IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧 ▶ イグニション・ポイント株式会社の特許一覧

特開2023-9832表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法
<>
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図1
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図2
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図3
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図4
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図5
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図6
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図7A
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図7B
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図8
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図9A
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図9B
  • 特開-表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009832
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230113BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113437
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515309885
【氏名又は名称】イグニション・ポイント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】常田 稔
(72)【発明者】
【氏名】安田 鉄平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】小売業に関する業務指示を、適切に表示することができる表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法を提供する。
【解決手段】本開示の表示制御装置は、小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付ける受付部と、前記業務指示情報に基づいて、前記送信先における、前記指示の表示態様を決定する決定部と、決定された前記表示態様で前記指示を前記送信先の表示装置に表示させる表示情報を、前記送信先に対して送信する通信部と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付ける受付部と、
前記業務指示情報に基づいて、前記送信先における、前記指示の表示態様を決定する決定部と、
決定された前記表示態様で前記指示を前記送信先の表示装置に表示させる表示情報を、前記送信先に対して送信する通信部と、
を備える、表示制御装置。
【請求項2】
前記指示の内容は、前記小売業を営む小売店舗の業態、規模、および特性の少なくともいずれかに基づいてあらかじめ定められている、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記指示において設定されている、前記業務を実施すべき実施期間に基づいて、前記表示態様を決定する、
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記表示態様として、前記指示の表示の可否、または、前記指示を表示させる場合の表示順を決定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記指示の表示順として、複数の指示の表示位置の順番を決定する、
請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記指示の表示順として、複数の指示を表示させる時間的な順番を決定する、
請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記指示において設定されている、前記業務の種類および重要度に対応付けられた優先順位に基づいて、前記指示の表示順を決定する、
請求項4から6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記小売業を営む小売店舗、もしくは前記小売業を営む組織の一部署に設けられた前記表示装置、または、前記組織で業務を行う人物が所持する前記表示装置を前記送信先として、前記表示情報を送信する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記送信先に基づいて、前記組織で業務を行う複数の人物のそれぞれに対して、複数の前記指示の割り当てを行う割当部をさらに備え、
前記決定部は、前記割り当ての結果に基づいて、前記表示態様を決定する、
請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記割当部は、前記表示装置の現在位置に関する情報を外部から取得し、複数の前記表示装置の現在位置に基づいて、前記割り当てを行う、
請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記割当部は、複数の前記人物の現在の稼働状況を示す情報を外部から取得し、複数の前記人物の稼働状況に基づいて、前記割り当てを行う、
請求項9または10に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記決定部は、前記送信先において表示させる前記指示の件数が予め設定された上限を超えないように、前記表示態様を決定する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付ける受付部と、
前記送信先であって、前記指示に関する表示を行う表示部と、
前記業務指示情報に基づいて、前記表示部における、前記指示に関する表示の表示態様を決定する決定部と、
決定された前記表示態様で前記指示を前記表示部に表示させる表示情報を、前記表示部に対して送信する通信部と、
を備える、表示制御システム。
【請求項14】
コンピュータによって行われる表示制御方法であって、
前記コンピュータが、
小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付け、
前記業務指示情報に基づいて、前記送信先における、前記指示に関する表示の表示態様を決定し、
決定された前記表示態様で前記指示を前記送信先の表示装置に表示させる表示情報を、前記送信先に対して送信する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売業における業務指示に関する表示制御を行う表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の項目を1つの画面に表示する際、表示順を工夫することで、表示を見る者に項目の重要度の違いを一目で把握させることができる表示方法が普及している。例えば特許文献1には、複数のチャットルームをリスト表示する方法であって、チャットルーム毎の重要度を計算して、重要度に基づいて表示順を決定する表示方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-215865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小売業を営む小売組織において、本部から店舗へ業務指示を送り、店舗のスタッフに業務を遂行させることが行われている。この場合、各スタッフは自らに割り当てられた業務指示が表示された画面を閲覧することで、自らが遂行すべき業務を把握する。
【0005】
1人のスタッフに対して複数の業務指示が行われた場合、スタッフは業務指示の一覧が表示された画面を閲覧する。しかしながら、多数の業務指示が一覧表示された画面を閲覧しても、スタッフは、どの業務から着手すべきかを判断しにくい。
【0006】
小売業において、複数の業務指示のうち、どの業務指示から優先的に着手すべきかは、各業務の重要度だけでなく、様々な要素から決定される。様々な要素の例として、スタッフが既に有している業務(スタッフに対して既に指示が与えられている業務)の量、または、スタッフの勤務シフト等が挙げられる。このため、小売業に特有の様々な要素を考慮した上で、どの業務から着手すべきかを一目で把握できるような、適切な表示方法が要望されている。
【0007】
このような事情に鑑み、本開示は、小売業に関する業務指示を、適切に表示することができる表示制御装置、表示制御システム、および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示制御装置は、小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付ける受付部と、前記業務指示情報に基づいて、前記送信先における、前記指示の表示態様を決定する決定部と、決定された前記表示態様で前記指示を前記送信先の表示装置に表示させる表示情報を、前記送信先に対して送信する通信部と、を備える。
【0009】
本開示の表示制御システムは、小売業における業務の指示、および、前記前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付ける受付部と、前記送信先であって、前記指示に関する表示を行う表示部と、前記業務指示情報に基づいて、前記表示部における、前記指示に関する表示の表示態様を決定する決定部と、決定された前記表示態様で前記指示を前記表示部に表示させる表示情報を、前記表示部に対して送信する通信部と、を備える。
【0010】
本開示の表示制御方法は、コンピュータを含む表示制御装置における表示制御方法であって、前記コンピュータが、小売業における業務の指示、および、前記指示の送信先を少なくとも含む業務指示情報を受け付け、前記業務指示情報に基づいて、前記送信先における、前記指示に関する表示の表示態様を決定し、決定された前記表示態様で前記指示を前記送信先の表示装置に表示させる表示情報を、前記送信先に対して送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小売業に関する業務指示を、適切に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態に係る表示制御システムの構成の一例を示す図
図2】業務管理装置の構成の一例を示す図
図3】表示装置の構成の一例を示す図
図4】表示制御装置の構成の一例を示す図
図5】登録画面の例を示す図
図6】業務管理装置における、業務指示発出処理について説明するためのフローチャート
図7A】業務指示作成画面の例を示す図
図7B】業務指示作成画面の他の例を示す図
図8】表示制御装置における表示態様決定処理について説明するためのフローチャート
図9A】表示画面の例を示す図
図9B】表示画面の例を示す図
図10】報知内容がポップアップ表示されている報知画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明、例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明等は省略する場合がある。
【0014】
なお、以下の説明および参照される図面は、当業者が本発明を理解するために提供されるものであって、本発明の請求の範囲を限定するためのものではない。
【0015】
<構成>
図1は、本開示の実施の形態に係る表示制御システム100の構成の一例を示す図である。図1に示すように、表示制御システム100は、本部および複数の店舗からなる小売業を営む組織(以下、小売組織)において利用される。小売組織は、例えば複数の店舗において同じ名称(例えば、組織名)の看板を掲げ、複数の店舗において規格化された共通の仕入れ方法および運営方法等を実行する組織である。
【0016】
本部は、当該小売組織全体を運営および管理する部署である。店舗は、本部が決定した運営方針に基づき、運営される小売店舗である。店舗の例としては、総合スーパー(General Merchandise Store、GMS)、スーパーマーケット(SuperMarket、SM)、ホームセンター、コンビニエンスストア等、様々な規模の小売店舗が挙げられる。なお、店舗は卸売り店舗でも良い。
【0017】
図1に示す例では、説明の便宜上、店舗が1つのみ示されているが、本開示の表示制御システム100は、本部及び複数の店舗からなる小売組織で利用されてもよい。なお、店舗の数に関わらず、本部が複数ある小売組織で利用されてもよい。また、本部と店舗との間に、複数の店舗を含む1つの地域を統括する地域統括部等の他の部署が含まれていてもよい。
【0018】
本部には、店舗のスタッフ等に対して業務指示の発出を行う、指示者が所属している。指示者の例としては、いくつかの店舗を受け持ち、本部と各店舗との間でビジネスを円滑化させる役割を持つ担当者(いわゆる「スーパーバイザー」)が挙げられる。なお、本実施の形態では、指示者が本部に所属しているものとして説明を行うが、本開示では、指示者は必ずしも本部に所属していなくともよく、店舗または地域統括部等の部署に所属する人物であってもよい。すなわち、本開示において、指示者には、スーパーバイザーの他、複数店舗を含む地域の業務を統括する地域責任者(いわゆる「エリアマネージャー」)、1つの店舗の業務を統括する店舗責任者(例えば店長)、店舗内の一部署の業務を統括する部署責任者等が含まれる。なお、以下の説明において、店舗責任者には、部署責任者が含まれるものとする。
【0019】
本実施の形態において、スタッフとは、店舗に所属し、業務指示により指示された業務を遂行する人物である。本実施の形態において、スタッフには、店舗で業務を遂行する、店舗責任者以外の全ての人物が含まれうる。スタッフには、小売組織の正社員およびアルバイトが含まれる。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、スタッフには店舗責任者が含まれないとして説明を行うが、本開示ではスタッフに店舗責任者が含まれてもよい。この場合、店舗責任者が本部から業務指示を受け、指示された業務を遂行することになる。
【0020】
本実施の形態におけるスタッフは、本開示における、組織で業務を行う人物の一例である。この場合の組織とは、小売業を営む組織(小売組織)である。本実施の形態では、スタッフは、店舗に所属する人物であるとしたが、本開示では、スタッフは、店舗に所属していなくともよく、例えば通信販売等の無店舗販売に携わる人物であってもよい。また、スタッフは店舗に出勤して働く人物だけでなく、例えばインターネット等のネットワークを通じて自宅等から店舗のシステムにアクセスして仕事を行う人物、言い換えるといわゆるリモートワークを行う人物であってもよい。
【0021】
なお、本部には、上述の指示者以外に、表示制御システム100の管理業務を行うシステム管理者が所属していてもよい。本実施の形態では、システム管理者は、表示制御システム100の管理業務のみを行い、業務指示の発出は行わない。従って、本実施の形態では、システム管理者と指示者とは別人である。しかしながら、本開示では必ずしも指示者とシステム管理者とが別人でなくてもよく、指示者とシステム管理者とを兼任する人物がいてもよい。
【0022】
図1に示すように、本部には業務管理装置10が設置されている。一方、店舗には表示装置20が設置されている。本部の業務管理装置10と、店舗の表示装置20とは、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークNは例えばインターネット、またはイントラネットである。
【0023】
業務管理装置10、および表示装置20には、ネットワークNを介して、表示制御装置30が互いに通信可能に接続されている。図1に示す例では、表示制御装置30は、本部でも店舗でもない場所に設置されているが、表示制御装置30が本部または店舗に設置されていてもよい。また、表示制御装置30は、例えばいわゆるクラウドコンピューティングによって実現される仮想的なコンピュータによって構成されていてもよい。また、業務管理装置10と表示制御装置30とが一体に構成されていてもよい。この場合、業務管理装置10および表示制御装置30は本部に設置されていればよい。さらに、表示制御装置30は、表示装置20と一体に構成されていてもよい。この場合、表示制御装置30および表示装置20は、店舗に設置されていればよい。
【0024】
[業務管理装置10]
業務管理装置10は、指示者がスタッフに対する業務指示を生成する際に使用するコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC))である。図2は、業務管理装置10の構成の一例を示す図である。図2に示すように、業務管理装置10は、通信部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、制御部15と、を有する。
【0025】
通信部11は、ネットワークNを介して、表示装置20および表示制御装置と通信を行う。記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ、またはSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等のストレージの少なくともいずれかである。
【0026】
操作部13は、業務管理装置10を使用する指示者の操作を受け付ける操作デバイスである。操作部13は、例えば、マウス、キーボード、マイク、カメラ等である。操作部13がマイクである場合、マイクは指示者の音声による指示の入力を受け付ける。この場合、例えば制御部15が指示者の音声に対して音声認識処理を行うことにより、指示内容が受け付けられる。また、操作部13がカメラである場合、カメラは指示者の指、手、または視線等の動きを撮影することで指示の入力を受け付ける。この場合、例えば制御部15が画像認識処理によって指示者の動きを検出し、あらかじめ登録された動きと指示者の動きとを照合することで指示内容が受け付けられる。
【0027】
表示部14は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスであり、タッチパネルであってもよい。表示部14がタッチパネルで構成される場合、表示部14は操作部13を兼ねることができるので、業務管理装置10は、操作部13を備えなくてもよい。
【0028】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理を行う。
【0029】
制御部15は、業務情報登録部151と、業務指示生成部152と、業務評価部153と、を有する。
【0030】
業務情報登録部151は、表示制御システム100が利用される小売組織において、スタッフに対して指示される可能性がある業務に関する情報の登録を受け付ける。表示制御システム100スタッフに対して指示される可能性がある業務に関する情報を、業務情報登録部151を用いてあらかじめ登録しておくことで、指示者がスタッフに対して業務指示を発出する業務指示発出処理(詳細は後述)の際に、登録された業務の中から指示する業務を選択することができる。これにより、指示者が業務指示発出処理の際に、指示する業務に関する情報を一から入力する手間を省略することができる。
【0031】
業務情報登録部151を用いた業務情報登録処理の詳細については、後述する。
【0032】
業務指示生成部152は、業務指示発出処理において、指示者の操作内容に基づいて、スタッフに対して業務を指示する業務指示情報を生成する。業務指示情報には、スタッフに対する業務指示、および、業務指示の送信先が含まれる。
【0033】
業務指示の送信先は、換言すれば、業務指示が送信される対象を指定する情報である。具体例を挙げると、業務指示の送信先は、例えば業務指示が与えられるスタッフが所属する店舗または部署に設置された表示装置20である。または、業務指示の送信先は、業務指示が与えられるスタッフが所持する表示装置20である。業務指示の送信先が、スタッフが所属する店舗または部署に設置された表示装置20である場合、後述の表示制御装置30の割当部333が、店舗または部署に所属するスタッフの稼働状況等を考慮して、各スタッフに業務指示の割り当てを行う。稼働状況とは、スタッフが出勤しているか否か、業務の遂行中であるか否か、休憩中であるか否か等、スタッフの現在の状況である。なお、この場合、割当部333の代わりに、店舗責任者が手動で各スタッフに対する業務指示の割り当てを行ってもよい。
【0034】
指示者は、業務指示発出処理の際、操作部13を用いて、あらかじめ登録されている業務情報に基づいて指示する業務を選択するとともに、業務の送信先を指定する。これにより、業務指示情報が生成される。生成された業務指示情報は、通信部11によって、ネットワークを介して指定された送信先へ送信される。
【0035】
業務評価部153は、指示された業務をスタッフが完了した後に表示装置20によって作成される業務完了報告に基づいて、完了した業務毎にスタッフの評価を行う。業務評価部153は、例えば業務完了報告に含まれる、業務を達成した度合い、または掛かった時間等に基づいて、スタッフの評価を行い、評価情報を生成する。業務評価部153が生成した評価情報は、記憶部12等に記憶される。
【0036】
[表示装置20]
表示装置20は、店舗またはスタッフに対して発出された業務指示を表示する装置である。表示装置20は、例えば店舗の事務所、または店舗責任者の部屋等に設置された、据え置き型のコンピュータ(PC等)である。または、表示装置20は、店舗に所属するスタッフが所持するスマートフォンまたはタブレット端末等の携帯端末装置である。
【0037】
図3は、表示装置20の構成の一例を示す図である。図3に示すように、表示装置20は、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、制御部25と、を有する。
【0038】
通信部21は、ネットワークNを介して、表示制御システム100の他の構成と通信を行う。記憶部22は、例えばRAM、ROM等のメモリ、またはSSDやHDD等のストレージの少なくともいずれかである。操作部23は、表示装置20を使用するスタッフの操作を受け付ける操作デバイスである。操作部23は、例えば、マウス、キーボード、マイク、カメラ等である。操作部23がマイクまたはカメラである場合の、スタッフによる操作の受け付け方法は、上述した操作部13がマイクまたはカメラである場合の、指示者による操作の受け付け方法と同様にすればよい。
【0039】
表示部24は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスであり、タッチパネルであってもよい。表示部24がタッチパネルで構成される場合、表示部24は操作部23を兼ねることができるので、表示装置20は、操作部23を備えなくてもよい。
【0040】
制御部25は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理を行う。制御部25は、表示装置20において動作する業務管理アプリケーション(以下、業務管理アプリ)の動作制御を行う。
【0041】
業務管理アプリは、スタッフが自らに与えられた業務指示を管理するためのアプリケーションである。業務管理アプリが行う動作には、少なくとも、スタッフまたは店舗責任者の個人認証を行う動作と、表示部24における表示制御を行う動作と、スタッフが指示された業務を完了した後、スタッフの操作に基づいて、業務完了報告を作成して業務管理装置10に送信する動作と、が含まれる。なお、表示装置20において、業務管理アプリが表示部24に表示させる画面の表示内容は、後述の表示制御装置30によって決定されている。すなわち、業務管理アプリは、表示制御装置30が決定した表示内容を表示部24に表示させる動作を行う。
【0042】
スタッフまたは店舗責任者は表示装置20を利用する際、業務管理アプリを起動し、業務管理アプリにログインする。ログインの際にはパスワードによる認証、個人情報による認証等、生体情報(顔、指紋、声紋等)による個人認証が行われる。認証に必要な情報は、あらかじめ表示装置20の記憶部22に記憶されている。
【0043】
スタッフまたは店舗責任者が業務管理アプリへのログインに成功した後、業務管理アプリは、後述する表示制御装置30からの表示情報に基づいて、当該スタッフまたは店舗責任者に割り振られている業務指示の内容、および、業務を行うべき期間または期限等、業務指示に関する内容を含む画面を表示部24に表示させる。これにより、スタッフは、自らに与えられた業務指示を把握することができる。または、店舗責任者は、所属する店舗または部署に割り当てられた業務指示を把握することができる。
【0044】
また、表示装置20で動作する業務管理アプリは、操作部23を介したスタッフの操作に基づいて、スタッフが完了させた業務を報告するための業務完了報告を作成し、本部の業務管理装置10に対して送信する。
【0045】
なお、表示装置20で動作する業務管理アプリは、業務を遂行のために用いられる機能をさらに有していてもよい。例えば、業務管理アプリは、店舗の倉庫に保管されている商品の在庫数を確認する棚卸業務の際に、商品に付与されたバーコードを表示装置20のカメラ機能等を用いて読み取ることで商品を識別する機能を有していてもよい。
【0046】
[表示制御装置30]
表示制御装置30は、業務管理装置10が生成した業務指示情報等に基づいて、表示装置20の表示部24の表示制御を行うための表示情報を自動的に生成するコンピュータ(例えば、PC、またはクラウドコンピューティングにより実現される仮想的なコンピュータ)である。図4は、表示制御装置30の構成の一例を示す図である。図4に示すように、表示制御装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を有する。
【0047】
通信部31は、ネットワークNを介して、表示制御システム100の他の構成と通信を行う。記憶部32は、例えばRAM、ROM等のメモリ、またはSSDやHDD等のストレージの少なくともいずれかである。
【0048】
制御部33は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理を行う。図4に示すように、制御部33は、受付部331と、稼働状況検出部332と、割当部333と、決定部334と、表示情報生成部335と、を有する。詳細は後述の動作例で説明するが、各機能部の機能の概要はそれぞれ次のとおりである。
【0049】
受付部331は、業務管理装置10が指示者の操作に基づいて生成した業務指示情報を受け付ける。
【0050】
稼働状況検出部332は、業務指示を割り当てる候補となる全スタッフの稼働状況を検出する。
【0051】
割当部333は、受付部331が受け付けた業務指示情報における業務指示を、割り当て可能ないずれかのスタッフに割り当てる。
【0052】
決定部334は、受付部331が受け付けた業務指示情報に含まれる業務指示を、割当部333が割り当てることを決めたスタッフが所持する表示装置20に表示させる際の表示態様を決定する。
【0053】
表示情報生成部335は、決定部334が決定した表示態様に基づいて、表示装置20の表示制御のための表示情報を生成する。
【0054】
<動作例>
[業務情報登録処理]
表示制御システム100の運用開始前に、システム管理者または指示者によって、業務情報登録処理が行われる。業務情報登録処理は、表示制御システム100が利用される小売組織において、スタッフに対して指示される可能性がある業務または業務指示に関する各種情報(以下、業務情報)を、表示制御システム100の運用開始前に登録する処理である。
【0055】
より詳細には、システム管理者または指示者が、業務管理装置10の操作部13を用いて業務情報を登録する操作を行うと、業務情報登録部151が、記憶部12の業務情報データベースに業務情報を登録する。なお、業務情報データベースは記憶部12ではなく、例えば業務管理装置10外部の記憶装置に設けられていてもよい。
【0056】
業務情報登録処理で登録される各種情報は、本システムが適用される店舗の業態(スーパーマーケット、ホームセンター、またはショッピングセンター等)、規模(大規模店舗、中規模店舗、または小規模店舗など)、または特性(よく売れる商品の傾向等)に基づく情報である。以下では、業務情報登録処理において、表示制御システム100に登録される情報の具体例を説明する。
【0057】
なお、本実施の形態では、表示制御システム100が利用される小売組織の全体に適用される情報を登録する第1業務情報登録処理と、小売組織の一部にのみ適用される情報を登録する第2業務情報登録処理の2種類の業務情報登録処理が存在する。
【0058】
第1業務情報登録処理は、表示制御システム100が利用される小売組織全体で行われる業務に関する情報を登録する処理である。例えば小売組織が全国に店舗を展開する組織である場合、小売組織全体で行われる業務は、例えば、全国の店舗で一斉に行われるキャンペーンの準備に関する業務、または、清掃のような基本業務である。第1業務情報登録処理は、例えば表示制御システム100の運用開始前に、初期設定として、システム管理者によって行われる。
【0059】
一方、第2業務情報登録処理は、例えば特定の地域や店舗等、表示制御システム100が利用される小売組織の一部で行われる業務に関する情報を登録する処理である。具体的には、第2業務情報登録処理で登録される情報は、特定の地域(例えば、降雪がある地域)の店舗のみで販売される商品の陳列、または店舗毎に独立して行われるセールの準備に関する業務である。第2業務情報登録処理は、例えば表示制御システム100の運用開始前、かつ第1業務情報登録処理の後に、指示者によって行われる。
【0060】
なお、本実施形態では、第1業務情報登録処理を行う人物がシステム管理者であるとして説明を行うが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば第1業務情報登録処理を、複数店舗が属する地域を統括する地域責任者、または店舗責任者等の指示者が行ってもよい。また、第1業務情報登録処理を、システム管理者と指示者の両方が行ってもよい。この場合、例えばシステム管理者が一旦第1業務情報登録処理を完了させた後、システム管理者が登録した情報を、指示者が更新するようにしてもよい。
【0061】
(第1業務情報登録処理)
まず、システム管理者による第1業務情報登録処理について説明する。システム管理者は、業務管理装置10の操作部13を介して、業務に関する情報を入力する。システム管理者が入力した情報は、業務情報登録部151によって受け付けられ、登録される。
【0062】
第1業務情報登録処理で登録される、業務に関する情報の具体例は、以下のとおりである。
【0063】
(1)業務内容
業務内容は、表示制御システム100が利用される小売組織において、スタッフに与えられる可能性がある業務の内容を示す情報である。業務内容の例として、品出し、店頭販売、棚卸、検品等が挙げられる。
【0064】
業務内容は、あらかじめ特定の基準により、少なくとも1層のカテゴリーに分類されていてもよい。カテゴリー分類の例としては、業務内容の大まかなくくりによる分類(例えば、販売業務、または清掃業務等)、後述する業務指示の種類による分類、業務が実施される場所(例えば、売り場、バックオフィス、サービスカウンター等)による分類等が挙げられる。
【0065】
図5は、第1業務情報登録処理における、業務内容を登録する際の登録画面500の例を示す図である。図5に例示した登録画面500は、第1業務情報登録処理が行われる際に、業務管理装置10の表示部14に表示される画面の例である。
【0066】
図5に示す登録画面500は、業務内容設定欄501と、新規追加ボタン502と、登録済み業務内容欄503と、を含む。業務内容設定欄501は、登録したい業務内容が含まれるカテゴリーをプルダウン形式で選択する、または登録したい業務内容を入力して対応するカテゴリーを検索することができる欄である。業務内容設定欄501において登録したい業務内容およびカテゴリーを設定した後、新規追加ボタン502が押下されると、業務内容設定欄501も設定された業務内容が登録済み業務内容欄503に表示される。これにより、業務内容のカテゴリー分類および登録が完了する。
【0067】
(2)工数
工数は、業務毎に予想される工数を示す情報である。工数の単位には、例えば人時が用いられる。人時とは、投入する人員の数と、1人あたりの業務の従事時間との積を表す値である。人時以外にも、人日(投入する人員の数と、1人あたりの業務の従事日数との積を表す)等の単位が用いられてもよい。システム管理者は、第1業務情報登録処理において、(1)で登録した業務内容と関連付けて、業務毎の工数を設定する。
【0068】
工数に加えて、複数人での分担が可能な業務であるか否かを設定可能としてもよい。分担不可に設定された業務は、1人のスタッフが遂行しなければならず、複数のスタッフで分担することはできない。分館可能に設定された業務は、複数人で分担して同時に進めることもできるし、あるスタッフが途中まで行った業務を他のスタッフが引き継いで行うこともできる。
【0069】
(3)レベル(難易度)
レベルは、業務毎の難易度を示す情報である。レベルの例としては、「上、中、下、初」の4段階が挙げられる。レベル「上」は難易度が比較的高い業務であり、比較的高いスキルを習得した人物が行うべきであることを示す。レベル「下」は難易度が比較的低い業務であり、比較的低いスキルしか習得していない人物でもできることを示す。レベル「中」はそれらの中間である。レベル「初」は、初心者でも行うことができるが、指導者の監督下で行うべき業務であることを示す。
【0070】
(4)種類
種類は、各業務がスタッフに指示される際、突発指示、任意指示、定型指示の3種類のうち、どの業務指示であるかを示す情報である。
【0071】
任意指示とは、新たに決定された事項(本部による店舗運営の方針決定または法改正等)に伴って発生しうる業務の指示である。このような業務の例としては、本部の方針決定に基づき、新製品を店頭でプロモーションする業務が挙げられる。
【0072】
定型指示とは、定期的に行うべき業務に関する指示である。このような業務の例としては、毎週日曜日に店舗の特設スペースへ特定の商品を品出しする業務が挙げられる。
【0073】
突発指示とは、突発的に生じる業務に関する指示である。このような業務の例としては、台風、地震、火事等の災害が発生した場合に、当該災害に対応するための業務(ガラスの保護、什器の固定等)、または、近隣店舗に万引きの常習犯が訪れた場合に、当該常習犯に警戒する業務が挙げられる。
【0074】
(5)重要度
重要度は、業務毎、または業務のカテゴリー毎の重要度合いを示す情報である。重要度の例としては、「高、中、低」の3段階が挙げられる。他よりも緊急性が高い業務、他よりも優先して行うべき業務には、高い重要度が与えられる。
【0075】
なお、業務毎の重要度に加えて、同じカテゴリーの業務内における重みを適宜設定できるようにしてもよい。重みの例としては、例えば、同じ重要度が設定されている品出し業務の中でも、肉類の品出し業務と青果類の品出し業務とで異なる重みを設定することが挙げられる。重みを設定することにより、同じ重要度のカテゴリーの業務の中での微妙な差別化を行うことができる。
【0076】
本実施の形態では、第1業務情報登録処理において登録する情報として、上述した(1)から(5)の各情報について説明したが、他の情報が第1業務情報登録処理において登録されてもよい。
【0077】
(第2業務情報登録処理)
次に、指示者が実行する第2業務情報登録処理について説明する。本実施の形態では、第2業務情報登録処理は、第1業務情報登録処理の後に行われることが想定されているが、本開示では、第2業務情報登録処理が第1業務情報登録処理よりも先に行われてもよい。また、第1業務情報登録処理を指示者が実行する場合、指示者は、第1業務情報登録処理と第2業務情報登録処理とをほぼ同時に行ってもよい。
【0078】
第2業務情報登録処理で登録される、業務に関する情報は、以下のとおりである。
【0079】
(a)設定件数
設定件数は、スタッフが所持する表示装置20に一度に表示させる業務指示の件数である。設定件数は、スタッフが所持する表示装置20にのみ適用される件数であって、店舗に設置された表示装置20に対しては適用されなくてもよい。設定件数が例えば3件に設定されている場合、あるスタッフに与えられた業務指示が実際には4件以上であっても、当該スタッフが所持する表示装置に一度に表示される件数は最大3件であり、4件目以降は表示されない。
【0080】
設定件数は、例えばスタッフが対応可能であると想定される業務の数に基づいて設定されてもよいし、スタッフが所持する表示装置20の画面の大きさに基づいて設定されてもよい。また、スタッフ毎に、または職位毎に異なる設定件数を設定できるようにしてもよい。例えば、上長クラスは5件、一般スタッフは3件等に設定することもできる。
【0081】
(b)優先順位
優先順位は、複数の業務の指示を表示装置20に表示させる際に、どの業務指示を優先して表示させるかを示す情報である。優先順位は、業務毎に指示者が任意で設定してもよいし、第1業務情報登録処理で業務毎に登録された重要度(および重み)を、指示者が地域または店舗に合わせて調整することで設定されてもよい。優先順位はすべての業務指示に対して設定されてもよいし、一部の業務指示に対してのみ設定されてもよい。
【0082】
(c)実施期間または期限
実施期間または期限は、業務毎に実施されるべき期間、または期限を設定した情報である。具体例を挙げると、例えばクリスマス商品の品出し業務については、実施期間は12月1日から25日までと設定される。なお、本実施の形態では、同じ業務でも地域によって行われるべき時期が異なることを想定し、実施期間の設定が第2業務情報登録処理にて行われる例について説明する。しかしながら、本開示では、業務毎の実施期間の設定は、第1業務指示登録処理において行われてもよい。この場合、第2業務情報登録処理では第1業務情報登録処理で登録された実施期間を地域または店舗に合わせて更新できるようにしてもよい。同じ業務でも地域によって行われるべき時期が異なる場合の例として、七夕関連商品の品出し業務が挙げられる。七夕を7月に行う地域では、七夕関連商品の品出し業務の実施期間は6月下旬から7月上旬に設定され、8月に行う地域では7月下旬から8月上旬に設定される。
【0083】
(d)重み
第2業務情報登録処理では、第1業務情報登録処理で登録された重要度に関連付けて、重みを新たに設定することができる。または、第1業務情報登録処理で重みが設定されていた場合、設定された重みを、地域や店舗に合わせて調整できるようにしてもよい。
【0084】
例えば、ある地域で頒布するチラシに掲載した商品の品出し業務に対し、他の商品の品出し業務と比べて、より大きい重みを設定する。または、例えば店舗によってよく売れる商品または商品カテゴリー(肉、魚、野菜、等)に関する業務指示の重みを比較的大きく、あまり売れない商品に関する業務指示の重みを比較的小さく設定する。このように、地域または店舗毎によく売れる商品に関する業務に対する重みを変化させることで、地域または店舗に合わせて重要度の最適化を行うことができる。なお、業務そのものに重みを設定できるようにしてもよい(例えば、店頭販売業務の重みを他の業務(店舗清掃等)より大きくする等)。
【0085】
(e)スタッフに関する情報
スタッフに関する情報には、スタッフの所属店舗、所属部署、職位、権限、各業務の経験の有無または経験回数、勤務シフト等の各種情報が含まれる。なお、業務の経験の有無または経験回数については、業務管理装置10にて管理されている過去の業務完了報告に基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。
【0086】
(f)報知設定
報知設定は、表示装置20において報知が必要となった場合、どのように報知を行うかを設定する情報である。報知の仕方の例として、報知対象の業務指示を赤字または太字で表示する、報知対象の業務指示を目印と共に表示する、報知対象の業務指示を別画面(未完了業務のみを表示する画面)に表示する、または警告音声を鳴らす等が挙げられる。なお、表示装置20において報知が必要となる場合の例としては、あるスタッフに対して与えられた業務指示が、設定された実施期間を過ぎても完了していない場合が挙げられる。
【0087】
以上、表示制御システム100の運用開始前に行われる、業務に関する業務情報を登録する処理について説明した。なお、本実施の形態では、第1業務情報登録処理および第2業務情報登録処理は、表示制御システム100の運用開始前に行われると説明したが、運用開始後も必要に応じて適宜実行され、業務情報が小売組織の状況に合わせて適宜更新されるようにしてもよい。
【0088】
本実施の形態では、第1業務情報登録処理および第2業務情報登録処理における情報の登録は、システム管理者または指示者が手動で行うと説明した。しかしながら、本開示では、表示制御システム100において過去に実際に行った業務指示に関する大量のデータを蓄積しておき、表示制御システム100の運用開始後の業務情報の更新の際には、蓄積されたデータに基づく機械学習を施した人工知能等により、第1業務情報登録処理および第2業務情報登録処理における業務情報の更新が自動で行われるようにしてもよい。このような場合、表示制御システム100の運用開始後の登録情報の変更または更新を自動で行うことができるので、システム管理者または指示者の入力の手間を省略できる。
【0089】
[業務指示発出処理]
表示制御システム100では、第1業務情報登録処理および第2業務情報登録処理にて登録された業務情報を用いて、指示者は業務指示を発出することができる。以下では、指示者が業務指示を発出する際の処理について詳細に説明する。
【0090】
図6は、業務管理装置10における、業務指示発出処理について説明するためのフローチャートである。
【0091】
ステップS1において、業務管理装置10の操作部13は、指示者による業務指示発出処理の開始操作を受け付ける。開始操作は、例えば、業務管理装置10に指示者がログインするための操作である。
【0092】
ログインの際にはパスワードによる認証、個人情報による認証等、生体情報(顔、指紋、声紋等)による個人認証が行われる。認証に必要な情報は、あらかじめ業務管理装置10の記憶部12に記憶されている。
【0093】
ステップS2において、業務管理装置10の業務指示生成部152は、操作部13を介した指示者の操作に基づいて、業務指示情報を作成する。
【0094】
図7Aは、指示者が業務指示情報の作成のための入力操作を行う際に業務管理装置10の表示部14に表示される、業務指示作成画面600の例を示す図である。図7Aでは、渋谷店に所属する指示者が、業務指示を作成する画面の例が示されている。
【0095】
図7Aに示す例では、業務指示対象欄601は、業務指示の対象となる地域、店舗、部署、またはスタッフ個人を選択する欄である。業務指示対象欄601にて選択された対象が所持する表示装置20が、業務指示の送信先となる。カテゴリー選択欄602は、指示する業務のカテゴリーを選択する欄である。重要度選択欄603は、指示する業務の重要度を選択する欄である。回答期日欄604は、業務指示に対する回答の期日、すなわち、業務を完了させるべき期日を指定する欄である。タイトル欄605は、指示する業務のタイトルを入力する欄である。メッセージ欄606は、指示する業務に関するメッセージを入力する欄である。画像欄607は、業務指示に関連する画像(写真等)を添付する欄である。図7Aに示す例では、黒く塗られている欄は入力が済んでいる欄である。
【0096】
図7Aの例では、各欄には上述した業務情報登録処理においてあらかじめ業務毎に登録されている各種業務情報に基づいて、選択肢がプルダウン形式で表示され、指示者が選択肢を選択することにより、業務指示の入力が行われる。図7Aに示す例では、カテゴリー選択欄602において指示者が指示すべき業務のカテゴリーを選択し、業務の内容についてはタイトル欄605およびメッセージ欄606を直接編集して入力している。しかしながら、図7Aに示す入力形式は一例であり、例えばカテゴリーだけでなく業務の内容までプルダウン形式で選択できるようにしてもよい。この場合、タイトル欄605およびメッセージ欄606は設けられていなくてもよい。また、画像欄607は設けられていなくてもよい。
【0097】
図7Aに示す例では、重要度選択欄603において重要度として「高」が選択されている。この場合、業務情報登録処理にて登録されている業務毎の重要度に基づいて、選択された重要度(図7Aの場合、高)に合致する業務のカテゴリーのみがカテゴリー選択欄602の選択肢に現れるようになっている。
【0098】
指示者は、複数の業務の指示を行う場合、図7Aに示す業務指示作成画面600における入力操作を複数回行う。なお、図7Aに示す業務指示作成画面600は一例であり、他の画面を用いて業務指示の作成が行われてもよい。図7Bは、業務指示作成画面の他の例を示す図である。図7Bは、指示者が、スマートフォンまたはタブレット端末等のタッチパネルを用いて業務指示情報の入力を行う場合の画面の例である。
【0099】
このようにして、指示者は指示すべき業務の選択を行う。このような指示者の入力に応じて、業務指示生成部152は、選択された業務の内容、および業務指示の送信先に加えて、選択された業務に関する業務情報(業務情報登録処理にて登録された情報)を含む業務指示情報を作成する。業務指示の送信先は、業務指示作成画面600の業務指示対象欄601で選択された業務指示対象の表示装置20である。すなわち、店舗または部署が選択された場合、送信先は店舗または部署に設置された表示装置20に設定され、特定の個人(スタッフ)が選択された場合、送信先は当該スタッフが所持する表示装置20に設定される。
【0100】
ステップS3において、業務管理装置10は、通信部11を介して、業務指示情報を表示制御装置30に対して送信する。これにより、業務指示発出処理が完了する。業務管理装置10から業務指示情報を受信した表示制御装置30は、次に説明する表示態様決定処理において、業務指示情報に含まれる業務指示を表示装置20に表示させる際の表示態様を決定する。
【0101】
[表示態様決定処理]
図8は、表示制御装置30における表示態様決定処理について説明するためのフローチャートである。
【0102】
ステップS11において、受付部331は、通信部31を介して業務管理装置10から受信した業務指示情報を受け付ける。
【0103】
ステップS12において、決定部334は、ステップS11で受け付けた業務指示情報に含まれる業務指示それぞれの実施期間または期限に基づいて、業務指示毎の表示可否を決定する。より詳細には、決定部334は、現在から予め定められている所定の期間内に実施期間が含まれる業務指示は表示可能と決定し、現在から予め設定されている所定の期間に実施期間が含まれない業務指示は表示不可と決定する。具体例を挙げると、所定の期間として10日間が定められている場合、決定部334は、実施期間が現在から10日以内に設定されている業務指示は表示可能と決定し、実施期間が現在から10日以上先に設定されている業務指示は表示不可と決定する。
【0104】
なお、決定部334は、現在から所定の期間先の時点を跨ぐように実施期間が設定されている業務指示を当該時点を境に2つの業務指示に分割する処理を行ってもよい。この場合、当該時点以前に行われる業務に関する業務指示が、表示可と決定され、当該時点よりも後に行われる業務に関する業務指示が、表示不可と決定されてもよい。そして、時間が経過した結果、分割したときには表示不可と決定された業務指示の実施期間が、その時点からみて所定の期間に含まれることになった場合に、当該業務指示を表示可能と判断すればよい。
【0105】
ステップS13において、稼働状況検出部332は、業務指示情報に含まれる送信先に関する現在の稼働状況を検出する。送信先に関する稼働状況とは、送信先が店舗または部署に設置された表示装置20である場合、当該店舗または部署に所属する全スタッフの稼働状況を意味しており、送信先がスタッフが所持する表示装置20である場合、当該スタッフの稼働状況を意味する。稼働状況検出部332は、店舗または部署に設置された表示装置20が送信先である場合、当該表示装置20における業務管理アプリの動作状況、表示装置20の位置情報、およびスタッフに関する情報(勤務シフト等)に基づいて、店舗で勤務する全スタッフの状況を検出する。また、稼働状況検出部332は、スタッフが所持する表示装置20が送信先である場合、当該表示装置20における業務管理アプリの動作状況、表示装置20の位置情報、および当該スタッフに関する情報に基づいて、当該スタッフの状況を検出する。
【0106】
稼働状況検出部332が検出する稼働状況の例としては、業務遂行中、休憩中、非出勤、等が挙げられる。業務遂行中である場合、スタッフがあらかじめ入力した、業務開始時刻、業務完了予定時刻等を、稼働状況検出部332が取得するようにしてもよい。
【0107】
なお、稼働状況検出部332は、業務管理アプリの使用状況等の代わりに、店舗内に設置されたカメラでスタッフを撮影した画像を用いて、当該スタッフの稼働状況を検出してもよい。または、稼働状況検出部332は、スタッフが所持する表示装置20から発信される位置情報を店舗内に設置された通信装置等により受信し、スタッフの店舗内における位置を検出することで、当該スタッフの稼働状況を検出してもよい。また、スタッフの位置は、スタッフが所持する表示装置20ではなく、例えばスタッフの体に取り付けられた発信器(ビーコン)から発信される位置情報を店舗内に設置された通信装置等により受信することで特定されてもよい。スタッフが所持する表示装置20または発信器から発信される位置情報は、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いて送受信されてもよい。
【0108】
ステップS14において、割当部333は、スタッフの勤務シフト、または、ステップS13で検出した現在の稼働状況に基づいて、業務指示の割り当てを行う。なお、本ステップは、業務指示情報の送信先がスタッフ個人が所持する表示装置20である場合には、行わなくてもよい。
【0109】
より詳細には、割当部333は、業務指示のレベル(難易度)、重要度、内容、工数、実施期間または期限、各スタッフに関する情報(権限、各業務の経験の有無または経験回数、勤務シフトなど)、各スタッフが所持する表示装置の位置、各スタッフに既に割り当てられている業務指示の数および内容等に基づいて、新たな業務指示の割り当てを行う。
【0110】
割当部333は、例えばある内容の業務に関して過去の経験回数が多いスタッフには同内容の業務かつレベル「上」の業務を優先的に割り当て、経験回数が少ない、またはないスタッフにはレベル「下」の業務を割り当てる、または他の内容の業務を割り当てる。ある内容の業務に関して経験がないスタッフには、当該内容の業務に関して経験回数が多いスタッフとともにレベル「初」の業務を割り当てるようにしてもよい。
【0111】
また、割当部333は、例えばある内容の業務に関して経験回数が多いスタッフには重要度「高」の業務を優先的に割り当て、経験回数が少ない、または経験がないスタッフには重要度「低」の業務を割り当てる。割当部333は、その他にも、各スタッフに既に割り当てられている業務指示の工数および内容等を総合的に考慮して、割り当てを行う。
【0112】
また、割当部333は、すぐに実行されるべき(実施期間が現在から近い期間に設定されている)業務に関しては、例えばスタッフが所持する表示装置20の位置に基づいて、新たな業務指示が行われる場所に近い位置にいるスタッフに対して当該業務指示を割り当てるようにしてもよい。また、割当部333は、すぐに実行されるべき業務の工数が比較的大きい場合、当該業務が実行される場所に近い位置に存在する表示装置20を所持する複数のスタッフに対して、当該業務の指示を割り当てるようにしてもよい。このような割り当てにより、業務を行うべき場所までのスタッフの移動時間を短くできるので、すぐに実行させるべき業務を、すぐに行わせることができる。
【0113】
さらに、すぐに実行されるべき業務以外の業務に関しても、例えばスタッフが所持する表示装置20の位置に基づいて、新たな業務指示が行われる場所に近い位置にいるスタッフに対して当該業務指示を割り当てるようにしてもよい。このような割り当てにより、手が空いているスタッフのうち、業務が実行される場所に近い位置にいるスタッフにのみ業務指示が行われるので、当該場所から遠いスタッフに業務指示が割り当てられることにより、移動時間が長くなる事態を回避することができる。
【0114】
具体例を挙げて説明する。実施期間が10日後から15日後に設定されている業務の指示に関しては、あるスタッフの勤務シフトが実施期間をカバーしており、当該スタッフに他の業務指示が割り当てられていない場合、割当部333は、当該スタッフに当該業務指示を割り当てる。条件を満たすスタッフが複数存在する場合には、割当部333は、各スタッフの当該業務に関する経験の有無に基づいて、どのスタッフに割り当てるかを決定することができる。また、割当部333は、工数が所定の基準値より大きい場合には、当該業務を複数のスタッフに割り当てるようにしてもよい。
【0115】
実施期間が当日に設定されている等、すぐに行われるべき業務の指示に関しては、割当部333は、店舗に所属する全スタッフの現在の稼働状況に基づいて、本日出勤しており、かつ現在遂行中の業務が短時間で完了する予定であるスタッフに対して割り当てを行う。条件を満たすスタッフが複数存在する場合、割当部333は、スタッフが所持する表示装置20の位置情報に基づいて、指示される業務が行われる場所に近い位置に存在する表示装置20を所持するスタッフに対して、当該業務を割り当てるようにしてもよい。
【0116】
一方、割当部333は、あるスタッフが現在他の業務の遂行中であり、かつ遂行中の業務の完了予定時刻まで所定の時間がある(つまり、遂行中の業務を完了させるまでに比較的長時間を要することが見込まれる)場合、当該スタッフには新たな業務を割り当てることができないと判断する。
【0117】
あるスタッフが他の業務を遂行中であるか否かは、例えば、スタッフがログインしている業務管理アプリの動作状況により判断することができる。例えば業務管理アプリの一機能により棚卸し業務における商品識別のためのバーコード読み取りを行うことができる場合、割当部333は、業務管理アプリを用いてバーコードの読み取りが行われているとき、当該業務管理アプリにログインしているスタッフが業務の遂行中であると判断できる。割当部333は、あるスタッフが業務遂行中であって、現時刻から業務完了予定時刻まで所定の時間があると判断した場合、当該スタッフに新たな業務指示を与えることはできないと判断する。なお、業務管理アプリを用いる業務として、例えば、業務管理アプリを用いて商品からバーコードを読み取る作業を行う棚卸し業務が挙げられる。
【0118】
また、割当部333は、あるスタッフに関し、直前に遂行していた業務の完了報告がすでに行われており、表示装置20の位置が休憩所を示しており、勤務時間内であって、かつ次に遂行予定の作業まで所定の時間がある場合、新たな業務指示を与えることができると判断する。
【0119】
以上のように業務指示の割り当てが行われた後、ステップS15において、決定部334は、業務指示に関連する業務情報、および当該業務指示を割り当てたスタッフに関する情報に基づいて、業務指示の表示順を決定する。業務指示の表示順とは、業務指示の送信先である店舗または部署に設置された表示装置20、または業務指示の送信先であるスタッフが所持する表示装置20において業務指示を表示する順序を意味する。
【0120】
表示順の一例は、1つの画面内に複数の業務指示を並べて表示する場合の表示位置の順番である。例えば、A、B、およびCという3つの業務指示がある場合、決定部334は、表示順を決定することにより、上から順にA、B、Cと並べて表示することを決定する。表示順の他の一例は、互いに異なる複数の業務指示を画面内に互いに異なる時間に表示する場合の時間的な順番である。例えば、A、B、およびCという3つの業務指示がある場合、決定部334は、表示順を決定することにより、まずAを表示し、その次にAに代えてBを表示し、その次にBに代えてCを表示することを決定する。
【0121】
業務指示の送信先が店舗または部署に設置された表示装置20である場合、業務指示が割り当てられたスタッフ毎に表示順が決定され、スタッフ毎の業務指示が表示装置20に表示されてもよいし、店舗または部署に所属する全スタッフに割り当てられた業務指示の表示順が決定され、全スタッフの業務指示が表示装置20に一覧表示されてもよい。
【0122】
決定部334は、業務指示に対応する業務情報、具体的には、工数、重要度、設定件数、優先順位、重み、スタッフに関する情報に基づいて、表示順を決定する。さらに、決定部334は、各スタッフの稼働状況を考慮して、表示順を決定してもよい。
【0123】
図9Aは、業務指示の送信先がスタッフが所持する表示装置20である場合の、決定部334により決定された表示順を反映した表示画面の例を示す図である。図9Aに示す業務指示通知画面700は、設定件数が3件に設定されている場合の画面の例である。図9Aでは、1つの業務指示通知画面700内に、上から順に「台風19号被害状況の報告」、「全店舗徹底清掃キャンペーン」、「セキュリティ監査の完了進捗」の3件の業務指示が表示されている。この表示位置の順番は、例えば業務情報として設定されている優先順位、重要度、または重みに基づいて決定されている。
【0124】
図9Bは、図9Aに示す業務指示通知画面700において、スタッフが業務指示のいずれかを選択(例えば、業務指示をタップする)する操作を行った場合の表示画面の例を示す図である。図9Bに示す業務指示内容確認画面800に表示される、業務の詳細な内容は、例えば業務情報の業務内容に設定されている内容、または指示者が業務指示発出処理の業務指示作成画面600(図7参照)にて入力した内容である。
【0125】
なお、あるスタッフに4件以上の業務指示が割り当てられている場合でも、設定件数が3件に設定されている場合、当該スタッフが所持する表示装置20に表示される業務指示表示画面には、3件の業務指示のみが表示される。表示される3件の業務指示は、当該スタッフに割り当てられた4件以上の業務指示のうち、優先順位が上位3位までの業務指示である。業務指示表示画面に表示されていない、優先順位が4位以降の業務指示は、上位3位までの業務指示が完了した時点で業務指示表示画面に表示される。言い換えると、優先順位が下位である業務指示は、優先順位が上位である業務指示よりも、表示画面に表示される時間的な順番が遅い。このように、複数の業務指示の時間的な表示の順番も、優先順位、重要度、または重みに基づいて設定されればよい。
【0126】
以上のように表示順が決定された後、ステップS16において、決定部334は、業務情報に含まれる報知設定に基づいて、表示装置20における報知態様を決定する。例えば、決定部334は、重要度が高い業務指示には、所定の目印を付けて表示することで報知してもよい。図9Aに示す例では、比較的重要度が高い「台風19号被害状況の報告」に目印としてフラグが付されている。スタッフはこのフラグを見て、重要度が高い業務指示を一目で認識することができる。
【0127】
また、決定部334は、業務指示のあらかじめ設定された実施期間の終わり(期限)が近づいた、もしくは実施期間を過ぎてしまった業務指示を赤字で表示したり、別画面に表示したりすることで報知してもよい。図10は、実施期間の終わりが近づいた場合の報知画面の一例として、報知内容がポップアップ表示されている画面の例を示す図である。
【0128】
続いてステップS17において、表示情報生成部335は、決定部334がステップS12において決定した表示の可否、ステップS15において決定した表示順、及びステップS16において決定した報知設定を反映した表示態様に基づいて、表示装置20における表示制御のための表示情報を生成する。
【0129】
次にステップS18において、表示制御装置30は、通信部31を介して、業務指示毎の表示情報を、業務指示の送信先として設定されている店舗または部署に設置された表示装置20、もしくはスタッフが所持する表示装置20に対して送信する。これにより、表示装置20において、決定部334が決定した表示態様で、業務指示の表示が行われる。
【0130】
なお、上述した表示態様決定処理では、割当部333が各スタッフに対して業務指示の割り当てを自動的に行う場合について説明した。しかしながら、本開示では、割当部333が自動的にスタッフに対する業務指示の割り当てを行うのではなく、店舗責任者が各スタッフに対して業務指示の割り当てを行うようにしてもよい。この場合、表示制御装置30は、店舗責任者が行った割り当ての結果を取得し、当該結果に基づいて、スタッフの表示装置20における表示態様を改めて決定すればよい。また、表示制御装置30は、店舗責任者が所持する表示装置20に、業務指示の割り当てを行う画面を表示させるための表示制御を行うようにしてもよい。
【0131】
この表示制御では、例えば店舗または部署に所属するスタッフの稼働状況またはスタッフのに関する情報(勤務シフト、経験の有無等)の少なくともいずれかに基づいて、業務を実施可能なスタッフのみ表示するようにしてもよい。または、全スタッフが表示されていてもよいが、業務を実施不可能なスタッフを選択しようとした場合、エラーメッセージ(「選択したスタッフは業務実施不可です」等)を表示するようにしてもよい。
【0132】
さらに、この場合、表示制御装置30は、新たな業務指示を店舗責任者に送信する際、店舗または部署全体で対応可能な工数が、店舗または部署に対してすでに割り当てられている業務指示の工数を超えている場合には、表示情報を送信するタイミングを自動的に遅らせるようにしてもよい。店舗または部署全体で対応可能な工数とは、店舗または部署に所属するすべてのスタッフが供給可能な工数の合計である。さらに、表示制御装置30は、自動的に表示情報の送信タイミングを遅らせるのではなく、当該業務指示を行う指示者に対して、送信タイミングを遅らせることを提案する表示を行うようにしてもよい。
【0133】
また、表示制御装置30は、店舗または部署に対してすでに割り当てられている業務指示の重要度と新たな業務指示の重要度とを比較して、新たな業務指示の重要度の方が高い場合には、新たな業務指示の表示情報をすぐに送信するようにしてもよい。さらに、すでに割り当てられている業務指示のうち、未完了かつ複数のスタッフで分担可能に設定されているものを、自動的に別のスタッフに割り当て直してもよい。
【0134】
新たな業務指示を店舗責任者に送信する際、例えば新たな業務指示を複数の店舗に一斉送信できるようにしてもよい。この場合、各店舗からの業務完了報告に基づいて、送信対象のすべての店舗においてすでに割り当てられている業務が完了するタイミングに合わせて、新たな業務指示の表示情報を自動的に送信するようにしてもよい。また、表示制御装置30は、自動的に表示情報の送信タイミングを遅らせるのではなく、当該業務指示を指示する指示者に対して、すでに割り当てられている業務が完了するタイミングに合わせることを提案する表示を行うようにしてもよい。
【0135】
また、上述した業務指示発出処理にて業務指示が発出され、表示態様決定処理において決定された表示態様での表示がスタッフの表示装置20にて行われた後、時間の経過に応じて、割当部333が、既に発出された業務指示の再割り当てを自動的に行うようにしてもよい。例えば、あるスタッフに対して割り当てられた業務指示が、実施期間を過ぎても完了していない場合、割当部333は、当該業務指示を別のスタッフに割り当て直すようにしてもよい。再割り当てされるスタッフは、最初に割り当てられていたスタッフよりも、当該業務に対する経験がより豊富なスタッフであってもよい。また、再割り当てされる業務指示が分担可能であると設定されている場合には、最初に割り当てられていたスタッフと、再割り当てされたスタッフとで当該業務指示を分担して遂行するように再割り当てを行ってもよい。最初に割り当てられていたスタッフが当該業務を途中まで遂行している場合には、割当部333は、当該スタッフに対して、その時点までの業務報告(未完了の報告)を作成させる指示、および、次の業務に取りかかる指示を発出すればよい。
【0136】
<効果>
以上説明したように、表示制御装置30の決定部334は、業務指示の表示態様を、業務毎に予め設定された業務情報に基づいて決定する。業務情報には、小売組織において利用される表示制御システム100の管理を行うシステム管理者により設定された、小売業ならではの情報が含まれている。さらに、業務情報には、実際に業務指示を行う指示者により設定された、小売組織における地域や店舗の特性に合わせた情報が含まれている。これにより、業務指示の表示態様を、小売業ならではの態様とすることができるだけでなく、地域や店舗の特性に合わせてカスタマイズすることができる。このため、表示装置20に表示される業務指示画面は、スタッフが一目見て指示された業務を把握しやすいだけでなく、当該スタッフが属する小売組織の経営方針や店舗毎の特徴を反映したものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、小売業において業務指示を適切に表示させる表示制御装置に有用である。
【符号の説明】
【0138】
100 表示制御システム
10 業務管理装置
11 通信部
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 制御部
151 業務情報登録部
152 業務指示生成部
153 業務評価部
20 表示装置
21 通信部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 制御部
30 表示制御装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 受付部
332 稼働状況検出部
333 割当部
334 決定部
335 表示情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10