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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098449
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ダブルベルトプレス
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/06 20060101AFI20230703BHJP
   B29C 43/48 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B30B5/06 A
B29C43/48
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215217
(22)【出願日】2021-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】504013890
【氏名又は名称】株式会社SGIC
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】勢井 啓介
【テーマコード(参考)】
4E090
4F204
【Fターム(参考)】
4E090AA05
4E090AB01
4E090CA02
4E090DA03
4E090DB06
4F204AC03
4F204AD16
4F204AG01
4F204FA11
4F204FB02
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ21
(57)【要約】
【課題】 加圧室に収容された加圧用流体がシール部から漏れることを抑制する。
【解決手段】 ダブルベルトプレスは、一対のベルトによって製品を挟んだ状態で搬送しながら、加圧室に収容された加圧用流体によって製品を加圧する。ダブルベルトプレスは、加圧室の外縁に沿って設けられ、加圧室をシールするシール部を有する。シール部は、内シール、外シール及び隔壁部を有する。内シールは、内シール溝に収容されており、内シール溝に供給されたシール用流体をベルトに向けて噴出させる。外シールは、外シール溝に収容されており、外シール溝に供給されたシール用流体をベルトに向けて噴出させる。隔壁部は、内シール溝及び外シール溝の間に形成されている。隔壁部は、内シール溝及び外シール溝のそれぞれにシール用流体を供給する複数の流体供給通路と、内シール及び外シールの間に形成されたスペースに溜まったシール用流体を回収する複数の流体回収通路とを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のベルトによって製品を挟んだ状態で搬送しながら、加圧室に収容された加圧用流体によって製品を加圧するダブルベルトプレスであって、
前記加圧室の外縁に沿って設けられ、前記加圧室をシールするシール部を有し、
前記シール部は、
内シール溝に収容されており、前記内シール溝に供給されたシール用流体を前記ベルトに向けて噴出させる内シールと、
前記内シール溝よりも前記加圧室から離れた位置に設けられた外シール溝に収容されており、前記外シール溝に供給されたシール用流体を前記ベルトに向けて噴出させる外シールと、
前記内シール溝及び前記外シール溝の間に形成されており、前記内シール溝及び前記外シール溝のそれぞれに前記シール用流体を供給する複数の流体供給通路と、前記内シール及び前記外シールの間に形成されたスペースに溜まった前記シール用流体を回収する複数の流体回収通路とを備える隔壁部と、
を有することを特徴とするダブルベルトプレス。
【請求項2】
前記内シール溝の底面と前記内シールとの間に配置されており、弾性変形が可能な内シール用変形部材と、
前記外シール溝の底面と前記外シールとの間に配置されており、弾性変形が可能な外シール用変形部材と、を有し、
前記内シール用変形部材は、前記内シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、前記内シールを前記ベルトに向かって付勢し、
前記外シール用変形部材は、前記外シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、前記外シールを前記ベルトに向かって付勢し、
前記ベルトに対して前記内シールを付勢する力は、前記ベルトに対して前記外シールを付勢する力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のダブルベルトプレス。
【請求項3】
前記シール用流体を前記内シール溝に供給する前記流体供給通路は、前記内シール溝の一部を形成する前記隔壁部の側面から前記ベルトに向かう傾斜方向に前記シール用流体を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のダブルベルトプレス。
【請求項4】
前記シール用流体を前記外シール溝に供給する前記流体供給通路は、前記外シール溝の一部を形成する前記隔壁部の側面から前記ベルトに向かう傾斜方向に前記シール用流体を供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。
【請求項5】
前記シール部よりも前記加圧室から離れた位置において、前記加圧室の外縁に沿って設けられており、前記ベルトの表面に押し付けられるワイパを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。
【請求項6】
前記シール部及び前記ワイパの間には、前記シール用流体を回収する回収口が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のダブルベルトプレス。
【請求項7】
前記内シール及び前記外シールの少なくとも一方は、互いに接続される第1サブシール及び第2サブシールから構成されており、
前記第1サブシール及び前記第2サブシールは、前記一対のベルトが前記製品を挟む方向に変位可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を圧縮成型する液圧式のダブルベルトプレスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の連続加圧装置では、摺動部材を搬送ベルトに押圧することにより、加圧室内の加圧用流体が加圧室の外部に漏れないようにしている。また、摺動部材のうち、搬送ベルトと対向する面に形成された凹部からシール用流体を流出させることにより、摺動部材及び搬送ベルトの間にシール用流体の流動層を形成している。この流動層によって、加圧室内の加圧用流体が加圧室の外部に漏れないようにしている。
【0003】
特許文献1では、上述したように加圧室内の加圧用流体が漏れないようにしているものの、摺動部材及び搬送ベルトの間の間隙から加圧用流体が漏れてしまうことは避けられないため、漏れた加圧用流体を排出するようにしている。具体的には、シール部材を搬送ベルトに押圧することにより、シール部材及び摺動部材の間に排出空間を形成している。そして、排出空間に漏れた加圧用流体を排出孔から排出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-264196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、シール部材を搬送ベルトに押圧しているが、搬送ベルトは移動するため、シール部材及び搬送ベルトの間には隙間が発生してしまい、この隙間を介して流体が漏れてしまうことがある。ここで、特許文献1には、複数のシール部材を用いることにより、流体の漏れを抑制することが記載されているが、この場合には、部品点数が増えてしまったり、連続加圧装置が大型化してしまったりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一対のベルトによって製品を挟んだ状態で搬送しながら、加圧室に収容された加圧用流体によって製品を加圧するダブルベルトプレスである。ダブルベルトプレスは、加圧室の外縁に沿って設けられた、加圧室をシールするシール部を有する。シール部は、内シール、外シール及び隔壁部を有する。内シールは、内シール溝に収容されており、内シール溝に供給されたシール用流体をベルトに向けて噴出させる。外シールは、内シール溝よりも加圧室から離れた位置に設けられた外シール溝に収容されており、外シール溝に供給されたシール用流体をベルトに向けて噴出させる。隔壁部は、内シール溝及び外シール溝の間に形成されており、内シール溝及び外シール溝のそれぞれにシール用流体を供給する複数の流体供給通路と、内シール及び外シールの間に形成されたスペースに溜まったシール用流体を回収する複数の流体回収通路とを備える。
【0007】
内シール溝の底面と内シールとの間に、弾性変形が可能な内シール用変形部材を配置するとともに、外シール溝の底面と外シールとの間に、弾性変形が可能な外シール用変形部材を配置することができる。内シール用変形部材は、内シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、内シールをベルトに向かって付勢する。外シール用変形部材は、外シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、外シールをベルトに向かって付勢する。ベルトに対して内シールを付勢する力は、ベルトに対して外シールを付勢する力よりも大きくすることができる。
【0008】
シール用流体を内シール溝に供給する流体供給通路は、内シール溝の一部を形成する隔壁部の側面からベルトに向かう傾斜方向にシール用流体を供給することができる。一方、シール用流体を外シール溝に供給する流体供給通路は、外シール溝の一部を形成する隔壁部の側面からベルトに向かう傾斜方向にシール用流体を供給することができる。
【0009】
シール部よりも加圧室から離れた位置には、ベルトの表面に押し付けられるワイパを加圧室の外縁に沿って設けることができる。シール部及びワイパの間には、シール用流体を回収する回収口を設けることができる。
【0010】
内シール及び外シールの少なくとも一方は、互いに接続される第1サブシール及び第2サブシールによって構成することができる。第1サブシール及び第2サブシールは、一対のベルトが製品を挟む方向に相対的に変位可能とすることができる。なお、複数のサブシール(第1~第Nサブシール;Nは2以上の正数)を設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内シール及び外シールのそれぞれからベルトに向けてシール用流体を噴出させることにより、内シール及びベルトの間と外シール及びベルトの間にシール用流体の層を形成することができる。これらの層によって、加圧室に収容された加圧用流体がシール部から漏れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ダブルベルトプレスの概略を示す斜視図である。
図2】下側加圧ユニットにおいて、ベルトと接触する面の一部を示す概略平面図である。
図3】上側加圧ユニット及び下側加圧ユニットにおける一部の断面図である。
図4図2のA1-A1断面図又はA2-A2断面図である。
図5図2のB1-B1断面図又はB2-B2断面図である。
図6図2のC1-C1断面図又はC2-C2断面図である。
図7】内シール及び外シールにおけるオイル噴出口の形状を示す図である。
図8】内シール又は外シールの構造を示す概略図である。
図9】Z方向から第1サブシール及び第2サブシールを見たときの概略図である。
図10】Z方向から第1サブシール及び第2サブシールを見たときの概略図(変形例)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態であるダブルベルトプレス1の概略を示す斜視図である。図1において、X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する軸であり、本実施形態において、Z軸は鉛直方向に延びる軸である。
【0014】
図1に示すように、圧縮成型される製品は、ダブルベルトプレス1(後述する一対のベルト13a,13bの間)に供給され、ダブルベルトプレス1(後述する上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20b)で圧縮成型された後、ダブルベルトプレス1から排出される。製品としては、例えば、金属系複合材料、ラミネート製品(CCL;Copper Clad Laminate)、繊維強化プラスチック(CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics、GFRP;Glass Fiber Reinforced Plastics)、機能性フィルム、各種ボード類が挙げられる。
【0015】
ダブルベルトプレス1は、一対の入側プーリ11a,11bと、一対の出側プーリ12a,12bとを有する。入側プーリ11a及び出側プーリ12aには、無端状のベルト13aが掛け渡されており、入側プーリ11b及び出側プーリ12bには、無端状のベルト13bが掛け渡されている。入側プーリ11a,11bのそれぞれにはシリンダ14が接続されており、シリンダ14は、各入側プーリ11a,11bの位置を調整することにより、ベルト13a,13bのテンションを調整することができる。
【0016】
出側プーリ12aには動力源(不図示)が接続されており、動力源からの動力によって出側プーリ12aを駆動することにより、ベルト13aを矢印D1の方向に移動させることができる。また、出側プーリ12bには動力源(不図示)が接続されており、動力源からの動力によって出側プーリ12bを駆動することにより、ベルト13bを矢印D2の方向に移動させることができる。入側プーリ11a,11bにはロータリエンコーダ(不図示)が接続されており、ロータリエンコーダの出力に基づいて、出側プーリ12a,12bの回転を制御することができる。
【0017】
入側プーリ11a及び出側プーリ12aの間には、上側加圧ユニット20aが配置されており、上側加圧ユニット20aは、無端状のベルト13aの内側の面と接触している。入側プーリ11b及び出側プーリ12bの間には、下側加圧ユニット20bが配置されており、下側加圧ユニット20bは、無端状のベルト13bの内側の面と接触している。
【0018】
上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bは、一対のベルト13a,13bを挟んでおり、一対のベルト13a,13bの間に位置する製品に対して圧縮力を与える。具体的には、製品は、一対のベルト13a,13bによって挟まれた状態で搬送されながら、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bによって圧縮成型される。圧縮成型された製品は、一対のベルト13a,13bによって挟まれた状態で搬送されながら、ダブルベルトプレス1から排出される。
【0019】
上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bのそれぞれには、オイル供給管31及びオイル排出管32が接続されている。オイル供給管31は、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bのそれぞれにオイルを供給し、オイル排出管32は、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bのそれぞれで使用されたオイルを回収して排出する。
【0020】
オイル供給管31には、製品を加圧するためのオイル(以下、「加圧用オイルOp」という。)を供給するオイル供給管31と、後述する内シール溝41や外シール溝42に供給されるオイル(以下、「シール用オイルOs」という。)を供給するオイル供給管31と、後述する内シール60aや外シール60bを付勢するためのオイル(以下、「付勢用オイルOb」という)を供給するオイル供給管31とが含まれる。オイル排出管32には、後述するオイル回収口43eから回収されたシール用オイルOs(後述する内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)を排出するオイル排出管32と、後述するオイル回収口44から回収されたシール用オイルOs(後述する内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)を排出するオイル排出管32とが含まれる。
【0021】
本実施形態では、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bのそれぞれにオイルを供給しているが、これに限るものではない。すなわち、オイル以外の流体を用いても、ダブルベルトプレス1を動作させることができる。
【0022】
図2は、下側加圧ユニット20bの一部をベルト13bの側(すなわち、図1の上側)から見たときの概略図である。また、図3は、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bにおける一部の構造を示す垂直断面図(Y-Z断面図)である。ここで、上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bのそれぞれは、同一の構造を有しており、上下対称に配置されている。図2及び図3では、後述する内シール60aや外シール60bなど(図4図6を参照)を省略している。
【0023】
図2に示すように、下側加圧ユニット20bは、ベルト13bを介して製品に圧縮力を与える加圧室21を有する。図3に示すように、加圧室21には、加熱体21a及び加圧用オイルOpが収容されている。上側加圧ユニット20aの加圧室21に収容された加圧用オイルOpは、ベルト13aの上面に接触しており、ベルト13aを介して製品に圧縮力を与えるために用いられる。下側加圧ユニット20bの加圧室21に収容された加圧用オイルOpは、ベルト13bの下面に接触しており、ベルト13bを介して製品に圧縮力を与えるために用いられる。加熱体21aは、加圧室21に収容された加圧用オイルOpを加熱するために用いられる。このため、製品は、加熱された状態で圧縮成型される。
【0024】
図2に示すように、加圧室21の外縁には、シール部40及びワイパ50が設けられている。シール部40及びワイパ50は、X-Y平面内において、加圧室21の外縁に沿って矩形状に形成されており、加圧室21で用いられる加圧用オイルOpが上側加圧ユニット20aや下側加圧ユニット20bの外部に漏れることを防止する。ワイパ50は、シール部40よりも加圧室21から離れた位置に設けられている。ワイパ50は、例えば、金属や樹脂で形成することができる。シール部40及びワイパ50の間に設けられたオイル回収口44は、シール部40からシール用オイルOs(後述する内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)などが漏れてしまったときに、このシール用オイルOsを回収するために用いられる。
【0025】
シール部40は、内シール溝41及び外シール溝42を有しており、内シール溝41及び外シール溝42のそれぞれは、X-Y平面内において、加圧室21の外縁に沿って矩形状に形成されている。内シール溝41は、外シール溝42よりも加圧室21に近い位置に設けられており、外シール溝42は、内シール溝41よりも加圧室21から離れた位置に設けられている。内シール溝41及び外シール溝42の間には、隔壁部43が設けられている。ここで、隔壁部43は、2つの側壁面を有しており、一方の側壁面は内シール溝41の一部を構成しており、他方の側壁面は外シール溝42の一部を構成している。
【0026】
内シール溝41及び外シール溝42のそれぞれには、隔壁部43からシール用オイルOs(内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)が供給されるとともに、内シール溝41及び外シール溝42に供給されたシール用オイルOsが隔壁部43から回収される。内シール溝41や外シール溝42にシール用オイルOsを供給する構造や、シール用オイルOsを回収する構造については、後述する。
【0027】
図3に示すように、ワイパ50の先端部は、ベルト13a,13bの表面に押し付けられており、ベルト13a,13bの表面に沿ってオイル(主に、シール用オイルOs)が上側加圧ユニット20a及び下側加圧ユニット20bの外部に漏れることを防止する。
【0028】
図4は、図2のA1-A1断面又はA2-A2断面を示す概略図であり、内シール溝41に内シール用オイルOs1を供給する構造を主に示す。図4に示すように、内シール溝41の内部には、内シール60a及び内シール用変形部材80aが配置されており、外シール溝42の内部には、外シール60b及び外シール用変形部材80bが配置されている。内シール60a及び内シール用変形部材80aは、内シール溝41に沿って配置されており、X-Y平面内において矩形状に形成されている。また、外シール60b及び外シール用変形部材80bは、外シール溝42に沿って配置されており、X-Y平面内において矩形状に形成されている。
【0029】
内シール60a及び外シール60bは、例えば、鉄や合金などの金属で形成することができる。内シール用変形部材80aは、内シール溝41の底面に配置されており、外シール用変形部材80bは、外シール溝42の底面に配置されている。内シール用変形部材80aや外シール用変形部材80bとしては、弾性変形が可能な部材、例えば、Оリングを用いることができる。内シール用変形部材80aは、内シール溝41の底面と内シール60aの間に配置されるとともに、内シール溝41の底面と内シール60aに接触している。また、外シール用変形部材80bは、外シール溝42の底面と外シール60bの間に配置されるとともに、外シール溝42の底面と外シール60bに接触している。
【0030】
内シール溝41の底面には、オイル供給通路81aが接続されており、オイル供給通路81aから内シール溝41に向かって内シール付勢用オイルOb1が供給される。内シール溝41の底面において、オイル供給通路81aは、内シール用変形部材80aによって塞がれたままとなっており、オイル供給通路81aから内シール溝41に向かって供給される内シール付勢用オイルOb1は、内シール用変形部材80aを介して、内シール60aをベルト13bに押し付ける力(以下、「押付け力F1」という。)を発生させる。ここで、内シール用変形部材80aが弾性変形することにより、内シール溝41内における内シール60aの移動を許容する。
【0031】
外シール溝42の底面には、オイル供給通路81bが接続されており、オイル供給通路81bから外シール溝42に向かって外シール付勢用オイルOb2が供給される。外シール溝42の底面において、オイル供給通路81bは、外シール用変形部材80bによって塞がれたままとなっており、オイル供給通路81bから外シール溝42に向かって供給される外シール付勢用オイルOb2は、外シール用変形部材80bを介して、外シール60bをベルト13bに押し付ける力(以下、「押付け力F2」という。)を発生させる。ここで、外シール用変形部材80bが弾性変形することにより、外シール溝42内における外シール60bの移動を許容する。
【0032】
上述した押付け力F1は、押付け力F2よりも大きくすることができる。これにより、内シール60aをベルト13a,13bに向かって押し付けやすくして、加圧室21に収容された加圧用オイルOpが内シール60a及びベルト13a,13bの間から漏れてしまうことを防止できる。
【0033】
内シール溝41の一部を形成する隔壁部43の側壁面には、内シール溝41に向かって内シール用オイルOs1を供給するための内側オイル供給口43aが形成されている。内側オイル供給口43aには、隔壁部43の内部に形成されたオイル供給通路43bが接続されている。オイル供給通路43bは、上述したオイル供給管31(シール用オイルOsを供給するオイル供給管31)に接続されている。
【0034】
図4に示すように、内側オイル供給口43aから内シール溝41に供給された内シール用オイルOs1は、主に、内シール溝41に溜まったり、隔壁部43の先端部及びベルト13b(又はベルト13a)の間に形成されたスペースに溜まったり、後述する内シールオイル流通路71に流れ込んだりする。オイル供給通路43bは、内側オイル供給口43aからベルト13bに向かう傾斜方向(図4の右斜め上の方向)に内シール用オイルOs1を供給する。このようにオイル供給通路43bを構成することにより、内側オイル供給口43aから内シール溝41に向かってスムーズに内シール用オイルOs1を供給することができる。
【0035】
内シール60aの内部には、内シール用オイルOs1を流動させるための内シールオイル流通路71が形成されている。内シールオイル流通路71の一端にはオイル取込口71aが形成されており、内シールオイル流通路71の他端にはオイル噴出口71bが形成されている。オイル取込口71aは、内側オイル供給口43aが形成された隔壁部43の側壁面と対向しており、内側オイル供給口43aから内シール溝41に供給された内シール用オイルOs1は、オイル取込口71aから内シールオイル流通路71に取り込まれる。内シールオイル流通路71を通過した内シール用オイルOs1は、オイル噴出口71bからベルト13b(又はベルト13a)に向かって噴出する。これにより、内シール60a及びベルト13b(又はベルト13a)の間において、内シール用オイルOs1の層が形成され、この層によって、加圧室21内の加圧用オイルOpが加圧室21の外部に漏れることを阻止することができる。
【0036】
内シール60aには、互いに異なる複数の位置において、複数の内シールオイル流通路71(オイル取込口71a及びオイル噴出口71b)が形成されている。同様に、隔壁部43には、互いに異なる複数の位置において、複数のオイル供給通路43bが形成されている。上述したように、内シール60aにおける複数の位置にオイル噴出口71bを形成することにより、ベルト13b(又はベルト13a)と対向する内シール60aの面の全体に対して、内シール用オイルOs1の層を形成することができる。
【0037】
図5は、図2のB1-B1断面又はB2-B2断面を示す概略図であり、外シール溝42に外シール用オイルOs2を供給する構造を主に示す。図5に示すように、外シール溝42の一部を形成する隔壁部43の側壁面には、外シール溝42に向かって外シール用オイルOs2を供給するための外側オイル供給口43cが形成されている。外側オイル供給口43cには、隔壁部43の内部に形成されたオイル供給通路43dが接続されている。オイル供給通路43dは、上述したオイル供給管31(外シール用オイルOs2を供給するオイル供給管31)に接続されている。
【0038】
図5に示すように、外側オイル供給口43cから外シール溝42に供給された外シール用オイルOsは、主に、外シール溝42に溜まったり、隔壁部43の先端部及びベルト13b(又はベルト13a)の間に形成されたスペースに溜まったり、後述する外シールオイル流通路72に流れ込んだりする。オイル供給通路43dは、外側オイル供給口43cからベルト13bに向かう傾斜方向(図5の左斜め上の方向)に外シール用オイルOs2を供給する。このようにオイル供給通路43dを構成することにより、外側オイル供給口43cから外シール溝42に向かってスムーズに外シール用オイルOs2を供給することができる。
【0039】
外シール60bの内部には、外シール用オイルOs2を流動させるための外シールオイル流通路72が形成されている。外シールオイル流通路72の一端にはオイル取込口72aが形成されており、外シールオイル流通路72の他端にはオイル噴出口72bが形成されている。オイル取込口72aは、外側オイル供給口43cが形成された隔壁部43の側壁面と対向しており、外側オイル供給口43cから外シール溝42に供給された外シール用オイルOs2は、オイル取込口72aから外シールオイル流通路72に取り込まれる。外シールオイル流通路72を通過した外シール用オイルOs2は、オイル噴出口72bからベルト13b(又はベルト13a)に向かって噴出する。これにより、外シール60b及びベルト13b(又はベルト13a)の間において、外シール用オイルOs2の層が形成され、この層によって、加圧室21内の加圧用オイルOpが加圧室21の外部に漏れることを阻止することができる。
【0040】
外シール60bには、互いに異なる複数の位置において、複数の外シールオイル流通路72(オイル取込口72a及びオイル噴出口72b)が形成されている。同様に、隔壁部43には、互いに異なる複数の位置において、複数のオイル供給通路43dが形成されている。上述したように、外シール60bにおける複数の位置にオイル噴出口72bを形成することにより、ベルト13b(又はベルト13a)と対向する外シール60bの面の全体に対して、外シール用オイルOs2の層を形成することができる。
【0041】
図6は、図2のC1-C1断面又はC2-C2断面を示す概略図であり、内シール溝41に供給された内シール用オイルOs1や外シール溝42に供給された外シール用オイルOs2を回収する構造を主に示す。図6に示すように、ベルト13bと対向する隔壁部43の先端面には、内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2を回収するためのオイル回収口43eが形成されている。オイル回収口43eは、内シール60a及び外シール60bの間に形成されたスペースに溜まった内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2を回収する。また、隔壁部43の内部には、オイル回収口43eに接続されたオイル回収通路43fが形成されている。オイル回収口43eからオイル回収通路43fに流入したオイルは、上述したオイル排出管32(図1参照)に導かれる。
【0042】
図7は、ベルト13a,13bの側からシール部40を見たときの図である。図7では、内シール溝41に配置された内シール60aや、外シール溝42に配置された外シール60bを示している。
【0043】
図7に示すように、内シール60aに形成されたオイル噴出口71bは、内シール60aの長手方向に延びており、オイル噴出口71bから噴出された内シール用オイルOs1は、内シール60a及びベルト13a,13bの間において層を形成する。内シール60aは、X-Y平面内において、加圧室21の外縁に沿って矩形状に形成されており、X方向に延びる部分と、Y方向に延びる部分とで構成されている。X方向に延びる部分では、オイル噴出口71bがX方向に延びており、Y方向に延びる部分では、オイル噴出口71bがY方向に延びている。
【0044】
図7に示すように、外シール60bに形成されたオイル噴出口72bは、外シール60bの長手方向に延びており、オイル噴出口72bから噴出された外シール用オイルOs2は、外シール60b及びベルト13a,13bの間において層を形成する。外シール60bは、X-Y平面内において、加圧室21の外縁に沿って矩形状に形成されており、X方向に延びる部分と、Y方向に延びる部分とで構成されている。X方向に延びる部分では、オイル噴出口72bがX方向に延びており、Y方向に延びる部分では、オイル噴出口72bがY方向に延びている。
【0045】
図2及び図4図6を用いて説明したように、内側オイル供給口43a、外側オイル供給口43c及びオイル回収口43eは、隔壁部43において、互いに異なる位置に設けられている。なお、内側オイル供給口43aの総数、外側オイル供給口43cの総数、オイル回収口43eの総数は、適宜決めることができる。ここで、内側オイル供給口43aの総数を、外側オイル供給口43cの総数よりも多くすることができる。
【0046】
内シール60a及び外シール60bのそれぞれは、1つの部材(シール)によって構成することもできるし、複数の部材(サブシール)によって構成することもできる。図8には、内シール60a及び外シール60bのそれぞれを、2つの部材(第1サブシール61及び第2サブシール62)によって構成した例を示す。なお、内シール60a及び外シール60bの少なくとも一方を2つの部材(第1サブシール61及び第2サブシール62)によって構成することができる。図9は、図8の矢印D3の方向(Z方向)から第1サブシール61及び第2サブシール62を見たときの概略図である。
【0047】
図8及び図9において、第1サブシール61及び第2サブシール62は互いに接続されることにより、内シール60a又は外シール60bを構成する。具体的には、第1サブシール61には開口部61aが形成されており、ピン62aは、開口部61aを貫通して、ピン62aの両端部において第2サブシール62に固定されている。ピン62aの外周面と開口部61aの内周面との間には、隙間が形成されており、ピン62aは、開口部61aの内側に形成された空間内で移動可能である。ここで、開口部61aの外径は、ピン62aの外径よりも大きい。
【0048】
図9に示す構造の代わりに、図10に示す構造を用いることもできる。図10に示す構造では、第1サブシール61の端部と第2サブシール62の端部が互いに重ねられており、第1サブシール61の端部と第2サブシール62の端部にはピン62aが貫通している。また、第1サブシール61の端部には開口部61aが形成されており、開口部61aの内側にピン62aが位置している。図10に示す構造でも、図9に示す構造と同様に、ピン62aの外周面と開口部61aの内周面との間には、隙間が形成されており、ピン62aは、開口部61aの内側に形成された空間内で移動可能である。
【0049】
ピン62a及び開口部61aの間に隙間が形成されていることにより、第1サブシール61及び第2サブシール62は、Z方向に相対的に変位したり、X方向又はY方向に相対的に変位したりすることができる。これにより、図8に示すように、上側に位置する内シール60a(又は外シール60b)とベルト13aとの間に形成されるデッドスペースSや、下側に位置する内シール60a(又は外シール60b)とベルト13bとの間に形成されるデッドスペースSを小さくでき、デッドスペースSからのシール用オイルOs(内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)の漏れを抑制することができる。以下、具体的に説明する。
【0050】
図8に示す例では、上下に配置された一対の第1サブシール61の間において、一対のベルト13a,13bで挟まれた製品Pが移動する。ここで、製品Pとしては、厚さ(Z方向の長さ)が異なる複数種類の製品Pが用いられることがあるため、製品Pの厚さが変化したときには、製品Pを挟んだときのベルト13a,13bの変形状態(図8参照)が変化する。
【0051】
ここで、第1サブシール61及び第2サブシール62が一体的に構成されている場合には、製品Pを挟んだときのベルト13a,13bの変形に追従しにくくなる。そして、製品Pの厚さが厚いほど、デッドスペースSが大きくなりやすく、デッドスペースSからシール用オイルOs(内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)が漏れてしまうおそれがある。
【0052】
一方、第1サブシール61及び第2サブシール62を相対的に変位させる構造では、第1サブシール61及び第2サブシール62を、製品Pを挟んだときのベルト13a,13bの変形に追従させることができ、デッドスペースSが大きくなることを抑制できる。例えば、製品Pの厚さが厚くなったとき、第1サブシール61は、第2サブシール62に対して製品Pから離れる方向(図7の上方や下方)に変位するとともに、第2サブシール62はベルト13a,13bに近づいた状態に維持される。これにより、デッドスペースSが大きくなることを抑制でき、デッドスペースSが大きくなることによるシール用オイルOs(内シール用オイルOs1や外シール用オイルOs2)の漏れを抑制することができる。
【0053】
ベルト13a,13bによって挟まれた製品Pが、図8の紙面と直交する方向に搬送される場合において、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分は、製品Pの幅方向(図1に示すY方向)における端部に相当する位置に設けることができる。上述したように、内シール60a(又は外シール60b)は、X-Y平面内で矩形状に形成されているため、X方向に延びる部分とY方向に延びる部分とで構成されている。このため、内シール60a(又は外シール60b)のうち、Y方向に延びる部分において、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を設けることができる。
【0054】
ここで、製品Pの幅方向における両端部のうち、少なくとも一方の端部に相当する位置に、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を設けることができる。また、幅が互いに異なる複数種類の製品Pを用いる場合には、複数種類の製品Pの幅のそれぞれに対応するように、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を複数箇所に設けることができる。すなわち、内シール60a(又は外シール60b)のうち、Y方向に延びる部分において、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を複数箇所に設けることができる。なお、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を複数箇所に設ける場合には、当然のことながら、内シール60a(又は外シール60b)は、3つ以上のサブシールで構成されることになる。
【0055】
一方、ベルト13a,13bによって挟まれた製品Pが、図8の左右方向に搬送される場合において、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分は、製品Pの搬送方向(図1に示すX方向)における任意の位置に設けることができる。すなわち、内シール60a(又は外シール60b)のうち、X方向に延びる部分において、第1サブシール61及び第2サブシール62の接続部分を1箇所又は複数箇所に設けることができる。この場合であっても、ベルト13a,13bが製品Pを搬送している間において、デッドスペースSが大きくなることを抑制できる。
【0056】
図8に示す例では、ベルト13aの上方に位置する内シール60a(又は外シール60b)と、ベルト13bの下方に位置する内シール60a(又は外シール60b)を、第1サブシール61及び第2サブシール62によって構成しているが、これに限るものではない。具体的には、ベルト13aの上方に位置する内シール60a(又は外シール60b)だけを第1サブシール61及び第2サブシール62によって構成したり、ベルト13bの下方に位置する内シール60a(又は外シール60b)だけを第1サブシール61及び第2サブシール62によって構成したりすることができる。
【0057】
本実施形態では、第2サブシール62に対して、第1サブシール61をZ方向に変位させたり、X方向又はY方向に変位させたりしているが、これに限るものではない。上述した製品Pの厚さを考慮すると、第2サブシール62に対して第1サブシール61をZ方向に変位させることができればよい。この場合には、開口部62aとして、Z方向に延びる長穴を用いることができ、この長穴に沿ってピン61aをZ方向にガイドすることができる。
【0058】
本実施形態では、ピン62a及び開口部61aを用いることにより、第1サブシール61及び第2サブシール62を相対的に変位させるようにしているが、これに限るものではない。上述したように、第1サブシール61及び第2サブシール62を相対的に変位させることができればよいため、相対的な変位を許容する他の構造を用いることもできる。
【符号の説明】
【0059】
1:ダブルベルトプレス、13a,13b:ベルト、21:加圧室、40:シール部
41:内シール溝、42:外シール溝、43:隔壁部、43b,43d:オイル供給通路
43e:オイル回収口、43f:オイル回収通路、50:ワイパ、60a:内シール
60b:外シール、61:第1サブシール、62:第2サブシール、
80a:内シール用変形部材、80b:外シール用変形部材、P:製品、
Op:加圧用オイル、Os:シール用オイル、Os1:内シール用オイル、
Os2:外シール用オイル、Ob:付勢用オイル、Ob1:内シール付勢用オイル、
Ob2:外シール付勢用オイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のベルトによって製品を挟んだ状態で搬送しながら、加圧室に収容された加圧用流体によって製品を加圧するダブルベルトプレスであって、
前記加圧室の外縁に沿って設けられ、前記加圧室をシールするシール部を有し、
前記シール部は、
内シール溝に収容された内シールであって、前記内シール溝に供給されたシール用流体を取り込む取込口と、この取込口から取り込まれたシール用流体を前記ベルトに向けて噴出させる噴出口とが両端に形成された内シール流通路を内部に有する内シールと、
前記内シール溝よりも前記加圧室から離れた位置に設けられた外シール溝に収容された外シールであって、前記外シール溝に供給されたシール用流体を取り込む取込口と、この取込口から取り込まれたシール用流体を前記ベルトに向けて噴出させる噴出口とが両端に形成された外シール流通路を内部に有する外シールと、
前記内シール溝及び前記外シール溝の間に形成された隔壁部であって、前記内シール溝及び前記外シール溝のそれぞれに前記シール用流体を供給する複数の流体供給通路と、前記内シール及び前記外シールの間に形成されたスペースに溜まった前記シール用流体を回収する複数の流体回収通路とのそれぞれが、前記加圧室の外縁に沿った方向における互いに異なる位置に設けられた隔壁部と、
を有することを特徴とするダブルベルトプレス。
【請求項2】
前記内シール溝の底面と前記内シールとの間に配置されており、弾性変形が可能な内シール用変形部材と、
前記外シール溝の底面と前記外シールとの間に配置されており、弾性変形が可能な外シール用変形部材と、を有し、
前記内シール用変形部材は、前記内シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、前記内シールを前記ベルトに向かって付勢し、
前記外シール用変形部材は、前記外シール溝の底面から供給される流体からの押圧力を受けて、前記外シールを前記ベルトに向かって付勢し、
前記ベルトに対して前記内シールを付勢する力は、前記ベルトに対して前記外シールを付勢する力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のダブルベルトプレス。
【請求項3】
前記シール用流体を前記内シール溝に供給する前記流体供給通路は、前記内シール溝の一部を形成する前記隔壁部の側面から前記ベルトに向かう傾斜方向に前記シール用流体を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のダブルベルトプレス。
【請求項4】
前記シール用流体を前記外シール溝に供給する前記流体供給通路は、前記外シール溝の一部を形成する前記隔壁部の側面から前記ベルトに向かう傾斜方向に前記シール用流体を供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。
【請求項5】
前記シール部よりも前記加圧室から離れた位置において、前記加圧室の外縁に沿って設けられており、前記ベルトの表面に押し付けられるワイパを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。
【請求項6】
前記シール部及び前記ワイパの間には、前記シール用流体を回収する回収口が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のダブルベルトプレス。
【請求項7】
前記内シール及び前記外シールの少なくとも一方は、互いに接続される第1サブシール及び第2サブシールから構成されており、
前記第1サブシール及び前記第2サブシールは、前記一対のベルトが前記製品を挟む方向に変位可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のダブルベルトプレス。