(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097988
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】集塵装置、及び作業機
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20230703BHJP
B23B 47/34 20060101ALI20230703BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20230703BHJP
B25D 17/18 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B23Q11/00 M
B23B47/34 Z
B25F5/00 Z
B25D17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214430
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】田上 寛之
(72)【発明者】
【氏名】一橋 直人
【テーマコード(参考)】
2D058
3C011
3C036
3C064
【Fターム(参考)】
2D058AA14
2D058CA05
2D058CB07
2D058DA23
3C011BB03
3C036HH09
3C064AA04
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA11
3C064BA12
3C064BB42
3C064BB82
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA27
3C064CA53
3C064CA54
3C064CB06
3C064CB17
3C064CB63
3C064CB73
3C064CB82
(57)【要約】
【課題】作業性を向上する。
【解決手段】集塵装置40の集塵部60は、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を有している。そして、吸引ノズル58によって吸引した先端工具Tの周辺の空気が、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を、この順で通過して、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90において、空気に含まれる塵埃を集塵する。これにより、集塵装置40において、空気に含まれる塵埃を段階的に集塵することができる。このため、例えば、最終段である第3集塵部90にフィルタ92を設けることで、目の粗い塵埃がフィルタ92に付着することを抑制できる。その結果、フィルタ92が早期に目詰まりすることを抑制できる。したがって、フィルタ92の交換作業を頻繁に行う必要がなくなり、集塵装置40の作業性を向上することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体に着脱可能に取り付けられ、前記作業機本体の加工時に生じる塵埃を吸引する集塵装置であって、
前記塵埃を含む空気を外部から吸引する吸引部と、
前記吸引部に接続され、前後方向に延在された吸気通路部と、
前記吸気通路部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第1集塵部と、
前記第1集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第2集塵部と、
前記第2集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第3集塵部と、
前記第3集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気を外部に排出する排出部と、
を備えた集塵装置。
【請求項2】
前記第1集塵部の内部は、第1集塵室として構成され、
前記第1集塵部は、前記第1集塵室を区画するための上壁と、底壁と、後壁と、前壁と、前記第1集塵室から前記第2集塵部の内部へ空気を流出させるための第1流出部と、を有しており、
第1流出部が、前記底壁よりも上側に配置されている請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記上壁には、前記吸気通路部からの前記空気が流入される第1入口部が形成されており、前記第1入口部は、前記後壁よりも前側に配置されている請求項2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記第1入口部は、前記前壁よりも後側に配置されている請求項3に記載の集塵装置。
【請求項5】
前記第1流出部には、前記第2集塵部の内部へ前記空気を流入させる第2入口部が形成されており、
前記第2入口部が、前記第1入口部よりも上側に配置されている請求項3又は請求項4の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項6】
前記第1流出部は、前記第1入口部の前側において、前記上壁から上側へ延出した筒状に形成されており、
前記第1流出部の後壁には、前側へ延出された遮蔽部が形成されている請求項5に記載の集塵装置。
【請求項7】
前記第1集塵部は、前記吸気通路部の下側に離間して配置されており、
前記第2集塵部が、前記第1集塵部と前記吸気通路部との間に配置されている請求項3~請求項6の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項8】
前記吸気通路部と前記第1集塵部との間には、前記吸気通路部及び前記第1集塵部を接続する接続部が形成されており、
前記接続部は、上下方向に延在された筒状に形成されており、前記接続部の下側開口部が前記第1入口部として構成されている請求項7に記載の集塵装置。
【請求項9】
前記第3集塵部が、前記第1集塵部の上側で且つ前記第2集塵部の後側に配置されている請求項7又は請求項8に記載の集塵装置。
【請求項10】
前記第2集塵部は、サイクロン部を有しており、サイクロン部によって、前記第2集塵部の内部に流入された空気を旋回させて、空気と塵埃とを遠心分離する請求項1~請求項9の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項11】
前記第3集塵部には、フィルタが設けられており、前記第3集塵部の内部に流入された前記空気が前記フィルタを通過して前記排出部側へ流れる請求項1~請求項10の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項12】
前記排出部は、前記作業機本体の本体側吸気口と接続され、前記作業機本体の送風部により生じる空気流によって、前記作業機本体の加工時に生じる塵埃を吸引する請求項1~請求項11の何れか1項に記載の集塵装置。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1項に記載の集塵装置と、
モータと、前記モータの駆動力により駆動する先端工具と、前記モータの駆動力により回転する送風部と、を含んで構成された作業機本体と、
を備えた作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置、及び作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンマドリル等の作業機では、集塵装置が作業機に取付けられて、作業機の加工時に生じる塵埃を集塵装置によって吸引する。例えば、下記特許文献1に記載の集塵装置では、集塵装置の内部に設けられたファンによって生じる空気流によって、作業機の加工時に生じる塵埃を集塵装置によって吸引する。そして、吸引された塵埃が、集塵装置の集塵室に溜められ、集塵室に溜められた塵埃を作業者が廃棄処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の集塵装置では、例えば、作業機の作業姿勢によって、目の粗い塵埃(粉塵)がフィルタ室へ流入して、フィルタが早期に目詰まりを起こす可能性がある。この場合には、作業性が低下する虞がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、作業性を向上することができる集塵装置、及び作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、作業機本体に着脱可能に取り付けられ、前記作業機本体の加工時に生じる塵埃を吸引する集塵装置であって、前記塵埃を含む空気を外部から吸引する吸引部と、前記吸引部に接続され、前後方向に延在された吸気通路部と、前記吸気通路部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第1集塵部と、前記第1集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第2集塵部と、前記第2集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気に含まれる塵埃を集塵する第3集塵部と、前記第3集塵部を通過した前記空気が流入され、前記空気を外部に排出する排出部と、を備えた集塵装置である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1集塵部の内部は、第1集塵室として構成され、前記第1集塵部は、前記第1集塵室を区画するための上壁と、底壁と、後壁と、前壁と、前記第1集塵室から前記第2集塵部の内部へ空気を流出させるための第1流出部と、を有しており、第1流出部が、前記底壁よりも上側に配置されている集塵装置である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記上壁には、前記吸気通路部からの前記空気が流入される第1入口部が形成されており、前記第1入口部は、前記後壁よりも前側に配置されている集塵装置である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1入口部は、前記前壁よりも後側に配置されている集塵装置である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1流出部には、前記第2集塵部の内部へ前記空気を流入させる第2入口部が形成されており、前記第2入口部が、前記第1入口部よりも上側に配置されている集塵装置である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1流出部は、前記第1入口部の前側において、前記上壁から上側へ延出した筒状に形成されており、前記第1流出部の後壁には、前側へ延出された遮蔽部が形成されている集塵装置である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1集塵部は、前記吸気通路部の下側に離間して配置されており、前記第2集塵部が、前記第1集塵部と前記吸気通路部との間に配置されている集塵装置である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記吸気通路部と前記第1集塵部との間には、前記吸気通路部及び前記第1集塵部を接続する接続部が形成されており、前記接続部は、上下方向に延在された筒状に形成されており、前記接続部の下側開口部が前記第1入口部として構成されている集塵装置である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第3集塵部が、前記第1集塵部の上側で且つ前記第2集塵部の後側に配置されている集塵装置である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2集塵部は、サイクロン部を有しており、サイクロン部によって、前記第2集塵部の内部に流入された空気を旋回させて、空気と塵埃とを遠心分離する集塵装置である。
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第3集塵部には、フィルタが設けられており、前記第3集塵部の内部に流入された前記空気が前記フィルタを通過して前記排出部側へ流れる集塵装置である。
【0017】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記排出部は、前記作業機本体の本体側吸気口と接続され、前記作業機本体の送風部により生じる空気流によって、前記作業機本体の加工時に生じる塵埃を吸引する集塵装置である。
【0018】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、上記構成の集塵装置と、モータと、前記モータの駆動力により駆動する先端工具と、前記モータの駆動力により回転する送風部と、を含んで構成された作業機本体と、を備えた作業機である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るハンマドリルを示す右側から見た側面図である。
【
図2】
図1に示されるハンマドリルの内部を示す右側から見た断面図である。
【
図3】
図2に示されるハンマドリルの集塵装置を模式的に示す模式図である。
【
図4】
図2に示される集塵装置の集塵部を拡大して示す右側から見た断面図である。
【
図5】
図4に示される集塵装置の集塵部の前後方向中間部を示す前側から見た断面図(
図4の5-5線断面図)である。
【
図6】
図5に示される集塵装置の集塵部の上部を示す上側から見た断面図(
図5の6-6線断面図)である。
【
図7】
図5に示される集塵装置の集塵部における左側のサイクロン部の周辺を示す右側から見た断面図(
図5の7-7線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのハンマドリル1について説明する。
図1に示されるように、ハンマドリル1は、作業機本体としてのハンマドリル本体10と、集塵装置40と、を含んで構成されており、集塵装置40がハンマドリル本体10に組付けられている。そして、集塵装置40が、ハンマドリル本体10に装着された先端工具Tの周囲の空気を吸引するようになっている。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、ハンマドリル1の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、ハンマドリル1の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。以下、先に、ハンマドリル本体10について説明し、次いで、集塵装置40について説明する。
【0022】
(ハンマドリル本体10について)
図1及び
図2に示されるように、ハンマドリル本体10は、被加工材に対して穿孔加工等を行う電動工具として構成されている。ハンマドリル本体10は、ハウジング12と、モータ20と、モータ20の駆動力によって駆動する駆動機構部30と、を含んで構成されている。
【0023】
(ハウジング12について)
ハウジング12は、ハンマドリル本体10の外郭を構成している。ハウジング12は、ハウジング12の前部を構成する本体ハウジング13と、ハウジング12の後部を構成するハンドルハウジング14と、を含んで構成されている。本体ハウジング13は、右側から見て略逆L字形状に形成されている。具体的には、本体ハウジング13は、前後方向に延在された上側ハウジング部13Aと、上側ハウジング部13Aの後端部から下側へ延出された下側ハウジング部13Bと、を含んで構成されている。ハンドルハウジング14は、上下方向に延在されており、ハンドルハウジング14の上端部及び下端部が、前側へ屈曲されて、本体ハウジング13の後端部に連結されている。なお、下側ハウジング部13Bの下端部は、ハンドルハウジング14よりも下側へ突出している。
【0024】
下側ハウジング部13Bの上端部における前壁には、本体側吸気口13Cが前後方向に貫通形成されている。上側ハウジング部13Aの後端部における左右の側壁には、複数の本体側排気口13Dが貫通形成されている。本体側排気口13Dは、前後方向を長手方向とする略長孔状に形成されて、上下方向に並んで配置されている。
【0025】
ハンドルハウジング14の上端部には、トリガ16が設けられている。トリガ16は、ハンドルハウジング14から前側へ突出しており、後側へ引き操作可能に構成されている。ハンドルハウジング14には、トリガ16の後側において、スイッチ機構17が設けられている。スイッチ機構17は、トリガ16によって操作されるスイッチ(図示省略)を有している。当該スイッチは、下側ハウジング部13Bの下端部に設けられた制御部18に電気的に接続されており、トリガ16の操作状態に応じた出力信号を制御部18に出力する。ハンドルハウジング14の下端部には、バッテリパック19が装着されており、バッテリパック19から、後述するモータ20及び制御部18に電力が供給される。
【0026】
(モータ20について)
図2に示されるように、モータ20は、3相のブラシレスモータとして構成されており、本体ハウジング13における下側ハウジング部13B内に収容されると共に、制御部18に電気的に接続されている。モータ20は、上下方向を軸方向とする駆動軸21を有している。駆動軸21の下端部が、下側ハウジング部13Bに固定された軸受22に回転可能に支持されており、駆動軸21の上端側部分が、下側ハウジング部13Bに固定された軸受23に回転可能に支持されている。また、駆動軸21の上端部には、ピニオンギヤ21Aが形成されている。
【0027】
駆動軸21の上下方向中間部には、送風部としてのファン24が一体回転可能に設けられている。ファン24は、全体として、上下方向を厚み方向とする円盤状に形成されると共に、遠心ファンとして構成されている。また、前述の本体ハウジング13の本体側吸気口13Cが、ファン24の上側且つ前側に配置されている。そして、駆動軸21と共にファン24が回転すると、ファン24の上側の空気がファン24の前部の中央部からファン24の内部に流入され、流入された空気が、ファン24の径方向外側へ流れるように構成されている。これにより、本体側吸気口13Cから本体ハウジング13内に流入する空気流ARが発生し、空気流ARが、ファン24の径方向外側へ流れて、本体側排気口13Dから排出されるようになっている。
【0028】
(駆動機構部30について)
駆動機構部30は、モータ20の回転力を先端工具Tに伝達して、先端工具Tを駆動する機構部として構成されている。駆動機構部30は、中間軸31及び伝達部32を含んで構成されて、本体ハウジング13における上側ハウジング部13A内に収容されている。
【0029】
中間軸31は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されており、中間軸31の前後方向両端部が、本体ハウジング13に固定された軸受33によって回転可能に支持されている。中間軸31の後端部には、ベベルギヤ34が一体回転可能に設けられており、ベベルギヤ34が、駆動軸21のピニオンギヤ21Aに噛合されている。これにより、モータ20が駆動して駆動軸21が回転することで、中間軸31が自身の軸回りに回転する構成になっている。中間軸31には、運動変換部材35が設けられており、運動変換部材35は、中間軸31の回転運動を前後方向の往復運動に変換して、後述する伝達部32に伝達する構成になっている。
【0030】
伝達部32は、中間軸31の上側において前後方向に延在されている。そして、伝達部32の前端部に、先端工具Tが装着されている。先端工具Tは、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、先端工具Tの後端部が、伝達部32に装着されている。また、伝達部32は、中間軸31に連結されている。これにより、モータ20の回転力が先端工具Tに伝達されて、先端工具Tが自身の軸回りに回転して、被加工材に対する穿孔加工を施す。
【0031】
(集塵装置40について)
図1及び
図2に示されるように、集塵装置40は、全体として略矩形箱状に形成されている。集塵装置40は、ハンマドリル本体10における下側ハウジング部13Bの前側に配置されて、本体ハウジング13に組付けられている。集塵装置40は、排出部42と、カバー46と、空気流入部50と、集塵部60と、を含んで構成されている。
【0032】
(排出部42について)
図2及び
図4に示されるように、排出部42は、集塵装置40の上部における後端部を構成している。排出部42は、後側へ開放された筒状に形成されており、排出部42の後端部が、ハンマドリル本体10の本体側吸気口13Cに前側から差し込まれている。排出部42の下側には、後述する第3集塵部90と排出部42とを連通するための排出連通部42Aが貫通形成されている。排出連通部42Aは、下側へ開放された筒状に形成されており、排出連通部42Aの上端部が排出部42の前端部に接続されている。また、排出部42の前側には、連結管44が設けられており、連結管44は、排出部42と一体に形成されている。連結管44は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、連結管44の後端部が下側へ屈曲している。
【0033】
(カバー46について)
図1、
図2、
図5、及び
図6に示されるように、カバー46は、集塵装置40の上部の外郭を構成している。カバー46は、左右方向に2分割されたカバー部材によって構成されており、分割されたカバー部材を互いに組み付けることでカバー46が形成されている。具体的には、カバー部材が、排出部42を左右方向両側から挟み込んで排出部42を固定している。また、カバー46の後端部は、ハンマドリル本体10の下側ハウジング部13Bの左右方向両側に配置されるように、後述する集塵部60よりも後側に突出している。
【0034】
カバー46の前部には、前後方向を軸方向とする略筒状のカバー筒部46A(
図5参照)が形成されている。カバー筒部46Aの前端部は、ハンマドリル本体10の本体ハウジング13より前側に配置されている。カバー筒部46Aの下端部には、分割されたカバー部材同士を連結するための連結部46Bが形成されており、連結部46Bは、左右方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。
【0035】
(空気流入部50について)
図1及び
図2に示されるように、空気流入部50は、集塵装置40の上部における前部を構成している。空気流入部50は、先端工具Tの前端部の周囲の空気を吸引して、後述する集塵部60へ空気を流出する機構部として構成されている。空気流入部50は、スライドアーム52と、ノズル連結部材54と、吸気管56と、吸引部としての吸引ノズル58と、を含んで構成されている。
【0036】
スライドアーム52は、前後方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されている。スライドアーム52は、カバー46のカバー筒部46A内に収容されると共に、カバー筒部46Aに前後方向にスライド可能に連結されており、スライドアーム52の前端部がカバー筒部46Aよりも前側へ突出している。
【0037】
ノズル連結部材54は、上下方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されている。ノズル連結部材54の下端部は、後側へ屈曲しており、後側から見て略円筒状に形成されている。そして、ノズル連結部材54の下端部が、スライドアーム52の前端部内に配置されると共に、スライドアーム52に固定されている。
【0038】
吸気管56は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されている(
図5参照)。吸気管56は、伸縮性を有するゴム材などによって形成されて、前後方向に伸縮可能に構成されている。吸気管56は、スライドアーム52の内部に配置されており、吸気管56の前端部がノズル連結部材54の下端部に連結され、吸気管56の後端部が連結管44の前端部に連結されている。そして、ノズル連結部材54、吸気管56、及び連結管44が、本発明の吸気通路部に対応している。
【0039】
吸引ノズル58は、ノズル本体58Aと、ノズル排気部58Bと、を含んで構成されている。ノズル本体58Aは、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されている。ノズル本体58Aは、先端工具Tと同軸上に配置されて、先端工具Tの先端部がノズル本体58A内を挿通している。ノズル排気部58Bは、上下方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されて、ノズル本体58Aから下側へ延出している。そして、ノズル排気部58Bの内部とノズル本体58Aの内部とが連通している。ノズル排気部58Bは、ノズル連結部材54内に上側から嵌入され、爪篏合によってノズル連結部材54に組付けられている。これにより、ハンマドリル本体10の作動時に生じる空気流ARによって、ノズル本体58A内の空気を、ノズル排気部58Bから吸気管56へ排気して、集塵部60へ送るように構成されている。
【0040】
(集塵部60について)
図1~
図7に示されるように、集塵部60は、略直方体箱状に形成されると共に、連結管44の下側において、カバー46に着脱可能に取付けられている。集塵部60は、集塵部60の前部の外郭を構成するフロントケース62と、集塵部60の後部の外郭を構成するリヤケース64と、集塵部60の前端部の外郭を構成する集塵蓋66と、を有している。フロントケース62及びリヤケース64が互いに組付けられており、組付状態のフロントケース62及びリヤケース64は、前側へ開放された略箱状に形成されている。集塵蓋66は、フロントケース62の前端部に開閉可能に設けられている。集塵蓋66は、前後方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。そして、集塵蓋66の下端部が、左右方向を軸方向としてフロントケース62の前端下端部に回転可能に連結されており、集塵蓋66の上端部が、フロントケース62の上壁に係止されている。これにより、集塵蓋66によってフロントケース62の前側開口部が閉塞されている。また、集塵蓋66の上端部には、前側へ開放された係止溝66Aが形成されている。そして、集塵部60のカバー46への取付状態では、カバー46の連結部46Bが係止溝66A内に配置されて、集塵部60の前端部が連結部46Bに係止されている。
【0041】
また、集塵部60は、前述した排出部42及び連結管44に接続されており、連結管44から集塵部60に空気流ARが流入され、集塵部60を通過した空気流ARが、排出部42へ排出されるようになっている。集塵部60は、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を有しており、空気流ARが、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を、この順で通過して、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90において、空気流ARに含まれる塵埃を集塵するようになっている。つまり、第1集塵部70が、集塵部60内における上流部を構成し、第2集塵部80が、集塵部60内における中流部を構成し、第3集塵部90が、集塵部60内における下流部を構成している(
図3参照)。
【0042】
第1集塵部70は、集塵部60の下部を構成しており、第2集塵部80は、集塵部60の上部における前部を構成し、第3集塵部90は、集塵部60の上部における後部を構成している。第2集塵部80と第3集塵部90とは、集塵部60の内部に設けられた仕切壁68によって仕切られており、仕切壁68は、リヤケース64に形成されている。また、第1集塵部70の内部が、第1集塵室70Aとして構成され、第2集塵部80の内部が、第2集塵室80Aとして構成され、第3集塵部90の内部が、フィルタ室90Aとして構成されている。
【0043】
(第1集塵部70について)
第1集塵部70は、第1集塵室70Aを区画するための上壁71、底壁72、及び後壁73を有している。上壁71は、左右方向から見て段差状に形成されており、上壁71によって、第1集塵部70と、第2集塵部80及び第3集塵部90と、が上下に仕切られている。また、第1集塵部70の前壁74は、集塵蓋66の下部によって構成されている。なお、集塵蓋66の上下方向中間部には、後側へ延出された遮断リブ66Bが形成されている。そして、上壁71の前端部が、遮断リブ66Bの後端部に形成された溝部66C内に配置されている。
【0044】
また、集塵部60は、連結管44と第1集塵部70とを接続する接続部としての接続管75(
図4及び
図6参照)を有している。接続管75は、上下方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されて、連結管44と第1集塵部70との間に配置されている。具体的には、接続管75の前壁が、仕切壁68によって構成されており、接続管75が、第3集塵部90におけるフィルタ室90Aの前端部の左右方向中央部に配置されている。接続管75の下端部は、上壁71に接続されており、接続管75によって、連結管44の内部と第1集塵室70Aとが連通されている。そして、接続管75の下側開口部が、空気流ARの第1集塵部70への流入部である第1入口部70Bとして構成されている。これにより、第1入口部70Bが、第1集塵部70の後壁73の前側で且つ前壁74の後側に配置され、第1集塵室70A及び底壁72の上側に配置されている。
【0045】
また、集塵部60は、第1集塵室70A内に流入された空気流ARを第2集塵部80の第2集塵室80Aへ流出させるための第1流出部76(
図4~
図6参照)を有している。第1流出部76は、上下方向を軸方向とする略筒状に形成されて、接続管75の前側に隣接して配置されると共に、上壁71から上側へ延出している。すなわち、第1流出部76の後壁が、仕切壁68によって構成されており、第1流出部76と接続管75とが仕切壁68によって仕切られている。また、第1流出部76の左右の側壁は、後述する第2集塵部80のサイクロン外筒82の一部によって構成されており、第1流出部76が、第2集塵部80における第2集塵室80Aの後端部の左右方向中央部に配置されている。第1流出部76の下端部は、下側へ開放されて、第1流出部76の内部が、第1集塵室70Aと連通している。また、第1流出部76の前壁は、側面視で、下側へ向かうに従い前側に傾斜しており、第1流出部76の前壁の上端部は、集塵部60の上壁に接続されている。さらに、第1流出部76の下端部には、遮蔽部としての遮蔽壁77が形成されている。遮蔽壁77は、上下方向を板厚方向として、仕切壁68の下端部から前側へ延出されて、第1流出部76の下側開口部内に配置されている。また、遮蔽壁77の上下位置が、第1入口部70Bの上下位置と一致している。
【0046】
(第2集塵部80について)
図4~
図7に示されるように、第2集塵部80は、サイクロン部81を有している。サイクロン部81は、第2集塵室80A内に配置されており、サイクロン部81によって、第2集塵部80に流入された空気流ARを旋回させて、空気流ARにおいて空気と塵埃とを分離するようになっている。サイクロン部81は、左右一対のサイクロン外筒82と、左右一対の排気内筒83と、を有している。
【0047】
一対のサイクロン外筒82は、第1流出部76の左右方向外側に隣接配置されている。サイクロン外筒82は、全体として、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、サイクロン外筒82の中心軸をサイクロン軸82Aとしている。また、サイクロン外筒82の前部の側壁は、前側へ向かうに従いサイクロン軸82Aに接近する方向に傾斜している。サイクロン外筒82は、フロントケース62に一体に形成されている。サイクロン外筒82の後端部における左右方向内側の側壁は、前述した第1流出部76の左右両側の側壁を構成しており、当該側壁の上端部には、左右方向に貫通された第2入口部80Bが形成されている(
図5参照)。第2入口部80Bは、空気流ARの第2集塵室80Aへの流入口として構成されて、第2入口部80Bによって第1流出部76の内部とサイクロン外筒82の内部とが連通している。
【0048】
そして、第1流出部76を上昇した空気流ARが、第2入口部80Bからサイクロン外筒82の内部に流入され、サイクロン外筒82の内周面に沿って旋回しながら前側へ流れるように構成されている(
図5及び
図6に示される空気流AR参照)。これにより、サイクロン外筒82内において、空気と塵埃とが分離され、当該塵埃がサイクロン外筒82の前端開口部から排出されて、第2集塵室80Aの底面に溜まるようになっている。第2集塵室80Aの前壁は、集塵蓋66の上部によって構成されている。このため、作業者は集塵蓋66を開くことで、第1集塵室70A及び第2集塵室80Aの両方を一度に開放し、溜まった塵埃を排出することができる。また、仕切壁68には、サイクロン外筒82の後端部の下部を下側から受ける受け部68A(
図5参照)が形成されている。受け部68Aは、仕切壁68から前側へ突出したリブ状に形成されると共に、前側から見て上側へ開放された略円弧状に湾曲している。
【0049】
排気内筒83は、一対のサイクロン外筒82の内部にそれぞれ設けられている。排気内筒83は、サイクロン軸82Aを中心軸とする円筒状に形成されて、仕切壁68から前側へ突出すると共に、前後方向に貫通している。すなわち、排気内筒83の後端部には、仕切壁68を貫通する第3入口部90B(
図6参照)が形成されており、第3入口部90Bは、空気流ARの第3集塵部90への流入口として構成されている。そして、第2集塵部80において塵埃と分離された空気が、排気内筒83内を後側へ流れて、フィルタ室90Aに流入される構成になっている。
【0050】
(第3集塵部90について)
第3集塵部90は、第1集塵部70の後端部の上側で且つ第2集塵部80の後側に配置されており、前述した第3入口部90Bによって、第2集塵部80の排気内筒83の内部とフィルタ室90Aとが連通している。フィルタ室90Aの後部には、フィルタ92が設けられており、フィルタ92は、第3集塵部90に組付けられたホルダ94によって保持されている。フィルタ92は、シート状に形成されて、プリーツ状に折り畳まれている。具体的には、側面視で、フィルタ92の山折りにされた折目部が、フィルタ92の上端部を構成し、フィルタ92の谷折りにされた折目部が、フィルタ92の下端部を構成するように、フィルタ92がプリーツ状に折り畳まれて、前後方向に重なっている。フィルタ92は、第1集塵部70の上壁71の上側に離間して配置されている。
【0051】
また、フィルタ92は、排出部42の排出連通部42Aの下側に配置されている。そして、第2集塵部80からフィルタ室90A内に流入された空気流ARが、下側からフィルタ92を通過してフィルタ92の上側へ流れて、排出部42からハンマドリル本体10内に流入される構成になっている(
図4に示される空気流AR参照)。
【0052】
(作用効果)
上記のように構成されたハンマドリル1の穿孔加工時には、作業者がハンマドリル本体10のトリガ16を引き操作することで、モータ20が駆動し、先端工具Tが自身の軸回りに回転する。これにより、被加工材に対して穿孔加工を施すことができる。具体的には、先端工具Tを被加工材側へ押し付けて、被加工材に対して穿孔加工を施す。
【0053】
また、モータ20の駆動時には、モータ20の駆動軸21と共に、ファン24が回転する。これにより、ファン24によって、集塵装置40からハンマドリル本体10へ向かう空気流ARが発生する。具体的には、
図2及び
図3に示されるように、集塵装置40における吸引ノズル58において、ノズル本体58A内の空気をノズル排気部58Bへ引き込む空気流ARが発生する。
【0054】
これにより、先端工具Tにおける先端部の周囲の空気が、集塵装置40の内部に吸引される。すなわち、穿孔加工時に生じる粉塵を含む先端工具Tの周囲の塵埃が、空気と共に、吸引ノズル58から吸気管56を介して連結管44に流入される。なお、被加工材に対する穿孔加工時には、穿孔加工の経過に従いハンマドリル本体10が被加工材に接近して、集塵装置40の吸引ノズル58が被加工材に当接する。このため、ハンマドリル本体10の穿孔加工時には、被加工材によって吸引ノズル58が後側へ押圧される。これにより、空気流入部50の吸気管56が収縮して、スライドアーム52が後側へ変位する。
【0055】
連結管44に流入された空気流ARは、連結管44の後端部から集塵部60の接続管75に流入されて、接続管75内を下側へ流れる。これにより、空気流ARが、第1入口部70Bから下側へ排出されて、第1集塵室70A内に流入される。このため、空気流AR内に含まれる目の粗い塵埃が、第1集塵室70Aの底壁72上に落下して、第1集塵室70A内に溜められる。
【0056】
一方、第1集塵室70A内に流入された空気流ARは、第1流出部76に流出されて、第1流出部76内を上側へ流れる。このため、第1集塵室70A内における比較的目の細かい塵埃が、空気流ARと共に第1流出部76内に流入される。
【0057】
第1流出部76内を上昇した空気流ARは、第2入口部80Bからサイクロン外筒82内に流入される。サイクロン外筒82内に流入された空気流ARは、サイクロン外筒82の内周面に沿ってサイクロン軸82Aの軸回りを旋回しながら前側へ流れる。これにより、サイクロン外筒82内において、空気と塵埃とが分離され、分離された塵埃が、サイクロン外筒82の前端開口部から吐き出されて、第2集塵室80Aの下面に落下する。また、サイクロン外筒82の前側開口部から流出した空気流ARは、サイクロン外筒82の略中央部を後側へ流れて、排気内筒83内に流入される。そして、排気内筒83内に流入された空気流ARが、第3入口部90Bから第3集塵部90のフィルタ室90A内に流入される。
【0058】
フィルタ室90A内に流入された空気流ARは、集塵装置40の排出部42側へ流れる。すなわち、フィルタ室90A内において、空気流ARがフィルタ92を下側から上側へ通過して、排出連通部42Aへ流れる。これにより、空気流ARに残存した塵埃がフィルタ92によって除去されて、塵埃を除去した空気流ARが、排出部42からハンマドリル本体10の本体ハウジング13内に流入される。
【0059】
本体ハウジング13内に流入された空気流ARは、ファン24の径方向外側へ流れて、本体側排気口13Dから排出される。以上により、集塵装置40によって、先端工具Tの周囲の空気を吸引して、当該空気に含まれる塵埃を分離すると共に、分離した塵埃を集めることができる。
【0060】
以上説明したように、集塵装置40の集塵部60は、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を有している。そして、吸引ノズル58によって吸引した先端工具Tの周辺の空気が、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90を、この順で通過して、第1集塵部70、第2集塵部80、及び第3集塵部90において、空気に含まれる塵埃を集塵する。すなわち、集塵装置40では、吸引した空気に含まれる塵埃を集塵する集塵部が、3段階に設定されている。これにより、集塵装置40において、空気に含まれる塵埃を段階的に集塵することができる。詳しくは、上述のように、目の粗い塵埃を第1集塵部70において集塵し、目の細かい塵埃を第2集塵部80において集塵することができる。このため、例えば、最終段である第3集塵部90にフィルタ92を設けることで、目の粗い塵埃がフィルタ92に付着することを抑制できる。その結果、フィルタ92が早期に目詰まりすることを抑制できる。したがって、フィルタ92の交換作業を頻繁に行う必要がなくなり、集塵装置40の作業性を向上することができる。
【0061】
また、集塵装置40では、第1集塵室70Aから第2集塵部80の内部へ空気を流出させるための第1流出部76が、第1集塵部70の底壁72よりも上側に配置されている。このため、第1集塵室70Aの底壁72に落下した、目の粗い塵埃が第1流出部76から第2集塵部80の内部へ流出されることを抑制できる。
【0062】
また、第1集塵部70の上壁71には、連結管44から空気流ARが流入される第1入口部70Bが形成されており、第1入口部70Bが、第1集塵部70の後壁73よりも前側に配置されている。これにより、例えば、天井等に穿孔加工を施す場合において、目の粗い塵埃を第1集塵室70A内に良好に集塵することができる。すなわち、天井等に穿孔加工を施す場合には、ハンマドリル1の前後方向を鉛直方向に沿った姿勢にすると共に、吸引ノズル58をハンマドリル本体10に対して鉛直方向上側に配置する。このため、この姿勢で穿孔加工を行う場合には、第1入口部70Bから第1集塵室70A内に排出される塵埃が、鉛直方向下側へ落下して、第1集塵室70Aの後壁73上に溜められる。したがって、天井等に穿孔加工を施す場合において、目の粗い塵埃を第1集塵室70A内に良好に集塵することができる。
【0063】
また、第1集塵部70では、第1入口部70Bが、第1集塵部70の前壁74(集塵蓋66)よりも後側に配置されている。これにより、例えば、床等に穿孔加工を施す場合において、目の粗い塵埃を第1集塵室70A内に集塵することができる。すなわち、床等に穿孔加工を施す場合には、ハンマドリル1の前後方向を鉛直方向に沿った姿勢にすると共に、吸引ノズル58をハンマドリル本体10に対して鉛直方向下側に配置する。このため、この姿勢で穿孔加工を行う場合には、第1入口部70Bから第1集塵室70A内に排出される塵埃が、鉛直方向下側へ落下して、第1集塵室70Aの前壁74(集塵蓋66)上に溜められる。したがって、床等に穿孔加工を施す場合において、目の粗い塵埃を第1集塵室70A内に良好に集塵することができる。
【0064】
また、第1流出部76の左右の側壁を構成するサイクロン外筒82には、空気流ARを第2集塵部80へ流入させる第2入口部80Bが形成されており、第2入口部80Bが、第1入口部70Bよりも上側に配置されている。これにより、第1入口部70Bから第1集塵室70A内に排出された目の粗い塵埃が、第2入口部80B側へ流れることを抑制できる。このため、第1集塵室70A内に排出された目の粗い塵埃が、第2集塵室80Aに流入されることを抑制できる。
【0065】
また、第1流出部76の下端部には、遮蔽壁77が形成されており、遮蔽壁77が仕切壁68から前側へ延出されて、第1流出部76内に配置されている。具体的には、上下方向における第1入口部70Bと遮蔽壁77との位置が一致しており、遮蔽壁77が、第1流出部76の下側開口部における第1入口部70B側を遮蔽している。これにより、第1入口部70Bから第1集塵室70Aに流入された空気流ARが、第1入口部70Bの通過直後において、第1流出部76側へ流れることを、遮蔽壁77によって抑制できる。このため、空気流ARに含まれる目の粗い塵埃が第2集塵部80側へ流れることを効果的に抑制できる。
【0066】
また、第1集塵部70は、連結管44及び吸気管56の下側に離間して配置されており、第2集塵部80が、上下方向において、第1集塵部70と連結管44及び吸気管56との間に配置されている。このため、前後方向及び左右方向における集塵部60の体格の小型化に寄与することができる。
【0067】
また、集塵部60では、連結管44と第1集塵部70との間において、連結管44及び第1集塵部70を接続するための接続管75が設けられている。接続管75は、上下方向に延在された筒状に形成されており、接続管75の下側開口部が第1入口部70Bとして構成されている。これにより、連結管44と第1集塵部70との間に、第2集塵部80を配置するスペースを確保しつつ、連結管44と第1集塵部70とを接続することができる。
【0068】
また、第3集塵部90が、第1集塵部70の上側で且つ第2集塵部80の後側に配置されている。これにより、第2集塵部80及び第3集塵部90を前後方向に並べて配置しつつ、第1集塵部70を第2集塵部80及び第3集塵部90の下側に配置することができる。したがって、前後方向及び左右方向における集塵部60の体格の小型化に寄与することができる。
【0069】
また、第2集塵部80は、サイクロン部81を有しており、サイクロン部81によって、第2集塵部80の内部に流入された空気流ARを旋回させて、空気流AR内の空気と塵埃とを遠心分離する。これにより、第2集塵部80内に流入された空気流ARにおいて、目の細かい塵埃を、空気から分離させて、第2集塵部80に溜めることができる。
【0070】
また、第3集塵部90には、フィルタ92が設けられており、第3集塵部90の内部に流入された空気流ARがフィルタ92を通過する。これにより、フィルタ92によって、第3集塵部90内に空気流ARに残留された塵埃を除去して、塵埃を除去した空気を、ハンマドリル1側へ流すことができる。また、フィルタ92を集塵部60における下流部に設けることで、フィルタ92の目詰まりを効果的に抑制できる。
【符号の説明】
【0071】
1 ハンマドリル(作業機)
10 ハンマドリル本体(作業機本体)
13C 本体側吸気口
20 モータ
24 ファン(送風部)
40 集塵装置
42 排出部
44 連結管(吸気通路部)
54 ノズル連結部材(吸気通路部)
56 吸気管(吸気通路部)
58 吸引ノズル(吸引部)
70 第1集塵部
70A 第1集塵室
70B 第1入口部
71 上壁
72 底壁
73 後壁
74 前壁
75 接続管(接続部)
76 第1流出部
77 遮蔽壁(遮蔽部)
80 第2集塵部
80B 第2入口部
81 サイクロン部
90 第3集塵部
92 フィルタ
T 先端工具