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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098168
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】予約システム及び予約プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20230703BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214758
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 礼
(72)【発明者】
【氏名】乾 真也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 喜代太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 桂一
(72)【発明者】
【氏名】最相 美穂
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
(57)【要約】
【課題】エコ活動の普及に貢献できるシステムを提供する。
【解決手段】ここに開示される予約システム100は、エコ活動と予約ポイントとの対応関係を表す対応テーブルが記憶されたテーブル記憶部81と、構成員が実施したエコ活動に応じた予約ポイントを算出するポイント算出部82と、算出された予約ポイントを記憶するポイント記憶部83と、団体による予約申請を記憶する予約申請記憶部91と、1つの施設に対して複数の団体から予約申請があった際に、予約ポイントに基づいて予約順位を設定する順位設定部92と、予約順位が最も高い団体を施設の予約団体として記憶する予約記憶部93とを備えている。かかる構成の予約システム100によると、エコ活動が活発な団体に優先して施設の予約権限を付与できるため、構成員のエコ活動へのモチベーションを高めて、エコ活動の普及に貢献できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の団体が施設の利用を予約するための予約システムであって、
エコ活動と予約ポイントとの対応関係を表す対応テーブルが記憶されたテーブル記憶部と、
前記団体の構成員が実施したエコ活動に応じた前記予約ポイントを前記対応テーブルに基づいて算出するポイント算出部と、
算出された前記予約ポイントを前記構成員の所属団体が所有する予約ポイントとして記憶するポイント記憶部と、
前記団体による前記施設の予約申請を記憶する予約申請記憶部と、
1つの施設に対して複数の団体から予約申請があった際に、前記予約ポイントに基づいて予約順位を設定する順位設定部と、
前記予約順位が最も高い前記団体を前記施設の予約団体として記憶する予約記憶部と
を備えた、予約システム。
【請求項2】
前記順位設定部は、前記構成員一人あたりの前記予約ポイントの平均値に基づいて、複数の前記団体の前記予約順位を設定する、請求項1に記載の予約システム。
【請求項3】
前記ポイント記憶部に記憶された前記予約ポイントを所定の条件の下で減算する減算処理部をさらに備えた、請求項1または2に記載の予約システム。
【請求項4】
前記減算処理部は、期間経過に応じて前記予約ポイントを減算する、請求項3に記載の予約システム。
【請求項5】
前記減算処理部は、前記予約順位の設定に使用した前記予約ポイントを減算する、請求項3または4に記載の予約システム。
【請求項6】
前記団体に対して過去に付与された前記予約ポイントの総数に基づいて前記団体のエコ指数を設定するエコ指数設定部をさらに備え、
前記順位設定部は、前記エコ指数に基づいて補正された予約ポイントに基づいて前記予約順位を設定する、請求項3~5のいずれか一項に記載の予約システム。
【請求項7】
前記エコ活動は、他者に電力を供給する電力供給活動を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の予約システム。
【請求項8】
前記電力供給活動は、予約対象の施設への電力の供給行為を含む、請求項7に記載の予約システム。
【請求項9】
電力系統における電力需要情報を所定の時間毎に受信する電力需要受信部と、
前記対応テーブルにおける前記電力供給活動と前記予約ポイントとの関係を前記電力需要情報に基づいて補正するテーブル補正部と
をさらに備えた、請求項7または8に記載の予約システム。
【請求項10】
所定の団体による施設の利用予約をコンピュータに実行させる予約プログラムであって、
前記団体の構成員が実施したエコ活動に応じた前記予約ポイントを算出し、算出した前記予約ポイントを前記構成員が所属する団体に付与するステップと、
前記団体による前記施設の予約申請を前記コンピュータに記憶させるステップと、
1つの施設に対して複数の団体から予約申請があった際に、前記予約ポイントに基づいて予約順位を設定するステップと、
前記予約順位が最も高い前記団体を前記施設の予約団体として記憶するステップと、
を前記コンピュータに実行させるように構成された、予約プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約システム及び予約プログラムに関する。詳しくは、施設の予約を管理する予約システムと、当該予約システムをコンピュータに実行させる予約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への対策として種々のエコ活動が行われている。かかるエコ活動は、多岐にわたり、様々なものが提案されている。このエコ活動の一例として、再生可能エネルギーを利用した自家発電、自動車のエコ運転、資源のリサイクル、環境に配慮した商品の優先的な利用などが挙げられる。そして、近年では、これらのエコ活動の普及を目的として、エコ活動に対価を付与するシステムが種々提案されている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-55138号公報
【特許文献2】特開2013-2873号公報
【特許文献3】特開2010-218437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、エコ活動の更なる普及に貢献できるシステムの構築を検討している。本発明は、かかる検討に基づいてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される予約システムは、所定の団体が施設の利用を予約するためのシステムである。かかる予約システムは、エコ活動と予約ポイントとの対応関係を表す対応テーブルが記憶されたテーブル記憶部と、団体の構成員が実施したエコ活動に応じた予約ポイントを対応テーブルに基づいて算出するポイント算出部と、算出された予約ポイントを構成員の所属団体が所有する予約ポイントとして記憶するポイント記憶部と、団体による施設の予約申請を記憶する予約申請記憶部と、1つの施設に対して複数の団体から予約申請があった際に、予約ポイントに基づいて予約順位を設定する順位設定部と、予約順位が最も高い団体を施設の予約団体として記憶する予約記憶部とを備えている。
【0006】
本発明者らは、運動用グランド、体育館、屋内ホールなどの各種施設の利用予約が様々な団体の間で競合している現状に着目し、これらの施設の予約とエコ活動を結びつけることを考えた。そして、ここに開示される予約システムによると、構成員によるエコ活動が活発な団体に優先して施設の予約権限を付与できる。これによって、各団体の構成員のエコ活動へのモチベーションを高めることができるため、団体というグループ単位でのエコ活動の普及に貢献できる。
【0007】
ここに開示される予約システムの好適な一態様では、順位設定部は、構成員一人あたりの予約ポイントの平均値に基づいて、複数の団体の予約順位を設定する。これによって、団体の構成人数の差が予約順位の設定に影響することを防止できるため、各団体のエコ活動へのモチベーションをより高い状態に維持できる。
【0008】
ここに開示される予約システムの好適な一態様では、ポイント記憶部に記憶された予約ポイントを所定の条件の下で減算する減算処理部をさらに備えている。本態様によると、過去に多量の予約ポイントを取得した団体が予約順位の上位を独占し続けることを抑制できる。このため、当該団体に対して継続的なエコ活動を促すことができると共に、他の団体のモチベーション低下を抑制できる。なお、予約ポイントの減算処理は、一定の期間を経過した場合や、予約順位の設定に使用した場合に実施すると好ましい。
【0009】
また、上記減算処理部を備えた態様では、団体に対して過去に付与された予約ポイントの総数に基づいて団体のエコ指数を設定するエコ指数設定部をさらに備え、順位設定部は、エコ指数に基づいて補正された予約ポイントに基づいて予約順位を設定することが好ましい。これによって、過去に実施したエコ活動に一定の評価を付与できるため、予約ポイントが減算された団体のモチベーション低下を防止できる。
【0010】
ここに開示される予約システムの好適な一態様では、エコ活動は、他者に電力を供給する電力供給活動を含む。ここに開示される予約システムは、例えば、電力供給活動の普及・促進に貢献できる。
【0011】
エコ活動が電力供給活動を含む態様において、電力供給活動は、予約対象の施設への電力の供給行為を含む。これによって、予約対象の施設の電力コストを低減できるため、施設側が本システムを採用するメリットを提供できる。
【0012】
また、エコ活動が電力供給活動を含む態様では、電力系統における電力需要情報を所定の時間毎に受信する電力需要受信部と、電力供給活動に関する対応テーブルを電力需要情報に基づいて補正するテーブル補正部とをさらに備えていることが好ましい。これによって、電力不足時の発電所の負荷を低減し、環境改善に大きく貢献できる。
【0013】
また、ここに開示される技術の他の側面として、所定の団体による施設の利用予約をコンピュータに実行させる予約プログラムが提供される。かかる予約プログラムは、団体の構成員が実施したエコ活動に応じた予約ポイントを算出し、算出した予約ポイントを構成員が所属する団体に付与するステップと、団体による施設の予約申請をコンピュータに記憶させるステップと、1つの施設に対して複数の団体から予約申請があった際に、予約ポイントに基づいて予約順位を設定するステップと、予約順位が最も高い団体に施設の予約権限を付与するステップとをコンピュータに実行させるように構成されている。かかる予約プログラムを用いることによって、ここに開示される予約システムを容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る予約システムを示す概念図である。
図2】一実施形態に係る予約システムを示すブロック図である。
図3】予約ポイントの付与に関する手順を示したフローチャートである。
図4】対応テーブルの一例を示す図である。
図5】施設の予約に関する手順を示したフローチャートである。
図6】予約順位の設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、ここで開示される技術の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここで開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、予約システムを構築する各機器の構成等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の説明で参照する図面では、同じ作用を奏する部材・部位に同じ符号を付している。
【0016】
1.用語の説明
まず、本明細書において使用する用語の意味を以下に説明する。
【0017】
(1)団体
本明細書における「団体」とは、構成員を有する集団を広く包含する概念である。なお、団体は、一定の目的を共有する構成員を有していればよく、営利団体及び非営利団体の何れであってもよい。団体の一例として、企業、官公庁、部活、サークル、家庭等が挙げられる。また、団体の構成員の人数は、特に限定されない。ここに開示される予約システムは、構成員が1名の団体(個人企業、個人サークルなど)の利用を禁止するものではない。
【0018】
(2)施設
本明細書における「施設」は、団体が利用する設備を広く包含する概念である。すなわち、施設は、建築物に限定されず、屋外スペース、レンタル備品、移動機械なども包含する。また、施設は、公共施設、民間施設の何れであってもよい。この施設の一例として、体育館、会議室、屋内ホール、音楽室、宿泊施設、飲食施設、運動用グランド、娯楽施設、運動器具、公共交通機関の座席などが挙げられる。そして、ここに開示される予約システムは、少なくとも1つの施設の予約情報を管理するシステムである、すなわち、ここに開示される予約システムは、複数の施設の予約情報を同時に管理するシステムでもよいし、単一の施設の予約情報を管理するシステムであってもよい。
【0019】
(3)エコ活動
本明細書における「エコ活動」は、環境問題を改善し得る活動を広く包含する概念である。このエコ活動の一例として、電力供給活動、自動車のエコ運転、資源リサイクル活動、エコバッグの利用、環境ラベル付与商品の購入などが挙げられる。上記のエコ活動のうち、「電力供給活動」とは、他者に電力を供給する活動のことをいう。なお、電力供給活動は、特定の者に電力を直接供給する行為に限定されず、電力系統への入電によって不特定の者に電力を供給する行為を含む。また、「自動車のエコ運転」とは、急な加減速を低減して燃料消費量が少なくなるように自動車を運転することをいう。また、「環境ラベル」とは、環境への負荷を低減した製品であることを表示したラベルのことをいう。このような環境ラベルの一例として、カーボン・オフセット認証ラベル、カーボン・ニュートラル認証ラベル、低排出ガス車認定、エコマーク、グリーンマーク、再生紙使用マークなどが挙げられる。
【0020】
詳しくは後述するが、ここに開示される予約システムは、団体の構成員がエコ活動を実施した際に、当該エコ活動に応じた予約ポイントを団体に付与する。ここで、予約ポイントを付与する対象となるエコ活動は、予約システムの管理者が適宜採用することができ、ここに開示される技術を限定するものではない。なお、電力供給活動を採用する場合には、「予約対象の施設への電力の供給」をポイント付与対象に含めることが好ましい。これによって、施設の電力コストの低減に貢献できるため、施設側が本システムを採用するメリットを提供できる。なお、予約対象の施設への電力供給活動としては、構成員が所有する発電設備(太陽光パネル等)から施設への送電や、施設内に設置された発電設備(発電機付き自転車等)を利用した発電行為などが挙げられる。
【0021】
1.予約システムの構成
次に、ここに開示される予約システムの一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る予約システム100を示す概念図である。また、図2は、本実施形態に係る予約システムを示すブロック図である。
【0022】
本実施形態に係る予約システム100は、団体10の構成員12が行ったエコ活動を考慮して、施設20の予約を調整するシステムである。換言すると、本実施形態に係る予約システム100は、複数の施設20A~20Nの中の1つの施設20Aにおいて複数の団体10A~10Nの予約が競合した際に、施設20Aを実際に予約する団体を決定できるように構成されている。以下、予約システム100の具体的な構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る予約システム100は、クライアントサーバシステムによって構築されている。具体的には、予約システム100は、構成員用端末14と、団体用端末16と、施設管理端末22と、管理サーバ50とを備えている。そして、各々の端末は、管理サーバ50を介して相互に接続されている。
【0024】
(1)構成員用端末
構成員用端末14は、構成員12が実施したエコ活動に関する情報を管理サーバ50に送信する端末である。この構成員用端末14は、構成員12の所属団体とエコ活動の内容を入力する入力手段14aと、入力手段14aに入力された情報を管理サーバ50に送信する送信手段14bを備えている(図2参照)。また、構成員用端末14は、入力情報を表示する画像表示手段(ディスプレイ等)を有していてもよい。なお、構成員用端末14は、エコ活動の内容に適した構成を適宜採用することが好ましい。例えば、発電設備からの電力の供給を行う場合には、発電設備の制御コンピュータや、当該制御コンピュータと連動したスマートフォン、タブレット端末、PCなどを構成員用端末14として使用できる。一方、自動車のエコ運転を実施する場合には、車両の制御コンピュータなどを構成員用端末14として使用できる。また、資源リサイクル、エコバッグの利用、環境ラベル付与商品の購入などを実施する場合には、店舗の管理端末などを構成員用端末14として使用できる。以上の通り、ここに開示される予約システムは、構成員用端末の構成によって限定されるものではない。
【0025】
(2)団体用端末
団体用端末16は、施設20の予約を申請するために、団体10の代表者が使用する端末である。団体用端末16は、予約申請を入力する入力手段16aと、予約申請を管理サーバ50に送信する送信手段16bと、管理サーバ50からの通知を受信する受信手段16cを備えている(図2参照)。また、団体用端末16は、入力情報及び受信情報を表示する画像表示手段(ディスプレイ等)を有していてもよい。このような団体用端末16の一例として、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。なお、団体用端末16の構成も、ここに開示される予約システムを限定するものではなく、必要に応じた構成を適宜採用できる。
【0026】
(3)施設管理端末
施設管理端末22は、管理サーバ50に記憶された予約情報を表示する端末である。施設20の管理者は、施設管理端末22に表示された予約情報に基づいて施設20の予約状況を把握できる。この施設管理端末22は、少なくとも、管理サーバ50からの通知を受信する受信手段22aを備えている(図2参照)。また、施設管理端末22は、受信情報を表示する画像表示手段(ディスプレイ等)を有していてもよい。上記団体用端末16と同様に、施設管理端末22も、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどを使用できる。なお、施設管理端末22の構成も、ここに開示される予約システムを限定するものではなく、必要に応じた構成を適宜採用することができる。
【0027】
(4)管理サーバ
管理サーバ50は、構成員用端末14と、団体用端末16と、施設管理端末22と通信可能に接続されている。例えば、管理サーバ50は、インターネットなどのネットワークを介して各々の端末と接続される。なお、管理サーバ50は、単一のコンピュータによって実現されてもよいし、複数のコンピュータが協働して実現されるものであってもよい。管理サーバ50は、予約システム100の制御を行う制御装置60を備えている。なお、制御装置60の構成は、特に限定されない。ここでは、制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。かかるコンピュータは、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMとを備えている。
【0028】
次に、管理サーバ50に含まれる制御装置60の構成について説明する。図2に示すように、制御装置60は、他の端末との通信を実施する通信部70と、予約ポイントに関する処理を行うポイント処理部80と、施設20の予約に関する処理を行う予約部90とを備えている。具体的には、通信部70は、構成員用端末14と通信可能な第1通信部71と、団体用端末16と通信可能な第2通信部72と、施設管理端末22と通信可能な第3通信部73とを備えている。また、ポイント処理部80は、テーブル記憶部81と、ポイント算出部82と、ポイント記憶部83と、減算処理部84と、エコ指数設定部85と、電力需要受信部86と、テーブル補正部87とを備えている。そして、予約部90は、予約申請記憶部91と、順位設定部92と、予約記憶部93とを備えている。なお、上述した各部は、制御装置60のハードウェアと、制御装置60に記憶されたプログラムによって実現される。すなわち、ここに開示される技術によると、上述の構成を有する制御装置(コンピューター)を実現する予約プログラムも提供される。
【0029】
2.予約システムの制御
次に、上記構成の予約システム100の制御の制御手順について説明する。上述した通り、本実施形態に係る予約システム100は、予約ポイントに関する処理を行うポイント処理部80と、施設20の予約に関する処理を行う予約部90とを備えている。以下、各々の制御について説明する。
【0030】
(1)ポイント処理部
まず、ポイント処理部80は、テーブル記憶部81とポイント算出部82とポイント記憶部83が実行する処理によって、団体10に予約ポイントを付与する。図3は、予約ポイントの付与に関する手順を示したフローチャートである。以下、予約ポイントの付与に関する制御手順を図3のフローチャートに沿って説明する。
【0031】
まず、図3に示すように、予約ポイントの付与では、最初に、構成員12によるエコ活動の入力が行われる(S110)。具体的には、団体10の構成員12がエコ活動を実施した場合、当該エコ活動が構成員用端末14に入力される。そして、構成員用端末14は、構成員12の所属団体を示す情報(団体情報)と、構成員12が実施したエコ活動の情報(活動情報)を管理サーバ50に送信する。そして、この団体情報と活動情報は、第1通信部71を介してポイント算出部82に入力される。
【0032】
次に、本実施形態に係る予約システム100では、予約ポイントの算出が行われる(S120)。具体的には、活動情報を受信したポイント算出部82は、当該活動情報に基づいて予約ポイントを算出する。このとき、ポイント処理部80のテーブル記憶部81には、エコ活動の内容と予約ポイントとの対応関係を表す対応テーブルが記憶されている。かかる対応テーブルの一例を図4に示す。ポイント算出部82は、受信した活動情報と、テーブル記憶部81の対応テーブルとに基づいて、構成員12が実施したエコ活動に応じた予約ポイントを算出する。例えば、図4に示す例では、ポイント算出部82は、100kWhの電力を供給したという活動情報を受信した場合に、当該活動情報(電力供給活動)を100Pの予約ポイントに換算する。
【0033】
なお、テーブル記憶部81に記憶された対応テーブルは、状況に応じて適宜変更できるように構成されていることが好ましい。例えば、本実施形態に係る予約システム100では、電力需要受信部86と、テーブル補正部87とが設けられている。電力需要受信部86は、外部ネットワークと接続されており、電力系統における電力需要情報を所定の時間毎に受信し、当該電力需要情報をテーブル補正部87に送信する。テーブル補正部87は、受信した電力需要情報に基づいて、テーブル記憶部81に記憶された対応テーブルを補正する。ここで、テーブル補正部87が補正するのは、電力供給活動における電力供給量と予約ポイントとの関係(換算レート)である。例えば、図4に示す対応テーブルでは、1kWhの電力供給を1Pの予約ポイントに換算する換算レートが設定されている。これに対して、電力供給が不足していることを示す電力需要情報を受信した場合、テーブル補正部87は、1kWhの電力供給に対して付与される予約ポイントを1Pよりも大きくする。これによって、電力不足時の電力供給活動を促すことができるため、発電所の負荷を低減して環境改善に大きく貢献できる。
【0034】
次に、本実施形態では、予約ポイントの記憶が行われる(S130)。本ステップにおいて、ポイント算出部82は、算出した予約ポイントと団体情報とを紐付けてポイント記憶部83に送信する。そして、ポイント記憶部83は、ポイント算出部82から受信した情報に基づいて、構成員12が所属する団体10に予約ポイントを加算する。本実施形態に係る予約システム100では、上述したS110~S130のステップを繰り返すことによって、各団体10A~10Nの予約ポイントが加算される。そして、このポイント記憶部83に記憶された予約ポイントは、後述する施設20の予約において使用される。
【0035】
また、図2に示すように、本実施形態に係る予約システム100のポイント処理部80は、減算処理部84をさらに備えている。詳しくは後述するが、本実施形態に係る予約システム100は、一つの施設20に対する予約申請が複数の団体10A~10Nの間で競合した場合に、各団体10A~10Nの予約ポイントに基づいて予約順位を設定する。このとき、一度付与された予約ポイントが永久に維持されると、過去に多量の予約ポイントを取得した団体10は、新たなエコ活動を行わなくても予約順位の上位を取得できるようになる。このような状態が続くと、当該上位の団体10が継続的なエコ活動に消極的になるだけでなく、他の団体10のモチベーションが低下する原因にもなり得る。これに対して、本実施形態における減算処理部84は、ポイント記憶部83に記憶された予約ポイントを所定の条件の下で減算する。これによって、過去に多量の予約ポイントを取得した団体10が予約順位の上位を独占し続けることを抑制できる。このため、当該上位であった団体10に対して継続的なエコ活動を促すことができると共に、他の団体10のモチベーション低下を抑制できる。なお、予約ポイントの減算処理は、一定の期間を経過した場合に実施すると好ましい。具体的には、減算処理部84は、一定期間(例えば、一ヶ月)ごとに、各団体10A~10Nの予約ポイントを0Pにする減算処理を行ってもよい。また、減算処理部84は、予約ポイントに使用期限を設け、当該使用期限を経過した予約ポイントを順次減算してもよい。これらの減算処理を実施することによって、各団体10A~10Nに対して継続的なエコ活動を促すことができる。また、減算処理を実施する条件は、時間経過に基づいた条件に限定されない。例えば、減算処理部84は、使用済の予約ポイントを減算する減算処理を実施してもよい。また、減算処理部84は、時間経過に基づいた減算処理と、ポイント使用に基づいた減算処理の両方を実施できるように構成されていてもよい。
【0036】
さらに、本実施形態におけるポイント処理部80は、各団体10A~10Nのエコ指数を設定するエコ指数設定部85を備えている。このエコ指数は、団体10に対して過去に付与された予約ポイントの総数(すなわち、構成員12が過去に実施したエコ活動の総数)に基づいて算出される。このエコ指数に基づいて予約ポイントを補正することによって、現在の予約ポイントに過去の実績を一部反映させることができるようになる。この結果、減算処理部84によって予約ポイントが減算された団体10の過去の実績を評価できるため、予約ポイントが減算された団体10のモチベーション低下を抑制できる。
【0037】
(2)予約部
次に、本実施形態に係る予約システム100は、施設20の予約に関する処理を行う予約部90を備えている。そして、本実施形態における予約部90は、複数の団体10A~10Nの間で施設20の予約が競合した際に、ポイント記憶部83に記憶された各団体10の予約ポイントに基づいて施設20を予約できる団体10を決定できるように構成されている。図5は、施設の予約に関する手順を示したフローチャートである。以下、施設の予約に関する制御手順を説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、施設の予約では、最初に、団体10(典型的には団体10の代表者)による予約申請が行われる(S210)。具体的には、団体10の代表者は、使用希望の施設と日時に関する情報を含む予約申請を団体用端末16に入力する。そして、団体用端末16は、予約申請を管理サーバ50に送信する。そして、この予約申請は、第2通信部72を介して予約申請記憶部91に入力される。
【0039】
次に、本実施形態では、予約申請記憶部91に予約申請が記憶される(S220)。具体的には、本実施形態に係る予約システム100は、予約申請を受信しても予約を確定させずに、所定期間が経過するまで予約申請記憶部91で予約申請を記憶し続ける。なお、予約申請を維持する期間(申請維持期間)は、特に限定されず、本システムの管理者が適宜設定できる。例えば、申請維持期間は、申請した予約日の一ヶ月前~二ヶ月前程度の範囲内に設定できる。
【0040】
そして、本実施形態に係る予約システム100は、申請維持期間が経過したタイミングで予約申請の競合判定を実施する(S230)。具体的には、予約申請記憶部91は、申請維持期間が経過した予約申請を順位設定部92に送信する。順位設定部92は、受信した各々の予約申請を比較し、希望施設と希望日時の両方が重複した予約申請が存在しているか否かを判定する。そして、予約申請の競合が生じていない場合(S230のNO)、順位設定部92は、予約申請(希望施設及び希望日時)を予約記憶部93に送信する。そして、予約記憶部93は、受信した予約申請に基づいて、施設20の予約を確定させる予約確定処理(S240)を実施して予約制御を終了する。このとき、予約記憶部93は、確定した予約情報を第2通信部72と第3通信部73に送信し、該当する団体10と施設20に、予約が確定した旨を通知すると好ましい。
【0041】
一方、1つの施設20に対して複数の団体10から予約申請があった場合(S230のYES)、順位設定部92は、予約ポイントに基づいた予約順位の設定を実施する(S250)。以下では、図1中の施設20Aに対して複数の団体10A~10Nの予約申請が競合した場合を例に挙げて説明する。このような予約申請の競合が生じた場合、順位設定部92は、ポイント記憶部83を参照し、各団体10A~10Nの構成員12の人数と、予約ポイントと、エコ指数を取得する。そして、順位設定部92は、図6に示すように、ポイント記憶部83から取得した各情報に基づいて最終ポイントを算出する。ここでの最終ポイントは、予約ポイントをエコ指数で補正した値を構成員の人数で割った平均値である。そして、順位設定部92は、図6に示すように、最終ポイントが多い順に団体10A~10Nを配列させた予約順位を作成し、この予約順位を予約記憶部93に送信する。
【0042】
そして、本実施形態に係る予約システム100は、予約順位に基づいて予約を確定させる(S260)。具体的には、予約記憶部93は、受信した予約順位の中で最も順位が高かった団体10A(図6参照)を施設20の予約団体として記憶する。これによって、予約申請が競合した施設20の予約団体が団体10Aに確定する。なお、上記ステップS240と同様に、本ステップにおいても、確定した予約情報を第2通信部72と第3通信部73に送信し、予約申請した各団体10A~10Nと該当施設20Aに、予約の確定状況を通知すると好ましい。このとき、予約システム100は、予約申請が許可されなかった団体10B~10Nに対して、該当施設20Aにおける予約が確定していない日時を通知すると好ましい。これによって、予約申請が許可されなかった団体10B~10Nが速やかに次の予約候補を検討できる。
【0043】
以上の通り、本実施形態に係る予約システム100では、構成員12によるエコ活動に応じた予約ポイントを団体10に付与し、当該予約ポイントに基づいて施設20の予約申請における優先順位を設定する。これによって、施設20の利用予約とエコ活動とを結びつけることができるため、構成員12のエコ活動へのモチベーションを高めることができる。すなわち、本実施形態に係る予約システム100によると、団体10というグループ単位でのエコ活動の普及に貢献できる。
【0044】
<他の実施形態>
以上、ここに開示される技術の一実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は、ここに開示される技術が適用される一例を示したものであり、ここに開示される技術を限定するものではない。
【0045】
例えば、図1に示すように、上述の実施形態に係る予約システム100は、管理サーバ50を介して、各々の端末が相互に接続されたクライアントサーバシステムによって構築されている。しかし、ここに開示される予約システムは、図1に示す構成に限定されない。例えば、ここに開示される予約システムは、クラウドコンピューティングシステムなどによって構築されてもよい。
【0046】
また、上述の実施形態では、予約順位の設定の際に、予約ポイントをエコ指数で補正した値を構成員の人数で割った平均値(最終ポイント)を採用している。しかしながら、予約順位は、予約ポイントに基づいて設定されていればよく、上述の実施形態に限定されない。例えば、予約順位は、各々の団体の予約ポイントを直接比較することによって設定されてもよい。なお、団体の構成人数の差によって予約順位が決まることによるモチベーションの低下を防止するという観点からは、予約ポイントの平均値に基づいて予約順位を設定した方が好ましい。また、上述の通り、過去の実績を適切に評価して減算処理によるモチベーション低下を防止するという観点から、エコ指数で予約ポイントを補正する形態を採用した方が好ましい。
【符号の説明】
【0047】
10 団体
12 構成員
14 構成員用端末
16 団体用端末
20 施設
22 施設管理端末
50 管理サーバ
60 制御装置
70 通信部
71 第1通信部
72 第2通信部
73 第3通信部
80 ポイント処理部
81 テーブル記憶部
82 ポイント算出部
83 ポイント記憶部
84 減算処理部
85 エコ指数設定部
86 電力需要受信部
87 テーブル補正部
90 予約部
91 予約申請記憶部
92 順位設定部
93 予約記憶部
100 予約システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6