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特開2023-98060発泡性エアゾール組成物及びエアゾール製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098060
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール組成物及びエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/30 20060101AFI20230703BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230703BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230703BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20230703BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230703BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230703BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230703BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A61K8/30
A61K8/02
A61Q5/02
A61Q5/06
A61Q19/10
A61Q5/00
A61Q19/00
A61K8/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214559
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】越塚 啓介
(72)【発明者】
【氏名】中島 康友
(72)【発明者】
【氏名】上條 北斗
(72)【発明者】
【氏名】西片 百合
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB081
4C083AB082
4C083AB131
4C083AB132
4C083AB332
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC562
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC811
4C083AC812
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD492
4C083BB01
4C083BB49
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC32
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD47
4C083EE07
4C083EE11
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】低温環境であっても泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができる発泡性エアゾール組成物を提供する。
【解決手段】発泡性エアゾール組成物であって、該発泡性エアゾール組成物が、水及び界面活性剤を含む原液組成物、並びにモノクロロテトラフルオロプロペン及び圧縮ガスを含み、該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、該発泡性エアゾール組成物中の該モノクロロテトラフルオロプロペンの含有割合が、0.5質量%~25.0質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性エアゾール組成物であって、
該発泡性エアゾール組成物が、水及び界面活性剤を含む原液組成物、並びにモノクロロテトラフルオロプロペン及び圧縮ガスを含み、
該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、
該発泡性エアゾール組成物中の該モノクロロテトラフルオロプロペンの含有割合が、0.5質量%~25.0質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記発泡性エアゾール組成物における、前記モノクロロテトラフルオロプロペンの含有量の、前記圧縮ガスの含有量に対する質量比が、0.1~13.0である、請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))である、請求項1又は2に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記圧縮ガスが、炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気及び亜酸化窒素からなる群から選択される少なくとも一である請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項5】
前記原液組成物中の前記水の含有割合が、20.00質量%~99.00質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項6】
前記原液組成物中の前記界面活性剤の含有割合が、0.10質量%~40.00質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項7】
人体用である、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項8】
シャンプー剤、ヘアスタイリング剤、洗顔剤、ヘアトリートメント剤、クレンジング剤、又はパック剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項9】
発泡性エアゾール組成物が充填された容器、及び
該容器に備えられ、該発泡性エアゾール組成物を吐出させる吐出機構
を有するエアゾール製品であって、
該発泡性エアゾール組成物が、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物であるエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡性エアゾール組成物及びエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォームを形成するエアゾール製品には、噴射剤及び発泡剤として、LPGなどの液化ガスが用いられている。LPGなどの液化ガスは、発泡性が良好で、液垂れしにくいフォームを形成できるが、引火性ガスであるために安全性への懸念が生じる。また、近年ではサステナブルな社会を実現するための取り組みが世界中でなされており、環境配慮型製品として不燃性ガスの使用が望まれる。
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、地球温暖化係数及びオゾン破壊係数が低い不燃性ガスであり、従来のハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボンなどに代わるより環境にやさしい代替品として着目されている。
特許文献1では、発泡性組成物の原液として、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))などのハイドロフルオロオレフィンを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-023474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者らの検討により、上記文献のようなハイドロフルオロオレフィンを用いた発泡組成物は、低温環境、特に0℃付近などといった極低温環境での使用において発泡性が不十分になる場合があることがわかった。
本開示は、極低温環境であっても泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができる発泡性エアゾール組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、発泡性エアゾール組成物であって、
該発泡性エアゾール組成物が、水及び界面活性剤を含む原液組成物、並びにモノクロロテトラフルオロプロペン及び圧縮ガスを含み、
該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、
該発泡性エアゾール組成物中の該モノクロロテトラフルオロプロペンの含有割合が、0.5質量%~25.0質量%である、発泡性エアゾール組成物に関する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、極低温環境であっても、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができるエアゾール組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されてい
る場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0008】
(モノクロロテトラフルオロプロペン)
発泡性エアゾール組成物は、モノクロロテトラフルオロプロペンを含む。
モノクロロテトラフルオロプロペンは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一である。1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、CFCF=CHClとも表される。モノクロロテトラフルオロプロペンは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))であることが特に好ましい。
【0009】
上記モノクロロテトラフルオロプロペンは、噴射剤及び発泡剤として機能しうる。モノクロロテトラフルオロプロペンは、沸点が15℃であり、他のハイドロフルオロオレフィン(例えば1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(沸点19℃)など)と比較して沸点が低い。そのため、モノクロロテトラフルオロプロペンは、低温環境であっても外部に吐出した際に気化しやすく、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができる。
また、本発明者らは、本開示の発泡性エアゾール組成物を、モノクロロテトラフルオロプロペンの沸点を大きく下回るような極低温な環境で使用する場合であっても、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができることを見出した。特に、従来のハイドロフルオロオレフィンの沸点との差が4℃程度しかないにもかかわらず、モノクロロテトラフルオロプロペンは、極低温でも非常に良好な発泡性を有している。これは、理由は定かではないが、モノクロロテトラフルオロプロペンが他のハイドロフルオロオレフィンと異なる構造を有することで、より多くの圧縮ガスがモノクロロテトラフルオロプロペン内に溶け込んでいるためと本発明者らは考えている。
【0010】
発泡性エアゾール組成物中のモノクロロテトラフルオロプロペンの含有量は、0.5質量%~25.0質量%であり、好ましくは1.0質量%~22.0質量%である。含有量が上記範囲である場合、圧縮ガスが溶け込むために十分かつ適度な量のモノクロロテトラフルオロプロペンが含まれているため、低温環境であっても、外部に吐出した際に圧縮ガス及びモノクロロテトラフルオロプロペンが気化しやすく、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好なフォームを形成することができる。
発泡性エアゾール組成物中のモノクロロテトラフルオロプロペンの含有量は、発泡性エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。例えば、発泡性エアゾール組成物がシャンプー剤である場合は、好ましくは1.0質量%~22.0質量%であり、より好ましくは2.0質量%~18.0質量%である。例えば、ヘアスタイリング剤である場合は、好ましくは4.0質量%~13.0質量%であり、より好ましくは6.0質量%~12.0質量%である。例えば、洗顔剤である場合は、好ましくは1.0質量%~22.0質量%であり、より好ましくは2.0質量%~20.0質量%である。例えば、ヘアトリートメント剤である場合は、好ましくは0.5質量%~22.0質量%であり、より好ましくは1.0質量%~20.0質量%である。例えば、パック剤やクレンジング剤である場合は、0.5質量%~22.0質量%であり、より好ましくは1.0質量%~10.0質量%である。
【0011】
(圧縮ガス)
発泡性エアゾール組成物は、圧縮ガスを含む。圧縮ガスは、噴射剤及び発泡剤として機能しうる。
圧縮ガスは特に制限されず、エアゾール製品に使用しうる公知のものを用いることができる。圧縮ガスは、好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素、アルゴン、ヘリウム及
び圧縮空気などからなる群から選択される少なくとも一であり、より好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気及び亜酸化窒素からなる群から選択される少なくとも一であり、さらに好ましくは炭酸ガス及び窒素ガスからなる群から選択される少なくとも一であり、さらにより好ましくは炭酸ガスである。炭酸ガスは、わずかに原液組成物に溶け込み、より良好な発泡性に影響すると推定している。
【0012】
発泡性エアゾール組成物中の圧縮ガスの含有量は、エアゾール組成物を吐出可能であればよく、特に制限されない。好ましくは0.5質量%~5.0質量%である。当該範囲であれば、より良好な発泡性を有する。
エアゾール組成物中の炭酸ガスの含有量は、より好ましくは1.0質量%~3.0質量%であり、さらに好ましくは1.5質量%~2.5質量%である。
【0013】
発泡性エアゾール組成物における、モノクロロテトラフルオロプロペンの含有量の、圧縮ガスの含有量に対する質量比(モノクロロテトラフルオロプロペン/圧縮ガス)が、0.1~13.0であることが好ましく、0.2~12.0であることがより好ましく、0.3~11.0であることがさらに好ましい。本発明者らは、特定量のモノクロロテトラフルオロプロペンと圧縮ガスを用いることで、極低温な環境で使用する場合であっても、泡立ち、泡質、及び泡持ちがより良好なフォームを形成することができることを見出した。
また、前記比率は発泡性エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。
例えば、発泡性エアゾール組成物がシャンプー剤、洗顔剤、ヘアトリートメント剤等である場合は、前記比率は、好ましくは0.1~10.0であり、より好ましくは1.0~8.0である。ヘアスタイリング剤やパック剤の場合は、好ましくは1.0~8.0であり、より好ましくは2.0~6.5である。クレンジング剤の場合は、好ましくは0.5~6.0であり、より好ましくは1.0~4.0である。
【0014】
(原液組成物)
発泡性エアゾール組成物における原液組成物は、水を含む。
原液組成物中の水の含有割合は、特に制限されない。発泡性エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。
原液組成物中の水の含有割合は、好ましくは20.00質量%~99.00質量%であり、より好ましくは30.00質量%~95.00質量%である。
例えば、発泡性エアゾール組成物がシャンプー剤やヘアトリートメント剤である場合は、好ましくは60.00質量%~99.00質量%であり、より好ましくは70.00質量%~95.00質量%であり、さらに好ましくは80.00質量%~90.00質量%である。例えば、ヘアスタイリング剤である場合は、好ましくは30.00質量%~85.00質量%であり、より好ましくは40.00質量%~75.00質量%であり、さらに好ましくは50.00質量%~65.00質量%である。例えば、洗顔剤やパック剤である場合は、好ましくは40.00質量%~99.00質量%であり、より好ましくは50.00質量%~90.00質量%であり、さらに好ましくは60.00質量%~80.00質量%である。例えば、クレンジング剤である場合は、好ましくは20.00質量%~65.00質量%であり、より好ましくは25.00質量%~50.00質量%であり、さらに好ましくは30.00質量%~40.00質量%である。
【0015】
発泡性エアゾール組成物における原液組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、モノクロロテトラフルオロプロペンを原液中に乳化させる乳化剤としても機能しうる。また、界面活性剤は、外部に吐出されたときに、原液中に溶解していた圧縮ガスが微細な気泡となって分散し、この気泡の発生によって原液中に乳化していたモノクロロテトラフルオロプロペンの気化が促進されて、原液を発泡させてフォームを形成するなどの目的で配合
される。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよく、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0016】
アニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸カリウム(例えばココイルグルタミン酸K)、ミリスチン酸カリウム、ラウリン酸カリウムなどの脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリルリン酸などのアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸などのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;アシルメチルタウリン酸、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤;ラウリルスルホ酢酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;などが挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのアルキルアンモニウム塩;アルキルベンジルアンモニウム塩;ステアリルアミンアセテート;ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどのポリオキシエチレンアルキルアミン;ステアラミドプロピルジメチルアミン;ポリクオタニウム-10;などが挙げられる。
【0018】
ノニオン性界面活性剤としては、ペンタグリセリルモノラウレート、ペンタグリセリルモノミリステート、ペンタグリセリルモノオレエート、ペンタグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノオレエート、デカグリセリルジステアレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタンモノラウレート、POE(20)ソルビタンモノパルミテート、POE(20)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(20)ソルビタンモノイソステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、POE(25)モノステアレート、PEG-20ソルビタンココエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POE(60)ソルビットテトラステアレート、POE(60)ソルビットテトラオレエート、POE(6)ソルビットモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(15)グリセリルモノステアレート、POE(15)グリセリルモノオレエートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(40)ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、POE(10)ラノリンアルコール、POE(20)ラノリンアルコール、POE(40)ラノリンアルコールなどのポリオキシエチレンラノリンアルコール、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノイソステアレートなどのジグリセリ
ン脂肪酸エステル類、トリグリセリルモノラウレート、トリグリセリルモノミリステート、トリグリセリルモノオレエート、トリグリセリルモノステアレートなどのトリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリルモノステアレート、テトラグリセリルモノオレエートなどのテトラグリセリン脂肪酸エステル類、ペンタグリセリルトリミリステート、ペンタグリセリルトリオレエートなどのペンタグリセリン脂肪酸エステル類、ヘキサグリセリルモノオレエート、ヘキサグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルトリステアレートなどのヘキサグリセリン脂肪酸エステル類、およびデカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルジオレエート、デカグリセリルトリステアレート、デカグリセリルトリオレエートなどのデカグリセリン脂肪酸エステル類、などのポリグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)グリセリルモノステアレートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタントリステアレート、POE(20)ソルビタントリオレエート、POE(6)ソルビタンモノステアレート、POE(6)ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、POE(6)ソルビットテトラオレエート、POE(30)ソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(10)モノラウレート、POE(10)モノステアレート、POE(40)モノステアレート、POE(55)モノステアレート、POE(10)モノオレエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルグルコシドなどのアルキルグルコシド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルキロールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド液などのアルキルジメチルアミンオキシド液などが挙げられる。
【0019】
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール型;ラウリルジメチルアミンN-オキシド、オレイルジメチルアミンN-オキシド、ラウラミンオキシドなどのアミンオキシド型;などが挙げられる。
【0020】
界面活性剤の含有割合は、特に制限されず、発泡性エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。
一例を挙げると、原液組成物中の界面活性剤の含有割合は、好ましくは0.10質量%~40.00質量%であり、より好ましくは0.20質量%~30.00質量%である。
例えば、発泡性エアゾール組成物がヘアスタイリング剤やヘアトリートメント剤である場合は、好ましくは0.10質量%~10.00質量%であり、より好ましくは0.20質量%~1.50質量%である。例えば、シャンプー剤や洗顔剤の場合は、好ましくは3.00質量%~30.00質量%であり、より好ましくは5.00質量%~20.00質量%であり、さらに好ましくは8.00質量%~15.00質量%である。例えば、パック剤の場合は、好ましくは0.10質量%~10.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~5.00質量%である。例えば、クレンジング剤の場合は、好ましくは10.00質量%~30.00質量%であり、より好ましくは15.00質量%~25.0
0質量%である。
【0021】
原液組成物には、上記効果を損なわない程度に、有効成分、香料、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、油脂類、シリコーン類、増粘剤、保湿剤、殺菌剤、皮膚保護剤(アミノ酸)、ビタミン類、各種抽出液、消臭・防臭剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、害虫忌避成分、殺虫成分、およびその他などの任意成分を含有させてもよい。任意成分の割合は、組成物の使用用途などに基づいて適宜に定められる。
【0022】
任意成分としては、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
油性成分(例えばエステル化合物、炭化水素化合物、シリコン化合物、油脂など);低級アルコール(例えばエタノール、イソプロパノールなどの炭素数1~3の脂肪族一価アルコール);高級アルコール(例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなど);3価以上の多価アルコール(例えばグリセリンなど);pH調整剤(例えばクエン酸、乳酸、トリエタノールアミン、KOH、NaOHなど);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウムなど);防腐剤(例えばパラベン類、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル;顔料;色素;ジメチコンなどのシリコーンオイル;EDTA-2Naなどのキレート剤など。
【0023】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、その組成成分の種類によって種々の用途のエアゾール製品として提供することができる。また、本発明の発泡性エアゾール組成物は、人体用であってもよい。人体用の発泡性エアゾール組成物としては、シャンプー剤、ヘアスタイリング剤、洗顔剤、ヘアトリートメント剤、パック剤、クレンジング剤、ボティーローション剤、スキンケア剤、育毛剤、マッサージング剤、コンディショナー剤、忌避剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などが挙げられる。本発明の発泡性エアゾール組成物は人体用のものに限られず、殺虫用、クリーナー用、被覆用、その他のものとして製品化することができる。好ましくは、発泡性エアゾール組成物は、シャンプー剤、ヘアスタイリング剤、洗顔剤、ヘアトリートメント剤、パック剤、又はクレンジング剤として用いることができる。
特に、本発明の発泡性エアゾール組成物は、極低温環境であっても優れた発泡性を示すため、極低温環境下での使用に適している。例えば、本発明の発泡性エアゾール組成物は、好ましくは-30℃以上15℃以下、より好ましくは-20℃以上10℃以下、さらに好ましくは-15℃以上7℃以下で保管及び/又は使用することができる。発泡性エアゾール組成物の発泡直後の泡の温度が-5.0℃以上5.0℃以下の場合においても、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好な泡(フォーム)を形成することができる。また、発泡性エアゾール組成物の発泡後2分後の泡の温度が-3.0℃以上6.0℃以下の場合においても、泡立ち、泡質、及び泡持ちが良好な泡(フォーム)を形成することができる。
【0024】
次に、エアゾール製品について説明する。
エアゾール製品は、
発泡性エアゾール組成物が充填された容器、及び
該容器に備えられ、該発泡性エアゾール組成物を吐出させる吐出機構を有する。
吐出機構及び容器は特段限定されず、公知のものを採用しうる。容器は、噴射剤の圧力に耐えられるものであればよく、公知の樹脂製、金属製、ガラス製などの容器を用いることができる。
【0025】
エアゾール製品における容器内の圧力(ゲージ圧力)は特に制限されない。モノクロロテトラフルオロプロペン及び炭酸ガスを、エアゾール容器内に充填されたときの容器内の圧力(ゲージ圧力)が、25℃で、例えば1MPa以下となるように充填すればよい。
【0026】
発泡性エアゾール組成物及びエアゾール製品の製造方法は特に制限されない。例えば、以下の方法が挙げられる。発泡性エアゾール組成物における原液組成物は、水、界面活性剤、並びに必要に応じてその他の成分を任意の割合で混合して得ることができる。
エアゾール製品は、以下のようにして製造しうる。まず、水、界面活性剤、並びに必要に応じてその他の成分を任意の割合で混合して原液組成物を得る。得られた原液組成物、モノクロロテトラフルオロプロペン及び圧縮ガスを耐圧容器に充填して、エアゾール製品を得る。
【実施例0027】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
【0028】
<実施例1~5、比較例1~7(シャンプー剤)>
表1に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。得られた原液組成物のpHを常法により測定した。
そして、得られた原液組成物のそれぞれに対し、表1の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、それぞれ耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填して、シャンプー剤であるエアゾール組成物を調整し、各エアゾール製品を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1233zd:(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
ポリクオタニウム-10:カチナールHC-200(東邦化学工業株式会社)
ココイルグルタミン酸K:Amisoft CK-22(味の素株式会社)
ラウリルグルコシド:マイドール12(花王株式会社)
ラウラミンオキシド:アンヒトール20N(花王株式会社)
【0031】
得られたエアゾール製品に対し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0032】
(1)泡沫形成性
発泡性エアゾール組成物の泡質を吐出時の泡沫形成性の観点から評価した。
具体的には、実施例1~5及び比較例1~7のエアゾール製品を、それぞれ冷凍庫(-14℃)で90分間静置し、その後、常温(25℃)下で平らな板の上に発泡性エアゾール組成物を3g吐出して、吐出直後の泡沫形成性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
5:泡沫形成性が非常に良好である。
4:泡沫形成性が良好である。
3:泡沫形成性がやや良い。
2:泡沫形成性がやや悪い。
1:泡沫形成性が悪い。
【0033】
(2)泡立ち
発泡性エアゾール組成物の吐出時の泡立ちを評価した。
具体的には、実施例1~5及び比較例1~7のエアゾール製品を、冷凍庫(-14℃)で90分間静置し、その後、常温(25℃)下で平らな板の上に発泡性エアゾール組成物を3g吐出して、吐出直後の泡立ちを目視にて観察し、以下の基準で評価した。
5:非常にボリュームのある泡を形成している。
4:ボリュームのある泡を形成している。
3:ややボリュームのある泡を形成している。
2:ややボリュームの小さい泡を形成している。
1:ボリュームの小さい泡を形成している。
【0034】
(3)泡の感触
発泡性エアゾール組成物の泡質を泡の感触(弾力)の観点から評価した。
具体的には、実施例1~5及び比較例1~7のエアゾール製品を、冷凍庫(-14℃)で90分間静置し、その後、常温(25℃)下で平らな板の上に発泡性エアゾール組成物を3g吐出して、吐出直後に泡を指で押し伸ばした際の弾力を以下の基準で評価した。
5:弾力が非常に良好である。
4:弾力が良好である。
3:弾力がやや良い。
2:弾力がやや悪い。
1:弾力が悪い。
【0035】
また、実施例3のエアゾール製品を冷凍庫(-14℃)で90分間静置し、その後、常温(25℃)下で平らな板の上に実施例3のエアゾール製品を3g吐出して、吐出直後及び吐出してから2分後の耐圧容器の温度をそれぞれ測定した。その結果、耐圧容器の温度は、吐出直後には0.6℃、吐出してから2分後には1.7℃であった。
【0036】
(4)泡持ち
発泡性エアゾール組成物の泡持ちを、発泡性エアゾール組成物を吐出してから2分後の泡沫形成性及び泡の感触(弾力)の観点から評価した。
吐出してから2分後の泡沫形成性に関しては、具体的には、上記(1)泡沫形成性の評
価において吐出した実施例1~5及び比較例1~7のエアゾール製品を、常温(25℃)下で2分間静置した後、泡沫形成性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
5:吐出直後の泡の形状を維持している程度が非常に高い。
4:吐出直後の泡の形状を維持している程度が高い。
3:吐出直後の泡の形状を維持している程度がやや高い。
2:吐出直後の泡の形状を維持している程度がやや低い。
1:吐出直後の泡の形状を維持している程度が低い。
吐出してから2分後の感触に関しては、具体的には、上記(3)泡の感触の評価において吐出した実施例1~5及び比較例1~7のエアゾール製品を、常温(25℃)下で2分間静置した後、泡を指で押し伸ばした際の弾力を以下の基準で評価した。
5:弾力が非常に良好である。
4:弾力が良好である。
3:弾力がやや良い。
2:弾力がやや悪い。
1:弾力が悪い。
【0037】
<実施例6~7、比較例8~11(ヘアスタイリング剤)>
表2に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。
そして、得られた原液組成物のそれぞれに対し、表2の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、それぞれ耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填してヘアスタイリング剤であるエアゾール組成物を調整し、各エアゾール製品を得た。
【0038】
【表2】
【0039】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1233zd:(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
PEG-20ソルビタンココエート:NIKKOL TL-10(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-60水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-60(日光ケミカルズ株式会社)
グリセリン: 化粧品用濃グリセリン(花王株式会社)
1,3-ブチレングリコール:1,3-ブチレングリコール-P(KHネオケム株式会社)
(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー
:ユカフォーマー SM(大阪有機化学工業株式会社)
ジメチコン:SH200C-3000cs(ダウ・東レ株式会社)
【0040】
得られたエアゾール製品に対して、3℃で30分間静置した以外は実施例1~5及び比較例1~7と同じ方法で、吐出直後の泡沫形成、泡立ち、及び泡の感触の評価を行った。結果を表3に示す。
また、実施例6及び7に対して、3℃で30分間静置した以外は実施例3と同様の方法で、吐出直後の耐圧容器の温度をそれぞれ測定した。その結果、実施例6及び7のいずれにおいても、吐出直後の耐圧容器の温度は4.6℃であった。
【0041】
<実施例8~13、比較例12~19(洗顔剤)>
表3に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。
そして、得られた原液組成物のそれぞれに対し、表3の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、それぞれ耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填して洗顔剤であるエアゾール組成物を調整し、各エアゾール製品を得た。
【0042】
【表3】
【0043】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1233zd:(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
PEG-20水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-20(日光ケミカルズ株式会社)
ココイルグルタミン酸K:Amisoft CK-22(味の素株式会社)
ラウリルグルコシド:マイドール12(花王株式会社)
キサンタンガム:エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル株式会社)
グリセリン:化粧品用濃グリセリン(花王株式会社)
1,3-ブチレングリコール:1,3-ブチレングリコール-P(KHネオケム株式会社)
【0044】
得られたエアゾール製品に対して、冷凍庫(-14℃)で90分間静置する代わりに冷凍庫(-14℃)で60分間静置した以外は実施例1~5及び比較例1~7と同じ方法で、吐出直後及び吐出してから2分後の泡沫形成性、吐出直後の泡立ち、並びに吐出直後及び吐出してから2分後の泡の感触の評価を行った。結果を表3に示す。
また、実施例8~13に対して、冷凍庫(-14℃)で60分間静置した以外は実施例3と同様の方法で、吐出直後及び吐出してから2分後の耐圧容器の温度をそれぞれ測定した。その結果、実施例8~13のいずれにおいても、吐出直後の耐圧容器の温度は-5.0℃であり、吐出してから2分後の耐圧容器の温度は-2.6℃であった。
【0045】
<実施例14~19、比較例20~27(ヘアトリートメント剤)>
表4に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。
そして、得られた原液組成物のそれぞれに対し、表4の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、それぞれ耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填してヘアトリートメント剤であるエアゾール組成物を調整し、各エアゾール製品を得た。
【0046】
【表4】
【0047】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1233zd:(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
ステアラミドプロピルジメチルアミン:パルナーSDPA-4B(ミヨシ油脂株式会社)
ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド:コータミンE-80K(花王株式会社)
ステアルトリモニウムクロリド:NIKKOL CA-2450(日光ケミカルズ株式会社)
セタノール:カルコール6870(花王株式会社)
エチルヘキサン酸セチル:NIKKOL CIO(日光ケミカルズ株式会社)
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べへニル):Plandool-H(日本精化株式会社)
スクワラン:NIKKOL シュガースクワラン(日光ケミカルズ株式会社)
ジメチコン:SH200C-3000cs(ダウ・東レ株式会社)
グリセリン:化粧品用濃グリセリン(花王株式会社)
乳酸:ムサシノ乳酸F-90(株式会社武蔵野化学研究所)
EDTA-2Na:キレスト2B-SD(キレスト株式会社)
フェノキシエタノール:フェノキシエタノールSP(四日市合成株式会社)
パラオキシ安息香酸メチル:メッキンスM(上野製薬株式会社)
【0048】
得られたエアゾール製品に対して、冷凍庫(-14℃)で90分間静置する代わりに冷凍庫(-14℃)で30分間静置した以外は実施例1~5及び比較例1~7と同じ方法で、吐出直後及び吐出してから2分後の泡沫形成性、吐出直後の泡立ち、並びに吐出直後及び吐出してから2分後の泡の感蝕の評価を行った。結果を表4に示す。
また、実施例14~19に対して、冷凍庫(-14℃)で30分間静置した以外は実施例3と同様の方法で、吐出直後及び吐出してから2分後の耐圧容器の温度をそれぞれ測定した。その結果、実施例14~19のいずれにおいても、吐出直後の耐圧容器の温度は3.8℃であり、吐出してから2分後の耐圧容器の温度は5.6℃であった。
【0049】
<実施例20(パック剤)>
表5に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。
そして、得られた原液組成物に対し、表5の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填してパック剤であるエアゾール組成物を調整し、エアゾール製品を得た。
【0050】
【表5】
【0051】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
ジステアリン酸ポリグリセリル-1:NIKKOL Decaglyn 2-SV(日光ケミカルズ株式会社)
ポリソルベート80:NIKKOL TO-10V(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-20ソルビタンココエート:NIKKOL TL-10(日光ケミカルズ株式会社)
スクワラン:NIKKOL シュガースクワラン(日光ケミカルズ株式会社)
セテアリルアルコール:カルコール6850(花王株式会社)
ベヘニルアルコール:カルコール220-80(花王株式会社)
グリセリン:化粧品用濃グリセリン(花王株式会社)
PEG-150:PEG-6000(日油株式会社)
キサンタンガム:エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル株式会社)
1,3-ブチレングリコール:1,3-ブチレングリコール-P(KHネオケム株式会社)
フェノキシエタノール:フェノキシエタノールSP(四日市合成株式会社)
【0052】
<実施例21(クレンジング剤)>
表6に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物を調整した。
そして、得られた原液組成物に対し、表6の処方でハイドロフルオロオレフィン・炭酸ガスを、耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填してクレンジング剤であるエアゾール組成物を調整し、エアゾール製品を得た。
【0053】
【表6】
【0054】
使用した材料は以下の通り。
HFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
ラウリン酸ポリグリセリル-6:NIKKOL Hexaglyn 1-L(日光ケミカルズ株式会社)
ラウラミンオキシド:アンヒトール20N(花王株式会社)
ラウロイルメチルアラニンNa:アラノンALE(川研ファインケミカル株式会社)
水添ポリイソブテン:クロラータム LES(クローダジャパン株式会社)
イソステアリン酸PG:シスロールPGMIS(クローダジャパン株式会社)
グリセリン:化粧品用濃グリセリン(花王株式会社)
1,3-ブチレングリコール:1,3-ブチレングリコール-P(KHネオケム株式会社)
フェノキシエタノール:フェノキシエタノールSP(四日市合成株式会社)