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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098034
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ステビオール配糖体を含む飲料
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20230703BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20230703BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20230703BHJP
   A23L 2/56 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
C12G3/04
A23L2/00 C
A23L2/00 B
A23L2/60
A23L2/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214516
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(74)【代理人】
【識別番号】100217663
【弁理士】
【氏名又は名称】末広 尚也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康子
【テーマコード(参考)】
4B115
4B117
【Fターム(参考)】
4B115LG02
4B115LH11
4B117LC02
4B117LC03
4B117LE10
4B117LK06
4B117LK11
4B117LL02
4B117LP02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】好ましい香味効果を有する新規な飲料の開発が待たれている。
【解決手段】本発明によれば、ステビオール配糖体と、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lである、飲料が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステビオール配糖体と、
シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、
前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lである、飲料。
【請求項2】
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
前記1種以上のステビオール配糖体の含有量が、前記飲料に対して5mg/L以上である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
前記シリングアルデヒドの含有量が0.007mg/L~100mg/Lである、請求項1または2に記載の飲料。
【請求項4】
前記シナピルアルデヒドの含有量が0.007mg/L~100mg/Lである、請求項1~3のいずれかに記載の飲料。
【請求項5】
前記1種以上のステビオール配糖体の含有量が、重量比で前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量の0.5~150,000倍である、請求項2~4のいずれかに記載の飲料。
【請求項6】
前記1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む、請求項2~5のいずれかに記載の飲料。
【請求項7】
アルコール度数が0.5~40v/v%である、請求項1~6のいずれかに記載の飲料。
【請求項8】
発泡性飲料である、請求項1~7のいずれかに記載の飲料。
【請求項9】
pHが2.0~4.6である、請求項1~8のいずれかに記載の飲料。
【請求項10】
甘味強度が0.1~20である、請求項1~9のいずれかに記載の飲料。
【請求項11】
酸味物質をさらに含み、
酸度が0.01~5.0w/v%である、請求項1~10のいずれかに記載の飲料。
【請求項12】
甘味強度/酸度が1~700である、請求項1~11のいずれかに記載の飲料。
【請求項13】
低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含む、請求項1~12のいずれかに記載の飲料。
【請求項14】
ブラウンスピリッツを含む、請求項1~13のいずれかに記載の飲料。
【請求項15】
エネルギーが100kcal/100mL以下である、請求項1~14のいずれかに記載の飲料。
【請求項16】
柑橘類風味、仁果類風味、核果類風味、しょう果類風味、穀果類風味、熱帯性および亜熱帯性果実風味、果実的野菜風味、根菜類風味、葉茎菜類風味、果菜類風味、香辛野菜およびつまもの類風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶風味、ココア風味、コーラ風味、デザート風味または乳性飲料風味の飲料である、請求項1~15のいずれかに記載の飲料。
【請求項17】
容器詰飲料である、請求項1~16のいずれかに記載の飲料。
【請求項18】
請求項1~17のいずれかに記載の飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステビオール配糖体と、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含む飲料やその製造方法、およびその飲料を提供するための濃縮物等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本を中心に世界各地で、消費者の嗜好の多様化に伴って様々な味わい(フレーバー)の飲料が、ノンアルコールまたは幅広いアルコール度数で、容器詰め飲料として販売されている。そのようなアルコール飲料の例として、焼酎やウオツカ、スピリッツ、ウイスキーなどの酒類に果汁や香料などを加えたチューハイやカクテル、ハイボールなどが挙げられる。さらに近年は、そのような酒類について、カロリーを低減した製品や香味を改善した製品が好まれており、開発が盛んである。また、様々な成分を添加することで種々の香味効果をもたらすことが試みられている。
【0003】
例えば、特開2017-176164号公報(特許文献1)は、炭酸ガス含有容器詰め飲料に没食子酸および/またはシナピルアルデヒドと、ナリンギンとを含有させることで、樽等の木製容器や木材由来の木質成分に特徴的なふくらみのある深い味わいを維持しながら、木質成分の苦渋味が低減され、すっきりと切れ味よく飲むことができる飲料を提供することを開示している。
【0004】
特表2019-528732号公報(特許文献2)は、非栄養甘味料と、フルフラール等の化合物とを含む甘味料組成物等を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料を開示している。国際公開第2017/073704号パンフレット(特許文献3)は、シナピルアルデヒド、コニフェリルアルデヒド、及びシリングアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでなる、アルコールテイスト飲料を開示している。当該アルコールテイスト飲料は、ブラウンスピリッツらしい味の厚みが増強されたものであるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-176164号公報
【特許文献2】特表2019-528732号公報
【特許文献3】国際公開第2017/073704号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような状況の下、好ましい香味効果を有する新規な飲料の開発が待たれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、飲料が、ステビオール配糖体と、所定量のシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含むことで、好ましい香味効果を有する飲料が得られることを知得した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0008】
本発明は、次に示す、飲料および当該飲料を調製するための濃縮物(例えば濃縮液)などを提供する。
[1]
ステビオール配糖体と、
シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、
前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lである、飲料。
[2]
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
前記1種以上のステビオール配糖体の含有量が、前記飲料に対して5mg/L以上である、[1]に記載の飲料。
[3]
前記シリングアルデヒドの含有量が0.007mg/L~100mg/Lである、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
前記シナピルアルデヒドの含有量が0.007mg/L~100mg/Lである、[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5]
前記1種以上のステビオール配糖体の含有量が、重量比で前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量の0.5~150,000倍である、[2]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]
前記1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む、[2]~[5]のいずれかに記載の飲料。
[7]
アルコール度数が0.5~40v/v%である、[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8]
発泡性飲料である、[1]~[7]のいずれかに記載の飲料。
[9]
pHが2.0~4.6である、[1]~[8]のいずれかに記載の飲料。
[10]
甘味強度が0.1~20である、[1]~[9]のいずれかに記載の飲料。
[11]
酸味物質をさらに含み、
酸度が0.01~5.0w/v%である、[1]~[10]のいずれかに記載の飲料。
[12]
甘味強度/酸度が1~700である、[1]~[11]のいずれかに記載の飲料。
[13]
低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含む、[1]~[12]のいずれかに記載の飲料。
[14]
ブラウンスピリッツを含む、[1]~[13]のいずれかに記載の飲料。
[15]
エネルギーが100kcal/100mL以下である、[1]~[14]のいずれかに記載の飲料。
[16]
柑橘類風味、仁果類風味、核果類風味、しょう果類風味、穀果類風味、熱帯性および亜熱帯性果実風味、果実的野菜風味、根菜類風味、葉茎菜類風味、果菜類風味、香辛野菜およびつまもの類風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶風味、ココア風味、コーラ風味、デザート風味または乳性飲料風味の飲料である、[1]~[15]のいずれかに記載の飲料。
[17]
容器詰飲料である、[1]~[16]のいずれかに記載の飲料。
[18]
[1]~[17]のいずれかに記載の飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、甘味の後引きが低減したノンアルコール飲料またはアルコール飲料が提供される。本発明の他の一態様によれば、後味として舌に残る渋味を低減しつつ、甘味の後引きが低減したノンアルコール飲料またはアルコール飲料が提供される。本発明の他の態様によれば、甘味の後引きおよび後味の渋味が解消され、低カロリーで爽やかでキレのある味わいを呈するノンアルコール飲料またはアルコール飲料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
【0011】
1.ステビオール配糖体を含む飲料
本発明は、一側面として、以下の飲料(ノンアルコール飲料またはアルコール飲料)(以下、「本発明の飲料(あるいは、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料)」ともいう)を提供する。
本発明の一態様による飲料は、ステビオール配糖体と、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lである飲料である。本発明の一態様による飲料は、ノンアルコール飲料であってもよく、アルコール飲料であってもよい。
【0012】
本発明の好ましい態様によるノンアルコールまたはアルコール飲料は、甘味の後引きが低減している。また、本発明のさらに好ましい態様によるノンアルコールまたはアルコール飲料は、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせに由来する後味の渋味が低減され、かつ、甘味の後引きが低減している。本発明のさらにより好ましい態様によるノンアルコールまたはアルコール飲料は、低カロリーで甘味の後引きおよび後味の渋味が解消され、爽やかでキレのある味わいを呈する。
【0013】
<ステビオール配糖体>
ステビオール配糖体とは、キク科ステビア(Stevia rebaudiana)の葉に含まれるジテルペノイドの一種であるステビオール(Steviol)を骨格として有する甘味物質である。ステビオール配糖体の多くは砂糖の数十倍~数百倍もの甘味を呈することから、カロリーレスの甘味料として飲食品産業に利用されている。
【0014】
本発明において、ステビオール配糖体が用いられる。ステビオール配糖体としては特に限定されないが、例えば、ステビオシド、レバウジオシドA(以下、レバウジオシドをRebと略すことがある)、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびルブソシドなどが挙げられる。本発明の一態様において、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびルブソシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体が用いられる。本発明の好ましい態様のノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびレバウジオシドOからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明の他の好ましい態様のノンアルコール飲料またはアルコール飲料はステビオール配糖体を含み、当該ステビオール配糖体がステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明のさらに好ましい態様のノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明に用いるステビオール配糖体は、ステビアから直接抽出してもよく、ステビア抽出物中に含まれる別の構造を有する化合物にグルコース等の1つ以上の糖分子を化学的または生化学的に付加することで得てもよい。
【0015】
本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料中のステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料に対して5mg/L以上である。1種以上のステビオール配糖体の含有量は、2種類以上のステビオール配糖体を含有する場合はその合計含有量を意味する。また、本態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、ここに列記された10種類のステビオール配糖体以外のステビオール配糖体を含んでいてもよい。本発明の一態様において、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料中の上記1種以上のステビオール配糖体(ここに列記された10種類のステビオール配糖体から選択される1種以上)の含有量は、5mg/L~900mg/L、5mg/L~800mg/L、5mg/L~700mg/L、5mg/L~600mg/L、5mg/L~500mg/L、5mg/L~400mg/L、5mg/L~300mg/L、5mg/L~200mg/L、5mg/L~100mg/L、10mg/L~900mg/L、10mg/L~800mg/L、10mg/L~700mg/L、10mg/L~600mg/L、10mg/L~550mg/L、10mg/L~500mg/L、10mg/L~400mg/L、10mg/L~300mg/L、10mg/L~200mg/L、10mg/L~100mg/L、20mg/L~900mg/L、20mg/L~800mg/L、20mg/L~700mg/L、20mg/L~600mg/L、20mg/L~550mg/L、20mg/L~500mg/L、20mg/L~400mg/L、20mg/L~300mg/L、20mg/L~200mg/L、20mg/L~100mg/L、30mg/L~900mg/L、30mg/L~800mg/L、30mg/L~700mg/L、30mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/L、30mg/L~500mg/L、30mg/L~400mg/L、30mg/L~300mg/L、30mg/L~200mg/L、30mg/L~100mg/L、50mg/L~900mg/L、50mg/L~800mg/L、50mg/L~700mg/L、50mg/L~600mg/L、50mg/L~500mg/L、50mg/L~400mg/L、50mg/L~300mg/L、50mg/L~200mg/L、50mg/L~100mg/L、100mg/L~900mg/L、100mg/L~800mg/L、100mg/L~700mg/L、100mg/L~600mg/L、100mg/L~500mg/L、100mg/L~400mg/L、100mg/L~300mg/L、100mg/L~200mg/L、200mg/L~900mg/L、200mg/L~800mg/L、200mg/L~700mg/L、200mg/L~600mg/L、200mg/L~500mg/L、200mg/L~400mg/L、200mg/L~300mg/L、300mg/L~900mg/L、300mg/L~800mg/L、300mg/L~700mg/L、300mg/L~600mg/L、300mg/L~500mg/Lまたは300mg/L~400mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料中の1種以上のステビオール配糖体の含有量は、20mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/Lまたは100mg/L~500mg/Lであってもよい。飲料中のステビオール配糖体の含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよく、JECFA(2010)に準拠したHPLC法で測定することが好ましい。
【0016】
本発明の一態様において、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む。本発明の他の態様において、1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上である。本発明の一態様において、ステビオール配糖体がステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になっていてもよく、好ましくは、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になる。本明細書において「~から実質的になる(consisting essentially of)」とは、本発明に用いるステビオール配糖体が、ここに記載以外のステビオール配糖体を少量含み得ることを意味する。例えば、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になる場合、ステビオール配糖体中の好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上がレバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMで構成されることを意味する。例えば、純度90重量%以上の市販のレバウジオシドA製剤は、ステビオール配糖体中の90重量%以上がレバウジオシドAから構成されると理解できる。
【0017】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドAを含み、レバウジオシドAの含有量が5mg/L~900mg/L、5mg/L~800mg/L、5mg/L~700mg/L、5mg/L~600mg/L、5mg/L~500mg/L、5mg/L~400mg/L、5mg/L~300mg/L、5mg/L~200mg/L、5mg/L~100mg/L、10mg/L~900mg/L、10mg/L~800mg/L、10mg/L~700mg/L、10mg/L~600mg/L、10mg/L~550mg/L、10mg/L~500mg/L、10mg/L~400mg/L、10mg/L~300mg/L、10mg/L~200mg/L、10mg/L~100mg/L、20mg/L~900mg/L、20mg/L~800mg/L、20mg/L~700mg/L、20mg/L~600mg/L、20mg/L~550mg/L、20mg/L~500mg/L、20mg/L~400mg/L、20mg/L~300mg/L、20mg/L~200mg/L、20mg/L~100mg/L、30mg/L~900mg/L、30mg/L~800mg/L、30mg/L~700mg/L、30mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/L、30mg/L~500mg/L、30mg/L~400mg/L、30mg/L~300mg/L、30mg/L~200mg/L、30mg/L~100mg/L、50mg/L~900mg/L、50mg/L~800mg/L、50mg/L~700mg/L、50mg/L~600mg/L、50mg/L~500mg/L、50mg/L~400mg/L、50mg/L~300mg/L、50mg/L~200mg/L、50mg/L~100mg/L、100mg/L~900mg/L、100mg/L~800mg/L、100mg/L~700mg/L、100mg/L~600mg/L、100mg/L~500mg/L、100mg/L~400mg/L、100mg/L~300mg/L、100mg/L~200mg/L、200mg/L~900mg/L、200mg/L~800mg/L、200mg/L~700mg/L、200mg/L~600mg/L、200mg/L~500mg/L、200mg/L~400mg/L、200mg/L~300mg/L、300mg/L~900mg/L、300mg/L~800mg/L、300mg/L~700mg/L、300mg/L~600mg/L、300mg/L~500mg/Lまたは300mg/L~400mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、レバウジオシドAの含有量は、20mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/Lまたは100mg/L~500mg/Lであってもよい。
【0018】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドDを含み、レバウジオシドDの含有量が5mg/L~900mg/L、5mg/L~800mg/L、5mg/L~700mg/L、5mg/L~600mg/L、5mg/L~500mg/L、5mg/L~400mg/L、5mg/L~300mg/L、5mg/L~200mg/L、5mg/L~100mg/L、10mg/L~900mg/L、10mg/L~800mg/L、10mg/L~700mg/L、10mg/L~600mg/L、10mg/L~550mg/L、10mg/L~500mg/L、10mg/L~400mg/L、10mg/L~300mg/L、10mg/L~200mg/L、10mg/L~100mg/L、20mg/L~900mg/L、20mg/L~800mg/L、20mg/L~700mg/L、20mg/L~600mg/L、20mg/L~550mg/L、20mg/L~500mg/L、20mg/L~400mg/L、20mg/L~300mg/L、20mg/L~200mg/L、20mg/L~100mg/L、30mg/L~900mg/L、30mg/L~800mg/L、30mg/L~700mg/L、30mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/L、30mg/L~500mg/L、30mg/L~400mg/L、30mg/L~300mg/L、30mg/L~200mg/L、30mg/L~100mg/L、50mg/L~900mg/L、50mg/L~800mg/L、50mg/L~700mg/L、50mg/L~600mg/L、50mg/L~500mg/L、50mg/L~400mg/L、50mg/L~300mg/L、50mg/L~200mg/L、50mg/L~100mg/L、100mg/L~900mg/L、100mg/L~800mg/L、100mg/L~700mg/L、100mg/L~600mg/L、100mg/L~500mg/L、100mg/L~400mg/L、100mg/L~300mg/L、100mg/L~200mg/L、200mg/L~900mg/L、200mg/L~800mg/L、200mg/L~700mg/L、200mg/L~600mg/L、200mg/L~500mg/L、200mg/L~400mg/L、200mg/L~300mg/L、300mg/L~900mg/L、300mg/L~800mg/L、300mg/L~700mg/L、300mg/L~600mg/L、300mg/L~500mg/Lまたは300mg/L~400mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、レバウジオシドDの含有量は、20mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/Lまたは100mg/L~500mg/Lであってもよい。
【0019】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドMを含み、レバウジオシドMの含有量が5mg/L~900mg/L、5mg/L~800mg/L、5mg/L~700mg/L、5mg/L~600mg/L、5mg/L~500mg/L、5mg/L~400mg/L、5mg/L~300mg/L、5mg/L~200mg/L、5mg/L~100mg/L、10mg/L~900mg/L、10mg/L~800mg/L、10mg/L~700mg/L、10mg/L~600mg/L、10mg/L~550mg/L、10mg/L~500mg/L、10mg/L~400mg/L、10mg/L~300mg/L、10mg/L~200mg/L、10mg/L~100mg/L、20mg/L~900mg/L、20mg/L~800mg/L、20mg/L~700mg/L、20mg/L~600mg/L、20mg/L~550mg/L、20mg/L~500mg/L、20mg/L~400mg/L、20mg/L~300mg/L、20mg/L~200mg/L、20mg/L~100mg/L、30mg/L~900mg/L、30mg/L~800mg/L、30mg/L~700mg/L、30mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/L、30mg/L~500mg/L、30mg/L~400mg/L、30mg/L~300mg/L、30mg/L~200mg/L、30mg/L~100mg/L、50mg/L~900mg/L、50mg/L~800mg/L、50mg/L~700mg/L、50mg/L~600mg/L、50mg/L~500mg/L、50mg/L~400mg/L、50mg/L~300mg/L、50mg/L~200mg/L、50mg/L~100mg/L、100mg/L~900mg/L、100mg/L~800mg/L、100mg/L~700mg/L、100mg/L~600mg/L、100mg/L~500mg/L、100mg/L~400mg/L、100mg/L~300mg/L、100mg/L~200mg/L、200mg/L~900mg/L、200mg/L~800mg/L、200mg/L~700mg/L、200mg/L~600mg/L、200mg/L~500mg/L、200mg/L~400mg/L、200mg/L~300mg/L、300mg/L~900mg/L、300mg/L~800mg/L、300mg/L~700mg/L、300mg/L~600mg/L、300mg/L~500mg/Lまたは300mg/L~400mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、レバウジオシドMの含有量は、20mg/L~600mg/L、30mg/L~550mg/Lまたは100mg/L~500mg/Lであってもよい。
【0020】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含み、その合計含有量が50mg/L~900mg/L、50mg/L~800mg/L、50mg/L~700mg/L、50mg/L~600mg/L、50mg/L~500mg/L、50mg/L~400mg/L、50mg/L~300mg/L、50mg/L~200mg/L、50mg/L~100mg/L、100mg/L~900mg/L、100mg/L~800mg/L、100mg/L~700mg/L、100mg/L~600mg/L、100mg/L~500mg/L、100mg/L~400mg/L、100mg/L~300mg/L、100mg/L~200mg/L、200mg/L~900mg/L、200mg/L~800mg/L、200mg/L~700mg/L、200mg/L~600mg/L、200mg/L~500mg/L、200mg/L~400mg/L、200mg/L~300mg/L、300mg/L~900mg/L、300mg/L~800mg/L、300mg/L~700mg/L、300mg/L~600mg/L、300mg/L~500mg/Lまたは300mg/L~400mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上の含有量は、50mg/L~600mg/L、100mg/L~550mg/Lまたは100mg/L~500mg/Lであってもよい。
【0021】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料はレバウジオシドAを含み、レバウジオシドA(RebA)とステビオシド(Stev)の合計含有量に対するレバウジオシドAの比率(すなわち、RebA/(RebA+Stev))が50重量%以上であってもよい。ここで、ステビオシドの含有量は0重量%であってもよい。好ましい態様において、RebA/(RebA+Stev)は、50~100重量%、55~100重量%、60~100重量%、65~100重量%、70~100重量%、75~100重量%、80~100重量%、85~100重量%、90~100重量%、91~100重量%、92~100重量%、93~100重量%、94~100重量%、95~100重量%、96~100重量%、97~100重量%、98~100重量%または99~100重量%であってもよい。さらに好ましい態様において、RebA/(RebA+Stev)は、75~100重量%、85~100重量%または93~100重量%であってもよい。レバウジオシドAの比率が高いほど、味質が良好であり好ましい。
【0022】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料はレバウジオシドAを含み、レバウジオシドA(RebA)とレバウジオシドB(RebB)の合計含有量に対するレバウジオシドAの比率(すなわち、RebA/(RebA+RebB))が50重量%以上であってもよい。ここで、レバウジオシドBの含有量は0重量%であってもよい。好ましい態様において、RebA/(RebA+RebB)は、50~100重量%、55~100重量%、60~100重量%、65~100重量%、70~100重量%、75~100重量%、80~100重量%、85~100重量%、90~100重量%、91~100重量%、92~100重量%、93~100重量%、94~100重量%、95~100重量%、96~100重量%、97~100重量%、98~100重量%または99~100重量%であってもよい。さらに好ましい態様において、RebA/(RebA+RebB)は、75~100重量%、85~100重量%または93~100重量%であってもよい。レバウジオシドAの比率が高いほど、味質が良好であり好ましい。
【0023】
本発明の一態様において、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の含有量が、重量比で後述のシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量の0.5~150,000倍である。この重量比は、3.0~150,000倍、6.0~150,000倍、10~150,000倍、30~150,000倍、50~150,000倍、60~150,000倍、100~150,000倍、0.5~100,000倍、3.0~100,000倍、6.0~100,000倍、10~100,000倍、30~100,000倍、50~100,000倍、60~100,000倍、100~100,000倍、0.5~50,000倍、3.0~50,000倍、6.0~50,000倍、10~50,000倍、30~50,000倍、50~50,000倍、60~50,000倍、100~50,000倍、0.5~10,000倍、3.0~10,000倍、6.0~10,000倍、10~10,000倍、30~10,000倍、50~10,000倍、60~10,000倍、100~10,000倍、0.5~5,000倍、3.0~5,000倍、6.0~5,000倍、10~5,000倍、30~5,000倍、50~5,000倍、60~5,000倍、100~5,000倍、0.5~1,000倍、3.0~1,000倍、6.0~1,000倍、10~1,000倍、30~1,000倍、50~1,000倍、60~1,000倍、100~1,000倍、0.5~500倍、3.0~500倍、6.0~500倍、10~500倍、30~500倍、50~500倍、60~500倍または100~500倍であってもよい。本発明の好ましい態様において、この重量比は、5~100倍、5~30倍または5~20倍であってもよい。
【0024】
<シリングアルデヒド、シナピルアルデヒド>
シリングアルデヒド(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒドとも称する)およびシナピルアルデヒド((E)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)プロペナールとも称する)はそれぞれ下記の構造を有する化合物である。
【化1】
【0025】
シリングアルデヒドは、樽香を有する香気成分であり、ノンアルコール飲料(例えば、ノンアルコールカクテル)またはアルコール飲料に添加することで味に深みを付与することができる。しかし、シリングアルデヒドの含量が高すぎると後味として舌に残る渋味が強くなり、飲料としての味わいが低下する傾向にある。シナピルアルデヒドも同様に樽香を有する香気成分であり、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料に添加することで味に深みを付与することができるが、その含量が高すぎると後味として舌に残る渋味が強くなり、飲料としての味わいが低下する傾向にある。本発明者らは、予想外にもステビオール配糖体とシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせとを組み合わせることで、シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドに由来する後味の渋味をマスキングすることができることを知得した。さらに驚くべきことに、このような組み合わせによれば、ステビオール配糖体のネガティブな味質である甘味の後引きも同時に低減させることができ、総合的なノンアルコール飲料またはアルコール飲料としての味質が向上することを知得した。したがって、本発明の好ましい態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、甘味の後引き、後味の渋味が解消され、爽やかでキレのある味わいを呈する。
【0026】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lである飲料である。シリングアルデヒドとシナピルアルデヒドの組み合わせは、別々に飲料に添加したものでもよく、事前に混合した上で飲料に添加したものであってもよい。シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量は、0.005mg/L~100mg/L、0.007mg/L~100mg/L、0.01mg/L~100mg/L、0.05mg/L~100mg/L、0.1mg/L~100mg/L、0.3mg/L~100mg/L、0.5mg/L~100mg/L、0.7mg/L~100mg/L、1mg/L~100mg/L、3mg/L~100mg/L、5mg/L~100mg/L、7mg/L~100mg/L、10mg/L~100mg/L、15mg/L~100mg/L、20mg/L~100mg/L、25mg/L~100mg/L、30mg/L~100mg/L、40mg/L~100mg/L、50mg/L~100mg/L、0.001mg/L~90mg/L、0.005mg/L~90mg/L、0.007mg/L~90mg/L、0.01mg/L~90mg/L、0.05mg/L~90mg/L、0.1mg/L~90mg/L、0.3mg/L~90mg/L、0.5mg/L~90mg/L、0.7mg/L~90mg/L、1mg/L~90mg/L、3mg/L~90mg/L、5mg/L~90mg/L、7mg/L~90mg/L、10mg/L~90mg/L、15mg/L~90mg/L、20mg/L~90mg/L、25mg/L~90mg/L、30mg/L~90mg/L、40mg/L~90mg/L、50mg/L~90mg/L、0.001mg/L~80mg/L、0.005mg/L~80mg/L、0.007mg/L~80mg/L、0.01mg/L~80mg/L、0.05mg/L~80mg/L、0.1mg/L~80mg/L、0.3mg/L~80mg/L、0.5mg/L~80mg/L、0.7mg/L~80mg/L、1mg/L~80mg/L、3mg/L~80mg/L、5mg/L~80mg/L、7mg/L~80mg/L、10mg/L~80mg/L、15mg/L~80mg/L、20mg/L~80mg/L、25mg/L~80mg/L、30mg/L~80mg/L、40mg/L~80mg/L、50mg/L~80mg/L、0.001mg/L~70mg/L、0.005mg/L~70mg/L、0.007mg/L~70mg/L、0.01mg/L~70mg/L、0.05mg/L~70mg/L、0.1mg/L~70mg/L、0.3mg/L~70mg/L、0.5mg/L~70mg/L、0.7mg/L~70mg/L、1mg/L~70mg/L、3mg/L~70mg/L、5mg/L~70mg/L、7mg/L~70mg/L、10mg/L~70mg/L、15mg/L~70mg/L、20mg/L~70mg/L、25mg/L~70mg/L、30mg/L~70mg/L、40mg/L~70mg/L、50mg/L~70mg/L、0.001mg/L~60mg/L、0.005mg/L~60mg/L、0.007mg/L~60mg/L、0.01mg/L~60mg/L、0.05mg/L~60mg/L、0.1mg/L~60mg/L、0.3mg/L~60mg/L、0.5mg/L~60mg/L、0.7mg/L~60mg/L、1mg/L~60mg/L、3mg/L~60mg/L、5mg/L~60mg/L、7mg/L~60mg/L、10mg/L~60mg/L、15mg/L~60mg/L、20mg/L~60mg/L、25mg/L~60mg/L、30mg/L~60mg/L、40mg/L~60mg/Lまたは50mg/L~60mg/Lであってもよい。本発明の好ましい態様において、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量は、1mg/L~100mg/L、5mg/L~50mg/Lまたは5mg/L~30mg/Lである。シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することができ、例えば固相抽出による濃縮とGC-MS(SIM法)で測定することができる。あるいは、使用する原料に含まれるシリングアルデヒドおよびシナピルアルデヒドの量が判明している場合には、その含有量と添加量から算出することができる。
【0027】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料に含まれるシリングアルデヒドの含有量は、好ましくは0.007mg/L~100mg/L、より好ましくは0.1mg/L~50mg/L、さらに好ましくは1mg/L~50mg/Lである。本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料に含まれるシナピルアルデヒドの含有量は、好ましくは0.007mg/L~100mg/L、より好ましくは0.1mg/L~50mg/L、さらに好ましくは1mg/L~50mg/Lである。本発明の一態様におけるシリングアルデヒドとシナピルアルデヒドの合計含有量は、好ましくは0.1mg/L~50mg/L、より好ましくは2mg/L~50mg/L、さらに好ましくは10mg/L~30mg/Lである。シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量がこの範囲内であれば、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料に酒らしい味の厚みを付与することができ、かつ、後味の渋味がステビオール配糖体でマスキング可能であるため好ましい。また、シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドはノンアルコール飲料またはアルコール飲料中に上記の量で含まれていればその由来は特に限定されず、植物由来物、化学合成物、または生合成物を別途添加してもよい。あるいは、シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドはノンアルコール飲料またはアルコール飲料に使用するアルコール成分(例えばブラウンスピリッツ)に由来するものであってもよい。
【0028】
<飲料>
本発明の一態様による飲料は、ノンアルコール飲料であっても、アルコール飲料であってもよい。本明細書においてノンアルコール飲料とはアルコール度数が0.05v/v%以下の飲料を意味する。本明細書においてアルコール飲料とは、アルコール度数が0.05v/v%を超える飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。本発明のアルコール飲料のアルコール度数は特に限定されない。本発明の一態様によるアルコール飲料は、アルコール度数が0.5~40v/v%である。なお本明細書において、アルコール度数は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール度数は、日本国税局指定の方法で測定することができる。例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。あるいは、使用する酒類のアルコール度数が判明している場合には、そのアルコール度数と添加量から算出することができる。
【0029】
本発明のアルコール飲料に用いるアルコール成分としては、特に限定されない。スピリッツ、リキュール、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール(例えば、ニュートラルスピリッツ)、梅酒、果実酒、甘味果実酒などの飲用可能なアルコール成分であればどのような原料を用いてもよい。本発明の一態様におけるアルコール飲料は樽熟成を行う蒸留酒(ブラウンスピリッツを含む)、醸造酒、浸漬酒を含む。樽熟成を行う蒸留酒としては、例えば、ウイスキー(スコッチウイスキー、バーボンウイスキー等)、スピリッツ(ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム等)、ブランデー(コニャック、カルバトス、アルマニャック等)、これらの組み合わせなどが挙げられる。醸造酒としては、日本酒、ビール及び種々の果実酒、例えば、ブドウを原料とした赤ワインや白ワイン、ブドウ以外の果実(パイナップル、リンゴ、ナシなど)を原料とした醸造酒が挙げられる。また浸漬酒としては、梅酒、梅以外の果実(オレンジなどの柑橘類、りんごなどの仁果類、桃などの核果類、マンゴーなどの熱帯性及び亜熱帯性果実など)を原料とした浸漬酒が挙げられる。
【0030】
本発明の一態様におけるアルコール飲料のアルコール度数は、0.6~40v/v%、0.6~35v/v%、0.6~30v/v%、0.6~25v/v%、0.6~20v/v%、0.6~15v/v%、0.6~12v/v%、1~40v/v%、1~35v/v%、1~30v/v%、1~25v/v%、1~20v/v%、1~15v/v%、1~14v/v%、1~13v/v%、1~12v/v%、1~11v/v%、1~10v/v%、1~9v/v%、1~8v/v%、1~7v/v%、1~6v/v%、1~5v/v%、1~4v/v%、1~3v/v%、1~2v/v%、2~15v/v%、2~14v/v%、2~13v/v%、2~12v/v%、2~11v/v%、2~10v/v%、2~9v/v%、2~8v/v%、2~7v/v%、2~6v/v%、2~5v/v%、2~4v/v%、2~3v/v%、2~2v/v%、3~40v/v%、3~35v/v%、3~30v/v%、3~25v/v%、3~20v/v%、3~15v/v%、3~14v/v%、3~13v/v%、3~12v/v%、3~11v/v%、3~10v/v%、3~9v/v%、3~8v/v%、3~7v/v%、3~6v/v%、3~5v/v%、3~4v/v%、4~40v/v%、4~35v/v%、4~30v/v%、4~25v/v%、4~20v/v%、4~15v/v%、4~14v/v%、4~13v/v%、4~12v/v%、4~11v/v%、4~10v/v%、4~9v/v%、4~8v/v%、4~7v/v%、4~6v/v%、4~5v/v%、5~40v/v%、5~35v/v%、5~30v/v%、5~25v/v%、5~20v/v%、5~14v/v%、5~13v/v%、5~12v/v%、5~11v/v%、5~10v/v%、5~9v/v%、5~8v/v%、5~7v/v%または5~6v/v%であってもよい。本発明の他の一態様におけるアルコール飲料のアルコール度数は、18~40v/v%、18~35v/v%、18~30v/v%、18~25v/v%、20~40v/v%、20~35v/v%、20~30v/v%、20~25v/v%、25~40v/v%、25~35/v%、25~30v/v%または30~40v/v%であってもよい。本発明の好ましい態様によるアルコール飲料のアルコール度数は、1~11v/v%、2~10v/v%または2~9v/v%であってもよい。
【0031】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、発泡性飲料であってもよい。本明細書において「発泡性飲料」とは、飲料から泡が発生する飲料であり、例えば、容器に注がれた場合に飲料の液面上に泡の層が形成される飲料が包含される。発泡性飲料の例としては、炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料は炭酸ガスを含む飲料であり、そのような炭酸ガスを含む飲料としては、飲料に別途炭酸ガスを注入して得た飲料や、原料に炭酸水を用いて得た飲料や、原料の一部を発酵させることによって炭酸ガスを発生させた飲料などが含まれる。発泡性飲料のガス圧は、特に限定されないが、0.5~5.0kgf/cm、0.5~4.5kgf/cm、0.5~4.0kgf/cm、0.5~3.5kgf/cm、0.5~3.0kgf/cm、0.5~2.5kgf/cm、0.5~2.0kgf/cm、0.5~1.5kgf/cm、1.0~5.0kgf/cm、1.0~4.5kgf/cm、1.0~4.0kgf/cm、1.0~3.5kgf/cm、1.0~3.0kgf/cm、1.0~2.5kgf/cm、1.0~2.0kgf/cm、1.0~1.5kgf/cm、1.5~5.0kgf/cm、1.5~4.5kgf/cm、1.5~4.0kgf/cm、1.5~3.5kgf/cm、1.5~3.0kgf/cm、1.5~2.5kgf/cm、1.5~2.0kgf/cm、2.0~5.0kgf/cm、2.0~4.5kgf/cm、2.0~4.0kgf/cm、2.0~3.5kgf/cm、2.0~3.0kgf/cm、2.0~2.5kgf/cm、2.2~4.0kgf/cm、2.2~3.5kgf/cm、2.2~3.3kgf/cm、2.2~3.2kgf/cm、2.3~4.0kgf/cm、2.3~3.5kgf/cm、2.3~3.2kgf/cm、3.0~4.0kgf/cm、3.0~3.5kgf/cm、1.1~2.4kgf/cm、1.2~2.3kgf/cm、1.3~2.2kgf/cmまたは1.4~2.1kgf/cmであり得る。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
【0032】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料の風味(フレーバー)は特に限定されず、種々の風味に調整することができる。例えば、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、柑橘類(みかん、八朔、いよかん、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、日向夏、清見、ポンカン、文旦、グレープフルーツ、レモン、シークワーサー、柚子およびきんかんなど)風味、仁果類(りんご、日本梨、西洋なし、柿、びわ、ざくろおよびかりんなど)風味、核果類(もも、すもも、ネクタリン、梅およびあんずなど)風味、しょう果類(ぶどうおよびいちじくなど)風味、穀果類(栗、アーモンド、ピスタチオおよびカシューナッツなど)風味、熱帯性および亜熱帯性果実(パインアップル、バナナ、パパイヤ、ライチー、キウイフルーツおよびマンゴーなど)風味、果実的野菜(いちご、メロン、すいかおよびパパイヤなど)風味、根菜類(にんじんおよびかんしょなど)風味、葉茎菜類(セルリーなど)風味、果菜類(きゅうり、かぼちゃ、トマトおよびスイートコーンなど)風味、香辛野菜およびつまもの類(しょうが、しそ、とうがらし、桂皮およびこしょうなど)風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶(紅茶、緑茶、烏龍茶、焙じ茶、ジャスミン茶および各種ハーブティーなど)風味、ココア風味、コーラ風味、デザート(杏仁豆腐など)風味または乳性飲料(ヨーグルトおよびミルクなど)風味の飲料であってもよい。本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の風味は、果汁、酸味物質、香料、植物の抽出物、乳分、その他のフレーバー等、食品添加物として認可されている成分、又は認可されていなくても古くから食経験があり、一般的に安全であると認識されている成分を添加することで調整することができる。
【0033】
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料の形態は限定されず、例えば缶、瓶、PETボトル、パウチ、紙パックおよびプラスチック容器等の容器に封入して容器詰めされた容器詰ノンアルコール飲料または容器詰アルコール飲料の形態としてもよい。容器詰めした後に加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば50~130℃、好ましくは50~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
【0034】
<甘味強度>
本明細書において、「甘味強度」は物質の呈する甘味の強さを意味する。例えば、本明細書において、単位濃度Brix1当たりにスクロースの呈する甘味強度を甘味度1と定めた場合、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMはいずれも約300倍程度の甘味を有する。これらの甘味度に本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料中の甘味料の濃度(w/v%(飲料の場合はw/w%と同視し得る))を乗じて得られる数値が本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の甘味強度となる。本発明において甘味強度を計算する際に、甘味度に幅のある高甘味度甘味料は特に断りのない限りその中心値を用いる。また、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の甘味強度は、ステビオール配糖体のみに由来するものでなくてもよく、後述の任意の甘味料を含有する場合はこれらの甘味料に由来する甘味強度との合計値である。例えば、羅漢果抽出物の甘味度は110~150(中心値130)、モグロシドVの甘味度は240~300(中心値270)、ソーマチンの甘味度は2,000となる。なお、一般的な低甘味度甘味料の甘味度は表1に示すとおりである。単位濃度Brix1当たりのスクロース溶液が呈する甘味強度を甘味度1と定めた場合、ブドウ糖(グルコース)の甘味度は0.6~0.7(中心値0.65)となる。この甘味度にブドウ糖の濃度Brix値を乗じて得られる数値がブドウ糖溶液の甘味強度となる。したがって、ブドウ糖の濃度がBrix1.5の場合、ブドウ糖溶液の甘味強度は0.65×1.5=0.975となる。ショ糖の甘味1に対する他の甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表等から求めることができる。ただし、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比が未知の甘味料や文献によって値が異なる甘味料については、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比を官能試験によって定めてもよい。そのような官能試験としては、例えば、甘味強度3.0から5.0まで0.5刻となるよう砂糖を純水に添加したサンプルを調製し、その中から所定濃度の甘味料の水溶液と同等の甘味強度を持つ砂糖添加サンプルを選択する方法が挙げられる。
【表1】
【0035】
本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料の甘味強度は、具体的な飲料によって異なるが、概ね0.1~20であることが好ましく、例えば、0.1~18、0.1~15、0.5~14.5、1.0~14.0、1.5~13.5、2.0~13.0、2.5~12.5、3.0~12.0、3.5~11.5、4.0~11.0、4.5~10.5、5.5~10.0、6.0~9.5、6.5~9.0、7.0~8.5、7.5~8.0、4.5~12.5、4.5~10.0、4.5~7.5、5.5~12.5、5.5~10.0、5.5~7.5、6.5~12.5、6.5~10.0または6.5~7.5であってもよい。
【0036】
本発明の他の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料の甘味強度は、20を超え、かつ、50以下であってもよい。例えば、本発明の他の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料の甘味強度は、21~50、25~50、30~50、35~50、40~50、21~45、25~45、30~45、35~45、21~40、25~40、30~40、21~35または25~35であってもよい。例えば、アルコール度数が比較的高い(18~40v/v%など)アルコール飲料(リキュール等を含む)において、本態様による甘味強度が好ましい。また、甘味強度が20を超え、かつ、50以下の範囲内の本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、後述の濃縮液のように飲用時に水や炭酸水で希釈してもよい。
【0037】
<任意の他の甘味料>
(低甘味度甘味料)
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、低甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において、低甘味度甘味料とは、ショ糖(スクロース)と同等程度かそれよりも低い甘味度を有する甘味料を意味する。例えば、低甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖の0.1倍以上、かつ、5倍未満、3倍未満、2倍未満、1.5倍未満、1.0倍未満、0.8倍未満、0.7倍未満、0.6倍未満、0.5倍未満または0.4倍未満の甘味を呈する。本発明に用いることができる低甘味度甘味料は、例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、オリゴ糖、果糖ブドウ糖液糖、乳糖、プシコース、アロース、タガトース、キシロース、リボースおよびその組合せから選択される甘味料を含む。本発明の好ましい態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、グルコース、フルクトース、スクロース、果糖ブドウ糖液糖または希少糖(プシコース(アルロース)、キシリトールおよびエリスリトールなど)を含む。
【0038】
飲料等によく使用されるショ糖や果糖ブドウ糖液糖などの低甘味度甘味料はエネルギーが多いため、低甘味度甘味料の含有量を低減することで、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギー(カロリー)を大きく低減し得る。本発明の一態様において、低甘味度甘味料の濃度を低く抑えることで低エネルギー(すなわち低カロリー)でありながらも、低甘味度甘味料およびステビオール配糖体との組み合わせにより、摂取した際に十分な甘味を感じられる。したがって、低甘味度甘味料の含有量は、好ましくは100kcal/100mL以下のエネルギーを提供する量である。本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギーは、実施態様によって100kcal/100mL以下、0~100kcal/100mL、0~95kcal/100mL、0~90kcal/100mL、0~85kcal/100mL、0~80kcal/100mL、0~75kcal/100mL、0~70kcal/100mL、0~65kcal/100mL、0~60kcal/100mL、0~55kcal/100mL、0~50kcal/100mL、0~45kcal/100mL、0~40kcal/100mL、0~35kcal/100mL、0~30kcal/100mL、0~25kcal/100mL、0~20kcal/100mL、0~15kcal/100mL、0~10kcal/100mL、0~5kcal/100mL、5~90kcal/100mL、5~80kcal/100mL、5~70kcal/100mL、5~60kcal/100mL、5~55kcal/100mL、5~50kcal/100mL、5~45kcal/100mL、5~40kcal/100mL、5~35kcal/100mL、5~30kcal/100mL、5~25kcal/100mL、5~20kcal/100mL、5~15kcal/100mL、5~10kcal/100mL、10~90kcal/100mL、10~80kcal/100mL、10~70kcal/100mL、10~60kcal/100mL、10~55kcal/100mL、10~50kcal/100mL、10~45kcal/100mL、10~40kcal/100mL、10~35kcal/100mL、10~30kcal/100mL、10~25kcal/100mL、10~20kcal/100mL、10~15kcal/100mL、15~90kcal/100mL、15~80kcal/100mL、15~70kcal/100mL、15~60kcal/100mL、15~55kcal/100mL、15~50kcal/100mL、15~45kcal/100mL、15~40kcal/100mL、15~35kcal/100mL、15~30kcal/100mL、15~25kcal/100mL、15~20kcal/100mL、20~90kcal/100mL、20~80kcal/100mL、20~70kcal/100mL、20~60kcal/100mL、20~55kcal/100mL、20~50kcal/100mL、20~45kcal/100mL、20~40kcal/100mL、20~35kcal/100mL、20~30kcal/100mL、20~25kcal/100mL、25~90kcal/100mL、25~80kcal/100mL、25~70kcal/100mL、25~60kcal/100mL、25~55kcal/100mL、25~50kcal/100mL、25~45kcal/100mL、25~40kcal/100mL、25~35kcal/100mL、25~30kcal/100mLとなり得る。甘味物質やアルコールのエネルギーは既知であるか、含有量をHPLC等にて測定し、エネルギー換算係数を乗じて算出することや、カロリーメーター(例えばボンブカロリーメーター等)により物理的燃焼熱を測定し、これを消化吸収率や排泄熱量などで補正すること等により決定することができる。
【0039】
本発明の他の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギーは、100kcal/100mLを超え、かつ、250kcal/100mL以下であってもよい。例えば、本発明の他の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギーは、110~250kcal/100mL、130~250kcal/100mL、150~250kcal/100mL、180~250kcal/100mL、110~230kcal/100mL、130~230kcal/100mL、150~230kcal/100mL、180~230kcal/100mL、110~200kcal/100mL、130~200kcal/100mL、150~200kcal/100mLまたは180~200kcal/100mLとなり得る。甘味物質やアルコールのエネルギーは既知であるか、含有量をHPLC等にて測定し、エネルギー換算係数を乗じて算出することや、カロリーメーター(例えばボンブカロリーメーター等)により物理的燃焼熱を測定し、これを消化吸収率や排泄熱量などで補正すること等により決定することができる。例えば、アルコール度数が比較的高い(18~40v/v%など)アルコール飲料(リキュール等を含む)において、本態様によるエネルギーが好ましい。また、エネルギーが100kcal/100mLを超え、かつ、250kcal/100mL以下の範囲内の本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、後述の濃縮液のように飲用時に水や炭酸水で希釈してもよい。
【0040】
(高甘味度甘味料)
本発明の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において「高甘味度甘味料」とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する化合物を意味し、天然由来化合物、合成化合物、または天然由来化合物および合成化合物の組み合わせであってもよい。高甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖より5倍以上、10倍以上、50倍以上、100倍以上、500倍以上、1000倍以上、5000倍以上、10000倍以上、50000倍以上、100000倍以上の甘味を呈する。上記のステビオール配糖体も高甘味度甘味料の一種である。
【0041】
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテームなどのペプチド系甘味料等、例えばスクラロースなどのショ糖誘導体、例えばアセスルファムカリウム(アセスルファムK)、サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、ズルチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン等の合成甘味料(ネオヘスペリジンジヒドロカルコンのように、天然にも存在するが、主に合成物が流通しているものも含む)、例えばソーマチン、モネリン、クルクリン、マビンリン、ブラゼイン、ペンタジン、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチン、ミラクリン、グリチルリチン、ルブソシド、フィロズルチンなどの植物から抽出された甘味料、または高甘味度甘味料成分を含む植物抽出物、Siraitia grosvenorii(羅漢果)抽出物、Glycyrrhiza glabra(ヨウカンゾウ)抽出物、Rubus suavissimus S. Lee(甜茶)抽出物、Hydrangea macrophylla var. thunbergii(甘茶)抽出物、Sclerochiton ilicifolius抽出物、Thaumataococcus daniellii Benth(シビレクズウコン)抽出物、Dioscoreophyllum volkensii(セレンディピティベリー)抽出物、Curculigo latifolia(クルクリゴ)抽出物、Richadella dulcifica(ミラクルフルーツ)抽出物、Pentadiplandra brazzeana(ニシアフリカイチゴ)抽出物、Capparis masaikai(マビンロウ)抽出物、Lippia dulcis(スイートハーブメキシカン)抽出物等や当該抽出物中の甘味成分、羅漢果および羅漢果抽出物を処理することで得られるモグロシド(モグロシドVやモグロシドIVなど)、フィロズルチン配糖体などの植物抽出物から得られる配糖体、Glycyrrhiza glabra植物含有甘味成分(例えば、グリチルリチンなどのトリテルペン配糖体)、Rubus suavissimus S. Lee植物含有甘味成分(例えば、ルブソシドなどのジテルペン配糖体)、Hydrangea macrophylla var. thunbergii植物含有甘味成分(例えば、フィロズルチンなどのジヒドロイソクマリン)、Sclerochiton ilicifolius植物含有甘味成分(例えば、モナチンなどのアミノ酸)、Thaumataococcus daniellii Benth植物含有甘味成分(例えば、ソーマチンなどのタンパク質)、Dioscoreophyllum volkensii植物含有甘味成分(例えば、モネリンなどのタンパク質)、Curculigo latifolia植物含有甘味成分(例えば、クルクリンなどのタンパク質)、Richadella dulcifica植物含有甘味成分(例えば、ミラクリンなどのタンパク質)、Pentadiplandra brazzeana植物含有甘味成分(例えば、ブラゼイン、ペンタジンなどのタンパク質)、Capparis masaikai植物含有甘味成分(例えば、マビンリンなどのタンパク質)、Lippia dulcis植物含有甘味成分(例えば、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチンなどのセスキテルペン)などが挙げられる。
【0042】
本発明の他の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、上記のステビオール配糖体に加えて、それ以外の高甘味度甘味料、例えば、ペプチド系甘味料、ショ糖誘導体または合成甘味料など、を含んでいてもよい。例えば、本発明の他の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、ステビオール配糖体に加えて、アセスルファムKおよびスクラロースから選択される1種以上の高甘味度甘味料を含んでいてもよい。すなわち、本発明の他の一態様におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、アセスルファムKのみ、スクラロースのみまたはアセスルファムKとスクラロースの組み合わせを含んでいてもよい。
【0043】
ショ糖に対して、羅漢果抽出物は約110~150倍(中心値130倍)、モグロシドVは約240~300倍(中心値270倍)、ソーマチンは約2,000倍、アセスルファムカリウムは約200倍、スクラロースは約600倍、アスパルテームは約180倍の甘味度を有する。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味料の甘味の相対比(甘味度)は、公知の砂糖甘味換算表等から求めることができる。ただし、甘味の値が数値範囲で記載されているものや、文献によって値が異なる甘味料については、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比を官能試験によって定める。そのような官能試験としては、例えば、甘味強度が3.0から5.0まで0.5刻となるよう砂糖を純水に添加したサンプルを調製し、その中から所定濃度の甘味料の水溶液と同等の甘味強度を持つ砂糖添加サンプルを選択する方法が挙げられる。
【0044】
ステビオール配糖体以外の甘味料の含有量は、高甘味度甘味料(例えば、モグロシドVおよび人工甘味料)の場合、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料に含まれるステビオール配糖体の総量とステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料の総量との組成比は、質量比で99:1~50:50、95:5~55:45、90:10~60:40、85:15~65:35、80:20~70:30、80:20~75:25、99:1~85:5、98:2~86:14、97:3~87:13、96:4~88:12または95:5~89:11であってよい。本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料に低甘味度甘味料(例えば、ショ糖や果糖ぶどう糖液糖など)が含まれる場合、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料に含まれるステビオール配糖体の総量と低甘味度甘味料の総量との組成比は、重量比で1:1000~1:100、1:800~1:100、1:700~1:100、1:600~1:100、1:500~1:100、1:400~1:100、1:300~1:100、または1:200~1:100であってよい。
【0045】
<酸味物質>
本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、酸味物質をさらに含んでいてもよい。酸味物質としては、飲料に酸味を付与することができれば特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。塩としてはクエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、などが挙げられる。これらの酸味物質の中でも、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。これらの酸味物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】
本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、酸度が0.01~5.0w/v%の範囲内の濃度で、上記の酸味物質を含んでいてもよい。本明細書において、「酸度」とはノンアルコール飲料またはアルコール飲料中に含まれる酸味物質のクエン酸換算の酸度を意味する。酸度の範囲は、0.01~4.0w/v%、0.01~3.0w/v%、0.01~2.0w/v%、0.01~1.5w/v%、0.02~0.95w/v%、0.04~0.90w/v%、0.06~0.85w/v%、0.08~0.80w/v%、0.10~0.75w/v%、0.12~0.70w/v%、0.14~0.65w/v%、0.16~0.60w/v%、0.18~0.55w/v%、0.20~0.50w/v%、0.22~0.45w/v%、0.24~0.40w/v%または0.26~0.35w/v%であってもよい。
【0047】
本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の酸度(クエン酸換算)は、例えば、電位差自動滴定装置(例えば、京都電子工業製AT-500N)を用いて中和滴定法によって測定することができる。具体的には、飲料サンプル10mLに蒸留水を加えて総量50mLとした後、撹拌しながら水酸化ナトリウム溶液(0.1N、容量分析用試薬)をpHが8.0になるまでビュレットから滴下する。次いで、下式に基づいて、クエン酸換算の酸度を算出すればよい。
「飲料全体の酸度(w/v%)」=滴定量(mL)×F×A×(100/サンプル量(mL))
F:約1.00(0.1N水酸化ナトリウム溶液のファクター)
A:0.0064(水酸化ナトリウム溶液1mLに相当するクエン酸のグラム数)
本発明の炭酸飲料に配合された酸味物質は、HPLC法などの公知の方法により定量することができる。なお、クエン酸の添加量が判明しており、かつ、他に酸味物質を添加していない場合には、クエン酸の添加量から酸度を算出することができる。
【0048】
本発明の一態様によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、甘味料と酸味物質を含み、それらによる甘味強度と酸度の値の比率、すなわち「甘味強度/酸度」(甘酸比とも称する)、が1~150であってもよい。あるいは1~700であってもよい。本発明の他の態様において、甘味強度/酸度の値は、1.5~700、2~700、2~600、2~500、2~400、2~300、2~200、2~150、2~100、2~80、2~60、20~150、20~100、20~80または20~60であってもよい。味わいがすっきりしたノンアルコール飲料またはアルコール飲料の場合、甘味強度/酸度の値は、例えば、2~25、2~20、2~15、2~10、2~8、2~5、3~25、3~20、3~15、3~10、3~8、3~5、5~25、5~20、5~15または5~10であってもよい。また、味わいがしっかりしたノンアルコール飲料またはアルコール飲料の場合、甘味強度/酸度の値は、例えば、20~150、20~100、20~80、20~70、20~60、20~50、20~40、20~30、25~80、25~70、25~60、25~50、25~40、30~80、30~70、30~60、30~50または30~40であってもよい。
【0049】
本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料のpHは特に限定されないが、例えば、2.0~6.5であってもよい。例えば、本発明の一態様のノンアルコール飲料またはアルコール飲料のpHは、2.0~6.0、2.0~5.5、2.0~5.0、2.0~4.6、3.0~4.5、2.6~3.9、2.7~3.8、2.8~3.7、2.9~3.6または3.0~4.0であってもよい。
【0050】
本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、色素および香料等を適宜配合することができる。
【0051】
[本発明の飲料の例示的な態様]
以下に本発明の飲料の例示的な態様を示すが、本発明は下記の態様に制限されるものではない。
本発明の一態様において、レバウジオシドAとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドAの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lである、アルコール飲料が提供される。
【0052】
本発明の一態様において、レバウジオシドAとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドAの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%である、アルコール飲料が提供される。
【0053】
本発明の一態様において、レバウジオシドAとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドAの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%であり、甘味強度/酸度が好ましくは1~700、より好ましくは1~150である、アルコール飲料が提供される。
【0054】
本発明の一態様において、レバウジオシドDとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドDの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lである、アルコール飲料が提供される。
【0055】
本発明の一態様において、レバウジオシドDとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドDの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%である、アルコール飲料が提供される。
【0056】
本発明の一態様において、レバウジオシドDとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドDの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%であり、甘味強度/酸度が好ましくは1~700、より好ましくは1~150である、アルコール飲料が提供される。
【0057】
本発明の一態様において、レバウジオシドMとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドMの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lである、アルコール飲料が提供される。
【0058】
本発明の一態様において、レバウジオシドMとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドMの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%である、アルコール飲料が提供される。
【0059】
本発明の一態様において、レバウジオシドMとシリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が1mg/L~100mg/L、好ましくは5mg/L~50mg/L、より好ましくは5mg/L~30mg/Lであり、レバウジオシドMの含有量が5mg/L~900mg/L、好ましくは20mg/L~600mg/L、より好ましくは30mg/L~550mg/L、さらに好ましくは100mg/L~500mg/Lであり、アルコール度数が0.5~40v/v%、好ましくは1~15v/v%、より好ましくは1~11v/v%、さらに好ましくは2~10v/v%であり、甘味強度/酸度が好ましくは1~700、より好ましくは1~150である、アルコール飲料が提供される。
【0060】
2.飲料の製造方法
本発明は、別の側面として、上記本発明の一側面による飲料を製造する方法(以下、「本発明の製造方法」という)を提供する。本発明の製造方法は、ステビオール配糖体と、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lであるアルコール飲料が得られれば特に限定されない。
【0061】
本発明の一態様の製造方法は、(a)ステビオール配糖体を添加すること、(b)所望により、アルコール成分(例えばブラウンスピリッツ)を添加すること、(c)シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドを添加すること、および(d)所望により、水または炭酸水を添加することを含む。アルコール飲料を製造する場合は、(b)の工程によりアルコール成分を添加する。(c)のシリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドの添加は、2成分を添加する場合には同時でも同時でなくてもよい。これらの成分を添加する際に、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.001mg/L~100mg/Lとなるように調整する。(b)のアルコール成分の添加は、ブラウンスピリッツのようなシリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドを含むものを用いる場合には、(c)におけるシリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドの添加を調整する。各成分の添加のタイミングは同時でも同時でなくてもよい。
【0062】
本発明の他の一態様において、アルコール成分としてシリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドを含有する酒(例えばブラウンスピリッツ)を用いる場合、追加でシリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドを添加することなく本発明の一側面によるアルコール飲料を製造してもよい。すなわち、本発明の他の一態様の製造方法は、(a)ステビオール配糖体を添加すること、(b)シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドを含むアルコール成分を添加すること、および(c)所望により、水または炭酸水を添加することを含む。
【0063】
本発明の一態様の製造方法において、「飲料」、「アルコール成分」、「シリングアルデヒド、シナピルアルデヒド」、「ステビオール配糖体」、「甘味強度」、「任意の他の甘味料」および「酸味物質」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様であり、その数値は上記飲料の項目で述べた数値がそのまま当てはまる。
【0064】
3.飲料を提供するための濃縮物
本発明は、別の側面として、上記本発明の飲料を提供するための濃縮物(以下、「本発明の濃縮物」という)を提供する。本発明の一態様によれば、本発明の濃縮物は、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物であり、例えば、1.2~9倍、1.5~9倍、1.8~9倍、2~9倍、2~8倍、2~7倍、2~6倍、2~5倍、2~4倍、2~3倍、3~10倍、3~9倍、3~8倍、3~7倍、3~6倍、3~5倍、3~4倍、4~10倍、4~9倍、4~8倍、4~7倍、4~6倍、4~5倍、5~10倍、5~9倍、5~8倍、5~7倍または5~6倍濃縮物であってもよい。
【0065】
本発明の濃縮物は、所定の倍率に希釈された際に本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料となるものである。例えば、本発明の濃縮物は、シロップや原液として飲料に用いることができる。その際、1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍に希釈して使用することができる。希釈する際には水や炭酸水を用いることができる。本発明の濃縮物は、濃縮されているため保存性や輸送性の面で好ましい。本発明の濃縮物は、固体であっても液体であってもよい。
【0066】
本発明の一態様による濃縮物は、ステビオール配糖体と、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせと、エタノールとを含む。本発明の他の態様による濃縮物は、「1.ステビオール配糖体を含む飲料」に記載の成分をさらに含んでいてもよい。
【0067】
本発明の一態様による濃縮物は、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の2倍濃縮物であり、
ステビオール配糖体と、
シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、
前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.002mg/L~200mg/Lである。
【0068】
本発明の一態様による濃縮物は、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の4倍濃縮物であり、
ステビオール配糖体と、
シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、
前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.004mg/L~400mg/Lである。
【0069】
本発明の一態様による濃縮物は、本発明のノンアルコール飲料またはアルコール飲料の6倍濃縮物であり、
ステビオール配糖体と、
シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせを含み、
前記シリングアルデヒド、シナピルアルデヒドまたはこれらの組み合わせの含有量が0.006mg/L~600mg/Lである。
【0070】
本発明の一態様の濃縮物において、「飲料」、「アルコール成分」、「シリングアルデヒド、シナピルアルデヒド」、「ステビオール配糖体」、「甘味強度」、「任意の他の甘味料」および「酸味物質」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様である。
【0071】
本明細書において、「約」との文言は、主体が「約」に続く数値の±25%、±10%、±5%、±3%、±2%または±1%の範囲に存在することを意味する。例えば「約10」は、7.5~12.5の範囲を意味する。
【実施例0072】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0073】
[実施例A]シリングアルデヒドとステビオール配糖体を含むアルコール飲料の評価
(実施例A-1)人工甘味料を含むアルコール飲料との対比評価
<サンプルの調製>
表2および3に示す配合量となるように、シリングアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シリングアルデヒド(東京化成(株)製 Syringaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、アセスルファムK:Celanese Production Germany GmbH & Co. KG「sunett」、スクラロース:テート&ライルジャパン株式会社「スクラロース」、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。また、各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0074】
<甘味の後引きについての評価>
(評価方法)
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が「甘味の後引き」について、下記評価基準に則って1~5点の5段階の基準に基づき0.5点刻みで独立点数付けし、その平均値を算出した。ここで、「甘味の後引き」とは、飲料に含まれる甘味料に由来する甘味の後引きを意味する。点数が高いほど、甘味の後引きが少ないことを意味する。なお、甘味の後引きの評価は、サンプルを飲み込んで実施した。
(評価基準)
5点:感じない
4点:僅かに感じる
3点:感じる
2点:強く感じる
1点:極めて強く感じる
【0075】
<後味の渋味についての評価>
(評価方法)
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が「後味の渋味」を下記の評価基準に則って1~5点の5段階の基準に基づき0.5点刻みで独立点数付けし、その平均値を算出した。点数が高いほど、シリングアルデヒドおよび/またはシナピルアルデヒドに由来する後味の渋味が少ないことを意味する。なお、後味の渋味についての評価は、サンプルを飲み込んで実施した。
(評価基準)
5点:感じない
4点:僅かに感じる
3点:感じる
2点:強く感じる
1点:極めて強く感じる
【0076】
<総合評価>
(評価方法)
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が「総合評価」を下記の評価基準に則って1~5点の5段階の基準に基づき0.5点刻みで独立点数付けし、その平均値を算出した。ここで「総合評価」とは、甘味の後引き、後味の渋味が解消され、爽やかでキレのある味わいを呈するかに基づく、アルコール飲料(飲み物)としての味質の総合評価を意味する。なお、総合評価は、サンプルを飲み込んで実施した。
(評価基準)
5点:極めて良い
4点:とても良い
3点:良い
2点:やや良い
1点:良くない
【0077】
上記官能評価の結果を表2および3に示す。エネルギー(kcal/100mL)はアセスルファムK、スクラロースおよびレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。いずれのサンプルも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表2】
【表3】
【0078】
(実施例A-2)レバウジオシドA濃度の違いによる評価
実施例A-1と同様に、表4および5に示す配合量となるように、シリングアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シリングアルデヒド(東京化成(株)製 Syringaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0079】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はRebA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表4および5に示す。表4に記載のサンプルはいずれも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は1、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は5、エネルギーは29kcal/100mLであった。表5に記載のサンプルはいずれも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は15、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は75、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表4】
【表5】
【0080】
(実施例A-3)アルコール度数の違いによる評価
実施例A-1と同様に、表6に示す配合量となるように、シリングアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シリングアルデヒド(東京化成(株)製 Syringaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0081】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。試験はアルコール度数の異なる種々の飲料サンプルで行った。結果を表6に示す。いずれのサンプルも、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45であった。
【表6】
【0082】
(実施例A-4)ステビオール配糖体の違いによる評価
実施例A-1と同様に、表7に示す配合量となるように、シリングアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シリングアルデヒド(東京化成(株)製 Syringaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドD:純度90%以上、レバウジオシドM:純度96.6%、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0083】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドDまたはM由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表7に示す。いずれのサンプルも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表7】
【0084】
[実施例B]シナピルアルデヒドとステビオール配糖体を含むアルコール飲料の評価
(実施例B-1)人工甘味料を含むアルコール飲料との対比評価
<サンプルの調製>
表8および9に示す配合量となるように、シナピルアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シナピルアルデヒド(Sigma-Aldrich製 trans-3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、アセスルファムK:Celanese Production Germany GmbH & Co. KG「sunett」、スクラロース:テート&ライルジャパン株式会社「スクラロース」、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。また、各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0085】
<サンプルの評価>
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表8および9に示す。いずれのサンプルも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表8】
【表9】
【0086】
(実施例B-2)レバウジオシドA濃度の違いによる評価
実施例B-1と同様に、表10および11に示す配合量となるように、シナピルアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シナピルアルデヒド(Sigma-Aldrich製 trans-3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0087】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表10および11に示す。表10に記載のサンプルはいずれも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は1、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は5、エネルギーは29kcal/100mLであった。表11に記載のサンプルはいずれも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は15、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は75、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表10】
【表11】
【0088】
(実施例B-3)アルコール度数の違いによる評価
実施例B-1と同様に、表12に示す配合量となるように、シナピルアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シナピルアルデヒド(Sigma-Aldrich製 trans-3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0089】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。試験はアルコール度数の異なる種々の飲料サンプルで行った。結果を表12に示す。いずれのサンプルも、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45であった。
【表12】
【0090】
(実施例B-4)ステビオール配糖体の違いによる評価
実施例B-1と同様に、表13に示す配合量となるように、シナピルアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シナピルアルデヒド(Sigma-Aldrich製 trans-3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドD:純度90%以上、レバウジオシドM:純度96.6%、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0091】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表13に示す。いずれのサンプルも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表13】
【0092】
[実施例C]シリングアルデヒドおよびシナピルアルデヒドとステビオール配糖体を含むアルコール飲料の評価
<サンプルの調製>
表14に示す配合量となるように、シリングアルデヒド、シナピルアルデヒド、ニュートラルスピリッツ、甘味料、酸味物質および水を混合後、缶容器に充填してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。シリングアルデヒド(シリングアルデヒド(東京化成(株)製 Syringaldehyde)、シナピルアルデヒド(Sigma-Aldrich製 trans-3,5-Dimethoxy-4-hydroxy-cinnamaldehyde)、ニュートラルスピリッツ(アルコール度数59%)、レバウジオシドA(RebA):純度95.0%以上、無水クエン酸:Jungbunzlauer「Citric Acid anhydrous」。また、各試料の原材料を調合後に、ガス圧が液温20℃で約1.6kgf/cmとなるように、炭酸ガスを注入した。
【0093】
<サンプルの評価>
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例A-1と同じ基準で「甘味の後引き」、「後味の渋味」および「総合評価」を評価した。エネルギー(kcal/100mL)はレバウジオシドA由来のものを0(kcal/100mL)として算出した。アルコール度数は添加したニュートラルスピリッツの量から算出した。甘味強度および酸度は添加した甘味料および酸味物質の量からそれぞれ算出した。結果を表14に示す。いずれのサンプルも、アルコール度数は5v/v%、甘味強度は9、酸度は0.2w/v%、甘味強度/酸度は45、エネルギーは29kcal/100mLであった。
【表14】