に表された現在時刻に対応する正方形の個数の表示。
【請求項2】
前記識別情報は、アワーマーク及び現在時刻に対応するアワーマークを指し示す三角形の表示を含み、前記三角形は、現在時刻に対応するアワーマークを指し示すポインタ部を一つの角部に有してアワーマークに内接するように形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の時刻表示装置。
【請求項3】
前記識別情報の前記三角形のポインタ部以外の他の2つの角部はそれぞれ、現在時刻に対応するアワーマーク以外のアワーマークを指し示す、ことを特徴とする請求項2記載の時刻表示装置。
【請求項4】
前記識別情報の前記三角形は、時刻の区分に応じて、下記の(1)及び(2)の態様で表現される、ことを特徴とする請求項2又は3記載の時刻表示装置。
(1)第1の時刻の区分では前記三角形を単独で表現する。
(2)第2の時刻の区分では前記三角形を他の三角形と組み合わせて表現する。
【請求項5】
前記識別情報の前記三角形は、時刻の区分に応じて、下記の(1)乃至(3)の態様で表現される、ことを特徴とする請求項2又は3記載の時刻表示装置。
(1)第1の時刻の区分では前記三角形を単独で表現する。
(2)第2の時刻の区分では前記三角形を他の一つの三角形と組み合わせて表現する。
(3)第3の時刻の区分では前記三角形を他の2つ以上の三角形と組み合わせて表現する。
【請求項6】
コンピュータに、
現在時刻を取得するステップと、
取得した現在時刻の識別情報を表示部に表示させるステップと、を行わせるプログラムであり、
前記表示部に表示される前記識別情報は下記の(1)乃至(3)のいずれかの表示に基づき構成されている、ことを特徴とするプログラム。
(1)アワーマーク及び現在時刻に対応するアワーマークを指し示す三角形の表示。
(2)フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形に表された現在時刻に対応する長さの表示。
(3)フィボナッチ数列によりつくられる、正方形を組み合わせた四角形に表された現在時刻に対応する正方形の個数の表示。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時刻の表示部を一見するだけで現在時刻又は現在の「時」を把握できるように構成した時刻表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長針及び短針を使わないで時刻を直感的に表示する時刻表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された色彩により時刻を表示する時刻表示装置では、色彩と時刻に共通イメージがないために容易に時刻を把握できない。
【0005】
そこで本発明は、時刻又は少なくとも「時」を直感的にしかも正確かつ容易に認識できるように表示する時刻表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するための本発明の時刻表示装置は、時刻表示装置であって、現在時刻を出力又は取得する計測部と、時刻を認識させる識別情報を表示するための表示部(文字盤部)と、前記計測部の出力する又は取得した現在時刻の識別情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、前記識別情報は、種類(1)現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する三角形の表示、種類(2)現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する、フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形(渦巻形)の表示、又は種類(3)現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する、フィボナッチ数列によりつくられる、正方形を組み合わせた四角形(正方形の螺旋状の組み合わせにより形成される四角形(長方形))の表示、のいずれかの種類の表現態様を有しているものである。種類(1)の現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する三角形は、例えば現在時刻又は現在時刻の「時」に対応するアワーマークを指し示す三角形又は現在時刻又は現在時刻の「時」に対応するアワーマーク位置(アワーマークを表示するとすれば表示すべき位置)を指し示す三角形である。フィボナッチ数列は例えば1、1、2、3、5、8・・・を意味する。あるいは本発明の時刻表示装置は、時刻表示装置であって、現在時刻を出力又は取得する計測部と、時刻を認識させる識別情報を表示するための表示部(文字盤部)と、前記計測部の出力する又は取得した現在時刻の識別情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、前記識別情報は、種類(1)アワーマーク(円形や四角形又は数字を含む)及び現在時刻又は現在時刻の「時」に対応するアワーマークを指し示す三角形の表示、種類(2)フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形(渦巻形)に表された現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する長さの表示、又は種類(3)フィボナッチ数列によりつくられる、正方形を組み合わせた四角形(正方形の螺旋状の組み合わせにより形成される四角形(長方形))に表された現在時刻又は現在時刻の「時」に対応する正方形の個数の表示、のいずれかの種類の表現態様を有しているものである。すなわち、時刻表示装置は、種類(1)の表現態様により時刻又は「時」を表現するように構成される場合と、種類(2)の表現態様により時刻又は「時」を表現するように構成される場合と、種類(3)の表現態様により時刻又は「時」を表現するように構成される場合とがある。あるいは、時刻表示装置は、種類(1)の表現態様、種類(2)の表現態様及び種類(3)の表現態様の2種類又は3種類を切り替えて使用できるように構成される。三角形とアワーマークとの組み合わせにより又はフィボナッチ数列に対応して時刻又は「時」を表示するので、例えば見る者の注意を集めることにより達成される、直感的な時刻又は「時」の把握が可能となる。「時」とは○○時△△分××秒のうちの「○○時」を意味する。また、アワーマークは液晶等表示だけではなく表示部(表示部の表面)に突出部を形成したり、印刷を施したりすることにより表現又は表示することもできる。アワーマーク(アワーマーカー又は時字)は「時」に対応するように、すなわち、0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時に対応するように例えば12個環状に表示され又は設けられる。
【0007】
しかしながら、アワーマークを例えば0時、3時、6時、9時に対応するように4個だけ表示することも可能である。ここでは、1時、2時、4時、5時、7時、8時、10時、11時を表す場合には、1時、2時、4時、5時、7時、8時、10時、11時に対応するアワーマーク位置(アワーマークを表示するとすれば表示すべき位置)を三角形が指し示すように表示する。あるいは、アワーマークを表示せず、0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時に対応するアワーマーク位置を三角形が指し示すように表示することも可能である。
【0008】
識別情報の三角形は、現在時刻に対応するアワーマークを指し示すポインタ部を一つの角部に有してアワーマークに内接するように形成することができる。ここでは、識別情報の三角形のポインタ部以外の他の2つの角部はそれぞれ、現在時刻に対応するアワーマーク以外のアワーマークを指し示すように形成できる。ポインタ部を有する三角形の回転角度により「時」を直感的に把握できる。あるいは、三角形がアワーマークに沿って回転することにより時刻又は「時」を表示するので直感的な時刻又は「時」の把握が行われる。
【0009】
識別情報の三角形は、時刻の区分に応じて表示態様を変更できる。例えば午前0時から午前5時台まで及び午後1時から午後5時台までの第1の時刻の区分ではポインタ部を有する三角形(主体)を単独で表現し、例えば午前6時から午後0時台まで及び午後6時から午後11時台までの第2の時刻の区分では主体の三角形を他の補助の三角形と例えば回転角度をずらして組み合わせて表現することができる。ここでは、第2の時刻の区分を、例えば午前6時から午前8時台まで及び午後6時から午後8時台までの時刻の区分(中間の時刻の区分)と、例えば午前9時から午後0時台まで及び午後9時から午後11時台までの時刻の区分(第3の時刻の区分)と、に区分し、中間の時刻の区分では主体の三角形を他の一つの補助の三角形と例えば回転角度をずらして組み合わせて表現し、第3の時刻の区分では主体の三角形を他の2つの補助の三角形と例えば3つとも異なる回転角度で組み合わせて表現することができる。ここでは、第1の時刻の区分で三角形の角部は3つ、第2の時刻の区分(中間の時刻の区分)で三角形の角部は6つ、第3の時刻の区分で角部は9つであり、時間帯と角部の個数に関連性を持たせて時刻又は「時」の容易な把握を可能としている。また、第1の時刻の区分を、例えば午前0時から午前2時台まで及び午後1時から午後2時台までの前半の時刻の区分と、例えば午前3時から午前5時台まで及び午後3時から午後5時台までの後半の時刻の区分と、に分け、前半の時刻の区分と後半の時刻の区分とで主体の三角形自体の表現方法(例えば表現する線種)を変更できる。
【0010】
識別情報には、「午前」又は「午後」の区別を補助表示態様として含めることができ、さらに「分」又は「秒」を示す補助表示態様を含めることもできる。
【0011】
本発明の時刻表示装置は、腕時計、置時計又は時刻表示機能を有するアクセサリーとして構成できる。また、本発明の時刻表示装置は、パソコン又は携帯端末などのコンピュータによって構成できる。
【0012】
本発明のプログラムは、コンピュータに、現在時刻を出力又は取得するステップと、出力又は取得した現在時刻の識別情報を表示部(文字盤部)に表示させるステップと、を行わせるプログラムであり、前記識別情報は、(1)アワーマーク及び現在時刻に対応するアワーマークを指し示す三角形の表示、(2)フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形に表された現在時刻に対応する長さの表示、(3)フィボナッチ数列によりつくられる、正方形を組み合わせた四角形に表された現在時刻に対応する正方形の個数の表示、のいずれかの表示に基づき構成されているものである。本発明のプログラムは、出力又は取得された現在時刻に対応する識別情報を選択するステップと、選択した識別情報を表示部に表示させるステップと、を行わせるプログラムとして構成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば表示されている表示態様又は図形を見るだけ時刻又は「時」を容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る時刻表示装置である腕時計の分解図である。
【
図3】記憶部の第1の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前0時から午前5時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図4】記憶部の第1の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前6時から午前11時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図5】記憶部の第1の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後0時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図6】記憶部の第1の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後1時から午後5時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図7】記憶部の第1の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後6時から午後11時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図8】前半の時刻の区分における三角形の表示態様の変更例を示す図である。
【
図9】午前及び午後の表示の変更例を示す図である。
【
図11】フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形を説明する図である。
【
図12】記憶部の第2の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前0時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図13】記憶部の第2の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前1時から午前6時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図14】記憶部の第2の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前7時から午後0時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図15】記憶部の第2の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後1時から午後6時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図16】記憶部の第2の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後7時から午後11時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図17】フィボナッチ数列によりつくられる四角形(長方形)を説明する図である。
【
図18】記憶部の第3の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前0時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図19】記憶部の第3の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前1時から午前6時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図20】記憶部の第3の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午前7時から午後0時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図21】記憶部の第3の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後1時から午後6時台の時刻表示態様を示す図である。
【
図22】記憶部の第3の時表示態様データベースの内容を説明する図であり、午後7時から午後11時台の時刻表示態様を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明に係る時刻表示装置としての腕時計の概略的な分解図である。
【0017】
腕時計1は、側面部3に操作部5が設けられた金属製のケース7と、このケース7内に収められた基盤部9と、ケース7内でこの基盤部9の上側に設けられた表示部11と、ケース7に取り付けられて表示部11を覆うプラスチック製の透明カバー13と、
ケース7の側面部3に接続されたバンド15と、を備えている。表示部11は円形であり広い又は比較的広い面積を有している。表示部11には識別情報を表示するために例えば液晶又は液晶パネルが用いられていて、表示する識別情報の形態としては、アワーマークを三角形により指し示す第1の識別情報の形態(第1の表示態様)、フィボナッチ数列によりつくられる螺旋形に現在時刻に対応する長さを表示する第2の識別情報の形態(第2の表示態様)及びフィボナッチ数列によりつくられる四角形に現在時刻に対応する正方形の個数を表示する第3の識別情報の形態(第3の表示態様)が準備されているが、第1の識別情報の形態、第2の識別情報の形態及び第3の識別情報の形態のいずれを表示するかについては、操作部5の操作により切り替えることができる。なお、操作部5の操作により表示部11への「分」又は「秒」の表示のON・OFFの切り替えや時刻調整を行うことができる。
【0018】
【0019】
腕時計1は、基盤部9に、表示部11の表示態様等を制御する制御部23、計測部25、記憶部27、インターフェース部29を備えている。
【0020】
制御部23は、CPU及びROM、RAM等のメモリを備え、記憶部27に記憶されたプログラム31を実行して表示部11等を制御する。計測部25は少なくとも時、分及び秒を取得又は計測して出力する。記憶部27は、プログラム31、第1の時表示態様データベース33、第2の時表示態様データベース35及び第3の時表示態様データベース37を記憶する。また、インターフェース部29は操作部5と制御部23とを接続する機能を有する。
【0021】
図3乃至
図7は第1の時表示態様データベース33の内容及び第1の表示態様での表示部11の時刻表示を示す図である。
【0022】
第1の表示態様では、表示部11の外周に常に12個のアワーマーク39が例えば白色で表示される。
【0023】
制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて第1の時表示態様データベース33から対応する三角形又はアワーマーク付き三角形を呼び出して表示部11に表示させる。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において「時」が変わったときに、第1の時表示態様データベース33からこの「時」に対応する三角形又はアワーマーク付き三角形を呼び出して表示部11に表示させ、計測部25からの現在時刻の出力において次に「時」が変わるまでこの三角形又はアワーマーク付き三角形の表示を連続して又は断続的に継続する。また、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「午前」か「午後」か、を判別し、表示部11に表示されている三角形の内側に「午前」か「午後」かの識別情報又は識別表示(ここでは「午前」の漢字及び「午後」の漢字)を表示する。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において午前0時に変わったときに午後0時になるまで「午前」の表示を連続して又は断続的に継続して表示し、午後0時に変わったときに午前0時になるまで「午後」の表示を連続して又は断続的に継続して表示する。さらに、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「分」及び「秒」の識別情報又は識別表示(ここでは分及び秒を表す数字)を、表示部11に表示されている三角形の内側で「午前」又は「午後」の漢字の表示の下側に表示する。なお、「午前」か「午後」かの識別情報は、第1の時表示態様データベース33内に、それぞれの三角形又はアワーマーク付き三角形に付記して格納しておいてもよい。
【0024】
表示部11に表示される三角形はアワーマーク39に内接するような態様で表示される正三角形であり、この主体の三角形としては第1の種類の三角形41と、第2の種類の三角形43と、が準備され、第2の種類の三角形43では、単独で用いられる第1の場合、他の一つの補助の三角形45と組み合わせて用いられる第2の場合、他の2つの補助の三角形47、49と組み合わせて用いられる第3の場合と、が準備されている。
【0025】
第1の種類の三角形41は破線で表示され、ポインタ部51が三角形状に塗りつぶされて形成されていて、午前0時から午前2時台まで(
図3aから
図3c)及び午後1時から午後2時台まで(
図6n及び
図6o)ポインタ部51が該当するアワーマーク39を指し示すような回転状態で表示される。ここでは、第1の種類の三角形41のポインタ部51以外の角部は他のアワーマーク39を指し示している。なお、
図3乃至
図9では分及び秒の表示はすべて「12.12」としている。
【0026】
第1の種類の三角形としては、
図8に示すように、ポインタ部51のみから形成されるものを使用することができる。
【0027】
第2の種類の三角形43は実線で表示され、ポインタ部53が三角形状に塗りつぶされて形成されていて、単独で用いられる第1の場合は、午前3時から午前5時台まで(
図3dから
図3f)及び午後3時から午後5時台まで(
図6pから
図6r)ポインタ部53が該当するアワーマーク39を指し示すような回転状態で表示される。
【0028】
第2の種類の三角形43が他の一つの補助の三角形45と組み合わされて用いられる第2の場合では、三角形45は三角形43と同一の形状であるが三角形43よりも細い実線で表示され、三角形43に対して180度回転させた状態(あるいは60度回転させた状態)で三角形43と組み合わされている。三角形45と組み合わされる第2の場合は、午前6時から午前8時台まで(
図4gから
図4i)及び午後6時から午後8時台まで(
図6sから
図6u)ポインタ部53が該当するアワーマーク39を指し示すような回転状態で表示される。ここでは、三角形45のそれぞれの角部はアワーマーク39を指し示す。なお、三角形45は三角形43と異なる線種(太い細いを含む)で表示できるので、例えば一点鎖線で表示することも可能である。
【0029】
第2の種類の三角形43が他の2つの補助の三角形47、49と組み合わされて用いられる第3の場合では、三角形47、49は三角形43と同一の形状であるが三角形43よりも細い実線で表示されていて、三角形47は三角形43に対して15度回転させた状態で三角形43と組み合わされ、三角形49は三角形43に対して15度逆方向に回転させた状態で三角形43と組み合わされている。三角形47、49と組み合わされる第3の場合は、午前9時から午後0時台まで(
図4jから
図4l、
図5m)及び午後9時から午後11時台まで(
図7vから
図7x)ポインタ部53が該当するアワーマーク39を指し示すような回転状態で表示される。ここでは、三角形47、49のそれぞれの角部はアワーマーク39の間の中間部を指し示している。なお、三角形47、49は三角形43と異なる線種(太い細いを含む)で表示できるので、例えば一点鎖線で表示することも可能である。
【0030】
第2の種類の三角形43では、3時から始まる時間帯に単独で用いられて角部が3つ表示され、6時から始まる時間帯に三角形45と組み合わされて角部が6つ表示され、9時から始まる時間帯に三角形47、49と組み合わされて角部が9つ表示され、時間帯と角部の数との間に強い関連性が確保されている。
【0031】
なお、
図9に示すように、「午前」か「午後」かの識別情報又は識別表示に代えて、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力が「午前6時」になったとき太陽のマーク55を表示し(
図9a)、「午後6時」になったときに太陽のマーク55を月のマーク57に切り替えて表示する(
図9b)ようにしてもよい。また、
図10に示すように、「分」の数字表示に代えて該当する「分」を表すようにミニッツマーク59を表示してもよい。この場合には、「分」を識別するミニッツマーク59又はミニッツマーク59及びアワーマーク39を例えば赤色で表示する。赤色で表示されて「分」を識別するパターンは、記憶部27に分表示態様データベースを設けてこの分表示態様データベースに格納しておき、制御部23が該当するパターンを呼び出して表示部11に表示させるといったように構成できる。ミニッツマークはアワーマーク間を例えば4等分する表示である。ここでは、
図10に示すような「秒」の表示を省略することができる。
図10は午前1時5分12秒を示している。
【0032】
図11乃至
図16は第2の時表示態様データベース35の内容及び第2の表示態様での表示部11の時刻表示を示す図である。
【0033】
第2の表示態様では、フィボナッチ数列(1、1、2、3、5、8)によりつくられる螺旋形(渦巻形)61を2つ向かい合わせにして連結した連結螺旋形63を表示部11に表示することにより「時」を表示する。連結螺旋形63は、上下に「午前」か「午後」かの識別情報及び分・秒の識別情報を表示するスペースを有して表示部11の中央部に表示部11より一回り小さく表示される。螺旋形61はそれぞれ、
図11に示すように、フィボナッチ数列にしたがい組み合わされた6個の正方形a、b、c、d、e、f(一辺の長さがそれぞれ1、1、2、3、5、8)それぞれの対角を結ぶ円弧をつなぐことにより形成される螺旋形であり、連結螺旋形63は右側の開始端65から所定長さを実線で表し、残りの部分を破線で表すことにより「時」を表示する。正方形a、b、c、d、e、fそれぞれの対角を結ぶ円弧は、それぞれの正方形の1つの角を中心とする当該正方形の一辺の長さを半径とする4分の1の円弧である。
【0034】
制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて第2の時表示態様データベース35から「時」に対応する連結螺旋形63を呼び出して表示部11に表示させる。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において「時」が変わったときに、第2の時表示態様データベース35からこの「時」に対応する連結螺旋形63を呼び出して表示部11に表示させ、計測部25からの現在時刻の出力において次に「時」が変わるまでこの連結螺旋形63の表示を連続して又は断続的に継続する。また、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「午前」か「午後」か、を判別し、表示部11に表示されている連結螺旋形63の上側に「午前」か「午後」かの識別情報又は識別表示(ここでは「午前」の漢字及び「午後」の漢字)を表示する。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において午前0時に変わったときに午前11時台まで「午前」の表示を連続して又は断続的に継続して表示し、午後0時に変わったときに午後11時台まで「午後」の表示を連続して又は断続的に継続して表示する。さらに、制御部11は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「分」及び「秒」の識別情報又は識別表示(ここでは「分」及び「秒」を表す数字に分及び秒を付している)を、表示部11に表示されている連結螺旋形63の下側に表示する。なお、
図12乃至
図16では「分」及び「秒」の表示はすべて「12分12秒」としている。
【0035】
表示部11に表示される連結螺旋形63に実線部がない場合(全体が破線)は午前0時台(
図12a)、右側の螺旋形61の正方形a(
図11参照)内に対応する円弧部分67が実線である場合には午前1時台又は午後1時台(
図13b又は
図15n)、右側の螺旋形61の正方形a及び正方形b(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)69が実線である場合には午前2時台又は午後2時台(
図13c又は
図15o)、右側の螺旋形61の正方形a、正方形b及び正方形c(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)71が実線である場合には午前3時台又は午後3時台(
図13d又は
図15p)、右側の螺旋形61の正方形a、正方形b、正方形c及び正方形d(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)73が実線である場合には午前4時台又は午後4時台(
図13e又は
図15q)、右側の螺旋形61の正方形a、正方形b、正方形c、正方形d及び正方形e(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)75が実線である場合には午前5時台又は午後5時台(
図13f又は
図15r)、右側の螺旋形61全体が実線である場合には午前6時台又は午後6時台(
図13g又は
図15s)をそれぞれ表している。さらに、左側の螺旋形61の正方形f(
図11参照)内に対応する円弧部分77も実線である場合には午前7時台又は午後7時台(
図14h又は
図16t)、左側の螺旋形61の正方形f及び正方形e(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)79も実線である場合には午前8時台又は午後8時台(
図14i又は
図16u)、左側の螺旋形61の正方形f、正方形e及び正方形d(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)81も実線である場合には午前9時台又は午後9時台(
図14j又は
図16v)、左側の螺旋形61の正方形f、正方形e、正方形d及び正方形c(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)83も実線である場合には午前10時台又は午後10時台(
図14k又は
図16w)、左側の螺旋形61の正方形f、正方形e、正方形d、正方形c及び正方形b(
図11参照)内に対応する円弧部分(対応する円弧部分を連結した部分)85も実線である場合には午前11時台又は午後11時台(
図14l又は
図16x)、左側の螺旋形61全体も実線である場合(連結螺旋形63全体が実線の場合)には午後0時台(
図14m)をそれぞれ表している。なお、実線部分と破線部分とは線種(太い細いも含む)が異なればよいので、破線部分を細い実線や一点鎖線で表してもよい。
【0036】
また、実線部分が正方形何個分に相当するかを表すガイド(円形内の1乃至11)が付されているが、連結螺旋形63の全体が破線の場合及び連結螺旋形63の全体が実線の場合にはガイドが省略される。
【0037】
図17乃至
図22は第3の時表示態様データベース37の内容及び第3の表示態様での表示部11の時刻表示を示す図である。
【0038】
第3の表示態様では、フィボナッチ数列にしたがい組み合わされた6個の正方形a、b、c、d、e、f(一辺の長さがそれぞれ1、1、2、3、5、8)を2つ連結した、
図17に示す連結四角形(
図17上横方向に長い長方形)87を表示部11に表示することにより「時」を表示する。連結四角形87は上下に「午前」か「午後」かの識別情報及び「分・秒」の識別情報を表示するスペースを有して表示部11に内接するように表示される。連結四角形87の構成は破線で示されているが、右側の開始位置の正方形aから所定の個数だけ正方形を塗り潰すことより「時」を表している。正方形の塗り潰しは正確には四隅を残して又は周囲を残して塗り潰すことにより行われる。なお、それぞれの正方形a、b、c、d、e、fは角部をR形状として形成することができる。
【0039】
制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて第3の時表示態様データベース37から「時」に対応する連結四角形87を呼び出して表示部11に表示させる。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において「時」が変わったときに、第3の時表示態様データベース37からこの「時」に対応する連結四角形87を呼び出して表示部11に表示させ、計測部25からの現在時刻の出力において次に「時」が変わるまでこの連結四角形87の表示を連続して又は断続的に継続する。また、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「午前」か「午後」か、を判別し、表示部11に表示されている連結四角形87の上側に「午前」か「午後」かの識別情報又は識別表示(ここでは「午前」の漢字及び「午後」の漢字)を表示する。より具体的には、制御部23は計測部25からの現在時刻の出力において午前0時に変わったときに午後0時になるまで「午前」の表示を連続して又は断続的に継続して表示し、午後0時に変わったときに午前0時になるまで「午後」の表示を連続して又は断続的に継続して表示する。さらに、制御部11は計測部25からの現在時刻の出力に基づいて「分・秒」の識別情報又は識別表示(ここでは「分」及び「秒」を表す数字に分及び秒を付している)を、表示部11に表示されている連結四角形87の下側に表示する。なお、
図18乃至
図22では分及び秒の表示はすべて「12分12秒」としている。
【0040】
表示部11に表示される連結四角形87に塗り潰した正方形がない場合は午前0時台(
図18a)、右側の正方形aが塗り潰されている場合には午前1時台又は午後1時台(
図19b又は
図21n)、右側の正方形a及び正方形bが塗り潰されている場合には午前2時台又は午後2時台(
図19c又は
図21o)、右側の正方形a、正方形b及び正方形cが塗り潰されている場合には午前3時台又は午後3時台(
図19d又は
図21p)、右側の正方形a、正方形b、正方形c及び正方形dが塗り潰されている場合には午前4時台又は午後4時台(
図19e又は
図21q)、右側の正方形a、正方形b、正方形c、正方形d及び正方形eが塗り潰されている場合には午前5時台又は午後5時台(
図19f又は
図21r)、右側の正方形全体が塗り潰されている場合には午前6時台又は午後6時台(
図19g又は
図21s)をそれぞれ表している。右側の正方形a、正方形b、正方形c、正方形d、正方形e、正方形fの塗り潰しは例えば緑色で行われる。さらに、左側の正方形fも塗り潰されている場合には午前7時台又は午後7時台(
図20h又は
図22t)、左側の正方形f及び正方形eも塗り潰されている場合には午前8時台又は午後8時台(
図20i又は
図22u)、左側の正方形f、正方形e及び正方形dも塗り潰されている場合には午前9時台又は午後9時台(
図20j又は
図22v)、左側の正方形f、正方形e、正方形d及び正方形cも塗り潰されている場合には午前10時台又は午後10時台(
図20k又は
図22w)、左側の正方形f、正方形e、正方形d、正方形c及び正方形bも塗り潰されている場合には午前11時台又は午後11時台(
図20l又は
図22x)、左側全体も塗り潰されている場合(連結四角形87全体が塗り潰されている場合)には午後0時台(
図20m)をそれぞれ表している。左側の正方形f、正方形e、正方形d、正方形c、正方形b、正方形aの塗り潰しは例えば青色で行われ、右側の正方形a、正方形b、正方形c、正方形d、正方形e、正方形fの塗り潰しの色とは異なる色で行われる。
【0041】
なお、塗り潰した正方形の個数を表すガイド(円形内の1乃至11)が付されているが、塗り潰された正方形がない場合及び全体が塗り潰されている場合にはガイドが省略される。ガイドが塗り潰ぶされた正方形の中に表示される場合には塗り潰しの色と異なる色(例えば白抜きの円形内に黒字の数字)で表示できる。
【符号の説明】
【0042】
1 腕時計
11 表示部
23 制御部
25 計測部
27 記憶部
39 アワーマーク
41 第1の種類の三角形
43 第2の種類の三角形
45、47、49 他の三角形
63 連結螺旋形
87 連結四角形