(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098184
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20230703BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
G07G1/12 331J
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214787
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】安部 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友紀
(72)【発明者】
【氏名】猪藤 努
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142EA04
3E142FA42
3E142FA50
3E142GA18
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA06
(57)【要約】
【課題】誤取引と正取引とが適正に管理されるようにする。
【解決手段】店員に対して取引に関する情報を表示する表示手段と、1の取引を内容に誤りのある誤取引として設定する際に、当該1の取引が誤取引となる理由の入力を受け付ける理由受付手段と、前記理由受付手段が理由の入力を受け付けた前記誤取引としての1の取引に対応付けられた取引を、前記誤取引に対応して誤りが訂正された正取引として生成する生成手段とを備えて情報処理装置を構成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員に対して取引に関する情報を表示する表示手段と、
1の取引を内容に誤りのある誤取引として設定する際に、当該1の取引が誤取引となる理由の入力を受け付ける理由受付手段と、
前記理由受付手段が理由の入力を受け付けた前記誤取引としての1の取引に対応付けられた取引を、前記誤取引に対応して誤りが訂正された正取引として生成する生成手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、取引の一覧を示す画面において、前記理由受付手段が受け付けた理由が付された誤取引と当該誤取引に対応する正取引との関連が示されるように所定の態様で表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、所定の操作により指定された誤取引の内容と当該誤取引に対応する正取引の内容とを並べて表示する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、所定の操作により指定された誤取引の内容と、当該誤取引に対応する正取引の内容とを、それぞれレシートの形式により表示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
取引を取り消す取消操作を受け付ける取消手段を備え、
前記表示手段は、前記取消手段が取消対象とする誤取引の指定を受け付けたことに応じて、取消対象として指定された誤取引の内容と当該誤取引に対応する正取引の内容とを表示する
請求項3または4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品登録の内容を訂正した場合に商品登録の訂正の内容を記録しておくことが可能なようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
誤りの生じた取引(誤取引)と、当該誤取引に対応して内容が訂正された正しい内容の取引(正取引)とが適正に管理されるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、誤取引と正取引とが適正に管理されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、店員に対して取引に関する情報を表示する表示手段と、1の取引を内容に誤りのある誤取引として設定する際に、当該1の取引が誤取引となる理由の入力を受け付ける理由受付手段と、前記理由受付手段が理由の入力を受け付けた前記誤取引としての1の取引に対応付けられた取引を、前記誤取引に対応して誤りが訂正された正取引として生成する生成手段とを備える情報処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態におけるPOSシステムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態におけるPOS端末の設置例を示す図である。
【
図3】第1実施形態におけるPOS端末の外観例を示す図である。
【
図4】第1実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における商品登録画面の態様例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における誤取引対応画面の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における正取引生成確認画面の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態における正取引生成用の商品登録画面の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態における誤取引対応レシート、正取引対応レシートの一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態におけるメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図11】第1実施形態における誤取引取消画面の一例を示す図である。
【
図12】第1実施形態における誤取引リスト画面の一例を示す図である。
【
図13】第1実施形態における取引内容確認画面の一例を示す図である。
【
図14】第1実施形態における取消実行確認画面の一例を示す図である。
【
図15】第1実施形態における誤取引取消レシートの一例を示す図である。
【
図16】第1実施形態における取引実績情報の一例を示す図である。
【
図17】第1実施形態におけるPOS端末が誤取引に対応して実行する会計処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図18】第1実施形態におけるPOS端末が誤取引の取り消しに応じて実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
[POSシステムの構成例]
図1は、本実施形態におけるPOS(Point Of Sales)システムの構成例を示している。本実施形態におけるPOSシステムが使用される店舗は飲食店である場合を例に挙げる。
同図のPOSシステムは、店舗において設置される2台のPOS端末20(情報処理装置の一例)と1台のストアコントローラ10と、複数のハンディターミナル30と、取引管理装置40と、中継装置50とを備える。
同図のPOS端末20と、ストアコントローラ10と、ハンディターミナル30と、中継装置50とは、例えば有線または無線によるLAN(Local Area Network)を経由して通信可能に接続される。
【0009】
POS端末20は、客から注文されたメニュー等の商品についての会計を店員の操作に応じて行う。ここでの「会計」とは、客が店舗にて注文したうえで飲食した商品や、テイクアウトのため客が注文した商品等を精算対象として登録することと、登録された商品についての精算とを含む。
【0010】
ストアコントローラ10は、店舗にてPOSシステムを管理する上位の情報処理装置である。ストアコントローラ10は、例えば店舗におけるバックヤードなどに設置される。
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、POS端末20に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
ストアコントローラ10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、例えば本部のサーバ等から取得し、POS端末20に適宜送信してよい。
【0011】
ハンディターミナル30は、商品登録に際して店員が使用する携帯端末装置である。ハンディターミナル30は、客が飲食した商品の商品登録処理を店員の操作に応じて行う。ハンディターミナル30は、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線通信により中継装置50と接続されている。
【0012】
中継装置50は、ハンディターミナル30が対応する無線通信網と、POS端末20、ストアコントローラ10、ハンディターミナル30、及び中継装置50が接続される通信網とを中継するゲートウェイとしての機能を有する。
【0013】
ハンディターミナル30は、1の取引に対応する商品登録処理の完了に応じて、商品登録処理による商品の登録結果を示す商品登録情報に精算カードのカード番号を対応付け、中継装置50経由で取引管理装置40に送信する。ハンディターミナルを操作する店員は、1の取引に応じた商品登録の操作を完了させると、今回の商品登録操作により商品登録情報に対応付けたカード番号の精算カードを客に渡す。
なお、カード番号に代えて、例えば客が飲食の際に着座していたテーブルを一意に示すテーブル番号を商品登録情報に対応付けてよい。
なお、客が飲食の際に着座していたテーブルにて、客がセルフで注文が可能な注文端末を設け、注文端末が、客による注文の操作に応じて例えばテーブル番号に対応付けた商品登録情報を取引管理装置40に送信するようにされてもよい。
【0014】
取引管理装置40は、ハンディターミナル30から送信された商品登録情報を記憶する。取引管理装置40は、POS端末20から商品登録情報要求が受信されたことに応じて、記憶されている商品登録情報のうちから、受信された商品登録情報要求が指定するカード番号に対応付けられた商品登録情報を、POS端末20に対して送信する。
【0015】
また、取引管理装置40は、POS端末20にて行われた取引ごとの実績を示す取引実績情報を記憶する。また、取引管理装置40は、POS端末20やストアコントローラ10の所定の機能を実現するための制御を実行してもよい。取引管理装置40は、店舗において設置されてもよいし、店舗外のクラウドサーバとして設けられてもよい。
【0016】
なお、同図に示したPOSシステムの構成は一例である。例えば、POSシステムの構成として、店舗において備えられるPOS端末20の数は特に限定されない。また、POSシステムの構成として、ストアコントローラ10を含まない構成としてもよい。なお、POSシステムについて、ストアコントローラ10を含まない構成とする場合には、POS端末20にストアコントローラ10としての機能を兼用させてもよい。
【0017】
また、本実施形態においては、ハンディターミナル30の数も特に限定されない。また、ストアコントローラ10に取引管理装置40としての機能を兼用させてもよい。
【0018】
図2は、POS端末20の設置例を示す図である。
図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客(以下、単に客とも記載する)側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
【0019】
図3は、POS端末の外観例を示す図である。
図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。
図4は、POS端末20の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0020】
以下、
図2、
図3を参照しつつ、
図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カードリーダ208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、撮像部216と、サインポール217とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0021】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0022】
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報のいずれか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
【0023】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
なお、ハードディスク204に代えて、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置が備えられてもよい。
【0024】
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。客側表示部205は、タッチパネルとして構成されてよい。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
【0025】
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。
【0026】
カードリーダ208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等)から情報を読み取って決済に対応する処理を実行可能とされる。また、カードリーダ208は、会員カード、ポイントカード等の情報を読み取ることが可能とされる。本実施形態のカードリーダ208は、例えばカード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えてよいが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
【0027】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
【0028】
店員側表示部210は、店員用のディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、タッチパネルとして構成されてよい。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等を光学的に読み取る。
【0029】
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
【0030】
印刷部213は、媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能な1台の印刷部である。印刷部213の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モードの移行に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部213の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0031】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他の装置(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
【0032】
撮像部216は、客側の立ち位置にて会計に関する操作を行う客の様子を撮像するように設けられる。撮像部216が撮像して得られた撮像画像は、会計を行う客を監視する監視画像として用いることができる。また、POS端末20は、撮像部216の撮像によって得られた撮像画像をハードディスク204等の記憶装置に記憶させることができる。
【0033】
サインポール217は、所定のパターン、色で点灯することで、店員に向けて所定の報知を行う部位である。
【0034】
[各動作モードの概要]
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。本実施形態のPOS端末20は、通常モードとフルセルフモードとの2つの動作モードのいずれかによる動作が可能とされている。
【0035】
[通常モード]
通常モードは、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が精算モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理から精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
【0036】
通常モードの場合、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する。
【0037】
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カードリーダ208を操作し、精算する。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カードリーダ208の操作)により、精算処理を実行する。
【0038】
なお、客は、店員による登録処理が完了するまで(合計金額が確定するまで)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に貨幣を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である。
【0039】
また、店員は、客による精算が完了するまで(客がお釣りやレシートを取るまで)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
【0040】
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識した上で、印刷部213によるレシートの発行を制御する。他の動作モードにおいても同様である。なお、上述したように、通常モード(ダブルスキャンモードも同様)では、お釣りを受け取る客の前に店員がいる場合といない場合とがあるが、店員がいる場合は、必ずしも上述した制御を行わなくてもよい(即ち、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行とを同時に行ってもよいし、先にレシートを発行してもよい)。また、現在の動作モードや店員の存在/不在(例えば、店員の存在/不在はセンサにより認識)に応じて、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行のタイミング等を制御してもよい。
【0041】
[フルセルフモード]
フルセルフモードは、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも精算モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理から精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
【0042】
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する。
【0043】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、クレジットカード決済の場合にはカードリーダ208を操作し、精算する。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カードリーダ208の操作)により、精算処理を実行する。
【0044】
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する。
【0045】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、クレジットカード決済の場合にはカードリーダ208を操作し、精算する。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カードリーダ208の操作)により、精算処理を実行する。
【0046】
以降の説明においては、本実施形態のPOSシステムのもとで、POS端末20が通常モードで使用される場合を例に挙げる。
【0047】
[会計の流れについて]
本実施形態のPOSシステムに対応して行われる会計の流れについて説明する。本実施形態のPOSシステムを備える飲食店としての店舗では、店舗内での客の飲食(イートイン)に応じた会計と、テイクアウトとしての注文に応じた会計とが行われる。
店舗内での飲食に応じた会計では、商品登録担当の店員が、例えば、客からの注文に応じて、あるいは客が飲食を終えた後において、ハンディターミナル30を操作して商品の登録を行う。商品登録担当の店員は、1取引に応じた全ての商品の登録を終えると、商品の登録結果が反映された商品登録情報を1の精算カードのカード番号を対応付けたうえで、ハンディターミナル30から取引管理装置40に送信させる。商品登録担当の店員は、今回の取引に応じて商品登録情報に対応付けたカード番号の精算カードを客に渡す。
客は、精算を行うにあたり、商品登録担当の店員から渡された精算カードを持って、POS端末20に赴き、POS端末操作担当の店員に精算カードを渡す。精算担当の店員は、客から渡された精算カードのカード番号をPOS端末20に入力する操作を行う。なお、精算カードのカード番号に代えて、客が飲食していたテーブルに付与されたテーブル番号を用いてもよい。
POS端末20は、入力されたカード番号と対応付けられた商品登録情報を取引管理装置40から取得する。POS端末20は、取得した商品登録情報に基づく会計用の画面を店員側表示部210と客側表示部205に表示させる。店員側表示部210には店員向けの会計用の画面が表示され、客側表示部205には客向けの会計用の画面が表示される。POS端末操作担当の店員は、例えば会計用の画面にて示される商品登録結果の内容を確認すると小計操作を行う。客は、小計操作に応じて提示された合計金額に対応する精算を行うようにされる。なお、小計操作が行われるより前のタイミングで、客が精算に応じた操作を行えるようにされてもよい。
【0048】
また、客は、テイクアウトで商品を購入する場合には、POS端末操作担当の店員に商品を注文し、注文した商品の代金支払いを行うようにされる。POS端末操作担当は、POS端末20を操作して、客から注文された商品を登録し、登録された商品に応じた精算処理をPOS端末20に実行させる。
【0049】
[誤取引に対する対応]
例えば、POS端末20にて登録が完了した取引の精算が行われるより前の段階にて、取引内容に誤りのあったことに気付く場合がある。ここでの取引内容の誤りとは、該当の取引の商品登録情報が示す商品登録内容が実際の注文内容とは異なっていたような状況が対応する。取引内容の誤りの具体的事例については、誤取引発生理由の具体例として後述する。
本実施形態のPOSシステムでは、例えば取引内容の訂正ミス等による取引実績の違算等が生じないようにする等のため、一度登録が完了した取引の内容については訂正を行うことができないようにされている。
つまり、本実施形態のPOSシステムでは、上記のように内容に誤りのある取引については、当該取引の内容自体を訂正したうえで精算に進むということはできない。そこで、本実施形態のPOSシステムは、内容に誤りのある取引については誤取引として扱うことで、精算の対象から除外できるようにする。そのうえで、本実施形態のPOSシステムでは、店員がPOS端末20を操作して、誤取引における誤りが訂正された商品登録の内容を有する取引を正取引として新たに生成し、生成された正取引の商品登録情報を利用して精算を行うようにされる。ただし、このままでは同じ対象の取引に対応して、誤取引と正取引との2つの取引実績が取引管理装置40にて記憶されることになる。そこで、誤取引については、店員が例えばPOS端末20を操作することにより取引実績から取り消すことが可能なようにされる。
【0050】
図5~
図14を参照して、誤取引に対応してPOS端末操作担当の店員が行う操作の手順例について説明する。
図5は、POS端末20の店員側表示部210にて表示された商品登録画面の一例を示している。
商品登録画面においては、商品登録内容エリアAR10が配置されている。商品登録内容エリアAR10は、対応の取引における商品登録内容を示す。同図の商品登録内容エリアAR10においては、商品登録内容として、100(円)皿が3つで300円、150(円)皿が2つで300円、300(円)皿が1つで300円として登録され、これらの登録された商品に対応する小計金額が900円であり、消費税額が90円であり、合計金額が990円であることが示されている。また、未会計額としては、6点で990円であることが示されている。
なお、同図の商品登録画面が表示されているときに、客側表示部205において商品登録内容エリアAR10と同様の商品登録結果の内容が表示されてよい。
【0051】
例えば、
図5の商品登録内容エリアAR10において示されている商品登録内容が正しければ、例えば店員は次へボタンBT14を操作してPOS端末20に精算処理を実行させて取引に応じた会計を完了させることができる。
しかしながら、この場合には、
図5の商品登録内容エリアAR10において示されている商品登録内容が誤っていた。つまり、今回の取引に誤りが生じていた。このようにPOS端末20を精算処理に移行させる前の段階で取引に誤りのあることが判明した場合、店員は、取引の誤りに対応するため、誤取引対応ボタンBT11を操作する。誤取引対応ボタンBT11は、精算処理の実行前の段階での誤取引対応処理の実行をPOS端末20に指示する操作が行われるボタンである。
【0052】
誤取引対応ボタンBT11が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部210にて誤取引対応画面を表示させる。誤取引対応画面は、誤りのある取引(誤取引)に対応する店員の操作が行われる画面である。
図6は、誤取引対応画面WD20の一例を示している。同図の誤取引対応画面WD20は、商品登録画面上に重畳して表示されるウィンドウ形式である例を示している。
誤取引対応画面WD20においては、対応の取引に付与された取引番号が「#14728」であることが示されている。
また、誤取引対応画面WD20においては、金額エリアAR21と理由選択エリアAR22が配置されている。
金額エリアAR21は、今回対象とされた誤取引における商品登録結果に応じた合計金額が示されるエリアである。
理由選択エリアAR22は、今回対象とされた誤取引が生じた理由(誤取引発生理由)を複数の選択肢のうちから選択する操作が行われるエリアである。誤取引発生理由の数は必要に応じて提示されればよく、特に限定されない。理由選択エリアAR22において一度に全ての誤取引発生理由の選択肢を表示できない場合には、理由選択エリアAR22の右端に設けられたスクロールバーを操作して誤取引発生理由の選択肢のリストをスクロールさせることができる。
【0053】
同図の理由選択エリアAR22においては、5つの誤取引発生理由の選択肢が表示されている。これらの5つの誤取引発生理由は、それぞれ「オーダー内容誤り」、「オーダー重複送信」、「レジ入力ミス」、「テイクアウトオーダー重複」、「テイクアウトオーダーキャンセル」である。
「オーダー内容誤り」は、登録された商品のうちに実際には客が注文していない商品が含まれているとの誤取引発生理由である。
「オーダー重複送信」は、ハンディターミナル30により商品の注文情報を送信した際に、誤って2回以上重複して送信してしまったとの誤取引発生理由である。
「レジ入力ミス」は、店員が注文された商品を登録する操作をPOS端末20に対して行った際に誤った商品を登録してしまったとの誤取引発生理由である。
「テイクアウトオーダー重複」は、テイクアウトで同じ商品を重複して登録してしなったとの誤取引発生理由である。
「テイクアウトオーダーキャンセル」は、テイクアウトによる商品の注文がキャンセルされたとの誤取引発生理由である。
【0054】
また、同図の理由選択エリアAR22において選択肢として現れていないが、誤取引発生理由として他に「テイクアウトオーダー品切れ」、「精算不可」等が設けられてよい。「テイクアウトオーダー品切れ」は、テイクアウトによる商品の注文を受けて商品登録を行った後に、注文された商品に必要な食材が品切れしていたことが分かったため客に商品を提供できないとの誤取引発生理由である。
「精算不可」は、客が精算をせずに店舗からいなくなってしまうという、いわゆる食い逃げをしたことにより、客から精算を受けることができなくなったとの誤取引発生理由である。
【0055】
なお、誤取引発生理由の入力の態様は、上記のように予め指定された選択肢のうちから選択するほかに、例えば文字入力や誤取引発生理由に対応付けられた数値を入力する置数等の操作であってもよい。
【0056】
理由選択エリアAR22において選択された誤取引発生理由の選択肢は、他の選択肢と異なる態様で表示が行われる。具体的には、選択された誤取引発生理由の選択肢は、他の選択肢と異なる背景色が設定されるようにしてよい。同図においては、「オーダー内容誤り」の選択肢が選択された状態の例が示されている。同図では、「オーダー内容誤り」の選択肢を太枠で囲む態様により選択された状態が示されるようにしているが、選択肢が選択された状態の態様は同図の例に限定されない。例えば、選択肢が選択された状態の態様は、選択された状態にある選択肢のエリアの背景色を他の選択肢と異ならせるようにしてもよい。
【0057】
店員は、理由選択エリアAR22の選択肢のうちから今回の誤取引の発生に該当する誤取引発生理由の選択肢を選択すると、確定ボタンBT21を操作する。確定ボタンBT21が操作されたことに応じて、POS端末20は、今回の誤取引の登録を指示する誤取引登録要求を取引管理装置40に送信する。誤取引登録要求は、該当の誤取引の内容を示す取引情報を含む。取引情報は、対応の取引における商品登録結果を示す商品登録情報の内容が反映されている。
取引管理装置40は、誤取引登録要求の受信に応じて、今回の誤取引を取引実績として登録する。この際、取引管理装置40は、誤取引登録要求に含まれていた誤取引の取引情報を記憶する。
【0058】
また、POS端末20は、確定ボタンBT21が操作されたことに応じて、誤取引対応画面WD20に代えて、正取引生成確認画面を表示する。
図7は、正取引生成確認画面WD30の一例を示している。同図の正取引生成確認画面WD30は、誤取引対応画面WD20と同様に、商品登録画面上に重畳して配置されるウィンドウ形式である例を示している。
本実施形態においては、誤取引自体の内容を訂正することはせずに、改めて誤取引における誤りを訂正した内容の取引(正取引)を生成するようにされる。正取引生成確認画面WD30は、今回の誤取引に対応する正取引の生成を行うか否かを店員に確認させる操作が行われる画面である。正取引生成確認画面WD30においては、例えば「取引の打ち直しをしますか?」のように、店員に向けて正取引の生成を行うか否かを確認するメッセージが表示されている。
正取引生成確認画面WD30においては、「はい」ボタンBT31と「いいえ」ボタンBT32とが配置されている。店員は、正取引を生成する場合には「はい」ボタンBT31を操作する。
また、店員は、正取引を生成しない場合には、「いいえ」ボタンBT32を操作する。例えば、「いいえ」ボタンBT32が操作される場合としては、誤取引発生理由が「精算不可」である場合を挙げることができる。誤取引発生理由が「精算不可」である場合には、訂正する取引内容が存在しないことから、正取引を生成する必要性がない。「いいえ」ボタンBT32が操作された場合、店員側表示部210における表示は、例えば待機状態の商品登録画面に戻るようにされてよい。
【0059】
「はい」ボタンBT31が操作された場合、正取引生成確認画面WD30が消去され、商品登録画面に戻るようにされる。このようにして商品登録画面に戻った際には、商品登録内容エリアAR10は、商品が未登録の状態となっている。また、この段階の商品登録内容エリアAR10は、
図5~
図7と異なる背景色で表示されることで、正取引生成用の商品登録画面であることが示される。
店員は、改めて、今回の取引に応じた正しい商品登録内容が反映されるように商品登録操作を行うようにされる。このように商品登録操作が行われることに応じて、商品登録内容エリアAR10には、誤りの訂正された内容の商品登録結果が表示される。
【0060】
図8は、正取引生成用の商品登録画面として、正しい商品登録内容が反映された状態の一例を示している。同図の商品登録内容エリアAR10においては、商品登録内容として、100(円)皿が1つで100円、150(円)皿が1つで150円、300(円)皿が1つで300円として登録されている。つまり、この場合の正取引は、
図5に示される誤取引の内容から、100(円)皿が3つから1つに変更され、150(円)皿が2つから1つに変更されている。このような商品の登録の変更に応じて、登録された商品に対応する小計金額が900円から550円、消費税額が90円から55円、合計金額が990円から605円にそれぞれ変更されている。また、未会計額としては、3点で605円であることが示されている。
同図の商品登録内容エリアAR10は、正取引生成用であることを示すように、例えば
図5の商品登録内容エリアAR10と異なる背景色で表示される。
【0061】
店員は、このように正取引に対応して正しく商品登録を行うと、引き続き精算の操作を行ってPOS端末20に精算処理を実行させる。このようにして精算まで完了した正取引も取引実績の1つとして取引管理装置40に登録される。
このようにして、店員は、正取引を生成することで、誤取引の発生に対応して適正に会計を完了させることができる。
【0062】
また、上記のようにして行われる誤取引の発生に対応した会計(誤取引登録、正取引生成、正取引に基づく精算を含む)の手順のもとでPOS端末20が発行するレシートの例について説明する。
まず、POS端末20での会計対象の取引の商品登録内容について誤りが生じていることに応じて店員が誤取引対応ボタンBT11を操作したことに応じて、POS端末20は、誤取引対応レシートを発行する。誤取引対応レシートは、発生した誤取引の商品登録結果等の内容を示すレシートである。
【0063】
図9(A)は、誤取引対応レシートの一例を示している。同図の誤取引対応レシートは、
図5の商品登録画面が表示されている状態において誤取引対応ボタンBT11が操作されたことに応じて発行されたものである。
図9(A)に示されるように、誤取引対応レシートにおいては、取引番号として、
図6の誤取引対応画面WD20において示されているのと同じ「#14728」が示されている。また、同図の誤取引対応レシートにおいては、
図5の商品登録内容エリアAR10において示されているのと同様の商品登録結果の内容が示されている。
このように発行された誤取引対応レシートは、店員が誤取引の内容を後から確認できるように店舗にて保管される。
【0064】
また、POS端末20は、新たに生成された正取引に応じた精算処理が完了するタイミングで、正取引のもとでの会計結果(商品登録結果及び精算処理結果)が反映された正取引対応レシートを発行する。
図9(B)は、正取引対応レシートの一例を示している。同図の正取引対応レシートは、
図8に示される正取引の精算が完了したことに応じて発行されたものである。同図の正取引対応レシートにおいては、対応の正取引に付与された取引番号として「#14729」が示されている。同図の正取引対応レシートにおいては、
図8の商品登録内容エリアAR10において示されているのと同様の正取引の商品登録結果の内容が示されている。このように発行されたレシートは客に渡される。
【0065】
上記のように誤取引の発生に対応して正取引を生成し、正取引に応じた会計が完了した段階では、共通の一取引に対応する誤取引による実績と正取引による実績とが取引実績として登録されている状態にある。例えばこのまま営業日の取引実績のジャーナルを出力した場合には、共通の一取引に該当する誤取引による実績と正取引による実績とが合算されることになり、実在高と理論在高との間で違算が生じる。
そこで、本実施形態においては、以下に説明するように店員の操作に応じて取引実績における誤取引の登録を取り消し可能とされている。
【0066】
取引実績における誤取引の登録を取り消すにあたり、店員は、POS端末20についてメンテナンスモードに設定する操作を行う。メンテナンスモードは、取引実績における誤取引の登録のほか、ドロアに対する入出金等が行われるモードである。なお、このように誤取引の登録を取り消すための操作は、例えば店長などのように一定以上の権限を有する店員に限定して可能なようにされてよい。この場合、例えばメンテナンスモードを設定するにあたり、店員は、POS端末20に自分の店員証の店員識別情報を読み取らせる操作を行うようにされてよい。
図10は、メンテナンスモードとされたPOS端末20の店員側表示部210にて表示されるメンテナンス画面の一例を示している。メンテナンスモードにおいても商品登録内容エリアAR10が配置される。
【0067】
店員は、取引実績における誤取引の取り消しを行う場合には、メンテナンス画面において配置されるボタンのうち誤取引取消ボタンBT15を操作する。誤取引取消ボタンBT15が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部210にて誤取引取消画面を表示させる。誤取引取消画面は、誤取引を指定して取引実績から取り消す操作が可能な画面である。
【0068】
図11は、誤取引取消画面WD40の一例を示している。同図の誤取引取消画面WD40は、メンテナンス画面上に重畳して表示されるウィンドウ形式である例を示している。店員は、誤取引取消画面WD40に対して、取消対象とする誤取引を指定する操作を行う。
取消対象とする誤取引を指定する操作は、1つには、取引番号入力エリアAR41に取引番号を入力し、確定ボタンBT41を操作して、取消対象とする誤取引を呼び出すというものである。
取消対象とする誤取引を指定する操作は、もう1つには、誤取引リスト表示ボタンBT42を操作して誤取引リスト画面を表示させ、表示された誤取引リスト画面から取消対象とする誤取引を選択するというものである。
【0069】
ここでは、後者の誤取引リスト表示ボタンBT42の操作により誤取引リスト画面を表示させて取消対象とする誤取引を指定する操作の手順例について説明する。この場合、店員は、誤取引取消画面WD40における誤取引リスト表示ボタンBT42を操作する。
誤取引リスト表示ボタンBT42が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部210に誤取引リスト画面を表示する。
【0070】
ここでは、後者の誤取引リスト表示ボタンBT42の操作により誤取引リスト画面を表示させて取消対象とする誤取引を指定する操作の手順例について説明する。この場合、店員は、誤取引取消画面WD40における誤取引リスト表示ボタンBT42を操作する。
誤取引リスト表示ボタンBT42が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部210に誤取引リスト画面を表示する。
【0071】
図12は、誤取引リスト画面WD50の一例を示している。同図の誤取引リスト画面WD50は、メンテナンス画面上に重畳して表示されるウィンドウ形式とされ、誤取引取消画面WD40に代えて表示される。
誤取引リスト画面WD50においては、誤取引ごとに対応するリスト項目が配置される。同図においては、2つの誤取引のそれぞれに対応する2つのリスト項目が配置された例が示されている。同図の誤取引リスト画面WD50において配置される2つのリスト項目のうち、2行目のリスト項目はグレーアウトの状態となっている。グレーアウトの状態のリスト項目は、対応の誤取引が取引実績から取り消し済みであることを示す。この場合、1行目のリスト項目はグレーアウトの状態となっていないことから、対応の誤取引が取引実績から取り消されていないことを示す。
【0072】
1の誤取引に対応するリスト項目においては、最も左に確認ボタンBT51が配置されるとともに、続けて右にかけて順次、誤取引対応取引番号、誤取引対応時刻、誤取引対応金額、誤取引発生理由、正取引対応取引番号、及び正取引対応金額の各情報項目が配置される。
確認ボタンBT51は、取引内容確認画面を表示させる場合に操作されるボタンである。取引内容確認画面は、後述のように、対応の誤取引の内容と、当該誤取引に対応する正取引の内容とが並べて表示される画面である。
誤取引対応取引番号の情報項目は、対応の誤取引に付与された取引番号を示す。
誤取引対応時刻の情報項目は、対応の誤取引が発生した時刻(誤取引対応時刻)を示す。誤取引対応時刻は、例えば、誤取引に対応する商品登録が開始された時刻であってもよいし、誤取引が取引実績に登録された時刻であってもよい。
誤取引対応金額の情報項目は、対応の誤取引における商品登録結果に応じた合計金額を示す。
誤取引発生理由の情報項目は、対応の誤取引に対して付与された誤取引発生理由を示す。
正取引対応取引番号の情報項目は、対応の正取引に付与された取引番号を示す。
正取引対応金額の情報項目は、対応の正取引における商品登録結果に応じた合計金額を示す。
このように、1の誤取引に対応するリスト項目においては、対応の誤取引についての情報とともに、当該誤取引に対応する正取引の情報も併せて表示される。1の誤取引に対応するリスト項目においては、対応の誤取引と当該誤取引に対応する正取引との関連が示される。
【0073】
この場合、店員は、同図の誤取引リスト画面WD50における1行目のリスト項目に対応する誤取引を取引実績から取り消す操作を行う。このため、店員は、1行目のリスト項目において配置されている確認ボタンBT51を操作する。
確認ボタンBT51が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部210にて取引内容確認画面を表示させる。
【0074】
図13は、取引内容確認画面の一例を示している。取引内容確認画面は、例えばメンテナンス画面に代わるものとして表示されてよい。
取引内容確認画面においては、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62とが配置される。誤取引内容エリアAR61は、取消対象の誤取引の商品登録結果の内容が提示されるエリアである。正取引内容エリアAR62は、取消対象の誤取引に対応する正取引の商品登録結果の内容が提示されるエリアである。
また、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62とのそれぞれにおいて、商品登録結果の内容はレシートの形式で提示される。店員は、レシートに慣れていることから、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62において提示される商品登録結果の内容を把握しやすい。
また、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62とはそれぞれ個別にスクロールバーを操作することによりスクロールさせることが可能とされている。
【0075】
店員は、誤取引内容エリアAR61において提示される内容と正取引内容エリアAR62において提示される内容を比較し、それぞれについて間違いのないことを確認すると、確認ボタンBT61を操作する。確認ボタンBT61が操作されたことに応じて、取引内容確認画面に代えて取消実行確認画面が表示される。
なお、キャンセルボタンBT62が操作された場合には、例えば
図12の誤取引リスト画面WD50の表示に戻るようにされる。
【0076】
なお、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62との間で提示される内容が異なる部分については、他の部分と表示の態様を異ならせるようにしてよい。これにより、店員は、誤取引内容エリアAR61において提示される内容と正取引内容エリアAR62において提示される内容とを比較しやすくなる。
表示の態様の異ならせるにあたっては、例えば該当部分の文字色の変更、該当部分に所定の色のマーカを施す、該当部分に下線を施すなどしてよい。また、このように態様を異ならせた表示は、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62とのいずれか一方にて行われてもよいし、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62との両方にて行われてもよい。
また、誤取引内容エリアAR61と正取引内容エリアAR62とは、同期してスクロールさせることが可能なようにされてよい。
【0077】
図14は、取消実行確認画面WD70の一例を示している。同図の取消実行確認画面WD70においては、対象の誤取引の取引実績からの取り消しを実行してよいか否かの確認を店員に求めるメッセージが表示されている。また、取消実行確認画面WD70においては、「はい」ボタンBT71と「いいえ」ボタンBT72とが配置されている。
店員は、取り消しを実行してよいことを確認した場合には、「はい」ボタンBT71を操作する。「はい」ボタンBT71が操作されたことに応じて、POS端末20は、対象の誤取引の取引実績からの取り消しを取引管理装置40に指示する。取引管理装置40は指示に応じて、対象の誤取引を取引実績から取り消す処理を実行する。
【0078】
「はい」ボタンBT71が操作されたことに応じて、店員側表示部210における表示は、
図12の誤取引リスト画面WD50に戻る。なお、POS端末20は、「はい」ボタンBT71が操作されたことに応じて、対象の誤取引を取引実績から取り消す処理が完了した旨のメッセージを含む確認画面を表示し、確認画面に対する店員の確認操作が行われたことに応じて誤取引リスト画面WD50に戻るようにされてよい。
誤取引リスト画面WD50に戻った段階では、誤取引リスト画面WD50における1行目のリスト項目はグレーアウトとなって取引実績から取り消し済みであることを示す状態に変化する。
【0079】
「いいえ」ボタンBT72が操作された場合には、対象の誤取引が取引実績から取り消されることなく、誤取引リスト画面WD50の表示に戻るようにされる。この場合、誤取引リスト画面WD50における1行目のリスト項目はグレーアウトでない状態を維持している。
【0080】
取消実行確認画面WD70の「はい」ボタンBT71が操作されことで対象の誤取引が取引実績から取り消しされた場合、POS端末20は、上記のように誤取引リスト画面WD50に表示を戻すとともに、誤取引取消レシートを発行する。誤取引取消レシートは、今回において取引実績から取り消された誤取引の内容を示すレシートである。
図15は、誤取引取消レシートの一例を示している。同図は、
図12の誤取引リスト画面WD50における1行目のリスト項目の誤取引の取り消しに応じて発行された誤取引取消レシートの例を示している。
同図の誤取引取消レシートにおける取引番号は「#10989」となっている。つまり、取引実績から取り消された誤取引は、取引実績において売上等には計上されない無効な取引となるのであるが、取り消しの行われた取引としての履歴は残される。誤取引取消レシートにおける「#10989」との取引番号は、取り消しの行われた取引に対して付与された取引番号である。
これに対して、先に取引実績に登録された同じ誤取引に付与された取引番号は「#14728」であり、対応の正取引に付与された取引番号は「#14729」である。つまり、取引実績から取り消されたことに応じて誤取引に付与された取引番号は、取引実績に登録された同じ誤取引及び対応の正取引に付与された取引番号と特に関連していなくともよい。
また、誤取引対応レシートにおいては、「取消」との見出しの下側に続けて、
図9(A)の誤取引対応レシートの内容が示される。
【0081】
図16は、取引管理装置40が記憶する取引実績情報の一例を示している。取引実績情報は、取引ごとに対応する単位取引情報を含む。1の取引に対応する単位取引情報は、取引番号、会計情報、誤取引フラグ、誤取引発生理由、及び取消フラグの領域を含む。
取引番号の領域は、対応の取引に付与された取引番号を格納する。
会計情報の領域は、対応の取引の会計情報を格納する。会計情報は、正常に会計(商品登録、精算)が完了している取引(正取引を含む)である場合には、商品登録結果と精算結果とを含む内容である。会計情報は、対応の取引が誤取引である場合には、商品登録結果を含み精算結果を含まない内容である。
誤取引フラグの領域は、誤取引フラグを格納する。誤取引フラグは、対応の取引が誤取引として登録されていることを示すフラグである。
誤取引発生理由の領域は、対応の取引が誤取引として登録された場合において、当該誤取引に対応付けられた誤取引発生理由を格納する。
取消フラグの領域は、取消フラグを格納する。取消フラグは、対応の取引が誤取引として登録されたうえで、その後、取引実績からの取り消しが行われたことに応じて、取り消し済みであることを示すフラグである。
【0082】
図17のフローチャートを参照して、本実施形態のPOS端末20が誤取引に対応して実行する会計処理の手順例について説明する。
ステップS100:客は、精算を受けるにあたり、ハンディターミナルを操作する店員から受け取った精算カードを所持してPOS端末20が設置された場所に赴き、POS端末20を操作する精算担当の店員に精算カードを手渡す。精算担当の店員は、客から手渡された精算カードのカード番号をPOS端末20に入力する操作を行う。POS端末20は、店員の操作により入力されたカード番号を受け付ける。
【0083】
ステップS102:POS端末20は、入力されたカード番号に対応付けられた取引の商品登録情報を取引管理装置40から取得する。このため、POS端末20は、入力されたカード番号を含む商品登録情報要求を取引管理装置40に送信する。取引管理装置40は、自己が記憶する商品登録情報のうちから、受信した商品登録情報要求に含まれるカード番号に対応付けられた商品登録情報を検索する。取引管理装置40は、検索した商品登録情報を、POS端末20に送信する。
【0084】
ステップS104:POS端末20は、店員側表示部210にて商品登録画面(
図5)を表示させる。当該ステップS104により表示された商品登録画面の商品登録内容エリアAR10においては、ステップS102により取得された商品登録情報の内容が反映される。
【0085】
ステップS106:ステップS104により商品登録情報が表示されている状態において、ステップS104により表示された商品登録画面が対応する取引に誤りのあることが判明した。この場合、店員は商品登録画面における誤取引対応ボタンBT11を操作する。POS端末20は、誤取引対応ボタンBT11の操作(誤取引対応指示操作)を受け付ける。なお、誤取引対応指示操作としては、誤取引対応ボタンBT11の操作以外の所定の操作であってよい。
【0086】
ステップS108:ステップS106にて誤取引対応指示操作を受け付けたことに応じて、印刷部213に誤取引対応レシート(
図9(A))を発行させる。当該ステップS108により発行される誤取引対応レシートには、ステップS102にて取得された商品登録情報が示す商品登録結果の内容が示される。
【0087】
ステップS110:また、POS端末20は、ステップS106にて誤取引対応指示操作を受け付けたことに応じて、誤取引対応画面WD20(
図6)を表示させる。
【0088】
ステップS112:店員は、ステップS110により表示された誤取引対応画面WD20の理由選択エリアAR22において提示されている誤取引発生理由の選択肢のうちから、今回判明した誤取引に該当する誤取引発生理由の選択肢を選択する操作を行う。POS端末20は、操作による誤取引発生理由の選択を受け付ける。
ステップS114:店員は、誤取引発生理由の選択肢を選択する操作を行ったうえで、誤取引対応画面WD20に配置された確定ボタンBT21に対する操作(誤取引発生理由の確定操作)を行う。POS端末20は、誤取引発生理由の確定操作を受け付ける。
【0089】
ステップS116:誤取引発生理由の確定操作を受け付けたことに応じて、POS端末20は、今回のステップS102により取得した商品登録情報が対応する取引を、誤取引として取引実績に登録させる処理を実行する。この際、POS端末20は、取引管理装置40に誤取引登録要求を送信する。誤取引登録要求は、今回のステップS102にて取得した商品登録情報と今回のステップS112にて選択を受け付けた誤取引発生理由とを含む。
取引管理装置40は、受信された誤取引登録要求から商品登録情報を取得する。取引管理装置40は、取得した商品登録情報に含まれる取引番号と、取得した商品登録情報における商品登録結果の内容を示す会計情報と、誤取引であることを示す誤取引フラグとを格納した取引実績情報を記憶する。このようにして誤取引の登録が行われる。
【0090】
ステップS118:誤取引発生理由の確定操作を受け付けたことに応じて、POS端末20は、正取引生成確認画面WD30(
図7)を表示させる。
ステップS120:POS端末20は、正取引生成確認画面WD30を表示させた状態のもとで、正取引の生成を宣言する操作(正取引生成宣言操作)が行われたか否かを判定する。正取引生成宣言操作は、正取引生成確認画面WD30における「はい」ボタンBT31に対売る操作である。
正取引生成確認画面WD30における「いいえ」ボタンBT32が操作された場合、POS端末20は、ステップS120にて正取引生成宣言操作が行われなかったと判定する。つまり、この場合のPOS端末20は、正取引を生成することなく、今回の取引に応じた会計を完了させることの宣言が行われたと判定する。この場合、POS端末20は、ステップS116~S122の処理をスキップして同図の処理を終了する。
【0091】
ステップS122:正取引生成宣言操作が行われたと判定された場合、POS端末20は、正取引生成用の商品登録画面を表示させる。
【0092】
ステップS124:店員は、正取引生成用の商品登録画面に対して誤りが訂正された内容となるように商品登録の操作を行う。このような商品登録の操作に応じて、POS端末20は、正取引生成処理を実行する。具体的に、POS端末20は、正取引生成処理として、正取引生成用の商品登録画面に対して行われる正取引対応の商品登録の操作に応じて、正取引に対応する商品登録情報を生成する処理である。
【0093】
ステップS126:客は、ステップS124により生成された正取引に応じて、POS端末20に対して精算の操作を行う。この際、客側表示部205には、客向けの精算画面が表示されてよい。精算画面には、客の精算に応じた操作や案内の表示が行われる。POS端末20は、客による精算の操作に応じて精算処理を実行する。
【0094】
ステップS128:ステップS216により正取引に対応した精算処理の完了に応じて、POS端末20は、印刷部213に正取引対応レシート(
図9(B))を発行させる。正取引対応レシートには、正取引に対応した会計(商品登録及び精算)の内容が示される。
【0095】
図18のフローチャートを参照して、取引実績からの誤取引の取り消しに応じて本実施形態のPOS端末20が実行する処理手順例について説明する。同図の処理はPOS端末20がメンテナンスモードとされて、店員側表示部210にメンテナンス画面(
図10)を表示させている状態のもとで実行される。
ステップS200:取引実績から誤取引を取り消す場合、店員は、メンテナンス画面における誤取引取消ボタンBT15を操作する。POS端末20は、誤取引取消ボタンBT15に対する操作を誤取引取消指示操作として受け付ける。
ステップS202:ステップS200にて誤取引取消指示操作を受け付けたことに応じて、POS端末20は、誤取引取消画面WD40(
図11)を表示させる。
【0096】
ステップS204:店員は、表示された誤取引取消画面WD40に対して取消対象とする誤取引を指定する操作を行うことになる。ここでは、取消対象の誤取引を指定する操作として、誤取引リスト画面を表示させ、誤取引リスト画面において示される誤取引のリストから取消対象の誤取引を指定する操作が行われる場合の処理手順例について説明する。
この場合、店員は、誤取引リスト画面を表示させるために誤取引取消画面WD40における誤取引リスト表示ボタンBT42を操作する。POS端末20は、誤取引リスト表示ボタンBT42に対して行われた操作を、誤取引一覧表示指示操作として受け付ける。
ステップS206:POS端末20は、ステップS204にて誤取引一覧表示指示操作を受け付けたことに応じて、誤取引リスト画面(
図12)を表示させる。
【0097】
ステップS208:店員は、表示された誤取引リスト画面において配置される誤取引のリスト項目のうちで取消対象とする誤取引のリスト項目にて配置された確認ボタンBT51を操作する。確認ボタンBT51が操作されたことに応じて、POS端末20は、操作された確認ボタンBT51が配置されたリスト項目に対応する誤取引を取消対象として設定する。そのうえで、POS端末20は、取消対象とした誤取引に対応する取引内容確認画面(
図13)を表示させる。
【0098】
ステップS210:表示された取引内容確認画面においては、取消対象の誤取引の会計結果(商品登録結果)の内容と、正取引における会計結果(商品登録結果、精算処理結果)の内容とが提示される。店員は、提示された取消対象の誤取引の会計結果の内容と正取引における会計結果の内容とを確認する。店員は、確認の結果、取消対象の誤取引の会計結果の内容と正取引における会計結果の内容とについて間違いのないことを確認すれば確認ボタンBT61を操作し、何らかの間違いがあればキャンセルボタンBT62を操作する。ここでは、確認ボタンBT61が操作された場合の処理について説明する。
POS端末20は、確認ボタンBT61に対する操作を取引内容確認操作として受け付ける。
【0099】
ステップS212:ステップS210により取引内容確認操作を受け付けたことに応じて、POS端末20は、取消実行確認画面WD70(
図14)を表示させる。
ステップS214:店員は、表示された取消実行確認画面WD70に対する操作として、このまま取消対象の誤取引を取り消す処理を実行させる場合には「はい」ボタンBT71を操作し、取消対象の誤取引を取り消さないこととした場合には「いいえ」ボタンBT72を操作する。ここでは、「はい」ボタンBT71が操作された場合の処理について説明する。POS端末20は、「はい」ボタンBT71に対する操作を、取消実行指示操作として受け付ける。
【0100】
ステップS216:POS端末20は、ステップS214にて取消実行指示操作を受け付けたことに応じて、取消対象とされた誤取引を取引実績から取り消させる処理(誤取引取消処理)を実行する。POS端末20は、誤取引取消処理として、対応の誤取引に付与された取引番号を含む誤取引取消要求を取引管理装置40に送信する。
取引管理装置40は、受信された誤取引取消要求に含まれる取引番号を抽出する。取引管理装置40は、抽出した取引番号を格納する単位取引情報を取引実績情報から検索する。取引管理装置40は、検索した取引単位情報に対して、取り消し済みを示す取消フラグを格納する。このようにして、取引実績からの誤取引の取り消しが行われる。
【0101】
ステップS218:POS端末20は、ステップS216により誤取引取消処理を実行したことに応じて、誤取引リスト画面を再度表示させる。当該ステップS218にて表示される誤取引リスト画面においては、ステップS216により取り消し済みとなった誤取引のリスト項目がグレーアウトで表示され、取り消し済みであることを示す状態に変化している。
ステップS220:また、POS端末20は、ステップS216により誤取引取消処理を実行したことに応じて、印刷部213により誤取引取消レシート(
図15)を発行させる。
【0102】
<第2実施形態>
上記の第1実施形態は、精算処理に移行する前の段階にて、誤取引の登録を行う場合を例に挙げた。しかしながら、例えば店員が次へボタンBT14を操作してPOS端末20を精算処理に移行させてから、対応の取引に誤りのあることが判明する場合がある。そこで、本実施形態においては、精算処理が行われた後においても誤取引への対応が可能なようにされる。
精算処理に移行してから対応の取引に誤りのあることが判明した場合、店員は、商品登録画面(
図5)において配置されている誤取引対応ボタンBT12を操作する。誤取引対応ボタンBT12は、精算処理に移行してから誤取引対応を行う場合に操作されるボタンである。精算処理に移行した後においては、POS端末20は、客による精算に応じた決済種別選択や入金等の操作を受け付け可能となる。この場合、客には、精算を完了してもらってよく、店員は、精算が完了してから誤取引対応ボタンBT12を操作するようにされてよい。
【0103】
誤取引対応ボタンBT12が操作されたことに応じて、POS端末20は、
図6~
図8による説明に準じて、精算完了後に対応する誤取引対応画面、正取引生成確認画面の表示を行い、誤取引の登録と、誤取引の登録に続く正取引の生成を行うことができる。
【0104】
また、この場合のPOS端末20は、例えば精算完了後に対応する誤取引対応画面に配置された確定ボタンBT21の操作に応じて精算完了後に対応する誤取引対応の登録を行ったことに応じて、誤取引に対応して完了している精算において客により支払われた代金の返金処理を実行する。精算において客が利用した決済種別が現金である場合には、POS端末20は、支払われた代金に応じた貨幣を釣銭機209から排出させる。客は、排出された現金を受け取る。
【0105】
精算完了後に対応する誤取引の登録に応じても、POS端末20は、誤取引対応レシートを発行する。図示は省略するが、精算完了後の誤取引対応レシートにおいては、例えば「会計後レジミス」といったように、精算完了後の誤取引対応レシートであることを示す内容が印刷されている。また、精算完了後の誤取引対応レシートには、客が一旦支払った代金を払い戻した金額を示す出金項目も印刷されてよい。
このようにして精算完了後の誤取引の登録が行われた後において、POS端末20は、
図7、
図8の説明に準じて、店員の操作に応じて正取引の登録を行う。
【0106】
精算完了後の誤取引の登録についても、POS端末20は、
図10、
図11にて説明したのと同様の手順により、店員の操作に応じて取り消しを行うことが可能とされる。
【0107】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上記の第1実施形態または第2実施形態と組み合わされてよい。
釣銭機209は釣銭用の貨幣が収納されるドロアを有する。店員が商品登録と精算の操作とを行うようにされたPOS端末である場合、釣銭機のドロアは、精算にあたって現金決済が行われる場合に引き出され(開けられ)、客から渡された預り金の収容、釣銭の取り出し等が行われる。
本実施形態のように通常モードで動作するPOS端末20では、ドロアが開けられるのは、上記のような会計における精算以外で業務上必要となる所定の状況が生じた場合となる。このように精算以外でドロアが開けられる場合としては、例えば、ニアエンドの状態となったことに応じて店員がドロアに不足の貨幣の補充(入金)を行う場合、ニアフルの状態となったことで店員がドロアから必要枚数の貨幣の取り出し(出金)を行う場合、他のニアエンドのPOS端末20に補充する貨幣の取り出し(出金)を店員が行う場合などとなる。
【0108】
上記のように、本実施形態のPOS端末20のドロアが開けられる場合としては、上記のように精算以外の特殊な状況に対応して店員が行うものとなる。このため、ドロアを開ける操作に関しては高い保全性で管理されることが好ましい。
そこで、本実施形態のPOS端末20は、ドロアを開けること(ドロアオープン)を指示する操作が行われたことに応じて、操作者にドロアを開けた理由の入力を求めるようにする。
【0109】
ドロアオープンを指示する操作は、商品登録画面(
図5)において配置されるドロアオープンボタンBT13に対する操作となる。例えば店員が或る事情でドロアを開ける必要が生じた場合に、店員はドロアオープンボタンBT13を操作する。
ドロアオープンボタンBT13が操作されたことに応じて、POS端末20は、今回のドロアオープンに対応する理由を選択させるためのドロアオープン理由選択画面を表示させる。ドロアオープン理由選択画面は、商品登録画面上に重畳して表示されるウィンドウ形式であってよい。
ドロアオープン理由選択画面においては、ドロアオープンに対応する理由の選択肢(オープン理由選択肢)が配置されている。オープン理由選択肢は、例えば上記のニアエンドに応じた入金、ニアフルに応じた出金、他のPOS端末20に補充する貨幣の出金などを含んでよい。
店員は、ドロアオープン理由選択画面において配置されるオープン理由選択肢のうちから、該当する理由のオープン理由選択肢を選択したうえで、ドロアオープンの実行を指示する操作(例えばドロアオープン理由選択画面に配置されたオープン実行ボタンに対する操作)を行う。
ドロアオープンの実行を指示する操作に応じて、POS端末20は、ドロアを開ける制御を実行する。つまり、本実施形態においては、ドロアオープン理由の入力がなければドロアを開けることができないようにされている。
店員は、ドロアが開けられると、必要な作業を行う。一例として、ドロアがニアフルの状態となったことに応じてドロアを開けた場合、店員は、ニアフルの状態となった金種の貨幣について有る所定枚数引き出す作業を行う。
また、POS端末20は、ドロアが開けられたことに応じて、ドロアが開けられたことの履歴の情報(ドロアオープン履歴情報)を取引管理装置40に記憶させてよい。ドロアオープン履歴情報には、ドロアが開けられた時刻、ドロアオープン理由、担当の店員などの情報が含まれてよい。
このような処理が実行されることで、ドロアオープンに関して一定以上の保全性を保つことができる。
【0110】
なお、第3実施形態の構成は、店員が商品登録と精算の操作を行うようにされたPOS端末20においても、預り金の収容や釣銭の取り出し等の精算以外の状況でドロアを開ける操作が行われる場合に適用されてよい。
【0111】
<変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0112】
[第1変形例]
先の第1実施形態及び第2実施形態においては、1の誤取引の登録に対応して1の正取引を生成するようにされていた。本変形例では、1の誤取引の登録に対応して2以上の正取引の生成も可能なようにされてよい。
2以上の正取引の生成が必要となる場合としては、例えば、対象の取引について複数人での割り勘が客から求められた場合などを挙げることができる。
【0113】
[第2変形例]
図13の取引内容確認画面は、誤取引の取り消しの操作の流れにおいて表示されているが、取引内容確認画面は、例えば誤取引の取り消しの操作のときだけではなく、任意のタイミングで店員が操作することにより表示させることが可能とされてよい。この場合には、例えば誤取引が取引実績から取り消された後であっても、店員の操作に応じて、取り消された誤取引の内容と対応の正取引の内容とを比較可能に表示してよい。
【0114】
[第3変形例]
上記各実施形態においては、
図6から
図7の遷移として示したように、POS端末20は、誤取引発生理由の選択が行われたことに応じて正取引の生成に移行可能とされている。
これに対して本変形例は、例えば誤取引発生理由を対応付けて1の取引を誤取引としてまず登録しておいたうえで、その後において改めて、登録した誤取引に対応する正取引の生成を行えるようにされてよい。
この場合、店員によるPOS端末20に対する操作手順は、例えば先に登録した誤取引のうちから正取引の生成対象とする誤取引を選択し、選択した誤取引に対応する正取引を生成するというものであってよい。
あるいは、店員によるPOS端末20に対する操作手順は、例えばまず正取引に対応する内容の商品登録を行って正取引を生成したうえで、生成した正取引に対応付ける誤取引を、登録された誤取引のうちから指定するというものであってよい。
【0115】
[第4変形例]
上記各実施形態においてPOS端末20は、誤取引の発生に応じて、初期状態では商品が未登録の状態から店員の操作に応じて商品を登録することで誤取引に対応する正取引の生成を行うようにされている。そのうえで、POS端末20は、誤取引の実績について店員の操作に応じて取り消しを行うようにされていた。
本変形例においてPOS端末20は、商品が未登録の状態から商品の登録をしていくことで正取引を生成するのではなく、初期状態において対応の誤取引と同一の登録内容を予め反映させておいたうえで、店員の操作に応じて当該誤取引と同一の登録内容を正取引に応じた登録内容に変更(編集)することで正取引を生成可能とされてよい。
あるいは、POS端末20は、店員の操作に応じて、誤取引それ自体の商品登録内容を変更(編集)するようにして正取引を生成するようにされてもよい。この場合において、POS端末20は、誤取引の内容を上書きするようにして正取引を生成するようにすれば、誤取引を取り消す処理を実行しなくともよい。
【0116】
[第5変形例]
上記実施形態のPOS端末20は、通常モードとフルセルフモードとで切り替えが可能とされたうえで、通常モードが設定されることで、店員の操作に応じて商品登録を行い、客の操作に応じて精算を行うようにされたものである場合を例に挙げた。しかしながら、本実施形態におけるPOS端末は、例えば固定的に店員の操作に応じて商品登録を行い客の操作に応じて精算を行うように構成されたものであってもよい。あるいは、本実施形態におけるPOS端末は、店員が商品登録と精算とに対応する操作を行うようにされたものであってよい。
【0117】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、情報処理装置に関する。
[背景技術]
商品登録の内容を訂正した場合に商品登録の訂正の内容を記録しておくことが可能なようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平9-190581号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
誤りの生じた取引(誤取引)と、当該誤取引に対応して内容が訂正された正しい内容の取引(正取引)とが適正に管理されるようにすることが好ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、誤取引と正取引とが適正に管理されるようにすることを目的とする。
【0118】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、店員に対して取引に関する情報(例えば、商品登録画面等)を表示する表示手段と、1の取引を内容に誤りのある誤取引として設定する際に、当該1の取引が誤取引となる理由の入力を受け付ける理由受付手段(例えば、誤取引対応画面WD20の理由選択エリアAR22)と、前記理由受付手段が理由の入力を受け付けた前記誤取引としての1の取引に対応付けられた取引を、前記誤取引に対応して誤りが訂正された正取引として生成する生成手段とを備える情報処理装置(例えば、POS端末20)である。
【0119】
上記構成によれば、誤取引が発生したことの理由の入力が行われたうえで誤取引の登録(設定)と、当該誤取引に対応付けられた正取引の生成とが可能となるようにされる。これにより、誤取引に対応する処理の結果、対応の誤取引の発生した理由が保存されることになる。この結果、誤取引と正取引とが適正に管理されることとなる。
【0120】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の情報処理装置であって、前記表示手段は、取引の一覧を示す画面(例えば、誤取引リスト画面WD50)において、前記理由受付手段が受け付けた理由が付された誤取引と当該誤取引に対応する正取引との関連が示されるように所定の態様で表示する。
【0121】
上記構成によれば、誤取引リスト画面WD50の取引ごとに応じたリスト項目においては、対象の誤取引の情報と、当該誤取引に対応して生成された正取引の情報とを配置させることで、誤取引と対応の正取引との関連が示される。これにより、例えば店員は、誤取引の情報に加えて、対応関係にある正取引の情報についてもリスト項目上で確認しやすくなる。
【0122】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の情報処理装置であって、前記表示手段は、所定の操作により指定された誤取引の内容と当該誤取引に対応する正取引の内容とを並べて表示する。
【0123】
上記構成によれば、取引内容確認画面(
図13)においては、対象の誤取引の情報(誤取引内容エリアAR61)と、当該誤取引に対応して生成された正取引の情報(正取引内容エリアAR62)とを配置させることで、誤取引と対応の正取引との関連が示される。これにより、例えば店員は、誤取引の内容と、対応関係にある正取引の内容とを比較しやすくなる。
【0124】
(4)本実施形態の一態様は、(3)に記載の情報処理装置であって、前記表示手段は、所定の操作により指定された誤取引の内容と、当該誤取引に対応する正取引の内容とを、それぞれレシートの形式により表示する。
【0125】
上記構成によれば、取引内容確認画面(
図13)において、対象の誤取引の情報(誤取引内容エリアAR61)と、当該誤取引に対応して生成された正取引の情報(正取引内容エリアAR62)とが、店員の見慣れたレシート形式で表示されることから、店員が内容を把握しやすい。
【0126】
(5)本実施形態の一態様は、(3)または(4)に記載の情報処理装置であって、取引を取り消す取消操作を受け付ける取消手段を備え、前記表示手段は、前記取消手段が取消対象とする誤取引の指定を受け付けたことに応じて、取消対象として指定された誤取引の内容と当該誤取引に対応する正取引の内容とを表示する。
上記構成によれば、誤取引の取り消しを行う際に、対象の誤取引の情報(誤取引内容エリアAR61)と、当該誤取引に対応して生成された正取引の情報(正取引内容エリアAR62)とを店員に提示することが可能となり、例えば客が誤取引を取り消す操作を的確に行うことが可能となる。
【0127】
なお、以上に説明したPOS端末20、ストアコントローラ10、ハンディターミナル30、取引管理装置40、及び中継装置50等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末20、ストアコントローラ10、ハンディターミナル30、取引管理装置40、及び中継装置50等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 ストアコントローラ、20(20-1、20-2、20-3) POS端末、30 ハンディターミナル、50 中継装置、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ハードディスク、205 客側表示部、206 客側スキャナ部、208 カードリーダ、209 釣銭機、210 店員側表示部、211 キー操作部、212 店員側スキャナ部、213 印刷部、214 音声出力部、215 通信部、216 撮像部、217 サインポール