(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098358
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】粉粒体の搬送方法とそのふるい装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/34 20060101AFI20230703BHJP
B65D 88/66 20060101ALI20230703BHJP
B07B 1/28 20060101ALI20230703BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20230703BHJP
B07B 1/00 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B65G65/34 B
B65D88/66 D
B07B1/28 Z
B07B1/46 D
B07B1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215071
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】522002205
【氏名又は名称】池澤加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(72)【発明者】
【氏名】池澤 寿弘
【テーマコード(参考)】
3E170
3F075
4D021
【Fターム(参考)】
3E170AA15
3E170AA16
3E170AA29
3E170AB11
3E170AB30
3E170FA10
3E170FB01
3E170FB03
3E170VA20
3E170WD07
3E170WD09
3F075AA08
3F075BA02
3F075BB01
3F075CA01
3F075CA06
3F075CD07
3F075DA17
4D021AA13
4D021AA20
4D021AB02
4D021AC01
4D021BA01
4D021CA07
4D021DA15
4D021EA10
(57)【要約】
【課題】貯蔵用サイロを必要としない粉粒体の搬送方法とそのふるい装置を提供する。
【解決手段】本発明の振動ふるい装置1を置き場からフォークリフト102で移動し、粉粒体運搬車106のマンホールに振動ふるい装置1を設置して、振動ふるい装置1の粉粒体排出口を粉粒体運搬車106のマンホールに正対させる。次に、活性炭等の粉粒体が収納されたフレコンバッグ101をコンテナからフォークリフト102で取り出し、フォークリフト102を移動してフレコンバッグ101を振動ふるい装置1の粉粒体投入口に正対させる。次に、フレコンバッグ101下部の排出口を開いて振動ふるい装置1の粉粒体投入口に粉粒体を投入してふるいに掛け、所定の粒径以下の粉粒体を粉粒体運搬車106のマンホールを介して投入すると同時に、異物も除去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体運搬車のマンホールにふるい装置を設置して、前記ふるい装置の粉粒体排出口を前記マンホールに正対させる工程と、
粉粒体が収納されたフレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程と、
前記フレコンバッグ下部の排出口を開いて前記ふるい装置の粉粒体投入口に前記粉粒体を投入する工程と
からなることを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記マンホールにふるい装置を設置する工程と、前記フレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程とをフォークリフトで行う
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項3】
請求項1に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記マンホールにふるい装置を設置する工程と、前記フレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程とをクレーンで行う
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項4】
請求項1~3から選択される1項に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記ふるい装置には、かご型の単位ふるいが前記ふるい装置の水平面上に複数配置されている
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項5】
請求項4に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記かご型の単位ふるいは隣接するかご型の単位ふるいとの間に所定の隙間を空けて配置されている
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項6】
請求項5に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記ふるい装置は、前記ふるい装置の下側を構成する下側ふるい枠と、
前記ふるい装置の上側を構成し、前記下側ふるい枠と締結可能な上側ふるい枠と、
前記上側ふるい枠の下面と前記下側ふるい枠の上面との間に挟み込まれて締結可能で、前記単位ふるいの下面を支持する円盤形の下側ふるい支持板と、
前記上側ふるい枠の内周面に固定され、前記下側ふるい支持板との間で前記単位ふるいの上面を挟み込んで固定する円盤形の上側ふるい押さえ板と、
前記単位ふるいの下面に正対して前記下側ふるい支持板に形成され、前記単位ふるいの下面の大きさよりも若干小さな開口部と、
前記単位ふるいの上面に正対して前記上側ふるい押さえ板に形成され、前記単位ふるいの上面の大きさよりも若干小さな開口部とを備えた
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【請求項7】
請求項1~6から選択される1項に記載の粉粒体の搬送方法において、
前記ふるい装置は、振動モータにより振動運動を行う振動ふるい装置である
ことを特徴とする粉粒体の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体の搬送方法に関する。更に詳しくは、活性炭、穀類、籾殻等に混入している異物を除去して粉粒体運搬車に積載するための粉粒体の搬送方法とそのふるい装置に関する。
【背景技術】
【0002】
活性炭は、水処理用、空気浄化用等に使用されているが、用途に応じて、粉末状活性炭、粒状活性炭等が使われている。この活性炭は、例えば、下水処理場等で排水処理のために大量に使用されている。日本の場合、この活性炭は、ヤシ殻等で作られているもので、主に輸入に頼っている。活性炭は、輸入するとき、現地でフレコンバッグ(Flexible Containers Bag)と呼ばれている袋状の包材に入れられ、コンテナに積まれて送られてくる。輸入業者は、一般的にコンテナに積まれているフレコンバッグをコンテナから取り出して、この中の活性炭を取り出し、貯蔵用サイロに入れて貯蔵する。更に、需要量に応じて、この活性炭を貯蔵用サイロから粉粒体運搬用の車両に搭載し、エンドユーザーに配送している。フレコンバッグで輸入されている活性炭には、製造過程等で異物が混入することがあり、この異物を除去するためには、ふるい(篩)にかける必要がある。
【0003】
そのために、活性炭を貯蔵用サイロに貯蔵するとき、ふるいにかけて、異物を除去している。活性炭に限らないが、粉粒体を貯蔵用サイロに入れておき、必要に応じて、粉粒体運搬用の車両(粉粒体運搬車)に積載して、使用場所に運搬するシステムは古くから知られている(例えば、特許文献1)。一方、粉粒体のふるい効率を向上させるためのふるいとして、振動ふるい装置も知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-90807号
【特許文献2】特開2019-76901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、フレコンバッグ内の粉粒体を貯蔵用サイロに貯蔵するのは、余分な工程である。フレコンバッグは、コンテナに積載されて輸入されており、コンテナは一種の貯蔵手段でもある。即ち、貯蔵用サイロはかならずしも必須ではなく、かつ設備としても大掛かりでもありコスト高になる。
本発明の目的は、貯蔵用サイロを必要としない粉粒体の搬送方法とそのふるい装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、目詰まりが防止され、ふるい効率を向上させることが可能な粉粒体のふるい装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次の手段を採る。
即ち、本発明1の粉粒体の搬送方法は、粉粒体運搬車のマンホールにふるい装置を設置して、前記ふるい装置の粉粒体排出口を前記マンホールに正対させる工程と、粉粒体が収納されたフレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程と、前記フレコンバッグ下部の排出口を開いて前記ふるい装置の粉粒体投入口に前記粉粒体を投入する工程とからなることを特徴とする。
【0007】
本発明2の粉粒体の搬送方法は、本発明1において、前記マンホールにふるい装置を設置する工程と、前記フレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程とをフォークリフトで行うことを特徴とする。
本発明3の粉粒体の搬送方法は、本発明1において、前記マンホールにふるい装置を設置する工程と、前記フレコンバッグ下部の排出口を前記ふるい装置の粉粒体投入口に正対させる工程とをクレーンで行うことを特徴とする。
【0008】
本発明4の粉粒体の搬送方法は、本発明1~3から選択される1項において、前記ふるい装置には、かご型の単位ふるいが前記ふるい装置の水平面上に複数配置されていることを特徴とする。
本発明5の粉粒体の搬送方法は、本発明4において、前記かご型の単位ふるいは隣接するかご型の単位ふるいとの間に所定の隙間を空けて配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明6の粉粒体の搬送方法は、本発明5において、前記ふるい装置は、前記ふるい装置の下側を構成する下側ふるい枠と、前記ふるい装置の上側を構成し、前記下側ふるい枠と締結可能な上側ふるい枠と、前記上側ふるい枠の下面と前記下側ふるい枠の上面との間に挟み込まれて締結可能で、前記単位ふるいの下面を支持する円盤形の下側ふるい支持板と、前記上側ふるい枠の内周面に固定され、前記下側ふるい支持板との間で前記単位ふるいの上面を挟み込んで固定する円盤形の上側ふるい押さえ板と、前記単位ふるいの下面に正対して前記下側ふるい支持板に形成され、前記単位ふるいの下面の大きさよりも若干小さな開口部と、前記単位ふるいの上面に正対して前記上側ふるい押さえ板に形成され、前記単位ふるいの上面の大きさよりも若干小さな開口部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明7の粉粒体の搬送方法は、本発明1~6から選択される1項において、前記ふるい装置は、振動モータにより振動運動を行う振動ふるい装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粉粒体の搬送方法は、大掛かりな貯蔵用サイロが不要なためコストが低減され、貯蔵用サイロを設置するための広いスペースが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の粉粒体の搬送方法を示す説明図である。
【
図2】
図2は、従来の粉粒体の搬送方法を示す説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の振動ふるい装置を示す概念図である。
【
図4】
図4は、本発明の振動ふるい装置の正面図である。
【
図9】
図9は、単位ふるいを取り外した状態を示す
図4のA-A断面図である。
【
図12】
図12は、形状が異なる単位ふるいを示すものであり、
図12(a)は単位ふるいの平面図であり、
図12(b)は
図12(a)のb-b線で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[従来の粉粒体の搬送方法]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は従来の粉粒体の搬送方法を示す説明図である。
図2に示すように、活性炭等の粉粒体が収納されたフレコンバッグ101をコンテナ(図示せず)からフォークリフト102で取り出す。次に、フォークリフト102を移動してフレコンバッグ101を振動ふるい装置103の粉粒体投入口に正対させる。次に、フレコンバッグ101下部の排出口を開いて振動ふるい装置103の粉粒体投入口に粉粒体を投入してふるいに掛け、所定の粒径以下の粉粒体をバケットエレベータ104に投入すると同時に、異物も除去する。貯蔵用サイロ105はバケットエレベータ104によって投入された粉粒体を貯蔵する。需要量に応じて、貯蔵用サイロ105から粉粒体運搬車106のマンホールを介して粉粒体運搬車106に粉粒体を移し換え、粉粒体運搬車106でエンドユーザーに配送している。従って、大掛かりな貯蔵用サイロ105が必要なためコスト高であり、貯蔵用サイロ105を設置するための広いスペースが必要になっていた。
【0014】
[本発明の実施の形態の粉粒体の搬送方法]
図1は、本発明の実施の形態の粉粒体の搬送方法を示す説明図である。
図1(a)に示すように、粉粒体運搬車106が到着したら、本発明の振動ふるい装置1を置き場(図示せず)からフォークリフト102で移動し、粉粒体運搬車106のマンホールに振動ふるい装置1を設置して、振動ふるい装置1の粉粒体排出口を粉粒体運搬車106のマンホールに正対させる。次に、
図1(b)に示すように、活性炭等の粉粒体が収納されたフレコンバッグ101をコンテナ(図示せず)からフォークリフト102で取り出し、フォークリフト102を移動してフレコンバッグ101を振動ふるい装置1の粉粒体投入口に正対させる。次に、フレコンバッグ101下部の排出口を開いて振動ふるい装置1の粉粒体投入口に粉粒体を投入してふるいに掛け、所定の粒径以下の粉粒体を粉粒体運搬車106のマンホールを介して投入すると同時に、異物も除去する。所定の数量のフレコンバッグ101の粉粒体を粉粒体運搬車106に投入したら、振動ふるい装置1をフォークリフト102で粉粒体運搬車106から取り外した後、粉粒体運搬車106でエンドユーザーに配送する。他の実施例として、マンホールに振動ふるい装置1を設置する工程と、フレコンバッグ101を振動ふるい装置1の粉粒体投入口に正対させる工程をクレーンでおこなってもよい。従って、大掛かりな貯蔵用サイロが不要なためコストが低減され、貯蔵用サイロを設置するための広いスペースが不要となる。
【0015】
[本発明の実施の形態の振動ふるい装置1の概念図]
図3は本発明の振動ふるい装置1を示す概念図である。振動ふるい装置1は、振動ふるい装置1の下端の円盤状のベース板11が粉粒体運搬車106のマンホール107上に載置されて使用される。振動ふるい装置1には振動ふるい装置1の同一水平面上にかご型の単位ふるい2が複数(たとえば9個)配置されている。かご型の単位ふるい2は、上面を除く4側面と下面に線径の細い針金で所定のメッシュの金網が取り付けられている。また、隣接するかご型の単位ふるい2との間に所定の隙間dを空けて配置されている。このように、かご型の単位ふるい2を複数配置することにより、ふるいの網目の面積を大きくして、目詰まりを防止し、ふるい効率を向上させることが可能となる。
【0016】
[本発明の実施の形態の振動ふるい装置1の構造]
次に振動ふるい装置1の具体的構造について説明する。
図4は本発明の振動ふるい装置1の正面図、
図5は
図4のA-A断面図、
図6は
図5のB-B断面図、
図7は
図5のC-C断面図、
図8は
図5のD-D断面図である。
図9は単位ふるい2を取り外した状態を示す
図4のA-A断面図、
図10は
図9のE-E断面図、
図11は
図5の分解図である。振動ふるい装置1は、下端の円盤状のベース板11、中空円筒状のふるい枠の下側を構成する下側ふるい枠3、中空円筒状のふるい枠の上側を構成する上側ふるい枠4、傘型の蓋体5、2個の振動モータ6、6等によって構成されている。下側ふるい枠3には、下側に向かって先細る漏斗状のシュート部36が形成され、シュート部36の下端に粉粒体排出口31が開口して形成されている。下側ふるい枠3の外周面には平面視(図示せず)で八角形の板状の振動プレート32が溶接によって一体的に形成されている。振動プレート32の下面とベース板11の上面との間には、平面視で同一円周上に等間隔に複数(実施例では12個)の圧縮コイルばね33が装着されているため、振動プレート32はベース板11に揺動自在に支持されている。
図4に示すように、振動ふるい装置1を粉粒体運搬車106に設置する際、ベース板11を粉粒体運搬車106のマンホール107上に載置して使用する。
【0017】
下側ふるい枠3の外周面には、180度対向した位置に、ビーム部材61、61が半径方向外側に張り出して一体に形成され、ビーム部材61、61の左右両端に振動モータ6が各々取り付けられている。振動モータ6、6はロータ軸の両端に取り付けられた偏心重りの回転で振動を発生させる。ロータ軸の中心軸線は水平軸線に対して60度傾斜して配置され、一方の振動モータ6側から他方の振動モータ6を見たときに、振動モータ6、6は水平軸線に対して左右対称に配置されている。
図5に示すように、上側ふるい枠4は、上側ふるい枠4の下端部から円周方向全域に亘って半径方向外側に張り出して形成された円盤状のフランジ部41を有している。また、上側ふるい枠4の上端部から円周方向全域に亘って上方に傾斜するように半径方向外側に張り出して形成されたテーパフランジ部42を有している。フランジ部41には、全周に亘ってリング状のパッキン43が装着されている。
図4に示すように、上側ふるい枠4の前後方向の前側には、上側ふるい枠4の外周面から突出するように排出ダクト44が取り付けられている。排出ダクト44は、分級処理の際に単位ふるい2上に残留している残留異物を外部へと導出する。
【0018】
下側ふるい枠3は、上側ふるい枠4のフランジ部41に対応するように、下側ふるい枠3の上端部から円周方向全域に亘って半径方向外側に張り出して形成されるフランジ部34を有している。このフランジ部34には、全周に亘ってリング状のパッキン35が装着されている。上側ふるい枠4の外周面には、円周方向に45度間隔で8個の掛止ブラケット45が突設されている。この掛止ブラケット45は、上側ふるい枠4の半径方向外側に開放された受入口451を有している。振動プレート32の上面には、円周方向に45度間隔で、振動プレート32側に倒した倒し位置と、振動プレート32と掛止ブラケット45との間に掛け渡すように起立させた起立位置との間で揺動自在な8個のスイングボルト37が設置されている。そして、起立位置にある各スイングボルト37にねじ込んで掛止ブラケット45に着座するナット371の締め付けにより、上側ふるい枠4、下側ふるい枠3、下側ふるい支持板38が確実に締結される。
【0019】
蓋体5の上端中央部には円筒状の粉粒体投入口51が開口している。蓋体5の外周縁と上側ふるい枠4のテーパフランジ部42との間には、両者の隙間を密封する蓋パッキン52がリングプレート53に支持された状態で介挿されている。リングプレート53は円環状で、中心に円形の開口部531が形成されている。蓋体5と上側ふるい枠4との突合せ部分には、蓋体5の外周縁と上側ふるい枠4のテーパフランジ部42とを挟むことができる断面Vの字状の締結バンド54が巻き掛けられている。この締結バンド54で緊縛することにより、蓋体5と上側ふるい枠4とを締結することができる。また、この締結バンド54の緊縛を解除することにより、上側ふるい枠4に対して蓋体5を取り外すことができる。
【0020】
[単位ふるい2の構造]
9個のかご型の単位ふるい2は同一形状の直方体で、平面視が正方形に形成され、線径の太い金属の針金を溶接して12個の辺が形成され、上面を除く4側面と下面に線径の細い針金で所定のメッシュの金網が取り付けられている。また、
図5、
図7に示すように、隣接するかご型の単位ふるい2の間には所定の隙間dが空けられている。
図5から
図11に示すように、9個のかご型の単位ふるい2は、下側ふるい支持板38と上側ふるい押さえ板46によって挟み込まれ、上側ふるい枠4と下側ふるい枠3に固定されている。
図5、
図7、
図8、
図9に示すように、下側ふるい支持板38は円盤形で、下側ふるい支持板38の外周側に円環状のフランジ部381が形成されている。
【0021】
下側ふるい支持板38のフランジ部381は、パッキン35、43介して下側ふるい枠3のフランジ部34と上側ふるい枠4のフランジ部43に挟み込まれているため、締結部からの粉粒体の漏れを防止することができる。フランジ部381の内側には、幅の狭い縦桟382と横桟383が格子状に形成されている。
図8に示すように、縦桟382と横桟383に囲まれた正方形の開口部384が9個形成され、正方形の開口部384の周囲には、円環状のフランジ部381と縦桟382、横桟383に囲まれた周辺開口部385が16個形成されている。正方形の開口部384は下側ふるい支持板38の中央部に形成され、周辺開口部385は正方形の開口部384の周囲に形成されている。縦桟382と横桟383の交点には、3種類のふるい位置決め板386、387、388が固定されている。
図7に示すように、ふるい位置決め板386、387、388は、単位ふるい2の下面の4辺に当接して単位ふるい2の下面を下側ふるい支持板38に位置決めする。
【0022】
図5、
図6、
図10、
図11に示すように、上側ふるい押さえ板46は円盤形で、上側ふるい枠4の内周面に溶接で固定されている。上側ふるい押さえ板46の中央部には正方形の開口部461が9個形成されている。正方形の開口部461の平面視の大きさは、単位ふるい2の平面視の正方形の大きさよりも若干小さく形成されている。上側ふるい押さえ板46の下面には、正方形の開口部461の外側から正方形の開口部461の内側に張り出して、正方形の開口部461の全域に亘って下方に傾斜するように形成された傾斜押さえ板462が固定されている。上側ふるい押さえ板46の上面には、上側ふるい枠4の内周面から半径方向内側に向かって、円周方向全域に亘って下方に傾斜するように形成されたシュート部463が溶接で一体的に形成されている。シュート部463は正方形の開口部461の外側まで形成されている。
【0023】
[単位ふるい2の取り付け作業]
次に、単位ふるい2の取付作業について説明する。まず、
図11に示すように、下側ふるい枠3のフランジ部34に装着されたパッキン35上に、下側ふるい支持板38を載せる。次に、9個の単位ふるい2を下側ふるい支持板38の上面の正方形の開口部384を構成する縦桟382と横桟383上に載せ、ふるい位置決め板386、387、388に単位ふるい2の下面の4辺を当接させて、単位ふるい2の下面を下側ふるい支持板38に位置決めする。次に、締結バンド54を緩めて、上側ふるい枠4から蓋体5、リングプレート53、蓋パッキン52を取り外す。この状態の上側ふるい枠4を下側ふるい枠3の真上に持ってくる。その際、上側ふるい枠4を水平面内で回転させて、上側ふるい押さえ板46の9個の正方形の開口部461が、9個の単位ふるい2の上面の正方形の4辺と位相が一致するようにする。位相が一致したら、上側ふるい枠4を降ろし、上側ふるい枠4のフランジ部41に装着されたパッキン43を下側ふるい支持板38のフランジ部381に装着されたパッキン35に当接させる。
【0024】
次に、各スイングボルト37を順次起立状態にして掛止ブラケット45に掛け渡し、各スイングボルト37にナット371を締め付けて、上側ふるい枠4を下側ふるい枠3に締結する。その結果、上側ふるい押さえ板46の傾斜押さえ板462が弾性変形しながら単位ふるい2の上面を下方に押し付けるため、9個の単位ふるい2は、下側ふるい支持板38と上側ふるい押さえ板46によって上下から強く挟み込まれる。従って、9個の単位ふるい2は上側ふるい枠4と下側ふるい枠3に固定されて、単位ふるい2の取付作業が完了する。次に、締結バンド54を締めることにより、リングプレート53、蓋パッキン52を挟んで蓋体5と上側ふるい枠4とを締結すると、振動ふるい装置1として使用可能な状態となる。
【0025】
[粉粒体のふるい作業]
図1(a)に示すように、粉粒体運搬車106が到着したら、上記した本発明の振動ふるい装置1を置き場(図示せず)からフォークリフト102で移動し、粉粒体運搬車106まで移動する。粉粒体運搬車106のマンホール107の蓋(図示せず)を開け、
図4に示すように、マンホール107に振動ふるい装置1のベース板11を載置して、振動ふるい装置1の粉粒体排出口31をマンホール107に正対して挿入する。次に、
図1(b)に示すように、活性炭等の粉粒体が収納されたフレコンバッグ101をコンテナからフォークリフト102で取り出し、フォークリフト102を移動してフレコンバッグ101を振動ふるい装置1の粉粒体投入口51(
図4、
図5参照)に正対させる。次に、フレコンバッグ101下部の排出口を開いて振動ふるい装置1の粉粒体投入口51に粉粒体を投入する。
【0026】
粉粒体投入口51に投入された粉粒体は、上側ふるい押さえ板46の正方形の開口部461を通過して9個の単位ふるい2に入り込む。上側ふるい枠4の内周面にはシュート部463があるため、粉粒体は上側ふるい枠4の内周面に滞留すること無く、円滑に9個の単位ふるい2に入り込む。左右の振動モータ6、6を同期作動させることにより、振動プレート32、下側ふるい枠3、上側ふるい枠4、9個の単位ふるい2等が縦横の振動運動を行う。9個の単位ふるい2の中の粉粒体が単位ふるい2の網目でふるいに掛けられて、所定の粒径以下の粉粒体が単位ふるい2の外側に出る。かご型の単位ふるい2を複数配置することにより、ふるいの網目の面積(単位ふるい2の下面と4側面を合計した面積)が大きくなるため、目詰まりが防止され、ふるい効率を向上させることが可能となる。
【0027】
単位ふるい2の外側に出た粉粒体は、隣接する単位ふるい2の間の隙間d、上側ふるい枠4の内周面と単位ふるい2との間の隙間、下側ふるい支持板38の正方形の開口部384、周辺開口部385を通って、シュート部36の下端の粉粒体排出口31から円滑に排出され、粉粒体運搬車106のマンホール107に投入される。所定の数量のフレコンバッグ101の粉粒体を粉粒体運搬車106に投入したら、振動ふるい装置1をフォークリフト102で置き場に戻す。粉粒体運搬車106のマンホール107の蓋を閉めた後、粉粒体運搬車106でエンドユーザーに配送する。
【0028】
[他の単位ふるい20の構造]
前述した単位ふるい2は、外形は正方体状の形状であった。しかしながら、単位ふるい2は、同一の形状でなくても良い。粉粒体を運搬車106に積載するとき、迅速にふるい作業を行えば良い。このためには、ふるいのメッシュ面積を増加させる必要がある。
図12は、形状が異なる単位ふるい20を示すものであり、
図12(a)は、単位ふるい20の平面図であり、
図12(b)は、
図12(a)のb-b線で切断した断面図である。この単位ふるい20は、円筒型ふるい21と、環状型ふるい22の二つからなる。円筒型ふるい21は、単上方が開口した円筒型ふるい21は、
図7に示す下側ふるい支持板38の中心位置に配置、固定されている。なお、この固定構造は、円筒型ふるい21に合致した形状となる(図示せず。)。円筒型ふるい21の外周には、半径方向に間隔Sを置いて、環状型ふるい22が配置、固定されている。特に、環状型ふるい22を配置されているので、メッシュの面積が広くなり、粉粒体の排出もこの半径方向の内外から行うのでふるい効率が高くなる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。例えば、前述した粉粒体の搬送方法及びふるい装置の実施の形態例では、振動モータにより振動運動を行う振動ふるい装置に適用した例について説明したが、振動運動を行わないふるい装置に適用してもよい。単位ふるい2は平面視が正方形の直方体であるが、その他の形状、例えば、平面視が長方形の直方体、平面視が円形の円柱、平面視が三角形の三角柱、平面視が四角形を超える多角形の多角柱でもよい。また、前述した実施例では、単位ふるい2の数は9個であるが複数であればよい。
【符号の説明】
【0030】
1…振動ふるい装置
11…ベース板
2…単位ふるい
3…下側ふるい枠
31…粉粒体排出口
32…振動プレート
33…圧縮コイルばね
34…フランジ部
35…パッキン
36…シュート部
37…スイングボルト
371…ナット
38…下側ふるい支持板
381…フランジ部
382…縦桟
383…横桟
384…正方形の開口部
385…周辺開口部
386、387、388…ふるい位置決め板
4…上側ふるい枠
41…フランジ部
42…テーパフランジ部
43…パッキン
44…排出ダクト
45…掛止ブラケット
451…受入口
46…上側ふるい押さえ板
461…正方形の開口部
462…傾斜押さえ板
463…シュート部
5…蓋体
51…粉粒体投入口
52…蓋パッキン
53…リングプレート
531…円形の開口部
54…締結バンド
6…振動モータ
61…ビーム部材
101…フレコンバッグ
102…フォークリフト
103…振動ふるい装置
104…バケットエレベータ
105…貯蔵用サイロ
106…粉粒体運搬車
107…マンホール