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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098328
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ホイールバランサ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 1/32 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
G01M1/32
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215030
(22)【出願日】2021-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000185916
【氏名又は名称】小野谷機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】牧野 智將
【テーマコード(参考)】
2G021
【Fターム(参考)】
2G021AB01
2G021AC03
2G021AG05
2G021AG06
2G021AL09
2G021AM08
(57)【要約】
【課題】 タイヤ付きホイールのアンバランス量および回転位置を短時間で得ることができるホイールバランサ測定装置を提供する。
【解決手段】 本体部2と、把持部3を有する回転軸4と、電動モータ5と、第1計測端71と一方の側壁部T1との間の第1距離ZDを、第1軸線L1に沿って非接触で計測する第1計測部7と、第2計測端81とホイールWのリム部W1の内周面W1aとの間の第2距離LR1を、非接触で計測する第2計測部8と、第2計測部8を第1軸線L1に沿って移動させる移動部9と、タイヤTが装着されたホイールWの偏心量を回転位置に対応させて計測する偏心量計測部10と、第1距離ZD、第2距離LR1および偏心量に基づいて、タイヤTが装着されたホイールWのアンバランス量を回転位置に対応させて算出する信号処理部11と、信号処理部11によって算出されたアンバランス量および回転位置を表す情報を表示する表示部13と、を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイールを着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含むことを特徴とするホイールバランサ測定装置。
【請求項2】
前記第1計測部は、超音波計測器であることを特徴とする請求項1に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項3】
前記第2計測部は、
レーザビーム光を出射する出射部と、
前記出射部から照射された前記レーザビーム光の前記ホイールの前記内周面による反射光を受光する受光部と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項4】
前記偏心量計測部は、前記検出した歪み量および前記回転位置を表す歪み検出信号を前記信号処理部に出力する歪み検出部を、さらに含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記回転位置に対応する前記ホイールの前記内周面上の位置に、前記検出した歪み量の最大値に対応する前記回転位置を表す参照光を前記第2計測部によって照射するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のホイールバランサ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のタイヤが装着されたタイヤ付きホイールの、タイヤの摩耗などによって生じる重心の回転軸線に対する偏心が相殺されるように、バランスウエイトとも呼ばれる重錘のホイールへの取付け位置を表示することができるホイールバランサ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のホイールバランサ測定装置は、例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1には、回転主軸の先端部にタイヤが装着されたホイールを装着した状態で回転し、発生する遠心力によるアンバランス量および回転位置を測定するホイールバランサ装置が記載されている。
【0003】
特許文献1のホイールバランサ装置は、リムのイン側内径、リム幅、およびセンサーからリムのイン側までの距離であるディスタンスを測定するために、レーザー測長センサーが装置本体に設けられ、該レーザー測長センサーはスライド棒の先端に取着され、スライド棒をスライドさせるレーザー移動装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-47795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載される従来技術では、ホイールのリム幅を測定するための構成を備えていないので、リム幅ゲージと呼ばれる専用の測定工具によって作業者が測定し、あるいはホイールに明記されている数値を作業者が読み取り、その測定値または読み取り値を表示・操作部から装置本体に手動入力している。したがって、特許文献1に記載される従来技術では、タイヤ付きホイールのアンバランス量および回転位置を得るために時間を要するという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、タイヤ付きホイールのアンバランス量および回転位置を短時間で得ることができるホイールバランサ測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体部と、
前記水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイール部を着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含むことを特徴とするホイールバランサ測定装置である。
【0008】
また本発明は、前記第1計測部は、超音波計測器であることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記第2計測部は、
レーザビーム光を出射する出射部と、
前記出射部から照射された前記レーザビーム光の前記ホイールの前記内周面による反射光を受光する受光部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記偏心量計測部は、前記検出した歪み量および前記回転位置を表す歪み検出信号を前記信号処理部に出力する歪み検出部を、さらに含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記信号処理部は、前記回転位置に対応する前記ホイールの前記内周面上の位置に、前記検出した歪み量の最大値に対応する前記回転位置を表す参照光を前記第2計測部によって照射するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1計測部によって、タイヤのサイドウォールとも呼ばれる外側の側壁部までの第1距離が計測され、第2計測部によって、ホイールのリム部の内周面の第2距離が第1軸線に沿って走査されて計測される。また、偏心量計測部によって、回転軸の回転時における偏心量が回転位置に対応させて計測される。信号処理部は、第1距離、第2距離および偏心量に基づいて、タイヤが装着されたホイールのアンバランス量および回転位置を算出し、算出されたアンバランス量および回転位置は、表示部によって表示される。したがって前記従来技術のように、ホイールのリム幅を作業者が手作業で測定する必要がなくなり、タイヤ付きホイールのアンバランス量および回転位置を短時間で計測することができる。
【0013】
また本発明によれば、第1計測部が超音波計測器によって実現されるので、タイヤの一方の側壁部が第1計測端に向かって凸に湾曲した構成であっても、一方の側壁部と第1計測端との間の最短距離を第1距離として正確に計測することができる。
【0014】
また本発明によれば、ホイールのリムの内周面のような段差を有する被計測部の形状であっても、出射部から出射されたレーザビーム光を照射し、その反射光を受光部によって受光し、第2計測端とホイールのリムの内周面との間の距離を第2距離として正確に計測することができる。
【0015】
また本発明によれば、偏心量計測部の検出部によって回転軸の歪み量およびその回転位置を検出して、検出した歪み量および回転位置を歪み検出信号として信号処理部に出力するので、タイヤが装着されたホイールの回転時の歪み量およびその回転位置を得ることができ、車両走行時の歪み量および回転位置を正確に計測することができる。
【0016】
また本発明によれば、ホイールの内周面上に計測によって得られた回転位置を表す参照光が照射されるので、作業者によって計測された歪み量に対応する重錘を容易にかつ正確にホイールの内周面の参照光が照射されている位置に取り付けることができ、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のホイールバランサ測定装置1の一部を切欠いた正面図である。
図2】ホイールバランサ装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】ホイールバランサ測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】ホイールバランスの測定に必要なデータを説明するためのホイールの断面図である。
図5】スケールレバーSLによる測定状態を示す斜視図である。
図6】第2計測部8による測定状態を示す斜視図である。
図7】第2計測部8による計測距離とホイールWとの関係を示す断面図である。
図8】第2計測部8の測定手順を説明するための断面図である。
図9】第1計測部7の取付け構造を示す斜視図である。
図10】第1計測部7の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態のホイールバランサ測定装置1の一部を切欠いた正面図である。図2は、ホイールバランサ装置1の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のホイールバランサ測定装置1は、普通自動車、バス、トラックなどの自動車の車輪であるタイヤ付きホイールの重心の偏心量を計測し、偏心量が相殺されるように、ホイールWのリムW1にバランスウエイトとも呼ばれる回転体平衡用調節おもりとしての重錘w1,w2の重さおよびその取付位置を作業者に呈示するために用いられる。ホイールWは、例えばアルミニウム合金から成る。
【0019】
ホイールバランサ装置1は、本体部2と、回転軸4と、電動モータ5と、第1計測部7と、第2計測部8と、移動部9と、偏心量計測部10と、信号処理部11と、表示部13と、を含んで構成される。回転軸4は、水平な第1軸線L1まわりに回転可能に本体部2に設けられ、タイヤTが装着されたホイールWを、着脱可能に把持する把持部3を有する。電動モータ5は、本体部2に設けられ、回転軸4を第1軸線L1まわりに回転駆動する。
【0020】
第1計測部7は、本体部2に、把持部3によって把持されたタイヤTの外側に位置する一方の側壁部T1に対向するように設けられる。第1計測部7は、第1計測端71を有し、第1計測端71と前記一方の側壁部T1との間の第1距離ZDを、第1軸線L1に沿って一方の側壁部T1に対して非接触で計測する。第2計測部8は、本体部2に第1軸線L1に沿って移動可能に設けられる。第2計測部8は、第2計測端81を有し、第2計測端81とホイールWのリム部W1の内周面W1aとの間の第2距離LR1を、リム部W1の内周面W1aに非接触で第1軸線L1に沿って走査して計測する。
【0021】
移動部9は、本体部2に設けられ、第2計測部8を第1軸線L1に沿って移動させる。偏心量計測部10は、回転軸4の回転時に該回転軸4の歪み量を検出し、検出した歪み量に基づいて、タイヤTが装着されたホイールWの偏心量を回転軸4の第1軸線L1まわりの回転位置に対応させて測定する。信号処理部11は、第1距離ZD、第2距離LR1および偏心量に基づいて、タイヤTが装着されたホイールWのアンバランス量を回転位置に対応させて算出する。表示部13は、信号処理部11によって算出されたアンバランス量および回転位置を表す情報を表示する。
【0022】
信号処理部11は、コンピュータによって実現される制御手段12に備えられる中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)から成る。信号処理部11は、回転軸4を回転駆動する前述の電動モータ5と、回転軸4の回転を制動するための制動装置14と、回転軸4の回転速度を検出する速度検出器15と、回転軸4の位相を検出する位相検出器16と、一対の歪検出器41,42とを含む。ホイールバランサ装置1は、前述の表示部13と、操作部19と、制御手段12によって読み込んで実行されるプログラムが格納されるメモリ20と、をさらに含んで構成される。
【0023】
本実施形態において、歪検出は歪みゲージを使用して外力荷重を歪み量で検出し電気信号に変換するが、圧電検出は圧電センサーを使用して外力荷重を圧力で検出し電気信号に変換する。超音波センサーを使用する場合、バランサー自体は歪検出による構成であってもよく圧電検出による構成であってもよい。
【0024】
制御手段12は、速度検出器15からの回転量検出信号および歪検出器41,42からの歪検出信号などに基づいて、タイヤ付きホイールWの偏心量とその回転位置とを演算して求め、求められた偏心量と回転位置とを対応させて表示部13に表示させる。歪検出器41,42は、例えば歪みゲージから成る。作業者は、このように表示された表示部13の偏心量と回転位置とを確認して、ホイールWのリムW1上の対応する回転位置に、偏心量に対応するアンバランス量である重量の重錘w1,w2を貼付けて固定する。内側の重錘w1は、リムW1の内周面W1aにねじ込まれ、外側の重錘w2は粘着剤によって粘着されてもよい。内側重錘w1はホイールWの形状によって使い分けてもよい。内側リムの形状が重錘が打ち込めるフランジ形状であれば打ち込むが、フランジ部が無い形状であれば貼り付けるようにしてもよい。外側重錘w2はホイールWの種類によって使い分けてもよい。スチールホイールならば重錘w2が打ち込めるフランジ形状があるので、打ち込ことができるが、アルミホイールは外側にフランジ部がないのでホイールWの内面に貼り付けるようにしてもよい。
【0025】
本体部2は、例えばステンレス鋼板などの耐腐食性の高い金属製の筐体を有している。本体部2の上部には、複数の重錘が重量などの種類毎に区分けして収容される複数の凹部21を有する上部パネル体22が装着される。また本体部2の下部には、基台23が長手方向に垂直に固定され、この基台23によってホイールバランサ装置1が床24に垂直に安定して設置される。
【0026】
このような本体部2の筐体は、互いにほぼ直角に連なる4つの側壁を有し、これらの側壁の上方には、制御手段12が上部パネル体22に乗載されて設置され、この制御手段12上に表示部13が搭載される。表示部13は、液晶表示装置によって実現されてもよい。また制御手段12は、操作部19を有し、コンピュータを内蔵した制御ユニットによって実現される。操作部19は、例えばキーボード、タッチパネル等によって実現されてもよい。
【0027】
偏心量計測部10は、消防法によって防爆構造要求領域として規定される、本体部2内の上部空間に設けられる。この上部空間は、本体部2内の空間のうち、床24から鉛直上方に高さH=600mm以上でかつ上部パネル体22よりも下方の空間である。
【0028】
偏心量計測部10は、前述したリムW1の内径を測定する手段であるスケールレバーSLと、本体部2内の床24から高さHの高さ位置に設けられる支持体30と、支持体30に第1軸線L1と同軸に互いに間隔をあけて固定される一対の軸受31,32と、回転軸4の各軸受31,32間に固定される円環状の遮光板33と、遮光板33の外周部を挟む両側に設けられる図示しない発光部および受光部を有する光検出器36とを備える。
【0029】
光検出器36は、たとえばフォトインタラプタによって実現される。遮光板33は、外周部に複数のスリットが周方向に等間隔に形成される。発光部から遮光板33に照射された光は、遮光板33のスリットを介して受光部に受光される。受光部は、その遮光板33のスリットを介する光を受光する毎に、検出信号をローレベルからハイレベルに切換え、発光部から受光部に向って照射される光が、遮光板33の周方向に隣接する各スリット間の遮光部分によって遮断されると、ハイレベルからローレベルとなるパルス波形の回転検出信号を出力する。
【0030】
各軸受31,32には、歪検出器41,42が固定される。各歪検出器41,42は、回転軸4に取付けられたタイヤT付きホイールWのぶれなどに起因する回転軸4の歪み量を検出し、その検出した歪み量を歪検出信号としてホイールWの回転位置に対応付けて制御手段12の信号処理部11に出力する。制御手段12は、光検出器36から出力される回転検出信号に同期して、表示部13の表示画面にタイヤT付きホイールWのリム部W1における偏心量および重錘w1,w2の重量を表示するように構成される。
【0031】
第1計測部7は、超音波計測器によって実現される。第2計測部8は、レーザビーム光を出射する出射部81と、出射部81を第1軸線L1と平行に移動させる移動部9とを有するレーザ測距装置によって実現される。移動部9は、例えばステッピングモーターに歯車を取り付け、歯車とラックとをかみ合わせ、ステッピングモーターを回転させることでラックが前進後進する構成によって実現されてもよい。
【0032】
第2計測部8は、レーザビーム光を出射する出射部と対象物の反射光を受光する受光部とを有し、出射部からのレーザビーム光の出射光と受光部による反射光の入射光との波長のずれ量から測長するレーザ測距器が用いられてもよい。レーザ測距器としては、例えばオプテックス株式会社製、型番CD33-250NAを用いることができる。
【0033】
図3は、ホイールバランサ測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。ステップs1で、回転軸4の偏心量を測定するための作業が開始され、作業者によって操作部19のスタートボタンが押下されると、操作部19からの起動信号が制御手段12に出力され、制御手段12は測定開始時における初期状態にリセットされる。
【0034】
ステップs2で、制御手段12は電動モータ5に回転動作指令信号を出力して回転動作を開始させる。
【0035】
電動モータ5の回転動作の開始によって、回転軸4が第1軸線L1まわりに回転駆動されると、制御手段12は速度検出器15および位相検出器16による検出信号に基づいて、回転が開始されたか否かを判断し、回転が開始されたと判断した場合には、ステップs3へ移る。回転が開始されていない場合、たとえば速度検出器15からの検出信号である光検出器36によるパルス信号が変化しない場合には、回転が開始されていないものと判断して、予め定める時間、3~10secの期間を待機した後、ステップs5で処理を終了する。
【0036】
ステップs3において、制御手段12は速度検出器15および位相検出器16からの検出信号に基づいて、回転軸4の回転位置に対応した偏心量を算出し、表示部13に回転位置とともに偏心量を表示する。回転軸4の回転数は、約210rpm~360rpmであり、第1軸線L1に垂直な右側方から見て、反時計まわりに回転駆動される。このような回転軸4に取付け可能なタイヤ付きホイールWは、ホイール径10~30インチ、ホイール幅が2~15インチ、最大タイヤ外径が900mmである。このようなタイヤ付きホイールWの偏心量の測定が終了すると、ステップs4に移り、制御手段12は制動装置14を動作させて、電動モータ5の回転を制動し、回転軸4を停止させる。制動装置14は、電動モータ5に制動機構が内蔵された、いわゆるブレーキ付モータによって実現されてもよい。制御手段12が、速度検出器15および位相検出器16からの検出信号に基づいて、回転が停止したことを検出すると、ステップs5で処理を終了する。
【0037】
作業者は表示部13の画面に表示されている偏心量に対応するバランスウエイトを、ホイールWの該偏心量の回転位置に取付け、タイヤ付きホイールWを回転軸4から取外し、ホイールバランス測定作業を終了する。
【0038】
図4は、ホイールバランスの測定に必要なデータを説明するためのホイールの断面図である。図4(a)は両側の重錘w1,w2を打ち込む場合の断面を示し、図4(b)は内側の重錘w1と打ち込み、外側の重錘w2を貼付ける場合の断面を示し、図4(c)は両側の重錘w1,w2を貼り付けた場合の断面を示す。各重錘w1,w2は、ホイールWのリムW1の内周面W1aに打ち込むか、或いは貼付けられるので、両側に打ち込む場合には、図4(a)に示されるように、第2距離LR1とリム幅LWとが信号処理部11で算出される。
【0039】
また内側の重錘w1を打ち込み、外側の重錘w2を貼付ける場合は、図4(b)に示されるように、第2距離LR1と内側フランジから外側重錘w2の取付け位置までの距離L2とが算出され、内側の重錘w1および外側の重錘w2のどちらも貼付ける場合は、図4(c)に示されるように、第2距離LR1と各重錘w1,w2の取付け位置間の距離L3とが算出される。
【0040】
レーザー走査の場合、重錘を取付ける位置はホイールの内側の平坦な場所と外側の平坦な場所に貼り付けるので、レーザー走査にてリムの形状を読み取り、平坦な位置がどこかであるかを解析して求めている。解析した結果、各重錘w1とw2の位置が決まり、リム幅が判明する。また、スケール入力の場合、重錘を付ける位置は作業者が判断するので、打ち込みをする場合には打ち込むフランジ部にスケールを当てて測定距離を入力し、貼り付けるならば、平坦な部分にスケールを当てて測定距離を入力することによって、重錘を付ける位置を決定することができる。
【0041】
図5は、スケールレバーSLによる測定状態を示す斜視図であり、図6は第2計測部8による測定状態を示す斜視図である。ホイールバランサ装置1の回転軸4にホイールWを装着して高速回転するが、測定に先立って重錘w1が取付けられるリム内側の直径、重錘w2が取付けられる外側と内側との間の距離(リム幅)、およびスケールレバーSLと内側重錘w1が取付けられるリムイン側までの距離の測定が行われる。スケールレバーSLは、例えばレバーの角変位量をロータリエンコーダによって読み取る構成であってもよい。
【0042】
図7は、第2計測部8による計測距離とホイールWとの関係を示す断面図である。第2計測部8は、本体部2の一側部2aよりも内側に退避した待機位置から第1軸線L1に沿って一側部2aから突出した計測開始位置までの距離LDだけ移動部9によって移動される。この計測開始位置は、内側の重錘w1を検出した位置に対応し、第2計測部8は移動部9によって、計測開始位置から外側の重錘w2の検出位置まで移動され、図8に示すホイール幅WBを計測する。
【0043】
図8は、第2計測部8の測定手順を説明するための断面図である。第1計測部7によるタイヤTの外側に位置する一方の側壁部T1と第1計測部7の第1計測端71との間の第1距離をZD、計測開始位置にある第1計測部7の第1計測端71と第2計測部8の第2計測端81との間の距離をC、第2距離をLR1、フランジ部の直径線方向の幅A1、フランジから内側重錘w1の取付け位置までの第1軸線L1に沿う距離をB、およびタイヤTの形状による固定値をDとしたとき、信号処理部11は、各重錘w1,w2を両面打ち込みの場合、ホイール直径WRは、
【0044】
WR=LR1+A1+A1 …(1)
によって求められ、第2計測部8の第2計測端81から内側重錘w1の取付け位置までの第1軸線L1に沿う距離LD1は、第2計測部8の内側重錘w1の取付け位置までの第1軸線L1に沿う移動量をLDとしたとき、
【0045】
LD1=LD-B …(2)
によって算出され、ホイール幅WBは、
【0046】
WB=C-LD1-ZD-D …(3)
によって算出される。
【0047】
図9は、第1計測部7の取付け構造を示す斜視図であり、図10は第1計測部7の外観を示す斜視図である。上記の式1~式3は、メモリ20に記憶され、制御手段12第1計測部7は、例えば超音波計測器である超音波センサーによって実現されてもよい。超音波センサーとしては、たとえばオムロン社製、型番E4C-DS30Lを商業的に容易に入手することができる。第1計測部7に超音波センサーを用いることによって、測定範囲がある程度広い範囲を測定でき、測定環境による外部からの影響(日光や電灯)を受けずに、タイヤTの一方の側壁部T1が側方に凸に湾曲した形状であっても、正確に距離を計測することができる。
【0048】
第1計測部7は、本体部2から回転軸4の先端部4aを超えて突出し、平面視において略L字状に屈曲したアーム25の先端部寄りの部位に設けられたケース26内に収容して設けられている。第1計測部7は、第1計測端71を有する。この第1計測端71は、例えば第1計測部7が超音波センサーである場合、超音波の送受信部であり、距離を測定する起点となる位置に選ばれる。
【0049】
また第2計測部8によって、上記のようにレーザビーム光によってホイールWの各距離を測定するので、ホイールWのリムW1の内周面W1aのような段差を有する対象物の形状であっても、出射部から出射されたレーザビーム光を照射し、その反射光を受光部によって受光し、第2計測端81とホイールWのリムW1の内周面W1aとの間の距離を第2距離LR1として正確に計測することができる。またバランス測定が終了した後に、重錘を取り付ける位置を作業者に教えるので、レーザビーム光であればピンポイントで位置を指示することができる。
【0050】
以上のように本実施形態によれば、タイヤTのサイドウォールとも呼ばれる外側の側壁部T1までの第1距離ZDが、第1計測部7によって計測され、ホイールWのリム部W1の内周面W1aの第2距離LR1が、第2計測部8によって第1軸線L1に沿って走査されて計測される。また、偏心量計測部10によって、回転軸4の回転時における偏心量が回転位置に対応させて計測される。信号処理部11は、第1距離ZD、第2距離LR1および偏心量に基づいて、タイヤTが装着されたホイールWのアンバランス量を各重錘w1,w2の重量として算出し、回転位置をホイールWの回転角度位置によって算出し、算出されたアンバランス量および回転位置は、表示部13によって表示される。したがって前記従来技術のように、ホイールWのリム幅を作業者が手作業で測定する必要がなくなり、タイヤT付きホイールWのアンバランス量および回転位置を短時間で計測することができる。
【0051】
また、第1計測部7が超音波計測器によって実現されるので、タイヤTの一方の側壁部T1が第1計測端71に向かって凸に湾曲した構成であっても、一方の側壁部T1と第1計測端71との間の最短距離を第1距離ZDとして正確に計測することができる。
【0052】
また、ホイールWのリムW1の内周面のような段差を有する形状であっても、出射部から出射されたレーザビーム光を照射し、その反射光を受光部によって受光し、第2計測端81とホイールWのリムW1の内周面との間の距離を第2距離LR1として正確に計測することができる。
【0053】
また、偏心量計測部10の検出部によって回転軸4の歪み量およびその回転位置を検出して、検出した歪み量および回転位置を歪み検出信号として信号処理部11に出力するので、タイヤTが装着されたホイールWの回転時の歪み量およびその回転位置を得ることができ、車両走行時の歪み量および回転位置を正確に計測することができる。
【0054】
また、ホイールWの内周面上に、計測によって得られた歪み量の最大値に対応する回転位置を表す可視光の参照光が照射されるので、作業者によって計測された歪み量に対応する重錘w1,w2を容易にかつ正確にホイールWの内周面の参照光が照射されている位置に取り付けることができ、作業性を向上することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、また、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。上記各実施形態をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1 ホイールバランサ測定装置
2 本体部
3 把持部
4 回転軸
5 電動モータ
7 第1計測部
71 第1計測端
8 第2計測部
81 第2計測端
9 移動部
10 偏心量計測部
11 信号処理部
13 表示部
12 制御手段
14 制動装置
15 速度検出器
16 位相検出器
19 操作部
20 メモリ
21 凹部
22 上部パネル体
23 基台
24 床
30 支持体
31,32 軸受
33 遮光板
36 光検出器
41,42 歪検出器
L1 第1軸線
LR1 第2距離
T タイヤ
T1 一方の側壁部
W ホイール
W1 リム
W1a 内周面
w1,w2 重錘
ZD 第1距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイールを着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含み、
前記信号処理部は、
前記アンバランス量に対応する重量を有する2つの重錘を前記ホイールに打ち込む場合、前記第2距離と前記リム部の幅とを算出し、
内側の重錘を前記ホイールに打ち込み、外側の重錘を前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記リム部の内側フランジから外側の重錘の取付け位置までの前記距離とを算出し、
2つの重錘のいずれも前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記2つの重錘の取付け位置間の距離とを算出する、
ことを特徴とするホイールバランサ装置。
【請求項2】
前記第1計測部は、超音波計測器であることを特徴とする請求項1に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項3】
前記第2計測部は、
レーザビーム光を出射する出射部と、
前記出射部から照射された前記レーザビーム光の前記ホイールの前記内周面による反射光を受光する受光部と、を含むことを特徴とする請求項1または2記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項4】
前記偏心量計測部は、前記検出した歪み量および前記回転位置を表す歪み検出信号を前記信号処理部に出力する歪み検出部を、さらに含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記回転位置に対応する前記ホイールの前記内周面上の位置に、前記検出した歪み量の最大値に対応する前記回転位置を表す参照光を前記第2計測部によって照射するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のホイールバランサ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、本体部と、
前記水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイールを着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含み、
前記信号処理部は、
前記アンバランス量に対応する重量を有する2つの重錘を前記ホイールに打ち込む場合、前記第2距離と前記リム部の幅とを算出し、
内側の重錘を前記ホイールに打ち込み、外側の重錘を前記ホイールの貼付ける場合、前記第2距離と前記リム部の内側フランジから外側の重錘の取付け位置までの前記距離とを算出し、
2つの重錘のいずれも前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記2つの重錘の取付け位置間の距離とを算出する、
ことを特徴とするホイールバランサ装置である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイールを着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含み、
前記信号処理部は、
前記アンバランス量に対応する重量を有する2つの重錘を前記ホイールに打ち込む場合、前記第2距離と前記リム部の幅とを算出し、
内側の重錘を前記ホイールに打ち込み、外側の重錘を前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記リム部の内側フランジから外側の重錘の取付け位置までの距離とを算出し、
2つの重錘のいずれも前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記2つの重錘の取付け位置間の距離とを算出する、
ことを特徴とするホイールバランサ測定装置。
【請求項2】
前記第1計測部は、超音波計測器であることを特徴とする請求項1に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項3】
前記第2計測部は、
レーザビーム光を出射する出射部と、
前記出射部から照射された前記レーザビーム光の前記ホイールの前記内周面による反射光を受光する受光部と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項4】
前記偏心量計測部は、前記回転軸の歪み量および前記回転位置を表す歪み検出信号を前記信号処理部に出力する歪み検出部を、さらに含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のホイールバランサ測定装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記回転位置に対応する前記ホイールの前記内周面上の位置に、前記回転軸の歪み量の最大値に対応する前記回転位置を表す参照光を前記第2計測部によって照射するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のホイールバランサ測定装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、本体部と、
水平な第1軸線まわりに回転可能に前記本体部に設けられ、タイヤが装着されたホイールを着脱可能に把持する把持部を有する回転軸と、
前記本体部に設けられ、前記回転軸を前記第1軸線まわりに回転駆動する電動モータと、
前記本体部に、前記把持部によって把持されたタイヤの外側に位置する一方の側壁部に対向するように設けられる第1計測部であって、第1計測端を有し、前記第1計測端と前記一方の側壁部との間の第1距離を、前記第1軸線に沿って前記一方の側壁部に非接触で計測する第1計測部と、
前記本体部に、前記第1軸線に沿って移動可能に設けられる第2計測部であって、第2計測端を有し、前記第2計測端と前記ホイールのリム部の内周面との間の第2距離を、前記リム部の内周面に非接触で計測する第2計測部と、
前記本体部に設けられ、前記第2計測部を前記第1軸線に沿って移動させる移動部と、
前記本体部に設けられ、前記タイヤが装着された前記ホイールの偏心量を前記回転軸の前記第1軸線まわりの回転位置に対応させて計測する偏心量計測部と、
前記第1距離、前記第2距離および前記偏心量に基づいて、前記タイヤが装着されたホイールのアンバランス量を前記回転位置に対応させて算出する信号処理部と、
前記信号処理部によって算出された前記アンバランス量および前記回転位置を表す情報を表示する表示部と、を含み、
前記信号処理部は、
前記アンバランス量に対応する重量を有する2つの重錘を前記ホイールに打ち込む場合、前記第2距離と前記リム部の幅とを算出し、
内側の重錘を前記ホイールに打ち込み、外側の重錘を前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記リム部の内側フランジから外側の重錘の取付け位置までの距離とを算出し、
2つの重錘のいずれも前記ホイールに貼付ける場合、前記第2距離と前記2つの重錘の取付け位置間の距離とを算出する、
ことを特徴とするホイールバランサ測定装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記偏心量計測部は、前記回転軸の歪み量および前記回転位置を表す歪み検出信号を前記信号処理部に出力する歪み検出部を、さらに含むことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記信号処理部は、前記回転位置に対応する前記ホイールの前記内周面上の位置に、前記回転軸の歪み量の最大値に対応する前記回転位置を表す参照光を前記第2計測部によって照射するように構成されていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のホイールバランサ測定装置1の一部を切欠いた正面図である。
図2】ホイールバランサ測定装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】ホイールバランサ測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】ホイールバランスの測定に必要なデータを説明するためのホイールの断面図である。
図5】スケールレバーSLによる測定状態を示す斜視図である。
図6】第2計測部8による測定状態を示す斜視図である。
図7】第2計測部8による計測距離とホイールWとの関係を示す断面図である。
図8】第2計測部8の測定手順を説明するための断面図である。
図9】第1計測部7の取付け構造を示す斜視図である。
図10】第1計測部7の外観を示す斜視図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態のホイールバランサ測定装置1の一部を切欠いた正面図である。図2は、ホイールバランサ測定装置1の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のホイールバランサ測定装置1は、普通自動車、バス、トラックなどの自動車の車輪であるタイヤ付きホイールの重心の偏心量を計測し、偏心量が相殺されるように、ホイールWのリムW1にバランスウエイトとも呼ばれる回転体平衡用調節おもりとしての重錘w1,w2の重さおよびその取付位置を作業者に呈示するために用いられる。ホイールWは、例えばアルミニウム合金から成る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
ホイールバランサ測定装置1は、本体部2と、回転軸4と、電動モータ5と、第1計測部7と、第2計測部8と、移動部9と、偏心量計測部10と、信号処理部11と、表示部13と、を含んで構成される。回転軸4は、水平な第1軸線L1まわりに回転可能に本体部2に設けられ、タイヤTが装着されたホイールWを、着脱可能に把持する把持部3を有する。電動モータ5は、本体部2に設けられ、回転軸4を第1軸線L1まわりに回転駆動する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
信号処理部11は、コンピュータによって実現される制御手段12に備えられる中央演算処理装置(Central Processing Unit;CPU)から成る。偏心量計測部10は、回転軸4を回転駆動する前述の電動モータ5と、回転軸4の回転を制動するための制動装置14と、回転軸4の回転速度を検出する速度検出器15と、回転軸4の位相を検出する位相検出器16と、一対の歪検出器41,42とを含む。ホイールバランサ測定装置1は、前述の表示部13と、操作部19と、制御手段12によって読み込んで実行されるプログラムが格納されるメモリ20と、をさらに含んで構成される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本体部2は、例えばステンレス鋼板などの耐腐食性の高い金属製の筐体を有している。本体部2の上部には、複数の重錘が重量などの種類毎に区分けして収容される複数の凹部21を有する上部パネル体22が装着される。また本体部2の下部には、基台23が長手方向に垂直に固定され、この基台23によってホイールバランサ測定装置1が床24に垂直に安定して設置される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
第1計測部7は、超音波計測器によって実現される。第2計測部8は、レーザビーム光を出射する出射部と、出射部を第1軸線L1と平行に移動させる移動部9とを有するレーザ測距装置によって実現される。移動部9は、例えばステッピングモーターに歯車を取り付け、歯車とラックとをかみ合わせ、ステッピングモーターを回転させることでラックが前進後進する構成によって実現されてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
図5は、スケールレバーSLによる測定状態を示す斜視図であり、図6は第2計測部8による測定状態を示す斜視図である。ホイールバランサ測定装置1の回転軸4にホイールWを装着して高速回転するが、測定に先立って重錘w1が取付けられるリム内側の直径、重錘w2が取付けられる外側と内側との間の距離(リム幅)、およびスケールレバーSLと内側重錘w1が取付けられるリムイン側までの距離の測定が行われる。スケールレバーSLは、例えばレバーの角変位量をロータリエンコーダによって読み取る構成であってもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
WR=2・LR1+A1+A1 …(1)
によって求められ、第2計測部8の第2計測端81から内側重錘w1の取付け位置までの第1軸線L1に沿う距離LD1は、第2計測部8の内側重錘w1の取付け位置までの第1軸線L1に沿う移動量をLDとしたとき、
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
図9は、第1計測部7の取付け構造を示す斜視図であり、図10は第1計測部7の外観を示す斜視図である。上記の式1~式3は、メモリ20に記憶される。第1計測部7は、例えば超音波計測器である超音波センサーによって実現されてもよい。超音波センサーとしては、たとえばオムロン社製、型番E4C-DS30Lを商業的に容易に入手することができる。第1計測部7に超音波センサーを用いることによって、測定範囲がある程度広い範囲を測定でき、測定環境による外部からの影響(日光や電灯)を受けずに、タイヤTの一方の側壁部T1が側方に凸に湾曲した形状であっても、正確に距離を計測することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
以上のように本実施形態によれば、第1計測端71からタイヤTのサイドウォールとも呼ばれる外側の側壁部T1までの第1距離ZDが、第1計測部7によって計測され、ホイールWのリム部W1の内周面W1aの第2距離LR1が、第2計測部8によって第1軸線L1に沿って走査されて計測される。また、偏心量計測部10によって、回転軸4の回転時における偏心量が回転位置に対応させて計測される。信号処理部11は、第1距離ZD、第2距離LR1および偏心量に基づいて、タイヤTが装着されたホイールWのアンバランス量を各重錘w1,w2の重量として算出し、回転位置をホイールWの回転角度位置によって算出し、算出されたアンバランス量および回転位置は、表示部13によって表示される。したがって前記従来技術のように、ホイールWのリム幅を作業者が手作業で測定する必要がなくなり、タイヤT付きホイールWのアンバランス量および回転位置を短時間で計測することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8