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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097960
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】缶飲料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20230703BHJP
   A23L 23/00 20160101ALI20230703BHJP
【FI】
A23L2/00 A
A23L2/00 B
A23L23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214382
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】312017444
【氏名又は名称】ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100158698
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 基樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 里香
(72)【発明者】
【氏名】田口 武
(72)【発明者】
【氏名】大楠 栄治
【テーマコード(参考)】
4B036
4B117
【Fターム(参考)】
4B036LC01
4B036LE05
4B036LF01
4B036LH09
4B036LH10
4B036LH11
4B036LH12
4B036LH35
4B036LK01
4B036LP01
4B036LP18
4B036LP21
4B117LC03
4B117LE10
4B117LK12
4B117LK13
4B117LL01
4B117LP14
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】製造時における配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色が抑制され、さらに、充填時における原料浮きや舞い上がりも抑制される缶飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】可溶性または不溶性の香気付与原料を含む原料を加圧および/または造粒して成形物を形成する成形物形成工程と、この成形物および調合液を缶容器に充填する充填工程と、成形物および調合液が充填された缶容器を巻締して密封する巻締密封工程と、充填密封後の缶容器をレトルト殺菌処理するレトルト殺菌工程と、を備える缶飲料の製造方法により、前記課題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶性または不溶性の香気付与原料を含む飲料が缶容器に封入されてレトルト殺菌処理された缶飲料の製造方法であって、
前記香気付与原料を含む原料を加圧および/または造粒して前記香気付与原料を含む成形物を形成する成形物形成工程と、
前記成形物および調合液を前記缶容器に充填する充填工程と、
前記成形物および前記調合液が充填された前記缶容器を巻締して密封する巻締密封工程と、
充填密封後の前記缶容器をレトルト殺菌処理するレトルト殺菌工程と、
を備える、缶飲料の製造方法。
【請求項2】
前記充填工程が、前記成形物を前記缶容器に充填する成形物充填工程と、前記成形物が充填された前記缶容器に調合液を充填する調合液充填工程と、を含む、請求項1に記載の缶飲料の製造方法。
【請求項3】
前記香気付与原料が香辛料類である、請求項1または2に記載の缶飲料の製造方法。
【請求項4】
前記成形物が打錠物または造粒物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の缶飲料の製造方法。
【請求項5】
前記造粒物が押出造粒物、破砕造粒物、流動層造粒物、または撹拌造粒物のいずれかである、請求項4に記載の缶飲料の製造方法。
【請求項6】
前記成形物が、セルロース、難消化性加工澱粉を除く澱粉類、およびおからパウダーを含まない構成である、請求項1~5のいずれか1項に記載の缶飲料の製造方法。
【請求項7】
レトルト殺菌処理が施された、可溶性または不溶性の香気付与原料の含有量が0.1w/w%以上であり且つ25℃における粘度が1000mPa・s以下である飲料が缶容器に封入されている、缶飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶飲料の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、実質的な調理が不要である簡便性の高い様々なスープ製品が市販されている。このスープ製品としては、粉末状または顆粒状や固形状のスープをカップなどの容器に入れてお湯などに溶かして飲用するタイプや、パウチ容器に封入された液状のスープを温めてから容器に移して飲用するタイプなどがあるが、缶容器からそのまま直接飲用することが可能な缶入りスープ飲料(缶飲料)のニーズも高まってきている。
【0003】
例えば特許文献1には、カルシウム濃度が0.52重量%以上のカルシウム含有水溶液に浸漬したオニオン具材を含有する、オニオン具材が容器内に残らない缶入りオニオンスープ飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-036315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、缶入りスープ飲料のような、香辛料類などの香気付与原料を含む缶飲料をシーマー、キャッピング機等を用いた缶飲料製造ラインにより製造すると、その製造時において配管経路(パッキンなども含む)に香気付与原料が付着したり、配管経路への香気付与原料由来の移香や着色などが発生したりして、製品切り替え時などにおける配管経路の分解洗浄等に時間がかかり生産性が大きく低下してしまう場合があるという課題があった。特に、香気付与原料を比較的多く含む缶飲料では、この課題がより発生し易い傾向にあった。なお、これを避けるために、香気付与原料を配管経路で送液される調合液に混合せず、粉状などの状態で別途缶に充填することも考えられるが、この場合、充填時に原料浮きや舞い上がりが発生して充填や密封などに不具合が発生し易くなるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、製造時における配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色が抑制され、さらに、充填時における原料浮きや舞い上がりも抑制される缶飲料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、可溶性または不溶性の香気付与原料を含む原料を加圧および/または造粒して成形物を形成し、この成形物と調合液とを缶容器に充填し、巻締密封してレトルト殺菌処理することにより、缶飲料の製造時における配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色を抑制でき、さらに、充填時における原料浮きや舞い上がりも抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は次の(1)~(8)である。
(1)可溶性または不溶性の香気付与原料を含む飲料が缶容器に封入されてレトルト殺菌処理された缶飲料の製造方法であって、前記香気付与原料を含む原料を加圧および/または造粒して前記香気付与原料を含む成形物を形成する成形物形成工程と、前記成形物および調合液を前記缶容器に充填する充填工程と、前記成形物および前記調合液が充填された前記缶容器を巻締して密封する巻締密封工程と、充填密封後の前記缶容器をレトルト殺菌処理するレトルト殺菌工程と、を備える、缶飲料の製造方法。
(2)前記充填工程が、前記成形物を前記缶容器に充填する成形物充填工程と、前記成形物が充填された前記缶容器に調合液を充填する調合液充填工程と、を含む、(1)に記載の缶飲料の製造方法。
(3)前記香気付与原料が香辛料類である、(1)または(2)に記載の缶飲料の製造方法。
(4)前記成形物が打錠物または造粒物である、(1)~(3)のいずれか1つに記載の缶飲料の製造方法。
(5)前記造粒物が押出造粒物、破砕造粒物、流動層造粒物、または撹拌造粒物のいずれかである、(4)に記載の缶飲料の製造方法。
(6)前記成形物が、セルロース、難消化性加工澱粉を除く澱粉類、およびおからパウダーを含まない構成である、(1)~(5)のいずれか1つに記載の缶飲料の製造方法。
(7)レトルト殺菌処理が施された、可溶性または不溶性の香気付与原料の含有量が0.1w/w%以上であり、且つ25℃における粘度が1000mPa・s以下である飲料が缶容器に封入されている、缶飲料。
(8)(1)~(6)のいずれか1つに記載の方法により製造された、(7)に記載の缶飲料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造時における配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色が抑制され、さらに、充填時における原料浮きや舞い上がりも抑制される缶飲料の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について説明する。
本発明は、可溶性または不溶性の香気付与原料を含む飲料が缶容器に封入されてレトルト殺菌処理された缶飲料の製造方法であって、この香気付与原料を含む原料を加圧および/または造粒して香気付与原料を含む成形物を形成する成形物形成工程と、この成形物および調合液を缶容器に充填する充填工程と、成形物および調合液が充填された缶容器を巻締して密封する巻締密封工程と、充填密封後の缶容器をレトルト殺菌処理するレトルト殺菌工程と、を備える缶飲料の製造方法(以下においては、これを「本発明に係る缶飲料の製造方法」ともいう)等である。
【0011】
ここで、この「缶飲料」とは、封入されている缶容器から直接飲用する(口を付けてそのまま飲む)ことが可能な飲料である。なお、封入されている缶容器から直接飲用することが可能である限りにおいて、飲料中に具材などの不溶性固形物が含まれる実施形態を除外するものではない。また、封入されている缶容器とは別の容器(例えばコップなど)に移されてその容器から飲用される飲料などの、他の飲用形態によって飲用される缶飲料も完全に除外するものではない。しかしながら、本発明は、封入された缶容器から直接飲用される缶飲料を製造する方法であるのがより好適である。
以下、本発明に係る缶飲料の製造方法の各工程について詳細に説明する。
【0012】
<成形物形成工程>
この成形物形成工程は、缶飲料の製造原料のうち、可溶性または不溶性の香気付与原料を含む一部の原料を用いて、この香気付与原料を含む成形物を形成する工程である。そして、この成形物は、香気付与原料を含む原料(原料ミックス)を少なくとも加圧および/または造粒することによって形成される。つまり、この成形物形成工程は、少なくとも香気付与原料を含む原料を加圧する加圧工程(圧縮工程)および/または香気付与原料を含む原料を造粒する造粒工程を含む。なお、缶飲料の製造原料として着色料(カラメル色素、クチナシ色素など)も使用する場合には、この着色料も香気付与原料とともに成形物に含有させるのがより好ましい。
【0013】
ここで、この「香気付与原料」とは、飲料に特定の香気を付与するために用いられる原料であり、あわせて特定の風味も付与するものであっても良い。具体的には、香辛料類、香料、香辛料抽出物や果実抽出物などの香味成分抽出物等が例示される。特に、本発明の効果がより発揮され易いことから、粉末状または顆粒状の形態である香気付与粒子原料(香辛料パウダー、粉末香料、粉末状または顆粒状の香辛料抽出物など)を含むのがより好ましい。また、同様の理由から、この香気付与原料が香辛料類であるのがより好ましく、香辛料類の粉末または顆粒であるのがさらに好ましい。
なお、香辛料類としては、例えばスパイス類またはハーブ類が挙げられる。スパイス類としては、例えば、胡椒、フェンネル、カルダモン、クミン、コリアンダー、シソ、セロリ、マスタードなどの種子類;わさび、ウコン、ショウガ、ターメリック、ニンニクなどの根茎類;オールスパイス、カルダモン、サンショウ、トウガラシ、バニラ、ローズヒップなどの果実類;クローブ、サフラン、カモミール、ホップなどの花蕾類;シナモンなどの樹皮類;オレンジ、ミカン、ユズ、レモン、グレープフルーツなどの果皮類などが挙げられる。また、ハーブ類としては、例えば、オレガノ、ミント、セージ、タイム、ローズマリー、バジル、パセリ、レモングラス、ローレル、ハッカ、ミョウガ、ジャスミンなどの葉茎類などを挙げることができる。そして、これらから選ばれる1種を使用または2種以上を組み合わせて使用することができ、カレー粉やスパイスミックスなどの複数の香辛料類が混合された粉末なども使用可能である。
【0014】
また、この香気付与原料は、可溶性(調合液に溶解可能なもの)または不溶性(調合液に溶解しないもの)のいずれであっても良いが、本発明に係る缶飲料の製造方法では、不溶性の香気付与原料(例えば不溶性の香気付与粒子原料など)も使用可能であることが大きな特徴である。つまり、缶飲料製造において不溶性の香気付与原料を使用した場合、配管経路への移香や着色だけでなく香気付与原料自体の配管経路(パッキンの隙間など)への付着が大きな問題となり易く、また、充填密封時の充填不良や密封不良なども発生し易くなるが、本発明に係る缶飲料の製造方法では、不溶性の香気付与原料であっても、この成形物形成工程において香気付与原料を含む成形物とし、後述する充填工程において調合液とは別に充填するため、上記のような問題がほとんどない。
【0015】
そして、この香気付与原料を含む成形物の形成は、加圧工程および/または造粒工程を含む工程により行えば良いが、充填時における原料浮きや舞い上がりがより少ない成形物を得やすいことから、この工程は、香気付与原料を含む原料(原料ミックス)を打錠成形、押出造粒、破砕造粒、流動層造粒、または撹拌造粒により打錠物または造粒物を形成する工程であるのが好適である。また、成形物を調合液とともに缶容器に充填してレトルト殺菌処理を行う場合、缶内面への成形物の溶け残り付着(へばり付き)が問題となることがあるが、この打錠物や造粒物は、レトルト殺菌後における缶内面への溶け残り付着も非常に少ないため、レトルト殺菌後の製品品質維持や打缶検査のし易さという点においても好適である。
【0016】
ここで、打錠成形とは、香気付与原料を含む原料ミックスを所定の型に収容して錠形状(打錠物)に圧縮成形する方法であり、上記した加圧工程を含む。なお、この打錠成形により形成された打錠物は、そのまま裸錠として缶容器充填に用いても良く、あるいはその表面を糖類によりコーティングして糖衣錠としてから缶容器充填に用いても良い。
また、限定されるものではないが、缶容器への充填のし易さやレトルト殺菌後における缶内面への成形物の溶け残り付着のし難さなどの観点から、得られる打錠物の長径(最も長い径)を5mm以上20mm以下、錠形状の厚みを1mm以上10mm以下とするのが好適である。
【0017】
また、押出造粒とは、香気付与原料を含む原料ミックスを所定の孔から加圧によって押し出しながら圧縮造粒成形する方法であり、上記した加圧工程および造粒工程をいずれも含む。そして、この押出造粒により形成された押出造粒物は、そのまま缶容器充填に用いることができる。
なお、限定されるものではないが、缶容器への充填のし易さやレトルト殺菌後における缶内面への成形物の溶け残り付着のし難さなどの観点から、得られる押出造粒物の長径(最も長い径)を0.5mm以上10mm以下、さらには1mm以上3mm以下とするのが好適である。
【0018】
さらに、破砕造粒とは、香気付与原料を含む原料ミックスを所定の形状に圧縮成形した後、粉砕して不定形の造粒物を得る方法であり、これも上記した加圧工程および造粒工程をいずれも含む。なお、この破砕造粒により形成された破砕造粒物は、そのまま缶容器充填に用いることができる。
【0019】
また、流動層造粒とは、香気付与原料を含む原料ミックスに気体(熱風など)を送って流動させ、結着剤(増粘剤など)を含む液体をこの流動中の原料ミックスに噴霧することによって造粒物を得る方法であり、上記した造粒工程を含む。なお、この流動層造粒により形成された流動層造粒物は、そのまま缶容器充填に用いても良く、あるいは油脂などをコーティングしてから容器充填に用いても良い。
なお、限定されるものではないが、缶容器への充填のし易さやレトルト殺菌後における缶内面への成形物の溶け残り付着のし難さなどの観点から、得られる流動層造粒物を8.6メッシュ(目開き2000μm)パス-60メッシュ(目開き250μm)オン程度、より好ましくは8.6メッシュ(目開き2000μm)パス-42メッシュ(目開き355μm)オン程度の粒子サイズとするのが好適である。上記した破砕造粒物および後述の撹拌造粒物も同様である。
【0020】
さらに、撹拌造粒とは、香気付与原料を含む原料ミックスを所定の容器に投入した後、ブレード等により撹拌しながら水または造粒用液体を添加して凝集させ、造粒物を得る方法であり、これも上記した造粒工程を含む。なお、この撹拌造粒により形成された撹拌造粒物は、そのまま缶容器充填に用いることができる。
【0021】
そして、この成形物形成工程により得られる成形物が打錠物または造粒物であるのが好ましく、前述したように、造粒物の場合には押出造粒物、破砕造粒物、流動層造粒物、または撹拌造粒物であるのがより好ましい。特に、造粒物が押出造粒物または破砕造粒物であると、レトルト殺菌後における缶内面への溶け残り付着が極めて少なくなることから非常に好適である。また、裸錠または糖衣錠(打錠物)も同様に特に好適である。つまり、この成形物形成工程が少なくとも加圧工程を含むのが非常に好ましい。
【0022】
さらに、この成形物は、香気付与原料とともに難消化性加工澱粉を含む原料(原料ミックス)が成形されたものであると、レトルト殺菌後における缶内面への溶け残り付着を抑制しつつレトルト殺菌後の内容液に適度な粘度を付与できるため好適である。この難消化性加工澱粉とは、澱粉に対して化学的加工、物理的加工、および酵素的加工から選ばれる少なくとも1つの加工処理が施された加工澱粉のうち難消化性のもの(例えばレジスタントスターチ、難α化澱粉など)であり、食用であれば特に制限されないが、例えば、酸化澱粉、アセチル化酸化澱粉、酢酸澱粉、リン酸架橋澱粉等の化学的加工が施された難消化性の加工澱粉や、湿熱処理澱粉等の物理的加工が施された難消化性の加工澱粉などが具体例として挙げられる。特に、上記効果がより発揮され易くなることから、難消化性のリン酸架橋澱粉(難消化性のリン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉からなる群から選ばれる1以上)を含むのがより好適である。また、この加工澱粉に使用される澱粉の種類(由来)も限定されるものではないが、穀類澱粉由来、イモ類澱粉由来、豆類澱粉由来などが例示される。より具体的には、米澱粉由来、馬鈴薯澱粉由来、タピオカ澱粉由来などが挙げられる。
なお、難消化性加工澱粉とは、加工澱粉のうち、食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)で示されるエネルギー換算係数が3kcal/g以下のものであり、特にこのエネルギー換算係数が2kcal/g以下のものがより好適である。
【0023】
そして、この成形物形成工程により得られる成形物は、レトルト殺菌後における缶内面への溶け残り付着が極めて少なくなることなどから、セルロース、難消化性加工澱粉を除く澱粉類、およびおからパウダー(豆乳おからパウダーなど)をいずれも含まない構成であるのがより好ましい。つまり、この成形物形成工程において、香気付与原料を含み且つセルロース、難消化性加工澱粉を除く澱粉類、およびおからパウダーを含まない原料ミックスを使用するのがより好ましい。なお、この難消化性加工澱粉を除く澱粉類には、上記した難消化性加工澱粉を除く加工澱粉や、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉などの食品原料から抽出されて製造された澱粉だけでなく、ポテトパウダーやコーンパウダーなどの澱粉を主成分とする食品原料またはその加工品なども包含される。ここで、主成分とは、水分を除く固形分当たりの澱粉含有率が50質量%超であることであり、これは60質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがさらに好ましい。
また、同様に、レトルト殺菌後における缶内面への溶け残り付着が極めて少なくなることなどから、この成形物形成工程により得られる成形物は、ゼラチンを含まない構成であるのがより好ましい。
【0024】
<充填工程>
この充填工程は、少なくとも、上記の成形物形成工程において形成された成形物と、調合液と、を缶容器に充填する工程である。なお、この充填工程は、充填機などにより連続的に行う工程であるのが好ましく、特に、生産性(大量生産)などの観点から、調合液をフィラーにより缶容器に充填する工程であるのがより好ましい。また、成形物については、マス充填機により缶容器に充填する工程であるのが好ましいが、手入れ充填で缶容器に充填する工程などであっても良い。
缶容器としては、後述する巻締密封およびレトルト殺菌処理が可能であり且つこの缶容器から飲料を直接飲用することが可能なものである限り限定はされないが、例えば、開缶して即飲用することが可能なキャップ(広口などのネジ式キャップ)やステイオンタブ・プルタブ等の飲み口付きスチール缶容器、飲み口付きアルミ缶容器などが好ましいものとして示される。
【0025】
そして、この充填工程における成形物と調合液との充填順序については、限定されるものではないが、充填時における原料浮きや舞い上がりがより発生しにくくなることや、内容量をより安定させ易いことなどから、成形物を先に缶容器に充填し、その後に調合液を缶容器に充填するのがより好ましい。つまり、この充填工程が、成形物を缶容器に充填する成形物充填工程と、この成形物が充填された缶容器に調合液を充填する調合液充填工程と、を含むのがより好ましい。
本発明に係る缶飲料の製造方法では、上記したようなフィラーなどによる充填を行う場合などにおいても、香気付与原料を成形物に含有させて調合液とは別に充填することによって、調合液を送液する配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色を抑制できることが大きな特徴である。
【0026】
なお、この調合液は、成形物に配合しない缶飲料の製造原料の全部またはその一部を調合した液体であり、加熱処理、均質化処理、濾過処理などが施されたものであっても良い。また、具材などの不溶性固形分が含まれていても良い。さらに、本発明の効果に影響を与えない範囲内において、缶飲料の製造原料として用いる香気付与原料のごく一部をこの調合液に配合しても構わない。しかしながら、本発明では、この調合液に香気付与原料が含まれない構成であるのがより好適である。つまり、本発明に係る缶飲料の製造方法においては、缶飲料の製造原料として用いる香気付与原料は全て前述した成形物に含まれるようにするのがより好ましい。
【0027】
調合液の調合に用いる原料としては、食塩(精製塩など)、糖類(砂糖、液糖など)、乳製品(生乳、脱脂乳、クリームなど)、乳等を主要原料とする食品、エキス類(畜肉エキス、水産エキス、野菜エキス、果実エキスなど)、ピューレ類(野菜ピューレ、果実ピューレなど)、発酵食品(醤油、味噌など)、油脂類、調味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウムなど)、甘味料、酸化防止剤、乳化剤、酸味料(クエン酸、リンゴ酸など)、増粘剤(キサンタンガムなど)等が挙げられる。これら原料の調合前の形態は、粉状、液状、ペースト状などであって良い。また、必要に応じて、水(純水など)を使用しても良い。
【0028】
さらに、缶飲料の製造原料に具材が含まれる場合、この充填工程において、具材を成形物や調合液とは別に缶容器に充填しても良い。例えば、この充填工程が、具材を充填する具材充填工程と、具材が充填された缶容器に成形物を缶容器に充填する成形物充填工程と、具材および成形物が充填された缶容器に調合液を充填する調合液充填工程と、を含んでいても良い。
【0029】
具材としては、例えば、野菜類(粒コーン、人参、ポテト、カボチャなど)、豆類(大豆、小豆など)、穀類(米、麦など)、きのこ類(しいたけ、まいたけ、マッシュルームなど)、海藻類(わかめ、こんぶなど)、畜肉加工品(肉そぼろ、肉ダイスなど)、水産加工品(つみれ、練り物など)、果実類(りんご、パインアップルなど)等、あるいはこれらのいずれか1以上が飲用に適した大きさ(例えばダイス状など)に切断されたものが示される。さらには、寒天、アルギン酸ナトリウムなどのゲル化剤を用いた成形物などであっても良い。しかしながら、生産性などの観点から具材を含まない缶飲料としても構わない。
【0030】
そして、具材を含む缶飲料を製造する場合の具材と成形物および調合液との含有比率は、飲料としての香味のバランスや、飲み応え、飲み易さ、製造適性などの観点から適宜設計すれば良いが、例えば、レトルト殺菌後における質量比として、具材:成形物が溶解した調合液(内容液)=1:3~170となるように設計すれば良く、さらには、この質量比を1:7~150としても良く、1:9~120としても良い。
【0031】
<巻締密封工程>
この巻締密封工程は、充填工程において成形物および調合液が充填された缶容器を巻締して密封する工程である。具体的には、成形物および調合液が充填され、必要であれば具材なども充填された缶容器に缶蓋を取り付け、この缶容器と蓋とを巻締(二重巻締など)によって密封する工程である。
なお、この工程は、シーマー(二重巻締機)やキャッピング機などにより連続的に行うのが好ましい。本発明に係る缶飲料の製造方法では、このような連続巻締においても、香気付与原料を含む原料を成形物として別充填することによって、原料浮きや舞い上がり等が要因の充填不良や密封不良(巻締不良など)が発生しにくいことも特徴である。また、この巻締密封工程には、巻締密封された缶容器を打缶検査する工程(密封不良等の検査工程)などがさらに含まれていても良い。
【0032】
<レトルト殺菌工程>
このレトルト殺菌工程は、巻締密封工程において密封された成形物および調合液を含む缶容器を公知のレトルト殺菌条件によりレトルト殺菌処理して常温流通可能な状態(10~35℃の温度帯において流通が可能な状態)とする工程である。同時に、このレトルト殺菌処理により、缶容器内部において成形物を調合液に溶解させる工程でもある。したがって、巻締密封工程において密封されたレトルト殺菌前の缶容器中では成形物が調合液にほとんど溶解していない状態であるが、このレトルト殺菌工程を経た後は、缶容器の内容液はこの成形物が不溶性の原料(不溶性の香辛料類など)を除いて概ね溶解した状態となる。
【0033】
レトルト殺菌処理の条件は、レトルト殺菌の要件を満たすF値が4以上(121℃4分間と同等以上の殺菌強度)となる条件であれば特段限定されないが、例えば120~130℃、4~60分間の条件などが例示される。なお、本発明に係る缶飲料の製造方法では、レトルト殺菌(F値が4以上となる条件での殺菌)を行えば、得られる缶飲料は常温流通可能な状態となり、且つ成形物も概ね溶解した状態となる。
【0034】
なお、本発明に係る缶飲料の製造方法は、上記した工程に加え、本発明の効果に大きな影響を与えない範囲において、缶飲料の製造において慣用されている任意の工程をさらに含むことができる。
【0035】
以上のような工程を含む本発明に係る缶飲料の製造方法は、製造時における配管経路への香気付与原料の付着、香気付与原料由来の移香、および香気付与原料由来の着色が抑制され、さらに、充填時における原料浮きや舞い上がりも抑制されるため、その後の配管経路洗浄などが容易であり且つパッキン交換頻度なども低減でき、充填不良や密封不良などの発生も少なく、大量生産用の缶飲料製造ラインにおいても生産性が非常に高い。また、同じ製造ラインでの製品切り替え作業も容易となる。さらに、レトルト殺菌後における缶内面への成形物の溶け残り付着(へばり付き)も抑制することが可能であるため、レトルト殺菌後の製品品質維持や打缶検査がし易い。
【0036】
そして、本発明に係る缶飲料の製造方法では、香気付与原料の含有量(配合量)が比較的高い缶飲料も製造することが可能である。例えば、香気付与原料の含有量が0.1w/w%以上、さらには0.3w/w%以上、さらには0.5w/w%以上、さらには0.8w/w%以上、さらには1.0w/w%以上、さらには1.5w/w%以上である缶飲料(例えば缶入りスープ飲料など)も製造可能であり、このような配合量となるように、成形物形成工程において成形物中の香気付与原料含有率を調整すれば良い。なお、この香気付与原料の含有量上限は、5.0w/w%以下であって良く、3.0w/w%以下であって良く、2.0w/w%以下であって良い。
【0037】
<缶飲料>
次に、本発明に係る缶飲料の製造方法により製造される缶飲料について説明する。
【0038】
本発明に係る缶飲料の製造方法により製造される缶飲料は、前述したような香気付与原料を含み、且つ前述のようなレトルト殺菌処理が施された飲料(特にスープ飲料)が缶容器に封入されているものであり、常温流通が可能である。そして、前述したようなキャップやステイオンタブ・プルタブなどの飲み口を利用して、この缶容器から直接飲用(開缶後に即飲用)することが可能な粘度を備える。例えば、レトルト殺菌処理が施された、可溶性または不溶性の香気付与原料の含有量が0.1w/w%以上、さらには0.3w/w%以上、さらには0.5w/w%以上、さらには0.8w/w%以上、さらには1.0w/w%以上、さらには1.5w/w%以上であり、且つ25℃における粘度が1000mPa・s以下、さらには700mPa・s以下、さらには500mPa・s以下である飲料が缶容器に封入されている缶飲料(例えば缶入りカレースープ飲料)とすることもできる。
【0039】
なお、この缶飲料は、前述したような構成で具材が含まれていても良い。また、前述したような構成で難消化性加工澱粉が含まれていても良く、さらには、セルロース、難消化性加工澱粉を除く澱粉類、おからパウダー、およびゼラチンをいずれも含まない構成であっても良い。しかしながら、例えば調合液の配合原料としてセルロース等を使用している実施形態(缶飲料中にセルロース等が含まれる実施形態)などであっても構わない。
そして、本発明に係る缶飲料の製造方法により製造される缶飲料は、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)により規定される清涼飲料水(摂取時に希釈、融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの)であると好適である。
【0040】
また、この缶飲料(レトルト殺菌処理された内容液)の25℃における粘度は1000mPa・s以下であると好ましく、700mPa・s以下であるとより好ましく、500mPa・s以下であるとさらに好ましい。缶容器から直接飲用する際の飲みやすさがより向上するからである。なお、この粘度は、50mPa・s以上であっても良く、100mPa・s以上であっても良い。
なお、この25℃における粘度は、市販のB型粘度計(例えば東機産業社製のTVB-10、No2ローター)を用い、温度を25℃、回転数を30rpm、測定時間を1分として測定した値である。
【0041】
以上のような構成である缶飲料は、本発明に係る缶飲料の製造方法によって匂いの強い香気付与原料をより多く含ませることもできるため、缶飲料としての香味のバリエーションがより高まる。例えば、香辛料類をより多く含むカレー風味や唐辛子風味の缶飲料(缶入りスープ飲料)などとすることもでき、さらに匂いの強い香気付与原料を含ませることも可能である。
【0042】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
【実施例0043】
(実施例1)
香辛料パウダー、デキストリン、乳糖、および難消化性加工澱粉を含む原料ミックスを用いて、下記表1上段に示す16種類の香辛料パウダー含有成形物を作製した。そして、得られた各成形物をいずれも5つのスチール缶容器に所定量充填し、その後に純水(Brix0)あるいは砂糖やエキス類などを含むBrix8、12、16、または20に調整された各調合液をそれぞれ充填してシーマーにより二重巻締め密封を行った。さらに、これらを全て同じ条件(120℃4分間以上(F値4以上)の条件)によってレトルト殺菌処理を行うことにより、サンプル1~16の缶入りスープ飲料を各5種ずつ作製した。
【0044】
これらについて、スチール缶容器への純水または各調合液充填時における成形物またはその細片の浮きや舞い上がりを以下に示す基準により評価した。また、レトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着(缶底部内面へのへばり付き)の有無を以下に示す基準により評価した。この結果を下記表1下段に示した。
【0045】
<浮き、舞い上がりの評価基準>
〇:浮きおよび舞い上がりがない
△:少し舞い上がりがあるが長時間の浮きはない
×:浮く
【0046】
<缶底部への付着の評価基準>
5:付着なし
4:付着があるが、軽く振れば溶ける
3:付着があるが、強く振れば溶ける
2:付着があり、強く振ればほぼ溶けるが、一部溶け残る
1:付着があり、強く振ってもほとんど溶けない
【0047】
【表1】
【0048】
なお、上記表1中における各成形物の詳細な内容は以下の通りである。ここで、サンプル16の成形物については、これは厳密には成形物ではないコントロールサンプルであるが、本実施例では便宜上これも成形物と呼んでいる。
・サンプル1:原料ミックスが打錠成形され且つ白糖によりコーティングされた18×9(mm)の糖衣錠
・サンプル2:原料ミックスが打錠成形された19×5(mm)の裸錠
・サンプル3:原料ミックスが打錠成形された10×10(mm)の裸錠
・サンプル4:原料ミックスが打錠成形された9×6(mm)の裸錠
・サンプル5:原料ミックスが打錠成形された7×3(mm)の裸錠
・サンプル6:原料ミックスが打錠成形された6×4(mm)の裸錠
・サンプル7:原料ミックスが破砕造粒された破砕造粒物
・サンプル8:原料ミックスが押出造粒された長径3mmの押出造粒物
・サンプル9:原料ミックスが押出造粒された長径1mmの押出造粒物
・サンプル10:原料ミックスが流動層造粒された流動層造粒物
・サンプル11:原料ミックスと油脂および小麦粉とが加熱混合されたものが型に入れられて冷却、成形されたルー
・サンプル12:原料ミックスがハードカプセル(ゼラチン3号)に充填されたカプセル
・サンプル13:原料ミックスがハードカプセル(ゼラチン2号)に充填されたカプセル
・サンプル14:原料ミックスがハードカプセル(コーン0号)に充填されたカプセル
・サンプル15:原料ミックスが水に溶解分散されて凍結され、フリーズドライされたFD
・サンプル16:原料ミックスをそのまま粉末として用いたもの
【0049】
この結果から、香辛料パウダーを含む原料ミックスを打錠物である裸錠または糖衣錠、あるいは造粒物である押出造粒物、破砕造粒物、または流動層造粒物に成形してからスチール缶容器に充填することにより、調合液充填時における成形物またはその細片の浮きや舞い上がりがほとんどなく、また、レトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着(へばり付き)もないことが明らかとなった(サンプル1~10)。つまり、これらのサンプルは、調合液充填時や密封時における不具合が発生しにくく、また、レトルト殺菌後の製品品質も保たれることが示された。そして、この効果は調合液のBrixに影響されないことも示された。特に、香辛料パウダーを含む原料ミックスを加圧する加圧工程を含む工程により成形された打錠物(裸錠、糖衣錠)、押出造粒物、および破砕造粒物は、調合液充填時における成形物またはその細片の浮きや舞い上がりが全くなく且つレトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着も全くなかった。
また、これらは香辛料パウダーを調合液に配合しないで製造しているため、大量製造時などにおける調合液送液のための配管経路への香辛料パウダーの付着、香辛料パウダー由来の移香、および香辛料パウダー由来の着色はいずれも発生しないと認められる。
【0050】
(実施例2)
香辛料パウダー、デキストリン、および乳糖と、セルロース、コーンスターチ、ポテトパウダー、豆乳おからパウダー、または難消化性加工澱粉から選ばれるいずれか1つあるいは2つとを下記表2に示す質量割合(%)で用いて原料ミックスとし、これらをいずれも押出造粒によって押出造粒物とすることによって、10種類の香辛料パウダー含有成形物を作製した。そして、得られた各成形物をそれぞれスチール缶容器に充填し、その後に砂糖やエキス類などを含む調合液を充填してシーマーにより二重巻締め密封を行った。さらに、これらを実施例1と同様に全て同じ条件(120℃4分間以上(F値4以上)の条件)でレトルト殺菌処理を行うことにより、サンプル21~29の缶入りスープ飲料を作製した。
【0051】
これらについて、レトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着(缶底部内面へのへばり付き)の有無を実施例1と同じ基準により評価した。この結果を下記表2右端に示した。
【0052】
【表2】
【0053】
なお、上記表2中における難消化性加工澱粉(加工澱粉A~C)の詳細な内容は以下の通りである。また、香辛料パウダーの缶飲料中における含有量は、サンプル21が0.5w/w%であり、他のサンプルは0.1w/w%である。
・加工澱粉A:米由来のリン酸架橋澱粉
・加工澱粉B:タピオカ由来のリン酸架橋澱粉
・加工澱粉C:馬鈴薯由来のリン酸架橋澱粉
【0054】
この結果から、サンプル21および27~29は、レトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着(へばり付き)がない好ましいサンプルであることが明らかとなった。特に、香辛料パウダーとともに難消化性加工澱粉を含む成形物とすることにより、レトルト殺菌後のスチール缶底部への成形物の溶け残り付着がないだけでなく、レトルト殺菌後の内容液が飲料として好ましい粘度を有し、スープ飲料として非常に好適な品質となった(サンプル27~29)。